JP3593867B2 - 防曇性ポリエステル樹脂シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防曇性ポリエステル樹脂シートに関する。詳しくは、水蒸気の凝結による表面の曇りを防止する面を有するシートであり、熱成形方法によって容器形状に成形された後でも、長時間にわたって防曇性が低下しない防曇性ポリエステル樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)に代表されるポリエステルは、各種のシート、容器等の成形材料に用いることができるが、特に最近では、塩化ビニルやポリスチレンなどが原料して多用されてきた成形体の分野への展開が顕著である。例えば、ポリエステル樹脂より成る未延伸の無定形シート(以下、「A−PETシート」という。)を熱成形して得られる成形体は、食品、薬品等の容器に広く利用されて始めている。
【0003】
かかるポリエステル樹脂シートは、機械的強度、化学的安定性、透明性、耐水性に優れ、成形性も優れているが、反面、その表面が極めて疎水性であるために、気温、湿度の変化に応じて凝結する水分が(水蒸気)表面を均一に濡らすことなく、微小水滴となって表面に止まり、これが全面に付着し、いわゆる曇りが発生することが多い。例えば、このようなシートより成形した容器に寿司やケーキ等を収納、包装して貯蔵した場合、寿司やケーキ等の表面より蒸発した水蒸気が容器内部を飽和し、この水分が小さな水滴として容器内面に凝集、付着すると、収納物を見分けることが困難となる。このような曇りの発生は、透明性を特徴とする容器の商品価値を著しく低下させる。これは透明性を特徴とする容器の重大な欠点であるばかりでなく、このように不均一に凝集、付着した水分は、このような容器に収納した食品にも影響を与え、品質の不良化、腐敗の原因になる場合がある。
【0004】
このため、ポリエステル樹脂シート表面に水滴が付着しないようにするために、各種防曇剤を塗布する方法が考えられる。そして、ポリエステル系樹脂シートは、そのシート表面の濡れ性が良く、シート表面に防曇剤を塗布させるための前処理を行う必要なく防曇剤を塗布できる。防曇剤としては、主にスチレン樹脂やポリオレフィン樹脂のシート及びフィルム用に使用されている防曇剤であるポリグリセリン、脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル、多糖類、親水性高分子、無変性ポリビニルアルコール、またそれらの混合物など)が挙げられるる(例えば、特開昭54−99180、特公昭59−19584、特公昭63−62538、特開平9−12751、特開平5−287097)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ポリエステル系樹脂シートに防曇剤を塗布し、熱成形後に防曇性容器として使用する例としては、先に述べた寿司やケーキ、野菜サラダ、総菜等の低温で保存する食品用容器として使用される場合が多い。これら食品は防曇性の容器に入れられ、スーパー等の店頭で販売されるのが一般的であるが(冷蔵用商品陳列棚で陳列されている)、その日のうちに販売されれば12時間程度の防曇性で十分であるが、場合によっては、それ以上の時間店頭に陳列されることもあり、約48時間ほどの長時間防曇性が望まれる。
【0006】
しかしながら、ポリエステル樹脂シートは、その表面に付着した水滴が凝集して落下する場合に(このとき水滴にはシート表面に塗布された防曇剤がとけ込んでいる)、水滴が落下しやすく、水滴とともに防曇剤も落下し、シート表面の防曇性を消失させてしまう問題点がある。即ち、従来の方法では、水滴が生成し落下するまでは非常に良い防曇性を示すが、生成した水滴が落下しはじめた後は防曇性が消失してしまっているのが現状である。そして、現状では、店頭陳列後約3時間ぐらいは防曇性が保持されているが、それ以後、水滴落下開始とともに防曇性が消失してしまっている場合が多い。
【0007】
そこで、本発明の課題は、その表面に生成した水滴の落下開始後も防曇性を保持できるポリエステル樹脂シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み、防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法について鋭意検討した結果、防曇剤を塗布する際のポリエステル樹脂シートの表面状態が、防曇剤を塗布後の防曇性保持に対して大きな影響があることを見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明は、表面の水滴接触角が45〜55度であるポリエステル樹脂シートに防曇剤を塗布してなることを特徴とする防曇性ポリエステル樹脂シートに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明におけるポリエステル系樹脂は、カルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールよりなるポリエチレンテレフタレートに代表されるが、他のカルボン酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等と、また、他のグリコール成分としてジエチレングリコール、1,4−及び1,3−シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等と成分を置き換えた共重合樹脂等も含まれる。
【0010】
かかるポリエステル樹脂は、Tダイ法又はインフレーション法等の従来公知の成形方法によりシート化することができる。得られたポリエステル樹脂シートは、シートを熱成形によって、更に成形して容器等の成型品用途に使用することができる。また、このシートは通常未延伸のものが好ましいが、延伸してもよい。以上の方法で得られるポリエステル樹脂シートは、そのシート表面の水滴接触角が通常60〜70度であるが、本発明においては、そのシートに防曇剤を塗布し、かつ、その防曇性を長期に保持するために、防曇剤を塗布する前のポリエステル樹脂シートの表面を処理することにより、水滴接触角を45〜55度、好ましくは46〜53度の範囲に調整する必要がある。水滴接触角が55度よりも大きい場合は、防曇剤塗布直後の数時間以内での初期防曇性は良好であるが、目的としている長時間にわたる防曇性が保持できない。また、水滴接触角が45度よりも小さい場合は、シート同士がブロッキングしやすくなり、シートがロール状に巻かれた場合、シートの巻き戻しが行いにくくなり、シートそのものとしての使用に支障を来す。シート表面の水滴接触角を上記の範囲とするための処理方法は特に限定されないが、コロナ放電処理、高周波処理等のシート表面を適度に粗らすような処理が有効であり、好ましくはコロナ放電処理である。
【0011】
ポリエステルシートの表面状態については、原子間力顕微鏡(以下「AFM」という。)により解析することが可能である。AFMとしては、DigitalInstruments社、セイコーインスツルメンツ社、Topometrix社等から市販されている装置をそのまま使用することができる。この場合、共振モードに相当する測定モードが採用される。例えば、Digital Instruments社製の装置NanoScopeを使用した場合にはタッピングモードで、またセイコーインスツルメンツ社製SPI3700を使用した場合にはダイナミックフォースモードで測定を実施するとよい。
【0012】
例えば、セイコーインスツルメンツ社製SPI3700を使用し、1x1μm角のシート表面を測定し、該AFM装置に付属のソフトウエアで傾斜自動補正処理を行って得たトポグラフィ像について、同様に付属のソフトウエアのグレイン解析で、大津の自動しきい値選定法(参考文献:大津展之、電子通信学会論文誌、J63−D(4)、p.349(1980))に基づくしきい値で、像の2値化を行い、解析することができる。なお、トポグラフィ像とは、物の表面の凹凸形状を表した像のことであり、グレイン解析とは、像の高さ(凹凸)方向の値をあるしきい値で2値化して、像を海部と島部(海:低部、島:高部)に分け、島部の個数や大きさや面積などを解析することである。
【0013】
以上のAFM測定によれば、ポリエステル樹脂を成形して得たシートの表面は、そのシートの製造条件によって変動しうるが、一般的には、その表面に数10〜数100nm径、数〜10nm深さの不定形状の筋や窪みを有している。その典型例として、図1にポリエステル樹脂シートのAFMトポグラフィの三次元像を示す。ところが、かかるポリエステル樹脂シートにコロナ処理等の表面処理を行って行くと、表面が荒れ、同時に窪み等の部分が減少していき、数10〜100nm径、0.5〜10nm高さ程度の凸形状が表面に一様に生じてくる。そして、本発明にかかる防曇剤を塗布する前のポリエステル樹脂シートについて、その窪みの箇所を除いて凸形状の存在する箇所のみを選択してグレイン解析すると、その表面に1x1μm角当たり通常300個以上の凸形状を有していることが確認される。その典型例として図2に、図1のシートに適度なコロナ処理を施したもののAFMトポグラフィの三次元像を示す。なお、表面処理が行い過ぎると、各々の凸形状は大きくなっていくが総個数としては減少していく傾向となる。
【0014】
また、上記のAFM測定において、シートの凸部と窪み部分の両方を考慮した総面積についてグレイン解析を行う場合は、本発明にかかる防曇剤を塗布する前のポリエステル樹脂シートでは、島であるグレイン数が、表面1x1μm角当たり、通常10個以上有している。前述のように、トポグラフィ像とはシート表面の像の高さ(凹凸)方向の値をしきい値で2値化して海部と島部に分けたものであるから、コロナ処理等の表面処理をしていない一般的なポリエステル樹脂シートでは、凸部分が少なく、かつ、いくらかの窪み部分が存在するので、図3のようにトポグラフィ像のグレイン解析図が得られ、グレイン数を数えることが実質的に困難である。この図3の写真の色の薄い部分が島部分(グレイン)に相当する。一方、コロナ処理等の表面処理を行うと、海部と島部の区別が顕著になってくるので、グレイン数が数えられ、かつ、グレイン数が増加し、図4のようなグレイン解析図が得られる。
【0015】
以上のようなAFM測定の解析結果から、本発明の防曇性ポリエステル樹脂シートは、防曇剤塗布前のシート表面の凸形状やその他の微小形状が、塗布された防曇剤を保持するのに重要な役割を果たし、防曇性能の長時間化に寄与しているものと推定される。
本発明に係るポリエステル樹脂シートは、以上のような特定表面状態にあるシート表面に防曇処理を施したものである。この防曇処理に使用する防曇剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル、多糖類、親水性高分子、無変性ポリビニルアルコールなどが適しているが、その他公知の多くの防曇剤のいずれでもよく、また、これらの混合物でもよい。かかる防曇剤は、シート表面に、固形分として通常0.01〜0.15g/mの割合で塗布することにより防曇性の良好なシートが得られる。塗布方法としては、はけぬり、噴霧、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、ローターダンプニング法、浸漬法等の公知の方法が使用できる。なお、シートのブロッキング防止のためにシリコーンエマルジョンを混合してもよく、更には、防曇処理された面の反対面に、ブロッキング防止のためにシリコーンエマルジョンを塗布してもよい。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例における防曇剤塗布前のシート表面の水滴接触角、防曇剤塗布前のシート表面の形状解析、シートのブロッキング性、シートの防曇性、熱成形方法により得られた成型品の初期防曇性および長時間防曇性、及び熱成形方法により得られた成型品の防曇剤の耐剥離性の測定及び評価は、以下に示す方法により行った。
(1)防曇剤塗布前のシート表面の水滴接触角
水滴接触角計として、協和界面科学株式会社製接触角計CA−X型を使用し、滴下する液にはイオン交換水を使用した。ポリエステル樹脂シートの表面に滴下する水滴の量は約1.8μlで、滴下後5秒以内に1回の測定を完了するように実施した。
(2)防曇剤塗布前のシート表面の形状解析
原子間力顕微鏡(AFM)として、セイコーインスツルメンツ製走査型プローブ顕微鏡SPI3700を使用し、ダイナミックフォースモードで、実施例及び比較例で得られたポリエステル系樹脂シートの表面を、測定面積1x1μm角、走査速度1Hz、x−y方向512x256分割、カンチレバーSI−DF−20(Si、f=126kHz、C=16N/m)の条件で測定したAFMトポグラフィ像について、傾斜自動補正処理を行った後、大津の自動しきい値選定法に基づくしきい値で像を2値化して、グレイン解析した。
【0017】
1x1μm当たりの凸形状の個数は、窪みの箇所を除いて凸形状の存在する箇所のみを選択してグレイン解析を行って求めた。
また、凸形状と窪みの双方を有したシート表面のグレイン数は、シート面全体をグレイン解析して求めた。なお、上記装置では、グレイン数が10個未満の場合は解析条件を満たさないため数値を得ることができない。
(3)シートのブロッキング性
以下の実施例及び比較例に示すような表面処理されたシート、あるいは未処理シートに防曇剤が塗布されたシートを、2枚重ね、50kgf/m2の圧力になるように荷重をかけ24時間保持した。その後荷重を取り除き、シートを剥がす時の状態を評価した。
【0018】
評価○は、ほとんど抵抗なくシートを剥がすことができる。評価△は、抵抗はあるがシートを剥がすことができる。評価×は、シートがブロッキングしシートがスムーズに剥がすことができない。またはシートが割れたりする。評価○と△は実用上問題なく使用できるレベルである。
(4)シートの防曇性
500cc容のビーカーに水300ccを入れ、ビーカーの上面を実施例及び比較例により得られたシートの防曇剤を塗布した面が下方になるようにして覆い、密封した。このビーカーを室温5℃の室内に設置した恒温水槽の中に浸漬し、ビーカー内の水温を50℃に保持した。1時間後、水蒸気がシート表面に凝結する状況を肉眼で観察した結果、以下のように評価した。
【0019】
大きな透明に見える水滴は発生しているが細かい水滴による白い曇りが全くない状態を5、わずかに白い曇りが発生している状態を4、白い曇りが全体の約20%に発生している状態を3、白い曇りが全体の約50%に発生している状態を2、白い曇りが全体の約50%以上発生している状態を1とした。
(5)成型品の初期防曇性及び長時間防曇性
得られたシートを、熱板成形機を用いて、開口部が100mm×145mm、底部が70mm×120mm、高さが50mmの大きさで開口部の回りに15mm幅のフランジ部を有する容器蓋を防曇剤を塗布した面が内側になるように成形した。成形した容器蓋を、開口部が100mm×145mm、高さ25mmの皿状容器の中に、60℃の湯を300cc入れ、防曇剤を塗布した面が内側になるように蓋をし、室温5℃の室内に設置した。水蒸気がシート表面に凝結する状況を、初期防曇性は1時間後、長時間防曇性は48時間後、肉眼で観察した。評価はシートの防曇性と同様に行った。
(6)熱成形方法により得られた成型品の防曇剤の耐剥離性
得られたシートを、熱板成形機を用いて、開口部が100mm×145mm、底部が70mm×120mm、高さが50mmの大きさで開口部の回りに15mm幅のフランジ部を有する容器蓋を防曇剤を塗布した面が内側になるように成形した。成形した容器蓋に50℃の湯を300cc入れ、20秒間振盪する。その後開口部が100mm×145mm、高さ25mmの60℃の湯を300cc入れた皿状容器に、この容器蓋で防曇剤を塗布した面が内側になるように蓋をし、室温5℃の室内に設置した。1分後、水蒸気が容器蓋の天面部(成形された容器の底部)に凝結する状況を肉眼で観察した。評価はシートの防曇性と同様に行った。
実施例1
厚みが0.25mmのポリエステル樹脂シートをコロナ表面処理機(春日電機株式会社製HFS−202型)の電極間に電力をかけ通過させ、水滴接触角が50度であるシートを得た。(印加電力;1050W、電極幅;1.05m、シート通過速度;20m/min、シート電極間距離;2.5mm)このシートを前記の評価方法によりシート表面の形状解析を行った(表1)。このシートにショ糖ラウリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)「LWA−1570」、水56重量部、エチルアルコール4重量部、及びショ糖ラウリン酸エステル40重量部の溶液)3gを水97gで薄めた水溶液をバーコーターで2g/mとなるように塗布し、ギアーオーブンで60℃で2分間乾燥し、シート表面のショ糖ラウリン酸エステルの固形分0.024g/mの防曇性ポリエステル樹脂シートを作成した。
【0020】
得られた上記シートについて、前記した評価方法により、シートのブロッキング性、シートの防曇性、熱成形方法により得られた成型品の初期防曇性及び長時間防曇性、及び熱成形方法により得られた成型品の防曇剤の耐剥離性についての評価結果を表1に示す。
実施例2〜5、比較例1〜3
実施例1と同様な方法で、表1に記載するような水滴接触角を示すシートを作成した。得られたシートについて、実施例1と同様の評価試験を実施した。評価結果を表1に示す。
【0021】
表1より、本発明にかかるポリエステル樹脂シートは、初期の防曇性、および長時間の防曇性も良好で、かつシートのブロッキング性も優れたものであることがわかる。また、比較例1、2は水滴接触角が55度より大きく、長時間防曇性が劣ること、比較例3は水滴接触角が45度より小さく、長時間防曇性は満足するが、シートのブロッキング性が劣ることがわかる。
【0022】
【表1】
Figure 0003593867
【0023】
【発明の効果】
本発明のポリエステル樹脂シートは、初期及び長時間の防曇性が良好で透明性良好であり、また、シートのブロッキング性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のコロナ処理前のポリエステル樹脂シート表面のAFMトポグラフィ三次元像を示す。
【図2】実施例1のコロナ処理後、防曇剤を塗布する前のポリエステル樹脂シート表面のAFMトポグラフィ三次元像を示す。
【図3】実施例1のコロナ処理前のポリエステル樹脂シート表面のグレイン解析図を示す。
【図4】実施例1のコロナ処理後、防曇剤を塗布する前のポリエステル樹脂シート表面のグレイン解析図を示す。

Claims (9)

  1. 表面の水滴接触角が45〜55度であるポリエステル樹脂シートに防曇剤を塗布してなることを特徴とする防曇性ポリエステル樹脂シート。
  2. 表面に1×1μm角当たり300個以上の凸形状を有するポリエステル樹脂シートに、防曇剤を塗布してなることを特徴とする請求項1の防曇性ポリエステル樹脂シート。
  3. 原子間力顕微鏡のトポグラフィ像によるグレイン数が、表面1×1μm角当たり10個以上であるポリエステル樹脂シートに、防曇剤を塗布してなることを特徴とする請求項1又は2の防曇性ポリエステル樹脂シート。
  4. ポリエステル樹脂を成形してシートを得、該シートをコロナ処理することにより、表面の水滴接触角が45〜55度とし、次いで、防曇剤を塗布してなる防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法。
  5. ポリエステル樹脂を成形してシートを得、該シートをコロナ処理することにより、表面1×1μm角当たり300個以上の凸形状を有するポリエステル樹脂シートとし、次いで、防曇剤を塗布してなる請求項4の防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法。
  6. ポリエステル樹脂を成形してシートを得、該シートをコロナ処理することにより、原子間力顕微鏡のトポグラフィ像によるグレイン数が、表面1×1μm角当たり10個以上であるポリエステル樹脂シートとし、次いで、防曇剤を塗布してなる請求項4又は5の防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法。
  7. 表面の水滴接触角が45〜55度であり、かつ、表面に1×1μm角当たり300個以上の凸形状を有することを特徴とするポリエステル樹脂シート。
  8. 原子間力顕微鏡のトポグラフィ像によるグレイン数が、表面1×1μm角当たり10個以上であることを特徴とする請求項7に記載のポリエステル樹脂シート。
  9. 表面の水滴接触角が45〜55度であり、かつ、原子間力顕微鏡のトポグラフィ像によるグレイン数が、表面1×1μm角当たり10個以上であることを特徴とするポリエステル樹脂シート。
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