JP4640970B2 - 自動2輪車用車体フレーム - Google Patents

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Description

この発明は、自動2輪車用車体フレームに係り、特に、中空アルミ一体鋳造されるものに関する。
アルミ等を一体鋳造して得られる自動2輪車用車体フレームを前後2分割して、鋳造を容易にしたものがある。このものは、ヘッドパイプと左右のメインフレームを一体にした第1分割部と、左右のピボットプレート及びこれらを連結する上下のクロス部材を一体化した第2分割部とに前後分割し、それぞれを別々に中空アルミ一体鋳造し、その後、湯道により左右のメインフレーム後端部間に形成された余剰部を切除してから、第1及び第2分割部を溶接して一体化するようになっている(引用文献1参照)。
また、ヘッドパイプと一体に吸気通路を形成し、この吸気通路の前端部を車体前方へ向けて開口させ、後端部をエアクリーナボックスへ接続させることにより、走行風によるラム圧を吸気通路内へ導入するラムエアダクトを形成した自動2輪車の車体フレームも公知である(引用文献2参照)。
特開2004−114719号公報 特開平10−35559号公報
上記前後2分割して車体フレームを鋳造する製造方法では、大型の鋳造設備が必要とされ、第1分割部には切除する必要がある余剰部が形成されるため、鋳造フレームの歩留まりが悪く、かつ組立時の工数も多くなってしまうという課題がある。一方、ラムエアダクトを一体に鋳造する場合は、ヘッドパイプより前方へ比較的長く延びる前方ダクト部を一体にしたラムエアダクトをアルミ合金等でヘッドパイプと一体に鋳造するのは金型が複雑になって困難であり、ヘッド部分における十分な剛性確保も困難になるので、成形容易かつ高剛性になる構造が望まれる。
そのうえ、鋳造時や溶接時における変形が大きいと、車体組立時における寸法精度が低くなるので、鋳造時や溶接時における車体のゆがみを防止することも望まれる。本願発明はこのような要請の実現を目的とする。
上記課題を解決するため本願の自動2輪車用車体フレームに係る請求項1の発明は、ヘッドパイプから左右一対のメインフレームが後方に延設され、このメインフレームの各後端部にピボットプレートがそれぞれ接続された自動2輪車用車体フレームにおいて、
ヘッドパイプが設けられたヘッド部と、左右のメインフレームの前後を前部クロス部材と後部クロス部材で連結して閉ループ状に形成されたミドルフレーム部と、左右のピボットプレートをピボット部クロス部材で連結したピボット部との3つの分割部からなり、
これら3つの分割部はそれぞれ別々にアルミ一体鋳造で中空に形成されるとともに、各分割部を溶接一体化してなり、
前記ヘッド部は、前端部にヘッドパイプを設け、後端部が前記前部クロス部材の左右幅と略同程度の幅に拡幅された上面視略三角形状をなし、内部は中空の内部空間をなし、
前記ミドルフレーム部は、前部クロス部材及び後部クロス部材の左右方向各両端が左右のメインフレームにおける前後方向へ延びる中空部の各前後端部へ開口接続されることにより、閉ループ状に連続するパイプ状とされ、
前記ミドルフレーム部の前部には、前記ヘッド部の前記内部空間へ接続される前方開口部が設けられ、
前記ヘッド部の後端部を前記前部クロス部材の前面へ接合して、前記ヘッド部と前記ミドルフレーム部を溶接一体化したことを特徴とする。
請求項の発明は上記請求項1において、前記ミドルフレーム部は、左右一対のエンジンマウント部を有することを特徴とする。
請求項の発明は上記請求項2において、前記ミドルフレーム部の外部と前記閉ループ状部内側の空間とを連通するダクト穴を前記ミドルフレーム部の前部に貫通形成し、このダクト穴をフレーム内ラムエアダクトの少なくとも一部としたことを特徴とする。
請求項の発明は上記請求項1において、前記ヘッド部に前後方向へ貫通するヘッド部ダクトを設け、これをフレーム内ラムエアダクトの一部としたことを特徴とする。
請求項の発明は上記請求項又はにおいて、前記フレーム内ラムエアダクトと別体に形成されて前記ヘッド部より前方へ延びる樹脂ラムエアダクトを設け、この樹脂ラムエアダクトの後端部を前記フレーム内ラムエアダクトへ接続したことを特徴とする。
請求項の発明は上記請求項において、前記樹脂ラムエアダクトに可変吸気機構を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ミドルフレーム部が左右のメインフレームを前後のクロス部材で連結した閉ループ状をなすため、高剛性に形成できるとともに、鋳造時及び溶接時におけるゆがみを少なくして高精度に形成できる。
そのうえ、後部クロス部材をミドルフレーム部の一部をなす強度部材として積極的に利用するので、上記特許文献1のように切除する余剰部が存在しなくなり、歩留まりを大きくすることができ、余剰部の切断工程が不要となることにより工数を削減し、材料ロスを低減できる。
しかも、3分割部のうち最も大きくなる部分であるミドルフレーム部を、ヘッド部と分離したため、可及的に小さくすることができるので、鋳造設備を小型化でき、容易に成形することができる。しかも全体を中空にするので、車体フレーム全体を高剛性かつ軽量化できる。
また、ヘッド部を上面視略三角形状とし、後端部を左右方向へ拡大して左右幅を前部クロス部材の左右幅と同程度にしたので、ヘッド部の後端部を前部クロス部材の前面へ大きな範囲で接合できるので、接合強度大きくして高剛性にできるとともに、組立精度を向上させることができる。
請求項の発明によれば、ミドルフレーム部が閉ループ状をなすことにより、ゆがみが少なくなるので左右一対のエンジンマウント部を高精度に形成できる。このため、エンジンマウントの位置精度が高くなり、車体フレームを高精度に組み立てることができる。
請求項の発明によれば、ミドルフレーム部の外部と閉ループ状部内側の空間とを連通するように、ミドルフレーム部の前部にダクト穴を貫通形成したので、このダクト穴をヘッド部に設けたヘッド部ダクトと連通させれば、フレーム内ラムエアダクトをセンターラムエアダクト形式で形成できる。また、ダクト穴を直接外部空間へ接続させれば、それ自体でフレーム内ラムエアダクトを構成できる。
請求項の発明によれば、ヘッド部の中空部を利用して前後方向へ貫通するヘッド部ダクトを設けると、このヘッド部ダクトをセンターラムエアダクト形式をなすフレーム内ラムエアダクトの一部とすることができ、かつヘッド部の軽量化を実現する。
請求項の発明によれば、フレーム内ラムエアダクトと別体に形成された樹脂ラムエアダクトを設け、ヘッド部より前方へ延びるように配置し、その後端部をフレーム内ラムエアダクトへ接続すると、全体として連続するラムエアダクトを形成できる。このとき、前方へ比較的長く延出するダクト部分を別体の樹脂製とすることにより、ヘッド部のヘッド部ダクトを短くして必要剛性を維持したまま容易に鋳造可能にする。また、樹脂ラムエアダクトを採用したので車体を軽量にすることができる。
請求項の発明によれば、樹脂ラムエアダクトに可変吸気機構を設けたので、車体の速度やエンジンの回転に応じて吸気管長や吸気断面積を変えて、運転状況に応じた適切なラム圧過給を実現することができ。
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。なお、以下の説明における前後左右等の方向は、原則として使用状態の車両を基準とし、図中矢印FRは車両前方、RRは後方、Lは車両左方、Rは車両右方をそれぞれ示す。
図1は実施例に係る自動2輪車の左側面図である。下端部で前輪1を支持する左右一対のフロントフォーク2は、ステアリング軸3を介して車体フレームの前端部に設けられたヘッドパイプ4へ回動自在に支持される。ヘッドパイプ4からメインフレーム5が左右に分かれて斜め下がりに後方へ延び、各後端部に左右のピボットプレート6の上部が溶接されている。メインフレーム5及びピボットプレート6は車体フレームを構成する。
各ピボットプレート6にはリヤスイングアーム7の前端部がピボット軸8にて揺動自在に支持され、リヤスイングアーム7の後端部には後輪9が支持されている。リヤスイングアーム7の前端部近傍にはリンク10を介してリアクッション11の下端部が連結され、リアクッション11の上端部はリヤスイングアーム7の上部から上方へ突出して設けられたブラケット12へ連結される。
メインフレーム5の下方には、水冷式並列四気筒型のエンジン13が配設される。エンジン13の下部はクランクケース14をなし、その前部上方に前傾するシリンダ部15が設けられ、シリンダ部15はメインフレーム5から一体に下方へ突出するエンジンハンガ16の下端にてエンジンマウント17を介して支持される。クランクケース14の後部上下は、ピボットプレート6の上下にてエンジンマウント17、17を介して支持される。
シリンダ部15の前方にはエンジン冷却用のラジエータ18が配設され、シリンダ部15上方にはエアクリーナボックス19が配設される。エアクリーナボックス19の後方には燃料タンク20が配設され、エアクリーナボックス19の上部は、燃料タンク20と面一の外装カバー21で覆われる。
エアクリーナボックス19の下部には、各気筒に対応する四連のスロットルボディ22の上流側が接続され、各スロットルボディ22の下流側はシリンダ部15の後部に設けられた吸気ポートへ接続される。スロットルボディ22の一部はエンジンハンガ16の中央に設けられた開口23に臨んでいる。
エアクリーナボックス19の前部には、後述するフレーム内ラムエアダクトの後端部が連通接続する。フレーム内ラムエアダクトの前端部はヘッドパイプ4の前端にて樹脂ラムエアダクト24の後端部に接続している。樹脂ラムエアダクト24はヘッドパイプ4から前方へ延び、ヘッドパイプ4の前方を覆うフロントカウル25に設けられた導風口26へ連通接続している。導風口26はフロントカウル25の中央部にて前方へ突出するノーズ部25aに設けられている。25bはヘッドライトであり、導風口26を挟んで左右一対でノーズ部25aに設けられた開口に臨んでいる。
導風口26から取り込まれた走行風は、樹脂ラムエアダクト24及びフレーム内ラムエアダクトを介してエアクリーナボックス19内に導入され、高速走行時には走行風圧を過給圧として利用するラム圧過給をを可能としている。
エアクリーナボックス19内に導入された外気は浄化されて各スロットルボディ22に設けられたインジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と共にエンジン13に供給される。
左右各メインフレーム7の後端上部には、斜め上がり後方へ延出するシートフレーム27の前端部が締結される。シートフレーム27には、運転者用シート28a及びその後方に位置するピリオンシート28bが前後へ段違いに支持される。29はリアカウルである。
図2は車体フレームの左側面を示す。この車体フレームはヘッド部30、ミドルフレーム部31及びピボット部32の3分割部を溶接部34、35で溶接一体化したものである。これらの3分割部はいずれもアルミニウム合金を公知方法で鋳造して得られるアルミ鋳造品である。
ヘッド部30とミドルフレーム部31の上面は側面視で略面一に接続し、双方の上面が概ね共通の後傾斜面を形成する(局部的な突起部を除く)。
なお、拡大部に示すように、ヘッド部30の後端接続部36を、ミドルフレーム部31の前端部に形成された接続用突部37の外側へ嵌合し、この嵌合部を溶接して溶接部34とする。
ミドルフレーム部31とピボット部32の接続も同様であり、下方へ屈曲したミドルフレーム部31の後端に形成された接続用突部38をピボットプレート6の上端開口部39へ嵌合し、接合部を溶接して溶接部35としている。
図3は3分割部を分離して示す斜視図である。ヘッド部30は上面視略三角形状をなし、前端部中央に設けられたヘッドパイプ4と、このヘッドパイプ4から後方へ上面視面積が拡開して延出する拡開部40が一体に形成されている。
拡開部40は中空でありその後端部は左右幅が前部クロス部材50の左右幅と略同程度に拡大され、上下幅も前部クロス部材50の上下幅程度になっている。また後端部の開口は横長角穴状をなし、左右の側壁41と上壁42及び下壁43で囲まれ、その内部は上下壁を連結し車幅方向中央部の車体中心Cに沿って前後方向に延びるリブ44で区画される。またリブ44がヘッドパイプ4及び上下壁42、43と一体に形成されているため、ヘッド部30の剛性を高めるとともに軽量化を可能にしている。
拡開部40の内部空間は、ヘッドパイプ4の前方へ突出する接続筒部45と連通している。接続筒部45の側部47は図2に示すように、斜め下がりに前方へ延び、後端側はヘッドパイプ4を横断して後方へ延びて拡開部40の側壁41と一体化している。
図4はヘッド部30を車体中心Cに沿って切断した断面図であり、接続筒部45の前方開口部46も拡開部40の後部開口と同様の横長角穴状をなす。ヘッドパイプ4は接続筒部45の内部空間内を上下方向に通る中空柱状部として一体に形成され、この中空柱状部内を上下方向へ貫通する貫通穴48にステアリング軸3が回転自在に支持される。ヘッド部30の内部は中空であり、接続筒部45と拡開部40の各内部空間は連通し、ヘッド部30の前後に開放されたヘッド部ダクト49をなし、ヘッド部におけるフレーム内ラムエアダクトAの一部を形成する。
再び図3において、ミドルフレーム部31は左右のメインフレーム5とそれらの前後を左右方向へ連結する前部クロス部材50と後部クロス部材51とにより上面視で閉ループ状をなして一体に形成されている。ミドルフレーム部31の各部は全体として中空に形成され、左右のメインフレーム5におけるエンジンハンガ16を除く部分並びに前部クロス部材50及び後部クロス部材51は連続するパイプ状をなす。
すなわち、前部クロス部材50及び後部クロス部材51の左右方向各両端は左右のメインフレーム5における前後方向へ延びる中空部の各前後端部へ開口接続することにより、全体がミドルフレーム部31の閉ループ形状に対応して略閉ループ状に連続するパイプ状になっている。この連続するパイプ状部分は、全体がほぼ一つの平面内に位置する。この平面は側面視(図2)におけるメインフレーム5の上面と略平行である。また、この連続パイプ状部分の中空空間は、メインフレーム5の後端部5aにて開放されている。メインフレーム5の後端部5aは上記平面から若干外れて斜め下方へ屈曲し、斜め下向きに開口している。
メインフレーム5部分の中空部及び前部クロス部材50はそれぞれ縦長断面の角パイプ状をなし、後部クロス部材51は略正方形断面の角パイプ状をなす。メインフレーム5は後方へ向かって次第に上下幅が狭くなり、この後端に接続するピボットプレート6は、後部クロス部材51よりも若干大きめで横幅よりも前後方向幅が広い略長方形断面の角パイプ状をなす。
前部クロス部材50にはダクト穴52が車体中心Cを挟んで左右に設けられ、前部クロス部材50を前後に連通する筒状通路をなして貫通し、前方側開口部はヘッド部30における拡開部40の内部空間へ接続し、後方側開口部はミドルフレーム部31の内側空間内で前部クロス部材50近傍に配置されているエアクリーナボックスのインレット(図示省略)へ接続するようになっている。
ダクト穴52の前方側開口部は接続用突部37によって囲まれている。接続用突部37は前部クロス部材50の前面へ一体に設けられ、一段低い段差状をなしてヘッド部30における拡開部40の後部開口へ密に嵌合する周枠状に形成されている。したがって、接続用突部37を拡開部40の後部開口へ嵌合して接合部を溶接することにより、ダクト穴52がヘッド部30内のヘッド部ダクト49と密に接続し、ヘッド部ダクト49と共にフレーム内ラムエアダクトA(図4)を形成する。ヘッド部ダクト49とダクト穴52はそれぞれフレーム内ラムエアダクトの一部をなす。
符号53はエンジンハンガ16の下部に設けられたエンジンマウント取付部であり、ボス形状をなしてここに円筒型のエンジンマウントが嵌合される。左右のメインフレーム5の後端上部にはステー54が一体に設けられ、ここにシートフレームの前端部がボルト止めされる。左右のメインフレーム5の後端部5aにおける開口部周囲に接続用突部38が斜め下方へ突出形成されている。接続用突部38はピボットプレート6の上端部開口39へ密に嵌合する角筒状をなしている。57aはボス状のエンジンマウント取付部であり、メインフレーム5の後端で後部クロス部材51の端部近傍に形成される。
ピボット部32は後方視で略略U字状をなし、上下方向へ延びる左右のピボットプレート6とその下端部間を左右方向へ延びるピボット部クロス部材55で連続一体に接続したものであり、全体が連通するパイプ状をなしている。左右のピボットプレート6の上下方向中間部にはピボット軸8を支持するためのピボット部ボス56が形成され、下端部にはエンジンマウントを嵌合するためのエンジンマウント取付部57bがボス状に形成される。またピボット部クロス部材55の背面における左右方向中間部にはリヤサスペンション用のリンク取付ボス58が形成されている。59はピボットプレート6の背面に形成されステップホルダの取付ボスである。
以下、樹脂ラムエアダクト24について詳細に説明する。図5は樹脂ラムエアダクト24の上面視図である。樹脂ラムエアダクト24は角パイプ状の吸気通路をなす部材であり、フロントカウル25内側において車体中心Cに沿って前後方向へ配設され、前部60、中間部61及び後部62が前後方向に直線的に連続した部材である。
前部60は導風口26に接続しここから後方に向けて左右をテーパー状に絞って吸気通路を狭め、中間部61へ接続する。中間部61は断面略一定となるようにストレートに延びて後部62へ接続する。後部62は左右が後方に向けてテーパー状に拡大して後方へ吸気通路を広げ、後端のフランジ部63を接続筒部45の取付フランジ45aへ重ねてボルト等の適宜結合手段(図示省略)で結合一体化することにより接続筒部45へ連通接続されている。
符号64は樹脂ラムエアダクト24に一体に取付けられてフロントカウル25等を支持する支持ステー、65は後述する可変吸気バルブ駆動用の負圧アクチュエータであり、前部60の境界部に隣接する中間部61の前端上面に設けられている。
樹脂ラムエアダクト24とフレーム内ラムエアダクトは連続一体の吸気通路をなして車体中心上に位置し、同じく車体中心C上に位置する導風口26から走行風を取り込んでラム圧をエアクリーナボックス19(図6参照)内へ及ぼすものであるから、これらはラムエアダクトを形成する。特に、この例では、車体中心C上に位置するので、センターラムエアダクト形式をなす。
図6は樹脂ラムエアダクト24の側断面を示す図である。フロントカウル25の前端部は、ヘッドパイプ4の下端部前方に位置し、樹脂ラムエアダクト24は、フロントカウル25の前端部において車両前方に向けて開口する導風口26から斜め上がりに後方へ延び、後端部がヘッドパイプ4の前側近傍にて接続筒部45へ連通接続する。このとき樹脂ラムエアダクト24の後端部は若干細くなって接続筒部45の前方開口部46の内側へ密に嵌合される。
樹脂ラムエアダクト24は上部ダクト24aと下部ダクト24bに上下分割されて、それぞれが適宜樹脂を用いて公知の適宜製法にて形成され、その後上下一体化したものであり、中間部61の底部には副吸気口66が設けられている。副吸気口66は、ヘッドパイプ4の下部前方に位置し、左右をフロントカウル25に覆われた空間内において斜め下後方を指向して開口し、その周縁から後方へ斜め下がりに突出するフランジ67が設けられて吸気筒をなす。この吸気筒の軸線が側面視で斜め上がりに前方傾斜している。
副吸気口66は、導風口26よりも小さい開口面積で左右方向に長い楕円状をなし、吸気バルブ68にて開閉自在になっている。吸気バルブ68を回動させて副吸気口66を開くと、副吸気口66から前輪2上方におけるフロントカウル25内の外気を樹脂ラムエアダクト24内に導入可能となり、このときの吸気経路は副吸気口66からエアクリーナボックスへ至る短い吸気通路長の副吸気経路Sをなす。
吸気バルブ68で副吸気口66を閉じると、樹脂ラムエアダクト24内には導風口26から走行風を取り込むことになり、このときの吸気経路は導風口26からエアクリーナボックスへ至る長い吸気通路長の主吸気経路Mをなす。導風口26は副吸気口66よりも開口面積が大きく主吸気口をなす。主吸気経路Mは副吸気経路Sに対して、吸気量が大きく、かつ導入されるラム圧も著しく大きくなっている。
このように吸気バルブ68は、吸気通路長を長い主吸気経路Mと短い副吸気経路Sとの間で切り換えるものであり、吸気管長可変バルブを構成する。同時に、導風口26と吸気口66の開口面積が大小に異なるから、吸気通路断面積を大小に切り換える吸気通路断面積可変バルブをも構成する。すなわち、本実施例における吸気バルブ68は、吸気管長可変バルブと吸気通路断面積可変バルブの双方を兼ねている。
吸気バルブ68は、略長方形の板状をなすフラップ式であり、その一辺部を副吸気口66よりも前方の下壁部近傍にて、左右方向に沿う揺動軸69を介して軸支することにより、起倒自在とし、下壁部上へ重なるように倒したときは副吸気口66を覆って閉じるとともに、主吸気経路M側を全開とする(この状態を吸気バルブの倒伏状態とする)。起こしたときは主吸気経路M側を閉じるとともに、副吸気口66を開いて副吸気経路S側を全開とする(この状態を吸気バルブの起立状態とする)。
吸気バルブ68の周囲をなす4辺部のうち、揺動軸69が設けられている側を下辺70、その対向側を上辺71、他を側辺72(図7参照)とする。揺動軸69は吸気バルブ68の側辺における下辺70近傍部を側面視三角形状に折り曲げた突部73に設けられ、下辺70から上方へオフセットした位置に設けられている。中間部62の下壁部における下辺70近傍部分は下方へ一段低くなる段部90が設けられ、吸気バルブ68の揺動時における下辺70の逃げ部をなすとともに、吸気バルブ68の揺動時にその表面を伝って流れ落ちる雨水等の溜まり部をなしている。段部90より前方部分の下壁部は前方の導風口26へ向かって若干傾斜する緩傾斜面91をなす。
吸気バルブ68は、起立状態となって主吸気経路M側を閉じるとき、側面視で上方側が後方へ傾斜する斜めになり、この状態で上辺71がストッパ部76にシール材を介して密接するとともに、下辺もシールを介して段部90へ密接される。左右の側辺も中間部61の左右側壁内面に摺接している。なお、ストッパ部76は中間部61の上壁部へ段差を設けることによって形成されている。
吸気バルブ68の駆動は、中間部61の上壁部上方に設けられた負圧アクチュエータ65で行われる。負圧アクチュエータ65内にはダイヤフラム80が設けられて負圧室81を内部に画成し、スプリング82によりダイヤフラム80を下方に向けて付勢する。ダイヤフラム80にはアクチュエータロッド83の一端が連結されている。アクチュエータロッド83の他端側は、中間部61の上壁部を貫通して流路内に突出し、先端を吸気バルブ68の係止部74へ連結している。
係止部74は、吸気バルブ68の揺動軸69よりもやや後方となる位置に設けられ、アクチュエータロッド83を引き上げると、吸気バルブ68が揺動軸69を中心にして反時計回りに回動して起立する。また、アクチュエータロッド83が下がると、吸気バルブ68は揺動軸69を中心にして時計回りに回動して倒伏する。
負圧アクチュエータ65内にはエンジン13の吸気負圧が作用するようになっており、エンジンの高速回転時(高速走行時)等の吸気負圧が小さいときには、ダイヤフラム80及びアクチュエータロッド83がスプリング82により図の下方へ付勢され、吸気バルブ68を倒伏状態にする。エンジンの低速回転時(低速走行時)等の吸気負圧が大きいときには、ダイヤフラム80及びアクチュエータロッド83がスプリング82の付勢力に抗して図の上方へ引き上げられ、吸気バルブ68を起立状態にする。
このため、エンジン13の低速回転時には、吸気経路を主吸気経路M側から副吸気経路S側へ切り換えて吸気量を小さく抑えることにより混合気の希薄化を抑え、加速操作時に適正な濃厚混合気をエンジン13に供給して良好な加速性能を得ることができる。エンジン13の高速回転時には吸気経路を副主吸気経路S側から主吸気経路M側へ切り換え、吸気抵抗を減少させるとともに吸気量及び走行風のラム圧を増大させ、エンジン13の吸気効率を高めて高速性能を向上させることができる。
図7は樹脂ラムエアダクト24内部の吸気バルブ68を示すため、上部ダクトを取り除いた状態で示す下部ダクト24bの上面視図である。揺動軸69は左右一対で設けられ、左右の側辺72に設けられた突部73からそれぞれ外方へ同軸上に延出する。これらの揺動軸69は、下部ダクト24bの左右に設けられた上部ダクトとの合わせ縁部92の一部を側方へ張り出した軸支部93の支持溝94内へ嵌合される。
図示をしないが上部ダクト側にも対応位置に、軸支部93と支持溝94と対応する部分が対称的に設けられており、上部ダクトと下部ダクトを合わせたとき、両部材間に揺動軸69が挟み込まれて支持される。符号95は結合ボスであり、同様のものが上部ダクト側にも対応して設けられており、上部ダクトと下部ダクトを合わせたとき、上下の結合ボス95を貫通してビス等の締結により結合する。
図中の符号75はシールである。76は吸気バルブ68の格子状をなす補強リブであり両面に形成されている。
次に、本実施例の作用を説明する。図2に示したように、車体フレームをヘッド部30、ミドルフレーム部31及びピボット部32の3分割構成とし、それぞれを中空のアルミ一体鋳造で形成し、その後溶接により一体化したので、各分割部の大きさを比較的小さくすることにより金型を小型かつ構造簡単にすることができ、各部の成形精度も高くなるため、鋳造を容易にすることができる。また、溶接部34及び35のだけの溶接になるため、溶接カ所が少なくなり、溶接作業も容易になる。
特に、ミドルフレーム部31は前後に前部クロス部材50と後部クロス部材51を一体化することにより閉ループ状に構成したので、ミドルフレーム部31を高剛性にすることができる。しかも、前後のクロス部材の存在により、鋳造時における変形を防止して高精度の成形が可能となり、かつヘッド部30及びピボット部32との溶接時における変形も防止できる。また、後部クロス部材51を積極的に強度部材として利用するから、従来のように余剰部として切除する必要がない。このため、歩留まりが向上し、加工工数も削減できる。
しかも、ヘッド部30及びピボット部32を分離することにより、ミドルフレーム部31を可及的に小さくすることができ、そのうえ左右のメインフレーム5と前後の前部クロス部材50及び後部クロス部材51の中空部を略閉ループ状に連続するパイプ状とし、これらを略同一平面内に位置させ、かつ左右のメインフレーム5の各後端部5aをこの平面近傍にて開口させて砂抜きするようにしたから、金型を小型かつ単純化することができ、中空一体鋳造が可能かつ容易になる。また、前部クロス部材50におけるダクト穴52も容易に形成でき、フレーム内センターラムエアダクトの形成が容易になる。しかも、メインフレーム5の後端部を開放することにより、中空一体鋳造が可能かつ容易になる。
ヘッド部30はその中空アルミ鋳造における中空部を利用してフレーム内センターラムエアダクトAを容易に形成できる。しかも、ヘッドパイプ4の周囲を囲むようにして接続筒部45を一体に形成してフレーム内ラムエアダクトの前部を形成するので、容易に鋳造できるとともに、ヘッドパイプ4回りの剛性を必要な.程度に維持できる。
また、後部側は接続筒部45に連通接続してヘッド部ダクト49をなす中空部にした拡開部40の後部を、前部クロス部材50の前面へ一体に設けられた接続用突部37の周囲に嵌合して接合部を溶接するので、接続時の位置決めを正確にして組立精度を高めることができる。そのうえ拡開部40の後端部はほぼ前部クロス部材50の左右幅と一致する程度に幅が広いから、接合部の剛性を十分に高めることができる。
そのうえ、ヘッド部30は比較的小型化され、かつヘッド部ダクト49を前後へ貫通形成することにより鋳造時の砂抜きが容易になる。しかも、リブ44がヘッドパイプ4及び上下壁と一体に形成されているので、ヘッド部30の剛性を高めるとともに軽量化できる。このため、ヘッド部30を高剛性でかつ容易にアルミ一体鋳造できる。しかも、接続筒部45と拡開部40により前後へ開放されているので、中空一体鋳造が可能かつ容易になる。
ピボット部32は左右のピボットプレート6をピボット部クロス部材55で連続一体に連結することにより、所定の剛性を確保できる。しかも、後方視で略略U字状に形成されるから、左右のピボットプレート6とピボット部クロス55の連続する中空部を略同一平面内に位置させ、かつ砂抜き部となるピボットプレート6の各上端開口部39をこの平面内で開放することにより、金型を小型かつ単純化することができ、中空一体鋳造が可能かつ容易になる。
そのうえ、左右のピボットプレート6及びピボット部クロス部材55を中空にすることにより、軽量かつ高剛性を実現できる。また、接続用突部38を開口部39へ嵌合して接合部を溶接するので、接続時の位置決めを正確にして組立精度を高めることができる。そのうえ溶接部35の近傍に後部クロス部材51が存在するため、溶接時の変形を抑制できる。
したがって、前後の溶接部34及び35で一体化された車体フレームは、高剛性かつ組立精度を高精度に維持できる。特に、ディメンジョンに影響の大きい、ヘッドパイプ4、ピボット軸8並びにエンジンマウント17の位置精度を高めることができるから、組立後における車体のディメンジョンを正確に維持できる。また、中空アルミ一体鋳造を歩留まりよく、軽量かつ高剛性に形成できる。
そのうえ、フレーム内ラムエアダクトAと樹脂ラムエアダクト24により、
センターラムエアダクトを形成したので、走行風によるラム圧を利用してラム圧過給によりエンジン13の出力を向上させることができる。しかも、可変吸気バルブ68によりエンジン13の運転状態に応じて吸気経路を切り換えるようにしたので、運転状態に応じた最適なラム圧を与えるようにした可変ラム圧過給を実現できる。
しかも、ヘッドパイプ4より前方へ長く延出する部分をフレーム内ラムエアダクトAと別体の樹脂ラムエアダクト24とすることにより、アルミ一体鋳造部分を短縮化できるため、中空アルミ一体鋳造によるラムエアダクトの形成を可能かつ容易にする。そのうえ、樹脂ラムエアダクト24を採用したので車体を軽量にすることができる。
また、本実施例における可変ラム圧過給においては、一般走行時等のラム圧過給をあまり必要としない低速回転状態では、フロントカウル25内側の空間内へ下向きに開口する副吸気口66から副吸気経路Sを経て外気を取り入れるので、吸気通路への雨水等の浸入を抑制できる。
も、副吸気口66が下向きかつ後方を指向して開口し、フランジ67による吸気筒の軸線が側面視で前方斜め上がりに傾斜するので、低速走行時における吸気通路への雨水等の浸入をより一層抑制できる。

一方、エンジンの高速回転時には、風圧が最も高いフロントカウル25の前端部に前方へ向けて開口する導風口26からの主吸気経路Mから走行風を取り込むことにより、ラム圧過給を効果的に行うことができ、エンジンの出力を向上させることができる。
しかも、高速走行時に吸気バルブ68が倒伏状態で副吸気口66を閉じるようになっているので、吸気バルブ68が吸気通路内に突出せず、吸気抵抗を最小限にして吸気効率を高めることができる。
また、異なる吸気経路M・Sの切り換えを単一の吸気バルブ68で行うことにより、可変吸気バルブ機構を簡素化できる。そのうえ、吸気バルブ68の駆動が、エンジン13の吸気負圧を用いて作動する負圧アクチュエータ65により行うので、駆動機構を簡易にすることができ、重量軽減及びコストダウンできる。
しかも、吸気バルブ68を揺動時に前方下がり傾斜させることにより、表面に付着した雨水等を前方の段部90下方へ落下させ、前方傾斜する緩傾斜面91から導風口66へ流出させることができ、雨水等が吸気バルブ68の後方へ浸入することを抑制できる。
以下、車体フレームの別実施例を説明する。図8は図2に対応し、図9は図3に対応する。なお、共通部については共通符号を用い、原則として重複説明は省略する。
図8において、前実施例に対して本実施例における車体フレームの相違点は、ヘッド部30にヘッド部ダクトを設けず、ミドルフレーム部31側にのみ設けた点である。他の点は共通であり、ヘッド部30、ミドルフレーム部31及びピボット部32を3分割構成とし、それぞれを中空アルミ一体鋳造するとともに、溶接部34、35で溶接一体化したものであること等、は同じである。以下、相違点についてのみ説明する。
図9において、ヘッド部30は上面視略三角形状をなし、前端部中央に設けられたヘッドパイプ4と、このヘッドパイプ4から後方へ上面視面積が拡開して延出する拡開部40が一体に形成され、拡開部40の内部は後方へ開放された中空に形成されるが、前実施例のような接続筒部45及びリブ44(図3)は設けられないが、十分な剛性が得られている。ただし、リブ44は必要により任意に設けることができる。
ミドルフレーム部31は、左右のメインフレーム5の各前端部にダクト穴152が設けられている。このダクト穴152は上面視で前方へ向かって外開き状をなすよう斜めに配置されて内外に貫通している。外側開口部152aはメインフレーム5と前部クロス部材50の左右方向端部との接続部近傍にて斜め外方かつ前方に向けて開口される。
この外側開口部152aは図1に仮想線で示すように、ヘッドパイプ4の後方かつ近傍に位置し、フロントカウル25で覆われない車体側方の外部空間へ直接開口し、車体前方からの走行風を車体側方からダクト穴152内へ導入するようになっている。
再び図9において、内側開口部152bは外側開口部152aより後方のメインフレーム5の前端部内側面に、斜め内方かつ後方へ向けて開口され、外側開口部152aからダクト穴152内へ取り込まれて斜め後方かつ内側へ流れる走行風を、ミドルフレーム部31の閉ループ状内側空間内における前部クロス部材50後方へ流出させ、図示しないエアクリーナボックス19(図1及び2参照)へ導くようになっている。
このようにすると、ダクト穴152をフレーム内ラムエアダクトそのものとして利用でき、エアクリーナボックスにてエンジンの出力向上に寄与するラム圧過給を行うことが可能になる。しかも、斜め前方かつ外方へ向けて開口するから、走行風を効率よく取り込むことができるとともに、フレーム内ラムエアダクトの長さを可及的に短くできることも相まってラム圧の損失を少なくすることができる。
また、ダクト穴152が比較的短いこと、及びその形成位置がメインフレーム5と前部クロス部材50の接続部近傍であって比較的高剛性の場所であることにより、ミドルフレーム部31を要求される十分な剛性で形成できる。そのうえ、ダクト穴152はミドルフレーム部31のアルミ一体鋳造時において同時かつ容易に形成することができ、かつ前部クロス部材50とメインフレーム5との接続部において一種のリブ状に形成されるから、この部分を補強して鋳造時の変形を少なくすることができる。
さらに、前実施例のような、ヘッド部30におけるヘッド部ダクト49(図4参照)や樹脂ラムエアダクト24を設ける必要がないから、ラムエアダクトの構成を簡素にすることができる。但し、前実施例のような樹脂ラムエアダクト24を併存させ、この後部を左右に枝分かれさせて左右のダクト穴152へ連通接続させるか、フロントカウルの前部から後方へ延びる一対の樹脂製ラムエアダクトを左右に設け、それぞれの後端を左右のダクト穴152へ連通接続させることもできる。このとき、前実施例同様の可変吸気機構を設けることもできる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば吸気可変機構は、吸気管長可変形式と吸気通路断面積可変形式の双方を兼ねるものでも、いずれか一方だけの形式を有するものでもよい。また、吸気バルブ構造並びにその駆動形式も種々可能である。また、可変制御はエンジンの回転数及び車速のいずれか一方もしくは双方、さらには他のエンジンの運転状況に関連した適宜データに基づいて行うことができる。
本願発明に係る自動2輪車の側面図 実施例の車体フレーム側面図 上記車体フレームの分解斜視図 ヘッド部の車体中心に沿う断面図 樹脂ラムエアダクトの上面視図 樹脂ラムエアダクトの側断面図 下部ダクトの上面視図 別実施例に係る、図2相当図 別実施例に係る、図3相当図
符号の説明
4:ヘッドパイプ、5:メインフレーム、6:ピボットプレート、19:エアクリーナボックス、24:樹脂ラムエアダクト、26:導風口、30:ヘッド部、31:ミドルフレーム部、32:ピボット部、34:溶接部、35:溶接部、49:ヘッド部ダクト、50:前部クロス部材、51:後部クロス部材、52:ダクト穴、55:ピボット部クロス部材、65:負圧アクチェータ、66:副吸気口、68:吸気バルブ、152:ダクト穴、A:フレーム内ラムエアダクト、M:主吸気経路、S:副吸気経路

Claims (7)

  1. ヘッドパイプから左右一対のメインフレームが後方に延設され、このメインフレームの各後端部にピボットプレートがそれぞれ接続された自動2輪車用車体フレームにおいて、
    ヘッドパイプ(4)が設けられたヘッド部(30)と、左右のメインフレーム(5)の前後を前部クロス部材(50)と後部クロス部材(51)で連結して閉ループ状に形成されたミドルフレーム部(31)と、左右のピボットプレート(6)をピボット部クロス部材(55)で連結したピボット部(32)との3つの分割部からなり、
    これら3つの分割部はそれぞれ別々にアルミ一体鋳造で中空に形成されるとともに、各分割部を溶接一体化してなり、
    前記ヘッド部(30)は、前端部にヘッドパイプ(4)を設け、後端部が前記前部クロス部材(50)の左右幅と略同程度の幅に拡幅された上面視略三角形状をなし、内部は中空の内部空間をなし、
    前記ミドルフレーム部(31)は、前部クロス部材(50)及び後部クロス部材(51)の左右方向各両端が左右のメインフレーム(5)における前後方向へ延びる中空部の各前後端部へ開口接続されることにより、閉ループ状に連続するパイプ状とされ、
    前記ミドルフレーム部(31)の前部には、前記ヘッド部(30)の前記内部空間へ接続される前方開口部が設けられ、
    前記ヘッド部(30)の後端部を前記前部クロス部材(50)の前面へ接合して、前記ヘッド部(30)と前記ミドルフレーム部(31)を溶接一体化したことを特徴とする自動2輪車用車体フレーム。
  2. 前記ミドルフレーム部(31)は、左右一対のエンジンマウント部(53)を有することを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車用車体フレーム。
  3. 前記ミドルフレーム部(31)の外部と前記閉ループ状部内側の空間とを連通するダクト穴(52)を前記ミドルフレーム部(31)の前部に貫通形成し、このダクト穴(52)をフレーム内ラムエアダクト(A)の少なくとも一部としたことを特徴とする請求項2に記載した自動2輪車用車体フレーム。
  4. 前記ヘッド部(30)に前後方向へ貫通するヘッド部ダクト(49)を設け、これをフレーム内ラムエアダクト(A)の一部としたことを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車用車体フレーム。
  5. 前記フレーム内ラムエアダクト(A)と別体に形成されて前記ヘッド部(30)より前方へ延びる樹脂ラムエアダクト(24)を設け、この樹脂ラムエアダクト(24)の後端部を前記フレーム内ラムエアダクト(A)へ接続したことを特徴とする請求項3又は4に記載した自動2輪車用車体フレーム。
  6. 前記樹脂ラムエアダクト(24)に可変吸気機構を設けたことを特徴とする請求項に記載した自動2輪車用車体フレーム。
  7. 前記ミドルフレーム部(31)における連続するパイプ状部分は、全体がほぼ一つの平面内に位置し、この連続パイプ状部分の中空空間は、メインフレーム(5)の後端部(5a)にて開放されていることを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車用車体フレーム。
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