JP4075476B2 - 防曇性樹脂シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防曇性樹脂シートに関する。詳しくは、食品容器用蓋として用いられた場合、蓋内面に付着する水滴が特に少なく、優れた防曇効果を発揮する二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートなどに代表される防曇性樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、透明性、耐水性に優れ、成形性にも優れていることから各種食料品等の包装材として広く使用されている。しかしながら、反面その表面が極めて疎水性であるために、気温や湿度の変化に応じて凝結する水分(水蒸気)が樹脂表面を均―に濡らすことなく微小水滴の集合体を形成し、いわゆる曇りを発生することが多い。このような曇りの発生は、食品用包装材分野においては収納物を見分けることが困難となるので、各種容器の商品価値を著しく低下させる。これは、透明性を特徴とする容器の重大な欠点であるばかりでなく、不均―に凝集、付着した水分は、容器に収納された食品にも影響を与え、品質の不良化、腐敗の一因となる。
【0003】
従来、このような曇り現象を防ぐため、ショ糖脂肪酸エステルが安全性の高い防曇剤として広く使用されている(特開昭56−166234、特開昭57−80431、特公昭61−36864号各公報等参照)。また、特開平9−12751号公報には、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する防曇性スチレン系樹脂シート・フィルムが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、食品容器用蓋はその美麗性を向上させるため、天面部面積をより広くしたり、深絞りとなる傾向があり、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートには従来よりもより優れた防曇性能や、長時間持続する防曇性能を有することが求められている。特に防曇性能については、低温保管(5〜8℃)で付着する水滴がほとんどなく、内容物である寿司や刺身等を非常にスッキリと見せることが要求されている。しかしながら、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートはその大部分が熱板を用いた直接加熱方式の成形機で容器形状に成形されるため、防曇剤塗布面が熱板と接触し、接触により荒れたり引き剥がされたりして、成形品の防曇性能は曇りは発生しないまでも付着した水滴は流れにくくなり、内容物がスッキリと見えなくなっていた。このような状況は従来の防曇剤処方では多量に塗布してもあまり変わらず、水滴付着が少なく内容物をスッキリと見栄えよく見せることは難しかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、直接加熱方式の成形機で成形された容器でも特に優れた防曇性能、つまり低温保管時の水滴付着が極めて少なく、内容物を特にスッキリと見栄え良く見せることができる樹脂シート用の防曇剤、特に、二軸延伸ポリスチレン系樹脂シート用の防曇剤について鋭意検討を行った結果、特定のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と特定のジグリセリン脂肪酸エステル(B)を特定の量比で組み合わせた防曇剤を被覆した二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートが、水滴付着が極めて少なく内容物が非常にスッキリ見えるという、これまでにない特に優れた防曇性能(スッキリ感)を有することを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物により表面が被覆されてなる防曇性樹脂シートであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と該ジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物の混合比率(重量比)A:Bが90〜20:10〜80であり、該ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)の構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和脂肪酸で、重縮合度が4〜20、且つモノエステルが50モル%以上であり、かつ該ジグリセリン脂肪酸エステル(B)の構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和脂肪酸で、重縮合度が2、且つモノエステルが80モル%以上である防曇性樹脂シートに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で対象とする樹脂シートとしては、二軸延伸ポリスチレン樹脂シートが最も好ましいが、樹脂シートの種類に限定されるものではなく、二軸延伸ポリスチレン樹脂シートと同様な用途で透明樹脂シートとして利用されうるポリエステル樹脂シート、ポリ塩化ビニルシート、ポリプロピレンシートなどにも適用できる。
【0007】
かかる樹脂シートは、公知の方法で通常100〜700μm程度の厚さにシート化される。該シートは熱成形され容器として使用されることが多い。本発明においては、樹脂を押出成形し、さらに必要に応じ延伸を行った後、直ちに防曇剤成分を塗布などすればよい。また、樹脂シートは、予めコロナ放電処理、高周波処理等の表面処理を行い、シート表面の状態を調整しておいた方が防曇剤が良好に被覆されやすい傾向がある。例えば、コロナ放電処理により、樹脂シートの表面張力を通常50〜60mN/mの範囲に調整するとよい。
【0008】
本発明の樹脂シートにおける防曇剤成分は、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物である。これらの二成分のの混合割合(重量比)A:Bは、通常90〜20:10〜80の範囲にするのが好ましい。さらに好ましくは80〜30:20〜70の範囲であり、特に好ましくは70〜40:30〜60の範囲である。ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)の混合割合が90重量%を越えると塗布後のベタツキが非常に多くなる傾向があり、20重量%未満では目的とする良好なスッキリ感が達成できない傾向があるので好ましくない。
【0009】
第一成分のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)としては、その構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18、好ましくは12〜16の飽和及び/又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和脂肪酸である。又、重縮合度(重縮合度に分布がある場合は最も多い成分の重縮合度)が4〜20、且つモノエステルが50モル%以上のものが好ましい。具体的な構成脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノレイン酸、2−ブチルオクタン酸、2−ヒドロキンデカン酸等が挙げられる。さらに具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸の単独又は2種以上を全構成脂肪酸の70重量%以上含有するものが好ましく、残りはカプリン酸やカプリル酸等の炭素数10以下および/又はステアリン酸やアラキジン酸等の炭素数18以上の飽和脂肪酸を、或いはミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を含んでいてもよい。又、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)はHLBが9〜16のものが好ましい。又、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)中にはジグリセリン脂肪酸エステルを含んでいてもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)中のジグリセリン脂肪酸エステルの含有量としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物中のジグリセリン脂肪酸エステル比率(重量比)が10〜80%になるのが好ましい。さらに好ましくは20〜70%、特に好ましくは30〜60%である。
【0010】
第二成分のジグリセリン脂肪酸エステル(B)としては、その構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18、好ましくは12〜16の飽和及び/又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和脂肪酸である。又、重縮合度(重縮合度に分布がある場合は最も多い成分の重縮合度)が2、且つモノエステルが80モル%以上のものが好ましい。ここで、蒸留等によりモノエステルの割合を90モル%以上に高めたものが更に好ましい。具体的な構成脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノレイン酸、2−ブチルオクタン酸、2−ヒドロキンデカン酸等が挙げられる。さらに具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸の単独又は2種以上を全構成脂肪酸の70重量%以上含有するものが好ましく、残りはカプリン酸やカプリル酸等の炭素数10以下および/又はステアリン酸やアラキジン酸等の炭素数18以上の飽和脂肪酸を、或いはミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を含んでいてもよい。又、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)はHLB9以上が好ましい。又、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)は主成分としてジグリセリン脂肪酸エステルを含有するもので、ジグリセリン脂肪酸エステル含有量は好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
【0011】
なお、防曇剤の必須成分であるポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の他に、各種の非イオン性界面活性剤や陰イオン性界面活性剤を添加することで防曇性を更に向上させることができる。非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸(C8〜C22)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜C22)エステル、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜C22)エステル、ポリオキシエチレン(20モル)グリセリン脂肪酸(C12〜C18)エステル、ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン脂肪酸(C12〜C18)エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコール(C12〜C20)、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール等の、また陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸(C8〜C22)塩(Na、K、NH4)、アルキル(C10〜C20)スルホン酸塩(Na、K、NH4)、アルキル(C9〜C20)ベンゼンスルホン酸塩(Na、K、NH4)、アルキルナフタリンスルホン酸塩(Na)、ソジウムジアルキル(C4〜C16)スルホサクシネート、ポリオキシエチレン脂肪アルコール(C12〜C20)エーテルサルフェート(Na、NH4)、ポリオキシエチレン(4〜50モル)アルキル(C7以上)フェニルエーテルサルフェート(Na、NH4)、ポリオキシエチレン(4〜10モル)アルキル(C12〜C13以上)ホスフェート等の、いずれもポリオレフィン等衛生協議会の『ポリオレフィン等合成樹脂製食品 容器包装等に関する自主基準 第4版』記載物質が挙げられる。該自主基準の制限内で、かつ本発明の効果を損なわない範囲であれば、単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。添加量は、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の固形分合計に対して、固形分換算で30重量%以下、好ましくは20重量%以下であるのが良い。陰イオン性界面活性剤については中でもラウリン酸カリウムが好ましい。更に、本発明の効果を損なわない範囲で、防曇剤に離形剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、粘度調節剤、消包剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、抗菌剤等を常法により適宜併用することができる。
【0012】
以上の防曇剤をシート表面に塗布してシートを被覆する。この場合、防曇剤を通常0.5〜5重量%溶液として、乾燥後の塗布量が固形分換算で、下限を、通常5mg/m2以上、好ましくは10mg/m2以上、特に好ましくは20mg/m2以上とし、上限を、通常120mg/m2以下、好ましくは100mg/m2以下、特に好ましくは80mg/m2以下になるようにする。防曇剤の乾燥後の塗布量が少なすぎる場合は、良好なスッキリ感は得られにくくなり、逆に多すぎる場合は、ベタツキによるシート同士のプロッキングや透明性の低下が生じ、表面白化を起こすことがあるので好ましくない。
【0013】
防曇剤の塗布方法としては、噴霧、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、浸漬法等の既知の方法が用いられ、噴霧、ロールコーター法が好ましい。また、防曇剤溶液に用いる溶媒としては、例えば、水、アルコール等の、防曇剤を溶解し且つ樹脂シートを溶解しない溶媒で、しかも適用分野によっては安全を満たす溶媒を適宜選択して用いることが好ましい。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)実施例及び比較例で使用したポリグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルは以下の通りである。
1.ポリグリセリン脂肪酸エステル:
(A−1) ヘキサグリセリンラウリン酸エステル HLB 14
(A−2) デカグリセリンラウリン酸エステル HLB 15.5
2.ジグリセリン脂肪酸エステル: ジグリセリンラウリン酸エステル
(モノエステル90モル%以上) HLB 9
3.ショ糖脂肪酸エステル: ショ糖ラウリン酸エステル HLB 15
防曇剤のシートへの被覆量は、シート試料をメタノールで洗浄して洗液を集めて濃縮した後、高速液体クロマトグラフィー法で定量確認した。
なお、HLB値はGriffinの多価アルコール脂肪酸エステルの場合の一般式である次式より算出する方法や、例えば工業図書(株)発行「分散・乳化系の化学(北原文雄・古澤邦夫共著)」60〜64頁記載の方法で求めることができる。
【0015】
【数1】
HLB=20*(1−S/A)
(Sはエステルのケン化価、Aは脂肪酸の酸価)
【0016】
(2)使用したシートは300μm厚の二軸延伸ポリスチレンシートであり、塗布面側には54mN/m以上のコロナ処理を施した。シートは実験組成の防曇剤水溶液を塗布後、熱風オーブンにて乾燥を行った、また、評価に使用した寿司蓋型容器は上記二軸延伸ポリスチレンシートの塗布面を内面にして、熱板加熱式圧空成形機で成形したもので、大きさは次の通りである。
・開口部;215mm長×135mm巾×30mm深さ
・天面部;190mm長×110mm巾
【0017】
(3)シートの性能評価は、以下の方法及び基準に従って行った(特に断りのない限り「○」以上が本発明の合格レベルである。)
<低温スッキリ感>
23℃の水150ccを入れた容器(210mm長×130mm幅×15mm深さ)に試料の蓋型成形品を被せ、5℃雰囲気中に保管し、30分後の蓋型成形品のスッキリ感を肉眼観察し、官能評価した。
評価基準
◎ :水滴の付着が少なく、スッキリ感が非常に良い。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感は感じられる。
△ :水滴の付着が多く、スッキリ感があまり良くない。
× :水滴の付着が非常に多く、スッキリ感が悪い。
【0018】
<低温スッキリ感持続性>
低温スッキリ感評価開始から3時間後に、蓋型成形品のスッキリ感を再度官能評価した。
評価基準
◎ :スッキリ感の非常に良い状態が持続している。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感が感じられる状態で持続している。
△ :スッキリ感がやや劣る。
× :スッキリ感が悪い。
【0019】
<高温スッキリ感>
80℃のお湯150ccを入れた容器(210mm長×130mm幅×15mm深さ)に試料の蓋型成形品を被せ、23℃雰囲気中に保管し、10分後の蓋型成形品のスッキリ感を肉眼観察し、官能評価した。
評価基準
◎ :水滴の付着が少なく、スッキリ感が非常に良い。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感は感じられる。
△ :水滴の付着が多く、スッキリ感があまり良くない。
× :水滴の付着が非常に多く、スッキリ感が悪い。
【0020】
<高温スッキリ感持続性>
高温スッキリ感評価開始から1時間後に、蓋型成形品のスッキリ感を再度官能評価した。
評価基準
◎ :スッキリ感の非常に良い状態が持続している。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感が感じられる状態で持続している。
△ :スッキリ感がやや劣る。
× :スッキリ感が悪い。
【0021】
<シート透明性>
シートの透明性をNDH−300A(日本電色工業株式会社製)により測定した曇価(ヘーズ)H(%)と、肉眼観察した外観の双方で評価し、評価の低い方の結果をシート透明性の評価結果とした。
評価基準
◎:H<1.5または塗り班が全く見られない。
○:1.5≦H<2またはごく僅かな塗り斑が見られる。
△:2≦H<3または塗り斑が少し目立つ。
×:3≦Hまたは塗り斑がかなり目立つ。
【0022】
<シートのベタツキ>
シートを指先で触り、ベタツキ具合いを官能評価した。
評価基準
○:ベタツキが少ない。
×:ベタツキが大きい。
【0023】
<実施例1〜10>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)を表−1の“防曇剤混合比率(固形分%)”にて水で希釈し、合計量が1重量%の防曇剤水溶液を調製した。この防曇剤水溶液をコロナ処理済みの2軸延伸ポリスチレンシートの片面に塗工量の異なる種々バーコーターにて塗布した。乾燥後の防曇剤固形分を“乾燥後の被覆量”として表−1に示した。得られたシートを塗布面が内面になるように、熱板加熱式圧空成形機で寿司容器蓋に成形し、評価用サンプルとした。前記評価項目について評価した結果を表−1に併せて示す。
【0024】
<比較例1〜5>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)、又はジグリセリン脂肪酸エステル(B)、および/又はショ糖脂肪酸エステルを用い、表−2の“防曇剤混合比率(固形分%)”に示す割合で、1重量%の防曇剤水溶液を調整した。その後のシート塗布及び寿司容器蓋の作成、評価は実施例1〜10と同様に行った。結果を表−2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】
本発明の樹脂シートは、従来より優れた防曇効果を有し、水滴付着が少なく内容物がスッキリ見えるという、これまでにない優れた防曇性能(スッキリ感)を有する。従って、特に寿司容器等、低温で使用される食品包装容器用シートとして、最適である。
Claims (4)
- ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物により表面が被覆されてなる防曇性樹脂シートであって、
該ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と該ジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物の混合比率(重量比)A:Bが90〜20:10〜80であり、
該ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)の構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和脂肪酸で、重縮合度が4〜20、且つモノエステルが50モル%以上であり、
かつ該ジグリセリン脂肪酸エステル(B)の構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18の飽和及び/又は不飽和脂肪酸で、重縮合度が2、且つモノエステルが80モル%以上であることを特徴とする防曇性樹脂シート。 - ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のHLB値が9〜16、ジグリセリン脂肪酸エステル(B)のHLB値が9以上である請求項1の防曇性樹脂シート。
- コロナ放電処理によりシート表面の表面張力を予め50〜60mN/mに調整し、次いで、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とジグリセリン脂肪酸エステル(B)の混合物により表面が被覆されてなる請求項1又は2の防曇性樹脂シート。
- 樹脂シートが二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートである請求項1〜3のいずれかの防曇性樹脂シート。
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