JP3867659B2 - 有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自発光型の薄型平面ディスプレイ用として好適な電界発光素子の製造方法に関し、より詳しくは、シリコンブランケット表面に発光層形成用塗布液を供給して塗布膜を形成し、これをパターニングした後、このパターニング膜を基板上に転写して電界発光素子を製造する場合の、シリコンブランケット表面に対する発光層形成塗布液の供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、軽量・薄型のフラットパネルディスプレイとして、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)が注目を集めている。このELDは、有機ELDと無機ELDとに分けられ、前者は発光材料として有機化合物を用いた有機電界発光素子からなり、応答速度が高く、視野角依存性がないフラットパネルディスプレイが実現できるものである。
【0003】
ところで、高分子有機EL材料を用いた有機ELディスプレイ(OLED)の製造方法として、スピン塗布方式によるものが多く採用されている。しかし、この方式では塗布効率が約10%と低く、しかも基板のコーナー部分の塗布膜厚が厚くなりすぎるという欠点がある。
【0004】
また、例えば赤色と緑色それぞれの有機発光層の形成を、液体を任意位置に任意量吐出するインクジェット方式により行うものが提案されている(特許文献1参照)。しかし、インクジェット方式による成膜方法は、基本的に微小な液滴、すなわち点の集合体を薄膜とするものであり、均一な層厚を得るのは難しい。また、成膜後のレベリングを期待して、揮発性の低い溶媒を採用した場合においても、レベリング材に対する高分子EL材料の溶解度の低さにより、レベリング性には限界がある。
【0005】
さらに、上記スピン塗布方式の問題点を解決することができる塗布方式として、ビードコーティング方式のものが提案されている(特許文献2参照)。この塗布方式によるEL素子の製造方法は、基体と該基体上に形成された第1電極と、該第1電極上に形成されたEL層と、該EL層上に形成された第2電極とからなるEL素子の製造方法であって、前記第1電極、前記EL層および前記第2電極の少なくとも1層を塗布によって形成する方法であり、この塗布方法が、水平方向に延びる帯状のスリットから吐出される塗布液に、前記基体を搬送しながら接触させることにより、前記基体の移動に伴って前記基体に塗布液を層状に付着させるものであることを特徴としている。
【0006】
しかしながら、このビードコーティング方式のものでは、均一な層厚が期待できるものの、基体に塗布液を全面塗布する方式であり、パターニングを行うには後工程が必要になるため、フルカラー高分子有機EL素子(フルカラー有機電界発光素子)の製造方法としてこのまま使用することはできない。また、高分子有機EL材料のエッチング液に対する耐性を考慮すると、後工程におけるRGB3色のパターニングも容易ではない。
【0007】
さらに、液晶カラーフィルタの形成や、その他の機能性樹脂の印刷を行うに当たって、高精細な平坦性の高い画像を得るための画像形成方法として、シリコンブランケット上に機能性樹脂の塗布面(塗布膜)を形成し、凹版または凸版を前記塗布面に押圧するとともに、圧着された部分の樹脂をシリコンブランケット上から除去し、残った樹脂を被印刷体上に転写することを特徴とするものが提案されている(特許文献3参照)。しかし、この製造方法は、上記のように液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造を念頭に置いたものにすぎず、また、高分子有機EL材料を例えば有機溶媒に溶解させた塗布液を、シリコンブランケット上に塗布するための手法としては不適である。
【0008】
特に、塗布部材として、断面形状が図14に示されるワイヤーバー91を用いた場合には、このワイヤーバーのメッシュに起因する塗工スジや、装置振動あるいはシリコンブランケット表面のうねりに起因する層厚の不均一は、液晶用カラーフィルタでは間題にならなくとも、高分子有機EL材料を用いた発光デバイスでは発光状態にムラを生じる不具合がある。上記塗工スジが発生しやすいのは、図14に示すように、塗布液を保持する表面の凹部(谷部)が急峻なためである。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−153967号公報
【特許文献2】
特開2001−6875号公報
【特許文献3】
特開2000−289320号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決した有機電界発光素子の製造方法、その中でも特に、高分子有機EL材料を含む塗布液(例えば、該EL材料を有機溶媒に溶解させた塗布液)を、均一層厚でシリコンブランケット上に塗布する手段を提供することにある。すなわち本発明は、有機電界発光素子を製造するに際し、凸版反転オフセット印刷方法に使用するシリコンブランケット上に、高分子有機EL材料を含む塗布液を均一層厚で塗布することできる塗布方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、回転するシリコンブランケットの表面に、その下方から塗布液を供給し、該塗布液をその表面張力によりシリコンブランケット上に層状に付着させるものである。高分子有機EL材料を用いる発光素子に適した、極薄かつ均一の層厚を得るためには、塗布液がシリコンブランケット表面に接触して形成される接液部(塗布液の膜)の厚みを薄くするとともに、この厚みの変動を最小限に抑えることが重要である。このため本発明では、塗布液を保持・運搬する部材、つまり塗布液供給用ヘッドとして、グラビアロールまたはスリットを用いる。
【0012】
本発明では特に、塗布液供給用ヘッドの塗布液供給面とシリコンブランケット面との間隙について、画像形成が不必要な部分に対応する部分を画像形成部分に比べて拡大した形状のヘッドを用い、上記接液部の液幅ムラを上記画像形成が不必要な部分に対応する部分で吸収して、膜厚が均一かつ極薄の塗布膜をシリコンブランケット上に形成することにより、発光ムラのない高分子有機EL表示素子を提供するものである。
【0013】
すなわち本発明は、第1の電極と第2の電極との間に、画素ごとにパターンニングされた発光領域を有する層が形成された有機電界発光素子の製造方法であって、前記発光領域を有する層のうち少なくとも1層を、少なくとも前記画素の有効部分の長さに渡ってグラビアパターンの形成されたメッシュ部と、該メッシュ部の両端に位置するテーパ部とを有するグラビアロールを介して、シリコンブランケット表面にその下方から前記層の構成材料を含む塗布液を供給・塗布することで塗布膜を形成し、次いで該塗布膜に凸版を押圧し、該押圧部分の前記塗布膜をシリコンブランケットから前記凸版に転写除去し、次いでシリコンブランケット表面に残った前記塗布膜からなるパターンを前記層の被形成面に転写することによって形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法である(請求項1)。
【0014】
この有機電界発光素子の製造方法では、両端部にテーパをつけたグラビアロールを、前記テーパ部分がシリコンブランケットの有効画素部分の両側にある画素形成不要部分に対応する位置に設け、塗布液を前記シリコンブランケット表面にその下方から供給・塗布することが好ましい。
【0015】
また本発明は、第1の電極と第2の電極との間に、画素ごとにパターンニングされた発光領域を有する層が形成された有機電界発光素子の製造方法であって、前記発光領域を有する層のうち少なくとも1層を、シリコンブランケット回転軸に対して平行に備えられるとともに、シリコンブランケット表面に対向する面が、少なくとも前記画素の有効部分の長さに渡る平坦部と、該平坦部の両端に位置し前記シリコンブランケット回転軸の中央部側から端部側に向かって下り勾配を有する勾配部とを有するスリットを介して、シリコンブランケット表面にその下方から前記層の構成材料を含む塗布液を供給・塗布することで塗布膜を形成し、次いで該塗布膜に凸版を押圧し、該押圧部分の前記塗布膜をシリコンブランケットから前記凸版に転写除去し、次いでシリコンブランケット表面に残った前記塗布膜からなるパターンを前記層の被形成面に転写することによって形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法である(請求項)。
【0016】
この有機電界発光素子の製造方法では前記スリットを、2枚の平板を相互に離間・対向させ、これら平板の左右両端部間の隙間を全面的に閉鎖して構成するとともに、シリコンブランケットの有効画素形成部分に対応するスリット部分では、シリコンブランケット表面と前記2枚の平板の上端面との間隔を均一とし、かつ、シリコンブランケットの前記有効画素形成部分の両側にある画素形成不要部分に対応するスリット部分では、前記2枚の平板の上端面を、シリコンブランケット回転軸の中央部側から端部側に向かって下り勾配の傾斜面とし、塗布液を前記スリットを介して前記シリコンブランケット表面にその下方から供給・塗布することが好ましい。
【0017】
また、この有機電界発光素子の製造方法では、前記スリットが、2枚の平板を相互に離間・対向させ、これら平板の左右両端部間の隙間のうち上半部を開放するとともに、下半部を閉鎖して構成され、塗布液を前記スリットを介して前記シリコンブランケット表面にその下方から供給・塗布することが好ましい。
【0018】
本発明に係る有機電界発光素子の製造方法によれば、上記「発光領域を有する層」として、例えば以下のものが挙げられ、これらのうち少なくとも一層が上記方法で形成される。
(a)ホール輸送層および発光層(2層型有機電界発光素子)
(b)ホール輸送層、発光層および電子輸送層(3層型有機電界発光素子)
(b)ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層(5層型有機電界発光素子)
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
第1の実施の形態
図1は有機電界発光素子の製造方法に使用する、グラビアロールを備えた湿式塗布装置の正面断面図である。図2(a)は図1の湿式塗布装置の要部構造を示す正面図、図2(b)はその右側面図である。図3は図1の湿式塗布装置を構成するグラビアロールの一部を示す概略縦断面図である。図4は全体が均一直径の円筒状グラビアロールを備えた湿式塗布装置によりシリコンブランケット表面に塗布形成された、有効画素部分の塗布膜の層厚ムラを模式的に示す説明図である。図5は図1の塗布装置によりシリコンブランケット表面に塗布形成された、有効画素部分の塗布状態を示す説明図である。
【0020】
図6は本実施の形態(または、後記する第2の実施の形態)に係る製造方法で得られる有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。図7は図6の有機電界発光素子に係るもので、(a)は画素電極部分のパターンの一例を示す平面図、(b)はそのA−A線断面図である。図8は図6に示す有機電界発光素子の製造工程に係るもので、ガラス基板上に陽極と、その上にホール輸送層とを積層形成する工程を示す断面図である。図9は図6に示す有機電界発光素子の製造工程に係るもので、図8(c)のガラス基板のホール輸送層上に、電子輸送性発光層を所定のパターンで形成する工程(凸版反転オフセット印刷工程)を示す断面図である。
【0021】
本発明では、高分子有機EL材料の塗布液をシリコンブランケット表面に塗布するための部材(塗布液汲み上げ部材)として例えば、縦断面形状が図3に示されるような、表面に凹凸形状(メッシュつまりグラビアパターン)が形成されたグラビアロール2を用いる。このグラビアロールでは、上記凹凸形状が上記ワイヤーバー91のそれに比べて充分に緩やかであるため、このワイヤーバーを使用した場合と比較して、塗布膜の層厚均質性が向上する。
【0022】
ただし、図3に示すようなグラビアロール2であっても、ロール全体の直径が均等な円筒状のものでは、該ロール表面とシリコンブランケット表面との間に保持される塗布液(接液部)に層厚、層幅等の時間的変動が発生する結果、図4に示すように、シリコンブランケット上の塗布膜が縞模様となることがあった。この縞模様では、膜厚の厚い塗布膜部分と膜厚の薄い塗布膜部分とが、交互に帯状に形成されている。
【0023】
これに対し、図2(b)に示す、両端部にテーパをつけたグラビアロール2によれば、塗布膜の層厚均質性が顕著に向上するうえ、極薄の塗布膜であっても容易に均質層厚に形成することができることが、実験により確認された。以上のように、有機電界発光素子の製造用には、ワイヤーバーよりも円筒状のグラビアロールが好ましく、その中でも図2(b)に示すテーパつきグラビアロール2が、特に好適である。
【0024】
このグラビアロール2では、両端部に長手方向外側に向かって縮径するテーパがつけられ、シリコンブランケット1の有効画素形成部分に対応する部分である円筒部2aには、図3に示すように表面に滑らか且つ緩やかなグラビアパターンが形成されている。図2(b)において、符号2bおよび2cはテーパ部であって、シリコンブランケット1の画素形成にとって不要な部分に対応している。また、ロール全長はシリコンブランケット1の全長と等しいか、またはこれより僅かに短く設定されている。
【0025】
本実施の形態に係る有機電界発光素子の製造方法は、例えば図6に示す、いわゆる2層型有機ELDを製造するためのものである。すなわち、図8(c)に示す透明ガラス基板51において、ホール輸送層53上に電子輸送性発光層54を形成するに際し、図1および図2に示すようにシリコンブランケット1の表面に、上記発光層の構成材料を含む塗布液3(上記構成材料の溶液または分散液)からなる塗布膜を、グラビアロール2(例えば、ステンレス製)によって形成する。この場合、グラビアロールの下半部を塗布液3に浸漬し、シリコンブランケット1とグラビアロール2を、カウンタ方向に回転させる(リバースロール方式)ことにより上記塗布液3を、グラビアロール2を介してシリコンブランケット1の表面にその下方から供給・塗布する。
【0026】
ついで、シリコンブランケット1を回転させながら、上記塗布膜を所定のパターンを形成した凸版に押圧することで、この圧着部分の塗布膜をシリコンブランケットから上記凸版に転写除去する。ついで、このシリコンブランケット1を上記ホール輸送層53上で接触転動させることにより、シリコンブランケット表面に残った塗布膜からなるパターンを、ホール輸送層53上に転写する。
【0027】
上記シリコンブランケット1は、円筒体表面に塗布液剥離性に富むシリコーン樹脂膜1aを形成するとともに、この円筒体を水平回転軸を中心に回転自在に設けたものである。したがって、このシリコンブランケット1の表面はシリコーン樹脂で形成されている。また、この有機電界発光素子の製造方法では、グラビアロール2として図2(b)に示すような、両端部にテーパをつけたものを、このテーパ部がシリコンブランケットの有効画素形成部分(メッシュ部:グラビアパターン形成部)の両側にある画素形成不要部分の直下に位置するように設ける。こうすることで、上記有効画素形成部分とグラビアロール2表面との間に保持される塗布液(接液部)3aの層幅(図2(b)において上下方向の寸法)を、シリコンブランケットの回転軸方向に均一に維持しながら、シリコンブランケット表面にその下方から塗布液を供給・塗布する。その結果、図5に示すように接液部3aの層幅ムラが、画像形成が不必要な部分に対応する部分で吸収され、シリコンブランケット表面上の塗布膜では、有効画素部分の層厚が均一かつ極薄に形成される。
【0028】
ここで、図6に示す有機電界発光素子の構造について説明する。この有機電界発光素子70では、ITO透明画素電極(陽極)52を設けた透明ガラス基板51上にホール輸送層53を形成し、この上に、電子輸送層を兼ねた電子輸送性発光層54を形成する。さらに、この電子輸送性発光層54上に、電子の注入性を高めるためのカルシウム(Ca)層とアルミニウム(Al)層とからなる陰極55を設ける。図において符号56は直流電源である。
【0029】
上記ITO透明画素電極52は、図7(a)に示すように画素部61を構成する島状の独立したパターンに形成しても良いし、図7(b)のようにパターン間を絶縁物62で絶縁分離しても良い。さらに、この画素電極をストライプ状に形成することもできる。
【0030】
つぎに、上記有機電界発光素子70の製造工程の一例について、図8および図9をもとに更に具体的に説明する。
(1)第1の工程
透明ガラス基板51上にITO透明画素電極52を、真空蒸着およびパターニングで形成する〔図8(a)〕。
(2)第2の工程
上記ITO電極52上に、ホール輸送層形成用材料を含む液(例えば、PEDOTの水溶液)をマイクロシリンジで滴下し〔図8(b)〕、透明ガラス基板51を高速回転させることにより、ITO電極52をこの塗布液で被覆する(スピンコート)。なお、PEDOTについては後記する。
(3)第3の工程
上記塗布液を焼成してホール輸送層53を形成する〔図8(c)〕。
【0031】
ついで、以下の第4の工程〜第6の工程(凸版反転オフセット印刷工程)により、上記ホール輸送層53上に電子輸送性発光層54を形成し、その後の第7の工程および第8の工程により、有機電界発光素子70を完成させる。
(4)第4の工程(コーティング)
図1、図2に示す湿式塗布装置を用いて、図9(a)に示すように、シリコンブランケット1表面に、電子輸送性発光層形成用の材料を含む塗布液、例えば、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(以下、MEH−PPVと略す。)の有機溶媒溶液を、所定層厚に塗布して塗布膜3bを形成する。
【0032】
(5)第5の工程(パターニング)
図9(b)に示すように、シリコンブランケット1をガラス凸版(ガラスマスク)31上で接触転動させることにより、その凸部先端に接する塗布膜3bをシリコンブランケット表面から転写除去する。これによりシリコンブランケット上に、所要の塗布膜パターン3d(有効画素部分)を残す。図9(b)において符号3cは不要な塗布液である。上記凸版31の凸部は、形成するべき電子輸送性発光層とは逆のパターンに予め加工されている。また、シリコンブランケット表面が液膜剥離性に富むシリコーン樹脂からなるため、上記転写除去工程は容易かつ高精度に行うことができる。
【0033】
(6)第6の工程(オフセット)
図9(c)に示すように、上記第5の工程後のシリコンブランケットを、上記ホール輸送層形成後のガラス基板上で接触転動させることにより、シリコンブランケット上に残った塗布膜パターン3dを、ホール輸送層53上に転写する。その後、この転写パターンを焼成・乾燥する。以上の工程により、電子輸送性発光層54が形成される。この電子輸送性発光層54は、単色パターンとしては勿論、上記凸版反転オフセット印刷法を順次行うことによって、フルカラー用のパターン(赤色用、緑色用または青色用)として形成することもできる。
【0034】
(7)第7の工程
真空蒸着およびパターニングにより、電子輸送性発光層54上にカルシウム層と、この上に主電極としてのアルミニウム層をそれぞれ所定層厚で形成し、このアルミニウム層上に保護およびボンディング性向上のためのAu−Ge層(いずれも図略)を所定層厚で形成し、陰極55とする。
【0035】
(8)第8の工程
上記Au−Ge層上に対向基板(図略)を被せ、さらに側部をエポキシ樹脂等によって封止することで、有機電界発光素子70が完成する。
【0036】
第2の実施の形態
図10は有機電界発光素子の製造方法(凸版反転オフセット印刷方法)に使用する湿式塗布装置に係るもので、(a)は有機電界発光素子の製造方法に使用する湿式塗布装置を示す正面図、(b)はその要部構造を示す右側面図、(c)はこの湿式塗布装置を構成するスリットの斜視図である。図11はスリットの別例を示す斜視図である。
【0037】
本実施の形態に係る有機電界発光素子の製造方法は、上記第1の実施の形態と同じく、例えば図6に示す2層型有機EL素子を製造するためのものである。すなわち、図8(c)に示すガラス基板51において、ホール輸送層53上に電子輸送性発光層54を形成するに際し、シリコンブランケット1の表面に、上記発光層の構成材料を含む塗布液(溶液または分散液)からなる塗布膜を、図10(a)〜(c)に示すような、シリコンブランケット回転軸と平行に備えられた、塗布部材(塗布液汲み上げ部材)としてのスリット11を介して、シリコンブランケット1表面にその下方から供給・塗布する。それ以外の工程は、上記第1の実施の形態と同じである。
【0038】
上記スリット11は、2枚のステンレス製またはガラス製の平板12,13を互いに平行に、かつ相互間に適宜間隔をあけて対向させ、これら平板の左右両端部間の隙間を、上記平板と同一材料からなる平板14で全面的に閉鎖して構成するとともに、シリコンブランケット1の有効画素形成部分に対応するスリット部分では、シリコンブランケット表面と上記2枚の平板12,13の上端面との間隔を均一とする。また、シリコンブランケットの有効画素形成部分の両側にある画素形成不要部分に対応するスリット部分では、平板12,13の上端面を、シリコンブランケット回転軸の中央部側から端部側に向かって下り勾配の傾斜面とする。図10(b),(c)において、符号11aは平坦部(平板12,13の上端面が平坦になっている)であり、符号11b,11cは、上記傾斜面による勾配部であり、これらの勾配部は図2のグラビアロールにおけるテーパ部2b,2cに対応している。
【0039】
このようなスリット11を設けることで、シリコンブランケット1の有効画素形成部分に対応する部分と、平板12,13の上端面との間に保持される塗布液(接液部)3aの層幅を、シリコンブランケットの回転軸方向に均一に維持しながら、このスリット11を介してシリコンブランケット表面にその下方から供給・塗布する。この製造方法によれば、第1の実施の形態による場合と同じく、図10(b)の接液部3aの層幅ムラが、画像形成が不必要な部分に対応する部分で吸収される結果、シリコンブランケット表面上の塗布膜は、図5に示すように、有効画素部分の層厚が均一に、かつ極薄に形成される。
【0040】
一方、図11に示すスリット21は、2枚の平板22,23を相互に平行に離間・対向させ、これら平板の左右両端部間の隙間のうち上半部を開放(開放部21a)するとともに、下半部を平板24で閉鎖したものである。この場合、シリコンブランケットの有効画素形成部分に対応する部分と、上記平板22,23の上端面との間に保持される塗布液(接液部)の層幅を、シリコンブランケットの回転軸方向に均一に維持しながら、上記スリット21を介してシリコンブランケット表面にその下方から供給・塗布する。このスリット21では、開放部21aがスリット11の勾配部11b,11cに対応しており、上記スリット11の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0041】
上記第1、第2の実施の形態に係る製造方法は、図12に示すような上面発光型の有機電界発光素子80を製造するのにも好適である。この上面発光型有機EL素子は、基板81上に下層から第1電極82、有機層83、第2電極84の順に積層し、この第2電極84上に透明誘電体からなるパッシベーション膜(図略)を積層し、さらにこのパッシベーション膜をエポキシ樹脂とガラスにより封止する(図略)ことで、完全固体構造の有機電界発光素子となっている。基板81は例えば透明ガラス基板や半導体基板等で構成され、またフレキシブルなものであっても良い。第1電極82は反射層を兼ねた陰極として用いられるもので、例えばクロム(Cr)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)等の光反射材料で構成されている。また、この第1電極82は、膜厚が100nm〜300nmに設定されていることが望ましい。
【0042】
有機層83は、ホール輸送層(正孔輸送層)83aをスピンコートし、例えば120℃×1時間減圧乾燥した後に、電子輸送層を兼ねた発光層83bを塗布・乾燥することで形成する。この発光層83bの形成では、図9に示す凸版反転オフセット法により、R,G,Bの順に印刷するが、それぞれの印刷工程後に、例えば120℃×1時間減圧乾燥する。ホール輸送層83aは、上記したPEDOTで構成される。また、上記発光層83b用の塗布液としては、高分子有機EL材料の有機溶媒溶液が使用される。
【0043】
また、上記高分子有機EL材料としては、R,G,Bに対応して、それぞれ以下のものが使用される。
・Red用:poly[{9,9-dihexyl-2,7-bis(1-cyanovinylene)fluorenylen}-alt-co-{2,5-bis(N,N ’-diphenylamino)-1,4-phenylene }]
・Green用:poly[{9,9-dioctylfluorenyl-2,7-diyl }-co-(1,4-diphenylene-vinylene-2-methoxy-5-{2-ethylhexyloxy}-benzene) ]
・Blue用:poly[{9,9-dioctylfluorenyl-2,7-dityl }-co-{1,4-(2,5-dimethoxy)benzene)}]
【0044】
上記ホール輸送層83aおよび発光層83bは、層厚(膜厚)15nm〜100nmの範囲に設定することが望ましい。ただし、有機層83および、これを構成する各層の層厚は、その光学的層厚による。例えば、PEDOT20nmに対して、Red75nm、Green65nm、Blue45nmで構成される。
【0045】
また、上記有機電界発光素子80では、第2電極84は蒸着によるCa層84aと、共蒸着によるMg−Ag層84bと、ITO層84cとからなる。すなわちこの第2電極84は、Ca蒸着層/Mg−Ag共蒸着層/ITO層という層構成になっている。Ca層84aとMg−Ag層84bを合わせた層厚は5nm〜50nmの範囲内に設定され、Ca層84aは3〜30nmの層厚に設定される。また、ITO層84cの層厚は、30nm〜1000nmの範囲内に設定することが好ましい。なお、ITO層84cに替えて、インジウムと亜鉛酸化物との混合物など、一般的に透明電極として用いられている材料からなる層を形成することもできる。さらに第2電極84上には、透明誘電体からなるパッシベーション膜(図略)が積層されている。この透明誘電体としては第2電極84と同程度の屈折率を有するもの、例えば酸化シリコン(SiO2 )、窒化シリコン(SiN)等を用いることができ、層厚は例えば500nm〜1000nmの範囲内に設定される。
【0046】
本発明の製造方法が対象とする有機電界発光素子には、図6に示す下面発光型の有機電界発光素子や、図12に示す上面発光型の有機電界発光素子のいずれも含まれる。また、発光領域層は図6の2層型のみならず、いわゆる3層型や5層型のものも含まれる。3層型有機電界発光素子は、ガラス基板上にITO陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および金属陰極を、この順に積層した構造を有する。また、5層型有機電界発光素子は、ガラス基板上にITO陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層および金属陰極をこの順に積層した構造を有するものである。
【0047】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を示す。
実施例1
<有機電界発光素子の作製>
本実施例では、積層構造が図6および図13に示される、下面発光型の高分子有機電界発光素子を作製した。ただし、図13は電子輸送性発光層の形成用の電子輸送性ポリマーとしてPPVを使用した場合を示しており、本実施例では、後記するように、これに替えてMEH−PPVを使用したEL発光素子および、CN−PPVを用いたEL発光素子を作製した。なお、図13中、膜厚2μmのポリイミド膜は、絶縁膜である。
【0048】
まず、一辺の長さが30mmの正方形ガラス基板上に第1の電極としてのITO透明画素電極を膜厚250nmでパターン形成した。ついで、ガラス基板全面にホール輸送層形成用のPEDOT水溶液を、スピンコートで層厚60nmに成膜して上記ITO電極を被覆した。この塗布膜を窒素ガス雰囲気下で120℃×1時間の条件で焼成してホール輸送層を形成した(以上については、図8を参照)。PEDOT〔ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン〕は、構造式が下記[化1]で示されるホール輸送性の有機高分子化合物である。
【0049】
【化1】
Figure 0003867659
【0050】
つぎに図1、図2に示す湿式塗布装置を使用し、図9に示す凸版反転オフセット印刷方法により電子輸送性発光層を形成した。図2に示すグラビアロールはステンレス製で、両端部に長手方向外側に向かって縮径するテーパがつけられ、シリコンブランケットの有効画素形成部分に対応する部分(円筒部)には、図に示すように表面に滑らか且つ緩やかなグラビアパターンが形成されている。このグラビアロールでは、図2(b)において全長(La+2Lb)を80.0mm、円筒部2aの長さLaを60.0mm、テーパ部2b,2cの長さLbを10.0mm、円筒部2aの直径Dを12.0mm、ロール端部の直径dを11.6mmとした。また、図3において谷の深さを10μm、谷のピッチを10μmとした。なお、ロール全長はシリコンブランケットの全長と等しくした。
【0051】
このようにして上記湿式塗布装置では、塗布膜の層厚ムラを抑えるために、接液部の長さがグラビアロールの全長を越えないように制御するとともに、シリコンブランケットの表面速度を3.0mm/sec、グラビアロールの表面速度を2.0mm/secに制御した。
【0052】
上記電子輸送性発光層の形成工程では、大気下で下記(A),(B)または(C)に示す電子輸送性ポリマーの有機溶剤溶液1,2または3を所定のパターンで塗布した後、この塗布膜を窒素雰囲気下で70℃×2時間の条件で焼成した。焼成後の層厚は80±3nmであった。
【0053】
上記電子輸送性ポリマーの有機溶剤溶液1〜3の成分・組成は以下のとおりである。
(A)有機溶剤溶液1
・構造式が下記[化2]でされるMEH−PPV 1.5重量部
・メシチレン 39.0重量部
・テトラリン 60.0重量部
(B)有機溶剤溶液2
・構造式が下記[化3]でされるPPV 1.5重量部
・メシチレン 49.0重量部
・テトラリン 50.0重量部
(C)有機溶剤溶液3
・構造式が下記[化4]でされるCN−PPV 1.5重量部
・メシチレン 44.0重量部
・テトラリン 55.0重量部
【0054】
【化2】
Figure 0003867659
【0055】
【化3】
Figure 0003867659
【0056】
【化4】
Figure 0003867659
【0057】
なお、MEH−PPVは発光色がオレンジ色で蛍光波長が500nm、PPVは発光色が緑色で蛍光波長が525nm、CN−PPVは発光色が青色で蛍光波長が430nmである。
【0058】
つぎに、上記電子輸送性発光層上に、真空蒸着によりカルシウム層を30nm厚、アルミニウム層(主電極)を200nm厚に順次成膜した後、パターニングした。さらに、このアルミニウム層上に、保護およびボンディング性向上のためのAu−Ge層を形成して第2の電極を形成した。
【0059】
<有機電界発光素子の発光特性評価>
このようにして作製された3種類の有機電界発光素子について、発光効率および発光強度を測定した。結果は以下のとおりで、本発明に係る湿式塗布装置を使用する凸版反転オフセット印刷方法によれば、従来のスピンコート法で電子輸送性発光層を形成した有機電界発光素子と同等に優れた発光特性を有することが確認された。
(a)オレンジ色発光の有機電界発光素子(MEH−PPVを使用)
発光効率2.2cd/A; 発光強度1200cd/m2
(b)緑色発光の有機電界発光素子(PPVを使用)
発光効率2.4cd/A; 発光強度1500cd/m2
(c)青色発光の有機電界発光素子(CN−PPVを使用)
発光効率1.4cd/A; 発光強度1000cd/m2
【0060】
実施例2
<有機電界発光素子の作製>
電子輸送性発光層形成用の湿式塗布装置として図10に示すものを用いた以外は実施例1と同一の装置・方法・条件で、オレンジ色発光の有機電界発光素子、緑色発光の有機電界発光素子および青色発光の有機電界発光素子を作製した。これらの場合、図10(b)において、スリットの全長(L1 +2L2 )を80.0mm、平坦部11aの長さL1 を60.0mm、勾配部11b,11cの長さL2 を10.0mm、その勾配(h/L2 )を1/50 とした。また、スリット間隔(平板12,13間の対向間隔)を200μmに設定し、スリットの全長はシリコンブランケットの全長と等しくした。このようにして、実施例1と同じく接液部の長さがスリットの全長を越えないように制御するとともに、シリコンブランケットの表面速度を3.0mm/secに制御した。得られた有機電界発光素子は、実施例1と同様の発光効率および発光強度特性を有するものであった。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る有機電界発光素子の製造方法では、シリコンブランケットと所定のグラビアロールまたはスリットとを備えた湿式塗布装置を使用し、高分子有機EL材料を含む塗布液を、これらグラビアロールまたはスリットを介してシリコンブランケット表面に、極薄かつ均一の層厚で塗布した後、凸版反転オフセット印刷工程により、発光領域を有する層を形成して有機電界発光素子を製造するようにしたので、スピンコート法で発光層を形成した従来の有機電界発光素子と同等に優れた発光効率および発光強度特性を有する有機電界発光素子を、安定して製造することができる。
【0062】
た、上記グラビアロールまたはスリットとして特異構造のものを所定の態様で配備してなる湿式塗布装置を使用したことにより、シリコンブランケット表面に、層厚の均一性が更に高い塗布膜を形成することができ、極めて優れた特性を有する有機電界発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るもので、有機電界発光素子の製造方法に使用する、グラビアロールを備えた湿式塗布装置の正面断面図である。
【図2】(a)は図1の湿式塗布装置の要部構造を示す正面図、(b)はその右側面図である。
【図3】図1の湿式塗布装置を構成するグラビアロールの一部を示す概略縦断面図である。
【図4】全体が均一直径の円筒状グラビアロールを備えた湿式塗布装置によりシリコンブランケット表面に塗布形成された有効画素部分の塗布膜の、層厚ムラを模式的に示す説明図である。
【図5】図1の塗布装置によりシリコンブランケット表面に塗布形成された、有効画素部分の塗布状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態(または第2の実施の形態)に係る製造方法で得られる有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
【図7】図6の有機電界発光素子に係るもので、(a)は画素電極部分のパターンの一例を示す平面図、(b)はそのA−A線断面図である。
【図8】図6に示す有機電界発光素子の製造工程に係るもので、ガラス基板上に陽極と、その上にホール輸送層とを積層形成する工程を示す断面図である。
【図9】図6に示す有機電界発光素子の製造工程に係るもので、図8の工程後のガラス基板のホール輸送層上に、電子輸送性発光層を所定のパターンで形成する工程(凸版反転オフセット印刷工程)を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るもので、(a)は有機電界発光素子の製造方法に使用する、スリットを備えた湿式塗布装置を示す正面図、(b)はその要部構造を示す右側面図、(c)は上記スリットの斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る湿式塗布装置を構成するスリットの別例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態(または第2の実施の形態)に係る製造方法で得られる有機電界発光素子の別例を示す概略断面図である。
【図13】本発明の実施例で作製した有機電界発光素子の積層構造を示す模式的説明図である。
【図14】従来の湿式塗布装置の一例に係るもので、この湿式塗布装置を構成するワイヤーバーの概略断面図である。
【符号の説明】
1…シリコンブランケット、1a…シリコーン樹脂被膜、2…グラビアロール、2a…メッシュ部(有効画素部分)、2b,2c…テーパ部(不要部分)、3…塗布液(インク)、3a…接液部、3b…塗布膜、3c…不要な塗布液、3d…必要塗布膜パターン(有効画素部分)、11…スリット、11a…平坦部(有効画素部分)、11b,11c…勾配部(不要部分)、12〜14…平板、21…スリット、22〜24…平板、21a…開放部、31…ガラス凸版、51…透明ガラス基板、52…ITO透明画素基板(陽極)、53…ホール輸送層、54…電子輸送性発光層、55…陰極、56…直流電源、61…画素部、62…絶縁物、70…有機電界発光素子(2層型有機EL素子)、80…有機電界発光素子(上面発光型有機EL素子)、81…基板、82…第1電極、83…有機層、83a…ホール輸送層(正孔輸送層)、83b…発光層、84…第2電極、91…ワイヤーバー

Claims (2)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、画素ごとにパターンニングされた発光領域を有する層が形成された有機電界発光素子の製造方法であって、
    前記発光領域を有する層のうち少なくとも1層を、
    少なくとも前記画素の有効部分の長さに渡ってグラビアパターンの形成されたメッシュ部と、該メッシュ部の両端に位置するテーパ部とを有するグラビアロールを介して、シリコンブランケット表面にその下方から前記層の構成材料を含む塗布液を供給・塗布することで塗布膜を形成し、次いで該塗布膜に凸版を押圧し、該押圧部分の前記塗布膜をシリコンブランケットから前記凸版に転写除去し、次いでシリコンブランケット表面に残った前記塗布膜からなるパターンを前記層の被形成面に転写することによって形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  2. 第1の電極と第2の電極との間に、画素ごとにパターンニングされた発光領域を有する層が形成された有機電界発光素子の製造方法であって、
    前記発光領域を有する層のうち少なくとも1層を、
    シリコンブランケット回転軸に対して平行に備えられるとともに、シリコンブランケット表面に対向する面が、少なくとも前記画素の有効部分の長さに渡る平坦部と、該平坦部の両端に位置し前記シリコンブランケット回転軸の中央部側から端部側に向かって下り勾配を有する勾配部とを有するスリットを介して、シリコンブランケット表面にその下方から前記層の構成材料を含む塗布液を供給・塗布することで塗布膜を形成し、次いで該塗布膜に凸版を押圧し、該押圧部分の前記塗布膜をシリコンブランケットから前記凸版に転写除去し、次いでシリコンブランケット表面に残った前記塗布膜からなるパターンを前記層の被形成面に転写することによって形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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