JP3563019B2 - ポリスチレン系シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に真空成形、圧空真空成形、熱板圧空成形などの手段で2次成形され、軽量食品包装容器やその他各種容器に使用されるポリスチレン系シートに関する。さらに詳しくは、シート及びその成形容器の防曇性、離型性、剥離性に優れ、成形時の摩擦帯電が少ない、透明なポリスチレン系シート関する。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートに代表されるポリスチレン系シートは、主に熱板加熱式圧空成形法、輻射加熱式真空成形法、圧空成形法等の各種熱成形方法で成形され使用されている。特に延伸シートは、主に熱板加熱式圧空成形法により成形され、食品包装用途をはじめ各種成形容器として多く使用されている。これらポリスチレン系シート成形容器、特に食品包装容器は、容器の曇り止め(防曇剤)として成形品の内側に界面活性剤が塗布され、かつ成形機の金型からの離型性や成形品同士の剥離性を付与するために、防曇剤と混合してまたは、防曇剤とは反対面に、離型剤としてシリコーンオイルを塗布するのが一般的であり、種々の技術が開発されている。
【0003】
例えば、特公昭63−62538号公報、特開平5−287097号公報には、ショ糖脂肪酸エステルとシリコーンオイル(エマルジョン)を主成分とする混合物を二軸延伸ポリスチレン系シートに塗布する方法が記載されている。また、特開平9−295384号公報には、片面に防曇剤、反対面に離型剤としてシリコーンオイルが塗布されたスチレン系シートロールが提案されている。さらに、二軸延伸ポリスチレン系シートの防曇性改良方法として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを単独または混合して使用する方法が、特開平9−12751号公報、特開平11−166061号公報、特開平11−277688号公報、特開平11−300904号公報等に記載されている。これら方法においても、熱成形用シートとして使用する場合は、防曇性とともに離型性、剥離性を付与するために、離型剤としてシリコーンオイルを防曇剤と混合して塗布、またはシリコーンオイルを反対面に塗布したシートを用いるのが好ましいことが記載されている。
【0004】
このように、ポリスチレン系シートの多くは、防曇性と離型性及び剥離性を付与するために、防曇剤と離型剤としてシリコーンオイルとの混合物、または片面に防曇剤、反対面に離型剤としてシリコーンオイルが塗布され、ロール状に巻かれ市販されている。シリコーンオイルとしては、ほとんどのシートで安全性と経済性よりジメチルポリシロキサンが使われている。シリコーンオイルが塗布されていないシートは、成形時の金型とシートとの離型性の悪化や、シート成形品を重ね合わせたときの成形品同士の剥離性の悪化等の問題が生じ、成形用途としては実用性に欠けるが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の防曇剤(ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、これらの混合物等)とシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)とが混合して塗布されているポリスチレン系シートまたは、片面に防曇剤、反対面にシリコーンオイルが塗布されたポリスチレン系シートから得られる成形容器は、市場の防曇性要求レベルを完全に満たしているとは言い難いものである。包装用容器、特に食品包装容器に市場で要求される防曇性能とは、高温の内容物を包装した場合の水蒸気に対する防曇性(高温防曇性)、水分を含む食品等の内容物を包装し冷蔵保存した場合の結露に対する防曇性(低温防曇性)、更に冷蔵後加熱される内容物に対しては結露、水蒸気両方に対しての防曇性であり、そして防曇性能は包装直後から内容物が消費されるまでの間持続する必要がある。その要求レベルは、包装用シート・フィルム業界全体の防曇技術水準の向上と共に高くなっている。しかし、ポリスチレン系シートの成形品は、一般に他素材の包装用シート・フィルムに比較して特に低温防曇性レベルとその持続性が低いとの指摘がある。ポリスチレン系シートの成形品の防曇性不足は、絞り比の深い成形容器で特に低温での防曇性低下が顕著であり、防曇剤としてショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びこれらの混合物いずれを使用した場合でも観察される現象である。
【0006】
また、離型剤としてシリコーンオイルが塗布されたシートは、容器成形時に金型とシートとの摩擦によって静電気が発生しやすい欠点もある。
このような現状下、本発明の目的は、成形時の離型性を保持し、実用防曇性が向上され、かつ成形時の摩擦帯電を押さえた透明なポリスチレン系シートを供給すること、すなわち、ポリスチレン系シート成形容器、中でも絞り比の大きい成型品においても低温での初期防曇性レベルの向上とその持続性の向上、及び高温での初期防曇性、持続防曇性に優れた、成形機の金型からの離型性や成形品同士の剥離性が良好でかつ成形時の静電気発生が少ない、ポリスチレン系シートを提供することである。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため検討の結果、ポリスチレン系シートの防曇性低下は、例えば、特公昭63−62538号公報に記載の様に防曇剤とシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)を混合して用いたシートの場合、防曇剤であるショ糖脂肪酸エステルと防曇効果のないシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)とが混合されているために著しい防曇性低下が観られること、また、例えば、特開平9−295384号公報に記載の様にショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等の防曇剤を片面に塗布し、反対面にシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)が塗布された時点では、ロール状に巻き取る前のシートでは優れた防曇効果はあるものの、ロールに巻き取り、1日程度エージング(保管)しただけで、防曇性の低下が見らる欠点があること、および公知のシートロールでは、通常、離型面に被覆したジメチルポリシロキサンの35%以上が防曇面に転写され、これらが防曇性に悪影響を与えている(ジメチルポリシロキサンの転写を防曇性に悪影響を与えないレベルに押さえるのは非常に難しいのが現状である)ことを見出し本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、1表面に防曇剤が被覆され、その反対面には、離型剤が被覆されたポリスチレン系シートにおいて、防曇剤として、下記(A)を5〜30mg/m被覆され、離型剤(B+C)として、下記(B):20〜90重量%と下記(C):80〜10重量%との混合組成物が3〜30mg/m被覆されたことに特徴がある。
(A)ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種
(B)エーテル系多量体類
(C)非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤類
【0009】
また、上記エーテル系多量体(B)がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体または、ポリエチレングリコールより選ばれる点にも特徴がある。
更にまた、上記非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)が、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類より選ばれる点にも特徴がある。
また、ポリスチレン系シートが二軸延伸ポリスチレン系シートである点にも特徴がある。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、従来公知の離型剤が塗布されたスチレン系樹脂軸シートの防曇性低下が、シートの離型性や剥離性を付与するために被覆されているシリコーンオイル(主に、ジメチルポリシロキサン等の非水溶性シリコーンオイル)に帰因することを見出し、この知見を基に、防曇性に悪影響を及ぼさないスチレン系樹脂シートの離型剤の改良を種々検討した結果、達成できたものである。
【0011】
本発明の特徴は、シートの防曇性の改良を防曇剤で行うのではなく、防曇剤の反対面に被覆膜を形成する離型剤を厳選し、その離型剤の効果で防曇性改良の目的を達成している点にある。すなわち、エーテル系多量体(B)と特定の非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)との組成物を離型剤として使用することで、シート及び成形品の防曇性能を高度に保持し、離型性及び剥離性の付与、更には、帯電防止性の付与を可能にしたものである。
【0012】
すなわち、本発明は、離型剤として、エーテル系多量体(B)と、非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)より選ばれる界面活性剤との混合物を使用することに特徴がある。これら{(B)成分}+{(C)成分}混合物を離型剤と使用することで、シート及び成形品の防曇性能を高度に保持し、離型性及び剥離性の付与、更には、高度な帯電防止性の付与を可能にしている。
【0013】
まず、本発明のシートを構成する離型面について説明する
本発明のシートに使用するエーテル系多量体(B)とは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールの縮合反応物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの付加反応物またはこれらの共重合体等の、多価アルコールやアルキレンオキサイドを、単量体ユニットとし、2つ以上の単量体ユニットが1つ以上のエーテル結合で結ばれている多量体(2量体以上)である。
【0014】
好ましいエーテル系多量体には、例えば、ポリグリセリン(ジグリセリン以上)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体などが挙げられる。
これらの内、特に好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールである。これら特に好ましいエーテル系多量体(B)は、従来のシリコーオイル(ジメチルポリシロキサン)が被覆されたシートよりも外観(透明性、光沢)の優れたシートを与える場合が多く、さらに後述の(C)成分との相乗効果により特に優れた帯電防止効果を与えるために特に好ましい。
【0015】
本発明のシートに特に好ましく使用できる、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、プロピレンオキサイドを付加重合させたポリオキシエチレン鎖に、さらにエチレンオキサイドを付加重合させて得られるブロック共重合体で、分子量が2000〜20000のブロック共重合体が好ましく、より好ましくは3000〜18000,さらに好ましくは4000〜18000である。該ブロック共重合体の好ましい分子量は、シート2次成形品の離型性、剥離性とシートの外観、透明性より決められる範囲で、2000未満の場合は、シート2次成形品の形状によっては、十分な離型性や剥離性が得られないことがあり、分子量が20000を超えた場合、乾燥固化した被覆膜が凝集白化し、シートの外観を損ねる場合がある領域である。
【0016】
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体のブロック形状は、シートに被覆膜を形成した際の離型剤としての性能と、ブロック共重合体の製造し易さの観点より、ポリオキシエチレンブロック−ポリオキシプロピレンブロック−ポリオキシエチレンブロックの3ブロックよりなるブロック共重合体が好ましい。
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、ポリオキシエチレン鎖が50重量%以上のものが好ましく、より好ましくは60重量%以上である。中でも、ポリオキシエチレンが、60〜90重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、防曇面に転写した場合、防曇性能を若干向上させる場合もあり、シートの滑り性、離型性も高度に改良することが可能であるため特に好ましいエーテル系多量体(B)である。ポリオキシエチレン鎖が50重量%未満のブロック共重合体の場合、離型剤被膜を水溶液のコーティングで形成させる場合、水溶性が低下するため、被覆膜の均一性が低下し、十分な剥離性や帯電防止性の性能が得られ難くなり、更にシートの外観悪化する傾向にある。
【0017】
また、本発明のシートに特に好ましく使用できる、ポリエチレングリコールは、エチレングリコールや水にエチレンオキサイドを付加して得られるもので、分子量が、1000〜20000のものが好ましく、より好ましくは2000〜16000、さらに好ましくは2500〜15000である。好ましい分子量は、シートのべたつき、2次成形品の離型性、剥離性とシートの外観、透明性より決められる範囲で、1000未満の場合は、シートにべたつきを生じさせやすく、十分なシート滑り性が得られないことがあり、分子量が20000を超えた場合、乾燥固化した被覆膜が凝集白化し、シートの外観を損ねる場合がある。ポリエチレングリコールも上記のポリオキシエチレン鎖が60〜90重量%のポリオキシエチレンポリプロピレンブロック共重合体と同様の効果が期待できる。
【0018】
これら、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体やポリエチレングリコールは、単独、または他のエーテル系多量体(B)と混合組成として好適に使用可能である。(B)成分を混合組成物として用いる場合、ポリオキシエチレン鎖が60〜90重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合を50〜95重量%と、ポリオキシエチレン鎖の比率が異なるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種50〜5重量%との組合せが、シート2次成形品の剥離性を特に改良し、シートの外観も悪化少ない場合が多く好ましい組成物である。
【0019】
また、本発明において、エーテル系多量体(B)成分と混合して被覆される非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)とは、各種親油基にエチレンオキサイドを付加させた非ブロック共重合型のノニオン性界面活性剤が好ましく、例えば、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル類などが挙げられる(本発明においては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体は、ブロック共重合体型であるため、非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)には含まれない)。
【0020】
これら非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)の内、本発明のシートが食品包装用途に多用されるシートである観点(食品包装容器の衛生、安全性)および、滑り性と帯電防止性を特に高度にバランス良く付与する観点から、より好ましいノニオン性界面活性剤(C)は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類等のエチレンオキサイド系エステルノニオン界面活性剤や、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類であり、さらに好ましくは、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類である。これら(C)成分は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。また、上記ノニオン性界面活性剤(C)を構成する脂肪酸や、ポリオキシエチレンの付加モル数が異なる数種類を混合物して使用してもかまわない。
【0021】
また、これら界面活性剤(C)のHLBは、(C)成分が防曇面に転写した場合の防曇性低下を防ぐ観点と、帯電防止性を付与する観点より12〜18が好ましく、より好ましくは13〜17である。(C)成分が混合物の場合は、混合状態でのHLBが上記の範囲であることが好ましい。
これら界面活性剤(C)をエーテル系多量体(B)成分と混合することで、シートの防曇性に悪影響を与えることなく、離型性、剥離性、シート滑り性の付与とともに優れた帯電防止性の付与も可能になる。
【0022】
本発明において、エーテル系多量体(B)成分と非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)成分との混合比率は、(B)成分が90〜20重量%、(C)成分が10〜80重量%が好ましく、より好ましくは(B)成分が85〜30重量%(C)成分が15〜70重量%である。この範囲は、シート2次成形時の金型からの離型性とシートの帯電圧半減期より定められたもので、(B)成分の比率が20重量%未満は、シートの滑り性が低下し、離型性や剥離性が低下し始める領域である。(B)の成分比率が90重量%を超えた場合は、帯電圧半減期が長くなり、結果として帯電防止性能が低下し始める領域である。
【0023】
上述の(B)成分と(C)成分からなる離型剤組成物(B+C)の被覆量は、後述の防曇剤が被覆された面の反対面に3〜30mg/m被覆されるのが好ましく、より好ましくは5〜25mg/mである。(B)成分と(C)成分からなる離型剤組成物の帯電防止効果は、塗布量が7〜20mg/m付近に帯電防止性の最適値を有している場合が多い(その組成比により最適値が異なる。また例外もある)。このため、被覆量は帯電防止性の観点から決められる領域であり、更には、被覆量が3mg/m未満の場合は、シート及び2次成形品の剥離性や離型性、帯電防止性を十分付与するのが困難になるレベルの値であり、被覆量が30mg/mを超えた場合はシートのベトツキやブロッキングが発生し易くなり、また白化によるシート外観の低下が生じることもあるレベルの値でもある。
【0024】
上述の離型剤(B+C)成分の被覆量の定量分析は、シート・フィルムを洗浄し、洗液を集め、重量法、ガスクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法等で行う方法や、被覆量既知のシートを標準サンプルとして検量線を作成し、FTIR(ATR法)でシート表面を直接分析する方法等で行える。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体またはポリエチレングリコールは、エステル基による強い赤外線吸収が観察されるため、FTIR(ATR法)による定量が、簡便で精度も良く好ましい。組成物の混合量が既知の場合は、1成分を定量し、その結果より組成比率を求めることも可能である。
【0025】
また、上記(B)+(C)成分よりなる離型剤の効果をより高めるためにポリエーテル変性シリコーンオイルを添加することも可能である。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、シリコーンオイルを構成するポリシロキサンの骨格にポリエーテル基が導入されている変性シリコーンである。これらの内、好ましいポリエーテル変性シリコーンは、ジメチルポリシロキサンまたはジフェニルポリシロキサン単位の少なくとも一つのメチル基またはフェニル基がポリオキシアルキレン単位で変性された共重合体で、下記一般式1で表される水溶性のポリエーテル変性シリコーンオイルである。
【0026】
【化1】
Figure 0003563019
【0027】
(式中Rはメチル基またはフェニル基、Rは下記式2、Rはメチル基、フェニル基または化式2であり、 mは0〜400の整数、nは1〜300の整数、m+nは1〜500の整数、n/(n+m)は、0.1〜1である)
【0028】
【化2】
Figure 0003563019
【0029】
(Rは水素、C〜Cのアルキル基、またはフェニル基、aは1〜6の整数、bは1〜50の整数、cは0〜50の整数、b/cの比率は100/0〜50/50)
【0030】
上記ポリエーテルシリコーンオイルの好ましい一般式1、及び式2において、n、m、a,b,cの値は、シリコーンオイルが本発明のシートの離型剤処方と併用された場合に防曇剤上に転写した場合でも防曇性の悪化を引き起こさず、且つ離型剤としての相乗効果を発揮させるために規定した値である。
【0031】
上記式1,2で表されるポリエーテルシリコーンオイルの内、さらに好ましくは、25℃における粘度が100〜5000scで、50〜85重量%がポリエーテル基で変性された水溶性のポリエーテル変性シリコーンオイルである。
これらポリエーテル変性シリコーンオイルは、(B)+(C)成分100重量部に対し、5〜80重量部混合することで、シートの防曇性の悪化なく、離型性、シート滑り性、帯電防止性の付与、及び成形品の剥離性を高度に付与することが可能になる。
【0032】
なお、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の非水溶性のシリコーンオイルは、防曇剤被覆膜上に転写した場合、防曇性の低下を引き起こすため、これらを本発明のシートに使用することは好ましくない。
また、離型剤(B+C)組成物の(C)成分として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルやポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの様に黄色味または茶褐色味を帯びた界面活性剤を使用する場合、この影響によりシートの色調が黄色味や茶褐色味を帯びることがある。この対策として、離型剤組成物に青色系の水溶性色素を混合することも可能である。青色系水溶性の色素としては、食品添加物として認められている水溶性の色素が好ましく、より好ましくは耐熱性がよいブリリアントブルーFCF(食用青色1号)が良い。該青色色素の被覆量は0.05〜5μg/mになるように離型剤組成物に混合するのがシートの色調改善の上で好ましい。
【0033】
次に、本発明のシートを構成する防曇剤について説明する。本発明において、防曇剤として使用する界面活性剤(A)は、ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ショ糖脂肪酸エステル類は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良いが、C10〜C20の脂肪酸成分を主成分とするHLBが、11〜18程度のショ糖脂肪酸エステル類がより好ましく、更に好ましくはショ糖ラウリン酸モノエステルを主成分(50重量%以上)とするHLBが、13〜17程度のものである。好ましいショ糖脂肪酸エステル類を構成する脂肪酸成分及びHLBは、ショ糖脂肪酸エステル類を水溶液として塗布する際の水溶性と防曇性の持続性より決定され、C20を超える脂肪酸が主成分のショ糖脂肪酸エステル類や、HLBが11未満のショ糖脂肪酸エステル類を主成分とした場合は、高温防曇性が低下する傾向にあり、また水溶性が低下し、塗布が困難になる領域でもある。 またC10未満の脂肪酸が主成分のショ糖脂肪酸エステル類や、HLBが18を超えるショ糖脂肪酸エステル類を主成分にしたは、高温防曇性の持続性および低 温防曇性が低下する領域である。
【0034】
また、ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良いが、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を構成するポリグリセリンの重合度が6〜10、かつ脂肪酸の炭素数がC10〜C20のポリグリセリン脂肪酸エステル類を主成分とるHLBが、11〜18程度のものが好ましく、さらに好ましくは、ヘキサグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等(すべてモノエステル比50モル%以上)の単独及びこれらを主成分(合計50重量%以上)とするHLBが、13〜17程度のものである。これらポリグリセリン脂肪酸エステル類の構造、HLBは、ショ糖脂肪酸エステル類同様、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を水溶液として塗布する際の水溶性と、防曇性の持続性、高温防曇と低温防曇とのバランスより決定される領域であり、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を構成する脂肪酸の炭素数が20を超える、グリセリンの重合度が6未満または、HLBが11未満のポリグリセリン脂肪酸エステル類を主成分とした場合は、高温防曇性が低下する傾向にあり、また水溶性が低下し塗布が困難になる領域でもある。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を構成する脂肪酸の炭素数が10以下、グリセリンの重合度が10を超えるまたは、HLBが18を超えるのポリグリセリン脂肪酸エステル類を主成分とした場合は、高温防曇性の持続性が低下するおよび低温防曇性が低下する傾向にある。
【0035】
また、これらショ糖脂肪酸エステル類とポリグリセリン脂肪酸エステル類は、任意の割合で混合して使用しても良く、この場合低温防曇性と高温防曇性がよりバランスされ好ましい場合もある。特に好ましい組合せは、ショ糖ラウリン酸エステルを主成分とするHLBが14〜17のショ糖脂肪酸エステル類と、ヘキサグリセリンまたはデカグリセリンラウリン酸エステルを主成分とするHLBが、12〜15のポリグリセリン脂肪酸エステル類エステル類との組合せで、ショ糖脂肪酸エステル類が、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは、15〜70重量%、さらに好ましくは、20〜50重量%の混合物である。
【0036】
一般に市販されているショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、通常、構成する脂肪酸が、数種類の混合物で且つ、モノエステル、ジエステル、トリエステル等の混合物である。本発明に用いるショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類は、上記の条件を満たす範囲でこのような一般に市販されている混合物を使用してもかまわない。
これら、防曇剤(A)は、シートの1表面に5〜30mg/m被覆されるのが好ましく、より好ましくは7〜27mg/m、さらに好ましくは9〜23mg/mである。被覆量(被覆膜厚み)は、低温防曇、高温防曇性を付与し、シートのベトツキやブロッキングを押さえシートの外観を要項に保つ観点より決められる領域であって、被覆量が5mg/mの場合は、十分な防曇性能を付与することが困難になる傾向にあり、また30mg/mを超えた場合は、シートのベトツキやブロッキングが発生し易くなり、更に上限を越えると白化によるシート外観の低下が生じることもある領域である。また、本発明のシートを非成型用の包装用シートとして使用する場合、2次成形による防曇剤被覆膜の引き延ばしがないため、少量の防曇剤で十分な効果が得られる。このため、非成型用の包装用シートとして使用する場合5mg/m以上20mg/m以下の被覆量が好ましい。20mg/mの被覆量は、非成型用として使用する場合、防曇性改良効果がほぼ飽和に達する値である。
【0037】
防曇剤(A)の被覆量の定量分析は、シート・フィルムを洗浄し、洗液を集め、重量法、ガスクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法等で行う方法や、被覆量既知のシートを標準サンプルとして検量線を作成し、FTIR(ATR法)でシート表面を直接分析する方法等で行える。
また、HLB値は、Griffinの多価アルコールの脂肪酸エステルの場合の一般式、HLB=20(1−S/A)(ここで、Sはエステルのケン化価、Aは脂肪酸価である)より算出する方法や、第一工業製薬株式会社発行「シュガーエステル物語(1984年)」56〜57頁記載の方法で求められる。
【0038】
また、防曇剤(A)には、防曇性改良剤としてポリビニルアルコール、ポリアクリル酸Na、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸Na、ポリリン酸K等の水溶性高分子や、防曇剤の硬度改質剤としてメチルセルロース、カルボメトキシセルロース等を上述の防曇剤100重量部に対し、1〜40重量部添加してもかまわない。これらの内、特にポリビニルアルコールを添加した場合、防曇の持続性が改良され好ましい場合がある。添加するポリビニルアルコールとしては、25℃における4%水溶液の粘度が、2〜10mPa・sのものが好ましく、より好ましくは3〜8mPa・sあり、またケン化度は60〜80モル%のものが好ましく、より好ましくは65〜75モル%である。ポリビニルアルコールの粘度及びケン化度の範囲は、防曇性改良効果を得るために必要な領域であり、ケン化度または、粘度が上限値を超えた場合は防曇性に悪影響を及ぼす場合がある領域である。
【0039】
また、上述のポリエーテル変性シリコーンオイルを防曇剤(A)100重量部に対し50重量部以下添加することも可能である。この場合、離型性、剥離性、シートの滑り性等が更に改良され好ましい場合もある。しかし、ポリエーテル変性シリコーンオイルが50重量部を超えた場合、防曇性を悪化する傾向が出始め好ましくない。
本発明は、上述の通り、1表面に防曇剤(A)が被覆され、反対面には、離型剤(B+C)組成物が被覆されたシートである。これら本発明のシート及び該シートよりなる成形容器は、防曇性に優れ、シート及びシート2次成形品の離型性や剥離性に優れ且つ、成形時の帯電が少ない特長がある。このため、例えば、本発明のシートを嵌合深絞り蓋材に成形した場合、成形時の金型からの剥離性が良好で、成形時の静電気発生量も少なく、高温防曇性、低温防曇性共に優れた成形品が得られる。一方、従来技術の離型剤としてシリコーンオイル(シリコーンエマルジョン)を被覆したシート(比較例1)は、シートをロール状に巻き取った際にシリコーンオイルが防曇面に転写するため、該シートから得られる成形品は、防曇性、特に低温防曇性の低下が著しいものである。また、片面に防曇剤を被覆され、反対面が未コートのシート(比較例2)は、防曇性は良好なものの成形時の離型性が悪く、連続成形が困難なものである。さらに成形時の帯電が激しく実用上大きな問題がある。
【0040】
このように本発明は、防曇剤が被覆された面の反対面に、離型剤として、上述の(B)成分と(C)成分よりなる混合物が被覆されたことに特徴があり、従来技術では達成できなかった防曇性と成形時の離型性のバランスがとれ、さらに帯電防止性にも優れたシートである。
【0041】
なお、本発明のシートは、防曇面、離型面それぞれに上述の成分が被覆されたシートであるが、シートを一般の商品形状であるロール状に巻き取った際に、防曇面上に離型剤が転写する場合や、離型面上に防曇剤が転写する場合がある。しかし、本発明に用いる離型剤組成物(B+C)は、一般公知の非水溶性のシリコーンオイルとは異なり、転写による防曇性低下をほとんど引き起こさないため、本発明のシートの特性を損なうことはない。従って、これら被覆膜の一部が反対面に転写したシートも本発明の特性を損なわない範囲で(転写後のシートにおいて、防曇面上の防曇剤および離型面上の離型剤の被覆量が本発明の範囲内の場合)本発明に含まれるものとする(本発明のシートの場合、通常この転写量は、初期に形成させた被覆膜の30%未満、多くの場合は20%未満と一般のシリコーンオイルを被覆したシート(ほとんどの場合、シリコーンオイルが35〜50%転写)より転写量が少ない。これは、本発明のシートの離型剤処方(B+C)は一般にシリコーンオイルより高粘度であるため、一般のシリコーンオイルより転写割合が少ないと推定する)。
【0042】
本発明のシートの製造方法には特に制限がなく、例えば、一般公知のポリスチレン系シート、好ましくはテンター法、バブル法等公知の方法で一軸または二軸に延伸されたポリスチレン系シート、より好ましくは二軸延伸ポリスチレン系シートの1表面に、適当な濃度に調整した防曇剤の水溶性をスクィーズロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、グラビアロールコーター、ハンドコーター等公知の方法で塗布し乾燥後、反対面に離型剤の水溶液を同様の方法で塗布、乾燥する方法で行える。防曇剤、離型剤の塗布の順は逆であってもかまわない。乾燥については特に制限はないが、熱風乾燥機を用いるのが一般的である。
【0043】
また、特に被覆膜の均一性を向上させる観点からは、シート表面をコロナ処理した後に、上記方法で防曇剤(A)または、離型剤(B+C)混合組成物を塗布するのが好ましい。例えば、スチレン系樹脂シートに塗布する場合は、シートの表面を水との接触角が80〜30゜になるようにコロナ処理を施した後、上記の方法等で防曇剤(A)または離型剤(B+C)混合組成物を塗布すると、被覆膜が均一になり好ましい場合が多い。水との接触角の上限は、被覆膜の均一性を向上させるための値であり、接触角の下限は、シートをロール状に巻いた場合にブロッキングを防ぐための値である。特に防曇剤(A)の塗布面は、防曇性を高度に付与する観点より水との接触角を50〜30゜にするのがより好ましく、さらに好ましくは35〜50゜である。また、離型剤(B+C)混合組成物塗布面は、シートのブロッキングを防止し、均一なコーティング被膜を形成させる観点より水との接触角を80〜50゜にするのがより好ましく、さらに好ましくは75〜50゜である。
【0044】
また、シートをロール状に巻き取った後の防曇剤被覆膜、離型剤被覆膜の転写を考慮し、本発明のシートを製造する場合の好ましい一例は以下の通りである。転写を考慮する場合、防曇剤と離型剤との乾燥状態での粘度を比較し、低粘度側のコーティング剤を目的とする被覆量より、5〜30%多く被覆する様に設定し上述の方法で塗布することが重要である。また、コーティングのシートは、熱風乾燥機で十分水分を除去(コーティングした水分が全て蒸発するのに必要なエネルギーを与える以上の条件で乾燥)した後10〜40kg/m巾、好ましくは15〜30kg/m巾の巻取り張力でシートを巻き取りシートロールとすることが好ましい。シートの巻取り張力、10〜40kg/m巾は、でロールの巻きずれがなく、過剰な転写を押さえ、転写斑の少ないシートロールを得られるための好ましい範囲である。
【0045】
また、本発明のシートを構成するポリスチレン系の樹脂とは、スチレン、アルキルスチレン類、ハロゲン化スチレン類等から選ばれるスチレン系単量体のホモポリマー及びこれらのコポリマー、及び共役ジエン(ブタジエン、イソプレン等)、スチレン―共役ジエン共重合体等のゴム成分と上記スチレン系単量体とのブロック、ランダム、グラフトコポリマー、更に上記スチレン系単量体50重量%以上とその他の単量体とのブロック、ランダム、グラフトコポリマーである。又、これらスチレン系樹脂に鉱物油、テルペン類、石油樹脂等の可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
【0046】
これらの内好ましい樹脂は、スチレンのホモポリマー(GPPS)、スチレン―メタクリル酸共重合体、スチレン―無水マレイン酸共重合体、スチレン―ブチル(メタ)アリレート共重合体等のスチレン―アルキル(メタ)アクリレート共重合体類、スチレン−ブチル(メタ)アリレート及び/またはメチル(メタ)アリレート−ブタジエン3または4元共重合体及びこれらとGPPSとのブレンド物、スチレン―共役ジエンブロック共重合体(SBBC)、SBBCとGPPSやスチレン―アルキル(メタ)アクリレート共重合体類とのブレンド物等である。
【0047】
本発明のスチレン系樹脂シートは、上記のスチレン系樹脂からなる単層シート、又は上記のスチレン系樹脂を1層以上含む公知の多層シートでも良い。これらシートは、無延伸であっても、延伸シートであってもかまわないが、好ましくは延伸シートであり、さらに好ましくは二軸延伸シートである。
多層シートとしては、例えば、GPPS(表層)/GPPS+SBBC(内層)、スチレン―メタクリル酸共重合体等の耐熱スチレン系共重合体類(表層)/GPPS(内層)、GPPS(表層)/スチレン―アルキル(メタ)アクリレート共重合体類(内層)、高分子量GPPS(表層)/中〜低分子量GPPS(内層)、GPPS+SBBC(表層)/GPPS(内層)、GPPS(表層)/可塑化GPPS(内層)等の層の組み合わせによる2層、3層、または4層以上の公知のシートが使用できる。
【0048】
また、本発明のシートは、主に公知の熱成形方法で2次成形することにより得られる成形容器として使用される。熱成形方法(熱成形機)には特に制限がなく、一般公知のシート熱成形方法、例えば、熱板加熱式圧空成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、プラグアシスト成形法等で行える。これらの内、二軸延伸シートの成形法としては、熱板加熱式圧空成形法が最も一般的であり、本発明が延伸シートの場合は、この方法で成形されるのが好ましい。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例・比較例におけるシート・フィルムの性能評価は、以下の規準に従って行った(特に断りがない限り「○」以上が本発明の合格レベルである)。
(低温防曇性) 発泡ポリスチレン(PSP)嵌合容器本体(120mm×170mm、深さ8mm)に寿司(温度27〜30℃)を5個を入れ、シートより製造した開口部120mm×170mm、深さ38mmの嵌合蓋(内側が防曇面)で蓋をし、5℃のショーケースに放置し、10分後(初期防曇)、24時間後(持続防曇)の水滴の付着を以下の基準で評価した。
【0050】
◎:成形容器蓋に曇りがなく、且つ成形容器蓋の90%以上の面積にわたって内容物が「もやもや」することなく見える。
○:成形容器蓋に曇りがなく、且つ成形容器蓋の76%以上90%未満の面積で内容物が「もやもや」することなく見える。
△:成形容器蓋に曇りはないが、成形容器蓋の25以上50%未満の面積で内容物が、「もやもや」して見える。
×:成形容器蓋に曇りはないが、成形容器蓋の50%より広い面積で内容物が、「もやもや」して見える。または、小さな水滴の集合体により曇りが生じている。
【0051】
(高温初期防曇性) 底部に10.5ポイントの大きさのカタカナ100文字が印刷された板を入れた開口部100mm×100mm、深さ50mmの容器に90℃の水を400ml入れた後、シートより後述の方法で製造した開口部100mm×100mm、深さ35mmの成型品で蓋をし、底部に置いた文字の15%以上が識別できなくなるまでの時間をn=6で測定し、その平均より以下の基準で評価した。
◎:600秒以上
○:300秒以上600秒未満
△:120秒以上300秒未満
×:120秒未満
【0052】
(成形時の離型性及び帯電性)連続熱板加熱式成形機(関西自動機製)にシートの防曇面が熱板側(容器内側)になるようにセットし、開口部120mm×70mm、深さ38mmの嵌合寿司蓋容器を成形した時の成形品の離型性を以下の基準で評価した(なお、成形金型にはノックアウトピンがついていないものを用いた)。
◎:成形終了とともにスムーズに金型から離型する
○:若干、離型時に金型への引っかかりがあるが、得られる成形容器にキズ、白化等はなく実用上問題のない成形品が得られる。
△:離型時に金型への引っかかりがあり、得られた成形品にキズ、白化等があり、得られた成形品の商品価値が劣る。
×:離型時に金型に引っかかり、人間がその都度対処しなければ成形できない。また、成形時の帯電性として、成形直後に成形品を1ショット毎に切り取り重ね、100ショット分を集積し、集積直後のシートの帯電圧を春日電機(株)製デジタル静電電位測定器で測定した(23℃、相対湿度40〜50%で測定)。単位:kv、数字が小さいほど静電気発生が少なく、20kv以下が好ましく、15kv以下がより好ましい。
【0053】
(シート滑り性)シート及び成形品の剥離性の評価指針として、シートの離型剤被覆面と鏡面ステンレス板との動摩擦係数をJIS−K−7125に準拠して測定し、以下の基準で評価した。
◎:動摩擦係数が0.18未満
○:動摩擦係数が0.18以上0.21未満
△:動摩擦係数が0.21以上0.25未満
×:動摩擦係数が0.25以上
【0054】
(摩擦帯電性) JIS L1094に準拠し、摩擦体として、厚さ0.02mmのステンレステープ(イリエトレーディングコーポレーション(株)社製)を使用し、温度23℃、湿度35%RHの環境条件においてシート処理面の摩擦帯電圧を測定し、以下の基準で評価した。
◎:200V未満
○:200V以上、400V未満
△:400V以上、600V未満
×:600V以上
【0055】
(半減期) JIS L1094に準拠し、温度23℃、湿度35%RHの環境条件においてシート処理面の帯電圧の半減期を測定し、以下の基準で評価した。
◎:120秒未満
○:120秒以上、180秒未満
△:180秒以上、300秒未満
×:300秒以上
【0056】
(ベタツキ性) シート処理面を指で押さえ、引き離したときのベタツキ感を以下の基準で評価した。
◎:べたつきを感じない
○:しっとりしている
△:ややベタツキ感がある
×:べたつく
【0057】
また、使用した防曇剤、離型剤、その他コーティング剤は以下の通りである。
防曇剤(A)としては以下のものを用いた。
(A−1):ショ糖ラウリン酸モノエステルを主成分(約70重量%)とする、HLB16のショ糖脂肪酸エステル
(A−2):デカグリセリンラウリン酸モノエステルを主成分(約65重量%)とする、HLB14.8のポリグリセリン脂肪酸エステル
(A−3):ヘキサグリセリンラウリン酸モノエステルを主成分(約65重量%)とする、HLB13.5のポリグリセリン脂肪酸エステル
(A−4):デカグリセリンオレイン酸モノエステルを主成分(約65重量%)とする、HLB13.3のポリグリセリン脂肪酸エステル
離型剤(B+C)としては以下のものを組み合わせて用いた。
【0058】
(B−1):ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 、平均分子量15000、ポリオキシエチレン80wt%
(B−2): ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、平均分子量約8000、ポリオキシエチレン65wt%
(B−3):ポリエチレングリコール、平均分子量3300
【0059】
(C−1):ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレン20モル付加、 HLB16.7
(C−2):ポリオキシエチレングリセリンラウレート、ポリオキシエチレン20モル付加、HLB14.8
その他、以下のものを上記防曇剤または離型剤に混合して用いた。
【0060】
(D−1):ブリリアントブルーFCF(食用青色1号)
(D−2):ポリビニルアルコール、ケン価度73mol%、4%水溶液粘度5mPa・s
(D−3):ポリエーテル変性シリコーンオイル、60重量%がポリエーテル基で変性、粘度(25℃)300cs
(D−4):ジメチルポリシロキサン(エマルジョンで使用)、粘度(25℃)10000cs
【0061】
【実施例1〜10】
市販のポリスチレン二軸延伸シート(旭化成工業(株)製、商品名:OPSシート#3000 厚さ0.3mm)の片面を純水との接触角が40から45度になるようにコロナ処理を施したのち、表1に示す防曇面被覆膜組成になるように調整した水溶液組成物をスプレーコーターで被覆(Wet塗布量3g/m)し、乾燥処理後、反対面を純粋との接触角が55から60度になるようにコロナ処理を施したのち、表1に示す離型面面被覆膜組成になるように調整した水溶液組成物をスプレーコーターで被覆(Wet塗布量3g/m)し、乾燥処理を行い、シートをロール状に巻き取った。巻き取られたシートを1週間エージング後物性評価を行った。エージング後のシート及びシートからの成形品の物性評価結果を表1に示す。なお、シートの接触角は、協和界面科学(株)社製固体表面エナジー解析装置CA−XEを用い確認した。またシート上の被覆膜は、シートコーティング直後にFTIR(ATR法)により防曇剤のエステルの特性吸収、離型剤のエーテルの特性吸収から、被覆量既知のサンプルから作成した検量線を基に確認した。また、エージング後の防曇剤、離型剤の転写は、全シートとも初期のコート量に対し、10%未満であった。
【0062】
【表1】
Figure 0003563019
【0063】
【比較例1〜8】
表2に示す防曇面被覆膜組成、離型面被覆膜組成になるようにコート液を調整した他は、実施例1と同様に行った。なお、比較例2および3のシートは、防曇面のみにコーティングを行い、反対面は、未処理のものを用いた。また、比較例1, 3のシートのシリコーンオイルは、エージング終了後40〜45%がシリコーンオイル非コート面に転写していることをFTIR(ATR法)で確認した。得られたシートの物性を表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 0003563019
【0065】
比較例1, 3のシートは、従来公知の離型剤にシリコーンオイルを用いたシートである。これらシートはエージングによるシリコーンオイルの転写または、防曇剤と混合したシリコーンオイルの影響により防曇性が低下し、成形時の帯電も大きいものである。また、シリコーンオイルと被覆していない比較例2のシートは、防曇性はよいものの、シートの滑り性や成形時の離型性に劣るものである。比較例4〜8のシートは、本発明に使用できる離型面の剤組成や被覆量の範囲が本発明からはずれた例で、防曇性の低下は僅かであるものの、その他特性の低下がみられる。
これら比較例と上記の実施例の比較より、本発明のシートは、防曇性、シート、成形品の離型性、滑り性、各種帯電防止特性が高いレベルでバランスされていること、この特性は、離型面に被覆するコーティング剤を厳選したことで初めて得られるものであることが判る。
【0066】
【発明の効果】
本発明の1表面に防曇剤が被覆され、反対面には、離型剤としてエーテル系多量体が被覆された延伸シート及び該延伸シートよりなる2次成形容器は、高温、低温防曇性にとも優れ、シート及びシート2次成形品の離型性や剥離性に優れ且つ、成形時の帯電が少ない特徴がある。このため、優れた防曇性を必要とする食品包装用とをはじめ、各種成形容器、包装容器成形用シートとして好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 1表面に防曇剤が被覆され、その反対面には、離型剤が被覆されたポリスチレン系シートにおいて、防曇剤として、下記(A)が5〜30mg/m被覆され、離型剤(B+C)として、下記(B):20〜90重量%と下記(C):80〜10重量%との混合組成物が3〜30mg/m被覆されたことを特徴とするポリスチレン系シート。
    (A)ショ糖脂肪酸エステル類または、ポリグリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる少なくとも1種
    (B)エーテル系多量体類
    (C)非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤類
  2. 上記エーテル系多量体(B)がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールより選ばれる請求項1記載のスチレン系樹脂シート。
  3. 上記非ブロック共重合体型エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤(C)が、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル類より選ばれる、請求項1または2記載のポリスチレン系シート。
  4. ポリスチレン系シートが二軸延伸ポリスチレン系シートである請求項1,2または3記載のポリスチレン系シート
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