JP2007115465A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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明子 辻井
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Abstract

【課題】
基板と、この基板上に設けられた第一電極と、第一電極間に隔壁を具備し、第一電極上に有機発光層を含む有機発光媒体層を具備し、該有機発光媒体層を挟んで第一電極と対向するように第二電極を具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、有機発光媒体層形成材料を溶媒に溶解または分散させたインキを用いて有機発光媒体層を形成すると、発光領域内での有機発光媒体層の隔壁近傍での膜厚が大きくなるという傾向があり、この膜厚の不均一性による発光ムラが発生する。
【解決手段】
上記課題を解決するために、有機発光媒体層のうち少なくとも1層が、隔壁の上空にまで発光領域から連続して設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、情報表示端末などのディスプレイへの用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)とその製造方法に関する。
有機EL素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層が形成され、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには有機発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには各画素が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)となるように、有機発光層を高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等の乾式成膜法により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に分散または溶解させて塗工液にし、これを湿式成膜法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するための湿式成膜法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等がある。また、RGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。各種印刷法のなかでも、インクジェット印刷による方法(特許文献1)、オフセット印刷による方法(特許文献2)、凸版印刷による方法(特許文献3)などが提唱されている。
特開平10−12377号公報 特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
有機EL素子において、基板上に形成された主に第一電極パターンにはそのパターン間に隔壁が形成される。隔壁を形成する目的としては次の2点が主に挙げられる。1つは、第一電極を電極を素子全面に形成したあとにフォトリソ法にて感光性材料をパターニングし、続いて、第一電極をエッチングして第一電極を形成した場合、第一電極パターンの縁部にはバリが発生することがある。第一電極の縁部がバリを有する場合、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極を形成し、素子化した場合に第一電極と第二電極が短絡し、ショートしてしまう。すなわ知、隔壁によって第一電極の縁部を覆い、電極間のショートを防ぐ目的で隔壁は設けられる。
2つめは、赤色、緑色、青色といった発光色の異なる有機発光材料を溶媒に溶解した有機発光インキを用い印刷法等により有機発光層を形成する場合、有機発光インキの濃度は多くても数%、通常1%前後と低粘度である。隔壁を有さない場合、インキの濡れ広がることにより、隣接する異なる発光色を有する画素上に有機発光インキが侵入し、有機発光層は混色してしまう。したがって、異なる発光色を有する画素間においては、有機発光インキの隣接する画素への侵入することによる混色を防ぐために、ある程度の高さを有する隔壁を設ける。すなわち、混色を防ぐ目的である。
図1に、従来の有機EL素子の断面説明図を示した。なお、(b)は(a)の隔壁近傍を拡大したものである。第一電極2上には正孔輸送層3が設けられ、正孔輸送層3上には赤色(R)有機発光層41、緑色(G)有機発光層42、青色(B)有機発光層43がそれぞれ設けられている。そして、有機発光層(41、42、43)上には第二電極5が設けられている。
隔壁を設けた基板に対して、有機発光材料をインキ化した有機発光インキを用いて有機発光層を形成すると、形成した有機発光層は隔壁近傍の膜厚が厚くなる傾向がある。そして、隔壁を設けていない発光領域内Lで有機発光層の膜厚が変化すると、有機EL素子は画素内において発光ムラが生じてしまうという問題があった。
また、有機発光媒体層の1つとして画素間でのパターニングの必要のない正孔輸送層をインキによりスピンコート法といったコーティング法を用いて形成する場合、インキは全面塗布される。このような場合においても同様の問題は発生する。すなわち、有効画素全面に塗布されたインキは、隔壁近傍で膜厚が大きくなるという傾向があり、正孔輸送層の発光領域内での膜厚の変化により、画素内において発光ムラを生じるという問題があった。
本発明では、このような隔壁近傍における有機発光媒体層の膜厚ムラに起因する、画素内の発光ムラの発生の少ない有機EL素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明としては、基板と、この基板上に設けられた第一電極と、第一電極間に隔壁を具備し、第一電極上に有機発光層を含む有機発光媒体層を具備し、該有機発光媒体層を挟んで第一電極と対向するように第二電極を具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、有機発光媒体層のうち少なくとも1層が、隔壁の上空にまで発光領域から連続して設けられていることを特徴とする有機EL素子とした。
請求項2に係る発明としては、前記有機発光媒体層と前記隔壁の重なり幅が1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子とした。
請求項3に係る発明としては、前記有機発光層が複数の発光色を有する有機EL素子であって、異なる発光色を有する有機発光層間に設けられた隔壁と有機発光層の重なり幅が1μm以上であり、且つ、該隔壁の幅を超えないことを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
本発明者において、隔壁の上空にまで発光領域から連続して有機発光媒体層を設けることにより、隔壁近傍の有機発光媒体層の膜厚の変化の大きい箇所を非発光部とすることができ、画素内での発光ムラの少ない有機EL素子を得ることができた。
また、前記有機発光媒体層と前記隔壁の重なりを3μm以上とすることにより、より前記の効果が顕著となり、画素ムラが非常に少ない有機EL素子を得ることができた。
また、異なる発光色を有する有機発光層間に設けられた隔壁と有機発光媒体装の重なりを3μm以上であり、且つ、該隔壁の幅を超えないようにすることにより、画素ムラが非常に少なく、また、隔壁をまたいで異なる発光色を有する隣接する画素に侵入する現象である混色の無い有機EL素子を得ることができた。
また、有機発光インキを用いて複数の有機発光層を形成する際には、異なる発光色を有する隣接する画素へ侵入を防ぐことを目的として、通常、撥インキ剤が用いられるが、本発明では有機発光層を上空にまで形成するため撥インキ剤を用いる必要が無い。撥インキ剤を用いた場合は、撥インキ剤の隔壁から発光領域への染み出し(ブリードアウト)により有機発光層や正孔輸送層が発光領域に形成されない印刷抜け、塗布抜けが発生することがある。本発明では、これらの印刷抜け、塗布抜けのない有機EL素子を得ることができた。
本発明における有機EL素子について説明する。
図2に本発明の有機EL素子の説明断面図を示した。なお、(b)は(a)の隔壁部分を拡大したものである。有機EL素子の駆動方法としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、本発明の有機EL素子はパッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。
パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
図1に示すように、本発明の有機EL素子は、基板1の上に、第一電極2を有している。隔壁は第一電極間に設けられ、第一電極端部のバリ等よるショートを防ぐことを目的として第一電極端部を覆うことがましい。
第一電極と隔壁のパターン配置図を図3に示した。また、各第一電極上に設けられる発光色パターン(赤(R)、緑(G)、青(B))も合わせて示してある。パッシブマトリックス方式の場合、この第一電極2はストライプ状のパターンを有しており、隔壁7は第一電極端部を覆うようにストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の場合、第一電極2は画素ごとのパターンを有しているため、隔壁(7x、7y)は第一電極端部を覆うように格子上に形成される。
そして、本発明の有機EL素子は、第一電極2上であって、隔壁7で区画された領域(発光領域L、画素部)に有機発光媒体層を有している。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成されたものであってもよいし、有機発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでもよい。発光補助層としては正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層が挙げられる。図1では発光補助層である正孔輸送層3と有機発光層(41、42、43)との積層構造から構成された有機発光媒体層を示している。第一電極2上に正孔輸送層3が設けられ、正孔輸送層3上に赤色(R)有機発光層41、緑色(G)有機発光層42、青色(B)有機発光層43がそれぞれ設けられている。
本発明の有機発光媒体層は発光領域Lから連続して隔壁上空まで設けられている。図1では正孔輸送層3と隔壁7との重なりをS2、有機発光層(41)と隔壁との重なりをS1で示している。隔壁上空まで連続して有機発光媒体層を設けた場合、隔壁近傍の有機発光媒体層の膜厚変化の大きい部分は隔壁上空にあるため非発光領域Nとなり、均一な膜厚を有する有機発光媒体層の部分のみが発光領域Lとなる。したがって、発光ムラの少ない有機EL素子となる。
隔壁端部は順テーパー形状を有していることが好ましい。隔壁端部を順テーパー形状とすることにより、基板上に配されたインキの濡れ広がりにより、有機発光媒体層は発光領域から連続して隔壁上空まで設けられる。順テーパー形状とは隔壁端部から隔壁中央部に向かって高さが漸次増大していく構造のことである。なお、隔壁の中央付近の構造は平坦であっても構わないし、凹部を有していても構わない。隔壁形状としては台形の他、半円等が挙げられ、図4に本発明で用いることができる隔壁の断面模式図を示した。なお、本発明における隔壁は図4に示した隔壁形状に限定されるものではない。
また、有機発光媒体層と隔壁の重なり(S1、S2)は1μm以上であることが好ましい。重なりが1μmに満たない場合、有機発光媒体層の隔壁近傍の膜厚変化の大きい部分が発光領域Lとなることから、本発明の効果が十分に得られなくなってしまう。なお、好ましくは3μm以上である。また、隔壁で仕切られた隣接する画素に同一の有機発光媒体層を形成する場合には、有機発光媒体層は隔壁をまたいだ形で隣接する画素同士連続していても構わない。
なお、本発明のおける隔壁のうち、異なる発光色を有する有機発光層間に設けられた隔壁においては、隔壁と有機発光層との重なり(S1)は3μm以上であり、且つ、該隔壁の幅を超えないようにすることが好ましい。重なりが3μmに満たない場合、先程と同様に、有機発光層の隔壁近傍の膜厚変化の大きい部分が発光領域Lとなることから、本発明の効果が十分に得られなくなってしまう。なお、好ましくは10μm以上である。逆に、有機発光層と隔壁の重なり部分が、該隔壁の幅を超えた場合には、異なる発光色を有する隣接する画素に対してインキが侵入していることになり、混色が発生してしまう。なお、本発明では、隔壁上空において異なる発光色を有する有機発光層が重なっていても構わない。
異なる発光色を有する有機発光層間に設けられた隔壁の幅は隣接する画素との混色を防ぐために20μm以上、より好ましくは30μm以上であればよい。隔壁の幅が20μm以上あれば、当該領域の占める体積(表示部の面積に隔壁の高さを乗じたもの)よりも大きな体積のインキを配置しても、インキ供給体から隔壁間に供給されたインキは濡れ広がるが、隔壁をまたいで隣接する他の発光色を有する有機発光層に到達する前に有機発光層は乾燥してしまうために混色は発生しない。さらに、隔壁の幅が30μm以上あれば、隔壁の高さが1μm以下としても十分に混色を防ぐことができる。また、隔壁の幅は発光領域を狭めないため100μm以下であることが好ましい。隔壁の幅が100μmを超えるような場合、隔壁によって形成される非発光領域の割合が大きくなってしまい、有機EL素子としたときに十分な明るさを得られなくなってしまう。
さらに、隔壁の高さは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5μmから2μmが好ましい。高すぎると、第二電極の形成及び封止を妨げ、低すぎると第一電極の端部を覆いきれない、または、混色が発生してしまう。
次に、有機発光媒体層上に第一電極2と対向するように第二電極5が配置される。パッシブマトリックス方式の場合、ストライプ状を有する第一電極と直交する形で第二電極はストライプ状に設けられる。アクティブマトリックス方式の場合、第二電極は、有機EL素子全面に形成される。更に、図示していないが、環境中の水分、酸素の第一電極、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極への侵入を防ぐために有効画素全面に対して封止体が設けられる。
次に、本発明に係る有機EL素子の製造方法を説明する。
本発明にかかる基板としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
例えば、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、有機発光媒体層への水分の侵入を防ぐことを目的として、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、これらに薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、アクティブマトリックス方式の有機EL素子用の基板とすることが可能である。本発明のアクティブマトリクス方式の基板の一例の説明断面図を図5示す。本発明の有機EL素子基板とする場合には、TFT120上に、平坦化層117が形成してあるとともに、平坦化層117上に有機EL素子の下部電極(第一電極12)が設けられており、かつ、TFTと下部電極とが平坦化層117に設けたコンタクトホール118を介して電気接続してあることが好ましい。このように構成することにより、TFTと、有機EL素子との間で、優れた電気絶縁性を得ることができる。
TFT120や、その上方に構成される有機EL素子は支持体111で支持される。支持体としては機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましく、具体的には先に基板として述べた材料を用いることができる。
支持体上に設ける薄膜トランジスタ120は、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
活性層112は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフエンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法、SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス)、減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極114を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
ゲート絶縁膜113としては、通常、ゲート絶縁膜として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO、ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極114としては、通常、ゲート電極として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミ、銅等の金属、チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属、ポリシリコン、高融点金属のシリサイド、ポリサイド等が挙げられる。
薄膜トランジスタ120は、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
本発明の表示装置は薄膜トランジスタが有機EL素子のスイッチング素子として機能するように接続されている必要があり、トランジスタのドレイン電極116と有機EL素子の画素電極(第一電極2)が電気的に接続されている。さらにトップエミッション構造をとるための画素電極は一般に光を反射する金属が用いられる必要がある。
薄膜トランジスタ120とドレイン電極116と有機EL素子の画素電極(第一電極2)との接続は、平坦化膜117を貫通するコンタクトホール118内に形成された接続配線を介して行われる。
平坦化膜117の材料についてはSiO、スピンオンガラス、SiN(Si)、TaO(Ta)等の無機材料、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フォトレジスト材料、ブラックマトリックス材料等の有機材料等を用いることができる。これらの材料に合わせてスピンコーティング、CVD、蒸着法等を選択できる。必要に応じて、平坦化層として感光性樹脂を用いフォトリソグラフィーの手法により、あるいは一旦全面に平坦化層を形成後、下層の薄膜トランジスタ120に対応した位置にドライエッチング、ウェットエッチング等でコンタクトホール118を形成する。コンタクトホールはその後導電性材料で埋めて平坦化層上層に形成される画素電極との導通を図る。平坦化層の厚みは下層のTFT、コンデンサ、配線等を覆うことができればよく、厚みは数um、例えば3μm程度あればよい。
基板上には第一電極が設けられる。第一電極を陽極とした場合、その材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の金属複合酸化物や金、白金、クロムなどの金属材料を単層または積層したものをいずれも使用できる。第一電極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。
なお、低抵抗であること、溶剤耐性があること、また、ボトムミッション方式としたときには透明性が高いことなどからITOが好ましく使用できる。ITOはスパッタ法によりガラス基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされて第一電極となる。
第一電極を形成後、第一電極縁部を覆うようにして隔壁が形成される。隔壁は絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることができる。また、隔壁形成材料として、SiO、TiO等を用いることもできる。
隔壁形成材料が感光性材料の場合、形成材料溶液をスリットコート法やスピンコート法により全面コーティングしたあと、露光、現像といったフォトリソ法によりパターニングがおこなわれる。スピンコート法の場合、隔壁の高さは、スピンコートするときの回転数等の条件でコントロールできるが、1回のコーティングでは限界の高さがあり、それ以上高くするときは複数回スピンコートを繰り返す手法を用いる。
感光性材料を用いてフォトリソ法により隔壁を形成する場合、その形状は露光条件や現像条件により制御可能である。例えば、ネガ型の感光性樹脂を塗布し、露光・現像した後、ポストベークして、隔壁を得るときに、隔壁端部の形状を順テーパー形状としたい場合には、この現像条件である現像液の種類、濃度、温度、あるいは現像時間を制御すればよい。現像条件を穏やかなものとすれば、隔壁端部は順テーパー形状となり、現像条件を過酷にすれば、隔壁端部は逆テーパー形状となる。
また、隔壁形成材料がSiO、TiOの場合、スパッタリング法、CVD法といった乾式成膜法で形成可能である。この場合、隔壁のパターニングはマスクやフォトリソ法により行うことができる。
次に、有機発光媒体層を形成する。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成されたものでもよいし、有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層といった発光を補助するための発光補助層との積層構造としてもよい。なお、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は必要に応じて適宜選択される。
有機発光層は電流を流すことにより発光する層である。有機発光層の形成する有機発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチルー5−トリフルオロメチルー8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチルー5−シアノー8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラートシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリー2,5−ジヘプチルオキシーパラーフェニレンビニレンなどの低分子系発光材料が使用できる。
また、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポリフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料を、高分子中に分散させたものが使用できる。高分子としてはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等が使用できる。
また、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)、ポリスピロなどの高分子発光材料であってもよい。PPV前駆体、PPP前駆体などの高分子前駆体が挙げられる。また、その他既存の発光材料を用いることもできる。
正孔輸送層の材料としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
また、電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メチル−(t−ブチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,3,5−トリ−イソプロピルベンゼン等を単独又は混合して用いることができる。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
正孔輸送材料、電子輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。特に、正孔輸送材料をインキ化する場合には水またはアルコール類が好適である。
有機発光媒体層は湿式成膜法により形成される。なお、有機発光媒体層が積層構造から構成される場合には、その各層の全てを湿式成膜法により形成する必要はない。湿式成膜法としては、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、吐出コート法、プレコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗布法と、凸版印刷法、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法が挙げられる。特に、RGB三色の有機発光層をパターン形成する場合、印刷法によって画素部に選択的に形成することができ、カラー表示のできる有機EL素子を製造することが可能となる。有機発光媒体層の膜厚は、単層又は積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50nm〜150nmである。
特に、有機発光層は凸版印刷法によって好適に形成される。例えば、インクジェット印刷ではインキ供給体であるノズルから基板に向かってインキは吐出される、すなわち、ノズルと基板の間には距離があり、基板に吐出されたインキは、基板で跳ね返ることによって、飛散してしまう。対して、凸版印刷法ではインキ供給体である版と印刷基板が接するようにしてインキが転移されるため、インキが飛散することなく、所定のインキを所定の位置に配置することができる。
凸版印刷法のようにインキ供給体と基板がインキを介して接するようにしてインキを供給し、有機発光層を形成した場合には、有機発光インキの基板での跳ね返りによる有機発光インキの飛散を考慮する必要が無いため、有機発光インキを所定の位置に配した後の有機発光インキの濡れ広がりのスピードと有機発光インキの乾燥スピードを考慮し、有機発光インキが隣接する異なる発光色を有する画素の発光領域に到達する前に有機発光インキが隔壁上で乾燥すれば、有機発光層の混色を防ぐことが可能となる。したがって、異なる発光色を有する有機発光層間にある隔壁の高さを低くすることができ、また、隔壁端部の形状を緩やかな順テーパー形状とすることができる。したがって、隔壁上への有機発光インキの濡れ広がりにより、有機発光層を隔壁の上空まで連続して設けることが容易に可能となる。
本発明において凸版印刷法に用いる凸版は水現像タイプの樹脂凸版を用いることが好ましい。本発明における樹脂版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
有機発光層の形成に用いる印刷装置は、平板に印刷する方式の凸版印刷装置であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷装置が望ましい。図6に本発明の凸版印刷装置の概略図を示した。本製造装置は、インクタンク10とインキチャンバー12とアニロックスロール14と樹脂凸版16を取り付けした版胴18を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー12にはインクタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール14は、インキチャンバー12のインキ供給部及び版胴18に接して回転するようになっている。
アニロックスロール14の回転にともない、インキチャンバー12から供給された有機発光インキ14aはアニロクスロール14表面に均一に保持されたあと、版胴に取り付けされた樹脂凸版16の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板は摺動可能な基板固定台上に固定され、版のパターンと基板のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴の回転に合わせて樹脂凸版16の凸部が基板に接しながらさらに移動し、ステージ20上にある被印刷基板24の所定位置にパターニングしてインキを転移する。
次に、第二電極を形成する。第二電極を陰極とした場合その材料としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg、AL、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、低仕事関数なLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg、AlLi,CuLi等の合金が使用できる。また、トップエミッション方式の有機EL素子とする場合は、陰極は透明性を有する必要があり、例えば、これら金属とITO等の透明導電層の組み合わせによる透明化が可能となる。
第二電極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。また、第二電極をパターンとする必要がある場合には、マスク等によりパターニングすることができる。第二電極の厚さは10nm〜1000nmが好ましい。なお、本発明では第一の電極を陰極、第二の電極を陽極とすることも可能である。
有機EL素子としては電極間に発光材料を挟み、電流を流すことで発光させることが可能であるが、有機発光材料や有機発光媒体層形成材料、電極形成材料の一部は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため通常は外部と遮断するための封止体を設ける。
封止体は、例えば第一電極、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極が形成された基板に対して、封止材上に樹脂層を設け、該樹脂層により封止材と基板を貼りあわせることによりおこなわれる。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。
第一電極、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極が形成された基板と封止体の貼り合わせは封止室でおこなわれる。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。なお、ここでは封止材上に樹脂層を形成したが、基板上に樹脂層を形成して封止材と貼りあわせることも可能である。
封止体を用いて封止を行う前やその代わりに、例えばパッシベーション膜として、CVD法を用いて、窒化珪素膜を150nm成膜するなど、無機薄膜による封止体とすることも可能であり、また、これらを組み合わせることも可能である。また、凹部を有するガラスキャップ、金属キャップを用いて、第一電極、有機発光媒体層、第二電極上空に凹部があたるようにして、その周辺部についてキャップと基板を接着させることにより封止をおこなうことも可能である。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。本実施例(比較例)では、パッシブマトリック型の有機EL素子の作成例について示す。
(実施例1)
300mm角のガラス基板の上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、第一電極を形成した。ITOパターンすなわち第一電極のラインパターンは、線幅120μm、スペース40μmである。
次に、ポジ型の感光性材料であるTELRシリーズ(東京応化社製)をスピンコート法で膜厚1.2μmになるように有効面全面に塗布した。そして、露光、現像処理をおこない、第一電極端部を覆うように、第一電極間に隔壁を形成した。得られた隔壁の幅は80μmであり、隔壁の高さは1.1umである。また、断面観察をおこなった結果、隔壁端部は図2に示したような台形形状であり、隔壁端部は順テーパー形状を有していることが確認された。
次に、第一電極上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下PEDOT/PSSという)を水に分散させた濃度1wt%インキを用い、スピンコート法により成膜し、厚さ0.1μmの正孔輸送層を得た。
次に、赤色、緑色、青色の発光色を有する有機発光材料であるポリフルオレン系誘導体をトルエンに溶解した濃度1wt%の有機発光インキ(Red1100、Green1300、Blue1100(すべて住友化学))を用い、水現像タイプの感光性樹脂凸版を用いた凸版印刷法で各色についておこない、有機発光層を形成した。このとき、150線/インチのアニロックスロールを使用し、形成後は真空加熱により乾燥を行った。得られた有機発光層の膜厚は80nmであった。
その上にCa、Alからなる第二電極を第一電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後に、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子を作成した。得られた有機EL素子の周縁部には、各画素電極に接続されている陽極側および陰極側それぞれの取り出し電極があり、これらを電源に接続することでパネルの点灯表示確認ができる。
(実施例2)
実施例1において、形成した隔壁の幅を80μm、隔壁の高さを2.0μm、また、隔壁の形状を端部が順テーパー形状である台形形状とし、他の部分は実施例1と同様にして有機EL素子の製造をおこなった。
(実施例3)
実施例1において、形成した隔壁の幅を80μm、隔壁の高さを1.9μm、また隔壁の形状を端部が順テーパー形状である台形形状としとし、他の部分は実施例1と同様にして有機EL素子の製造をおこなった。
(実施例4)
実施例1において、形成した隔壁の幅を80μm、隔壁の高さを1.7μm、また、隔壁の形状を端部が順テーパー形状である台形形状とし、他の部分は実施例1と同様にして有機EL素子の製造をおこなった。
(実施例5)
実施例1において、形成した隔壁の幅を80μm、隔壁の高さを0.5μm、また、隔壁の形状を端部が順テーパー形状である台形形状とし、他の部分は実施例1と同様にして有機EL素子の製造をおこなった。
(比較例)
実施例1において、形成した隔壁の幅を80μm、隔壁の高さを1.5μm、また、隔壁の形状を図1に示したような長方形とした。他の部分は実施例1と同様にして有機EL素子の製造をおこなった。
得られた有機EL素子について、断面観察をおこない、隔壁と正孔輸送層の重なり幅、隔壁と有機発光層の重なり幅の測定をおこなった。また、得られた有機EL素子を点灯表示させ、発光ムラの有無のチェックを行った。表1に測定結果、評価結果について示す。
発光ムラ評価結果における二重丸印は発光ムラが確認されなかったことを示している。また、丸印はごく一部で発光ムラが確認されていることを示しており、三角印は一部で発光ムラが確認されていることを示しており、丸印の方が三角印と比較して発光ムラが少ないものとする。また、バツ印は、画素全面において発光ムラが確認されたことを示している。実施例5においては、形成された正孔輸送層は隔壁をまたぐ形で有効画素全面に連続して形成されている様子が確認された。
実施例1、2、3、4、5の有機EL素子では、比較例と比較して、発光ムラが少なくなっている様子が確認され、本発明の効果が認められた。また、実施例1、2、3、4、5の有機EL素子から、有機発光媒体層と前記隔壁の重なりは1μm以上が好ましいこと、更に好ましくは3μm以上であることが認められた。
従来の有機EL素子の説明断面図。 本発明の有機EL素子の説明断面図。 第一電極と隔壁のパターン配置図。 本発明の隔壁の断面模式図。 本発明のアクティブマトリクス方式の基板の説明断面図。 本発明の凸版印刷装置の概略図。
符号の説明
1:基板
2:第一電極
3:正孔輸送層
41:赤色(R)有機発光層
42:緑色(G)有機発光層
43:青色(B)有機発光層
7、7x、7y:隔壁
111:支持体
112:活性層
113:ゲート絶縁膜
114:ゲート電極
115:層間絶縁膜
116:ドレイン電極
117:平坦化層
118:コンタクトホール
119:データ線
120:薄膜トランジスタ
10:インクタンク
12:インキチャンバー
14:アニロックスロール
14a:インキ
16:凸版
18:版胴
20:ステージ
24:被印刷基板
L:発光領域
N:非発光領域
S1:隔壁と有機発光層の重なり幅
S2:隔壁と正孔輸送層の重なり幅

Claims (3)

  1. 基板と、この基板上に設けられた第一電極と、第一電極間に隔壁を具備し、第一電極上に有機発光層を含む有機発光媒体層を具備し、該有機発光媒体層を挟んで第一電極と対向するように第二電極を具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    有機発光媒体層のうち少なくとも1層が、隔壁の上空にまで発光領域から連続して設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記有機発光媒体層と前記隔壁の重なり幅が1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記有機発光層が複数の発光色を有する有機EL素子であって、異なる発光色を有する有機発光層間に設けられた隔壁と有機発光層の重なり幅が1μm以上であり、且つ、該隔壁の幅を超えないことを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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