JP4630435B2 - スチレン系樹脂防曇シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に真空成形、圧空真空成形、熱板圧空成形などの手段で2次成形され、軽量食品包装容器やその他各種容器に使用される防曇性が付与されたスチレン系樹脂シートに関する。さらに詳しくは、シート及びその成形容器の防曇性特に低温防曇性に優れ、良好な離型性を有する透明なスチレン系樹脂防曇シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂二軸延伸シートに代表されるスチレン系樹脂延伸シートは、熱板加熱式圧空成形法、輻射加熱式真空成形法、圧空成形法等の各種熱成形方法、なかでも熱板加熱式圧空成形法により成形され、食品包装用途をはじめ各種成形容器として多く使用されている。これらスチレン系樹脂シート成形容器、特に食品包装容器は、容器の曇り止め(防曇剤)として成形品の内側に界面活性剤が塗布され、かつ成形機の金型からの離型性や成形品同士の剥離性を付与するために、防曇剤と混合してまたは、防曇剤とは反対面に、離型剤としてジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル(以下特に断りがない限り、シリコーンオイルとはジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の非水溶性のシリコーンオイルを示す)を塗布するのが一般的であり、種々の技術が開発されている。
【0003】
例えば、特公昭63−62538号公報には、ショ糖脂肪酸エステル、ポリビニルアルコールとシリコーンオイルを主成分とする混合物をスチレン系樹脂二軸延伸シートに塗布する方法が記載されている。また、特開平9−295384号公報には、片面に防曇剤、反対面に離型剤としてシリコーンオイルが塗布されたシートロールが提案されている。さらに、スチレン系樹脂二軸延伸シートの防曇性改良方法として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを単独または混合して使用する方法が、特開平9−12751号公報、特開平11−277688号公報、特開平11−300904号公報等に記載されている。これら方法においても、熱成形用シートとして使用する場合は、防曇性とともに離型性、剥離性を付与するために、離型剤としてシリコーンオイルを防曇剤と混合して塗布、またはシリコーンオイルを反対面に塗布したシートを用いるのが好ましいことが記載されている。
【0004】
このように、スチレン系樹脂二軸延伸シートの多くは、防曇性と離型性及び剥離性を付与するために、防曇剤としてショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル及びこれらの混合物を、また、離型剤としてシリコーンオイルが塗布され、ロール状に巻かれ市販されている。シリコーンオイルとしては、ほとんどのシートで安全性と経済性よりジメチルポリシロキサンが使われている。シリコーンオイルが塗布されていないシートは、成形時の金型とシートとの離型性の悪化や、シート成形品を重ね合わせたときの成形品同士の剥離性の悪化等の問題が生じ、成形用途としては実用性に欠ける。
【0005】
しかしながら、上述の防曇剤(ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、これらの混合物等)とシリコーンオイルとが混合して塗布されているスチレン系樹脂二軸延伸シートまたは、片面に防曇剤、反対面にシリコーンオイルが塗布されたスチレン系樹脂二軸延伸シートから得られる成形容器は、市場の防曇性要求レベルを完全に満たしているとは言い難いものである。包装用容器、特に食品包装容器に市場で要求される防曇性能とは、高温の内容物を包装した場合の水蒸気に対する防曇性(高温防曇性)、水分を含む食品等の内容物を包装し冷蔵保存した場合の結露に対する防曇性(低温防曇性)、更に冷蔵後加熱される内容物に対しては結露、水蒸気両方に対しての防曇性であり、そして防曇性能は包装直後から内容物が消費されるまでの間持続する必要がある。その要求レベルは、包装用シート・フィルム業界全体の防曇技術水準の向上と共に高くなっている。しかし、スチレン系樹脂二軸延伸シートの成形品は、一般に他素材の包装用シート・フィルムに比較して特に低温防曇性レベルとその持続性が低いとの指摘がある。スチレン系樹脂二軸延伸シートの成形品の防曇性不足は、絞り比の深い成形容器で特に低温での防曇性低下が顕著であり、防曇剤としてショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びこれらの混合物いずれを使用した場合でも観察される現象である(防曇剤により若干の差はある)。
【0006】
さらに、離型剤としてシリコーンオイルを塗布した公知のシートは、容器成形時に金型とシートとの摩擦によって静電気が発生しやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、成形時の離型性を保持し、実用防曇性、特に低温防曇性を向上させた透明なスチレン系樹脂防曇シートを供給すること、すなわち、スチレン系樹脂シート成形容器、中でも絞り比の大きい成品(例えば、絞り比0.3以上の成形品)においても低温での初期防曇性レベルの向上とその持続性に優れ、成形機の金型からの離型性が良好なスチレン系樹脂防曇シートおよび防曇性を有する成形品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため防曇剤組成物を検討した結果、ショ糖脂肪酸エステル類やポリグリセリン脂肪酸エステル類にエーテル系多量体とポリビニルアルコールとを混合することで特に低温防曇効果が改良できることを見出した。更に、従来公知のスチレン系樹脂シートの低温及び高温での防曇性不足は、防曇剤と離型剤であるシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンやジフェニルポリシロキサン等)を混合してシートに塗布すること(例えば、特公昭63−62538号公報に記載のシート)または、シートをロール状に巻き取った際に、防曇剤上にシリコーンオイルが転写する(例えば、特開平9−295384号公報に記載のシート)ことが大きく影響していること、すなわちシリコーンオイルが防曇性に悪影響を与えていることを見出し、またエーテル系多量体は、スチレン系シートの離型剤作用があり、かつ防曇性を悪化させることがないことを見出した。本発明は、これら2つの知見を基に達成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の1.〜.の特徴を有するものである。
1.一表面に防曇剤が被覆され、その反対面には離型剤が被覆されたスチレン系樹脂防曇シートにおいて、防曇剤が、下記(A)、(B)、(C)成分よりなり、離型剤は下記(B)を含むことを特徴とするスチレン系樹脂防曇シート。
(A)ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステル類
(B)エーテル系多量体
(C)ポリビニルアルコール
【0010】
2.一表面に防曇剤が被覆され、その反対面には離型剤が被覆されたスチレン系樹脂防曇シートにおいて、防曇剤が、下記(A)、(B)、(C)成分よりなり、かつ下記(1)、(2)、(3)の条件を満たし、離型剤は、下記(B)を必須成分とし、かつ下記(4)の条件を満たすことを特徴とするスチレン系樹脂防曇シート。
(A)ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステル類
(B)エーテル系多量体
(C)ポリビニルアルコール
【0011】
(1)上記脂肪酸エステル類(A)とエーテル系多量体(B)との質量混合比が、0.4≦A/(A+B)≦0.95である。
(2)ポリビニルアルコール(C)の添加量は、上記(A)+(B)組成物100質量部に対し、1〜50質量部である。
(3)(A)、(B)、(C)よりなる防曇組成物の被覆量が7〜50mg/m2である。
(4)離型剤としての(B)の被覆量が3〜30mg/m2である。
3.上記(B)を必須成分とする離型剤が、上記(B):99〜30wt%と下記(D):1〜70wt%の混合物である1.または2.記載のスチレン系樹脂防曇シート。
【0012】
(D)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、脂肪酸アミド類より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤。
4.上記エーテル系多量体(B)がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールより選ばれる少なくとも1種である1.、2.または3.記載のスチレン系樹脂防曇シート。
【0013】
5.上記ポリビニルアルコール(C)がポリビニルアセテートの部分ケン化反応生成物であって、ケン化度が60〜80モル%であり、かつポリビニルアルコール(C)の4%水溶液20℃の粘度が2〜10mPa・sである1.から4.のいずれかに記載のスチレン系樹脂防曇シート。
6.スチレン系樹脂防曇シートがスチレン系樹脂二軸延伸シートである1.から5.のいずれかに記載のスチレン系樹脂防曇シート。
【0014】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、従来公知のスチレン系樹脂シートの防曇性低下が、シートの離型性や剥離性を付与するために被覆されているシリコーンオイル(主に、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の非水溶性シリコーンオイル)に帰因することを見出し、この知見を基に、防曇性に悪影響を及ぼさないスチレン系樹脂シートの離型剤の改良を種々検討し、さらに低温防曇性を向上させる防曇剤組成物を種々検討した結果、達成できたものである。
【0015】
本発明の特徴は、シートの低温防曇性の改良を防曇剤組成物の改良とともに、防曇剤の反対面に被覆膜を形成する離型剤を厳選し、その離型剤の効果でも低温防曇及び高温防曇改良を達成している点にある。すなわち、脂肪酸エステル類(A)、エーテル系多量体(B)およびポリビニルアルコール(C)よりなる組成物を防曇剤として使用し、エーテル系多量体(B)を必須成分(必要により界面活性剤(D)などとの組成物)とする離型剤を使用することで、シート及び成形品の低温防曇性能を高度に高め、従来公知のスチレン系樹脂シートの離型性を保持することを可能にしたものである。
【0016】
まず本発明のシートの防曇面について説明する。
本発明のシートの防曇面は、ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステル類(A)、エーテル系多量体(B)、及びポリビニルアルコール(C)成分よりなる混合組成物が被覆され、これら3成分の相乗効果により、例えば上記(A)成分単独を防曇剤として使用する公知のシートと比較し特に低温防曇性が改良される点に特徴がある。以下、防曇剤を構成する各成分について説明する。
【0017】
本発明において防曇面に被覆されている脂肪酸エステル類(A)は、ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類より選ばれる少なくとも1種である。
ショ糖脂肪酸エステル類は、C10〜C20の脂肪酸成分を主成分とするHLBが、11〜18程度のショ糖脂肪酸エステル類がより好ましく、更に好ましくはショ糖ラウリン酸モノエステルを主成分(50wt%以上)とするHLBが、13〜17程度のものである。好ましいショ糖脂肪酸エステル類を構成する脂肪酸成分及びHLBは、ショ糖脂肪酸エステル類を水溶液として塗布する際の水溶性と防曇性の持続性より決定される。これらショ糖脂肪酸エステル類は1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。
【0018】
また、ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を構成するポリグリセリンの重合度が6〜10、かつ脂肪酸の炭素数がC10〜C20のポリグリセリン脂肪酸エステル類を主成分とするHLBが、11〜18程度のものが好ましく、さらに好ましくは、ヘキサグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等(すべてモノエステル比50モル%以上)の単独及びこれらを主成分(合計50wt%以上)とするHLBが、13〜17程度のものである。これらポリグリセリン脂肪酸エステル類の構造、HLBは、ショ糖脂肪酸エステル類同様、防曇剤組成物を水溶液として塗布する際の作業性と、防曇性の持続性、高温防曇と低温防曇とのバランスの観点で特に有効な領域である。これらポリグリセリン脂肪酸エステル類は1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。
【0019】
また、これらショ糖脂肪酸エステル類とポリグリセリン脂肪酸エステル類は、任意の割合で混合して使用しても良く、この場合低温防曇性と高温防曇性のバランスがとれ好ましい場合もある。特に好ましい組合せは、ショ糖ラウリン酸エステルを主成分とするHLBが13〜17のショ糖脂肪酸エステル類と、ヘキサグリセリンラウリン酸エステルまたはデカグリセリンラウリン酸エステルを主成分とするHLBが、12〜15のポリグリセリン脂肪酸エステル類との組合せで、ショ糖脂肪酸エステル類が、好ましくは10〜90wt%、より好ましくは、15〜70wt%、さらに好ましくは、20〜50wt%の混合物である。
【0020】
一般に市販されているショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、通常、構成する脂肪酸が、数種類の混合物で且つ、モノエステル、ジエステル、トリエステル等の混合物である。本発明に用いるショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、上記の条件を満たす範囲でこのような一般に市販されている混合物を使用してもかまわない。
また、HLB値は、Griffinの多価アルコールの脂肪酸エステルの場合の一般式、HLB=20(1−S/A)(ここで、Sはエステルのケン化価、Aは脂肪酸価である)より算出する方法で求められる。
【0021】
次に本発明において、防曇面に被覆されているエーテル系多量体(B)とは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールの縮合反応物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの付加反応物またはこれらの共重合体等の、多価アルコールやアルキレンオキサイドを、単量体ユニットとし、2つ以上の単量体ユニットが1つ以上のエーテル結合で結ばれている多量体(2量体以上)である。
【0022】
好ましいエーテル系多量体には、例えば、ポリグリセリン(ジグリセリン以上)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらエーテル系多量体は、防曇性改良助剤として低温防曇を改良する効果とともに、滑り剤、離型剤としての効果もあるため好ましいものである。
これらの内、特に好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールである。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体やポリエチレングリコールをエーテル系多量体(B)として選定した場合は、従来公知の、離型剤としてシリコーオイル(ジメチルポリシロキサン)が被覆されたシートよりも外観(透明性、光沢)の優れたシート及び2次成形品を与える場合が多いために特に好ましいものである。
【0023】
本発明のシートにエーテル系多量体(B)として特に好ましく使用できる、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、プロピレンオキサイドを付加重合させたポリオキシエチレン鎖に、さらにエチレンオキサイドを付加重合させて得られるブロック共重合体で、平均分子量が1000〜20000のブロック共重合体が好ましく、より好ましくは2000〜18000,さらに好ましくは2500〜18000である。該ブロック共重合体の好ましい平均分子量は、シート2次成形品の低温防曇性改良効果とシートの外観、透明性より決められる。
【0024】
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体のブロック形状は、防曇性への悪影響がなく、更に離型剤としての滑り性や剥離性を付与する観点より、ポリオキシエチレンブロック−ポリオキシプロピレンブロック−ポリオキシエチレンブロックの3ブロックよりなるブロック共重合体が特に好ましい。
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、ポリオキシエチレン鎖が50wt%以上のものが好ましく、より好ましくは60wt%以上である。中でも、ポリオキシエチレン鎖が、60〜90wt%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、低温防曇性改良効果、シートの滑り性、離型性改良効果とともに帯電防止性も高度に改良することが可能であるため特に好ましいエーテル系多量体(B)である。
【0025】
また、本発明において(B)成分として特に好ましく使用できる、ポリエチレングリコールは、エチレングリコールや水にエチレンオキサイドを付加して得られるもので、平均分子量が、100〜20000のものが好ましく、より好ましくは200〜16000、さらに好ましくは500〜15000である。好ましい平均分子量は、防曇性改良効果、シートのベトツキとシートの外観、透明性の観点で特に有効な範囲である。
【0026】
これら、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体やポリエチレングリコールは、単独または他のエーテル系多量体(B)と混合組成として好適に使用可能である。(B)成分を混合組成物として用いる場合、ポリオキシエチレン鎖が60〜90wt%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合を50〜95wt%と、ポリオキシエチレン鎖の比率が異なるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種50〜5wt%との組合せが、シート2次成形品の防曇性を高度に改良し、シートの外観の悪化も少ない場合が多く好ましい組成物である。
【0027】
また、本発明において上述の(A),(B)成分とともに防曇面に被覆されるポリビニルアルコール(C)とは、ポリビニルアセテートの部分ケン化反応生成物が好ましく、ケン化度が60〜80モル%であるものがより好ましく、さらに好ましくはケン化度が65〜75モル%のものである(ケン化度は、JIS K6726に準拠して測定)。好ましいケン化度は、防曇剤として(A)成分を単独で使用した場合と比較しての低温防曇性改良効果、シートの外観の観点から特に有効な領域である。
【0028】
また、ポリビニルアルコール(C)の4%水溶液20℃の粘度は2〜10mPa・sであることが好ましく、より好ましくは3〜8mPa・s である(粘度は、JIS K 6726に準拠して測定)。好ましいポリビニルアルコールの粘度は、防曇剤として(A)成分を単独で使用した場合と比較して低温防曇性改良効果が有意に得られかつシートのベトツキやブロッキングを防ぐ観点から決定される。
【0029】
これら防曇面に被覆する、脂肪酸エステル類(A)、エーテル系多量体(B)、ポリビニルアルコール(C)よりなる混合物の混合割合は、以下の通りであるのが好ましい。
まず、脂肪酸エステル類(A)とエーテル系多量体(B)との質量混合比は、0.40≦A/(A+B)≦0.95とするのが好ましく、より好ましくは0.45≦A/(A+B)≦0.90、さらに好ましくは0.5≦A/(A+B)≦0.85である。これら(A)成分と(B)成分との混合割合は、(A)成分単独を防曇剤として使用したときと比較して低温防曇性の改良に特に有効な範囲である。また、高温防曇性の点からも0.40以上が好ましい。
【0030】
次にポリビニルアルコール(C)の混合割合は、上記(A)+(B)組成物100質量部に対し1〜50質量部が好ましく、より好ましくは2〜40質量部、さらに好ましくは3〜35質量部である。これら(C)成分の混合割合は、 (A)+(B)混合成分を防曇剤として使用したときと比較して低温防曇性の改良、シートのブロッキング防止の観点で特に有効な範囲である。
【0031】
これら、(A)、(B)、(C)よりなる防曇剤組成物は、シートの一表面に合計量で7〜50mg/m被覆されるのが好ましく、より好ましくは9〜40mg/m、さらに好ましくは12〜35mg/mである。これらの被覆量は、低温防曇性、高温防曇性を付与し、シートのベトツキやブロッキングを押さえ、白化を防止しシートの外観を良好に保つ観点で特に有効な範囲である。また、本発明のシートを非成用の包装用シートとして使用する場合、2次成形による防曇剤被覆膜の引き延ばしがないため、少量の防曇剤で十分な効果が得られる。このため、非成用の包装用シートとして使用する場合7mg/m以上25mg/m以下の被覆量が好ましい。
【0032】
防曇剤組成物の被覆量の定量分析は、(B)成分については、被覆量既知のシートを標準サンプルとして検量線を作成し、FTIR(ATR法)でシート表面を直接分析する方法で行う。エーテル系多量体(B)は、強いエーテル結合のIR吸収を持つものが多いため、FTIRでの分析が好ましい。また、(A)、(C)成分は、一定面積のシート防曇面をエタノール及び水で洗浄し、洗液を集め、クロマトグラフィーにより分離し、重量法で行う。(A),(C)成分の赤外線吸収が相対的に弱く、また吸収領域は(B)成分及び基材のスチレン系樹脂と重なるため、精度良くFTIRで分析することが困難なため、重量法で行う。また、防曇剤組成物の混合比率が既知の場合は、(B)成分をFTIR分析し、計算で(A),(C)成分の被覆量を求めることも可能である。
【0033】
また、上記防曇剤組成物には、その他の防曇性改良剤として、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸塩等の水溶性高分子や、防曇剤の硬度改質剤としてメチルセルロース、カルボメトキシセルロース等、滑り剤として水溶性のポリエーテル変性シリコーンオイル等を上述の防曇剤組成物100質量部に対し、1〜35質量部添加してもかまわない。但し、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の水に不溶のシリコーンオイルは、防曇性を著しく阻害するため、防曇剤組成物に添加するのは好ましくない。
【0034】
次に、本発明のシートを構成する離型剤について説明する。
本発明のシートの離型剤として使用するエーテル系多量体(B)は、上述の防曇剤組成物に使用するエーテル系多量体(B)と同様なものが好ましく使用できる。より好ましくは、上述の防曇剤組成物として用いる場合と同様ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体とポリエチレングリコールより選定される。但し、離型面に使用するエーテル系多量体(B)は、離型面から防曇面への過剰な転写を防ぐ観点と、離型効果を高度に付与する観点より、防曇面に好ましく使用できるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体やポリエチレングリコールより、若干高分子量のものが特に好ましい。具体的には、離型剤に用いるエーテル系多量体(B)として特に好ましく使用できるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体の平均分子量は2000〜20000、より好ましくは2500〜18000,さらに好ましくは3000〜18000である。また、同様に特に好ましく使用できるポリエチレングリコールの平均分子量は500〜20000、より好ましくは1000〜16000、さらに好ましくは1500〜15000である。
【0035】
本発明のシートの離型面に用いるエーテル系多量体(B)としてのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールの平均分子量の範囲は、シートの防曇性や離型性を高度にコントロールしたシートを安定して供給できるという観点と、シートの外観の観点で特に有効な範囲である。
本発明のシートの離型剤は、上述のエーテル系多量体(B)を必須成分とするもので、エーテル系多量体(B)を単独または、(B)成分同士の混合物で使用すること、(B)成分とその他成分を混合して使用することなどが可能である。本発明のシートの離型剤として、(B)成分とその他成分との混合物を使用する場合は、その他成分として、界面活性剤を使用するのが、離型性、剥離性の悪化なく、帯電防止性を向上させる観点から好ましい。
【0036】
(B)成分と混合して使用するのに好ましい界面活性剤(D)としては、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、脂肪酸アミド類より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これら界面活性剤(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
【0037】
好ましい界面活性剤(D)のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類としては、エチレンオキサイドの付加モル数が20モル、炭素数がC10〜C20の脂肪酸よりなるものの単独または混合物がより好ましい。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類としては、エチレンオキサイドの付加モル数が20モル、炭素数がC10〜C20の脂肪酸よりなるものの単独または混合物がより好ましい。
【0038】
また、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類としては、エチレンオキサイドの付加モル数が4〜40モル、炭素数がC10〜C20の脂肪酸よりなるものの単独または混合物がより好ましい。
また、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類としては、エチレンオキサイドの付加モル数が10〜30モル、炭素数がC8〜C20の脂肪族アルコールよりなるものの単独または混合物がより好ましい。
【0039】
また、脂肪酸アミドとしては、 C10〜C20の脂肪酸とジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミンなどのアルキルアルコールアミンとの縮合生成物である脂肪酸アルカノールアミドまたは、 C10〜C20の脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加反応あるいは、 C10〜C20の脂肪酸アミドとポリオキシエチレンとの脱水反応より得られる、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどがより好ましく、更に好ましくは、 C10〜C20の脂肪酸1モルとジエタノールアミン2モルとの縮合生成物、または同様の脂肪酸1モルとジエタノールアミン1モルとの縮合生成物である。
【0040】
これらより好ましい界面活性剤(D)は、(B)成分との混合物として、優れた帯電防止性を付与する観点と、離型剤被覆面に存在する界面活性剤が防曇面に転写した場合の防曇性悪化を押さえる観点、本発明が食品包装用途に多用されるスチレン系樹脂シートであるための安全性及び、離型剤被覆膜を水溶液としてコーティングにより形成させる場合の作業性、水溶液としての安定性より選ばれたものである。これらより好ましい界面活性剤(D)の内、少量の添加で優れた帯電防止性を付与する観点より、特に好ましくは、上記の特徴を持つポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類及び脂肪酸アミド類である。
【0041】
本発明において離型剤として、エーテル系多量体(B)成分と界面活性剤(D)成分の混合物を使用する場合の混合比率は、(B)成分が99〜30wt%、(D)成分が1〜70wt%が好ましく、より好ましくは(B)成分が99〜35wt%(D)成分が1〜65wt%である。(B)成分混合比率の下限は、シートの離型性や剥離性の観点で特に有効な値である。また、(D)成分の下限である1%は、帯電防止性の改良効果の点で特に有効な値である。
【0042】
本発明のシートにおいて、離型剤としての(B)成分の被覆量は、3〜30mg/m2が好ましい。好ましい被覆量は、シート及び2次成形品の剥離性や離型性を付与する観点とベトツキ防止の観点で特に有効な範囲である。また、通常の塗布型の帯電防止剤は、被覆量の増加とともに帯電防止性が向上するのが一般的であるが、本発明で用いるエーテル系多量体の離型剤は、被覆量が7〜15mg/m2付近に帯電防止性の最適値を有している場合が多い。このため特にシートの帯電防止性を付与する観点からは、エーテル系多量体からなる離型剤の被覆量はより好ましくは3〜25mg/m2、更に好ましくは5〜17mg/m2にするのがよい。
【0043】
また、離型剤として、(B)+(D)混合物等、(B)成分とその他成分との混合物を用いる場合、混合物の合計被覆量上限は、シートの外観低下やベトツキ、シート2次成形時の成形機熱板汚れ等を回避する観点から決定される値である。これらベトツキ等の発生状況は(B)成分と混合するその他成分の割合、種類により異なるため、上限を一概に定義するのは難しく、合計被覆量50mg/m2程度まで好ましく被覆可能な場合もあるが、(B)成分単独で用いる場合と同様、被覆量の上限は30mg/m2以下にするのがより好ましい。
【0044】
上述の離型剤(B)成分の被覆量の定量分析は、防曇面と同様、被覆量既知のシートを標準サンプルとして検量線を作成し、FTIR(ATR法)でシート表面を直接分析する方法で行う。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体またはポリエチレングリコール等は、エステル基による強い赤外線吸収が観察されるため、FTIR(ATR法)による定量が、簡便で精度も良く好ましい。また、離型剤中の(D)成分等、(B)成分以外の被覆量分析は、一定面積のシート離型面をエタノール及び水で洗浄し、洗液を集め、クロマトグラフィーにより分離し、重量法で行う。
【0045】
また、上記(B)成分を必須とする離型剤の効果をより高めるためにポリエーテル変性シリコーンオイルを添加することも可能である。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、シリコーンオイルを構成するポリシロキサンの骨格にポリエーテル基が導入されている変性シリコーンである。これらの内、好ましいポリエーテル変性シリコーンは、ジメチルポリシロキサンまたはジフェニルポリシロキサン単位の少なくとも一つのメチル基またはフェニル基がポリオキシアルキレン単位で変性された共重合体で、下記一般式(1)で表される水溶性のポリエーテル変性シリコーンオイルである。
【0046】
【化1】
Figure 0004630435
【0047】
(式中Rはメチル基またはフェニル基、R1は下記式(2)、R2はメチル基、フェニル基または下記式(2)であり、 mは0〜400の整数、nは1〜300の整数、m+nは1〜500の整数、n/(n+m)は、0.1〜1である)
【0048】
【化2】
Figure 0004630435
【0049】
(R3は水素、C1〜C4のアルキル基、またはフェニル基、aは1〜6の整数、bは1〜50の整数、cは0〜50の整数、b/cの比率は100/0〜50/50)
上記ポリエーテル変性シリコーンオイルの好ましい一般式(1)、及び式(2)において、n、m、a,b,cの値は、上記ポリエーテル変性シリコーンオイルが本発明のシートの離型剤処方と併用された場合に防曇剤上に転写した場合でも防曇性の悪化を引き起こさず、且つ離型剤としての相乗効果を発揮させるために規定した値である。
【0050】
上記式(1),(2)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイルの内、さらに好ましくは、25℃における粘度が100〜5000mm2/sで、50〜85wt%がポリエーテル基で変性された水溶性のポリエーテル変性シリコーンオイルである。
これらポリエーテル変性シリコーンオイルは、(B)成分100質量部に対し、5〜70質量部混合することで、シートの防曇性の悪化なく、離型性、シート滑り性、帯電防止性の付与、及び成形品の剥離性を高度に付与することが可能になり好ましい。
【0051】
また、離型剤に追加できる界面活性剤(D)として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類やポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類の様に黄色味または茶褐色味を帯びた界面活性剤を使用する場合、この影響によりシートの色調が黄色味や茶褐色味を帯びることがある。この対策として、離型剤組成物に青色系の水溶性色素を混合することも可能である。青色系水溶性の色素としては、食品添加物として認められている水溶性の色素が好ましく、より好ましくは耐熱性がよいブリリアントブルーFCF(食用青色1号)が良い。該青色色素の被覆量は0.05〜5μg/m2になるように離型剤組成物に混合するのがシートの色調改善の上で好ましい。
【0052】
本発明は、上述の通り、一表面に防曇剤として脂肪酸エステル類(A)、エステル系多量体(B)、ポリビニルアルコール(C)よりなる組成物が被覆され、反対面には、離型剤としてエステル系多量体(B)を必須成分として被覆されたシートである。これら本発明のシート及び該シートよりなる成形容器は、防曇性、特に低温防曇性に優れ、シート及びシート2次成形品の離型性に優れるという特徴がある。このため、例えば、本発明のシートを嵌合深絞り蓋材に成形した場合、成形時の金型からの離型性が良好で、低温防曇性に優れた成形品が得られる。一方、従来技術の離型剤としてシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)を被覆したシート(比較例1、2)は、シートをロール状に巻き取った際にシリコーンオイルが防曇面に転写するため、該シートから得られる成形品は、防曇性、特に低温防曇性の低下が著しいものである。特に後述の比較例1は、防曇剤に本発明のシートに用いられる(A)、(B)、(C)よりなる防曇組成物を使用し、その反対面には、従来公知のジメチルポリシロキサンを使用した場合であるが、このシートは実施例に比較し、防曇性が低下している。このことは、本発明の優れた防曇性効果は防曇剤の効果のみならず離型剤との相乗効果により得られていることを示している。本発明は、このように防曇剤に特殊な組成物を用い、更に離型剤を厳選することで両者の相乗効果により優れた防曇性が得られることに大きな特徴がある。また、片面に防曇剤を被覆され、反対面が未コートのシート(比較例3,4)は、防曇性は良好なものの成形時の離型性が悪く、連続成形が困難なものである。さらに成形時の帯電が激しく実用上大きな問題がある。また、防曇組成物に(B)成分以外を添加し被覆したシート(比較例7〜9)は、低温防曇性が著しく劣るものである。
【0053】
このように本発明は、防曇剤組成物を厳選し、更に防曇剤が被覆された面の反対面に、離型剤として、上述の(B)成分を必須とすることに特徴があり、従来技術では達成できなかった防曇性特に低温防曇性と成形時の離型性に優れたシートである。
なお、本発明のシートは、防曇面、離型面それぞれに上述の成分が被覆されたシートであるが、シートを一般の商品形状であるロール状に巻き取った際に、防曇面上に離型剤が転写する場合や、離型面上に防曇剤が転写する場合がある。しかし、本発明に用いる(B)を必須成分とする離型剤は、一般公知の非水溶性のシリコーンオイルとは異なり、転写による防曇性の低下をほとんど引き起こさないため、本発明のシートの防曇特性を損なうことはない。従って、これら被覆膜の一部が反対面に転写したシートも本発明の特性を損なわない範囲で本発明に含まれるものとする(本発明のシートの場合、通常この転写量は、初期に形成させた被覆膜の30%未満、多くの場合は20%未満と一般のシリコーンオイルを被覆したシート(ほとんどの場合、シリコーンオイルが35〜50%転写)より転写量が少ない。これは、本発明のシートの離型剤処方は一般にシリコーンオイルより高粘度であるため、一般のシリコーンオイルより転写割合が少ないと推定する)。
【0054】
本発明のシートの製造方法には特に制限がなく、例えば、一般公知のスチレン系樹脂シート、好ましくはテンター法、バブル法等公知の方法で一軸または二軸に延伸されたスチレン系樹脂シート、より好ましくはスチレン系樹脂二軸延伸シートの一表面に、適当な濃度に調整した防曇剤の水溶性をスクィーズロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、グラビアロールコーター、ハンドコーター等公知の方法で塗布し乾燥後、反対面に離型剤の水溶液を同様の方法で塗布、乾燥する方法で行える。防曇剤、離型剤の塗布の順は逆であってもかまわない。乾燥については特に制限はないが、熱風乾燥機を用いるのが一般的である。
【0055】
また、特に被覆膜の均一性を向上させる観点からは、シート表面をコロナ処理した後に、上記方法で防曇剤組成物(A)+(B)+(C)または、離型剤(B)または(B)+(D)組成物を塗布するのが好ましい。例えば、スチレン系樹脂シートに塗布する場合は、シートの表面を水との接触角が80〜30゜になるようにコロナ処理を施した後、上記の方法等で防曇剤組成物(A)+(B)+(C)または離型剤(B)または(B)+(D)組成物を塗布すると、被覆膜が均一になり好ましい場合が多い。水との接触角の上限は、被覆膜の均一性を向上させるために特に有効な値であり、接触角の下限は、シートをロール状に巻いた場合にブロッキングを防ぐために特に有効な値である。特に防曇剤組成物(A)+(B)+(C)の塗布面は、防曇性を高度に付与する観点より水との接触角を50〜30゜にするのがより好ましく、さらに好ましくは35〜50゜である。また、離型剤(B)または(B)+(D)組成物塗布面は、シートのブロッキングを防止し、均一なコーティング被膜を形成させる観点より水との接触角を80〜50゜にするのがより好ましく、さらに好ましくは75〜50゜である。
【0056】
また、シートをロール状に巻き取った後の防曇剤被覆膜、離型剤被覆膜の転写を考慮し、本発明のシートを製造する場合の好ましい一例は以下の通りである。転写を考慮する場合、防曇剤と離型剤との乾燥状態での粘度を比較し、低粘度側のコーティング剤を目的とする被覆量より、5〜30%多く被覆する様に設定し上述の方法で塗布することが好ましい。また、コーティングのシートは、熱風乾燥機で十分水分を除去(コーティングした水分が全て蒸発するのに必要なエネルギーを与える以上の条件で乾燥)した後、95〜395N/m、好ましくは145〜295N/mの巻取り張力でシートを巻き取りシートロールとすることが好ましい。シートの巻取り張力、95〜395N/mは、ロールの巻きずれがなく、過剰な転写を押さえ、転写斑の少ないシートロールを得られるための好ましい範囲である。
【0057】
また、本発明のシートを構成するスチレン系樹脂とは、スチレン、アルキルスチレン類、ハロゲン化スチレン類等から選ばれるスチレン系単量体のホモポリマー及びこれらのコポリマー、及び共役ジエン(ブタジエン、イソプレン等)、スチレン―共役ジエン共重合体等のゴム成分と上記スチレン系単量体とのブロック、ランダム、グラフトコポリマー、更に上記スチレン系単量体50wt%以上とその他の単量体とのブロック、ランダム、グラフトコポリマーである。又、これらスチレン系樹脂に鉱物油、テルペン類、石油樹脂等の可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
【0058】
これらの内好ましい樹脂は、スチレンのホモポリマー(GPPS)、スチレン―メタクリル酸共重合体、スチレン―無水マレイン酸共重合体、スチレン―ブチル(メタ)アリレート共重合体等のスチレン―アルキル(メタ)アクリレート共重合体類、スチレン−ブチル(メタ)アリレート及び/またはメチル(メタ)アリレート−ブタジエン3または4元共重合体及びこれらとGPPSとのブレンド物、スチレン―共役ジエンブロック共重合体(SBBC)、SBBCとGPPSやスチレン―アルキル(メタ)アクリレート共重合体類とのブレンド物等である。
【0059】
本発明のスチレン系樹脂シートは、上記のスチレン系樹脂からなる単層シート、又は上記のスチレン系樹脂を1層以上含む公知の多層シートでも良い。これらシートは、無延伸であっても、延伸シートであってもかまわないが、好ましくは延伸シートであり、さらに好ましくは二軸延伸シートである。
多層シートとしては、例えば、GPPS(表層)/GPPS+SBBC(内層)、スチレン―メタクリル酸共重合体等の耐熱スチレン系共重合体類(表層)/GPPS(内層)、GPPS(表層)/スチレン―アルキル(メタ)アクリレート共重合体類(内層)、高分子量GPPS(表層)/中〜低分子量GPPS(内層)、GPPS+SBBC(表層)/GPPS(内層)、GPPS(表層)/可塑化GPPS(内層)等の層の組み合わせによる2層、3層、または4層以上の公知のシートが使用できる。
【0060】
また、本発明のシートは、主に公知の熱成形方法で2次成形することにより得られる成形容器として使用される。熱成形方法(熱成形機)には特に制限がなく、一般公知のシート熱成形方法、例えば、熱板加熱式圧空成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、プラグアシスト成形法等で行える。これらの内、二軸延伸シートの成形法としては、熱板加熱式圧空成形法が最も一般的であり、本発明のシートが延伸シートの場合は、この方法で成形されるのが好ましい。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例・比較例におけるシート・フィルムの性能評価は、以下の規準に従って行った。
(低温防曇性) 発泡ポリスチレン(PSP)嵌合容器本体(210mm×120mm、深さ12mm)に5mm角の碁盤模様を印刷したフィルムを敷き、その上に寿司(温度27〜30℃)を4個入れ、テストシートより製造した開口部210mm×120mm、深さ38mmの嵌合蓋(内側が防曇面)で蓋をし、5℃のショーケースに放置し、10分後(初期防曇)、24時間後(持続防曇)の水滴の付着を以下の基準で評価した。
【0062】
◎:成形容器蓋に曇りがなく、且つ成形容器蓋の93%以上の面積にわたって碁盤模様がゆがみなく見える。
○:成形容器蓋に曇りがなく、且つ成形容器蓋の85%以上93%未満の面積で碁盤模様がゆがみなく見える。
△:成形容器蓋に曇りはないが、部分的に小さな水滴が付着し、成形容器蓋の15%より広く50%未満の面積で碁盤模様にゆがみが生じている。
×:成形容器蓋に曇りはないが、部分的に成形容器蓋の50%より広い面積で碁盤模様にゆがみが生じている。または、小さな水滴の集合体により一部に曇りが生じている。
【0063】
(高温防曇性) 成形容器の絞り比と高温防曇性の関係より評価した。すなわち底部に5mm角の碁盤模様を入れた恒温水槽に80℃の水を入れ、恒温槽上をテストシートより成形した絞り比0.1〜0.5(絞り比0.05間隔で評価)の開口径100mm×100mmの角形容器で蓋をし、5分後に碁盤模様のゆがみを観察した。85%以上の面積で碁盤模様にゆがみが生じない成形容器を合格レベルとし、合格レベルの成形容器を与える最高絞り比より高温防曇性を評価した。
◎:0.4以上
○:0.3以上0.4未満
△:0.2以上0.3未満
×:0.2未満
【0064】
(成形時の離型性及び帯電性) 連続熱板加熱式成形機(関西自動成型機製)にシートの防曇面が熱板側(容器内側)になるようにセットし、開口部210mm×120mm、深さ38mmの嵌合寿司蓋容器を成形した時の成形品の離型性を以下の基準で評価した(なお、成形金型はノックアウトピンがついていないものを用いた)。
◎:成形終了とともにスムーズに金型から離型する
○:若干、離型時に金型への引っかかりがあるが、得られる成形容器にキズ、白化等はなく実用上問題のない成形品が得られる。
△:離型時に金型への引っかかりがあり、得られた成形品にキズ、白化等があり、得られた成形品の商品価値が劣る。
×:離型時に金型に引っかかり、人間がその都度対処しなければ成形できない。
【0065】
また、成形時の帯電性として、成形直後に成形品を1ショット毎に切り取り重ね、200ショット分を集積し、集積直後のシートの帯電圧を春日電機(株)製デジタル静電電位測定器で測定した(25℃、相対湿度45〜55%で測定)。
単位:kV、数字が小さいほど静電気発生が少なく、25kV以下が好ましく、20kV以下がより好ましい。
【0066】
(シート滑り性) シート及び成形品の剥離性の評価指針として、シートの離型剤被覆面とシートの防曇剤被覆面との動摩擦係数をJIS−K−7125に準拠して測定し、以下の基準で評価した。
◎:動摩擦係数が0.20未満
○:動摩擦係数が0.20以上0.23未満
△:動摩擦係数が0.23以上0.25未満
×:動摩擦係数が0.25以上
(摩擦帯電性) JIS L1094に準拠し、摩擦体として、厚さ0.02mmのステンレステープ(イリエトレーディングコーポレーション(株)社製)を使用し、温度23℃、湿度45%RHの環境条件においてシート離型剤被覆面の摩擦帯電圧を測定し、以下の基準で評価した。
【0067】
◎:200V未満
○:200V以上、400V未満
△:400V以上、600V未満
×:600V以上
【0068】
(半減期) JIS L1094に準拠し、温度20℃、湿度45%RHの環境条件においてシート離型剤被覆面の帯電圧の半減期を測定し、以下の基準で評価した。
◎:120秒未満
○:120秒以上、150秒未満
△:150秒以上、240秒未満
×:240秒以上
【0069】
(ベトツキ性) シート処理面を指で押さえ、引き離したときのベトツキ感を以下の基準で評価した。
◎:ベトツキを感じない
○:しっとりしている
△:ややベトツキ感がある
×:べたつく
【0070】
また、使用した防曇剤、離型剤、その他コーティング剤は以下の通りである。
脂肪酸エステル類(A)
(A−1):ショ糖ラウリン酸モノエステルを主成分(約70wt%)とする、HLB16のショ糖脂肪酸エステル
(A−2):デカグリセリンラウリン酸モノエステルを主成分(約65wt%)とする、HLB14.8のポリグリセリン脂肪酸エステル
(A−3):ヘキサグリセリンラウリン酸モノエステルを主成分(約65wt%)とする、HLB13.5のポリグリセリン脂肪酸エステル
(A−4):デカグリセリンオレイン酸モノエステルを主成分(約65wt%)とする、HLB13.3のポリグリセリン脂肪酸エステル
【0071】
エーテル系多量体(B)
(B−1):ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 、平均分子量15000、ポリオキシエチレン80wt%
(B−2): ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、平均分子量約8000、ポリオキシエチレン65wt%
(B−3): ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、平均分子量約3500、ポリオキシエチレン50wt%
(B−4):ポリエチレングリコール、平均分子量1600
【0072】
ポリビニルアルコール(C)
(C−1):ケン化度74モル%、20℃4%水溶液の粘度5mPa・sのポリビニルアルコール(ケン化度、粘度は、JIS K 6726に準拠して測定)
(C−2):ケン化度71モル%、20℃4%水溶液の粘度7.5mPa・sのポリビニルアルコール(ケン化度、粘度は、JIS K 6726に準拠して測定)
【0073】
界面活性剤(D)
(D−1):ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレン20モル付加
(D−2):ポリオキシエチレンソルビタンオレート、ポリオキシエチレン20モル付加
(D−3)脂肪酸アルカノールアミド:ヤシ油脂肪酸とジエタノールアミドとの縮合生成物(1:2型)
【0074】
その他
(E−1):ブリリアントブルーFCF(食用青色1号)
(E−2):ポリエーテル変性シリコーンオイル、70wt%がポリエーテル基(エチレンオキサイド100%)で変性、粘度(25℃)1000mm2/s
(E−3):ジメチルポリシロキサン(エマルジョンで使用)、粘度(25℃)10000mm2/s
【0075】
【実施例1〜9】
市販の二軸延伸ポリスチレンシート(旭化成工業(株)製、商品名:OPSシート#3000 厚さ0.3mm)の片面(防曇面)を純水との接触角が40±3度になるようにコロナ処理を施したのち、表1に示す(A)、(B)、(C)成分を(A)/(A+B)=0.55、(A)+(B)100質量部に対し(C)成分が4.5質量部になるよう混合し、表1に示す防曇剤被覆量になるように調整した水溶液組成物をスプレーコーターで被覆(Wet塗布量3g/m2)し、乾燥処理後、反対面(離型面)を純水との接触角が65±3度になるようにコロナ処理を施したのち、表1に示す(B)成分または、表1に示す割合で調合した(B)成分と(D)成分との混合物を表1に示す(B)成分の被覆量になるように調整した水溶液組成物をスプレーコーターで被覆(Wet塗布量3g/m2)し、乾燥処理を行い、シートをロール状に巻き取った。巻き取られたシートロールを1週間エージング(常温で保管)後物性評価を行った。エージング後のシート及びシートからの成形品の物性評価結果を表1に示す。
【0076】
なお、シートの接触角は、協和界面科学(株)社製固体表面エナジー解析装置CA−XEを用い確認した。またシート上の被覆膜は、シートコーティング直後にFTIR(ATR法)により防曇剤組成物中のエーテルの特性吸収、離型剤中のエーテルの特性吸収から、被覆量既知のサンプルから作成した検量線を基に(B)成分被覆量を定量することにより確認した。また、エージング後の防曇剤、離型剤の転写は、全シートとも初期のコート量に対し、10%未満であった。
【0077】
【表1】
Figure 0004630435
【0078】
【比較例1〜9】
表2に示す防曇面被覆膜組成、離型面被覆膜組成になるようにコート液を調整した他は、実施例1と同様に行った。なお、比較例3および4のシートは、防曇面のみにコーティングを行い、反対面は、未処理のものを用いた。また、比較例1,2,6のシートのシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン)は、エージング終了後40〜45%がポリジメチルシロキサン非コート面に転写していることをFTIR(ATR法)で確認した。得られたシートの物性を表2に示す。
【0079】
【表2】
Figure 0004630435
【0080】
比較例2のシートは、従来公知の離型剤としてポリジメチルシロキサンを用いたシートである。また、比較例1は、実施例のシートの防曇剤組成と従来公知のポリジメチルシロキサンを用いたシートである。これらシートはシートロール保管中にポリジメチルシロキサンが転写し結果として、防曇性が悪化している、また成形時の帯電も大きいものである。また、離型剤を被覆していない比較例3,4のシートは、シートの滑り性や成形時の離型性に劣るものである。比較例3,4の比較より(B)成分を含まない防曇剤組成物は、本発明のシートの防曇組成物より防曇性がやや劣ることが判る。比較例5のシートは、(C)成分を含まない例、比較例6は、防曇剤組成物にポリジメチルシロキサンを追加した例でいずれも防曇性が低下することが判る。また、比較例7〜9は、本発明のシートに使用する防曇剤組成物の(B)成分の代わりに界面活性剤を添加した例で、この場合も防曇性改良効果が不十分なことが判る。
【0081】
これら比較例と表1に示した実施例評価結果との比較より、本発明のシートは、防曇性、シート、成形品の離型性、滑り性、各種帯電防止特性が高いレベルでバランスがよく、この特性は、防曇剤組成物と離型面に被覆するコーティング剤を厳選したことで初めて得られるものであることが判る。
【0082】
【実施例10〜16】
表3に示す防曇面被覆膜組成、離型面被覆膜組成になるようにコート液を調整した他は、実施例1と同様に行った。得られたシートの物性を表3に示す。実施例10〜16はいずれも、低温防曇性、高温防曇性、成形時離型性に優れたシートであった。
【0083】
【表3】
Figure 0004630435
【0084】
【本発明の効果】
本発明の一表面に特定組成の防曇剤が被覆され、反対面には、エーテル系多量体を必須成分とする離型剤が被覆されたシート及び該シートよりなる2次成形容器は、特に低温防曇性、シート及びシート2次成形品の離型性に優れた特徴がある。このため、優れた低温防曇性を必要とする食品包装用をはじめ、各種成形容器、包装容器成形用シートとして好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 一表面に防曇剤が被覆され、その反対面には離型剤が被覆されたスチレン系樹脂防曇シートにおいて、防曇剤が、下記(A)、(B)、(C)成分よりなり、離型剤は下記(B)を含むことを特徴とするスチレン系樹脂防曇シート。
    (A)ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステル類
    (B)エーテル系多量体
    (C)ポリビニルアルコール
  2. 一表面に防曇剤が被覆され、その反対面には離型剤が被覆されたスチレン系樹脂防曇シートにおいて、防曇剤が、下記(A)、(B)、(C)成分よりなり、かつ下記(1)、(2)、(3)の条件を満たし、離型剤は、下記(B)を必須成分とし、かつ下記(4)の条件を満たすことを特徴とするスチレン系樹脂防曇シート。
    (A)ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸エステル類
    (B)エーテル系多量体
    (C)ポリビニルアルコール
    (1)上記脂肪酸エステル類(A)とエーテル系多量体(B)との質量混合比が、0.4≦A/(A+B)≦0.95である。
    (2)ポリビニルアルコール(C)の添加量は、上記(A)+(B)組成物100質量部に対し、1〜50質量部である。
    (3)(A)、(B)、(C)よりなる防曇組成物の被覆量が7〜50mg/m2である。
    (4)離型剤としての(B)の被覆量が3〜30mg/m2である。
  3. 上記(B)を必須成分とする離型剤が、上記(B):99〜30wt%と下記(D):1〜70wt%の混合物である請求項1または2記載のスチレン系樹脂防曇シート。
    (D)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、脂肪酸アミド類より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤。
  4. 上記エーテル系多量体(B)がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールより選ばれる少なくとも1種である請求項1、2または3記載のスチレン系樹脂防曇シート。
  5. 上記ポリビニルアルコール(C)がポリビニルアセテートの部分ケン化反応生成物であって、ケン化度が60〜80モル%であり、かつポリビニルアルコール(C)の4%水溶液20℃の粘度が2〜10mPa・sである請求項1から4のいずれかに記載のスチレン系樹脂防曇シート。
  6. スチレン系樹脂防曇シートがスチレン系樹脂二軸延伸シートである請求項1から5のいずれかに記載のスチレン系樹脂防曇シート。
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