JP5314314B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す場合もある)素子の製造方法、該製造方法を用いて得られた有機EL素子、および前記有機EL素子を含む照明装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、その面積の大きな有機発光層の形成領域へ凸版印刷法により有機発光インキを塗布する際の塗布ムラを防止し、均一な膜厚の有機発光層を形成することのできる有機EL素子の製造方法、該製造方法を用いて得られた有機EL素子、および前記有機EL素子を含む照明装置に関するものである。
周知のように、有機EL素子は、基本的な構造として、第1の電極(陽極または陰極)および第2の電極(陰極または陽極)と、これらの電極間に設けられる有機発光層とを有している。かかる構造において、前記有機発光層を挟んで相対向する電極間に電流を流すことにより前記有機発光層が発光する。
有機EL素子の用途としては、表示装置や照明装置がある。表示装置では、複数の有機EL素子が基板上に配置され、各有機EL素子がそれぞれ画素として機能する(例えば特許文献1参照)。このような表示装置用の有機EL素子は、求められる解像度に応じて大きさが決まり、通常、各有機発光層の幅および長さがミクロンオーダーである。他方、照明装置では、表示装置用の有機EL素子のように小さい有機EL素子を用いる必要がなく、幅および長さがセンチメータオーダーの有機発光層を備える1または複数の有機EL素子が基板上に配置されている。
特開2006−286243号公報
上述の表示装置用の有機EL素子では、有機発光層の形成される発光層形成領域のサイズがμmオーダーの極小であるため、有機発光材料を含む有機発光インキの濃度や印刷速度等を適宜設定することで、凸版印刷法を用いて有機発光インキを画素内において均一に塗布することができる。
しかしながら、例えば表示装置用の有機EL素子の発光層形成領域が100μm×100μm程度とすると、照明装置用の有機EL素子では、発光層形成領域が1cm×1cm以上程度となり、面積にして例えば10000倍以上の広範囲の領域に有機発光インキを塗布する必要が生じ、このような広範囲の領域に有機発光インキを塗布する場合に、表示装置用の有機EL素子を形成する技術をそのまま転用して、凸版印刷法を用いて有機発光インキを塗布したとしても、発光層形成領域内において塗布ムラが生じることがあり、従来から用いられてきた凸版印刷法を適用することができない。かかる塗布ムラの発生は、発光層形成領域のサイズが1cm×1cmを超えると顕著になる。
塗布ムラに起因して有機発光層の膜厚にムラが生じると、ひいては発光にもムラが生じ、場合によっては、発光不良が生じることになり、照明装置の性能が著しく低下することになる。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、面積の大きな有機発光層の形成領域に、凸版印刷法により有機発光インキを塗布する際の塗布ムラを防止し、均一な膜厚の有機発光層を形成することのできる有機EL素子の製造方法、該製造方法を用いて得られた有機EL素子、および前記有機EL素子を含む照明装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる有機EL素子の製造方法は、少なくとも陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられる有機発光層とを積層することで有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、前記有機発光層の形成される発光層
形成領域に対応する形状の凸部を有する凸版印刷版を用いて、有機発光材料と溶媒とを含む有機発光インキを前記発光層形成領域に塗布して有機発光層を形成する有機発光層形成工程を有し、前記凸部が、表面部に複数本の凹溝を有することを特徴とする。
上記構成において、前記複数本の凹溝の長手方向の少なくとも一端が、前記凸部の側面に開放していることが、好ましい。
上記構成において、前記発光層形成領域の面積が、1cm×1cm以上である場合に、本発明は好適である。
本発明の有機EL素子は、上記構成の有機EL素子の製造方法を用いて得られたものであることを特徴とする。また、本発明の照明装置は、上記有機EL素子を含むことを特徴とする。
本発明によれば、発光面における発光ムラや発光不良の発生のない発光特性に優れた有機EL素子および該有機EL素子を有する照明装置を効率的に製造することができる。
以下に、本発明方法が対象とする有機EL素子の構造について説明し、その後、本発明にかかる有機EL素子の製造方法について、さらに詳しく説明する。得られる有機EL素子は、例えば照明装置に用いられる。なお、以下の説明において示す図面における各部材の縮尺は実際と異なる場合がある。
(基板)
有機EL素子に用いる基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板、これらを積層したものなどが用いられる。さらに、プラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いることもできる。前記基板としては、市販のものが使用可能であり、また公知の方法により製造することもできる。
(電極および有機発光層)
有機EL素子は、少なくとも陽極と、陰極と、前記陽極および陰極の間に位置する有機発光層とが積層されて構成される。また少なくとも陽極および陰極のうちのいずれか一方が光透過性を有する電極からなる。前記有機発光層には低分子及び/又は高分子の有機発光材料が用いられる。本発明の有機EL素子では、有機発光層を凸版印刷により形成するのであり、有機発光層用の有機発光材料としては高分子発光材料が適している。
有機EL素子において、陽極および陰極の間には、複数の発光層が設けられてもよく、また発光層以外の層が設けられてもよい。以下、陰極と発光層との間に設ける層を陰極側インターレイヤーといい、陽極と発光層との間に設ける層を陽極側インターレイヤーという場合がある。
陽極と発光層との間に設ける陽極側インターレイヤーとしては、正孔注入層・正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。
上記正孔注入層は、陰極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層であり、上記正孔輸送層とは、正孔注入層または陽極により近い層(正孔輸送層)からの正孔注入を改善する機能を有する層である。また、正孔注入層または正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を電子ブロック層と称することがある。電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
陰極と発光層の間に設ける陰極側インターレイヤーとしては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。
上記電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層であり、上記電子輸送層は、電子注入層または陰極により近い層(電子輸送層)からの電子注入を改善する機能を有する層である。また、電子注入層もしくは電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を正孔ブロック層と称することがある。正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、ホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
上記のような陽極と陰極との間に設けられる各層の積層構成としては、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた構成、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた構成、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた構成等が挙げられる。例えば、具体的には、以下のa)〜d)の積層構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同様。)
上記構成において、先述のように、発光層とは発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ場合もある。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と呼ばれることがある。
さらに、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記電荷注入層または膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜に設定することができる。
また、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた有機EL素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた有機EL素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた有機EL素子が挙げられる。例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
(陽極)
上記陽極には、たとえば透明電極または半透明電極として、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜を用いることができ、透過率が高いものが好適に利用でき、用いる有機層により適宜、選択して用いる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、および銅等の薄膜が用いられ、これらのなかでも、ITO、IZO、酸化スズが好ましい。
また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。また、前記有機の透明導電膜に用いられる材料、金属酸化物、金属硫化物、金属、およびカーボンナノチューブなどの炭素材料からなる群から選ばれる少なくとも一種類以上を含む混合物からなる薄膜を、陽極に用いても良い。
さらに、該陽極に、光を反射させる材料を用いても良く、かかる材料としては、仕事関数が3.0eV以上の金属、金属酸化物、金属硫化物が好ましい。
陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができ、例えば5nm〜10μmであり、好ましくは10nm〜1μmであり、さらに好ましくは20nm〜500nmである。
(陽極側インターレイヤー)
上述のように、前記陽極と発光層との間に、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層などの陽極側インターレイヤーが積層される。
(正孔注入層)
正孔注入層は、上述のように、陽極と正孔輸送層との間、または陽極と発光層との間に設けることができる。正孔注入層を形成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
また、このような正孔注入層の厚みとしては、5〜300nm程度であることが好ましい。この厚みが5nm未満では、製造が困難になる傾向があり、他方、300nmを超えると、駆動電圧、および正孔注入層に印加される電圧が大きくなる傾向となる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
これらの中でも、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の厚みは、特に制限されないが、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、1〜1000nm程度であることが好ましい。この厚みが前記下限値未満となると、製造が困難になる、または正孔輸送の効果が十分に得られないなどの傾向があり、他方、前記上限値を超えると、駆動電圧および正孔輸送層に印加される電圧が大きくなる傾向がある。したがって正孔輸送層の厚みは、上述のように、好ましくは、1〜1000nmであるが、より好ましくは、2nm〜500nmであり、さらに好ましくは、5nm〜200nmである。
(有機発光層)
有機発光層は、通常、主として蛍光または燐光を発光する有機物(低分子化合物および高分子化合物)を含む。なお、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。本発明において用いることができる有機発光層を形成する材料としては、例えば、以下の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、およびドーパント材料などが挙げられる。
上記色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
上記金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
上記高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
上記有機発光層形成材料のうち青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、上記有機発光層形成材料のうち緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、上記発光層形成材料のうち赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
上記有機発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
なお、かかる有機発光層の厚さは、通常、2nm〜200nmである。
(陰極側インターレイヤー)
上述のように、前記発光層と後述の陰極との間に、必要に応じて、電子注入層、電子輸送層などの陰極側インターレイヤーが積層される。
(電子輸送層)
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
(電子注入層)
電子注入層は、先に述べたように、電子輸送層と陰極との間、または発光層と陰極との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
前記アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
前記アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
さらに、金属、金属酸化物、金属塩をドーピングした有機金属化合物、および有機金属錯体化合物、またはこれらの混合物も、電子注入層の材料として用いることができる。
この電子注入層は、2層以上を積層した積層構造を有していても良い。具体的には、Li/Caなどが挙げられる。この電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法などにより形成される。
この電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
(陰極)
陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料および/または電気伝導度が高い材料および/または可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛(ZnO)等の無機半導体などを挙げることができる。
上記金属としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属やIII−b属金属等を用いることができる。これら金属の具体的例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等を挙げることができる。
また、合金としては、上記金属の少なくとも一種を含む合金を挙げることができ、具体的には、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を挙げることができる。
陰極は、必要に応じて透明電極もしくは半透明電極とされるが、それらの材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、IZOなどの導電性酸化物;ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの導電性有機物を挙げることができる。
なお、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。また、電子注入層が陰極として用いられる場合もある。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば、10nm〜10μmであり、好ましくは、20nm〜1μmであり、さらに好ましくは、50nm〜500nmである。
(上部封止膜)
上述のように陰極が形成された後、基本構造として陽極−発光層−陰極を有してなる発光機能部を保護するために、該発光機能部を封止する上部封止膜が形成される。この上部封止膜は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
なお、基板および上部封止膜により発光機能部が被包されていても、プラスチック基板はガラス基板に比べて、ガスおよび液体の透過性が高く、また有機発光層などの発光物質は酸化されやすく、水と接触することにより劣化しやすいため、前記基板としてプラスチック基板が用いられる場合は、プラスチック基板上にガスおよび液体に対するバリア性の高い下部封止膜を積層し、その後、この下部封止膜の上に上記発光機能部を積層する。この下部封止膜は、通常、上記上部封止膜と同様の構成、同様の材料にて形成される。
[有機EL素子の製造方法]
以下、本発明にかかる有機EL素子の製造方法について、さらに詳しく説明する。
(陽極形成工程)
前述のいずれかの基板材料からなる基板を準備する。ガスおよび液体の透過性が高いプラスチック基板を用いる場合は、必要に応じて、基板上に下部封止膜を形成しておく。
次に、準備した基板上に前述のいずれかの陽極材料を用いて、陽極をパターン形成する。この陽極を透明電極とする場合には、前述のように、ITO、IZO、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料を使用する。電極のパターン形成は、例えば、ITOを用いる場合、スパッタリング法により基板上に均一な堆積膜として形成され、続いて、フォトリソグラフィーによりパターニングされる。
(発光層形成領域の形成工程)
陽極の形成された基板上に絶縁膜を形成し、さらにパターニングすることで、基板の厚み方向の一方から見て、有機発光層の形成される発光層形成領域を囲う隔壁を形成する場合が流。発光層形成領域は、発光領域に相当する。有機EL素子を照明装置の光源に用いる場合、前記発光層形成領域(発光領域)は、通常、0.5cm×0.5cm以上の面積に形成される。
上記絶縁膜の役割は、複数の有機EL素子を基板上に形成する場合、各有機EL素子間の電気絶縁性を確保するとともに、発光領域を規定することにある。そのために、通常、その厚さ寸法としては0.1〜0.2μmに設定される。
前記絶縁膜の作製方法は、通常、感光性材料(フォトレジスト組成物)を用いてフォトリソグラフィーにより形成する。
上記感光性材料(フォトレジスト組成物)の塗布は、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター、スリットコーター等を用いたコーティング法により行うことができる。
上記絶縁膜を形成する絶縁性感光性材料は、ポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよい。この絶縁性を示す感光性材料としては、具体的には、ポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系の各感光性化合物を用いることができる。なお、この感光性材料には、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性を示す材料を含有させてもよい。
この絶縁膜の表面に撥インキ性を付与するために、隔壁形成用の感光性材料に撥インキ性物質を加えても良い。あるいは、絶縁膜を形成した後、その表面に撥インキ性物質を被覆させることにより、隔壁表面に撥インキ性を付与しても良い。この撥インキ性は、後述のインターレイヤー用のインキに対しても、有機発光層用のインキに対しても、撥性であることが好ましい。
(陽極側インターレイヤー形成工程)
絶縁性隔壁形成後、必要に応じて、前述の正孔輸送層などの有機材料層(陽極側インターレイヤー)を形成する。
陽極側インターレイヤーの成膜方法としては、特に制限はないが、低分子材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前述の陽極側インターレイヤー用の材料を溶解させるものであれば、特に制限はない。かかる溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
上記溶液からの成膜方法としては、凸版印刷法を用いることが好ましい。中でもフレキソ印刷法が好適である。
上記混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。かかる高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
(有機発光層形成工程)
従来の有機EL素子の製造方法における有機発光層の形成工程では、図1に示すように、前記凸版印刷版1の凸部2の凸面2aを前記有機発光層の形成領域に対応する形状および寸法に形成し、この凸面2aの上に有機発光インキ3を付着させ、この有機発光インキ3を前記有機発光層の形成領域に転写していた。
これに対して、本発明の有機EL素子の製造方法における有機発光層形成工程の特徴は、図2に示すように、有機発光層の形成される発光層形成領域に対応する形状の凸部12を有する凸版印刷版11を用いて、有機発光材料と溶媒とを含む有機発光インキを前記発光層形成領域に塗布することで有機発光層を形成し、前記凸部12が、表面部に複数本の凹溝12bを有する。前記凸部12の表面部において、複数本の凹溝12bは、それぞれ短手方向に所定の間隔をあけてストライプ状に配置されることが好ましく、さらには前記所定の間隔が、一定の間隔であることが好ましい。ここで短手方向とは、凹溝の深さ方向、および凹溝の延びる方向(長手方向)にそれぞれ垂直な方向である。以下、隣接して配置される凹溝12bと凹溝12bとの間の部位を、凸条12aという。したがって後述する凸条12aの幅とは、前記所定の間隔または前記一定の間隔に相当する。複数本の凹溝12bを短手方向に所定の間隔をあけてストライプ状に配置すると、表面部において凹溝12bと凸条12aとが交互に形成される。なお発光層形成領域に対応する形状とは、凸部12の表面の輪郭が、発光層形成領域の輪郭と略一致する形状である。
これら凸条12aと凹溝12bとは、等間隔に設けてもよいし、等間隔に設けなくてもよいが、前記凸部の表面部において、前記複数本の凹溝がそれぞれ短手方向に一定の間隔をあけてストライプ状に配置されることが好ましい。また、複数本の凹溝12bの長手方向の少なくとも一端が、前記凸部12の側面に開放することが好ましい。すなわち複数本の凹溝12bの長手方向の少なくとも一端が、前記凸部12の側面にまで達することが好ましく、さらには前記凸部12の表面部において、凹溝12bが、凸部12の両側面間にわたって形成されることが好ましい。凹溝12bの長手方向の少なくとも一端が開放されていることにより、有機発光インキの転写時に塗膜に生じる負圧を緩和することができるものと推察される。
前記凸条12aと凹溝12bの寸法、すなわちストライプのラインアンドスペースの寸法の好適な範囲は、特に限定されないが、インキ濃度、粘度、溶媒蒸発速度等に応じて適宜設定される。図3を参照して説明すると、前記凸条12aの高さ寸法(凹溝12bの深さ)hとしては、5μm〜50μmが好ましく、凸条12aの幅寸法(ラインの幅寸法)としては10μm〜100μmが好ましく、凹溝12bの幅寸法(スペースの幅寸法、凹溝の短手方向の幅)としては10μm〜100μmが好ましい。
前記凹溝12bの長手方向、すなわちストライプの形成方向は、特に限定されないが、凸版印刷の印刷方向に平行であることが好ましい。
上記有機発光インキは、有機発光材料を溶剤に溶解または安定に分散させて調製する。この有機発光材料を溶解または分散する溶剤としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶剤が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が、有機発光材料の良好な溶解性を有することから好ましい。
なお、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
なお、発光層形成領域の面積が、1cm×1cm以上であることが好ましい。このような広い面積であっても、有機発光インキを均一に塗布することができるので、広い発光面積を有する有機EL素子を塗布法で簡易に製造することができる。
(陰極側インターレイヤー形成工程)
上記有機発光層の形成後、必要に応じて、電子輸送層や電子注入層などの陰極側インターレイヤーを形成する。
この陰極側インターレイヤーの形成方法は、電子輸送層の場合、特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が例示され、高分子電子輸送材料では、溶液または溶融状態からの成膜による方法が例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液から電子輸送層を成膜する方法としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する方法と同様の成膜法を用いることができる。
また、電子注入層の場合、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等を用いて形成される。
(陰極形成工程)
陰極は、先述のいずれかの材料を用い、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、および金属薄膜を圧着するラミネート法などにより形成する。
前述のようにして、陰極を形成した後、基本構造として陽極−発光層−陰極を有してなる発光機能部を保護するために、該発光機能部を封止する上部封止膜を形成する。この上部封止膜は、必要に応じて、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層とから構成する。これらの積層数は、必要に応じて決定し、基本的には、無機層と有機層は交互に積層する。
以下、本発明の実施例を示すが、以下に示す実施例は、本発明を説明するための好適な例示であって、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1)
凸版印刷版を用いて、ガラス基板上に有機発光インキを塗布した。ガラス基板には、200mm(縦)×200mm(横)×0.7mm(厚み)の透明ガラス板を用いた。
またインキとして、アニソールとシクロへキシルベンゼンとを重量比1:1で混合した混合溶媒に、高分子発光材料(サメイション製、商品名「GP1300」)を溶解して有機発光インキを調整した。有機発光インキにおける高分子発光材料の濃度を1重量%とした。
印刷に用いた印刷機は、日本写真印刷(株)製の「オングストローマーSDR−0023(商品名)、版ドラム直径:80mm」であった。印刷速度は50mm/秒とした。
版と基板とが接触する状態を印刷押し込み量0μmとして、その位置から版を50μm押し付けた状態(印刷押し込み量=50μm)で印刷した。
印刷版としてポリエステル系樹脂製のフレキソ印刷版を用いた。このフレキソ印刷版の表面部には、等間隔で配置された複数本の凹溝が形成されている。凸条の短手方向の幅(ライン)は、40μmであり、凹溝の短手方向の幅(スペース)は、40μmであった(ライン/スペース=40μm/40μm)。凸条の高さは15μmであった。
(実施例2)
フレキソ印刷版のみを異ならせて、実施例1と同様にガラス基板上に有機発光インキを塗布した。
用いたフレキソ印刷版の表面部には、等間隔で配置された複数本の凹溝が形成されている。凸条の短手方向の幅(ライン)は、30μmであり、凹溝の短手方向の幅(スペース)は、50μmであった(ライン/スペース=30μm/50μm)。凸条の高さは15μmであった。
(比較例1)
フレキソ印刷版のみを異ならせて、実施例1と同様にガラス基板上に有機発光インキを塗布した。フレキソ印刷版は、表面が平坦な版(ベタ版)を用いた。
(比較例2〜6)
フレキソ印刷版のみを異ならせて、実施例1と同様にガラス基板上に有機発光インキを塗布した。比較例2〜6では、網版を用いた。比較例2、3、4、5、6では、それぞれ100/インチ、200/インチ、400/インチ、600/インチ、900/インチの網版を用いた。網点の高さは15μmであった。
(評価)
紫外線を印刷物に当て、塗布膜からの蛍光(PL)の強度分布を光学顕微鏡で観察し、印刷膜厚分布(印刷ムラ)を評価した。この評価結果を表1に示す。
Figure 0005314314
なお、表1において、記号「○」は、印刷ムラがなかったことを表し、記号「×」は、印刷ムラがあったことを表す。
以上の結果から、凸版印刷版の凸部表面に複数本の凹溝を形成することにより、均一な膜厚で有機発光インキを塗布できることが確認された。
以上のように、本発明によれば、発光面における発光ムラや発光不良の発生のない発光特性に優れた有機EL素子および該有機EL素子を有する照明装置を効率的に製造することができる。
従来の有機EL素子の製造において有機発光層を形成するために用いられている凸版印刷版の凸部の表面構造を示す該凸部の断面構成図である。 本発明の有機EL素子の製造において有機発光層を形成するために用いられている凸版印刷版の凸部の表面構造を示す該凸部の断面構成図である。 図2に示した凸版印刷版の凸部表面の拡大断面構成図である。
符号の説明
3 有機発光インキ
11 凸版印刷版
12 凸部
12a 凸条
12b 凸溝

Claims (4)

  1. 少なくとも陽極と、陰極と、陽極および陰極の間に設けられる有機発光層とを積層することで有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、
    前記有機発光層の形成される発光層形成領域に対応する形状の凸部を有する凸版印刷版を用いて、有機発光材料と溶媒とを含む有機発光インキを前記発光層形成領域に塗布して有機発光層を形成する有機発光層形成工程を有し、
    前記凸部が、表面部に複数本の凹溝と凸条とを有し、前記凹溝の短手方向における幅が40μm以上50μm以下であり、前記凸条の短手方向における幅が30μm以上40μm以下であり、
    前記発光層形成領域の面積が、1cm×1cm以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記複数本の凹溝の長手方向の少なくとも一端が、前記凸部の側面に開放していることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法を用いて得られた有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含むことを特徴とする照明装置。
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