JP2011187364A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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敬介 水野
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Abstract

【課題】隔壁を設けた基板に対して有機発光材料を湿式成膜法で薄膜形成した場合に、隔壁近傍における有機発光媒体層の膜厚ムラに起因する画素内の発光ムラの発生の少ない有機EL素子と、それを簡便に製造し得る製造方法とを提供する。
【解決手段】基板と、隔壁によって区画された第一電極が形成された前記基板上に、少なくとも有機発光層を含む有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第一電極を区画する前記隔壁の前記第一電極上への乗り上げ部に、前記隔壁を欠切した液溜まり部が設けてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、情報表示端末などのディスプレイへの用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する)とその製造方法に関する。
有機EL素子は、少なくともどちらか一方が透光性を有する二つの対向する電極の間に、有機発光材料からなる有機発光層が形成され、両電極間に電圧を印加して有機発光層に電流を流すことにより発光が生じる自発光型の表示素子である。この有機EL素子で何らかの画像表示を行うためには、画素毎に発光のオンオフを調整する必要がある。そのため、少なくとも一方の電極はパターンニングされて設けられる必要がある。また、これを効率よく発光させるには、有機発光層の膜厚のコントロールが重要であり、例えば膜厚100nm程度に極めて薄膜にする必要がある。さらに、これをフルカラー化するには、例えば各画素が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)となるように、有機発光層を高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等の乾式成膜法により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングする。この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に分散または溶解させて塗工液にし、これを湿式成膜法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するための湿式成膜法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等がある。また、R、G、B3色に塗り分けをするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。各種印刷法のなかでも、インクジェット印刷による方法(例えば、特許文献1参照)、オフセット印刷による方法(例えば、特許文献2参照)、凸版印刷による方法(例えば、特許文献3参照)などが提唱されている。
通常、有機EL素子の製造工程では、先ず基板上に陽極として利用されることが多い第一の電極をストライプ状に形成する。次に、ストライプ状の第一の電極の間に隔壁を設ける。この隔壁は、隣接する画素の有機発光層同士の混色を防ぐと共に、第一の電極と第二の電極の短絡を防ぐものである。このため、隔壁は電気絶縁性材料で構成される。また、この隔壁を黒色に着色して画素間からのノイズ光を防止することも多い。そして、これら隔壁の間、すなわち、画素部位に有機発光層を形成する。しかしながら、隔壁による凸部の存在により、湿式成膜法で薄膜形成するにあたって、特に隔壁近傍での膜厚のバラツキによる発光ムラなどの問題点がある。その解決策として、例えば、特許文献4には、隔壁が、下部に矩形のすそを有し、すその両側が第一の電極の端部を覆っていることとで、膜厚の均一性を向上させる技術が開示されている。
特開平10−12377号公報 特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 特開2008−84741号公報
前述したように、隔壁を設けた基板に対して、有機発光材料をインキ化した有機発光インキを用いて有機発光層を形成すると、形成した有機発光層は隔壁近傍の膜厚が厚くなる傾向があり膜厚が厚くなった部分は暗く発光してしまうため、発光ムラができるという問題があった。そこで、簡易な方法で製造し得て、且つ、均質な有機発光層の形成に有効な隔壁形状を有する有機EL素子が求められていた。
本発明は、有機発光材料を湿式成膜法で薄膜形成した場合に、隔壁の形状を詳細に検討し工夫することにより、隔壁近傍における有機発光媒体層の膜厚ムラに起因する画素内の発光ムラの発生の少ない有機EL素子と、それを簡便に製造し得る製造方法とを提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、基板と、隔壁によって区画された第一電極が形成された前記基板上に、少なくとも有機発光層を含む有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一電極を区画する前記隔壁の前記第一電極上への乗り上げ部に、前記隔壁を欠切した液溜まり部が設けてあることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記液溜まり部の前記隔壁切欠き上面の前記第一電極面からの高さが、0.05μm〜0.2μmであることを特徴とする請求項1に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記液溜まり部の欠切端部が、前記第一電極の端部よりも発光層側(画素側)に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子である。
次に、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
少なくとも、
(1)基板上に第一電極を形成しパターニングする工程と、
(2)端部が前記第一電極の端部よりも発光層側(画素側)に位置して前記第一電極の画素面積よりも一回り小さいアルミニウム薄膜を前記第一電極上に形成する工程と、
(3)前記アルミニウム薄膜端部を覆うように前記第一電極間に隔壁を形成する工程と、(4)前記アルミニウム薄膜をエッチング除去することにより前記隔壁を欠切した液溜まり部を形成する工程とを、
含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記隔壁を形成する材料が感光性樹脂からなり、前記アルミニウム薄膜をエッチング除去するエッチング液が、前記感光性樹脂の現像液と同じであり、前記隔壁形成の現像工程で前記アルミニウム薄膜が同時にエッチング除去されることを特徴とする請求項4に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
本発明の有機EL素子によれば、第一電極を区画する隔壁の第一電極上への乗り上げ部下部に、この隔壁を欠切した液溜まり部が設けてあることにより、隔壁に乗り上げたインキを液溜まり部へ流すことにより隔壁近傍での膜厚増加を抑える。その結果隔壁近傍の有機発光媒体層の膜厚増加部分を吸収・低減することができ、膜厚が均一で発光ムラの少ない有機EL素子を得ることができる。
また、本発明の有機EL素子の製造方法によれば、第一電極上に一回り小さい面積のアルミニウム薄膜を設けた後で隔壁用の感光性樹脂を適用し、同じ現像液を用いた現像で隔壁の形成、アルミニウム薄膜のエッチング除去、隔壁を欠切した液溜まり部の形成が同時に可能となり、湿式成膜法で薄膜形成する有機発光媒体層に適切な形状の隔壁を有した有機EL素子が簡便に製造し得る。
(a)は、一般的な有機EL素子の部分構成を断面で説明する模式図である。(b)は、(a)の隔壁部分を拡大したものである。 (a)は、本発明の有機EL素子の一例の部分構成を断面で説明する模式図である。(b)は、(a)の隔壁部分を拡大したものである。 有機EL素子における第一電極と隔壁のパターン配置図である。 本発明の有機EL素子に係る、隔壁を欠切した液溜まり部を示す断面説明図である。 本発明の有機EL素子に係る、一例のアクティブマトリックス方式の基板の構成を断面で説明する模式図である。 本発明の有機EL素子の製造方法に係る、第一電極の画素面積よりも一回り小さいアルミニウム薄膜を説明する概略図である。 本発明の有機EL素子に係る、有機発光媒体層の形成に用いる印刷装置の一例の概略図である。 本発明の実施例1に係る、第一電極のパターンを示す説明図である。 本発明の実施例及び比較例に係る、有機発光媒体層の平坦率を断面で説明する概略図である。
本発明の有機EL素子を一実施形態に基いて、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。なお、従来の有機EL素子と本発明の有機EL素子について、同一機能の構成部については同じ符号を用いて説明する。
有機EL素子の駆動方法としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、本発明の有機EL素子はパッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。
パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その
交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
図1は、一般的な有機EL素子の一部を拡大断面で示した模式図で、(b)は、(a)の隔壁部分を拡大したものである。ここで有機EL素子は、基板1の上に第一電極2を有している。隔壁7は隣接する第一電極間に設けられ、第一電極端部のバリ等よるショートを防ぐことを目的として第一電極端部を覆うことがましい。
また、図2に本発明の有機EL素子の一部を拡大断面で示した模式図である。ここで、(b)は(a)の隔壁部分を拡大したものである。図2(b)に示すように、本発明に係る隔壁7には、第一電極上への乗り上げ部に、この隔壁のすその下部を欠切した液溜まり部25が設けてある。
図3に、第一電極2と隔壁7のパターン配置図を示した。また、各第一電極上に設けられる赤(R)、緑(G)、青(B)の発光色パターンも合わせて示してある。パッシブマトリックス方式の場合、この第一電極2はストライプ状のパターンを有しており、隔壁7は第一電極端部を覆うようにストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の場合、第一電極2は画素ごとのパターンを有しているため、隔壁(7x、7y)は第一電極端部を覆うように格子上に形成される。
そして、本発明の有機EL素子は、第一電極2上の、隔壁7で区画された領域(発光領域、画素部)に有機発光媒体層を有している。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成されたものであってもよいし、有機発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでもよい。発光補助層としては正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層が挙げられる。図1及び図2では、発光補助層である正孔輸送層3と有機発光層(41、42、43)との積層構造から構成された有機発光媒体層を示している。第一電極2上に正孔輸送層3が設けられ、正孔輸送層3上に赤色(R)有機発光層41、緑色(G)有機発光層42、青色(B)有機発光層43がそれぞれ設けられている。
本発明の有機EL素子に係る隔壁端部は、液溜りである切り欠き部25を除いて順テーパー形状を有している。順テーパー形状とは隔壁端部から隔壁中央部に向かって高さが漸次増大していく構造のことである。
隔壁7の高さは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5μmから2μmが好ましい。高すぎると、第二電極5の形成及び封止を妨げ、低すぎると第一電極2の端部を覆いきれない。
本発明の有機EL素子に係る、隔壁を欠切した液溜まり部を示す断面説明図である。図4に示すように、隔壁底面には、穴(液溜まり)25が形成されている。液溜まり部の隔壁切欠き上面の第一電極面からの高さhが0.05μm以下の場合、液溜まりの効果がなく発光ムラを引き起こしてしまうほどの隔壁付近での膜厚増加が起こる。また0.2μmを超える高さであると第二電極形成時の障害となり好ましくない。また液溜まりの端部の位置は第一電極の端部よりも内側、すなわち発光層側(画素側)である。それよりも外側になると、発光に寄与しなくなる発光層が増えてしまい、コスト上昇に繋がってしまう。
次に、有機発光媒体層上に第一電極2と対向するように第二電極5が配置される。パッシブマトリックス方式の場合、ストライプ状を有する第一電極と直交する形で第二電極はストライプ状に設けられる。アクティブマトリックス方式の場合、第二電極は、有機EL素子全面に形成される。更に、図示していないが、環境中の水分や酸素の第一電極、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極への侵入を防ぐために、有効画素全面に対して封
止体が設けられる。
次に、本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。
本発明に係る基板としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
具体的には、例えば、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、有機発光媒体層への水分の侵入を防ぐことを目的として、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、これらに薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、アクティブマトリックス方式の有機EL素子用の基板とすることが可能である。図5に、本発明の有機EL素子に係る、一例のアクティブマトリックス方式の基板の構成を断面で説明する模式図を示す。本発明の有機EL素子基板とする場合には、TFT120上に、平坦化層117が形成してあるとともに、平坦化層117上に有機EL素子の下部電極(第一電極2)が設けられており、かつ、TFTと下部電極2とが平坦化層117に設けたコンタクトホール118を介して電気接続してあることが好ましい。このように構成することにより、TFTと、有機EL素子との間で、優れた電気絶縁性を得ることができる。
TFT120や、その上方に構成される有機EL素子は、支持体111で支持される。支持体111としては機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましく、具体的には先に基板として述べた材料を用いることができる。
支持体111上に設ける薄膜トランジスタ120は、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層112、ゲート絶縁膜113及びゲート電極114から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
活性層112は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフェンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法、SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス)、減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極114を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
ゲート絶縁膜113としては、通常ゲート絶縁膜として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO、ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極114としては、通常、ゲート電極として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミ、銅等の金属、チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属、ポリシリコン、高融点金属のシリサイド、ポリサイド等が挙げられる。
薄膜トランジスタ(TFT)120は、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
本発明に係る表示装置は、薄膜トランジスタが有機EL素子のスイッチング素子として機能するように接続されている必要があり、トランジスタのドレイン電極116と有機EL素子の画素電極(第一電極2)が電気的に接続されている。さらにトップエミッション構造をとるための画素電極は一般に光を反射する金属が用いられる必要がある。
薄膜トランジスタ120とドレイン電極116と有機EL素子の画素電極(第一電極2)との接続は、平坦化膜117を貫通するコンタクトホール118内に形成された接続配線を介して行われる。
平坦化膜117の材料についてはSiO、スピンオンガラス、SiN(Si)、TaO(Ta)等の無機材料、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フォトレジスト材料、ブラックマトリックス材料等の有機材料等を用いることができる。これらの材料に合わせてスピンコーティング、CVD、蒸着法等を選択できる。必要に応じて、平坦化層として感光性樹脂を用いフォトリソグラフィーの手法により、あるいは一旦全面に平坦化層を形成後、下層の薄膜トランジスタ120に対応した位置にドライエッチング、ウェットエッチング等でコンタクトホール118を形成する。コンタクトホールはその後導電性材料で埋めて平坦化層上層に形成される画素電極との導通を図る。平坦化層の厚みは下層のTFT、コンデンサ、配線等を覆うことができればよく、厚みは数μm、例えば3μm程度あればよい。
以上のようにして得た基板上には、第一電極2が設けられる。第一電極を陽極とした場合、その材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の金属複合酸化物や金、白金、クロムなどの金属材料を単層または積層したものをいずれも使用できる。第一電極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。
なお、低抵抗であること、溶剤耐性があること、また、ボトムミッション方式としたときには透明性が高いことなどから、ITOが好ましく使用できる。ITOはスパッタリング法によりガラス基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされて第一電極となる。
次に、液溜まり部を形成する方法を説明する。第一電極を形成後、図6に示すように、端部が第一電極の端部よりも発光層側(画素側)に位置して第一電極の画素面積よりも一回り小さいアルミニウム薄膜を第一電極上に形成する。アルミニウム薄膜の形成方法は限定はしないが、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用い、公知の方法でパターニングすることができる
アルミニウム薄膜を形成後、アルミニウム薄膜端部を覆うように第一電極間に隔壁を形成する。隔壁は絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることができる。
隔壁形成材料が感光性材料の場合、形成材料溶液をスリットコート法やスピンコート法により全面コーティングしたあと、露光、現像といったフォトリソ法によりパターニングがおこなわれる。スピンコート法の場合、隔壁の高さは、スピンコートするときの回転数等の条件でコントロールできるが、1回のコーティングでは限界の高さがあり、それ以上高くするときは複数回スピンコートを繰り返す手法を用いる。
感光性材料を用いてフォトリソ法により順テーパーの隔壁を形成する。例えば、ネガ型の感光性樹脂を塗布し、露光・現像した後、ポストベークして、隔壁を得るときに、この現像条件である現像液の種類、濃度、温度、あるいは現像時間を制御すれば所望の形を形成できる。
次に、アルミニウム薄膜をエッチング除去する。ここで、エッチング液が、隔壁形成用の感光性樹脂の現像液と同じで良い場合には、前記した隔壁形成の現像工程で前記アルミニウム薄膜が同時にエッチング除去されることになる。アルミニウムをエッチング除去するにはアルカリ性の液が必要であるため現像液としては、強アルカリ溶液であるTMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)をベースとした現像液を用いることが好ましい。このようにして、第一電極を区画する隔壁の第一電極上への乗り上げ部下部に、この隔壁を欠切した液溜まり部が形成された被印刷基板が作製される。
次に、有機発光媒体層を形成する。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成されたものでもよいし、有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層といった発光を補助するための発光補助層との積層構造としてもよい。なお、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は必要に応じて適宜選択される。
有機発光層は電流を流すことにより発光する層である。有機発光層を形成する有機発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチルー5−トリフルオロメチルー8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチルー5−シアノー8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラートシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリー2,5−ジヘプチルオキシーパラーフェニレンビニレンなどの低分子系発光材料が使用できる。
また、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポリフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料を、高分子中に分散させたものが使用できる。高分子としてはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等が使用できる。
また、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)、ポリスピロなどの高分子発光材料であってもよい。PPV前駆体、PPP前駆体などの高分子前駆体が挙げられる。また、その他既存の発光材料を用いることもできる。
正孔輸送層の有機材料としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
無機材料では、Li、Na、K、Rb、Ce、およびFrなどのアルカリ金属元素や、Mg、Ca、SrおよびBaなどのアルカリ土類金属元素、La、Ce、Sm、Eu、Gd、Ybなどのランタノイド系元素、Au、Cu、Al、Fe、Ni、Ru、Sn、Pb、Cr、Ir、Nb、Pt、W、Mo、Ta、PaおよびCoなどの金属元素、Si、Ge、またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、硼化物などの化合物がある。
また、電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メチル−(t−ブチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,3,5−トリ−イソプロピルベンゼン等を単独又は混合して用いることができる。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
正孔輸送材料、電子輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。特に、正孔輸送材料をインキ化する場合には水またはアルコール類が好適である。
有機発光媒体層は湿式成膜法により形成される。なお、有機発光媒体層が積層構造から構成される場合には、その各層の全てを湿式成膜法により形成する必要はない。湿式成膜法としては、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、吐出コート法、プレコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗布法と、凸版印刷法、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法が挙げられる。特に、R、G、B三色の有機発光層をパターン形成する場合、印刷法によって画素部に選択的に形成することができ、カラー表示のできる有機EL素子を製造することが可能となる。有機発光媒体層の膜厚は、単層又は積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50nm〜150nmである。
特に、有機発光層は凸版印刷法によって好適に形成される。例えば、インクジェット印刷ではインキ供給体であるノズルから基板に向かってインキは吐出される、すなわち、ノズルと基板の間には距離があり、基板に吐出されたインキは、基板で跳ね返ることによって、飛散してしまう。これに対して、凸版印刷法ではインキ供給体である版と印刷基板が接するようにしてインキが転移されるため、インキが飛散することなく、所定のインキを所定の位置に配置することができる。
本発明の有機EL素子の製造方法において、凸版印刷法に用いる凸版は水現像タイプの樹脂凸版を用いることが好ましい。この樹脂版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
有機発光層の形成に用いる印刷装置は、平板に印刷する方式の凸版印刷装置であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷装置が望ましい。図7に、本発明に係る、有機発光媒体層の形成に用いる印刷装置の一例の概略図を示した。本製造装置は、インクタンク10とインキチャンバー12とアニロックスロール14と樹脂凸版16を取り付けした版胴18を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー12にはインクタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール14は、インキチャンバー12のインキ供給部及び版胴18に接して回転するようになっている。
アニロックスロール14の回転にともない、インキチャンバー12から供給された有機発光インキ14aはアニロクスロール14表面に均一に保持されたあと、版胴に取り付けられた樹脂凸版16の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、前述した、第一電極を区画する隔壁の第一電極上への乗り上げ部下部にこの隔壁を欠切した液溜まり部が形成された被印刷基板24が摺動可能な基板固定台上に固定され、版のパターンと基板のパターンの図示しない位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴の回転に合わせて樹脂凸版16の凸部が被印刷基板24に接しながらさらに移動し、ステージ20上にある被印刷基板24の所定位置にパターニングしてインキを転移する。この際図2(b)に示すように、被印刷基板24には隔壁を欠切した液溜まり部が設けてあること
により、隔壁近傍の有機発光媒体層の膜厚増加部分を吸収・低減することができ、隔壁周辺で膜厚増加をすることなく、平坦に塗布されている。
次に、第二電極を形成する。第二電極を陰極とした場合その材料としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、低仕事関数なLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg、AlLi,CuLi等の合金が使用できる。また、トップエミッション方式の有機EL素子とする場合は、陰極は透明性を有する必要があり、例えば、これら金属とITO等の透明導電層の組み合わせによる透明化が可能となる。
第二電極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。また、第二電極をパターンとする必要がある場合には、マスク等によりパターニングすることができる。第二電極の厚さは10nm〜1000nmが好ましい。なお、本発明では第一の電極を陰極、第二の電極を陽極とすることも可能である。
有機EL素子としては電極間に発光材料を挟み、電流を流すことで発光させることが可能であるが、有機発光材料や有機発光媒体層形成材料、電極形成材料の一部は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため通常は外部と遮断するための封止体を設ける。
封止体は、例えば第一電極、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極が形成された基板に対して、封止材上に樹脂層を設け、該樹脂層により封止材と基板を貼りあわせることによりおこなわれる。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10〜6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミネート法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。
第一電極、有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極が形成された基板と封止体の貼り合わせは、通常封止室でおこなわれる。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。
熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。なお、ここでは封止材上に樹脂層を形成したが、基板上に樹脂層を形成して封止材と貼りあわせることも可能である。
封止体を用いて封止を行う前やその代わりに、例えばパッシベーション膜として、CVD法を用いて、窒化珪素膜を150nm成膜するなど、無機薄膜による封止体とすることも可能であり、また、これらを組み合わせることも可能である。また、凹部を有するガラスキャップ、金属キャップを用いて、第一電極、有機発光媒体層、第二電極上空に凹部があたるようにして、その周辺部についてキャップと基板を接着させることにより封止をおこなうことも可能である。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。なお、本実施例及び比較例では、パッシブマトリック型の有機EL素子の作成例について説明する。
<実施例1>
300mm角のガラス基板の上に、スパッタリング法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、第一電極を形成した。ITOパターンすなわち第一電極のパターンは、図8に示すように、画素幅縦30μm、横10μm、画素間のスペースは5μmである。
次にITO上にアルミニウム薄膜を電子ビーム蒸着法で形成した。この際パターニングするためにマスクを用いた。得られたアルミニウム薄膜は幅縦26μm、横6μmであり、膜厚は0.1μmであった。
次に、ポジ型の感光性材料であるTELR―Pシリーズ(東京応化工業社製)をスピンコート法で膜厚1.2μmになるように有効面全面に塗布した。そして、露光、現像処理をおこない、第一電極端部を覆うように、第一電極間に隔壁を形成した。なおITO上のアルミニウム薄膜は、隔壁用感光性材料の現像と共に剥離した。この際用いた現像液は、TMAH(Tetra−methyl Ammonium Hydroxide)の2.38%水溶液としてのNMD―W(東京応化工業株式会社製)である。得られた隔壁の幅は7μmであり、隔壁の高さは1.1umであった。また、断面観察をおこなった結果、隔壁端部は、図2に示したような台形形状であり、隔壁端部は順テーパー形状を有していることが確認された。また、液溜まり部の隔壁切欠き上面の第一電極面からの高さは、約0.1μmであった。
次に、第一電極上に、正孔輸送層としてMoターゲットを用いて、酸化モリブデン(MoOx)をスパッタリング法にて30nmの膜厚で形成した。
次に、赤色、緑色、青色の発光色を有する有機発光材料であるポリフルオレン系誘導体をトルエンに溶解した濃度1質量%の有機発光インキを用いて、水現像タイプの感光性樹脂凸版を用いた凸版印刷法で、各色について印刷をおこない、有機発光層を形成した。このとき、インチ(2.54cm)あたり150線のアニロックスロールを使用し、形成後は真空加熱により乾燥を行った。得られた有機発光層の膜厚は80nmであった。
さらに、その上にCa、Alからなる第二電極を基板全面に電子ビーム蒸着をした。最後に、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、実施例1の有機EL素子を作成した。得られた有機EL素子の周縁部には、各画素電極に接続されている陽極側および陰極側それぞれの取り出し電極があり、これらを電源に
接続することでパネルの点灯表示確認ができた。
<比較例1>
実施例1において、ITO上にアルミニウム薄膜を形成せず、液溜まり部を形成しなかったこと以外は全く同様にして、比較例1の有機EL素子を作成した。
<比較例2>
実施例1において、アルミニウム薄膜の膜厚を0.03μmにし、液溜まり部の隔壁切欠き上面の第一電極面からの高さを0.03μmとした以外は全く同様にして、比較例2の有機EL素子を作成した。
<比較例3>
実施例1において、アルミニウム薄膜の膜厚を0.5μmにし、液溜まり部の隔壁切欠き上面の第一電極面からの高さを0.5μmとした以外は全く同様にして、比較例3の有機EL素子を作成した。
得られた、実施例1及び比較例1,2,3の有機EL素子について、それぞれの素子断面観察をFIB(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて行い、それぞれの有機発光層の平坦率を測定した。平坦率は、図9に示すように、第一電極上の有機発光層の画素幅W1と、有機発光層の平坦部の幅W2を用いて、W2/W1×100(%)と規定した。また発光ムラも測定した。
[測定・評価結果]
本発明の実施例1の有機EL素子では平坦率100%で発光ムラは無かった。それに対して、比較例1の有機EL素子では平坦率75%で発光ムラがあった。また、比較例2の有機EL素子においては平坦率88%で発光ムラがあった。また、比較例3の有機EL素子においては陰極が連続的に形成できなかったため発光しなかった。
1・・・基板 2・・・第一電極 3・・・正孔輸送層
41・・・赤色(R)有機発光層 42・・・緑色(G)有機発光層
43・・・青色(B)有機発光層 7、7x、7y・・・隔壁
111・・・支持体 112・・・活性層 113・・・ゲート絶縁膜
114・・・ゲート電極 115・・・層間絶縁膜 116・・・ドレイン電極 117・・・平坦化層 118・・・コンタクトホール 119・・・データ線 120・・・薄膜トランジスタ 10・・・インクタンク
12・・・インキチャンバー 14・・・アニロックスロール 14a・・・インキ16・・・凸版 18・・・版胴 20・・・ステージ 24・・・被印刷基板 25・・・液溜まり部 26・・・アルミニウム薄膜

Claims (5)

  1. 基板と、隔壁によって区画された第一電極が形成された前記基板上に、少なくとも有機発光層を含む有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一電極を区画する前記隔壁の前記第一電極上への乗り上げ部に、前記隔壁を欠切した液溜まり部が設けてあることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記液溜まり部の前記隔壁切欠き上面の前記第一電極面からの高さが、0.05μm〜0.2μmであることを特徴とする請求項1に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記液溜まり部の欠切端部が、前記第一電極の端部よりも発光層側(画素側)に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、少なくとも、
    (1)基板上に第一電極を形成しパターニングする工程と、
    (2)端部が前記第一電極の端部よりも発光層側(画素側)に位置して前記第一電極の画素面積よりも一回り小さいアルミニウム薄膜を前記第一電極上に形成する工程と、
    (3)前記アルミニウム薄膜端部を覆うように前記第一電極間に隔壁を形成する工程と、(4)前記アルミニウム薄膜をエッチング除去することにより前記隔壁を欠切した液溜まり部を形成する工程とを、
    含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記隔壁を形成する材料が感光性樹脂からなり、前記アルミニウム薄膜をエッチング除去するエッチング液が、前記感光性樹脂の現像液と同じであり、前記隔壁形成の現像工程で前記アルミニウム薄膜が同時にエッチング除去されることを特徴とする請求項4に記載する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017029889A1 (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 株式会社カネカ 有機elパネル、照明装置、並びに、有機elパネルの製造方法

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