JP2008077912A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
正孔輸送層に代表される発光補助層および有機発光層を、インキを用いてウェットコート法で基板上に形成した場合の、隔壁内における膜厚差による発光ムラの影響を防止し、均一な発光が可能な有機EL素子を提供することを課題とする
【解決手段】
少なくとも基板上に陽極と陰極とを備え、両電極間に有機発光層と発光補助層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、有機発光層形成材料若しくは発光補助層形成材料を溶媒に溶解または分散させたインキを基板上に塗布若しくは印刷する工程と、該インキが配置された基板に対し超音波振動を付与する工程を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とした。
【選択図】図1
正孔輸送層に代表される発光補助層および有機発光層を、インキを用いてウェットコート法で基板上に形成した場合の、隔壁内における膜厚差による発光ムラの影響を防止し、均一な発光が可能な有機EL素子を提供することを課題とする
【解決手段】
少なくとも基板上に陽極と陰極とを備え、両電極間に有機発光層と発光補助層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、有機発光層形成材料若しくは発光補助層形成材料を溶媒に溶解または分散させたインキを基板上に塗布若しくは印刷する工程と、該インキが配置された基板に対し超音波振動を付与する工程を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ディスプレイやその他所定のパターン等の発光表示などに用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層の形成方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)は、基板上に少なくとも陽極と有機発光層と陰極を含み、電極間に電界を印加することにより該有機発光層に電子と正孔を注入し発光させる素子である。有機EL素子は自発光型素子であることから、液晶ディスプレイのようにバックライトを用いなくても表示が可能である。また、構造が単純であるため薄く、軽量な素子を作製することができ、現在活発に研究が行われている。また、有機EL素子は陽極、陰極間に有機発光層だけ出なく、発光補助層を備えている場合もある。発光補助層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等がある。
有機EL素子の有機発光層に用いられる有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は蒸着法等の真空成膜法(ドライコーティング法)により薄膜形成される。しかし、フルカラーの有機EL素子を製造する場合、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)といった3色の異なる発光を有する有機発光層を画素毎にパターン形成する必要がある。このとき、真空成膜法により有機発光層のパターニングをおこなう場合には微細パターンを有するマスクを用いるが、マスクを用いてパターニングをおこなう方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題があった。また、真空成膜法の中でも蒸着法を用いた場合には、蒸着源が通常ボートのピンホールや坩堝のような点形状であるため、大型化した基板に対し膜厚が均一になるように薄膜層を形成するのが困難であるという問題もあった。
これに対し、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶媒に溶解若しくは分散させインキ(塗工液)とし、これを塗布法や印刷法といったウェットコーティング法にて薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。ウェットコーティング法を用いることによって均一に薄膜を形成することが可能になるため、大型基板を用いた際に有利になることから盛んに研究開発が行われている。また、ウェットコーティング法を用いた場合、真空装置を用いる必要がないため、蒸着法やスパッタリング法といったドライコーティング法と比較してコストの面からも有利である。
高分子系有機発光材料を用いた有機EL素子の構造は主に正孔輸送層/有機発光層/陰極となっており、陽極、陰極といった電極を除いてすべてウェットコーティング法により作成することが可能である。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スリットコート法、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、吐出コート法、ロールコート法等の塗布法や、凸版印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法といった印刷法がある。特に、印刷法は有機発光層を、画素ごとにR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の異なる発光色を有する有機発光層に塗りわけをおこないパターニングする場合においては、塗り分け、パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる(特許文献1、2、3参照)。
また、発光補助層である正孔輸送層をウェットコート法により形成する場合、パターニングせずに、有機EL素子の画像形成に関わる部分全体に全面塗布いわゆるベタ塗りする方法が一般的であり、スピンコート法やダイコート法といったコーティング法を用いて形成されてきた。これは、正孔輸送層の膜厚は一般に100nm以下の薄膜であり、層の横方向へ流れる電流よりも厚み方向へ流れる電流のほうが圧倒的に流れやすく、よって電極がパターニングされていれば、電流の画素の外へのリークは非常に少ないことによる。
正孔輸送層を形成する正孔輸送材料は(3、4−ポリエチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT/PSS)といった高分子材料からなる。このような正孔輸送材料はウェットコート法に適したインキに調整される。
ここで、PEDOT/PSSに代表される正孔輸送層材料はその溶媒に対し多くても5%程度しか溶解することが出来ない。これにより、溶解または分散する正孔輸送層材料によるがこれらのインキの粘度は低く、よって塗膜の流動性は大きくなる。そして、流動性が大きくなることにより、正孔輸送インキを塗布した基板は、基板の傾きや搬送中の揺れ、風等の周囲の環境の影響を受けやすくなる。これら周囲の環境によっては、容易にインキ状態でのウェット膜厚が変化し、その結果、乾燥後の正孔輸送層の膜厚が10nm程度変化する場合がある。実際には、形成された正孔輸送層材料の膜厚が数nm異なるだけで発光状態に影響を及ぼすために塗布後の基板の取り扱いは非常に重要である。
また、フルカラーの有機EL素子を形成するにあっては、基板上に形成される陽極パターン間に隔壁が設けられる。隔壁は、基板上にパターニングされた陽極のエッジ部を覆い通電したときのショートを防ぐことと、3色に塗り分けられる有機発光層の混色を防ぐことを主な目的として設けられる。このような隔壁が設けられた凹凸のある基板に対し、低濃度且つ低粘度の正孔輸送層インキを塗布した場合には、隔壁近傍において液溜まりりが発生しやすい。すなわち、隔壁に囲まれた画素に対応する陽極にウエットプロセス法により形成される正孔輸送層において、画素中央に形成される正孔輸送層の膜厚と比較して、画素周辺部である隔壁近傍に形成される正孔輸送層の膜厚が大きくなってしまう。そして、画素内において正孔輸送層の膜厚が不均一になると、発光ムラが生じるという問題が発生する。
本発明では、以上のような正孔輸送層に代表される発光補助層および有機発光層を、インキを用いてウェットコート法で基板上に形成した場合の、隔壁内における膜厚差による発光ムラの影響を防止し、均一な発光が可能な有機EL素子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1にかかる発明としては、少なくとも基板上に陽極と陰極とを備え、両電極間に有機発光層と発光補助層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、有機発光層形成材料若しくは発光補助層形成材料を溶媒に溶解または分散させたインキを基板上に塗布若しくは印刷する工程と、該インキが配置された基板に対し超音波振動を付与する工程を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とした。
また、請求項2にかかる発明としては、少なくとも基板上に第一電極と第二電極を備え、両電極間に正孔輸送層、有機発光層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、正孔輸送層形成材料を溶媒に溶解または分散させた正孔輸送インキを基板上に塗布若しくは印刷する工程と、該正孔輸送インキが配置された基板に対し超音波振動を付与する工程を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とした。
また、請求項3にかかる発明としては、前記インキを基板上に塗布する方法が、スリットコート法であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とした。
また、請求項4にかかる発明としては、前記インキの表面張力が50mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法とした。
本発明において、ウェットコート法によって塗布した後の基板に対して超音波振動を与えることにより形成される正孔輸送層の膜厚ムラが改善することが可能となった。
本発明の有機EL素子について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に本発明の有機EL素子の断面模式図を示した。図1の有機EL素子においては、基板1上に、陽極2、正孔輸送層4、有機発光層5、陰極6を備える。陽極2、陰極6間には有機発光層5が設けられ、陽極2と有機発光層5の間に正孔輸送層4が設けられる。また、陽極2パターン間には、隔壁3が設けられる。基板1上に、陽極2、隔壁3、正孔輸送層4、有機発光層5、陰極6が設けられた有機EL構成体は、電極や有機発光層を外部の環境から保護するための封止体7が設けられる。封止体7は、封止キャップ7a、接着剤7b、乾燥剤7cを備える。
また、本発明の有機EL素子にあっては、陽極と陰極の間には有機発光層の他に発光補助層を備える。発光補助層としては、図1に示した正孔注入層の他に、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる。これらの発光補助層は適宜選択されるが、複数選択してもよい。正孔注入層は陽極と有機発光層の間に設けられる。電子注入層、電子輸送層は有機発光層、陰極間に設けられる。また、本発明の有機EL素子にあっては、陽極、陰極、有機発光層、正孔輸送層は単層構造ではなく、多層構造としてもよい。
また、本発明の有機EL素子にあっては、パッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の陽極及び陰極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を形成した、いわゆるTFT基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。アクティブマトリックス方式有機EL素子の場合、陽極、陰極の一方の電極はTFT基板上に画素毎に設けられ、もう一方の電極は画素全体に設けられる。
また、本発明の有機EL素子にあっては、発光した光を基板側から取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子、発光した光を基板と反対側から取り出すトップエミッション方式の有機EL素子のどちらでもかまわない。ボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板及び陽極が光透過性を有する必要があり、トップエミッション方式の有機EL素子とするためには、陰極及び封止体が光透過性を有する必要がある。
また、本発明の有機EL素子においては、図1とは逆に、基板上に、陰極、有機発光層、正孔輸送層、陽極の順に設けてもよい。
次に、図1に示した本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる基板1としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を出射するボトムエミッション素子の場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
例えば、このような基板としては、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
前記金属酸化物薄膜としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等が例示できる。前記金属弗化物薄膜としては、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等が例示できる。金属窒化物薄膜としては、窒化珪素、窒化アルミニウム等が例示できる。また、前記高分子樹脂膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できる。また、トップエミッション素子の場合には、不透明な基板を使用することもできる。例えば、シリコンウエハ、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、金属シート金属板等である。また、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属薄膜を積層させたものを用いることも可能である。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、前記基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、駆動用基板としても良い。TFTの材料としては、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導体等の有機TFTでもよく、また、アモルファスシリコンやポリシリコンTFTでもよい。また、前記基板のどちらかの面にカラーフィルタ層や光散乱層、光偏光層等を設けて基板としてよい。
次に、この基板1上に、陽極2を形成する。陽極形成材料として、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物が利用できる。被膜形成方法としてはドライコーティング方式が利用できる。例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等である。そして、真空製膜された金属酸化物被膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工することができる。パッシブマトリックス方式の有機EL素子の場合には、陽極はストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の有機EL素子の場合には、陽極はドット状にパターン形成される。
陽極2を形成後、隣接する陽極パターンの間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィー法により隔壁3が形成される。さらに詳しくは、感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、パターン露光、現像、焼成して隔壁パターンを形成する工程と、を少なくとも有する。
隔壁3を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が十分な絶縁性を有さない場合には隔壁を通じて隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。感光性材料としては、具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。また、有機ELディスプレイパネルの表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
隔壁3を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、パターン露光、現像して隔壁パターンを形成する工程では、従来公知の露光、現像方法により隔壁部のパターンを形成できる。また焼成に関してはオーブン、ホットプレート等での従来公知の方法により焼成を行うことができる。
隔壁3は、厚みが0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。隔壁3を隣接する画素電極間に設けることによって、電極パターン上に塗布された正孔輸送インキはレベリングとともに隔壁上の膜厚は薄くなることから隣接画素間のリーク等が発生しにくくなるし、また陽極端部からのショート発生を防ぐことが出来る。また、異なる発光色を有する有機発光材料を溶媒に溶解または分散させた有機発光インキを用いて画素ごとに塗り分けをおこなう場合、隣接する画素との混色を防止することが出来る。隔壁が低すぎると隣接画素間で正孔輸送層経由でのリーク電流の発生やショートの防止、混色の効果が得られないことがあり注意が必要である。
隔壁3形成後、正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4の形成材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。本発明では上に挙げた材料を用いて、ウェットコート法によって成膜された膜を、超音波振動によって画素内で平坦化をおこなう。
すなわち、本発明の正孔輸送層の平坦化方法とは、ウェットコーティング装置によって塗布された未乾燥状態の前記正孔輸送インキが塗布された基板を、超音波振動ステージ上に静置した後、超音波振動を与える事によっておこなうものである。図2に本発明の超音波振動付与装置を示した。図2においては未乾燥の正孔輸送インキ4xが塗布された基板1が超音波振動ステージ11上に載置されている。超音波振動ステージは振動子を有しており、振動子の振動により基板に超音波振動を付与することが出来る。
本発明においては以上のように塗布後に塗膜に超音波振動を与える工程を含むため、塗膜の乾燥速度が速いと平坦化が進む前に塗膜が乾燥してしまう、そのため溶媒の乾燥速度が速くないことが望まれる、具体的には25℃における蒸気圧が3.5kPa以下であることが好ましい。
正孔輸送層材料を溶解または分散する溶媒としては、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。
前記インキの表面張力は50mN/m以下に調整することが望ましい。表面張力が50mN/mよりも大きくなると塗膜を塗布した直後からその表面張力により液のよりが発生してしまうためである。また溶媒が水を中心とする場合には、表面張力を下げるためには水に対して10−30vol%程度のアルコール類を入れることがのぞましい。水に対するアルコールの濃度が30vol%を超えると水との蒸発速度差からムラが発生しやすくなり、さらに分散体の凝集などの問題が起こる。また、10vol%以下であると表面張力を下げるのに不十分である。以上のような溶媒を用いたインキの濃度は通常0.01%−10%程度、好ましくは0.1%−3%固形分を含むように調整される。
以上のような溶媒にてインキ化された材料をウェットコート法によって基板に塗布する。ウェットコート法としては、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、吐出コート法、ロールコート法などの塗布法や、凸版印刷法、インクジェット印刷法、凹版印刷法などの印刷法が挙げられる。
本発明においては特にスリットコート法を用いて正孔輸送層を成膜したときにその平坦化効果が高く、好ましい。特に、隔壁を有する凹凸のある基板に対し正孔輸送インキを塗布し均一な膜厚を有する正孔輸送層を形成する場合、従来薄膜を形成する際に用いられるスピンコート法では基板の中心部と基板端部で膜厚を均一にすることが難しい。これに対し、スリットコート法はカラーフィルタの製造などにおいて実用化されており大面積に均一に塗布でき、材料の利用効率も高いという特徴を持っている。しかし、カラーフィルタにおいては塗布後の膜を安定化させるために多数の添加剤を投入することが可能であるが、材料の純度が発光に大きな影響を及ぼす有機エレクトロルミネッセンス素子では、正孔輸送インキに添加剤を投入するのは好ましくない。そこで本発明を用いることにより、添加剤を投入することなく塗膜を平滑に形成できるので、有機ELディスプレイパネルの製造においてもスリットコート法を好適に用いることが出来る。
図3に本発明のスリットコート式塗布装置の模式図を示した。スリットコート式塗布装置は、インキ溜まり21aとスリット状開口21bとを備えた塗布ヘッド21を備えている。塗布ヘッド21は、インキタンク22と配管23でつながっており、ポンプによりインキが送液される。また、基板1はステージ24に載置される。塗布ヘッド21は、基板1に対しスリット状開口を所定の距離離間させた状態で相対的に移動可能である。このときステージを移動させる機構であっても、塗布ヘッドを移動させる機構であってもよい。本発明の好ましい態様として、塗布装置において基板を載置するステージ(図3にあってはステージ24)が、超音波付与機構を有しているステージであることが挙げられる。塗布装置のステージが超音波付与機構を有することにより、インキを塗布後に即座に超音波をインキが配置された基板に付与することが可能となる。
本発明にあっては、ウェットコート法によって正孔輸送インキが塗布された基板を超音波ステージに静置し、超音波振動を与え塗膜の平坦化をおこなう。本発明に用いる超音波の周波数は5kHz〜100kHzの範囲であることが望ましい。周波数が5kHzより低いとインキ表面に伝わるエネルギーが十分ではなく、また100kHz以上であると塗膜中にてキャビテーションが発生しやすくなり塗膜面を荒らす可能性が高くなるためである。
また超音波振動を与える時間は0.1s〜15sであることが望ましい。0.1s未満の短時間では塗膜表面の平坦化は進まず、また塗膜の乾燥が十分ではなく超音波振動を与えて平坦化した後にも流動により塗膜の膜厚にムラが出来る可能性がある。15sを超える長時間振動を行うと基板に生じた微細欠陥から基板に亀裂が入り、破損する可能性が高くなる。同様に超音波エネルギー密度は3W/cm2以下であることが望ましい。これよりも高出力を基板に与えると基板が破損する恐れがある。
以上のようにして塗布膜を平坦化した後、速やかに乾燥を行うことが望ましい。乾燥はオーブンやホットプレートなどの既知の加熱方法のいずれを用いてもよい。正孔輸送層の焼成温度は正孔輸送層がPEDOT/PSSの場合、130℃〜230℃で10分〜60分間加熱することが好ましい。ここで焼成温度が130℃未満では正孔輸送層の焼成条件としては低く、正孔輸送層からの水分の蒸発不足などの問題が懸念される。水分が隔壁中に残ると発光材料が水分により汚染劣化されてしまうためである。また230℃以上では温度が高すぎるために正孔輸送層が熱劣化してしまう危険がある。また時間が10分以下では短いために焼成不足となるし、60分以上では生産性が劣るため好ましくない。また、乾燥する際に減圧下で乾燥してもよいし、窒素雰囲気下で乾燥してもよい。
正孔輸送層4形成後、有機発光層5を形成する。有機発光層5は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層5を形成する有機発光材料は、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系、ポリフェニレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。又、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
有機発光層5の形成方法としては、本発明のスリットコート法の他にインクジェット法や凸版印刷法、凹版オフセット印刷法、凸版反転オフセット印刷法等によりパターン形成することが可能である。なお、本発明のスリットコート法を用いて有機発光層を形成した場合は、各色の塗り分けが難しいため単色のディスプレイパネルとなる。
次に、陰極6を形成する。陰極層6の材料としては、有機発光層5への電子注入効率の高い物質を用いる。具体的には、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。陰極層6を透光性電極層として利用する場合には、仕事関数が低いLi、Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、前記有機発光層5に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
陰極6の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。陰極の膜厚が10nm未満であると膜のピンホールが十分に埋められずショートの原因となる。また1000nmより大きいと製膜時間が長くなり生産性が悪くなる。なお、陰極のパターニングについては、成膜時にマスクを用いることによりパターン形成をおこなうことができる。
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、封止体7を用いて有機EL構成体を封止する。封止体7としては、凹部を有する封止キャップ7aを用い、封止キャップ7aと基板1を接着剤7bを介して貼りあわせる方法を用いることができる。また、封止キャップ7aと基板1で密封させた空間には乾燥剤7cを備えることが出来る。
封止キャップ7aとしては、金属キャップ、ガラスキャップを用いることができる。接着剤7bとしては、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等のアクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を用いることが出来る。また、紫外線硬化型エポキシ系接着剤も利用できる。乾燥剤7cとしては、酸化バリウムや酸化カルシウムを用いることができる。
また、この他にも有機EL構成体にバリア層を形成し、バリア層を封止体とすることも可能である。このとき、バリア層としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等を用いることができ、これらは、CVD法等の真空成膜法により有機EL構成体全面を覆うように形成される。また、バリア層が形成された有機EL素子は接着層を介して封止基板と貼りあわせ、これらを封止体とすることも可能である。
なお、本発明の有機EL素子において超音波振動を付与し形成された膜を均一化する工程は、正孔輸送層以外にも適用できる。例えば、有機発光層を溶媒に溶解または分散させて有機発光インキとし、これらを基板上にウェットコート法で形成する場合にも適用できる。また、他の発光補助送形成材料を溶媒に溶解または分散させてインキとし、これらを基板上にウェットコート法で形成する場合にも適用できる。
本発明の実施例について述べる。対角1.8インチのガラス基板の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、画素電極を形成した。画素電極のラインパターンは、線幅136μm、スペース30μmでラインが約32mm角の中に192ライン形成されるパターンとした。
次に隔壁を以下のように形成した。画素電極を形成したガラス基板上にポジ型感光性ポリイミドを全面スピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後500rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、隔壁の高さを2.0μmとした。全面に塗布した感光性材料に対し、フォトリソグラフィー法により露光、現像を行い画素電極の間にラインパターンを有する隔壁を形成した。この後隔壁を230℃30分でオーブンにて焼成をおこなった。
次に、正孔輸送インキとしてPEDOT/PSS水分散液であるバイトロンCH−8000を60%、超純水を20%、1−プロパノールを20%混合し、インキとした。1−プロパノールは単体では20℃での蒸気圧1.87kPa、沸点97.2℃、表面張力23.7mN/mであり、水和性を有し、自由に混合するという性質を持っている。このPEDOT水溶液を用い粘度を測定したところ17.5mPa・s、表面張力は32.8mN/mであった。上記のインキを用いてスピンコート法にて基板上に正孔輸送層を形成した。尚、正孔輸送インキ塗布前の基板に前処理としてオーク製作所製 UV/O3洗浄装置にて3分間紫外線照射を行った。塗布後速やかに超音波振動ステージに静置し15kHz、60Wの条件で7秒間振動を与えた。その後速やかに130℃のオーブンに移し20分間ベークした。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、隔壁に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンにあわせて有機発光層をインクジェット法によりパターン形成を行った。このとき乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
その上にCa、Alからなる陰極層を画素電極のストライプパターンと直交するようなストライプパターンで抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップとエポキシ系の接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子の表示部の周辺部には各画素電極に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより、有機ELディスプレイパネルを得た。
実施例1において、正孔輸送層塗布工程としてスリットコート法を用いた。その他については実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、これらを電源に接続することにより有機ELディスプレイパネルを得た。
実施例1において、正孔輸送インキとしてバイトロンCH−8000を70%、超純水を25%、1−プロパノールを5%を混合し、インキとした。このインキを用い粘度を測定したところ12.5mPa・s、表面張力は62mN/mであった。得られたインキを用い、その他は実施例1と同様に有機EL素子を作製し、これらを電源に接続することにより有機ELディスプレイパネルを得た。
(比較例1)
実施例1において、正孔輸送塗布工程をスピンコート法でおこない、平坦化処理を行わずに塗布後速やかに130℃で20分ベークを行った。その他は実施例1と同様に有機EL素子を作製し、これらを電源に接続することにより有機ELディスプレイパネルを得た。
実施例1において、正孔輸送塗布工程をスピンコート法でおこない、平坦化処理を行わずに塗布後速やかに130℃で20分ベークを行った。その他は実施例1と同様に有機EL素子を作製し、これらを電源に接続することにより有機ELディスプレイパネルを得た。
実施例1、2、3及び比較例1において得られた正孔輸送層が形成された基板及び有機ELディスプレイパネルについて、以下の評価をおこなった。
(1)画素内の正孔輸送層の形状
正孔輸送層が形成された基板に対し、画素内における正孔輸送層の膜厚を、触針式膜厚計を用いて測定した。このとき、画素中心部の膜厚を基準として、その膜厚の変化量がが±10%の範囲に収まる幅、すなわち(画素中心部の膜厚)*90%〜(画素中心部の膜厚)*110%である部分の幅をaとし、隔壁間の幅をbとしたときの、(a/b)*100を平坦率(%)として算出した。よって、平坦率の値が高いほど画素内においてが均一に発光する部分が大きく、画素内での発光ムラの少ない有機EL素子とすることが出来る。また、測定は、基板中央と基板端部の2箇所についておこなった。なお、発明者らの実験によれば平坦率80%以上であれば画素内のムラは目視で確認することができなくなることが分かっている。図4に形成された正孔輸送層の平坦率の説明図を示した。なお、正孔輸送層が形成された基板とは、ベーク後の有機発光層が形成される前の基板のことである。
正孔輸送層が形成された基板に対し、画素内における正孔輸送層の膜厚を、触針式膜厚計を用いて測定した。このとき、画素中心部の膜厚を基準として、その膜厚の変化量がが±10%の範囲に収まる幅、すなわち(画素中心部の膜厚)*90%〜(画素中心部の膜厚)*110%である部分の幅をaとし、隔壁間の幅をbとしたときの、(a/b)*100を平坦率(%)として算出した。よって、平坦率の値が高いほど画素内においてが均一に発光する部分が大きく、画素内での発光ムラの少ない有機EL素子とすることが出来る。また、測定は、基板中央と基板端部の2箇所についておこなった。なお、発明者らの実験によれば平坦率80%以上であれば画素内のムラは目視で確認することができなくなることが分かっている。図4に形成された正孔輸送層の平坦率の説明図を示した。なお、正孔輸送層が形成された基板とは、ベーク後の有機発光層が形成される前の基板のことである。
(2)正孔輸送層形成後の目視確認
正孔輸送層が形成された基板に対し、目視によりハジキ等の確認をおこなった。なお、正孔輸送層が形成された基板とは、ベーク後の有機発光層が形成される前の基板のことである。
正孔輸送層が形成された基板に対し、目視によりハジキ等の確認をおこなった。なお、正孔輸送層が形成された基板とは、ベーク後の有機発光層が形成される前の基板のことである。
(3)発光状態確認
得られた有機ELディスプレイに対し、電流を流すことにより有機ELディスプレイを発光させ、目視により発光状態の確認をおこなった。
得られた有機ELディスプレイに対し、電流を流すことにより有機ELディスプレイを発光させ、目視により発光状態の確認をおこなった。
以下に評価結果を示す。
なお、(表1)において、二重丸印を「非常によい」、丸印を「よい」、三角印を「やや悪い」、バツ印を「悪い」としている。
実施例1においては、形成された正孔輸送層の隔壁内形状は基板中心部において平坦率88%、基板端部において平坦率77%であり、基板中心部と基板端部でばらつきが確認された。正孔輸送層形成後の目視確認の結果、基板端部で若干のムラが確認された。また、有機ELディスプレイパネルの発光状態を目視で確認した結果、基板端部で若干暗い様子が確認された。
実施例2においては、形成された正孔輸送層の隔壁内形状は基板中心部において平坦率87%、基板端部において平坦率86%であり、基板中心部と基板端部共に画素内での膜厚ムラが少ない正孔輸送層を得ることができた。ま正孔輸送層形成後の目視確認の結果、基板全面で正孔輸送層が均一に形成されている様子が確認された。また、有機ELディスプレイパネルの発光状態を目視で確認した結果、基板全面で正孔輸送層が均一に発光している様子が確認された。
実施例3においては、形成された正孔輸送層の隔壁内形状は基板中心部において平坦率81%、基板端部において平坦率80%であり、基板中心部と基板端部ともに実施例1と比較して、若干低い平坦率となった。ただし、後述する比較例1の平坦率よりは大きい値を示した。正孔輸送層形成後の目視確認の結果、基板の一部の箇所において正孔輸送層が形成されていない箇所が確認された。また、有機ELディスプレイパネルの発光状態を目視で確認した結果、正孔輸送層形成後の目視結果と対応するように、正孔輸送層が形成されていない箇所において発光ムラが確認された。
比較例1においては、形成された正孔輸送層の隔壁内形状は基板中心部において平坦率74%、端部において平坦率68%であり、実施例1〜3と比較して基板中心部、基板端部共に平坦率が非常に低い値を示した。正孔輸送層形成後の目視確認の結果、基板全面でもや状のムラが確認された。また、有機ELディスプレイパネルの発光状態を目視で確認した結果、正孔輸送層形成後の目視結果と対応するように、もや状の発光ムラが確認された。
1:基板
2:陽極
3:隔壁
4:正孔輸送層
4x:未乾燥の正孔輸送インキ
5:有機発光層
6:陰極
7:封止体
7a:封止キャップ
7b:接着剤
7c:乾燥剤
11:超音波振動ステージ
21:塗布ヘッド
21a:インキ溜まり
21b:スリット状開口
22:インクタンク
23:配管
24:ステージ
2:陽極
3:隔壁
4:正孔輸送層
4x:未乾燥の正孔輸送インキ
5:有機発光層
6:陰極
7:封止体
7a:封止キャップ
7b:接着剤
7c:乾燥剤
11:超音波振動ステージ
21:塗布ヘッド
21a:インキ溜まり
21b:スリット状開口
22:インクタンク
23:配管
24:ステージ
Claims (4)
- 少なくとも基板上に陽極と陰極とを備え、両電極間に有機発光層と発光補助層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
有機発光層形成材料若しくは発光補助層形成材料を溶媒に溶解または分散させたインキを基板上に塗布若しくは印刷する工程と、
該インキが配置された基板に対し超音波振動を付与する工程を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 少なくとも基板上に第一電極と第二電極を備え、両電極間に正孔輸送層、有機発光層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
正孔輸送層形成材料を溶媒に溶解または分散させた正孔輸送インキを基板上に塗布若しくは印刷する工程と、
該正孔輸送インキが配置された基板に対し超音波振動を付与する工程を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記インキを基板上に塗布する方法が、スリットコート法であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記インキの表面張力が50mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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-
2006
- 2006-09-20 JP JP2006254059A patent/JP2008077912A/ja active Pending
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US11522167B2 (en) | 2017-08-29 | 2022-12-06 | Beijing Boe Technology Development Co., Ltd. | Display substrate, display apparatus, and method of manufacturing thereof |
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