JP2011148451A - 鞍乗り型車両の前部構造 - Google Patents

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有秀 辻本
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Abstract

【課題】ヘッドライトの発光面を車幅方向に拡げてもフロントカウルの幅の増大を抑えることができる鞍乗り型車両の前部構造を提供する。
【解決手段】フロントカウル31の一部は、ダクト(53A)と、ダクト(53A)下部から左右一対で車幅方向外側に延出する下方整流板部53Bとに構成され、ダクト(53A)と下方整流板部53Bとに沿って左右のヘッドライト41が設けられるようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、鞍乗り型車両の前部構造に関する。
自動二輪車には、フロントカウルの左右に切り欠き部が形成され、左右の切り欠き部に左右一対のヘッドライトが配され、フロントカウルの中央部に外気導入口が設けられ、この外気導入口には、コネクターを介して車体フレームに取り付けられたダクトを接続する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる構造によれば、左右のヘッドライト間の空間を使ってダクトの断面を確保できる。
特開2007−196984号公報
しかしながら、従来の構造は、ダクトとフロントカウルとが別部品であるため、ダクトと、このダクトの両側に位置するようにフロントカウルに設けられる左右一対のヘッドライトとの間に、車幅方向に広い隙間を確保しており、ヘッドライトの発光面を車幅方向に広くしようとすると、フロントカウルの車幅方向のサイズが大きくなってしまう課題があった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、ヘッドライトの発光面を車幅方向に拡げてもフロントカウルの幅の増大を抑えることができる鞍乗り型車両の前部構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、左右一対のヘッドライトと、当該左右一対のヘッドライト間に設けられると共に走行風を導入するダクトと、前記車体フレームの前部を覆い、前記ヘッドライトが配されるフロントカウルとを備える鞍乗り型車両の前部構造において、前記フロントカウルの一部は、前記ダクトと、前記ダクト下部から左右一対で車幅方向外側に延出する下方整流板部とに構成され、前記ダクトと前記下方整流板部とに沿って前記ヘッドライトが設けられることを特徴とする。
この構成によれば、フロントカウルの一部は、ダクトと、ダクト下部から左右一対で車幅方向外側に延出する下方整流板部とに構成され、ダクトと下方整流板部とに沿ってヘッドライトが設けられるので、ダクトとヘッドライトとを車幅方向で近接可能にダクトをフロントカウルに兼用でき、ヘッドライトの発光面を車幅方向に拡げても、フロントカウルの幅の増大を抑えることが可能となる。
上記構成において、前記ダクト下部の前記下方整流板部の車幅方向外側端部から、上方に延出するように側方整流板部が設けられ、前記ヘッドライトは、前記ダクトと前記下方整流板部と前記側方整流板部とに沿うように設けられるようにしてもよい。この構成によれば、下方整流板部や側方整流板部を別部品で形成する場合よりも部品点数を削減できる。
また、上記構成において、前記下方整流板部と前記側方整流板部は、前記ヘッドライトのレンズとハウジングとの合わせ部を覆うように設けられるようにしてもよい。この構成によれば、合わせ部を覆うためのカバーや該カバーの配置スペースを設ける必要がなく、部品点数を削減できると共に、ヘッドライトの発光面を広く確保することができる。
また、上記構成において、前記下方整流板部と前記側方整流板部には、前記ヘッドライトの取付孔が設けられ、前記取付孔には、前記ヘッドライトのハウジングから延出する取付部が取り付けられるようにしてもよい。この構成によれば、ヘッドライトをダクト側にサブアッセンブリーすることが可能となり、組み立てにかかる工数を削減することができる。
また、上記構成において、前記ダクトの後部には、別体の後側ダクトが連結され、前記ダクトと前記後部ダクトとの間に網状のルーバーが挟持されるようにしてもよい。この構成によれば、ダクトとフロントカウルとを連結するコネクターを廃しながら、ルーバーを簡易に設けることができる。
本発明は、フロントカウルの一部は、ダクトと、ダクト下部から左右一対で車幅方向外側に延出する下方整流板部とに構成され、ダクトと下方整流板部とに沿ってヘッドライトが設けられるので、ダクトとヘッドライトとを車幅方向で近接可能にダクトをフロントカウルに兼用でき、ヘッドライトの発光面を車幅方向に拡げても、フロントカウルの幅の増大を抑えることが可能となる。
また、ダクト下部の下方整流板部の車幅方向外側端部から、上方に延出するように側方整流板部が設けられ、ヘッドライトは、ダクトと下方整流板部と側方整流板部とに沿うように設けられるようにすれば、部品点数を削減できる。
また、下方整流板部と側方整流板部は、ヘッドライトのレンズとハウジングとの合わせ部を覆うように設けるようにすれば、部品点数を削減できると共に、ヘッドライトの発光面を広く確保することができる。
また、下方整流板部と側方整流板部には、ヘッドライトの取付孔が設けられ、取付孔には、ヘッドライトのハウジングから延出する取付部が取り付けられるようにすれば、ヘッドライトをダクト側にサブアッセンブリーすることが可能となり、組み立てにかかる工数を削減することができる。
また、ダクトの後部には、別体の後側ダクトが連結され、ダクトと後部ダクトとの間に網状のルーバーが挟持されるようにすれば、ルーバーを簡易に設けることができる。
本発明の鞍乗り型車両の一実施形態に係る自動二輪車を示す側面図である。 車体フレームのヘッドパイプ周辺構成を示す図である。 フロントカウルを正面から見た図である。 フロントカウルを周囲部品と共に示す分解斜視図である。 アッパーカウルアンダーカバーにヘッドライトを組み付けた状態を示す図である。 変形例の説明に供するアッパーカウルの斜視図である。 変形例の説明に供するフロントカウルを正面から見た図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。
図1は、本発明の鞍乗り型車両の一実施形態に係る自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2のヘッドパイプ20に操舵自在に支持される左右一対のフロントフォーク3と、これらフロントフォーク3の上端部に取り付けられて車体前部の上部に位置する操舵用のハンドル4と、フロントフォーク3に回転自在に支持された前輪5と、車体の略中央で車体フレーム2に支持されたエンジン(内燃機関)6と、車体フレーム2に上下に揺動自在に支持されたスイングアーム(リアフォークとも言う)7と、このスイングアーム7の後端部に回転自在に支持された後輪8と、車体フレーム2の上部に配置された燃料タンク9と、この燃料タンク9の後方に配置された運転者用及び同乗者用の乗員用シート10A,10Bと、車体を覆う車体カウル(カウリングとも言う)11とを備えている。
図2は、車体フレーム2のヘッドパイプ20周辺構成を示す図である。なお、図2は車体上方から見た図を示している。
車体フレーム2は、アルミニウム合金等の金属材料を鋳造成形して形成され、図1及び図2に示すように、ヘッドパイプ20と、このヘッドパイプ20から後方斜め下方に延伸する左右一対のメインフレーム21と、これらのメインフレーム21の後方に連設された左右一対のピボットプレート22と、これらのピボットプレート22間に架橋されるクロスメンバー23(図2参照)とを備えている。また、メインフレーム21の後上部には、後方斜め上方に延出して乗員用シート10A,10B等を支持するリヤフレーム(不図示)が連結されている。
メインフレーム21には、メインフレーム21の下方かつピボットプレート22の前方に位置するように水冷直列4気筒のエンジン6(図1参照)が支持される。このエンジン6の上方、かつ、左右のメインフレーム21間には、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ15と燃料タンク9とが前後に並べて配置され、このエアクリーナ15とエンジン6との間はスロットルボディ等の吸気通路を構成する吸気部品で連結されている。
なお、図1中、符号17は、エンジン排気系を構成する排気マフラーである。排気マフラー17は、乗員用シート10B下方に車幅方向中央に位置し、いわゆるセンターマフラーに形成されている。また、符号18はリヤフェンダー、符号19はリヤウインカーである。
車体カウル11は、合成樹脂等の剛性を有する材料を射出成形して形成され、車体(車体フレーム2)の略全体を覆うフルカウリングタイプに構成されている。この車体カウル11は、車体フレーム2の前部を覆うフロントカウル31と、このフロントカウル31の後下部左右に連設されて車体フレーム2の前部左右を覆う左右一対のミドルカウル32と、ミドルカウル32の後部左右に連設されて車体下方(エンジン6下方)を覆う左右一対のロアーカウル33と、車体後部を覆う左右一対のリヤカウル34とを備えている。
フロントカウル31は、ヘッドパイプ20及びメインフレーム21の前方に設けられ、左右一対のヘッドライト41、ウインドスクリーン42及び左右一対のバックミラー43、フロントウインカー44が取り付けられる。なお、図1中、符号35はフロントフェンダーである。
図3は、フロントカウル31を正面から見た図である。この図に示すように、フロントカウル31には、左右一対のヘッドライト41を収容する左右一対のヘッドライト収容部41Xを備えると共に、この左右一対のヘッドライト収容部41Xの間に、走行風を導入するダクト100を備えている。
図4は、フロントカウル31を周囲部品と共に示す分解斜視図である。図1及び図4に示すように、フロントカウル31は、ハンドル4前方からハンドル4上方に向かって後方斜め上方に延出するアッパーカウル51と、アッパーカウル51の下方に連設されるアッパーカウルアンダーカバー53と、アッパーカウルアンダーカバー53と左右一対のミドルカウル32との間を覆う左右一対のフロントサイドカウル55(図1参照)とを備えている。これらアッパーカウル51、アッパーカウルアンダーカバー53及びフロントサイドカウル55は、別体部品に形成され、各々をボルト等の締結部材で分離自在に構成されている。
図4に示すように、アッパーカウル51は、上面視でU字形状であって、側面視で後方斜め上方に延出するカバー形状のアッパーカウル本体部51Aを有し、このアッパーカウル本体部51Aの車幅方向中央の最前部には、V字状に開口する切り欠き形状の外気導入口51Bが設けられている。
このアッパーカウル本体部51Aは、外気導入口51Bの左右上端51B1よりも低い位置から外気導入口51Bの左右外縁に沿って左右下端まで狭い幅かつ同幅で延出する左右一対の延出部51Cを有すると共に、前面視で、この一対の延出部51Cから車幅方向外側に向かって延出する左右一対の下縁部51Dとを備えており、これら一対の延出部51C及び下縁部51Dによって、左右一対のヘッドライト収容部41Xにおける車幅方向内側の縁(内側縁)と上縁とを区画している(図3参照)。
また、アッパーカウル本体部51AのU字状の開口部51Eの左右(アッパーカウル51の左右両端)には、左右一対のバックミラー取付部51Fが一体に設けられ、各々のバックミラー取付部51Fに、バックミラー43の基端部43Aがボルト(締結部材)45により固定される。また、このU字状の開口部51Eを覆うようにウインドスクリーン42が取り付けられ(図1参照)、乗員用シート10Aに着座した運転者等の前方視界を十分に確保しつつ、車体前面からの走行風を乗員(運転者や同乗者)の上方へと案内し、適度な防風を行う。
アッパーカウルアンダーカバー53は、ダクト100の前側部分を構成する前側ダクト53Aと、前側ダクト53Aの下部から左右一対で車幅方向外側に向かって延出する下方整流板部53Bと、左右の下方整流板部53Bの車幅方向外側端部から上方に延出する側方整流板部53Cとを一体に備えている。図示のように、このアッパーカウルアンダーカバー53は、車体前後方向に延びた形状を有しており、前後割の型を用いた射出成形で形成されている。
前側ダクト53Aは、V字状の外気導入口51Bと同形状で車体前後方向に延出する筒形状を有しており、アッパーカウル51とアッパーカウルアンダーカバー53とが連結された場合に、アッパーカウル51の外気導入口51Bと連通する。ここで、車体フレーム2には、ダクト100の後側部分(後側ダクト)を構成するダクトユニット61が設けられており、このダクトユニット61については後述する。
左右の下方整流板部53Bは、前側ダクト53Aの下縁部の左右からフロントカウル31の幅一杯まで延びると共に、前後方向に水平に延びてフロントカウル31の左右下面を構成し、車体前方からフロントカウル31下方に向かう走行風を、フロントカウル31下面よりも上方、つまり、乗員側(ハンドル4や乗員の上半身側等)へ過度に流さずに、後方に向けて円滑に流す整流部材として機能する。
この下方整流板部53Bは、ヘッドライト41の幅よりも車幅方向に長く、かつ、ヘッドライト41の奥行きよりも前後に長い奥行きに形成され、左右の下方整流板部53Bの上面には、ヘッドライト41固定用のボルト(締結部材)46を締結する複数(本例では2個)の締結孔(被締結部)53Dが設けられている。
また、左右の側方整流板部53Cは、左右の下方整流板部53Bの車幅方向外側端部から上方に延びると共に、車体前後方向に延び、フロントカウル31の車幅方向に最も張り出す左右側面を構成している。これにより、左右の側方整流板部53Cは、車体前方からフロントカウル31左右側方に向かう走行風を、フロントカウル31左右側面よりも内側、つまり、乗員側(ハンドル4や乗員の上半身側等)へ過度に流さずに、後方に向けて円滑に流す整流部材として機能する。
この側方整流板部53Cは、ヘッドライト41の幅方向外側の高さと略同じ高さまで延び、かつ、ヘッドライト41の幅方向外側の奥行きよりも前後に長い奥行きを有し、左右の側方整流板部53Cの車幅方向内側の面(内面)には、ヘッドライト41固定用のボルト(締結部材)46を締結する複数(本例では2個)の締結孔(被締結部)53Eが設けられている。
すなわち、本構成では、前側ダクト53A、下方整流板部53B及び側方整流板部53Cによって囲まれる空間を、左右一対のヘッドライト41を各々収容可能な空間に形成することで、左右一対のヘッドライト収容部41Xを形成し、かつ、下方整流板部53B及び側方整流板部53Cには、ヘッドライト41の背面よりも後方に延出する後方延出部を有し、この後方延出部にヘッドライト41固定用の締結孔(被締結部)53D,53Eを設けている。
一方、左右一対のヘッドライト41は、ヘッドライトバルブが装着されるハウジング41Aと、ハウジング41Aの前面を覆うように取り付けられるレンズ41Bとを備え、ハウジング41Aには、下方整流板部53B及び側方整流板部53Cに設けられた締結孔53D,53Eに対応する貫通孔を各々有する複数の取付ステー(取付部)41Cが設けられる。
従って、左右一対のヘッドライト41を、アッパーカウルアンダーカバー53に設けられた左右一対のヘッドライト収容部41Xに収容し、ヘッドライト41の各取付ステー41Cを介してボルト(締結部材)46,47を下方整流板部53B及び側方整流板部53Cの締結孔53D,53Eに締結することによって、ヘッドライト41をアッパーカウルアンダーカバー53に固定することができる。
図5は、アッパーカウルアンダーカバー53にヘッドライト41を組み付けた状態を示している。この図に示すように、ヘッドライト41は、前側ダクト53Aと下方整流板部53Bと側方整流板部53Cとに沿って配置される。この場合、ヘッドライト41は、フロントカウル31の一部である前側ダクト53Aの左右側壁に当接して配置されるので、ヘッドライト41の発光面(レンズ面)を前側ダクト53Aに当接するまで車幅方向内側に拡げることができる。
また、同図に示すように、アッパーカウルアンダーカバー53にヘッドライト41を組み付けた場合には、ヘッドライト41の発光面(レンズ面)とアッパーカウルアンダーカバー53の前面とが同一面に揃い、フロントカウル31の面一化(フラッシュサーフェース化)を図っている。この場合、フロントカウル31の一部であるアッパーカウルアンダーカバー53にヘッドライト41を直付けしているので、ヘッドライト41の発光面(レンズ面)とアッパーカウルアンダーカバー53の前面を精度良く面一に揃えることができる。
次にダクトユニット61について説明する。
ダクトユニット61は、ガラス繊維強化プラスチック製で形成され、複数本のボルト(締結部材)62(図4参照)により車体フレーム2(ヘッドパイプ20)に取り付けられる(図2参照)。このダクトユニット61は、車体前方に向けて開口する吸気口61A(図1参照)を有すると共に、この吸気口61Aに連通し、エアクリーナ15の入口に向けて後方向きに開口する排気口61B(図1参照)を備えている。なお、このダクトユニット61は、左右割の型で成形した左右の半体を組み付けることによって、吸気口61Aから排気口61Bに至る空気通路を有するボックス形状に形成される。
ダクトユニット61を車体フレーム2に取り付けた状態で、アッパーカウルアンダーカバー53が車体側に固定された場合には、アッパーカウルアンダーカバー53に設けられた前側ダクト53Aが、ダクトユニット61の吸気口61Aの前方で連通する。この吸気口61Aは、前側ダクト53Aの開口形状と同形状に形成されており、前側ダクト53Aからダクトユニット61への走行風を円滑に導入させる。
この吸気口61Aと前側ダクト53Aとの間には、金属製の網状のルーバー(鳥避け)70が挟持され、走行風と共に侵入した比較的大きな侵入物(鳥など)がダクトユニット61側へ侵入するのを防止する。このルーバー70は、吸気口61A側或いは前側ダクト53A側のいずれか一方に固定されることで、組み付けし易くなっている。
ダクトユニット61の上部には、4個のステー締結孔(ステー締結部)61Cが設けられており、これらのステー締結部61Cにはメーターステー71がボルト締結される。メーターステー71は、車体の車幅方向中心から左右に延びて両端に中空部(空気室)71Aを有する横長形状に形成され、左右一対の中空部71Aは、ダクトユニット61に固定された場合に、ダクトユニット61の上面に形成された左右一対の開口部61Dを介してダクトユニット61の中空部71A内と連通し、ダクトユニット61のチャンバー室を兼用する。また、メーターステー71は、左右一対の中空部71Aを有するため、重量の増加を抑えながら剛性を確保することができる。
このメーターステー71の中央上部には、メーターユニット72をボルト締結するための複数のメーター取付部71Bが設けられ、これらメーター取付部71Bを介してメーターユニット72が固定される。さらに、メーターステー71の左右両端上部には、左右一対のミラー取付部71Cが設けられ、これらミラー取付部71Cには、アッパーカウル51のバックミラー取付部51Fを挟むように左右一対のバックミラー43の基端部43Aがボルト(締結部材)45により固定される。すなわち、アッパーカウル51及びバックミラー43は、メーターステー71に共締めされ、これによって、アッパーカウル51及びバックミラー43が車体側(車体フレーム2側)に固定される。
以上の構成の下、フロントカウル31を組み付ける場合は、アッパーカウルアンダーカバー53にヘッドライト41を組み付けてサブアッセンブリー化し、アッパーカウル51等にボルト等の締結部材で固定してフロントカウル31を組み立てておき、フロントカウル31を車体側に組み付ける前に、ダクトユニット61を車体フレーム2に組み付けておく。そして、フロントカウル31を車体側に組み付けることによって、フロントカウル31の一部である前側ダクト53Aと、ダクトユニット61の吸気口61Aとを連通させて走行風をエアクリーナ15に向けて導入するダクト100を構成することができる。
この場合、図5に示すように、前側ダクト53Aは、ヘッドライト41の車幅方向内側部分よりも後方に延びるため、ヘッドライト41の車幅方向内側部分よりも後方位置でダクトユニット61と連結される。このため、前側ダクト53Aとダクトユニット61とを位置合わせする際に、ヘッドライト41が邪魔にならず、容易に位置合わせして連結することができる。
本実施の形態によれば、前側ダクト53Aがフロントカウル31の一部を兼用するので、前側ダクト53Aと、このダクト53Aの両側に位置するようにフロントカウル31に設けられる左右一対のヘッドライト41とを車幅方向に離す必要がなく、ダクトとフロントカウルとが別部品とされた従来構成に比して、ダクト53Aとヘッドライト41とを車幅方向で近接させることができ、本実施形態のようにダクト53Aとヘッドライト41とを車幅方向で当接させることが可能になる。
すなわち、本構成では、前側ダクト53Aとヘッドライト41とを車幅方向で近接可能に前側ダクト53Aをフロントカウル31に兼用でき、ヘッドライト41の発光面を車幅方向に拡げても、フロントカウル31の幅の増大を抑えることが可能となる。
また、本構成では、従来構成で必要であった、アッパーカウルの外気導入口とダクトとを連結するための合成ゴム製のコネクターを不要にでき、部品点数を削減できる。
しかも、本構成では、フロントカウル31の一部を、前側ダクト53Aと、前側ダクト53A下部から左右一対で車幅方向外側に延出する下方整流板部53Bとを一体に備えるアッパーカウルアンダーカバー53に構成し、前側ダクト53Aと下方整流板部53Bとに沿ってヘッドライト41を設けるので、カウルの機能(整流・防風機能)を損なうことなく、ダクトを設けることができ。また、ダクトを一体に設けた分、アッパーカウルアンダーカバー53の剛性が向上し、フロントカウル31の剛性を向上させることができる。
また、前側ダクト53Aを備えたアッパーカウルアンダーカバー53には、下方整流板部53Bの車幅方向外側端部から、上方に延出するように側方整流板部53Cが設けられ、ヘッドライト41は、前側ダクト53A、下方整流板部53B及び側方整流板部53Cに沿うように設けられるので、下方整流板部53Bや側方整流板部53Cを別部品で形成する場合よりも部品点数を削減できる。また、図5に示すように、ヘッドライト41を、下方整流板部53Bと側方整流板部53Cとによって上下方向及び左右方向に位置決めするので、別途位置決め構造を設ける必要がなく、シンプルな構造にすることができる。
また、下方整流板部53Bと側方整流板部53Cとは、ヘッドライト41のレンズ41Bとハウジング41Aとの合わせ部41Dを覆うので、合わせ部41Dを覆うためのカバーや該カバーの配置スペースを設ける必要がない。このため、部品点数をより削減できると共に、ヘッドライト41の配置スペースを広く確保でき、発光面を広く確保することができる。
また、下方整流板部53Bと側方整流板部53Cとには、ヘッドライト41の取付孔となる締結孔53D,53Eが設けられ、締結孔53D,53Eには、ヘッドライト41のハウジング41Aから延出する取付ステー(取付部)41Cが取り付けられるので、ヘッドライト41を前側ダクト53A側(アッパーカウルアンダーカバー53)にサブアッセンブリーすることが可能となり、組み立てにかかる工数を削減することができる。
さらに、前側ダクト53Aの後部には、別体の後側ダクトを構成するダクトユニット61が連結され、前側ダクト53Aとダクトユニット61との間に網状のルーバー70が挟持されるので、従来構成に設けられていたダクトとフロントカウルとを連結するコネクターを廃しながら、鳥避けのルーバー70を簡易に設けることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、アッパーカウル51の前端に外気導入口51Bの左右外縁に沿って延びる左右一対の延出部51C(図4参照)を設け、左右一対の延出部51Cによって前側ダクト53Aの開口部周縁を覆う場合を説明したが、これに限らず、適宜変更が可能である。例えば、図6に示すように、アッパーカウル51から上記延出部51Cを省略すると共に、アッパーカウル51の外気導入口51Bを、前側ダクト53Aの前面全体を露出させる切り欠き形状に形成してもよい。この場合、アッパーカウル51から、強度が相対的に低くなる細い部分(延出部51C)を無くすことができると共に、図7に示すように、前側ダクト53Aの前面をフロントカウル31前面に露出させ、前側ダクト53Aと左右一対のヘッドライト41との間にアッパーカウル51が存在しない外観デザインにすることができる。
また、上記実施形態では、フロントカウル31を構成する部品を3部品(アッパーカウル51、アッパーカウルアンダーカバー53、フロントサイドカウル55)で構成する場合について説明したが、アッパーカウルアンダーカバー53とフロントサイドカウル55とを一体部品にしてもよく、又は、これら3部品を一体部品で構成してもよい。さらに、上記実施形態では、フルカウリングタイプの車体カウル11に用いられるフロントカウル31に本発明を適用する場合を説明したが、これに限らず、フルカウリングタイプではないフロントカウル、例えば、フロントサイドカウル55、ミドルカウル32及びロアーカウル33の少なくともいずれかを備えない車体カウルに適用されるヘッドライト周辺だけを覆う小型フロントカウルにも本発明を広く適用することが可能である。
また、上記実施形態では、図1に示す自動二輪車の前部構造に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、鞍乗り型車両に本発明を広く適用することができる。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
2 車体フレーム
11 車体カウル
21 メインフレーム
31 フロントカウル
41 ヘッドライト
41A ハウジング
41B レンズ
41C 取付ステー(取付部)
51 アッパーカウル
51B 外気導入口
53 アッパーカウルアンダーカバー
53A 前側ダクト
53B 下方整流板部
53C 側方整流板部
53D,53E 締結孔(取付孔)
61 ダクトユニット(後側ダクト)
100 ダクト

Claims (5)

  1. 左右一対のヘッドライトと、当該左右一対のヘッドライト間に設けられると共に走行風を導入するダクトと、前記車体フレームの前部を覆い、前記ヘッドライトが配されるフロントカウルとを備える鞍乗り型車両の前部構造において、
    前記フロントカウルの一部は、前記ダクトと、前記ダクト下部から左右一対で車幅方向外側に延出する下方整流板部とに構成され、前記ダクトと前記下方整流板部とに沿って前記ヘッドライトが設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
  2. 前記ダクト下部の前記下方整流板部の車幅方向外側端部から、上方に延出するように側方整流板部が設けられ、前記ヘッドライトは、前記ダクトと前記下方整流板部と前記側方整流板部とに沿うように設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  3. 前記下方整流板部と前記側方整流板部は、前記ヘッドライトのレンズとハウジングとの合わせ部を覆うように設けられることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  4. 前記下方整流板部と前記側方整流板部には、前記ヘッドライトの取付孔が設けられ、前記取付孔には、前記ヘッドライトのハウジングから延出する取付部が取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  5. 前記ダクトの後部には、別体の後側ダクトが連結され、
    前記ダクトと前記後部ダクトとの間に網状のルーバーが挟持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前部構造。
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