JP4747637B2 - 有機elディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機発光層が高分子材料からなる有機EL素子および有機ELディスプレイパネルとその製造方法に関し、特に有機発光層を印刷法によって形成する有機ELディスプレイパネルとその製造方法に関する。
有機EL素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層が形成され、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには有機発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイパネル化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は真空蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。また、真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題がある。
そこで、最近では高分子材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。高分子材料の塗液を用いてウェットコーティング法で有機発光層を含む有機発光媒体層を形成する場合の層構成は、陽極側から正孔輸送層、有機発光層と積層する二層構成が一般的である。このとき、有機発光層はカラーパネル化するために赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの発光色をもつ有機発光材料を溶剤中に溶解または安定して分散してなる有機発光インキを用いて塗り分ける必要がある(例えば特許文献1)。
一方、正孔輸送層はパターニングせずに、有機ELディスプレイパネルの画像形成にかかわる部分全体に全面塗布いわゆるベタ塗りする方法が一般的であり、スピンコート法やダイコート法といったコーティング法を用いて形成されてきた。これは、正孔輸送層の膜厚は一般に100nm以下の薄膜であり、層の横方向へ流れる電流よりも厚み方向へ流れる電流の方が圧倒的に流れやすく、よって電極がパターニングされていれば、電流の画素の外へのリークは非常に少ないといわれていたためである。
本発明者らはガラス基板上に陽極である画素電極をパターン形成し、画素電極間に絶縁層をパターン形成し、正孔輸送層を有機EL素子有効面内に全面塗布し、有機発光層をパターン形成し、陰極層をパターン形成したパッシブマトリックスタイプの有機EL素子において、パターン化された電極間に流れる電流がリークし、発光効率が低下していることを確認した。また、この発光効率の低下は全面塗布した正孔輸送層を形成する正孔輸送材料の体積抵抗率と関係しており、体積抵抗率が小さい正孔輸送材料からなる正孔輸送層を有する有機EL素子ほど発光効率の低下が大きいことが確認された。
有機ELディスプレイパネルの発光効率の点からは抵抗率の小さい正孔輸送材料を使用したほうが発光効率は良くなるため、できるだけ抵抗率の小さい正孔輸送材料を使用したいという要求があり、したがって、体積抵抗率の小さい正孔輸送層を画素電極上にのみにパターン形成し、絶縁層上には正孔輸送層を設けないようにする必要があった。
正孔輸送層を形成する正孔輸送材料は(3、4−ポリエチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)といった高分子材料からなる。正孔輸送材料を溶媒に溶解または安定して分散させ正孔輸送インキとするには、高分子材料の溶解性の問題と、薄膜を作る必要性の両方の問題から濃度を1%前後と低くする必要がある。
濃度が1%前後の低粘度の正孔輸送インキをパターン印刷する際にはインキの広がりを防止するための隔壁が必要となる。これは、画素電極間にある絶縁層の高さを大きくし、隔壁として使用することで解決される。絶縁層で仕切られた画素電極内に正孔輸送インキを転写させる方法としては、インクジェット法や凸版印刷法による印刷方式が考えられる。他の印刷方式としてはグラビア印刷法が考えられるが、凹凸のある被印刷物に対して印刷するには不向きである。
インクジェット法ではインクジェットノズルから有機発光インキを被印刷部位に複数回滴下する方式であり、ノズルと被印刷基板に距離があり、インキは自身の重力でのみ隔壁内の被印刷部位に広がる。したがって、インクジェット法では絶縁層に囲まれた被印刷部位全てにインキを転写することが難しく、特に画素電極の縁部において印刷ヌケが発生しやすいという問題がある。
一方、凸版印刷法においては凸版の凸部を被印刷部位に押しつけるため、版による押し付けと隔壁により形成された空間を凸版が埋めることにより、インキは隔壁で囲まれた画素内を横方向に強く広げられる。したがって、画素電極の縁部における印刷ヌケが発生しにくい。また、凸版印刷は簡便であり、インクジェット方式等と比較してスループットがよいという長所を有する。したがって、正孔輸送インキから正孔輸送層を形成するにあたり、凸版印刷法は好適である。
凸版印刷法とは広義には画線部が凸形状をしている版すなわち凸版を用いるすべての印刷法をいうが、本発明で述べる凸版印刷法とはゴム版または樹脂版からなる凸版を用いる印刷方式を示すこととする。また、印刷業界ではゴム凸版を用いるものをフレキソ印刷といい、樹脂凸版を用いるものを樹脂凸版印刷と区別して呼んでいるが、本発明では両者を特に区別せず、凸版印刷法と呼ぶこととする。凸版印刷方式で用いられるゴム版や樹脂版は、現在は感光性のゴム版や樹脂版が主に用いられが、凸版の材質も多様化し、感光性ゴム版と感光性樹脂版の区別も不明確になってきており、本発明ではこの区別も特に設けず、両者とも感光性樹脂凸版と呼ぶこととする。
特開2001−93668号公報
以上より、本発明では有機ELディスプレイパネルにおいて1×10Ω・cm以下の正孔輸送材料を用いるに際し、透光性基板上にあるパターニングされた画素電極上のみに正孔輸送層を形成する方法を提供し、リーク電流による発光効率の低下の無い有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明として、少なくとも画素電極と陰極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルにおいて、体積抵抗率が1×105Ω・cm以下の正孔輸送材料を用いて正孔輸送層を形成して有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、透光性基板上のパターニングされた画素電極の間に絶縁層を形成し、凸版印刷法により正孔輸送材料を水またはアルコール類からなる溶媒に溶解または安定に分散させた正孔輸送インキを溶剤現像タイプの感光性樹脂凸版の凸部から絶縁層の間にある画素電極に印刷し正孔輸送層を形成し、水現像タイプの感光性樹脂凸版及び有機発光材料を芳香族有機溶剤に溶解または分散させた有機発光インキを用いた凸版印刷法により有機発光層をパターン形成することを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法とした。
また請求項2に係る発明としては、前記絶縁層の高さが0.5μm以上5μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法とした。
凸版印刷法により正孔輸送材料を溶媒に溶解または安定に分散させた正孔輸送インキを凸版の凸部から絶縁層の間にある画素電極に転写、印刷し有機発光層を形成することによって、絶縁層で仕切られた電極内全面に正孔輸送層が転写され、且つ絶縁層上に正孔輸送層の無い正孔輸送層のパターンを得ることができ、正孔輸送層においてリーク電流による発光効率の低下の無い有機ELディスプレイを得ることができた。
本発明の実施形態を、パッシブマトリックスタイプの有機ELディスプレイパネルを作成する場合を例に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の有機ELディスプレイパネル断面の模式図を図1に示す。
有機ELディスプレイパネルにおける有機EL素子は透光性基板1上に形成される。透光性基板1としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、これらのフィルムは水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった酸化窒化物やポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
透光性基板の上には陽極としてパターニングされた画素電極2が設けられる。画素電極2の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法により透光性基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされライン状の画素電極2となる。
ライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極の間に感光性材料を用いて、フォトリソ法により絶縁層3が形成される。
本発明における絶縁層3は、厚みが0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。絶縁層を隣接する画素電極間に設けることによって、各画素電極上に印刷された正孔輸送インキの広がりを抑え、ディスプレイ化した際に正孔輸送層が絶縁層上にあることによるリーク電流の発生を防ぐことができる。絶縁層が低すぎるとインキの広がりを防止できずに絶縁層上に正孔輸送層を形成されることとなる。
また、例えばパッシブマトリックスタイプの有機ELディスプレイパネルにおいて、画素電極の間に絶縁層を設けた場合、絶縁層を直交して陰極層を形成することになる。このように絶縁層をまたぐ形で陰極層を形成する場合、絶縁層が高すぎると陰極層の断線が起こってしまい表示不良となる絶縁層の高さが5.0μmを超えると陰極の断線が起きてしまう。
絶縁層を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が絶縁性を有さない場合には隔壁を通じで隣り合うが電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系といったものが挙げられる。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させてもよい。さらに、正孔輸送インキの絶縁層への広がりを防ぐために撥インキ材料を感光性材料に含有させてもよい。
絶縁層3を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布方法を用いて塗布され、フォトリソ法によりパターニングされる。スピンコーターを使用した場合、1回の塗布では所望の膜厚の塗布膜を得られないことがあるが、その場合は同様の作業を複数回繰り返せばよい。
絶縁層3形成後、正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4を形成する正孔輸送材料としてはポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、正孔輸送材料インキとなり、本発明の凸版印刷方法を用いて形成される。なお、形成される正孔輸送層の体積抵抗率は発光効率の点からは1×10Ω・cm以下のものが好ましい。
正孔輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。特に、水またはアルコール類が好適である。また、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
図2に正孔輸送材料からなる正孔輸送インキを、画素電極、絶縁層が形成された被印刷基板上にパターン印刷する際の凸版印刷装置の概略図に示した。本製造装置はインクタンク10とインキチャンバー12とアニロックスロール14と凸版が設けられた版16がマウントされた版銅18を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー12にはインクタンク10より正孔輸送インキが送り込まれるようになっている。アニックスロール14はインキチャンバー12のインキ供給部に接して回転可能に支持されている。
アニックスロール14の回転に伴い、アニックスロール表面に供給された正孔輸送インキのインキ層14aは均一な膜厚に形成される。このインキ層はアニックスロールに近接して回転駆動される版胴18にマウントされた版16の凸部に転移する。平台20には、透明電極および正孔輸送層が形成された被印刷基板24が版16の凸部による印刷位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、版16の凸部にあるインキは被印刷基板24に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板上に正孔輸送層が形成される。
なお、今回凸版に使用した感光性樹脂凸版は溶剤現像タイプのものを使用した。感光性樹脂版には、露光した樹脂版を現像する際に用いる現像液が有機溶剤である溶剤現像タイプのものと現像液が水である水現像タイプのものがある。溶剤現像タイプのものは水系のインキに対し耐性を示し、水現像タイプのものは有機溶剤系のインキに耐性を示すため、正孔輸送インキの印刷に関しては溶剤現像タイプの感光性樹脂凸版が好ましい。
正孔輸送層4形成後、有機発光層5を形成する。有機発光層は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層を形成する有機発光材料は、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
有機発光層の形成方法としては、本発明の凸版印刷法の他にインクジェット法や凹版オフセット印刷法、凸版反転オフセット印刷法によりパターン形成することが可能である。なお、本発明の凸版印刷法を用いる場合は水現像タイプの感光性樹脂凸版が好適である。
有機発光層5形成後、陰極層6を画素電極のラインパターンと直交するラインパターンで形成される。陰極層6の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
なお、本発明の有機EL素子では陽極である画素電極と陰極層の間に陽極層側から正孔輸送層と有機発光層を積層した構成であるが、陽極層と陰極層の間において正孔輸送層、有機発光層以外に正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層といった層を必要に応じ選択した積層構造をとることができる。また、これらの層を形成する際にも本発明の形成方法が使用できる。
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ7と接着剤8を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを得ることができる。また、透光性基板が可撓性を有する場合は封止剤と可撓性フィルムを用いて封止をおこなう。
本発明の実施例について述べる。対角1.8インチサイズのガラス基板の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、画素電極を形成した。画素電極のラインパターンは、線幅136μm、スペース30μmでラインが約32mm角の中に192ライン形成されるパターンとした。
次に絶縁層を以下のように形成した。画素電極を形成したガラス基板上にアクリル系のフォトレジスト材料を全面スピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後500rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、絶縁層の高さを1.5μmとした。全面に塗布したフォトレジスト材料に対し、フォトリソ法により画素電極の間にラインパターン有する絶縁層を形成した。
次に、正孔輸送インキとして濃度が1%であるPEDOT水溶液を用い、凸版印刷法にて絶縁咳間に正孔輸送層を形成した。このとき180線/インチのアニックスロールを使用し、印刷、乾燥後の正孔輸送層の膜厚は50nmとなった。形成された正孔輸送層に対し、パターニング状態の確認をおこなった。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷をおこなった。このとき150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
その上にCa、Alからなる陰極層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを作成した。得られた有機ELディスプレイパネルの表示部の周縁部には各画素電極に接続されている陽極側の取出し電極と、陰極側の取出し電極があり、これらを電源に接続することにより、得られた有機ELディスプレイパネルの点灯表示確認をおこない、発光状態のチェックを行なった。
絶縁層を形成する際のフォトレジスト材料にフッ素系の撥水材料を2%添加したものを用い、その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
絶縁層を形成する際のフォトレジスト材料にフッ素系の撥水材料を2%添加したものを用い、スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、1000rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、絶縁層の高さを0.5μmとした。その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
絶縁層を形成する際のフォトレジスト材料にフッ素系の撥水材料を2%添加したものを用い、スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、300rpmで20秒間回転させ2回コーティングとし、絶縁層の高さを5μmとした。その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
(比較例1)
正孔輸送インキである濃度が1%であるPEDOT水溶液をスピンコート法にて形成した。スピンコートの条件は200rpmで2秒間回転させた後、1000rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、膜厚は50nmとなった。その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
(比較例2)
絶縁層を設けずに、その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
(比較例3)
絶縁層を形成する際のスピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、1200rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、絶縁層の高さを0.3μmとした。その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
(比較例4)
絶縁層を形成する際のスピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、300rpmで20秒間回転させ3回コーティングとし、絶縁層の高さを7.5μmとした。その他は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
実施例1、2、3、4および比較例1、2、3、4での正孔輸送層のラインパターン形状の評価結果と、作製した有機ELディスプレイの表示状態の評価結果を表1に示す。
Figure 0004747637
実施例1において、印刷した正孔輸送層のパターニング形状は一部が絶縁層上にある様子が確認されたが、発光状態は良好であった。実施例2、3、4において、印刷した正孔輸送層のパターニング形状は良好であり、絶縁層上に正孔輸送層は確認されなかった。また、発光状態も良好であった。
比較例1においては、スピンコート法にて正孔輸送層を形成したため、絶縁層上に正孔輸送層が存在している様子が確認された。発光状態も、正孔輸送層のリーク電流による発光効率の低下が確認された。比較例2においては、絶縁層が無いために、正孔輸送層が絶縁層上に存在している様子が確認された。また、有機発光層においても隣り合う画素へのインキの混入が確認された。発光状態も、正孔輸送層のリーク電流による発光効率の低下が確認された。
比較例3においても、絶縁層が低いために、正孔輸送層が絶縁層上に存在している様子が確認された。また、有機発光層においても隣り合う画素へのインキの混入が確認された。発光状態も、正孔輸送層のリーク電流による発光効率の低下が確認された。比較例4においては正孔輸送層のパターニング状態は良好であったが、発光状態において陰極層の断線による発光不良が確認された。なお、全ての実施例、比較例において正孔輸送層の印刷抜けは確認されなかった。
本発明の有機ELパネルにおける有機EL素子の構造の模式図。 本発明における凸版印刷装置の概略図。
符号の説明
1:透光性基板
2:画素電極
3:絶縁層
4:正孔輸送層
5:有機発光層
6:陰極層
7:ガラスキャップ
8:接着剤
10:インクタンク
12:インキチャンバー
14:アニロックスロール
14a:インキ層
16:版
18:版銅
20:平台
24:被印刷基板

Claims (2)

  1. 少なくとも画素電極と陰極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルにおいて、体積抵抗率が1×105Ω・cm以下の正孔輸送材料を用いて正孔輸送層を形成して有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、透光性基板上のパターニングされた画素電極の間に絶縁層を形成し、凸版印刷法により正孔輸送材料を水またはアルコール類からなる溶媒に溶解または安定に分散させた正孔輸送インキを溶剤現像タイプの感光性樹脂凸版の凸部から絶縁層の間にある画素電極に印刷し正孔輸送層を形成し、水現像タイプの感光性樹脂凸版及び有機発光材料を芳香族有機溶剤に溶解または分散させた有機発光インキを用いた凸版印刷法により有機発光層をパターン形成することを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記絶縁層の高さが0.5μm以上5μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
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