JP3588514B2 - 自動二輪車のエアクリーナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のエアクリーナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車においてはエンジンに供給する燃焼用空気を濾過するためにエアクリーナ装置が配設されている。この種のエアクリーナ装置は、従来、エアクリーナケースをシートの下方を覆うサイドカバー内に配置して車体フレームに固定し、該サイドカバー内にエアクリーナの吸気ダクトを開口させるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置のようにサイドカバー内に吸気ダクトを開口させる構造では、吸気ダクト内に跳ね水等が侵入してエレメントに付着し易いという問題がある。上記水の侵入を防止するためには、上記吸気ダクトの開口部分に水入り防止板等を配設することが考えられるが、このようにした場合は部品点数が増えるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、部品点数を増やすことなく水入りを防止できる自動二輪車のエアクリーナ装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームの後端部にシートレールを支持するレールブラケットを接続した車体フレームを備えた自動二輪車のエアクリーナ装置において、上記メインフレームの後端部とレールブラケットとの接続部に該接続部を上方から囲むように補強プレートを固着し、該補強プレートとメインフレームの後端部及びレールブラケットとで囲まれた空間を空気導入室とし、該空気導入室の左, 右何れか一側にエアクリーナケースを配置し、該エアクリーナケースの吸気口を上記空気導入室内に開口させたことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図16は、本発明の一実施形態による自動二輪車のエアクリーナ装置を説明するための図であり、図1は自動二輪車の左側面図、図2は車体フレームの左側面図、図3はエンジンの断面左側面図、図4〜図6はそれぞれシリンダヘッドの平面図,断面正面図,断面側面図、図7,図8はシリンダボディの断面側面図,底面図、図9及び図10はシリンダボディの鋳型を示す構成図、図11は鋳型の斜視図、図12及び図13はエアクリーナ装置の断面平面図,側面図、図14及び図15はキック始動装置の断面背面図,側面図、図16はエアクリーナ装置の吸引カバーを示す図であり、同図(a),(b),(c),(d),(e) はそれぞれ平面図,左側面図,正面図,d−d線断面図,e−e線断面図である。なお、本実施形態における左右,前後とはシートに着座した状態での左右,前後を意味する。
【0007】
図において、1は自動二輪車であり、これの車体フレーム2はヘッドパイプ3に車体後方斜め下方に傾斜して延びる1本のメインフレーム4の前端を接続し、該メインフレーム4の後端に斜め上方に延びる横断面コ字状のレールブラケット6を接続し、該接続部、即ちレールブラケット6の上部とメインフレーム4の後端部とを囲むように横断面逆U字状のガセット7(補強プレート)を接続するとともに、該ガセット7及び上記レールブラケット6の上端に車体後方斜め上方に延びる左, 右一対のシートレール5を接続した概略構造のものである。
【0008】
また、上記各シートレール5とレールブラケット6との間にはバックステー8が架設されており、上記ガセット7の上面にはシートチューブ9が立設されている。また上記メインフレーム4の略中央下側には支持ブラケット10が、後端には下方に延びる懸架ブラケット11がそれぞれ接続されており、両ブラケット10,11によりエンジン12が支持されている。
【0009】
上記シートチューブ9には前部座席13a,後部座席13bを一体形成してなるシート13の前端部が枢支されており、該シート13の下方にはそれぞれオイルタンク14,バッテリ15,燃料タンク16が配設されている。
【0010】
また上記ヘッドパイプ3にはフロントフォーク20が枢支されており、該フロントフォーク20の下端には前輪21が、上端には操向ハンドル22が装着されている。上記懸架ブラケット11にはピボット軸23を介してリヤアーム24が上下揺動可能に枢支されており、該リヤアーム24の後端に後輪25が装着されている。このリヤアーム24とレールブラケット6との間にはリヤクッション27が架設されている。
【0011】
上記ヘッドパイプ3の前部にはヘッドライト30が装着されたカウリング31が配設されており、上方には操向ハンドル22が配設されている。上記メインフレーム4の左, 右側部には下方に延びエンジン12を囲むアンダカバー33が、またシート13の下面にはサイドカバー34が配設されており、該サイドカバー34の後端にはテールライト35が装着されている。
【0012】
上記エンジン12は、図3に示すように、シリンダボア37dの軸線(気筒軸)を前側に約35度傾斜させて車体フレーム2に搭載された空冷式2サイクルエンジンであり、これは左右2分割型クランクケース36の上合面にシリンダボディ37を、該シリンダボディ37の上合面にシリンダヘッド38を積層してヘッドボルトで締結し、上記シリンダボディ37のシリンダボア(気筒)37d内にピストン39を摺動自在に挿入するとともに、該ピストン39をコンロッド40でクランク軸41のクランクピン42に連結した構造のものである。また上記シリンダヘッド38の下面には燃焼凹部38aが凹設されており、該凹部38a内に点火プラグ42の電極が露出している。
【0013】
上記クランクケース36内は、上記クランク軸41を収納するクランク室36aと変速機構43を収納する変速室36bとに隔壁36cにより区分けされている。上記変速機構43は、クランク軸41の回転をこれの右端に装着された遠心式オートクラッチ(不図示),メイン軸43a,ドライブ軸43b,及び不図示のスプロケット,チェーンを介して後輪25に伝達するようになっている。なお、図1の47はチェーンカバーである。
【0014】
また上記クランク軸41の下方にはこれと平行にバランサ軸45が配設されており、クランクケース36の前壁36dの前部にはセルモータ46がこれの駆動軸46aを車体左側に向けてかつクランク軸41と平行に配置されている。また図示していないが、上記クランク軸41の右端側には遠心式オートクラッチが装着されている。
【0015】
上記シリンダボディ37の外周壁には気筒軸と直角方向に起立する複数の放熱用冷却フィン50が気筒軸方向に間隔をあけて一体形成されており、該各冷却フィン50同士は車幅方向中央のリブ50aにより一体的に接続されている。また上記シリンダボディ37の気筒壁にはクランク室36aとシンダボア37d内とを連通する複数個の掃気ポート51が形成されている。さらに上記シリンダボディ37のクランクケース36と接続される下合面37bには、図7〜図10に示すように軽量化を図るための肉抜き凹部37aが形成されている。
【0016】
次に本実施形態におけるシリンダヘッド38の防振構造について説明する。
上記シリンダヘッド38の上壁には、図4〜図6に示すように、気筒軸方向に起立し、車両進行方向に延びる多数の冷却フィンが車幅方向に間隔をあけて一体に突出形成されている。この冷却フィンのうちの厚さ方向(車幅方向)左, 右最外側に位置する外側フィン52a,52aの頂面高さは、内側に位置する各内側フィン52bの前端部52b´を除く部分の頂面高さより高くなっている。なお、上記各内側フィン52bの前端部52b´の頂面高さは上記外側フィン52aと同じ高さに形成されている。即ち上記各内側フィン52bは段落ち状に形成されている。そして各内側フィン52bの段落ち状部分の頂面上にはゴム板製の弾性シート53を介して金属板製のヘッドカバー54が配置されており、該ヘッドカバー54の上面と上記外側フィン52a及び上記前端部52b´の頂面とは面一になっている。このヘッドカバー54はシリンダヘッド38の四隅に一体形成されたボス部38dにボルト57を螺着して共締め固定されている。また上記弾性シート53の、スタッドボルト孔38b,点火プラグ孔38cに対応する部分には孔53aが形成されている。
【0017】
上記左, 右外側フィン52aと該フィン52aに隣接する内側フィン52bとの長手方向両端部,及び中央部とはリブ60により一体的に接続されている。また上記隣接する内側フィン52bの上記リブ60が接続された部分には切り欠き61が形成されている。この切り欠き61は上記両フィン52a,52bとリブ60とで形成された空間aをその車載状態低所部位において外方に開放する開口となっており、これにより上記空間aに侵入した泥水等の排出通路が形成されている。
【0018】
上記内側フィン52bのうち車幅方向中央に位置する各フィン52bには後縁を切り欠いてなる平面視半円状の逃げ凹部62が形成されており、該逃げ凹部62内にメインフレーム4の下縁が位置している。この逃げ凹部62を形成したことにより、メインフレーム4の寸法,形状、またエンジン12の傾斜角度を変えることなく、エンジンを車体に搭載した状態でシリンダヘッド38の脱着が可能となる。即ち、エンジン車載状態でシリンダヘッドを脱着可能にするためには、エンジンの前傾角度を大きくしたりフレーム位置を上方に変更する方法が考えられるが、このようにするとフロントフェンダに干渉したり、フレーム形状の自由度が低くなるという問題が生じる。また上記凹部62は後述する排気ポートの反対側であるので冷却性への影響はほとんどなく、また内側フィン52bの一部を切り欠くだけであるので弾性シート53の当接面積が極端に減少することはなく、防振対策への影響を回避できる。
【0019】
上記シリンダボディ37の前壁部にはシリンダボア37dに連通する排気ポート65が斜め下向きに形成されている。また排気ポート65の外部接続開口の周縁には環状の凸フランジ部66が形成されており、該凸フランジ部66部分はシリンダボア中心側に近接するよう図7の矢印a方向に凹ませて形成されている。これにより排気ポート65周囲の体積を小さくし、排気ガスによる蓄熱量を抑制している。また、上記凸フランジ部66部分を凹ませたことにより、排気管67の曲げ半径を大きくとることができ、該排気管67の曲げ成形加工がやり易くなり、また同じ曲げ半径であれば突出寸法が小さくなり、前輪との干渉の問題が生じにくくなる。一方、上記凸フランジ部66を凹ませたことから、該フランジ部66の下半部66bは、図8に示すように、シリンダボディ37をクランクケース36に固定するためのボルト用ボス部37cよりシリンダボア中心側に位置しており、そのため後述するように、鋳造用型の形状に制約が生じることとなる。
【0020】
上記凸フランジ部66には図示しないガスケットを介在させて排気管67のフランジ部67bがボルト締め固定されている。この排気管67はシリンダボディ37から下方に延びた後車体右側部に導出されここから後方に延びており、これの後端部には消音器67aが接続されている。
【0021】
つぎに本実施形態における上記シリンダボディ37の鋳型について説明する。シリンダボディ37は、図9〜図11に示す鋳型70により製造されたものである。即ち、この鋳型70は、シリンダボディ37の主要部を形成するための一対の左, 右母型71,72と、該両母型71,72と協働して上記排気ポート65,及び凸フランジ部66のシリンダヘッド側に位置する上半部66aを形成する排気用中子73と、上記シリンダボディ37の下合面37bの肉抜き凹部37a,及び上記凸フランジ部66のクランクケース側に位置する下半部66bを形成する肉抜き型74とから構成されている。
【0022】
上記排気用中子73は排気ポート65を形成する大略円錐状のポート部73aと、ポート開口の周縁及び凸フランジ部66の内周面を形成する円柱部73bとからなり、該円柱部73bと上記左, 右母型71,72に形成された円弧状切り欠き凹部71a,72aとで凸フランジ部66の上半部66aが形成される。また上記ポード部73aの先端面には鋳込み時に該中子73を位置決め支持する支持部73cが突出形成されている。
【0023】
上記肉抜き型74は、シリンダボディ37の下合面37b,及びボス部37cの一部を形成するベース部74aと、上記中子73の円柱部73bを支持する支持部74cとを一体形成した構造のものであり、上記ベース部74a上に、上記肉抜き凹部37aを形成する一対の凸部74bが突設され、上記支持部74cの周縁に上記円柱部73bとで上記凸フランジ部66の下半部66bを形成する下半部用型部74dが凹設されている。
【0024】
上記シリンダボディ37は上記鋳型70に溶湯を鋳込んだ後、左, 右母型71,72を左右に型割りするとともに排気用中子73をポート軸方向後方に型抜きし、肉抜き型74をシリンダボアの軸線方向下方に型抜きして製造されたものである。
【0025】
上記クランクケース36の後側上壁にはクランク室36aに連通する吸気開口36eが形成されており、該開口36eにはリードバルブ75が挿入配置されている。このリードバルブ75は上方に開く弁板のみを有する片開きタイプのもので、ピストン39の上昇によってクランク室36aが負圧になると自動的に開いて空気を導入し、下降によって正圧になると閉じて空気の吹き返しを防止するものである。また、上記吸気開口36dのリードバルブ75の上流側には気化器76が接続されており、該気化器76の上流側にはエアクリーナ装置68が接続されている。
【0026】
次に上記エアクリーナ装置68について説明する。
上記エアクリーナ装置68は、図12,図13に示すように、上述のメイフレーム4,及びレールブラケット6の接続部と該部分を囲むガセット7とで空気導入室Aを形成するとともに、該ガセット7の左側部分に樹脂製のエアクリーナケース80を配置して構成されている。そして上記空気導入室Aの最底部におけるメインフレーム4とガセット7との間の溶接に際し、意識的に一部を溶接しないことによって隙間を設け、これを水抜きとしており、仮に空気導入室A内に雨水等が侵入した場合は上記水抜き部分から下方に落下排出するようになっている。
【0027】
また上記エアクリーナケース80はケース本体81とケースカバー82とからなる左, 右2分割型のもので、該ケース本体81はこれの外壁に突出形成されたフランジ部81a,81bを介して車体フレーム2にボルト締め固定されている。
【0028】
上記ケース本体81とケースカバー82との合わせ部には両者を区分けするエレメント83が配設されており、該エレメント83はケース本体81,ケースカバー82の周縁に一体形成された係合突起84により挟持固定されている。また上記ケースカバー82は、これに一体形成されたボス部82aをケース本体81のボス部81cに同軸をなすよう係合させるとともにボルト85を螺挿することによりケース本体81に着脱可能に取り付けられている。これによりケースカバー82を取り外すだけでエレメント83の交換が可能となっている。
【0029】
上記ケース本体81内には車幅方向に延びる円筒状の吸気ダクト部86が一体形成されており、該吸気ダクト部86の上流側吸気口86aはケース本体81から外方に突出している。また上記吸気ダクト部86の下流側吸気口86bはエレメント83を貫通してケースカバー82内に開口している。上記ケース本体81の前壁には吐出口81dが形成されており、該吐出口81dには上記気化器76の上流端が吸気管87を介して接続されている。
【0030】
そして上記ガセット7の左側後部には吸気導入口7aが、右側前部には空気取り入れ開口7bがそれぞれ形成されており、上記吸気ダクト86の上流側吸気口86aは上記吸気導入口7aを通って上記空気導入室A内に開口している。また上記ガセット7には上記開口7bを囲む大略碗状の吸引カバー26がボス部26f,26gに挿通されたボルトによって締め付け固定されており、これにより雨水等の開口7bへの侵入を防止している。この吸引カバー26には吸引口26a〜26dが形成されており、これにより上記雨水の侵入を防止しつつ吸引口面積を十分に確保して吸引抵抗を小さくしている。また上記吸引カバー26の車幅方向先端部にはカバー取付ボス26eが形成されており、該ボス部26eにサイドカバー34がボルト締め固定されている。
【0031】
このようにして、上記吸引カバー26の吸引口26a〜26dを通って上記空気開口7bから吸入された空気は空気導入室Aから吸気ダクト86を通ってケースカバー82内に導入され、ここからエレメント83で濾過されてケース本体81内に入って吐出口81dから気化器76に供給される(図12の→印参照)。
【0032】
次に本実施形態のニュートラルキック始動装置を図14,図15に基づいて説明する。
本ニュートラルキック始動装置は、エンジン12の右側に配設されたキックアーム91を踏み込むとキック軸90が回動し、該回動に伴ってラチェット92が軸方向右方に移動してキックギヤ93に係合し、該キックギヤ93の回動により一速ギヤ94を介してクランク軸41を回動するように構成されている。なお、一速ギヤ94は変速用ドグ(不図示)が係合しない状態ではドライブ軸43b上を回転自在となっている。
【0033】
上記クランクケース36は、左, 右ケース(第1,第2ケース)95a,95bに分割され、該右ケース95bにはケースカバー95cが着脱可能に装着されている。上記キック軸90の左端部は左ケース95aにより、中央部は右ケース95bにより、さらに右端部はケースカバー95cによりそれぞれ軸支されている。上記キック軸90の左ケース95a内側にはストッパ96がかしめ加工により固着されている。該ストッパ96は不図示のケース側ストッパ部に当接することにより、キック軸90の踏み込み前の戻り位置(回動前位置)を位置決め規制するものである。また上記キック軸90の右ケース95b内側には上記キックギヤ93が相対回転可能に装着されており、該キックギヤ93はサークリップ97a,ストッパプレート97bにより軸方向移動不能に保持されている。
【0034】
また上記キック軸90の右ケース95bとケースカバー95cとの間には該キック軸90を反踏み込み方向に、つまり上記戻り位置に向けて常時付勢するリターンスプリング98が装着されており、該リターンスプリング98の一端98aは右ケース95bに、他端98bはキック軸90に係止されている。またキック軸90の右ケース95bとケースカバー95cとの間にはカラー99が介設されている。
【0035】
上記キック軸90のストッパ96とキックギヤ93との間に配設された上記ラチェット92は上記キック軸90に形成された捩じれスプライン90aに噛合しており、また該ラチェット92には所定トルクまでは回転不能に保持するスプリング100が装着されており、該スプリング100の一端は上記ラチェット92に、他端は左ケース95aに係止されている。
【0036】
なお、上記ストッパ96,ラチェット92,キックギヤ93を図14と左右対称位置、つまり図示右から左に順にストッパ96,ラチェット92,キックギヤ93を配置しても良い。
【0037】
ここで上記ラチェット92の動作について説明する。キック軸90の回動に伴ってラチェット92に回転力が加わると、該ラチェット92はスプリング100で保持されているので回動せず、従って捩じれスプライン90aによりキック軸90の軸方向の駆動力を受けキックギヤ93側に移動する。そしてラチェット92のドグ92aがキックギヤ93のドグ93bに係合するとキック軸90の回動がラチェット92を介してキックギヤ93に伝わり、該キックギヤ93が一速ギヤ94を介してクランク軸41を回動させることとなる。
【0038】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のシリンダヘッド防振構造によれば、左, 右外側フィン52aの頂面高さを内側フィン52bの頂面高さより高くし、該内側フィン52bの頂面に弾性シート53を介在させてヘッドカバー54をボルト57により共締め固定したので、フィンの振動によるフィン鳴きを防止することができる。そしてこの場合、上記弾性シート53,ヘッドカバー54の端面は外側フィン52aにより覆われて側方から見えることはなく、側方からの外観を改善できる。また従来のフィン間等に弾性部材を押し込むようにした場合に比べて部品点数を削減でき、コストを低減できる。
【0039】
そして上記左, 右の外側フィン52aと隣接する内側フィン52bとをリブ60により一体的に接続したので、左,右の外側フィン52aの剛性を高めることができ、該外側フィン52aの振動によるフィン鳴きを防止できる。また上記弾性シート53,ヘッドカバー54を外側フィン52aに当接させたので、この点からも外側フィン52aの振動を防止できる。
【0040】
さらにまた上記外側フィン52aと隣接する内側フィン52bとの上面をヘッドカバー54等で覆ったので、上記両フィン52a,52b及びリブ60で囲まれた空間a内に泥水等が侵入するのを防止でき、また上記内側フィン52bに切り欠き部61を形成したので、仮に上記空間a内に泥水等が侵入したとしても該侵入した泥水等は切り欠き部61から外方に排出されることから、リブ60を形成したことによる水,泥等つまりを防止できる。
【0041】
上記切り欠き部61を外側フィン52aではなく内側フィン52bに形成したので、切り欠きが側面視で見えることはなく、切り欠きを設けたことにより外観が悪化するのを防止できる。また泥水等は車両前側に流出するので、側面から見た場合に泥水等で汚れることがなく、この点からも外観悪化を防止できる。
【0042】
ここで、例えば図5に二点鎖線で示すように、弾性シート53に脚部53aを一体に突出形成し、該脚部53aを外側フィン52aと内側フィン52bの間に押し込むようにしてもよい。このようにした場合には、部品点数を増やすことなく外側フィン52aの振動をさらに抑制でき、またリブ60の数量削減,あるいは省略が可能となる。
【0043】
本実施形態のシリンダボディ用鋳型70によれば、凸フランジ部66の上半部66aについては、左, 右母型71,72と排気用中子73とで形成し、下半部66bについては上記排気用中子73と肉抜型74に形成した下半部用型部74dとで形成するようにしたので、上記排気用中子73は、排気ポート用ポート部73aと凸フランジ66内周面用円柱部73bとからなる簡単な構造で済み、従来の別々の中子を作成した後結合する場合に比べて中子構造を簡素化でき、コストを低減できる。
【0044】
また肉抜き型74だけで肉抜き凹部37a,及び凸フランジ部66の下半部66bを同時に形成でき、別体の型部材を不要にでき、それだけコストを低減できる。
【0045】
本実施形態のエアクリーナ装置68によれば、メインフレーム4,レールブラケット6の接続部と該部分を囲むガセット7とで空気導入室Aを構成し、該ガセット7の吸気導入口7aにエアクリーナ80の吸気ダクト部86を挿入し、空気導入室A内に開口させたので、水入りを確実に防止できる。また上記吸気導入口7aは空気導入室Aの底面より高所に位置しているので該空気導入室Aに侵入した水は吸気ダクト部8b内に侵入することはなく、また上記空気導入室Aの最低位置に意識的に設けられた上記メインフレーム4とがセット7との間の非溶接ヶ所(水抜き)を通って外側に排出されることから、侵入水が空気に混入するのを防止できる。その結果、特別に水入り防止板等を必要とすることなく雨水等の吸い込みを確実に防止できる。
【0046】
また上記吸気ダクト部86をケース本体81に一体形成したので、別体のダクトを配設する場合に比べてコストを低減できる。また空気導入室Aの容積は他の車体部分より大きいので、吸気量の低下を招くことはなく、さらに剛性の高いガセット7の内部を空気導入室Aとしたので、ガセット7自身が吸気騒音の発生源になることを防止できる。また吸気ダクト86を設けエアクリーナ内を反転構造とし上流側吸気口86a,吐出口81dの両者をケース本体81側に形成したので、ケースカバー82側には吸気通路としての連通部は不要であり、着脱容易な構成となるため、エレメントの清掃,交換等のメンテナンスが容易である。また上記ケース本体81とケースカバー82とでエレメント83を挟持し、該ケースカバー82を着脱可能としたので、該ケースカバー82を取り外すだけでエレメント83の交換ができ、この点からもメンテナンスを容易に行うことができる。
【0047】
本実施形態のキック始動装置によれば、左, 右ケース95a,95bにキック軸90を架け渡して軸支する場合に、上記キック軸90の左ケース95a側にストッパ96を固着し、ラチェット92,キックギヤ93を装着するようにしたので、組み付け作業を容易に行うことかできる。即ち、キック軸90のクランクケース36への組み付けに当たっては、該キック軸90に上記ストッパ96,ラチェット92,キックギヤ93を予め装着した状態で左端部を左ケース95aの軸支孔に組み付け、該左ケース95aと右ケース95bとを結合した後、キック軸90の右ケース95bから外方に突出する部分に上記ストッパ96がケース側ストッパ部に当接するようにキック軸90を回動前位置に回動させた状態でリターンスプリング98を装着し、カラー99を装着する。そしてケースカバー95cを装着し、最後にキックアーム91を装着すれば良い。従って、従来のようなストッパ,ラチェットの位置合わせを行いながらの装着作業を不要にでき、作業性を向上できる。なお、カラー99にはスリットが形成されており、該スリット内にリターンスプリング98の端部を位置させることにより、該スプリング98装着後にカラー99を装着できるものである。
【0048】
また従来のラチェットを軸方向に移動させるためのスプリング,ガイドを不要にできるとともに、キックギヤを移動不能に保持するサークリップが1つだけで済むので、部品点数及び作業工数を削減できコストを低減できる。
【0049】
なお、上記実施形態では、エンジンの右側にキックアームが配置された場合を説明したが、キックアームを左側に配置してもよい。この場合各部品の配置位置は図14と左右対称となる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、メインフレームの後端部とレールブラケットとの接続部を囲むように補強プレートを固着したことにより形成された空間を空気導入室とし、該空気導入室内にエアクリーナケースの吸気口を開口させたので、該補強プレートが水入り防止板として機能することから、別部材を用いることなく水入りを防止でき、コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエアクリーナ装置を説明するための自動二輪車の左側面図である。
【図2】上記自動二輪車の車体フレームの左側面図である。
【図3】上記空冷エンジンの断面左側面図である。
【図4】上記エンジンのシリンダヘッドの平面図である。
【図5】上記シリンダヘッドの断面正面図である(図4のV−V線断面図)。
【図6】上記シリンダヘッドの断面左側面図である。
【図7】上記エンジンのシリンダボディの断面左側面図である。
【図8】上記シリンダボディの底面図である。
【図9】上記シリンダボディの鋳型を示す右側面構成図である。
【図10】上記鋳型を示す正面構成図である。
【図11】上記鋳型の分解斜視図である。
【図12】上記エンジンのエアクリーナ装置の断面平面図である。
【図13】上記エアクリーナ装置のケースカバーを外した状態の左側面図である。
【図14】上記エンジンのキック始動装置の断面平面図である。
【図15】上記キック始動装置のケースカバーを外した状態の右側面図である。
【図16】上記エアクリーナ装置の吸引カバーを示す図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 メインフレーム
7 ガセット(補強プレート)
11 レールブラケット
80 エアクリーナケース
86a 吸気口
A 空気導入室
Claims (1)
- ヘッドパイプから車体後方に延びるメインフレームの後端部にシートレールを支持するレールブラケットを接続した車体フレームを備えた自動二輪車のエアクリーナ装置において、上記メインフレームの後端部とレールブラケットとの接続部に該接続部を上方から囲むように補強プレートを固着し、該補強プレートとメインフレームの後端部及びレールブラケットとで囲まれた空間を空気導入室とし、該空気導入室の左,右何れか一側にエアクリーナケースを配置し、該エアクリーナケースの吸気口を上記空気導入室内に開口させたことを特徴とする自動二輪車のエアクリーナ装置。
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