JP4945986B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、情報表示端末などのディスプレイや面発光光源として幅広い用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)の製造方法に関するものである。
有機EL素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料からなる発光層が形成され、発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に分散または溶解させて塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりカラー化のために例えば赤、緑、青の3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法のなかでも、ガラスを基板とする有機EL素子やディスプレイでは、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法が適正である。実際にこれらの印刷法による試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1参照)、凸版印刷による方法(特許文献2参照)などが提唱されている。
しかし、印刷法はパターニングされた印刷版と被印刷基板との対応が一対一でなければ印刷できず、位置合わせも必要であるという問題があった。特に、被印刷基板上に画素に対応して格子状の隔壁が形成されている場合、縦横の位置合わせを行わなければならないため、印刷に時間がかかる、版の伸縮により位置がずれる、等の問題があった。
また、塗り分けを必要としない正孔輸送層等の電荷輸送層では、高分子塗布型の材料を用いて、スピンコート、突出コート、ディップコート等で全面塗布して形成するのが一般的であった。しかし、電荷輸送層を全面に形成した場合、画素電極からの電流のリークによると思われるクロストークが問題となることがわかってきた。
特開2001−93668公報 特開2001−155858公報
本発明は有機EL素子の製造に際し、少ない手間で精度良く有機発光層及び電荷輸送層を形成し、かつクロストークを抑えることを課題とする。
本課題を解決するためになされた第一の発明は、少なくとも、基体と、基体上に設けられた第一電極と、第一電極に対応して形成された隔壁と、隔壁に区画された領域内に形成された電荷輸送層および有機発光層と、第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記隔壁は第一直線に平行な第一隔壁と第二直線に平行な第二隔壁から形成された格子状であり、第一隔壁は第二隔壁より高さが大きく、第二隔壁に対応した画線部を有する印刷版を用いて電荷輸送層を印刷法により形成する工程と、第一隔壁に対応した画線部を有する印刷版を用いて有機発光層を印刷法により形成する工程とを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
第二の発明は、前記第一隔壁の高さが1μmより大きいことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
第三の発明は、前記電荷輸送層および有機発光層を形成する工程は印刷法は凸版を印刷版として用いた凸版印刷法であることを特徴とする請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
本発明によれば、一方向の位置合わせのみで精度のよい印刷が可能となり、歩留まり良く印刷体を製造することができる。
本発明によれば、電荷輸送層は高い第一隔壁を乗り越えて印刷されるので、隔壁上に電荷輸送材料が残りにくく、隣接する画素との陽極間短絡を防ぐことができる。そのため、クロストークを防ぐことができる。またパッシブマトリクス駆動型の場合は駆動電圧を低く抑えることができる。
有機発光材料は低い第二隔壁を乗り越えて印刷されるので、印刷版と被印刷基板との距離が近くなり、確実にインクの転移を行うことができる。また、有機発光層の上面に電極や封止材料を積層する場合も隔壁上で断線するなどの問題を防ぐことができる。また、多色化の際、他の色とは高い第一隔壁で隔てられているため、混色を防ぐことができる。
本発明の有機EL素子10は基板11と、基板上に設けられた隔壁13と、隔壁に区画された領域内に形成された有機発光媒体層14を具備し(図1(a))、前記隔壁は第一直線に平行な第一隔壁と第二直線に平行な第二隔壁から形成された格子状をしている。有機発光媒体層の下方には第一電極12が、上方には第二電極15が設けられ、有機発光媒体層を挟む構造となっている。第二電極上には有機発光媒体層を外部環境から保護するための封止体16が設けられる。前記有機発光媒体層は電荷輸送層14aと有機発光層14bを備え、電荷輸送層は第二隔壁に、有機発光層は第一隔壁に対応した画線部を有する印刷版を用いた印刷法により形成されている。
<基板>
基板11は本発明の有機EL素子の支持体となるものである(図1(a))。基板としては絶縁性を有し寸法安定性に優れた基板であれば如何なる基板も使用することができる。例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた透光性基材や、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、シート、板や、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させた非透光性基材などを用いることができる。光取出しをどちらの面から行うかに応じて基材の透光性を選択すればよい。これらの材料からなる基板は、有機EL素子内への水分の侵入を避けるために、無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。特に、有機発光媒体への水分の侵入を避けるために、基板における含水率およびガス透過係数を小さくすることが好ましい。
また、これら基板として、必要に応じて、薄膜トランジスタ(TFT)を形成した駆動用基板を用いても良い(図1(b))。
本発明の有機EL素子をアクティブ駆動型とする場合には、TFT120上に、平坦化層117が形成してあるとともに、平坦化層117上に有機EL素子の下部電極(第一電極12)が設けられており、かつ、TFTと下部電極とが平坦化層117に設けたコンタクトホール118を介して電気接続してあることが好ましい。このように構成することにより、TFTと、有機EL素子との間で、優れた電気絶縁性を得ることができる。
TFT120や、その上方に構成される有機EL素子は支持体111で支持される。支持体としては機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましく、具体的には先に基板として述べた材料を用いることができる。
支持体上に設ける薄膜トランジスタ120は、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
活性層112は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフエンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法;SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法;Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス);減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極114を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
ゲート絶縁膜113としては、通常、ゲート絶縁膜として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO;ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極114としては、通常、ゲート電極として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミ、銅等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ポリシリコン;高融点金属のシリサイド;ポリサイド;等が挙げられる。
薄膜トランジスタ120は、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
本発明の有機EL素子をアクティブ駆動型とする場合は薄膜トランジスタが有機EL素子のスイッチング素子として機能するように接続されている必要があり、トランジスタのドレイン電極116と有機EL素子の画素電極(第一電極12)が電気的に接続されている。さらにトップエミッション構造をとるための画素電極は一般に光を反射する金属が用いられる必要がある。
薄膜トランジスタ120とドレイン電極116と有機EL素子の画素電極12との接続は、平坦化膜117を貫通するコンタクトホール118内に形成された接続配線を介して行われる。
平坦化膜117の材料についてはSiO、スピンオンガラス、SiN(Si)、TaO(Ta)等の無機材料、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フォトレジスト材料、ブラックマトリックス材料等の有機材料等を用いることができる。これらの材料に合わせてスピンコーティング、CVD、蒸着法等を選択できる。必要に応じて、平坦化層として感光性樹脂を用いフォトリソグラフィーの手法により、あるいは一旦全面に平坦化層を形成後、下層の薄膜トランジスタ120に対応した位置にドライエッチング、ウェットエッチング等でコンタクトホール118を形成する。コンタクトホールはその後導電性材料で埋めて平坦化層上層に形成される画素電極との導通を図る。平坦化層の厚みは下層のTFT、コンデンサ、配線等を覆うことができればよく、厚みは数μm、例えば3μm程度あればよい。アクティブマトリクス駆動型有機EL素子用の基板11として用いることのできる基板の一例の断面図を図1(b)に示す。
<第一電極>
基板11の上に第一電極12を成膜し、必要に応じてパターニングをおこなう(図1(a))。通常、有機EL素子がパッシブ駆動型の場合はストライプ状に、アクティブ駆動型の場合は各画素毎に独立して形成する。本発明では第一電極は第一隔壁及び第二隔壁によって区画され、各画素に対応した画素電極となる。第一電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。第一電極を陽極とする場合にはITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、第一電極の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。第一電極の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。第一電極のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。基板としてTFTを形成した物を用いる場合は下層の画素に対応して導通を図ることができるように形成する。
<隔壁>
本発明の隔壁13は画素に対応した発光領域を区画するように形成する。第一電極の端部は凹凸が大きく、上方に形成された有機発光媒体層で覆いきれないとショートの原因となるため、第一電極の端部を覆うように形成するのが好ましい(図1(a)、(b))。隔壁は第一直線に平行な第一隔壁24、33と、第二直線に平行な第二隔壁23、32から構成され、それぞれが交わることで格子形状となっている(図2、図3)。第一直線及び第二直線は印刷版及び被印刷基板の移動方向と、それぞれのパターンに対応して便宜上定めた架空の直線であり、通常は直交する。
本発明では電荷輸送層の印刷に用いる印刷版の画線部は第二隔壁に対応し、第一隔壁を乗り越えて、また有機発光層の印刷に用いる印刷版の画線部は第一隔壁に対応して形成され、第二隔壁を乗り越えて印刷がなされる。第二隔壁は第一隔壁よりも印刷に影響を与えない構成とするのがよく、具体的には、第二隔壁は第一隔壁よりも低いか、撥液性を付与しないものとすることができる。
格子状の隔壁の形成方法としては、従来と同様、基体上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与することもできる。この方法は第一隔壁と第二隔壁の高さが同じ場合に適用できる。
第一隔壁よりも第二隔壁が低い隔壁の形成方法としては、例えば基体上にSiOなどの無機膜をCVD法で例えば0.5μm積層した後に、ドライエッチング法を用いて発光領域に対応して開口部を形成し、第二隔壁及び第一隔壁下部となる格子状の無機隔壁を形成し、次に、スリットコート法により感光性樹脂を例えば0.8μm積層し、露光・現像工程を経て第一隔壁下部の上方にストライプ状の第一隔壁上部を形成し、これを第一隔壁下部と合わせて第一隔壁とする方法がある。感光性樹脂に撥液性を付与してもよい。
また、第二隔壁及び第一隔壁下部となる格子状の有機隔壁を感光性樹脂を用いてフォトリソ法にて形成し、再度同じ工程を繰り返して第一隔壁上部を形成してもよい。
第二隔壁が第一隔壁よりも低い場合は、第一隔壁の高さの下限は1μmより高く、より好ましくは3μ以上、最も好ましくは5μm以上であれば、第一隔壁の上に乗ったインキパターンを良好に分離することができる。上方に形成する陰極や、封止層を考慮すると、隔壁の高さの上限は15μm以下、より好ましくは10μm以下である。第二隔壁の高さは0.5μm〜2μm、第一隔壁と第二隔壁の幅は3μm〜50μm程度の範囲が好ましい。第一隔壁に対して第二隔壁の幅を狭くすることで、同様の効果を得ることができるが、隔壁の幅が大きくなりすぎると開口部が狭くなるため、第二隔壁を順テーパーにしたり角を落として丸めるなどをして、第一隔壁が発光領域に侵出することなく、隔壁上部の幅が狭くなるようにすることもできる。
隔壁の形状としては図示した直線状の他に、開口部にインクが回りやすくするために第一隔壁と第二隔壁の交点を発光領域側に丸めることもできる。また、第二隔壁の一部を細くしたり、低くしたりすることもできる。
<有機発光媒体層>
次に、有機発光媒体層14を形成する(図1(a))。本発明における有機発光媒体層14としては、発光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。多層膜で形成する場合の構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成、さらには、必要に応じて正孔(電子)注入機能と正孔(電子)輸送機能を分けたり、正孔(電子)の輸送をプロックする層などを挿入することにより、さらに多層形成することがより好ましい。なお、本発明中の有機発光層とは有機発光材料を含む層を指し、電荷輸送層とは正孔輸送層等それ以外の発光効率を上げるために形成されている層を指す。
正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
有機発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子材料や、これら高分子材料に前記低分子材料の分散または共重合した材料や、その他既存の高分子・低分子発光材料を用いることができる。
電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。形成には真空蒸着等を用いることができる。
有機発光媒体層14の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。特に、有機EL素子の正孔輸送材料は、基体や第一電極の表面突起を覆う効果が大きく、50〜100nm程度厚い膜を成膜することがより好ましい。
有機発光媒体層14の形成方法としては、各層を構成する材料に応じて、真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法やインクジェット法などを用いることができる。有機発光媒体層を構成する材料を溶液化する際には、形成方法に応じて、溶剤の蒸気圧、固形分比、粘度などを制御することが好ましい。溶剤としては、水、キシレン、アニソール、シクロヘキサノン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、トルエン、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの単独溶媒でも、混合溶媒でも良い。また、塗工性向上のために、必要に応じて界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適量混合することがより好ましい。塗布液の乾燥方法としては、発光特性に支障のない程度に溶剤を取り除ければ良く、加熱しても、減圧しても、加熱減圧しても良い。
本発明では有機発光媒体層14を構成する電荷輸送層のうち少なくとも1層と有機発光層を印刷法によって形成する。電荷輸送層を本発明の方法で形成すると電流のリークを防ぐことができる。また、有機発光層を本発明の方法で形成するとカラー化に対応した色分けを好ましく行うことができる。さらに、有機発光媒体層を構成する層全てをいずれかの隔壁に対応した印刷版を用いた印刷法で形成すれば製造工程を大きく簡略化できる。
<電荷輸送層および有機発光層の形成>
本発明の有機EL素子が具備する電荷輸送層及び有機発光層(すなわち有機発光媒体層の一部または全部)は印刷法によって形成される。本発明で用いることのできる印刷法としては、凸版印刷法、グラビア印刷法、平版(オフセット)印刷法等を挙げることができる。有機発光媒体層を形成する被印刷基板としての基体はガラスやプラスチックフィルムを使用することが多い。従って局所的な圧力に弱く、破損する恐れが高いため、被印刷基板に当たる面がゴムなどの樹脂で形成されているオフセット印刷法や凸版印刷法の中でも樹脂やゴムの版を用いるタイプを好ましく選択することができる。オフセット印刷法を用いる場合は、膜厚が均一に形成できることから凸版反転オフセット法が好ましい。
<凸版印刷法>
本発明で好ましく用いることができる印刷法である凸版印刷法について詳細に説明する。
有機発光媒体層の一部または全部の形成に用いることのできる凸版としては水現像タイプの樹脂凸版を用いることが好ましい。このような樹脂版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適正の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。印刷版の凸部(画線部)は数百μmの高さであり、しかも弾性を有し、被印刷基板の隔壁はせいぜい数μmであるから、第一隔壁及び第二隔壁を十分に乗り越えて印刷を行うことができる。
有機発光媒体層の一部または全部の形成に用いる印刷機は、被印刷基板として平板に印刷する方式の凸版印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷機が望ましい。図4に印刷機の概略図を示した。本製造装置は、インクタンク41とインクチャンバー42とアニロックスロール43と、樹脂凸版45を取り付けした版胴46を有している。インクタンク41には、溶剤で希釈された有機発光媒体インクが収容されており、インクチャンバー42にはインクタンク41より有機発光媒体インクが送り込まれるようになっている。アニロックスロール43は、インクチャンバー42のインク供給部及び版胴46に接して回転するようになっている。
アニロックスロール43の回転にともない、インクチャンバーから供給された有機発光媒体インク44は図示しないドクターブレードによってアニロックスロール表面に均一に保持されたあと、版胴に取り付けされた樹脂凸版の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板48は摺動可能な基板固定台(ステージ47)上に固定され、版のパターンと基板のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴の回転に合わせて樹脂凸版の凸部が基板に接しながらさらに移動し、基板の所定位置にパターニングしてインクを転移する。
<凸版反転オフセット印刷法>
本発明で好ましく用いることができる他の印刷法である凸版反転オフセット法について詳細に説明する。
図5に有機発光媒体層の一部または全部の形成に用いることができる凸版反転オフセット印刷装置の一例を模式的に示した。凸版反転オフセット印刷装置は積層材料の支持体であるブランケットと、ブランケットにインク状の積層材料を供給するインク供給機構(図示せず)と、支持体上の積層材料から不要部を除去するための凸刷版とを備える。また、被転写体(被印刷基板)は転写体の下方のステージ上に配置され、印刷の進行に応じて送り出される。
ブランケットはブランケット胴51とブランケット胴に巻きつけられ表面を構成するシリコーンブランケット52から構成されている。
図示しないインク供給手段からブランケット胴に設置したシリコーンブランケットの有効面にインク状の積層材料53を塗布、乾燥させ塗膜を形成する(図5(a))。
次いで、ブランケット胴51を回転させ、インクのネガパターン(非画線部)が形成された凸刷版54とシリコーンブランケット52を圧着させ、凸刷版を固定したステージをブランケット胴の回転に合わせ移動させる。このとき凸刷版の凸部54aに圧着した積層材料53bはブランケットから除去され凸刷版の凸部に転移し、ブランケット上には所望の積層材料のパターン53aが形成される(図5(b))。
次に、ブランケット胴51を回転させ、被印刷基板55とシリコーンブランケット52を圧着させ、被印刷基板を固定したステージをブランケット胴の回転に合わせて移動させる。このとき、シリコーンブランケット上にあるパターニング済みの積層材料53aは被印刷基板に印刷される(図5(c))。
<第二電極>
次に、第二電極15を形成する(図1(a))。第二電極を陰極とする場合には有機発光媒体層14への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。第二電極側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション構造とする場合には透光性を有する材料を選択することが好ましい。この場合、仕事関数が低いLi,Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、前記有機発光媒体層4に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
第二電極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。第二電極の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。また、第二電極を透光性電極層として利用する場合、CaやLiなどの金属材料を用いる場合の膜厚は0.1〜10nm程度が望ましい。
<封止体>
有機EL素子としては電極間に発光材料を挟み、電流を流すことで発光させることが可能であるが、有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため通常は外部と遮断するための封止体を設ける。
封止体16は例えば封止材16a上に樹脂層16bを設けて作成することができる(図1(a))。
封止材16aとしては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層16bの材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成方する法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接有機EL素子側に形成することもできる。
最後に、有機EL素子10と封止体16との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
封止体を用いて封止を行う前やその代わりに、例えばパッシベーション膜として、CVD法を用いて、窒化珪素膜を150nm成膜するなど、無機薄膜による封止を行うことができる。
図6、図7に基いて本発明の一実施例を具体的に説明する。
基板としてガラス板を支持体とし、300mm四方の大きさの基板に対角5インチのパネルを二面付けとし、1パネルの画素数を320×240とするTFT基板を用いた。この基板61の一方の辺を第一直線と定め、第一直線に直交する辺を第二直線と定める(図6(a))。図6及び図7において特に断りのない限り基板の向きは変わらないものとする。この上に第一電極62として下層のTFTに対応して第一電極を形成し、基体として用いた(図6(b))。なお、図では簡略化して第一電極は8列8行で示してある。
基体上にスリットコート法により感光性ポリイミド樹脂を1μm積層し、露光・現像工程を経て発光領域に対応して開口部を形成し、格子状の有機隔壁を形成した。この有機隔壁は先に形成した第一電極の端部を覆い第二直線に平行な第二隔壁632と、第一の直線に平行な721本のラインである第一隔壁下部631aから構成されている(図6(c))。なお、図では簡略化して9本のラインで示してある。
次に、同様にスリットコート法により感光性ポリイミド樹脂を4μm積層し、露光・現像工程を経て第一隔壁下部631aの上方にストライプ状の第一隔壁上部631bを形成した。これを第一隔壁下部と合わせて高さ5μmの第一隔壁631とした(図7(d))。第一隔壁、第二隔壁共に幅は50μmであった。
第一隔壁と第二隔壁に区画された領域である開口部64に、インク状の高分子正孔輸送材料を凸版印刷法によって配置し、乾燥して膜厚50nmの電荷輸送層65aを形成した(図7(e))。高分子正孔輸送材料としてはポリチオフェン誘導体(PEDOT/PSS)を用い、これを水に分散してインク状としたものを用い、ポリアミド系水現像型感光性樹脂を印刷版として用いた凸版印刷法により行った。
ここで用いた印刷版は第二隔壁に対応したライン状の凸部を画線部として具備しており、インキング後、第二隔壁との位置合わせを行って印刷した。第二隔壁に対応した画線部を形成した印刷版を印刷胴の曲線方向と第二隔壁(すなわち第二直線)方向が一致するようにセットした。また、被印刷基板である隔壁を備えた基体は、第二隔壁が印刷方向となるように凸版印刷機にセットした。
この際、凸版の画線部は第一隔壁を乗り越えて印刷を行うが、第一隔壁は十分高いため隔壁上のインキは自然に分かれ、連続することはなかった。また、第二隔壁を挟んで隣接する開口部とは、印刷版の画線部が予め分かれているので、やはりリークすることはなかった。
本発明の方法では第一直線方向の位置合わせは必要としないので、製造工程の短縮が図れると共に得られる有機EL素子の歩留まりが向上する。
次いで、電荷輸送層65a上に有機発光材料を凸版印刷法によって配置し、乾燥して膜厚80nmの有機発光層65bを形成し、電荷輸送層と合わせて有機発光媒体層65を完成させた(図7(f))。この形成には、有機発光材料として高分子発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようトルエンに溶解して調整したインクを用い、ポリアミド系水現像型感光性樹脂を印刷版として用いた凸版印刷法により行った。
図8は有機発光層を凸版印刷法によって印刷している様子を模式的に示した図である。
ここで用いた印刷版81である凸版は第一隔壁に対応したライン状の画線部81aである凸部を具備しており、インキング後、第一隔壁631との位置合わせを行って印刷した。第一隔壁に対応した画線部81aを形成した印刷版81を印刷胴82の曲線方向と第一隔壁(すなわち第一直線)方向が一致するようにセットした。また、被印刷基板である隔壁を備えた基体は、第一隔壁が印刷方向となるように凸版印刷機にセットした。図8(b)は図8(a)のA−A’ラインでの断面図であるとともに、図7(f)のB−B’ラインあるいはC−C’ラインでの断面図である。
この際、凸版の画線部81aは第二隔壁632を乗り越えて印刷を行うが、第二隔壁は第一隔壁631に比べて低いため印刷版81への影響が少なく、印刷版81と被印刷基板85との距離を近づけることができ、印刷版上にインクが残るのを抑えることができた。また、第二隔壁632によって画線部81a上のインキは自然にきれるようになっているので、隔壁上にインクが残ってしまうことはなかった。
本発明の方法では第二直線方向の位置合わせは必要としないので、製造工程の短縮が図れると共に得られる有機EL素子の歩留まりが向上する。
凸版印刷法を用いて形成された有機発光媒体層上に真空中での抵抗加熱蒸着法によりCaを5nm、Alを100nm積層して第二電極とした。
こうして形成した画素数76800のアクティブマトリクス駆動型有機発光EL素子をガラスキャップで封止し、第一電極を陽極として、第二電極を陰極として発光させ第一電極側から発光を観察したところ、電流リークによるクロストークは観察されなかった。
第一隔壁の高さを3μmとし、第二隔壁の高さを1μmとした以外は実施例1と同様に有機EL素子を製造した。
こうして形成したアクティブマトリクス駆動型有機発光EL素子をガラスキャップで封止し、第一電極を陽極として、第二電極を陰極として発光させ第一電極側から発光を観察したところ、電流リークによるクロストークは観察されなかった。
[比較例1]
実施例1と同様に第二隔壁及び第一隔壁下部までを形成した。その後、第一隔壁上部の形成を行わず、有機EL素子を製造した。得られた有機EL素子の具備する第一隔壁及び第二隔壁の高さはそれぞれ1μmである。
こうして形成したアクティブマトリクス駆動型有機発光EL素子をガラスキャップで封止し、第一電極を陽極として、第二電極を陰極として発光させ第一電極側から発光を観察したところ、全ての画素が発光したが、電流リークによるクロストークが観測された。
[比較例2]
正孔輸送層の印刷方向を有機発光層と同じく第一隔壁と平行に行ったほかは実施例1と同様に有機EL素子を製造した。
こうして形成したアクティブマトリクス駆動型有機発光EL素子をガラスキャップで封止し、第一電極を陽極として、第二電極を陰極として発光させ第一電極側から発光を観察したところ、全ての画素が発光したが、電流リークによるクロストークが観測された。
(a)本発明の有機EL素子の一実施例の断面図である。(b)本発明で用いることのできる基板の一例の断面図である。 本発明で用いることのできる基体の一例の斜視図である。 本発明で用いることのできる基体の他の例の上面図である。 本発明で用いることのできる印刷方法の一例を説明する模式図である。 本発明で用いることのできる印刷方法の他の例を説明する模式図である。 本発明の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明の製造方法の一実施形態を示す説明図である。
符号の説明
10:有機EL素子 11:基板 12:第一電極 13:隔壁 14:有機発光媒体層 15:第二電極 16:封止体 16a:封止材 16b:樹脂層
111:支持体 112:活性層 113:ゲート絶縁膜 114:ゲート電極 115:層間絶縁膜 116:ドレイン電極 117:平坦化層 118:コンタクトホール 119:データ線 120:薄膜トランジスタ
20、30:基体 21:基板 22、31:第一電極 23、32:第二隔壁 24、33:第一隔壁
41:インクタンク 42:インクチャンバー 43:アニロックスロール 44:インク 45:凸版 46:版胴 47:ステージ 48:被印刷基板
51:ブランケット胴 52:シリコーンブランケット 53:積層材料 53a:積層材料 53b:積層材料 53c:有機機能性薄膜 54:凸刷版 54a:凸部 55:被印刷基板
61:基板 62:第一電極 631:第一隔壁 631a:第一隔壁下部 631b:第一隔壁上部 632:第二隔壁 64:開口部 65:有機発光媒体層 65a:電荷輸送層 65b:有機発光層
81:印刷版(凸版) 81a:画線部(凸部) 81b:非画線部(凹部) 82:印刷胴 83:支持体 84:インク 85:被印刷基板

Claims (3)

  1. 少なくとも、基体と、基体上に設けられた第一電極と、第一電極に対応して形成された隔壁と、隔壁に区画された領域内に形成された電荷輸送層および有機発光層と、第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記隔壁は第一直線に平行な第一隔壁と第二直線に平行な第二隔壁から形成された格子状であり、第一隔壁は第二隔壁より高さが大きく、
    第二隔壁に対応した画線部を有する印刷版を用いて電荷輸送層を印刷法により形成する工程と、
    第一隔壁に対応した画線部を有する印刷版を用いて有機発光層を印刷法により形成する工程とを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記第一隔壁の高さが1μmより大きいことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記電荷輸送層および有機発光層を形成する工程は印刷法は凸版を印刷版として用いた凸版印刷法であることを特徴とする請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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