JP4803321B2 - 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4803321B2
JP4803321B2 JP2010543737A JP2010543737A JP4803321B2 JP 4803321 B2 JP4803321 B2 JP 4803321B2 JP 2010543737 A JP2010543737 A JP 2010543737A JP 2010543737 A JP2010543737 A JP 2010543737A JP 4803321 B2 JP4803321 B2 JP 4803321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
layer
emitting layer
organic
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010543737A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010092931A1 (ja
Inventor
祥平 木村
貴央 清水
晋也 阿部
達也 緑川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2010543737A priority Critical patent/JP4803321B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4803321B2 publication Critical patent/JP4803321B2/ja
Publication of JPWO2010092931A1 publication Critical patent/JPWO2010092931A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/35Devices specially adapted for multicolour light emission comprising red-green-blue [RGB] subpixels
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • H10K71/13Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
    • H10K59/122Pixel-defining structures or layers, e.g. banks
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays
    • H10K59/173Passive-matrix OLED displays comprising banks or shadow masks
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法に関する。
一般的に、有機EL(Electro Luminescence:エレクトロルミネッセンス)素子は、二つの対向する電極基板の間に、有機発光材料からなる有機発光媒体層を形成し、有機発光媒体層に電流を流すことにより発光させるものであるが、効率良く発光させるには、有機発光媒体層の膜厚のコントロールが重要であり、例えば膜厚100nm程度に極めて薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには、高精細にパターニングする必要がある。
基板等に形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は、基板に抵抗加熱蒸着法(真空蒸着法)等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほど、パターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では基板等に形成する有機発光材料に高分子材料を用い、この有機発光材料を溶剤に溶かしてインキ化して塗工インキ液にした後、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたり、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分けパターニングを得意とする印刷法でのパターン印刷による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法の中でも、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基板を用いることが多いため、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きである。そのために、弾性を有するゴム製の印刷版を用いた印刷法や、ゴム製の印刷用ブランケットを用いたオフセット印刷法や、弾性を有するゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法等が適性な印刷法として採用することができる。実際に、これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷によるパターン印刷方法(特許文献1)、凸版印刷によるパターン印刷方法(特許文献2、3)などが提唱されている。
また、円圧式の凸版オフセット印刷機としては図示しないが、シリンダー状の回転するブランケット胴と、定位置に固定配置された平坦な圧定盤とによる印刷機がある。これは平坦な印刷用凸版を水平に載置して位置決め固定する平坦な版固定定盤と、被印刷体(印刷基板)を水平に載置して位置決め固定する平坦な被印刷体固定定盤(圧定盤)と、前記版固定定盤上に載置固定した印刷用凸版の上面を周接移動(転動)して、頂部面にインキを付着させるインキ供給ローラーと、インキ供給ローラーが待機中に印刷用凸版の上面を周接移動(転動)して頂部面に付着しているインキを表面ゴム製のブランケット面に転移させ、さらに転動してブランケット面に転移した前記インキを被印刷体固定定盤上に載置固定した被印刷体(印刷基板)に転写して印刷するブランケット胴を備えている。
一方、凸版印刷法において塗工用の粘稠状(又はチクソトロピー状)のインキ又は液状のインキ(インキ液)には、最適な粘度、表面張力があることが知られており、特に液状のインキには、増粘剤といった粘度調整剤や、表面張力を調整するための界面活性剤等を添加するのが一般的である。
電子材料を印刷する場合、その溶解性に限りがあったり、不純物を嫌う場合があり、インキ物性としての制限が大きい場合がある。
特に、有機発光材料を印刷法により印刷して成膜する場合、有機発光材料は、水やアルコール、有機溶剤といった溶媒(必要に応じてバインダー樹脂)中に、分散もしくは溶解させることにより、印刷、塗工用のインキ液としてインキ化するものである。
有機発光材料をパターン成膜し、素子として駆動させる場合、その素子の耐久性は有機発光材料により成膜される膜の純度が高い方が良いとされているため、有機発光材料の膜中に残留する増粘剤などは純度を低下させる要因となるため添加することができず、この理由からも、印刷物のインキ転移性、パターン形状の安定性を得るための有機発光材料インキ液の調整可能な諸物性の範囲は限られてしまう。
上記のような理由と、特に発光材料の場合、その溶解性の低さから、一部の芳香族溶剤しか用いることができず、インキの選択幅はさほど大きくない。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 特開2001−155861号公報
携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、デジタルカメラ等のモバイル用途の表示パネルは100ppi以上の高精細なディスプレイを必要とするが、こういった高精細なディスプレイは、画素間の距離も40〜10μm程度と狭くなる為、印刷の位置精度が悪い場合隣接画素近くまで印刷パターンがずれ込んで固化してしまう場合がある。また、位置精度が悪く無い場合であっても、液体である印刷インキが、隣接する画素の印刷パターン近傍まで接近してしまう場合、固化していた印刷パターンが、接近してきた印刷インキに再び溶解し、印刷インキに溶け込み、混色を起こしてしまうという問題がたびたび起こる。
特に、発光波長の長い材料(大雑把には、長い(赤)>(緑)>(青)短い)が、波長の短い材料に混入した場合、有機ELにおいては、エネルギー移動という現象により優先的に波長の長い材料が発光してしまう。すなわち、波長の短い青に、波長の長い赤が混入した場合、その発光色は青から大きくずれ、白色に近い発光になってしまう。
また、印刷法による発光層の形成においては、形成する領域の表面の濡れ性の影響を顕著に受ける。このため、発光層の直下の層(これを下地層と定義する)を隔壁基板に対して従来のように画素内のみに施した場合、下地層の印刷のされていない画素周辺の隔壁上は画素内と濡れ性が異なるために発光層の膜厚が安定しないという問題が生じる。
さらに、発光層は下地層上に形成されるため、下地層の成膜状態によって、発光層の成膜状態も変化してしまう。すなわち、下地層の膜厚が不均一であると、表面の凹凸や濡れ性の不均一性のために発光層の膜厚も不均一になり、発光ムラが生じてしまう。
本発明の課題は、インキの混色による色度のずれを最小限に止め、均一な膜厚の発光層を形成することでムラのない安定した発光が得られ、生産の収率を向上させることができる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法を提供することである。
(1) 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子との間に形成された隔壁とTFTとを備えた基板と、前記基板上に前記TFTと接続するよう形成された第1の電極層と、前記第1の電極層上及び隔壁上に形成された正孔輸送層と、前記正孔輸送層上にストライプ状に形成された下地層と、前記下地層上に形成された第1の波長で発光する第1の発光層と、前記第1の発光層に少なくとも一部が重なって形成され前記第1の波長よりも長い第2の波長で発光する第2の発光層と、前記第1又は第2の発光層上に形成された第2の電極層と、を備え、前記第1の発光層と前記第2の発光層は、前記隔壁上に形成された前記下地層上で重なり、且つ、それぞれ前記下地層に直交するストライプ状に形成されている。
本発明では、第1の波長で発光する第1の発光層の上に、第1の波長よりも長い第2の波長で発光する第2の発光層が重なるようにしたため、第1の発光層に含まれる色素が、第2の発光層に流入した場合であっても、第1の発光層の色素よりもエネルギーの低い第2の発光層の色素が優先的に発光させることができ、混色が起こることを防ぐことができる。
また、本発明では、正孔輸送層と発光層との間にバッファー層として形成される下地層が、正孔の輸送性を高める効果と、第2の電極側から移動してきた電子をブロックする効果が期待され、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率や寿命を向上することができる。
(2) 本発明では(1)の発明において、前記下地層はストライプ状に形成され、各発光層は隔壁上に形成された前記下地層上で重なっている。
本発明では、下地層が各画素とその間の隔壁を被覆するように画素の短辺方向にストライプ状に形成され、発光層が下地層のストライプ方向と直交するようにストライプ状に形成され、さらに各発光層が下地層上で重なることによって、濡れ性が向上し平坦性の高い発光層が形成できると共に、下地層を全面にした場合よりも、凸版印刷等の印刷法を用いて下地層を均一に形成することができる。
また、下地層をストライプとすることで、電極層上の画素領域と、隔壁上の発光層が重なる部分のみに下地層を形成することができるので、電気抵抗の低い無機材料を用いた場合でも、リーク電流を抑制することができる。
(3) 本発明では()の発明において前記第1の発光層及び前記第2の発光層は、それぞれ前記下地層に直交するストライプ状に形成されている。
本発明では、発光層を下地層の長辺方向と直交するように形成することで、下地層上で各発光層が重なり、平坦性の高い発光層が形成できる。
(4) 本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法は、隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子との間に形成された隔壁とTFTとを備えた基板上に前記TFTと接続するよう第1の電極層を形成する第1の工程と、前記第1の電極層上及び隔壁上に正孔輸送層を形成する第2の工程と、前記第1の電極層上及び前記隔壁上の前記正孔輸送層上に下地層をストライプ状に形成する第3の工程と、前記下地層上に第1の波長で発光する第1の発光層を形成する第4の工程と、前記下地層上に前記第1の波長よりも長い第2の波長で発光する第2の発光層を前記第1の発光層に少なくとも一部が重なるように形成する第5の工程と、前記第1又は第2の発光層上に第2の電極層を形成する第6の工程と、を有し、前記第4及び第5の工程では、前記第1の発光層及び前記第2の発光層を、それぞれ前記下地層と直交するストライプ状に形成する
本発明では、バッファー層である下地層を正孔輸送層と発光層との間に形成したため、正孔の輸送性を高める効果と、第2の電極側から移動してきた電子をブロックする効果が期待され、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率や寿命を向上することができる。
また、本発明では、第1の波長で発光する第1の発光層を形成した後に、第1の波長よりも長い第2の波長で発光する第2の発光層が第1の発光層に重なるように形成するようにしたため、第1の発光層に含まれる色素が、第2の発光層に流入した場合であっても、第1の発光層の色素よりもエネルギーの低い第2の発光層の色素を優先的に発光させることができ、混色が起こることを防ぐことができる。
(5) 本発明では(4)の発明において、前記第4の工程では、前記第1の波長で発光する第1の色素を含むインキをパターニングすることにより前記第1の発光層を形成し、前記第5の工程では、前記第2の波長で発光する第2の色素を含むインキを前記第1の発光層が固化した後にパターニングすることにより前記第2の発光層を形成する。
本発明では、第1の発光層をパターニングして、その第1の発光層が固化して乾燥した後に、第2の発光層をパターニングするようにしたので、第1の色素が第2の発光層に流入する量を少なくすることができ、混色が起きにくくすることができる。
(6) 本発明では(5)の発明において、前記第4及び第5の工程では、前記第1又は第2の発光層を第1の色素を含むインキ又は第2の色素を含むインキを転写体から基板上に転写して形成する。
本発明では、同じ発光材料を用いて有機EL素子上の全面に各発光層を塗布することができるため、発光層を形成する工程を簡略化することが可能となり、生産性を向上させることができる。
(7) 本発明では(6)の発明において、転写体から基板上に転写されるインキパターンの幅が、隔壁間の距離よりも大きいものとする。
本発明では、インキパターンの幅が、隔壁間の距離よりも大きいので、隔壁間の画素領域に確実に塗布形成し、膜厚平坦性に優れた発光層を形成することができる。
(8) 本発明では(4)の発明において、前記第3の工程では、前記下地層を前記第1の電極層上及び前記隔壁上にストライプ状に形成し、前記第5の工程では、前記第2の発光層を前記第1の発光層と隔壁上に形成された前記下地層上で重なるように形成する。
本発明では、第1の電極及び隔壁の全面に形成された正孔輸送層上に下地層を形成したので、隔壁内の表面の濡れ性を均一にすることができ、直上に形成される発光層の膜厚を均一にすることができる。
(9) 本発明では(7)の発明において、前記第4及び第5の工程では、前記第1の発光層及び前記第2の発光層を、それぞれ前記下地層と直交するストライプ状に形成する。
本発明では、発光層を下地層の長辺方向と直交するように形成することで、下地層上で各発光層が重なり、平坦性の高い発光層が形成できる。
(10) 本発明では(4)の発明において、前記第1又は第2の発光層を凸版印刷法により形成する。
本発明では、パターン形成精度、膜厚均一性などに優れた発光層を形成することができる。
(11) 本発明では(4)の発明において、前記第3の工程では前記下地層を凸版印刷法によって形成する。
本発明では、凸版印刷法により必要な画素部にのみ下地層を形成でき、また、下地層の膜厚や濡れ性を均一に成膜できるため、下地層の上に形成する発光層の膜厚を均一にすることができ、発光ムラを低減することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法は、インキの混色による色度のずれを最小限に止め、均一な膜厚の発光層を形成することでムラのない安定した発光が得られ、さらに生産の収率を向上させることができる。
有機ELディスプレイの製造装置に用いる印刷用凸版の断面図。 有機ELディスプレイの製造装置の概略構成図。 有機ELディスプレイ100aの構造を示す断面図。 有機ELディスプレイ100bの構造を示す断面図。 有機ELディスプレイ100a(図3)の製造方法を示す図。 有機ELディスプレイ100a(図3)の製造方法を示す図。 有機ELディスプレイ100a(図3)の製造方法の他の一例を示す図。 有機ELディスプレイ100a(図3)の製造方法の他の一例を示す図。 有機ELディスプレイ100a(図3)の構造を示す平面図。 有機ELディスプレイ100a(図3)の構造の他の一例を示す平面図。 有機ELディスプレイの下地層形成工程を示す平面図。 本発明の実施例1及び2により製造した有機ELディスプレイの発光写真。 比較例1により製造した有機ELディスプレイの発光写真。 比較例1により製造した有機ELディスプレイにおいて、混色が起こる原因を示した断面図。 比較例1により製造した有機ELディスプレイにおいて、混色が起こる原因を示した断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明はこれに限るものではない。
まず、本発明の実施に用いられる印刷用凸版について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における有機ELディスプレイ作製のための印刷用凸版の側断面図である。図1において、1aは凸版のベース基材層であり、1bはベース基材層1a上の凸状部形成材層(凸状部とも称する)である。ベース基材層1aと凸状部形成材層1bとにより凸版Sが形成されている。
凸状部形成材層1bとしては、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子を用いることができる。
なかでも、水溶性ポリマーを主成分として含む材料は、塗工インキの成分である有機発光材料の溶液や分散液を構成している有機溶剤への耐性も高いため、これを用いることも望ましい。
ここで、例えば、電子材料の一つである有機発光材料の塗工インキとしては、沸点が低いほど、乾燥工程が容易になるという利点があるものの、印刷プロセスの時間を考慮すると、あまりに沸点の低い溶剤を用いると、版上部でインキが乾燥してしまう。そのため、インキには沸点130℃以上の溶剤を適度に混合し、インキの乾燥を防ぐことが好ましい。
沸点130℃以上の溶剤としては、例えば、2,3−ジメチルアニソール、2,5−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、トリメチルアニソール、テトラリン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、シクロヘキシルベンゼン、n−アミルベンゼン、tert−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジメチルスルホキシドなどの中から1種、又は複数種を選択したものである。
上記の溶剤に溶かす有機発光材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾールなどの高分子中に低分子の蛍光発光色素を溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリアルキルフルオレン誘導体(PAF)等の高分子発光体が用いられる。これらの高分子有機発光材料(高分子EL素子用発光材料)は、溶剤に溶解又は安定して分散でき、インキ化することによって塗布法や印刷法により製膜することができるため、低分子発光材料を用いた有機EL素子の製造と比較して、大気圧下での製膜が可能であり、設備コストが安いという利点がある。
凸版Sとしては、先に記述した材質を用いることが出来るが、市販のフレキソ版や樹脂凸版も用いることが出来る。
凸版Sの作成方法としては、フォトマスクを用いてベース基材層1a上の凸状部形成材層1bの材料をパターン露光し硬化させ、未硬化部分の樹脂を洗い流し現像する。現像後に乾燥、後露光を行い、所定パターンのレリーフを形成するフォトリソグラフィー法やレーザーアブレーションや切削加工で形成するといった公知の方法を用いることができるが、その方法の容易さから、感光性樹脂によるフォトリソグラフィー法を用いることが望ましい。
本実施形態の印刷用凸版は、凸版印刷法(印刷用凸版を用いて印刷する印刷機)による印刷機に装着して印刷することができ、例えば、円圧式の凸版印刷機、又は円圧式の凸版オフセット印刷機などに装着して印刷することができる。
図2は、本発明の実施形態による有機ELディスプレイの製造装置の概略構成図である。図2に示す有機ELディスプレイの製造装置は、凸版印刷法を用いる円圧式の凸版印刷機であり、図示するように、インキタンク2とインキ供給部であるインキ吐出部3(チャンバー)と矢印方向D1(紙面に垂直な軸を回転軸として反時計回りに回転する方向)に回転するアニロックスロール5(金属製又は樹脂製の硬質ロール、又は適度な弾力性のある硬質ロール)と、印刷用凸版S(図1参照)を周面に装着可能な矢印方向D2(紙面に垂直な軸を回転軸として時計回りに回転する方向)に回転する版胴6を備えている。印刷用凸版は、ベース基材層1aと凸状部形成材層1bからなる。版胴6の下方には、水平方向D3(矢印方向)に反復移動する被印刷体固定定盤8を備え、該定盤8上には被印刷体7が装着固定されている。
インキタンク2には、赤色の発光色素を含むインキ、緑色の発光色素を含むインキ、青色の発光色素を含むインキが収容されており、インキ吐出部3にはインキタンク2より各色の発光色素を含むインキが混ざることなく個別に送り込まれるようになっている。アニロックスロール5は、インキ吐出部4に近接し、版胴6の印刷用凸版に接して回転するようになっている。
アニロックスロール5の回転に伴い、インキ吐出部3からアニロックスロール5の周面に吐出したインキ4aは、ドクター9などにより均一な膜厚に掻き取られ、アニロックスロール5の周面に均一な膜厚のインキ4aの膜として転移する。その後、版胴6に取り付けられた印刷用凸版Sの凸状部1bの頂部面に、前記アニロックスロール5周面のインキ4aが均一な膜厚にて転移する。
さらに、被印刷体固定定盤8上の被印刷体7(印刷基板)は、印刷用凸版の凸状部1bによる凸部パターンと被印刷体7との位相位置を調整する位置調整機構により位相位置を調整しながら図2に示すように印刷開始位置まで図面左方向に水平移動する。
その後に、被印刷体固定定盤8は、被印刷体7面に版胴6の印刷用凸版Sの凸状部1bを所定印圧にて接触させながら、版胴6の回転速度に整合して図面左方向に水平移動し、印刷用凸版の凸状部Sの頂部面のインキによる凸部パターンを被印刷体7面に印刷する。
印刷後の前記被印刷体7は、被印刷体固定定盤8上から取り除かれた後、次の被印刷体7が被印刷体固定定盤8上に装着固定される。この動作を繰り返すことにより印刷が実施される。
次に、本発明の有機ELディスプレイについて説明する。
図3は、本発明の実施形態による有機ELディスプレイ100aの構造を示す断面図である。基板10上には、所定の間隔離れて断面が台形状の隔壁11a、11b、11c、11dが形成されている。なお、基板10がTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)を含むようにしてもよい。
基板10上であって、隔壁11aと隔壁11bとの間、隔壁11bと隔壁11cとの間、隔壁11cと隔壁11dとの間には、画素電極である第一の電極12a、12b、12cがそれぞれ層状に形成されている。
隔壁11a、11b、11c、11d及び第1の電極12a、12b、12c上の全面には、正孔輸送層13が層状に形成されている。
さらに隔壁11a、11b、11c、11d及び正孔輸送層13上の全面に、下地層18が層状に形成されている。
隔壁11a、11b、正孔輸送層13上の下地層18には、青色に発光する色素を含有する有機発光材料を含むインキを塗布することにより発光層14Bが形成されている。隔壁11c、11d、正孔輸送層13上の下地層18には、緑色に発光する色素を含有する有機発光材料を含むインキを塗布することにより発光層14Gが形成されている。隔壁11b、11c、正孔輸送層13上の下地層18には、赤色に発光する色素を含有する有機発光材料を含むインキを塗布することにより発光層14Rが形成されている。
なお、隔壁11a、11b、正孔輸送層13上へのインキの塗布は、青色、緑色、赤色の順に行っている。そのため、発光層14Rは、隔壁11b上で発光層14Bに重っている。また、発光層14Rは、隔壁11c上で発光層14Gに重っている。また、発光層14Gは、隔壁11d上で発光層14Bに重っている。
発光層14B、14G、14R上には、対向電極である第2の電極15が層状に形成されている。第2の電極15上には、封止樹脂16の層が形成されている。
封止樹脂16上には、封止基板17が設けられている。
図3に示す有機ELディスプレイ100aでは、隔壁11aと隔壁11bに挟まれた領域、隔壁11bと隔壁11cに挟まれた領域、隔壁11cと隔壁11dに挟まれた領域が、有機EL素子である。
次に、本実施形態による有機ELディスプレイ100aの製造方法について説明する。
始めに、基板10を用意し、隣接する有機EL素子との間の基板10上に所定間隔を開けて、台形状の隔壁11a、11b、11c、11dを形成する。
次に、隔壁11a、11b、11c、11dの間の領域に第1の電極12a、12b、12cの層(第1の電極層とも称する)を形成し、隔壁11a、11b、11c、11d及び第1の電極12a、12b、12c上に、正孔輸送層13を形成する。
そして、隔壁11a、11b、11c、11dの表面及び正孔輸送層13の表面の全面に下地層18を形成する。
そして、隔壁11a及び隔壁11b上の領域と、隔壁11aと隔壁11bとの間の領域に、青色で発光する色素を含むインキ4aを塗布することによりパターニングして、発光層14Bを形成する。
青色で発光する色素を含むインキ4aが固化して乾燥した後、隔壁11c及び隔壁11d上の領域と、隔壁11cと隔壁11dとの間の領域に、青色よりも発光波長が長い緑色で発光する色素を含むインキ4aを、少なくとも一部が発光層14Bと重なるように塗布することによりパターニングして、発光層14Gを形成する。
緑色で発光する色素を含むインキ4aが固化して乾燥した後、隔壁11b及び隔壁11c上の領域と、隔壁11bと隔壁11cとの間の領域に、緑色よりも発光波長が長い赤色で発光する色素を含むインキ4aを、少なくとも一部が発光層14B又は発光層14Gと重なるように塗布することによりパターニングして、発光層14Rを形成する。
赤色で発光する色素を含むインキ4aが固化して乾燥した後、発光層14R、14G、14B上に、第2の電極15の層を形成する。
そして、第2の電極15上に、封止樹脂16の層を形成する。そして、封止樹脂16の層の上に、封止基板17を設置する。
なお、図3では、インキ4aを隔壁11a、11b、11c、11d上の全面に塗布するようにしてもよい。このような構成とすることにより、以下の(A1)、(A2)、(A3)のような利点が得られる。
(A1) 発光層14R、14G、14Bには絶縁性があるので、第1の電極12a、12b、12c、第2の電極15、または正孔輸送層13からの漏れ電流を遮断することができる。
(A2) 第1の電極12a、12b、12cを樹脂性とした場合に、隔壁11a、11b、11c、11dからガスが発生し、有機EL素子に悪影響を及ぼす可能性があるが、発光層14R、14G、14Bで隔壁11a、11b、11c、11d上の全面を覆うことにより、これを抑制することができる。
(A3) 有機EL素子の表面の濡れ性が均一になり、均一な膜形成が可能となり、断線を抑制できる。即ち、隔壁11a、11b、11c、11dのエッジが発光層でカバーされるため、その上に形成される第2の電極15の断線を抑制することができる。
有機ELディスプレイ100aを構成する有機EL素子は、導電性の有機発光媒体層(図3における発光層14R、14G、14B)と、この有機発光媒体層の厚さ方向の両側に配置された電極層(図3における第1の電極12a、12b、12c)及び対向電極層(図3における第2の電極15)とを備えており、基板10上に電極層、有機発光媒体層、対向電極層の順に積層して形成することで製造している。そして、有機発光媒体層に電圧を印加して電子及び正孔を注入して再結合させ、この結合の際に有機発光媒体層を発光させる。
ここでは、有機発光媒体層による発光効率を増大させるなどのために、電極層(第1の電極12a、12b、12c)と有機発光媒体層(発光層14R、14G、14B)との間に正孔輸送層13を設けているが、対向電極層(第2の電極15)と有機発光媒体層(発光層14R、14G、14B)との間に電子輸送層を設けるようにしてもよい。
次に、本実施形態による有機ELディスプレイ100aの詳細について、基板10から順に説明する。
基板10としては、有機EL装置の駆動方法をアクティブマトリクス方式とした場合、ガラスや石英、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート等のプラスチックフィルムに薄膜トランジスタ(TFT)が形成されたものを基材10として用いる。なお、薄膜トランジスタは特に図示しない。
基板上10に形成される薄膜トランジスタとしては、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
なお、本発明の有機ELディスプレイ100aは、上記した画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、画素毎に独立して発光する方式であるアクティブマトリックス方式だけでなく、ストライプ状の陽極及び陰極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるパッシブマトリクス方式の構成にすることもできる。
薄膜トランジスタに用いられる活性層としては、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフエンオリゴマー、ポリ(p-フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法、SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス)、減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
ゲート絶縁膜としては、通常、ゲート絶縁膜として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO;ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極としては、通常、ゲート電極として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミ、銅等の金属、チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属、ポリシリコン、高融点金属のシリサイド、ポリサイド等が挙げられる。また、薄膜トランジスタは、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
本発明の有機ELディスプレイ100aは、薄膜トランジスタが有機EL素子のスイッチング素子として機能するように接続し、トランジスタのドレイン電極と有機EL素子の第1の電極(12a、12b、12c)が電気的に接続されている。薄膜トランジスタとドレイン電極と有機EL装置の第1の電極との接続は、平坦化膜を貫通するコンタクトホール内に形成された接続配線を介して行われる。
第1の電極(12a、12b、12c)は、基板10上に成膜され、必要に応じてパターニングを行なう。基板10上に隔壁を形成する場合には、第1の電極は隔壁(11a、11b、11c、11d)によって区画され、各画素に対応した第1の電極となる。第1の電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができるが、第1の電極を陽極とする場合にはITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション方式の場合はITO等の透光性のある材料を選択する必要がある。逆にトップエミッション方式の場合は反射性が必要なため、AgやAlのような金属材料の上にITO膜を積層すればよい。必要に応じて、第1の電極の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。
第1の電極の形成方法としては、まず材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いて基板10上に第1の電極層を成膜するが、本発明ではこれらに限定されるわけではない。
次に、成膜した第1の電極層をパターニングして第1の電極(12a、12b、12c)を形成する方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。基板10としてTFTを形成した物を用いる場合は下層の画素に対応して導通を図ることができるように形成する。
隔壁(11a、11b、11c、11d)を形成する場合には、画素に対応した発光領域を区画するように形成する。一般的にアクティブマトリクス駆動型の表示装置は各画素に対して第1の電極層が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、第1の電極層の端部を覆うように形成される隔壁12の最も好ましい形状は各第1の電極層を最短距離で区切る格子状を基本とする。
隔壁(11a、11b、11c、11d)を形成する感光性樹脂としては、ポジ型レジスト又はネガ型レジストのどちらであってもよく、絶縁性を有する感光性樹脂を用いることができる。隔壁が十分な絶縁性を有さない場合に、ある画素に電圧を印加すると、隔壁を挟んでその画素と隣り合う画素にも電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。隔壁を形成する感光性樹脂の具体例としては、ポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といった樹脂が挙げられるがこれらに限定するものではない。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性樹脂に含有させても良い。
隔壁(11a、11b、11c、11d)の形成方法としては、従来と同様、基体上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与したりすることもできる。
隔壁(11a、11b、11c、11d)の好ましい高さは0.1μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下である。隔壁の高さが10μmを超えると対向電極の形成及び封止を妨げてしまい、0.1μm未満だと第1の電極層層の端部を覆い切れない、あるいは発光媒体層の形成時に隣接する画素とショートする恐れや混色する恐れがあるからである。
第2の電極15は、有機発光媒体層上に成膜される。第2の電極15を陰極とする場合には、有機発光媒体層への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いることができる。具体的にはMg、Al、Yb等の金属単体や、有機発光媒体層と接する界面に電子注入層としてLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いることができる。または電子注入効率と安定性とを両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いることができる。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。また、ボトムエミッション方式の場合には、AgやAlなどの金属材料を反射層として積層することができる。
第2の電極15の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
次に、有機発光媒体層を形成する。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成してもよいし、有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層といった発光を補助するための層との積層構造としてもよい。なお、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は適宜選択される。
有機EL素子における有機発光層に用いる有機発光材料としては、クマリン系、ペリレン系、ピレン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系、白金錯体系、ユーロピウム錯体系等の低分子発光性色素を、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解若しくは高分子に共重合させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系等の高分子発光材料を用いることができる。
また、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポリフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光対等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料を、高分子中に分散させたものが使用できる。高分子としてはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等が使用できる。また、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子発光材料であってもよい。また、これら高分子材料に前記低分子材料の分散又は共重合した材料や、その他既存の発光材料を用いることもできる。
正孔輸送層13に用いる材料としては、一般に正孔輸送材料として用いられているものであれば良く、銅フタロシアニンやその誘導体、1,1―ビス(4―ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’―ジフェニル―N,N’−ビス(3−メチルフェニル)―1,1’―ビフェニル−4,4’―ジアミン、N,N’―ジ(1―ナフチル)―N,N’―ジフェニル−1,1’―ビフェニル−4,4’―ジアミン等の芳香族アミン系などの低分子も用いることができるが、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の高分子材料が成膜性の点から好ましい。また、ポリパラフェニレン(PPP)等のポリアリーレン系、ポリフェニレンビニレン(PPV)等のポリアリーレンビニレン系等の導電性高分子若しくはポリスチレン(PS)等の高分子に、アリールアミン類、カルバゾール誘導体、アリールスルフィド類、チオフェン誘導体、フタロシアニン誘導等の低分子の電荷輸送性を示す材料を混合した物を用いても良い。
さらに正孔輸送層13に用いる材料としては、無機材料を用いることができ、Li、Na、K、Rb、Ce、およびFrなどのアルカリ金属元素や、Mg、Ca、SrおよびBaなどのアルカリ土類金属元素、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Db、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどのランタノイド系元素、Thなどのアクチノイド系元素、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Ar、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Al、Ga、In、Sn、Tl、Pb、およびBiなどの金属元素、B、Si、Ge、As、Sb、Teなどの半金属元素、更にはこれらの合金や、酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、硫化物、ハロゲン化物などの無機化合物を用いても良い。
このうち特に酸化モリブデンは、成膜が容易であり、正孔注入電極からの正孔注入機能が高く、正孔を安定に輸送する機能に優れており、安定性の点など正孔輸送材料や電子注入材料の一部として有用な材料であることが知られている。
正孔輸送材料として無機材料を用いる場合、例えばCuO,Cr,Mn,FeOx(x〜0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi、ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnO等の金属酸化物を真空蒸着法やスパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法を用いて第1の電極上及び隔壁上の全面に形成することができる。ただし材料はこれらに限定されるものではない。
正孔輸送材料として有機材料を用いる場合、例えばポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等を溶媒に溶解または分散させて正孔輸送材料インキとし、スピンコート法や各種印刷法を用いて第1の電極及び隔壁上の全面に塗布して形成できる。ただし材料はこれらに限定されるものではない。
次に、有機EL素子における有機発光層と正孔輸送層の間に、下地層18を形成する。下地層を第1の電極及び隔壁上を含む領域に形成することで電極と隔壁の濡れ性が均一になり、有機発光層の形成の際、有機発光材料のインキが均一に広がるため、有機発光層の膜厚が均一になる。また、この様な下地層は、正孔の輸送性を高め、第2の電極からの電子をブロックするバッファー層として働くことで有機発光層の発光効率が増し、駆動寿命も長く成る事が知られている。
下地層の材料としては、無機材料を用いる場合、Cr、W、V、Nb、Ta、Mo、Ti、Zr、Hf、Sc、Y、Mn、Fe、Ru、Os、Co、Ni、Cu、Zn、Cdなどの酸化物、窒化物、酸窒化物を真空蒸着法を用いて形成することができる。この際、任意のシャドーマスクを用いることで一括形成することができる。無機物からなる下地層を設けることで、熱安定性や耐性に優れたより安定した有機EL素子を得ることが出来る。
また、有機材料を用いる場合、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
下地層の次に積層される有機発光材料の成膜方法を考慮し、トルエンやキシレン等の有機発光材料インキ溶媒への溶解性が1wt%以下程度の低い溶解性であることが好ましい。さらに、均一な膜厚の有機発光層を形成するために、下地層と有機発光材料インキとの接触角が0〜15°となるような濡れ性の下地層材料を選ぶことが好ましい。
有機材料を用いる場合の下地層の形成方法である印刷方法としては、特にパターン形成精度、膜厚均一性などに優れる凸版印刷法が好ましい。本発明の下地層は画素部分でのパターニングを必要としないため、スピンコート法やバーコート法等の一般的コーティング法を用いることもできるが、取出し配線部分や駆動用ドライバーに接続させる部分を被覆しないようにするためには、凸版印刷法がやはり好適である。
下地層を凸版印刷法を用いて形成する場合、まずストライプ状の樹脂凸版の凸部をRGB画素の長辺方向と直交するようにRGB画素が整列したラインに一致させ、下地層インキを基板上に転移する。このような工程により、画素上及び隔壁上の全面に下地層を形成することができる。
この様に、下地層が有機EL素子の短辺方向に有機EL素子上及び隔壁上に亘って形成されていることにより、発光層形成領域の濡れ性が均一になり、発光層を均一な膜厚で形成することが出来る。
さらに、本発明では第1の発光層に一部重なって第2の発光層を形成するため、第1の発光層の濡れ性より下地層の濡れ性を高くすることで第2の発光層の膜厚を均一に形成することができる。
電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
これらの材料は無機材料であればスパッタ法、CVD法等を用いて形成することができる。低分子の場合は蒸着法を用いて成膜しても良いが、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて塗布液として用い、スピンコート法、カーテンコート法、バーコート法、ワイヤーコート法、スリットコート法といったコーティング法や、凸版印刷法(フレキソ印刷法)、凹版オフセット印刷法、凸版反転オフセット印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法といった印刷法により成膜することが可能である。
なお、本実施形態では、有機ELディスプレイが図3に示した構造を有する場合について説明したが、このような構造に限定されるものではない。例えば、有機ELディスプレイの構造を、以下で説明する図4のようにしてもよい。
図4は、本発明の実施形態の変形例による有機ELディスプレイ100bの構造を示す断面図である。図4において、図3と同様の構造をとる部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4の有機ELディスプレイ100bでは、基板10上に隔壁11a、11b、11c、11dが形成されていない点において、図3の有機ELディスプレイ100aと異なる。
正孔輸送層13を基板10及び第1の電極12a、12b、12c上、つまり素子の全面に形成することにより、基板及び画素内の表面の濡れ性を均一にすることができるため、直上に形成される下地層の膜厚を均一にすることができ、即ち下地層上に形成される発光層を安定に形成することができる。
図5及び図6は、本発明の実施形態による有機ELディスプレイ100a(図3)の製造方法を示す図である。具体的には、図5及び図6は、隔壁11bと隔壁11cとの間の下地層上に、発光層14Rを形成する工程を示している。なお、発光層14Rだけでなく、発光層14G、14Bも図5及び図6で説明する方法と同じ方法で形成することができる。
また、有機ELディスプレイ100b(図4)の発光層14R、14B、14Bも図5及び図6で説明する方法と同じ方法で形成することができる。
図5は、図2の部分的な拡大図を示しており、図2の被印刷体7は、図5の基板10、隔壁11a、11b、11c、11d、第1の電極12a、12b、12c、正孔輸送層13に対応している。
円筒状の版胴6に取り付けられている凸版部形成材層1bの表面には、アニロックスロール5により、インキ4aが付着されている。なお、本実施形態では、凸版部形成材層1bの幅W2は、隔壁間の距離W1よりも小さい。
凸版部形成材層1bが、隔壁11bと隔壁11cとの間の位置まで版胴6が回転した場合に、被印刷体固定定盤8(図5及び図6では図示省略)は、基板10等をインキ4aに接触させることにより、隔壁11b、11c及び第1の電極12b上の正孔輸送層13上に、インキ4aを接触させることによりパターニングする(図7参照)。
なお、図5及び図6で示した装置ではなく、図7及び図8で示す装置を用いて、インキ4aを塗布してもよい。
図7及び図8は、本発明の実施形態による有機ELディスプレイ100a(図3)の製造方法の他の一例を示す図である。図7及び図8も、図5及び図6と同様に、隔壁11bと隔壁11cとの間の正孔輸送層13上に、発光層14Rを形成する工程を示している。
図7及び図8において、図5及び図6と同様の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図7及び図8では、凸版部形成材層1bの幅W3が、隔壁間の距離W1よりも大きい点において、図5及び図6と異なる。隔壁間の距離W1すなわち画素幅よりも凸版部形成材層1bの幅W3よりも大きい場合、凸版部形成材層1bと基板10との位置合わせが多少ずれた場合でも、画素内での発光層の膜厚平坦性が安定するという利点がある。この効果は、凸版印刷以外の印刷法においても同様である。すなわち、各印刷法の転写体から基板に転写するインキパターンの幅が、隔壁間の距離W1よりも大きければよい。しかし隣接する画素領域にインキ4aを侵入させないために、隔壁の幅W2と隔壁間の距離W1を足し合わせた幅(=W1+2*W2)よりも転写するインキパターンの幅が小さい必要があり、より好ましくはW1+W2以下である。なお上記載の各幅及び距離は、ラインパターンで発光層を印刷する場合にはライン方向に直交する断面、ドットパターンの場合には短辺方向の断面で規定することが好ましい(後述の図9、図10参照)。
凸版部形成材層1bの幅W3が大きくなるに従って、隔壁間にインキ4aを塗布することが難しくなる。しかし、本実施形態による製造方法を用いれば、隔壁11b、11c間にインキ4aが収まらず隔壁11b、11c上にインキ4aが乗り上げてしまった場合であっても、あるいは、隣接する有機EL素子(ここでは、隔壁11a、11bの間の領域、あるいは、隔壁11c、11dの間の領域)にインキ4aが流入してしまったとしても、発光波長の長いインキを発光波長が短いインキの上に塗布するようにしたので、凸版部形成材層1bと基板10との位置合わせが多少ずれたとしても、隣接する画素との間で混色が起こることを防ぐことができる。
図9は、本発明の実施形態による有機ELディスプレイ100a(図3)の構造を示す平面図である。図9は、基板10上に隔壁11a、11b、11c、11d、・・・、第1の電極12a、12b、12c、・・・、正孔輸送層13・・・、下地層18、発光層14R、14G、14Bを形成し、第2の電極15、封止樹脂16、封止基板17を形成していない段階を示している。
図9では、有機ELディスプレイ100aの基板10上に、合計21個(=3行×7列)の有機EL素子が形成されている場合を示している。
1列目、4列目、7列目の有機EL素子には、発光層14Rが塗布されており、2列目、5列目の有機EL素子には、発光層14Bが塗布されており、3列目、6列目の有機EL素子には、発光層14Gが塗布されている。
図9において、各列の境界領域では、2つの発光層が重なっている。具体的には、2列目と3列目の境界領域では、発光層14B上に発光層14Gが重なっている。また、3列目と4列目の境界領域では、発光層14G上に発光層14Rが重なっている。また、1列目と2列目の境界領域では、発光層14B上に発光層14Rが重なっている。
下地層18は、発光層が重なり合う隔壁の辺を含むようにストライプ状に形成されている。すなわち、図9では、下地層19が、各画素とその間の隔壁を被覆するように、画素の短辺方向にストライプ状に形成され、下地層のストライプ方向と直交するようにストライプ状に発光層14R、14G、14Bが形成されている。このようにすることによって、発光層の重なり合う部分が下地層上に来ることによって、濡れ性が向上し平坦性の高い発光層が形成できると共に、下地層を全面にした場合よりも、凸版印刷等の印刷法を用いて下地層を均一に形成することができる。また下地層をストライプとすることで、電極層上の画素領域と、隔壁上の発光層が重なる部分のみに下地層を形成することができるので、電気抵抗の低い無機材料を用いた場合でも、リーク電流を抑制することができる。
なお、図9では、列ごとに、それぞれの発光層を形成するインキを塗布する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10のような方法でそれぞれの発光層を形成するインキを塗布してもよい。
図10は、本発明の実施形態による有機ELディスプレイ100a(図3)の構造の他の一例を示す平面図である。図10では、図9のように有機EL素子の列ごとにそれぞれの発光層を形成するのではなく、有機EL素子の各素子ごとにそれぞれの発光層を形成している。
なお、図10において、各有機EL素子の境界領域では、2つの発光層が重なっている。具体的には、2列目と3列目の有機EL素子の境界領域では、発光層14B上に発光層14Gが重なっている。また、3列目と4列目の有機EL素子の境界領域では、発光層14G上に発光層14Rが重なっている。また、1列目と2列目の有機EL素子の境界領域では、発光層14B上に発光層14Rが重なっている。
なお、図9、図10のいずれの場合にも、発光層が重なり合う隔壁の辺が画素の長辺となるように、下地層18は画素の短辺方向にストライプ状に形成することが好ましい(図11)。
発光する波長が長い順番(発光層14R、14G、14Bの順番)に発光層を形成すると、例えば、発光層14Bのインキを塗布したときに、先に塗布した発光層14Rや発光層14Gのインキが発光層14Bのインキ中に溶け出してしまう。この場合に、第1の電極12a、12b、12cと第2の電極15との間に電圧を印加すると、発光層14Bが形成されている領域であるにもかかわらず、発光層14Bに流入した発光層14Rや発光層14Gの色素が発光してしまい、混色が生じるという問題があった。
しかし、本実施形態では、発光層14B、14G、14Rの順番に発光層を形成するようにしたので、例えば、先に塗布した発光層14Bや発光層14Gのインキが発光層14Rのインキ中に溶け出したとしても、流入した発光層14Bや発光層14Gの色素は発光エネルギーが高いので発光せず、発光エネルギーの低い発光層14Rの色素が優先的に発光するので、発光色の混色が起こることを防ぐことができ、有機ELディスプレイを生産する際の収率を向上させることが出来る。
また、本実施形態を用いれば、隔壁に挟まれた領域だけでなく、隔壁上にも発光層14R、14G、14Bを塗布するようにしたので、発光層のインキ4aを塗布する位置が多少ずれたとしても、隔壁に挟まれた領域の全面にインキ4aが塗布されることになり、版胴6(図2)と被印刷体7(図2)である基板10との位置合わせの精度に余裕をもたせることができる。
また、隔壁に挟まれた領域から発光層のインキ4aが溢れて、隣接する素子の発光層のインキ4aに流入したとしても、前述のように発光色への影響は小さく、隔壁に挟まれた領域に塗布する発光層のインキの膜厚が均一となるように調整することができる。
また、図11では、図9及び図10の発光層の直下の下地層の状態を示しており、下地層は隔壁と有機EL素子の短辺方向の列に沿って、隔壁及び有機EL素子上の全面に形成している。これにより隔壁及び有機EL素子上の表面の濡れ性を均一にすることができ、直上に形成される第1の発光層の膜厚を均一にすることができる。
なお、上述した実施形態では、隔壁11a、11b、11c、11dの断面が台形状である順テーパー形状である場合について説明した。隔壁11a、11b、11c、11dをこのような形状とすることにより、隔壁11a、11b、11c、11d上に発光層14R、14G、14Bを形成する際に、各発光層を途切れずに連続的に形成することができる。
なお、上述した実施形態の隔壁11a、11b、11c、11dの断面を逆テーパー形状としてもよい。このような形状とすることにより、隔壁11a、11b、11c、11d上に発光層14R、14G、14Bを形成する際に、隔壁11a、11b、11c、11d上の端部でインキが途切れやすくなるため、インキの流入を抑制し、混色を防ぐことができる。
なお、上述した実施形態の隔壁11a、11b、11c、11dの高さは、0.1μm〜5μm、より好ましくは0.5μm〜2μmとするとよい。これは、隔壁11a、11b、11c、11dが低すぎると隣接する画素にインキが侵入して混色が起こるおそれがあるためであり、隔壁11a、11b、11c、11dが高すぎると第2の電極15を形成する際に断線が起こるおそれがあるからである。
なお、上述した実施形態の発光層14R、14G、14Bは、凸版印刷法(フレキソ印刷法)、凹版オフセット印刷法、凸版反転オフセット印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法(グラビア印刷)などを用いて形成することができる。このような方法を用いれば、同じ発光材料を用いて有機EL素子上の全面に各発光層14R、14G、14Bを塗布することができるため、発光層14R、14G、14Bを形成する工程を簡略化することが可能となり、生産性を向上させることができる。また、発光層14R、14G、14Bを形成する前に、基板10をUV(ultraviolet:紫外線)処理や、プラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。隔壁11a、11b、11c、11d上及び画素内で表面の濡れ性を均一にすることができるため、発光層14R、14G、14Bの膜厚を均一にすることができる。
なお、上述した実施形態では、アクティブマトリクス方式の有機ELディスプレイについて説明したが、これに限定されるものではなく、パッシブマトリクス方式の有機ELディスプレイに適用してもよい。
また、上述した実施形態では、発光層が赤色、緑色、青色の3色からなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、発光層を、赤色、緑色、青色、黄色の4色で構成するようにしてもよい。この場合、基板10上への発光層の印刷の順序は、青色、緑色、黄色、赤色の順序で行う。
基板10上の有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため、基板10は封止樹脂16を介して封止基板17により封止される。封止樹脂16は封止基板17上に形成することが好ましいが、直接基板10側に形成することもできる。
封止基板17としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の片面又は両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤とを塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/mday以下であることが好ましい。
封止樹脂16の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
封止樹脂16を封止基板17の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止基板17に形成する封止樹脂16の厚みは、封止する有機ELディスプレイの大きさや形状により任意に決定されるが、5μm〜500μm程度が望ましい。
最後に、基板10と封止基板17との貼り合わせを行う。封止樹脂16に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。封止樹脂16に熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。封止樹脂16に光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
封止樹脂16を介して基板10と封止基板17とを貼り合わせる工程は、封止樹脂16中に有機ELディスプレイの劣化の原因となる酸素や水分が含まれないように真空中、又は不活性ガス雰囲気中で行なう。不活性ガスを用いる場合は、アルゴンなどの希ガスを用いることもできるが、取り扱い易さや経済的な理由から窒素が好適に用いられる。
以下に、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
<実施例1>
(有機発光媒体層形成用塗工インキの調製)
高分子蛍光体(又は高分子蛍光体と結着用の高分子樹脂)を溶剤に塗工インキ液濃度が2.0重量%となるように溶解させ、有機発光媒体層形成用塗工インキを調製した。
ここで高分子蛍光体には、ポリフルオレン誘導体からなるRGB三色を発光材料として用いた。インキ溶剤組成は、キシレン(沸点139℃)を88重量%、テトラリン(沸点202℃)を10重量%とした。
(被印刷基板の作製)
150mm角、厚さ0.4mmのガラス基板上に、表面抵抗率15ΩのITO膜を回路パターン状に成膜した透明電極作製用基材(ジオマテック(株)製)を用意した。
隔壁は、日本ゼオン社製ポジレジストZWD6216−6をスピンコーターにてITOパターンが形成された基板面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィーによって順テーパー形状の隔壁を形成し、基板上のITO膜パターンを区画した。なお隔壁は、後述のパターン形成時の印刷方向における隔壁幅約15μmとし、隔壁間の距離W1が32μmとなるように形成した。
次に、正孔輸送層として、酸化モリブデンを真空蒸着法によりシャドーマスク法で50nmの厚さでパターン成膜した。パターン領域は表示領域全面に成膜されるように120mm×100mmの開口のあるメタルマスクを用いて成膜を行った。
次に下地層として、ポリ(2,7−(9,9−ジ−オクチルフルオロレン))−alt−(1,4−フェニレン−((4−sec−ブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(TFB)を凸版印刷法で印刷して形成した。隔壁及びRGB画素の長辺方向に対して直交するストライプ状に下地層を印刷し、結果として基板上の画素部上及び画素部を仕切る隔壁上の全面に下地層を形成し、被印刷基板を作製した。
(被印刷基板表面の濡れ性評価)
もし、基板上の画素部のみに下地層を形成した場合、その基板の隔壁上は正孔輸送層である酸化モリブデンとなる。そのため画素上と隔壁上それぞれに存在する、下地層と酸化モリブデンの表面の濡れ性の相違について評価を行った。
まず基板として厚さ0.7mm、40mm四方のガラス基板を用い、下地層形成材料インキをスピンコート法によって塗布した。上記基板を用い、インターレイヤ膜に対する水、及び発光層形成用溶媒の接触角の測定を行なった。尚、下地層形成材料インキ塗布前の基板に前処理としてオーク製作所製UV/O洗浄装置にて3分間紫外線照射を行った。塗布後速やかに200℃のホットプレートに移し15分間ベークした。このとき乾燥後の下地層の膜厚は約20nmとなった。
酸化モリブデン膜の形成は下地層と同様のガラス基板を用い、スパッタリング法を用いて酸化モリブデンを約40nm成膜した。酸化モリブデン膜に対する水、および発光層形成用溶媒の接触角の測定についても下地層と同様に行なった。
表1に下地層と酸化モリブデン膜の接触角の結果を示す。
Figure 0004803321
この結果から、下地層は酸化モリブデン膜に比べ極めて強い撥水性を有し、発光層形成用溶媒に対しては非常に良好な濡れ性を有していることがわかる。また、下地層が形成された画素と正孔輸送層がむき出しの隔壁では発光層形成用溶媒に対しての濡れ性の違いから、隔壁上に下地層を形成しない場合は有機発光層の印刷安定性に欠けていることが示唆される。
以上から、本発明の効果として下地層を隔壁基板のパターン部全域に印刷することで、隔壁と画素内の濡れ性が均一になり、有機発光層の膜厚が均一になるため、発光ムラが低減する。
(印刷用凸版の作製)
ベース基材1aとして、厚さ0.3mmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に、凸状部1bとして感光性水溶性ポリマー(水溶性樹脂)を150℃で加熱溶融したものを、スピンコート法により0.1μmの厚さで形成して、凸状部1bの形成層を積層形成した。
(印刷用凸版のパターン形成)
フォトリソ法により、凸状部と凹部を、L/S=30/111μm(180ppi相当)のストライプパターンで形成した。このパターンを用いて、赤色、緑色、青色を印刷位置をずらしながら一回ずつ印刷することでRGB三色のフルカラーパネルを作製する事ができる。
(印刷用凸版Sによる有機発光媒体層形成用塗工インキの印刷)
まず、図1に示すような本実施形態の印刷用凸版Sを、凸版印刷法による円圧式凸版印刷機(図2参照)の版胴6の周面に装着固定し、被印刷体7(印刷基板)を、被印刷体固定定盤8上に載置固定した。
そして、線数500線/インチのアニロックスロール5及び版胴6を回転させて、有機発光媒体層形成用塗工インキ4aを、アニロックスロール5(インキ供給ローラー)の周面に均一膜にて供給し、該アニロックスロール5を介して、印刷用凸版の凸状部の頂部面にインキ4aを供給した。その後、被印刷体7(印刷基板)のITO膜パターン形成面側に該ITO膜パターンに整合させて、前記頂部面によるパターン状の塗工インキ4aの印刷を行った。なお、第一回目の印刷は、青色発光色素を含む塗工インキを用いたパターニングである。
続いて、同様にして、緑色発光色素を含む塗工インキ、赤色発光色素を含む塗工インキの順に印刷を行った。なお、各発光色素のバンドギャップは、赤色発光色素が2.01eV、緑色発光色素が2.38eV、青色発光色素が2.72eVである。このように、バンドギャップが大きいほど、発光波長は短い。
印刷した後の被印刷基板7(印刷基板)は、150℃にて5時間の環境下にて塗工インキ4aを乾燥した後、該塗工インキ4aによる有機発光媒体層上から、バリウム7nm、アルミニウム150nmを積層形成した。
<実施例2>
正孔輸送層として、酸化モリブデンの代わりにポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)をスピンコーターにて100nm膜厚で、隔壁及びRGB画素の長辺方向に対して直交するストライプ状に成膜した。この成膜されたPEDOT/PSS薄膜を、減圧下180℃にて、1時間乾燥した。それ以外は実施例1と同様の工程で有機ELディスプレイを製造した。
<比較例1>
実施例1において、第一回目の印刷を、赤色発光色素を含む塗工インキを用いたパターニングとし、続いて、同様にして、緑色発光色素を含む塗工インキ、青色発光色素を含む塗工インキの順に印刷を行った。それ以外は実施例1と同様の工程で有機ELディスプレイを製造した。
<実施例3>
有機発光媒体層の印刷方向における隔壁幅を約22μmとし、隔壁間の距離W1が25μmとなるように形成した。塗工インキを用いた有機発光媒体層のパターニングでは、位置を整合させて、凸状部で画素の開口部を覆うようにして凸状部の頂部面によるパターン状の塗工インキの印刷を行った。それ以外は実施例1と同様の工程で有機ELディスプレイを製造した。
<実施例4>
実施例3と同様、有機発光媒体層の印刷方向における隔壁幅を約22μmとし、隔壁間の距離W1が25μmとなるように形成した。また有機発光媒体層の印刷用凸版は、フォトリソ法により、凸状部と凹部を、L/S=20/121μmのストライプパターンで形成した。それ以外は実施例1と同様の工程で有機ELディスプレイを製造した。
<比較結果>
図12は、本発明の実施例1及び2により製造した有機ELディスプレイの発光写真である。つまり、図12は、発光層14B、発光層14G、発光層14Rの順番で各発光層を形成した場合を示している。
図13は、比較例1により製造した有機ELディスプレイの発光写真である。つまり、図13は、発光層14R、発光層14G、発光層14Bの順番で各発光層を形成した場合を示している。
上記実施例1又は2により製造した有機ELディスプレイは、ITO膜を介して電圧をかけ、発光状態の確認を行ったところ、有機発光媒体層の膜厚が均一であり、図12に示すように、発光ムラは見られなかったが、比較例1により作製した有機ELディスプレイは、ITO膜を介して電圧をかけ、発光状態の確認を行ったところ、図13に示すように、発光色が発光パネル内でところどころ異なったため全体としてマダラ状のムラとなり、混色が生じた。
図14及び図15は、比較例1により製造した有機ELディスプレイにおいて、混色が起こる原因を示す図である。比較例1により製造した有機ELディスプレイにおいて、混色が起こる原因は、図14に示すように、新たに塗工された塗工インキ(ここでは、発光層14B)が、それより前に塗工され、固化していたインキ(ここでは、発光層14R、14G)を溶解し、画素内に引き込み、隣接する画素の発光色素の混入が生じた部分50(図15参照)について、発光色が変化し発光ムラとなってしまったためである。
実施例3及び4においても発光色の混色は見られなかった。実施例3では画素に挟まれた全ての隔壁上で重なり合っており、発光層は素子全面を覆っていた。一方、実施例4では隔壁上で重なり合う部分と重なっていない部分が生じており、実施例3は実施例4と比較して膜厚のバラツキが小さく、均一な発光状態であった。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法は、インキの混色による色度のずれを最小限に止め、生産の収率を向上させることのできるので、高精細のディスプレイの製造に有用である。
1a・・・凸版のベース基材層、1b・・・凸状部形成材層、2・・・インキタンク、3・・・インキ吐出部、4a・・・インキ、5・・・アニロックスロール、6・・・版胴、7・・・被印刷体、8・・・被印刷体固定定盤、9・・・ドクター、10・・・基板、11a、11b、11c、11d・・・隔壁、12a、12b、12c・・・第1の電極、13・・・正孔輸送層、14R、14G、14B・・・発光層、15・・・第2の電極、16・・・封止樹脂、17・・・封止基板、18・・・下地層、19・・・有機EL素子、100a、100b・・・有機ELディスプレイ、S・・・印刷用凸版

Claims (9)

  1. 隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子との間に形成された隔壁とTFTとを備えた基板と、
    前記基板上に前記TFTと接続するよう形成された第1の電極層と、
    前記第1の電極層上及び隔壁上に形成された正孔輸送層と、
    前記正孔輸送層上にストライプ状に形成された下地層と、
    前記下地層上に形成された第1の波長で発光する第1の発光層と、
    前記第1の発光層に少なくとも一部が重なって形成され前記第1の波長よりも長い第2の波長で発光する第2の発光層と、
    前記第1又は第2の発光層上に形成された第2の電極層と、
    を備え、
    前記第1の発光層と前記第2の発光層は、前記隔壁上に形成された前記下地層上で重なり、且つ、それぞれ前記下地層に直交するストライプ状に形成されことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  2. 前記正孔輸送層は前記第1の電極層上及び隔壁上の全面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  3. 隣接する有機エレクトロルミネッセンス素子との間に形成された隔壁とTFTとを備えた基板上に前記TFTと接続するよう第1の電極層を形成する第1の工程と、
    前記第1の電極層上及び隔壁上に正孔輸送層を形成する第2の工程と、
    前記第1の電極層上及び前記隔壁上の前記正孔輸送層上に下地層をストライプ状に形成する第3の工程と、
    前記下地層上に第1の波長で発光する第1の発光層を形成する第4の工程と、
    前記下地層上に前記第1の波長よりも長い第2の波長で発光する第2の発光層を前記第1の発光層に少なくとも一部が重なるように形成する第5の工程と、
    前記第1又は第2の発光層上に第2の電極層を形成する第6の工程と、
    を有し、
    前記第4及び第5の工程では、前記第1の発光層及び前記第2の発光層を、それぞれ前記下地層と直交するストライプ状に形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  4. 前記第4の工程では、前記第1の波長で発光する第1の色素を含むインキをパターニングすることにより前記第1の発光層を形成し、
    前記第5の工程では、前記第2の波長で発光する第2の色素を含むインキを前記第1の発光層が固化した後にパターニングすることにより前記第2の発光層を形成することを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  5. 前記第4及び第5の工程では、第1の色素を含むインキ又は第2の色素を含むインキを転写体から基板上に転写して発光層を形成することを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  6. 転写体から基板上に転写されるインキパターンの幅が、隔壁間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  7. 前記第5の工程では、前記第2の発光層を前記第1の発光層と隔壁上に形成された前記下地層上で重なるように形成することを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  8. 前記第1又は第2の発光層を凸版印刷法により形成することを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  9. 前記第3の工程では、前記下地層を凸版印刷法によって形成することを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
JP2010543737A 2009-02-16 2010-02-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4803321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010543737A JP4803321B2 (ja) 2009-02-16 2010-02-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009032503 2009-02-16
JP2009032503 2009-02-16
PCT/JP2010/051810 WO2010092931A1 (ja) 2009-02-16 2010-02-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
JP2010543737A JP4803321B2 (ja) 2009-02-16 2010-02-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4803321B2 true JP4803321B2 (ja) 2011-10-26
JPWO2010092931A1 JPWO2010092931A1 (ja) 2012-08-16

Family

ID=42561773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010543737A Expired - Fee Related JP4803321B2 (ja) 2009-02-16 2010-02-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8253158B2 (ja)
JP (1) JP4803321B2 (ja)
WO (1) WO2010092931A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010092931A1 (ja) * 2009-02-16 2010-08-19 凸版印刷株式会社 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
JP2011204524A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 発光装置の製造方法
JP6106938B2 (ja) * 2011-03-30 2017-04-05 凸版印刷株式会社 有機el素子の製造方法及び有機el素子
JP2014026902A (ja) 2012-07-30 2014-02-06 Sony Corp 表示装置、表示装置の製造方法および電子機器
KR20140048441A (ko) * 2012-10-15 2014-04-24 삼성디스플레이 주식회사 유기발광 표시장치 및 그 제조방법
JP2015060780A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 株式会社東芝 表示装置の製造方法及び製造システム
KR102136789B1 (ko) * 2014-06-17 2020-07-23 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 소자
CN107632454B (zh) * 2017-11-10 2020-07-28 北京京东方显示技术有限公司 显示面板、显示装置、显示面板的制作方法及驱动方法
WO2019106718A1 (ja) * 2017-11-28 2019-06-06 堺ディスプレイプロダクト株式会社 有機el発光素子及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1167454A (ja) * 1997-08-27 1999-03-09 Futaba Corp マルチカラー有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2007115465A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2008041747A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 有機エレクトロルミネッセント発光装置およびその製造方法
JP2008192311A (ja) * 2005-05-16 2008-08-21 Sharp Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

Family Cites Families (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW556357B (en) * 1999-06-28 2003-10-01 Semiconductor Energy Lab Method of manufacturing an electro-optical device
JP2003017248A (ja) * 2001-06-27 2003-01-17 Sony Corp 電界発光素子
TWI276366B (en) * 2002-07-09 2007-03-11 Semiconductor Energy Lab Production apparatus and method of producing a light-emitting device by using the same apparatus
JP3867659B2 (ja) * 2002-11-26 2007-01-10 ソニー株式会社 有機電界発光素子の製造方法
CN1723741B (zh) * 2002-12-12 2012-09-05 株式会社半导体能源研究所 发光装置、制造装置、成膜方法及清洁方法
US7224118B2 (en) * 2003-06-17 2007-05-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device and electronic apparatus having a wiring connected to a counter electrode via an opening portion in an insulating layer that surrounds a pixel electrode
US7541734B2 (en) * 2003-10-03 2009-06-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting device having a layer with a metal oxide and a benzoxazole derivative
US7205716B2 (en) * 2003-10-20 2007-04-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device
JP2005197009A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Sanyo Electric Co Ltd 表示装置及びその製造方法及び製造装置
JP4378186B2 (ja) * 2004-02-06 2009-12-02 キヤノン株式会社 有機el素子アレイ
JP3994998B2 (ja) * 2004-03-03 2007-10-24 セイコーエプソン株式会社 発光装置、発光装置の製造方法及び電子機器
EP2299780A3 (en) * 2004-09-13 2011-05-04 Semiconductor Energy Laboratory Co, Ltd. Light emitting layer device
JP4525536B2 (ja) * 2004-11-22 2010-08-18 セイコーエプソン株式会社 El装置および電子機器
JP2006252787A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Toppan Printing Co Ltd 有機el素子製造方法および有機el素子
JP5125503B2 (ja) * 2005-03-23 2013-01-23 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機el素子の製造方法
US7485023B2 (en) * 2005-03-31 2009-02-03 Toppan Printing Co., Ltd. Organic electroluminescent device having partition wall and a manufacturing method of the same by relief printing method
JP4747637B2 (ja) * 2005-03-31 2011-08-17 凸版印刷株式会社 有機elディスプレイパネルの製造方法
JP2006286309A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toppan Printing Co Ltd 有機el表示装置とその製造方法
JP4682691B2 (ja) * 2005-05-13 2011-05-11 凸版印刷株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP4682701B2 (ja) * 2005-05-27 2011-05-11 凸版印刷株式会社 有機el素子用インキおよび有機el素子の製造方法
JP2006344545A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Toppan Printing Co Ltd 有機el素子の製造方法および有機el素子
KR100729089B1 (ko) * 2005-08-26 2007-06-14 삼성에스디아이 주식회사 유기 발광표시장치 및 그 제조방법
JP4872288B2 (ja) * 2005-09-22 2012-02-08 凸版印刷株式会社 有機el素子及びその製造方法
US20070071884A1 (en) * 2005-09-27 2007-03-29 Koji Takeshita Electroluminescent element and a method of manufacturing the same
JP2007188653A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Seiko Epson Corp 発光装置および電子機器
US7948160B2 (en) * 2006-01-27 2011-05-24 Tohoku Pioneer Corporation Optical device and manufacturing method of the optical device
JP5160754B2 (ja) * 2006-01-31 2013-03-13 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド El装置
JP4706845B2 (ja) * 2006-02-15 2011-06-22 凸版印刷株式会社 有機el素子の製造方法
JP2007227023A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する塗工液の印刷方法
JP4742977B2 (ja) * 2006-05-12 2011-08-10 凸版印刷株式会社 有機elディスプレイパネルの製造方法
US20080032039A1 (en) * 2006-08-07 2008-02-07 Toppan Printing Co., Ltd. Method of manufacturing organic electroluminescence device
JP2008135259A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Toppan Printing Co Ltd 有機elディスプレイパネルおよびその製造方法
JP5326289B2 (ja) * 2007-03-23 2013-10-30 凸版印刷株式会社 有機el素子およびそれを備えた表示装置
US7683537B2 (en) * 2007-05-28 2010-03-23 Panasonic Corporation Organic EL device and display
JP2008311169A (ja) * 2007-06-18 2008-12-25 Toppan Printing Co Ltd 有機elディスプレイ及びその製造方法
JP2009032503A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Toyota Motor Corp 複合電解質膜、複合電解質膜の製造方法、及び固体高分子型燃料電池
JP4924314B2 (ja) * 2007-09-14 2012-04-25 セイコーエプソン株式会社 有機el装置および電子機器
JP2009123618A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toppan Printing Co Ltd 有機el表示装置及びその製造方法
JP2009230956A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
JP4885906B2 (ja) * 2008-05-16 2012-02-29 パナソニック株式会社 発光装置の製造方法
JP5278686B2 (ja) * 2008-09-29 2013-09-04 凸版印刷株式会社 有機elディスプレイパネルおよびその製造方法
WO2010092931A1 (ja) * 2009-02-16 2010-08-19 凸版印刷株式会社 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
JP2011113736A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Toshiba Mobile Display Co Ltd 有機el装置及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1167454A (ja) * 1997-08-27 1999-03-09 Futaba Corp マルチカラー有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2008192311A (ja) * 2005-05-16 2008-08-21 Sharp Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2007115465A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2008041747A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 有機エレクトロルミネッセント発光装置およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20120025192A1 (en) 2012-02-02
JPWO2010092931A1 (ja) 2012-08-16
US8253158B2 (en) 2012-08-28
WO2010092931A1 (ja) 2010-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI458388B (zh) 有機電致發光顯示器及其製法
JP4803321B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
JP5633516B2 (ja) 有機エレクトロルミネセンス素子、有機エレクトロルミネセンスディスプレイパネルおよび有機エレクトロルミネセンスディスプレイパネル製造方法
CN101911333B (zh) 有机电致发光元件及其制造方法
CN102726122B (zh) 发光装置
JP5526610B2 (ja) 有機elディスプレイの構造とその製造方法
WO2012133206A1 (ja) 有機エレクトロルミネセンスディスプレイパネル及びその製造方法
JP5569023B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
WO2010035643A1 (ja) パターン塗布用基板および有機el素子
JP5199772B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
US20110121282A1 (en) Manufacturing method of organic electroluminescence element, light-emitting device, and display device
CN102770980B (zh) 发光装置及其制造方法
JPWO2012043151A1 (ja) 印刷用凸版及びそれを用いた有機el素子の製造方法
WO2009122870A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置
JP2010073579A (ja) 有機el素子の製造方法および塗布装置
KR20150016936A (ko) 유기전계 발광장치 및 그 제조 방법 및 전자 기기
JP2012074559A (ja) 有機エレクトロルミネセンスディスプレイパネル及びその製造方法
JP2010160946A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
CN101978783A (zh) 有机电致发光元件的制造方法、有机电致发光元件以及显示装置
JP2012216309A (ja) 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネル及びその製造方法
JP5663853B2 (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2012209464A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2009088167A (ja) 有機el素子及びその製造方法
WO2011065288A1 (ja) 発光装置の製造方法
JP5671784B2 (ja) 印刷用凸版及びその印刷用凸版を用いた電子デバイスの製造方法並びに有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4803321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees