JP4826119B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機発光層が高分子材料からなる有機EL素子の製造方法に関し、特に有機発光層を印刷法によって形成する有機EL素子とその製造方法に関する。
有機EL素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層が形成され、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには有機発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイパネル化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は真空蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。また、真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題がある。
そこで、最近では高分子材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
高分子の有機発光材料を溶媒に溶解または分散させて有機発光インキとした場合、有機発光材料の溶解性から濃度を1%前後とする必要がある。有機発光インキを印刷する方法としては、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法(特許文献1)や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法(特許文献2)、またその他にインクジェット法(特許文献3)などが提案されている。
オフセット印刷法は画線が形成されている版にインキを付け、そのインキを弾性をもつ平滑なブランケットに転移させ、さらにブランケットから被印刷基板にインキを転写することで印刷する方式であるが、被印刷基板に印刷する前のブランケット上にあるインキは半乾燥状態にあり、半乾燥状態のインキパターンが被印刷基板に転写印刷される。ただし、オフセット印刷法に用いられるブランケットは有機発光インキに用いられる芳香族有機溶剤に対して膨潤や変形を起こしやすいという問題がある。
これに対し、凸版印刷法やインクジェット法にて有機発光インキを用いて被印刷基板上に有機発光層を形成する場合、濃度が1%前後の有機発光インキがそのままの状態で被印刷基板に印刷される。有機発光インキをRGB三色に塗りわけする場合、有機発光インキが隣の画素電極まで広がってしまい、画素電極内において混色が生じてしまう。したがって、特許文献2、3では有機発光インキの広がりをを抑えるために、画素電極間に隔壁が設けること、隔壁によって仕切られた画素電極内に有機発光インキを印刷することが提案されている。
特許文献1では、有機発光層を凸版印刷法で塗り分けをおこなうに際し、有機発光インキの広がりによる隣り合う画素への有機発光インキの混入(以降、混色とする)を防止する為、隔壁を設けることが提案されている。また、特許文献3では、インクジェット法で有機発光インキを用いて有機発光層の塗り分けをおこなうに際し、凸版印刷法でおこなう場合と同様に、隣り合う画素への有機発光インキの混入を防ぐために隔壁を設けること、さらに隔壁上部に撥インキ成分を転写により付与することが提案されている。
インクジェット法はインクジェットノズルから有機発光インキを被印刷部位に複数回滴下し有機発光層を形成する方式であり、ノズルと被印刷基板に距離があり、インキは自身の重量でのみ隔壁で仕切られたの被印刷部位に広がる。一方、凸版印刷法では凸版の凸部を被印刷部位に接触させるため、版による押しつけと隔壁により形成された空間を凸版が埋めることにより、インキは隔壁で囲まれた画素内を横方向に広げられる。
隔壁はフォトリソ法により形成されるが、隣り合う画素への有機発光インキの混入を防止するために隔壁材料に撥インキ性材料を加えて隔壁を形成した場合、隔壁から画素電極表面に撥インキ材料がしみ出すことにより、インクジェット法ではインキハジキが発生してしまい有機EL素子とした際にショートしてしまうという問題があった。したがって、インクジェット法において撥水性を有する隔壁を形成する場合には隔壁を2層構成とし、隔壁の上部にのみ撥インキ性を持たせ、隔壁の下部には撥インキ性を持たない層を形成する必要があった。
しかし、隔壁を2層構成とした場合、1層構成と比較して工程が多くなるためコスト高になってしまう。これに対し、凸版印刷法では被印刷部位が少量の撥インキ性を示してもインキが横方向に広げられるため、インキハジキが発生しにくいという長所を有する。
凸版印刷方式とは広義には画線部が凸形状をしている版すなわち凸版を用いるすべての印刷方式をいうが、本発明で述べる凸版印刷方式とはゴム版または樹脂版からなる凸版を用いる印刷方式を示すこととする。また、印刷業界ではゴム凸版を用いるものをフレキソ印刷といい、樹脂凸版を用いるものを樹脂凸版印刷と区別して呼んでいるが、本発明では両者を特に区別せず、凸版印刷方式と呼ぶこととする。凸版印刷方式で用いられるゴム版や樹脂版は、現在は感光性のゴム版や樹脂版が主に用いられるが、凸版の材質も多様化し、感光性ゴム版と感光性樹脂版の区別も不明確になってきており、本発明ではこの区別も特に設けず、両者とも感光性樹脂凸版と呼ぶこととする。
感光性樹脂凸版とは、画線部にのみ光が透過するマスクを利用して感光性樹脂を露光し画線部を硬化させ、未硬化部分を溶剤等で洗い流すことで凸版を形成された凸版であるが、主に溶剤で洗い出す溶剤現像タイプと水で洗い出す水現像タイプのものがあり、それぞれ版材が疎水性成分を主成分とするか、親水性成分を主成分とするかで異なる。主成分が疎水性成分である溶剤現像タイプの感光性樹脂凸版はトルエン、キシレン等の有機発光インキ溶剤に対する耐性がなく、有機発光インキ印刷の版材としては不適切である。しかし、親水性成分である水現像タイプの感光性樹脂凸版は、トルエン、キシレン等の有機発光インキ溶剤に対する耐性が高く、有機発光インキ印刷の版材として好適である。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 特開2002−305077号公報
以上より本発明では、有機EL素子において、有機発光材料の濃度が低い有機発光インキを用いて絶縁性隔壁内被印刷部位に有機発光層を形成する際に、有機発光インキの混色がなく、さらに被印刷部位内においてインキハジキの無い有機発光層形成方法を提供し、信頼性の高い有機EL素子を低コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は少なくとも画素電極と陰極と有機発光層と正孔輸送層とを含む有機発光媒体層からなり、前記画素電極及び陰極の間に前記有機発光層と前記正孔輸送層が形成され、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子において、透光性基板上のパターニングされた画素電極の間に撥インキ材料が加えられた感光性樹脂からなる絶縁性隔壁があり、有機発光材料を溶剤に溶解または分散させてなる有機発光インキを用いて絶縁性隔壁で仕切られた被印刷部位に対し有機発光層を形成する有機EL素子の製造方法であって、
前記画素電極にプラズマ処理、UV処理、UV/オゾン処理のいずれかを行った後、前記画素電極上に前記正孔輸送層をコーティング法により形成し、
凸版印刷法により凸版の凸部にある有機発光インキを前記正孔輸送層上の被印刷部位に印刷することを特徴とする有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項2に係る発明は前記絶縁性隔壁と前記有機発光インキの接触角が25゜以上90゜以下であることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項3に係る発明は前記絶縁性隔壁と、前記正孔輸送層を形成するための正孔輸送層形成材料を溶剤に溶解または分散させてなる正孔輸送インキの接触角が20゜以上90゜以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項4に係る発明は前記凸版印刷法により有機発光インキを前記正孔輸送層上の被印刷部位に印刷する前に、正孔輸送層を形成した透光性基板に加熱処理をおこなったことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法とした。
撥水性成分を有する絶縁性隔壁によって仕切られた被印刷部位に対し、有機発光インキを用いて凸版印刷法により有機発光層を形成すること、絶縁性隔壁に撥インキ性を持たせること及び絶縁性隔壁と有機発光インキの接触角を25゜以上90゜以下とすることにより、画素内での混色やインキハジキによるショートの無い有機EL素子を得ることができた。
また、絶縁性隔壁を形成後、正孔輸送インキをスリットコーター等を用いてコーティング法により有機EL素子の有効面全面に正孔輸送層を形成した場合、正孔輸送インキが絶縁性隔壁を全て覆ってしまい、絶縁性隔壁と有機発光インキの間で必要な撥インキ性を得られないことがある。そこで、絶縁性隔壁と正孔輸送インキの接触角を20゜以上90゜以下とすることにより、コーティング法による正孔輸送インキが、絶縁性隔壁上でははじかれるため、有機発光インキに対して撥インキ性を示す絶縁性隔壁を露出させることができた。よって、画素内において混色の無い有機発光EL素子を得ることができた。
また、絶縁性隔壁の一部が正孔輸送層に覆われることによって、絶縁性隔壁と有機発光インキの間で必要な接触角を得ることができない場合、加熱処理をおこない撥インキ成分を絶縁性隔壁表面にしみ出させ必要な接触角を得ることができた。そして、画素内において混色の無い有機EL素子を得ることができた。
本発明の実施形態を、パッシブマトリックス型のディスプレイパネルを作成する場合を例に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の有機EL素子の断面模式図を図1に示す。
本発明の有機EL素子は透光性基板上に形成される。透光性基板1としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、これらのフィルムは水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物薄膜、窒化ケイ素といった酸化窒化物薄膜やポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
透光性基板の上には陽極としてパターニングされた画素電極2が設けられる。画素電極2の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法により透光性基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされライン状の画素電極2となる。
ライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極の間に感光性材料を用いて、フォトリソ法により絶縁性隔壁6が形成される。
絶縁性隔壁6を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が絶縁性を有さない場合には隔壁を通じで隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。具体的にはポリイミド系やアクリル樹脂系、ノボラック樹脂系といったものが挙げられる。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を含有させてもよい。
絶縁性隔壁6において、感光性材料には撥インキ性を付与するために撥インキ材料が加えられる。撥インキ材料としてはシリコーン系の材料またはフッ素を含有する材料が用いられる。これらの月インキ材料は有機発光インキと正孔輸送インキの両方に撥インキ性を示すことから好適である。
絶縁性隔壁6を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター、スリットコーター等を用いたコーティング法により塗布され、フォトリソ法によりパターニングされる。
絶縁性隔壁6形成後、正孔輸送層3を形成する。正孔輸送層形成材料としてはポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物等が挙げられる。正孔輸送層形成材料は溶剤に溶解または分散させ正孔輸送インキとし、スリットコーター、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いたコーティング法により、有機EL素子の有効面全面に塗布される。
正孔輸送材料を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。特に、水またはアルコール類が好適である。
絶縁性隔壁と正孔輸送インキの接触角は20゜以上90゜未満であることが好ましい。接触角が20゜未満の場合、コーティング法を用いて有機EL素子の有効面全面に正孔輸送層を形成した場合、正孔輸送層が絶縁性隔壁全てを覆ってしまい、絶縁性隔壁と有機発光インキの間に必要な撥インキ性を得ることができなくなってしまう。また、接触角が90゜以上の場合、正孔輸送インキに対する撥インキ性により絶縁性隔壁近傍の正孔輸送層の膜厚が画素電極中央の正孔輸送層の膜厚と比較して小さくなる。このように画素内において正孔輸送層の膜厚が不均一であると素子化した際に発光不良の原因となる。
なお、正孔輸送層を形成する際に、隔壁から画素電極表面に撥インキ材料が染み出すことにより、インキハジキが発生してしまい、画素電極上に均一な膜形成ができないことがある。その場合、プラズマ処理、UV処理、UV/オゾン処理等を用いて画素電極上にある撥インキ材料を除去し、その後、正孔輸送層を形成すればよい。
正孔輸送層3を形成した後、有機発光層4が形成される。有機発光層4に使用される有機発光材料としては、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶剤に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶剤としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶剤が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
撥インキ性を有する絶縁性隔壁6と有機発光材料インキの接触角は25゜以上90゜以下であることが好ましい。接触角が25゜未満の場合、隔壁が十分な撥インキ性を示さず、有機発光インキが隣り合う画素に混入してしまい、混色してしまう。また、接触角が90゜を超えると、隔壁の側面部において有機発光インキをはじき過ぎてしまい、絶縁性隔壁近傍の膜厚が画損電極中央と比較して小さくなる。したがって、画素内での色ムラを引き起こす。また、凸版印刷法を用いたとしても、被印刷部位においてインキハジキを発生してしまう。
コーティング法により有機EL素子の有効面全面に正孔輸送層を形成した場合、正孔輸送層により一部が覆われてしまい、絶縁性隔壁と有機発光材料の接触角が25゜以上とならない場合がある。このときは有機発光層を形成する前の正孔輸送層を形成した基板に対して、加熱処理をおこなえばよい。加熱処理をすることによって撥インキ成分を隔壁表面にしみ出させ、絶縁性隔壁と有機発光インキの間で撥インキ性を得ることができる。
図2に有機発光材料からなる有機発光インキを、画素電極、隔壁、正孔輸送層が形成された被印刷基板上にパターン印刷する際の凸版印刷装置の概略図に示した。本製造装置はインクタンク10とインキチャンバー12とアニロックスロール14と凸版が設けられた版16がマウントされた版銅18を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー12にはインクタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニックスロール14はインキチャンバー12のインキ供給部に接して回転可能に支持されている。
アニックスロール14の回転に伴い、アニックスロール表面に供給された有機発光インキのインキ層14aは均一な膜厚に形成される。このインキ層のインキはアニックスロールに近接して回転駆動される版胴18にマウントされた版16の凸部に転移する。平台20には、透明電極および正孔輸送層が形成された被印刷基板24が版16の凸部による印刷位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、版16の凸部にあるインキは被印刷基板24に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板上に有機発光層が形成される。
有機発光層4形成後、陰極層5が画素電極のラインパターンと直交するラインパターンで形成される。陰極層6の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
なお、本発明の有機EL素子では陽極である画素電極と陰極層の間に陽極層側から正孔輸送層と有機発光層を積層した構成であるが、画素電極と陰極層の間において有機発光層以外に正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層を必要に応じ選択した積層構造をとることができる。
なお、正孔輸送層や正孔注入層、電子ブロック層とは、正孔輸送性及び/若しくは電子ブロック性を有する材料を有する層であり、それぞれ陽極層から有機発光層への正孔注入の障壁を下げる、陽極層から注入された正孔を陰極層の方向へ進める、正孔を通しながらも電子が陽極層の方向へ進行するのを妨げる役割を担う層である。正孔ブロック層、電子輸送層とは電子輸送性及び/若しくは正孔ブロック性を有する材料を有する層であり、それぞれ陰極層から注入された電子を陽極層の方向へ進める。電子を通しながらも正孔が陰極層の方向へ進行するのを妨げる役割を担う層である。
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子を得ることができる。また、透光性基板が可撓性を有する場合は封止剤と可撓性フィルムを用いて密閉封止をおこなう。
100mm四方のガラス基板を透光性基板を用い、800μmピッチ(L/S=700/100)のITOラインを画素電極として設けた。その後、ITO端部をカバーするようフッ素系添加剤を加えた絶縁性隔壁をフォトリソ法で設けた。続いて、UV/オゾン処理を行った後、(化1)で表されるポリ(3,4 エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)と(化2)で表されるポリスチレンスルホン酸(PSS)の1wt%水分散溶液をスリットコーターを用いて塗布し、厚み180nmで塗布して正孔輸送層3を形成した。このときの、正孔輸送インキと絶縁性隔壁の接触角は30゜であった。また、観察では絶縁性隔壁上に正孔輸送層は確認されなかった。
Figure 0004826119
Figure 0004826119
続いて、200℃で1時間加熱した後、有機発光層として、(化3)で表される有機発光材料MEH−PPVをシクロヘキシルベンゼン溶液に1.3wt%で溶解し、さらにポリスチレン(分子量Mw1000000、アルドリッチ社製)を0.26wt%で溶解した。このインキの粘度は25mPa・sであった。このときの絶縁性隔壁と、有機発光インキの接触角は35°であった。
Figure 0004826119
この有機発光インキを凸版印刷法を用いて膜厚80nmで絶縁性隔壁で仕切られた被印刷部位にパターン形成した。次いで、陰極層としてMgAgを2元共蒸着により200nmの厚みでパターンで形成した。最後にガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、パッシブ駆動型の有機EL素子を作製した。
得られたパッシブ駆動型有機EL素子は、リーク電流が無く選択した画素のみを点灯でき、5Vで100cd/m2の均一な発光を示した。
本発明の有機ELパネルにおける有機EL素子の断面模式図。 本発明における凸版印刷装置の概略図。
符号の説明
1:透光性基板
2:画素電極
3:正孔輸送層
4:有機発光層
5:陰極層
6:絶縁性隔壁
10:インクタンク
12:インキチャンバー
14:アニロックスロール
14a:インキ層
16:版
18:版銅
20:平台
24:被印刷基板

Claims (4)

  1. 少なくとも画素電極と陰極と有機発光層と正孔輸送層とを含む有機発光媒体層からなり、前記画素電極及び陰極の間に前記有機発光層と前記正孔輸送層が形成され、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子において、透光性基板上のパターニングされた画素電極の間に撥インキ材料が加えられた感光性樹脂からなる絶縁性隔壁があり、有機発光材料を溶剤に溶解または分散させてなる有機発光インキを用いて絶縁性隔壁で仕切られた被印刷部位に対し有機発光層を形成する有機EL素子の製造方法であって、
    前記画素電極を形成する工程と、
    次に、前記隔壁を形成する工程と、
    次に、前記画素電極にプラズマ処理、UV処理、UV/オゾン処理のいずれかを行って前記隔壁から前記画素電極表面に染み出した撥インキ剤を除去する工程と、
    次に、前記画素電極上に前記正孔輸送層をコーティング法により形成する工程と、
    次に、凸版印刷法により凸版の凸部にある有機発光インキを前記正孔輸送層上の被印刷部位に印刷する工程と、
    からなることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記絶縁性隔壁と前記有機発光インキの接触角が25゜以上90゜以下であることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記絶縁性隔壁と、前記正孔輸送層を形成するための正孔輸送層形成材料を溶剤に溶解または分散させてなる正孔輸送インキとの接触角が20゜以上90゜以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記凸版印刷法により有機発光インキを前記正孔輸送層上の被印刷部位に印刷する前に、正孔輸送層を形成した透光性基板に加熱処理をおこなったことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。
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