JP4676664B2

JP4676664B2 - 管継手

Info

Publication number: JP4676664B2
Application number: JP2001301688A
Authority: JP
Inventors: 和夫石川; 雅也徳田
Original assignee: Tabuchi Corp
Current assignee: Tabuchi Corp
Priority date: 2001-09-28
Filing date: 2001-09-28
Publication date: 2011-04-27
Anticipated expiration: 2021-09-28
Also published as: JP2003106490A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道管などに利用する樹脂管の継手に係り、特にいわゆるワンタッチで継手作業を完了することができる構成に関するものである。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
従来から家庭用水道配管に広く用いられるようになった樹脂管を対象とした継手は種々開発されている。出願人も、例えば特開２０００−４６２７２号公報、特開２００１−４１３７８号公報に記載した発明などを開発している。ところで、これらの技術は樹脂管を確実に接続することを主たる目的としているものであり、接続作業として見れば樹脂管を継手に挿入した後に手作業で袋ナットなどの外筒を締め付けなければならない。一方、最近ではこの種の施工においても熟練者が減少しており、熟練工でない作業者にとって比較的容易に取り付け作業を行うことができる継手の要望がある。
【０００３】
いわゆるワンタッチ継手と称するものであるが、たとえば特開平４−１１９２８９号公報や、特開２０００−２６６２５２号公報に記載の技術が公知である。これらの継手は、樹脂管を差し込むだけで内部構造によって樹脂管を保持するものであるが、作業性は向上するものの、継手の確実性という面から見ればなお改良の余地がある。
【０００４】
本発明は、ワンタッチ継手の従来の課題を解決するもので、作業性を向上させながらも継手としての確実性を保持することができる構成を開示することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の継手では、上述した目的を達成するために、樹脂管を外側に挿通する継手本体のスリーブと、前記樹脂管の外周に位置し、外側にはフランジを、反対側には切り割りを有する円筒状のスプリングホルダと、前記切り割りの先端からスプリングホルダに挿通されたサポートリングと、このサポートリングを抜け方向に規制し、前記切り割りの先端側に設けたサポートリング規制部と、前記フランジとサポートリングの間に縮めた状態で保持される伸張スプリングと、前記スリーブに挿通され、前記切り割りの内周への倒れこみを規制するガイドリングと、前記フランジの外側に設けられ、縮径によって前記樹脂管に食い込むロックリングと、これらを収容し、前記ロックリングの縮径を許容するテーパ面を有する外筒とからなる構成を採用した。スプリングホルダは、この外周に伸張スプリングを縮めた状態で保持する機能を有し、外側端にはフランジを、反対側には切り割りを有する。この切り割りは、容易に内側に倒れこむ（座屈）ようにスプリングホルダを薄い素材で構成している。サポートリングは、スプリングを保持するものであり、ガイドリングが切り割りの倒れこみを規制している間はフランジとサポートリングの間にスプリングを保持する。そして、ガイドリングが樹脂管の挿入によって外れれば、切り割りが内周に倒れこみ、サポートリングが規制部との係合を外れ、スプリングが伸張する。このスプリングの伸張は、ロックリングを外筒のテーパ面に押し付けることになり、ロックリングが縮径して樹脂管の表面に食いつき、継手が完成される。即ち、本発明では、樹脂管をスリーブに挿入するという一作業のみによって継手を完成させることができる。
【０００６】
また、フランジとロックリングの間にワッシャを介してＯリングを設ける構成を採用することでスプリングの伸張により、Ｏリングが圧縮されるので、シール性を向上させることができる。
【０００７】
さらに、サポートリング規制部として、切り割りの一部を外側に折り返した折り返し部とし、または切り割りの先端部に係止用の突起を設ける手段を選択的に採用したが、この手段によればサポートリングの規制部がスプリングホルダを製造する工程で完成する。
【０００８】
さらにまた、外筒のテーパ面の一部に円周方向に確認窓を設ける手段を採用した。これは、樹脂管の挿入によってスプリングが伸張し、ロックリングを押し付けることで確認窓から押し付けられた状態のロックリングを目視する機能を有する。これによって、作業の完了が視覚的にも確認することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面に従って説明する。図１は本実施形態の管継手の半截断面を示したもので、樹脂管Ｓが継手に挿入された直後の状態を示している。ここで、１は継手本体、２は継手本体１の一部を構成する胴、３は胴２から延長され、樹脂管１を挿入するスリーブ、４は袋状の外筒であり、袋面側には樹脂管１を挿通するための孔４ａが設けられ、開口側には内側に向かって縮径された凹溝４ｂを有している。そして、スリーブ３のほぼ根元付近であって、これよりも十分に大径部分に設けられた凹条５に対してＯリング６を介して凹溝４ｂを嵌合させることにより、外筒４を継手本体に一体化する。なお、外筒４は円筒状であり、途中から袋面側に向かってテーパ面４ｃを有する縮径状に構成されている。なお、スリーブ３は継手本体１の一部ではなく、別部材とすることも可能である。また、外筒と継手本体の接合は、ピン止め等によって一体化することも可能である。
【００１０】
スリーブ３と外筒４の間には空間が形成されるが、本発明の重要な構造はこの空間部に収容されている。即ち、７はロックリングで、長手方向の一部が切り欠かれてスリットが設けられる一方、内周にのこぎり歯が形成され、縮径によってのこぎり歯が樹脂管に食い込む構造である。８は緩衝用を兼ねた止水用Ｏリング、９はワッシャである。１０は伸張スプリングで、スプリングホルダ１１の外周に縮められた状態で収容され、無端状のサポートリング１２によって伸張が規制されている。１３は作業前には樹脂管Sの先端部に位置し、かつスプリングホルダ１１の先端部分の縮径を規制するガイドリングである。１４はガイドリング１３が作業完了時に退避するためのリング状凹部である。
【００１１】
図２は、スプリングホルダ１１の詳細を示した斜視図であり、円筒状の本体１１ａの片側端部には伸張スプリング１０の規制用のフランジ１１ｂが設けられ、反対側端部には複数片の切り割り１１ｃが施されている。さらに、本実施形態では１つ飛ばしに外側への折り返し１１ｄが設けられており、サポートリング１２が常態で脱落しないようにするサポートリング規制部として機能させている。そして、この折り返し１１ｄによってサポートリング１２が脱落を規制され、フランジ１１ｂとサポートリング１２の間に伸張スプリング１０を保持している。ところで、スプリングホルダ１１は端部が複数片に切り割りされているので、何らかの規制がなければこれらの切り割り１１ｃは内周側に座屈するので、折り返し１１ｄが内側に倒れこみ、サポートリング１２が外れるようになっている。これらの構造を継手に組み込んだ場合には、ガイドリング１３が切り割りの倒れこみを規制しているので、サポートリング１２は折り返し１１ｄに引っ掛かり、スプリング１０をフランジ１１ｂとの間で保持している。なお、本実施形態ではサポートリング規制部は折り返し１１ｄとして構成したが、切り割り１１ｃが容易に内周へ倒れこむことを阻害しなければ、別途小片を張り合わせたり、図３に拡大図として示したように、切り割りの先端部を曲げ加工して外側に突起を形成することも可能である。
【００１２】
次に、図４ａ〜図４ｃに、スプリングホルダ１１、スプリング１０、サポートリング１２、およびガイドリング１３の動きを説明する。図４ａは樹脂管Ｓを挿入した直後の状態であり、樹脂管Ｓの先端がガイドリング１３に接触したところである。このときには、ガイドリング１３がスプリングホルダ１１の内周を支えているので、スプリングホルダ１１の切り割り１１ｃが内周側に倒れこむことを規制し、その結果、サポートリング１２は折り返し１１ｄに引っ掛かってスプリング１０を縮めた状態に保持する。続いて図４ｂのようにさらに樹脂管Ｓを押し込めば、ガイドリング１３が外れ、スプリングホルダ１１の材質を比較的薄いもので容易に変形する素材を選択しておけば、切り割り１１ｃは内周側に倒れこむので、サポートリング１２は折り返し１１ｄの山を乗り越えてスプリングホルダ１１から外れる。そうすると、スプリング１０は規制を解放され、その伸張力によって図４ｃに示すようにフランジ１１ｂを伸張方向に付勢する。
【００１３】
続いて、図５ａ〜図５ｃに、継手全体の動作を示す。これらは、図４ａ〜図４ｃに対応するものである。即ち、樹脂管Ｓを挿入した直後である図５ａでは伸張スプリング１０はスプリングホルダ１１のフランジ１１ｂとサポートリング１２によって伸張を規制されており、樹脂管Ｓをさらに挿入することによって図５ｂのようにいったんはロックリング７およびＯリング８が挿入方向に移動するものの、なお樹脂管Ｓを挿入することにより、図５ｃに示すようにサポートリング１２の規制が解放され、伸張スプリング１０が一気に伸張する。そして、このスプリング１０の伸張動作によって、ロックリング７がＯリング８とともに外筒４のテーパ面４ｃに押し付けられ、ロックリング７がそのテーパによって縮径するので、のこぎり歯が樹脂管Ｓの表面に食い込み、確実に樹脂管Ｓを保持する。この際、スプリング１０の伸張は一気に行われるので、その伸張力によってフランジ１１ｂがワッシャ９を叩くことになり、その衝撃音によって作業の完了を確認することができる。さらに、図５において１５で示した確認窓を外筒４に設けておくことにより、動作完了時にはロックリング７が確認窓１５から覗けるので、視覚的にも作業完了を知ることができる。
【００１４】
ところで、本実施形態では、樹脂管Ｓの挿入によってガイドリング１３を押し込むまでは、樹脂管Ｓに対して外側からの抵抗はほとんど受けることがないので、挿入作業時においてもスムーズな動作を行わしめることが可能である。
【００１５】
なお、Ｏリングについて、その利用態様を本実施形態のようにすれば、Ｏリング８がロックリング７とワッシャ９の間で強制的に圧縮されることになるので、シール効果がさらに高まるという二次的な効果があるので、これを積極的に設けることは好ましいことである。
【００１６】
【発明の効果】
本発明は、上記構成を採用したので、樹脂管をスリーブに深く差し込むだけで、伸張スプリングの伸張機能によってロックリングを樹脂管に食い込ませることができ、いわゆるワンタッチ継手として作業を行うことができる。また、サポートリングが外れた時点でスプリングは一気に伸張するので、これがロックリングなどを叩くことになり、その衝撃音によって作業完了を確認することができる。
【００１７】
さらに、ロックリングとスプリングホルダのフランジの間にＯリングを設けるようにすると、Ｏリングの圧縮によってさらなるシール性を向上させることが可能となる。
【００１８】
また、サポートリング規制部として、切り割りの一部を折り返す構成とした場合には、スプリングホルダの製造と同時にサポートリング規制部を設けることができ、工程が簡素化される。
【００１９】
さらにまた、外筒のテーパ面に確認窓を設けることによって、作業の完了を視覚的に確認することができ、より作業性は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の継手の一部断面図
【図２】スプリングホルダを示す斜視図
【図３】切り割りの変形例を示す要部断面図
【図４】それぞれ、スプリングの動作状態を示す一部断面図
【図５】それぞれ、全体の動作状態を示す一部断面図
【符号の説明】
１継手本体
２継手本体の胴
３スリーブ
４袋状の外筒
５凹条
６Ｏリング
７ロックリング
８止水用Ｏリング
９ワッシャ
１０伸張スプリング
１１スプリングホルダ
１２サポートリング
１３ガイドリング
１４リング状凹部

Claims

樹脂管の継手であって、樹脂管を外側に挿通する継手本体のスリーブと、前記樹脂管の外周に位置し、外側にはフランジを、反対側には切り割りを有する円筒状のスプリングホルダと、前記切り割りの先端からスプリングホルダに挿通されたサポートリングと、このサポートリングを抜け方向に規制し、前記切り割りの先端側に設けたサポートリング規制部と、前記フランジとサポートリングの間に縮めた状態で保持される伸張スプリングと、前記スリーブに挿通され、前記切り割りの内周への倒れこみを規制するガイドリングと、前記フランジの外側に設けられ、縮径によって前記樹脂管に食い込むロックリングと、これらを収容し、前記ロックリングの縮径を許容するテーパ面を有する外筒とからなることを特徴とする管継手。
フランジと、ロックリングの間にはワッシャを介してＯリングを設け、このＯリングをスプリングの伸張によって圧縮可能とした請求項１記載の管継手。
サポートリング規制部は、切り割りの先端側の一部に係止用突起を設けた請求項１または２記載の管継手。
サポートリング規制部は、切り割りの一部を外側に折り返した折り返し部とした請求項１または２記載の管継手。
外筒のテーパ面の一部には、円周方向に確認窓を設けた請求項１〜４のいずれか記載の管継手。