JP5041993B2 - 防曇性に優れた樹脂シートからなる成形品 - Google Patents
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Description
従来、このような曇り現象を防ぐため、ショ糖脂肪酸エステルが安全性の高い防曇剤として広く使用されていた[特開昭56−166234、特開昭57−80431、特公昭61−36864号各公報(特許文献1〜3)]。また、特開平9−12751号公報(特許文献4)には、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する防曇性スチレン系樹脂シート・フィルムが提案されている。
すなわち、本発明は、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の混合物により表面が被覆されてなる防曇性二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートからなる容器であって、該多価アルコール型非イオン性界面活性剤と該ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の混合物の固形分比率(重量比)が50〜80:50〜20であり、該多価アルコール型非イオン性界面活性剤がショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであり、該ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤がポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーであることを特徴とする容器に存する。
本発明の樹脂シートにおける防曇剤成分は多価アルコール型非イオン性界面活性剤とポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の混合物である。
多価アルコール型非イオン性界面活性剤としては、グリセロール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテルが挙げられ、2種以上を混合して用いても良い。これらの中でショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルは、その構成脂肪酸の70重量%以上が炭素数12〜18、好ましくは12〜16の飽和および/又は不飽和脂肪酸であり、且つモノエステルを60モル%以上含有するものである。また、その構成脂肪酸は2種以上の混合物であってもよい。
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーはポリオキシエチレン鎖が10〜90重量%、好ましくは40〜85重量%とポリオキシプロピレン鎖が90〜10重量%、好ましくは60〜15重量%とからなる。重量平均分子量は1900〜20000、好ましくは2000〜16000である。本剤を食品用途として使用する場合は、安全性の面からポリオレフィン等衛生協議会発行の『ポリオレフィン等合成樹脂製食品 容器包装等に関する自主基準(いわゆるポジティブリスト)』に記載の分子量1900以上のものを使用する。
ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖のブロック比率及び構成(A−Bブロックタイプ、A−B−Aブロックタイプ等)は、本発明の樹脂シートで目的とする防曇性を得る為に必要な範囲であれば特に制限はない。
ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを混合した多価アルコール型非イオン性界面活性剤の場合、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの混合割合(固形分比率)は10〜90:90〜10である事が好ましい。
どちらか一方でも防曇性能は発現するが、低温・高温両方の防曇性には併用が好ましく、30〜70:70〜30が更に好ましい。
これら陰イオン性界面活性剤の乾燥後の被覆量は、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の合計に対して、30重量%以下、好ましくは20%以下である。
二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートは、公知の方法でシートにされ、シートの厚みは通常100〜700μmである。通常、該シートは熱成形され容器として使用される。 本発明においては、ポリスチレン系樹脂を押出成形し、さらに必要に応じて二軸延伸して得たシートの表面に直ちに防曇剤を塗布してよいが、予め、コロナ放電処理、高周波処理等の表面処理を行い、シート表面の状態を調整しておいた方が、防曇剤が良好に被覆されやすいので望ましく、好ましくは、コロナ放電処理によりシートの表面張力を50〜60mN/mに調整するとよい。
1.ショ糖脂肪酸エステル:ショ糖ラウリン酸エステル 固形分40%
2.ポリグリセリン脂肪酸エステル:ヘキサグリセリンラウリン酸エステル
固形分100%
3.ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー:
分子量 3,300 固形分100%
なお、防曇剤のシートへの被覆量は、シート試料をメタノールで洗浄して洗液を集めて濃縮した後、高速液体クロマトグラフィー法で定量確認した。
また、評価に使用した寿司蓋型容器は上記二軸延伸ポリスチレンシートの塗布面を内面にして、熱板加熱式圧空成形機で成形したもので、大きさは次の通りである。
・開口部;215mm長×135mm巾×30mm深さ
・天面部;190mm長×110mm巾
23℃の水150ccを入れた容器(210mm長×130mm幅×15mm深さ)に試料の蓋型成形品を被せ、5℃雰囲気中に保管し、30分後の蓋型成形品のスッキリ感を肉眼観察し、官能評価した。
評価基準
◎ :水滴の付着が少なく、スッキリ感が非常に良い。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感は感じられる。
△ :水滴の付着が多く、スッキリ感があまり良くない。
× :水滴の付着が非常に多く、スッキリ感が悪い。
低温スッキリ感評価開始から3時間後に、蓋型成形品のスッキリ感を再度官能評価した。
評価基準
◎ :スッキリ感の非常に良い状態が持続している。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感が感じられる状態で持続している。
△ :スッキリ感がやや劣る。
× :スッキリ感が悪い。
80℃のお湯150ccを入れた容器(210mm長×130mm幅×15mm深さ)に試料の蓋型成形品を被せ、23℃雰囲気中に保管し、10分後の蓋型成形品のスッキリ感を肉眼観察し、官能評価した。
評価基準
◎ :水滴の付着が少なく、スッキリ感が非常に良い。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感は感じられる。
△ :水滴の付着が多く、スッキリ感があまり良くない。
× :水滴の付着が非常に多く、スッキリ感が悪い。
高温スッキリ感評価開始から1時間後に、蓋型成形品のスッキリ感を再度官能評価した。
評価基準
◎ :スッキリ感の非常に良い状態が持続している。
○ :水滴の付着はあるが、スッキリ感が感じられる状態で持続している。
△ :スッキリ感がやや劣る。
× :スッキリ感が悪い。
シートの透明性をNDH−300A(日本電色工業株式会社製)により測定した曇価(ヘーズ)H(%)と、肉眼観察した外観の双方で評価し、評価の低い方の結果をシート透明性の評価結果とした。
評価基準
◎:H<1.5または塗り班が全く見られない。
○:1.5≦H<2またはごく僅かな塗り斑が見られる。
△:2≦H<3または塗り斑が少し目立つ。
×:2≦Hまたは塗り斑がかなり目立つ。
シートを指先で触り、ベタツキ具合いを官能評価した。
評価基準
○ :ベタツキが少ない。
○′:ベタツキはややあるが、実用上許容できるレベルにある。
× :ベタツキが大きい。
前記ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマーを、表中の“塗布液中の固形分比”となるよう、水100重量%に対して表中の“塗布液組成”の割合で溶かし込んだ水溶液を調製した。次に、この防曇剤水溶液をコロナ処理済みの2軸延伸ポリスチレンシートの片面にバーコーターにて塗布した。乾燥後の防曇剤固形分量を”乾燥後の被覆量”として表に示した。
得られたシートを塗布面が内面になるように、熱板加熱式圧空成形機で寿司容器蓋に成形し、評価用サンプルとした。前記評価項目について評価した結果を表に併せて示した。
実施例と同様に、表中の“塗布液中の固形分比”となるよう、水100重量%に対して表中の“塗布液組成”の割合で、ショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、又はポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマーを溶かし込んだ水溶液を調整した。その後のシート塗布及び寿司容器蓋の作成、評価は実施例1〜7と同様におこなった。結果を表に示す。
Claims (5)
- 多価アルコール型非イオン性界面活性剤とポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の混合物により表面が被覆されてなる防曇性二軸延伸ポリスチレン系樹脂シートからなる容器であって、該多価アルコール型非イオン性界面活性剤と該ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の混合物の固形分比率(重量比)が50〜80:50〜20であり、該多価アルコール型非イオン性界面活性剤がショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであり、該ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤がポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーであることを特徴とする容器。
- ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの固形分比率(重量比)が10〜90:90〜10である請求項1に記載の容器。
- ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーを構成するポリオキシエチレン鎖が10〜90重量%で、ポリオキシプロピレン鎖が90〜10重量%であり、該ブロックコポリマーの重量平均分子量が1900〜20000である請求項1又は2に記載の容器。
- ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマーを構成するポリオキシエチレン鎖が40〜85重量%で、ポリオキシプロピレン鎖が60〜15重量%であり、該ブロックコポリマーの重量平均分子量が2000〜16000である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器。
- コロナ放電処理後に、多価アルコール型非イオン性界面活性剤とポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤の混合物により表面を被覆する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の容器。
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