JPH11172028A - 防曇性ポリエステル樹脂シート - Google Patents

防曇性ポリエステル樹脂シート

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JPH11172028A
JPH11172028A JP9356104A JP35610497A JPH11172028A JP H11172028 A JPH11172028 A JP H11172028A JP 9356104 A JP9356104 A JP 9356104A JP 35610497 A JP35610497 A JP 35610497A JP H11172028 A JPH11172028 A JP H11172028A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成形方法によって容器形状に成形された後
でも、長時間にわたって防曇性が低下しない防曇性ポリ
エステル樹脂シートを提供する。 【解決手段】 表面の水滴接触角が45〜55度である
ポリエステル樹脂シートに防曇剤を塗布してなることを
特徴とする防曇性ポリエステル樹脂シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防曇性ポリエステル
樹脂シートに関する。詳しくは、水蒸気の凝結による表
面の曇りを防止する面を有するシートであり、熱成形方
法によって容器形状に成形された後でも、長時間にわた
って防曇性が低下しない防曇性ポリエステル樹脂シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、
「PET」という。)に代表されるポリエステルは、各
種のシート、容器等の成形材料に用いることができる
が、特に最近では、塩化ビニルやポリスチレンなどが原
料して多用されてきた成形体の分野への展開が顕著であ
る。例えば、ポリエステル樹脂より成る未延伸の無定形
シート(以下、「A−PETシート」という。)を熱成
形して得られる成形体は、食品、薬品等の容器に広く利
用されて始めている。
【0003】かかるポリエステル樹脂シートは、機械的
強度、化学的安定性、透明性、耐水性に優れ、成形性も
優れているが、反面、その表面が極めて疎水性であるた
めに、気温、湿度の変化に応じて凝結する水分が(水蒸
気)表面を均一に濡らすことなく、微小水滴となって表
面に止まり、これが全面に付着し、いわゆる曇りが発生
することが多い。例えば、このようなシートより成形し
た容器に寿司やケーキ等を収納、包装して貯蔵した場
合、寿司やケーキ等の表面より蒸発した水蒸気が容器内
部を飽和し、この水分が小さな水滴として容器内面に凝
集、付着すると、収納物を見分けることが困難となる。
このような曇りの発生は、透明性を特徴とする容器の商
品価値を著しく低下させる。これは透明性を特徴とする
容器の重大な欠点であるばかりでなく、このように不均
一に凝集、付着した水分は、このような容器に収納した
食品にも影響を与え、品質の不良化、腐敗の原因になる
場合がある。
【0004】このため、ポリエステル樹脂シート表面に
水滴が付着しないようにするために、各種防曇剤を塗布
する方法が考えられる。そして、ポリエステル系樹脂シ
ートは、そのシート表面の濡れ性が良く、シート表面に
防曇剤を塗布させるための前処理を行う必要なく防曇剤
を塗布できる。防曇剤としては、主にスチレン樹脂やポ
リオレフィン樹脂のシート及びフィルム用に使用されて
いる防曇剤であるポリグリセリン、脂肪酸エステルやシ
ョ糖脂肪酸エステル、多糖類、親水性高分子、無変性ポ
リビニルアルコール、またそれらの混合物など)が挙げ
られるる(例えば、特開昭54−99180、特公昭5
9−19584、特公昭63−62538、特開平9−
12751、特開平5−287097)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル系樹脂シ
ートに防曇剤を塗布し、熱成形後に防曇性容器として使
用する例としては、先に述べた寿司やケーキ、野菜サラ
ダ、総菜等の低温で保存する食品用容器として使用され
る場合が多い。これら食品は防曇性の容器に入れられ、
スーパー等の店頭で販売されるのが一般的であるが(冷
蔵用商品陳列棚で陳列されている)、その日のうちに販
売されれば12時間程度の防曇性で十分であるが、場合
によっては、それ以上の時間店頭に陳列されることもあ
り、約48時間ほどの長時間防曇性が望まれる。
【0006】しかしながら、ポリエステル樹脂シート
は、その表面に付着した水滴が凝集して落下する場合に
(このとき水滴にはシート表面に塗布された防曇剤がと
け込んでいる)、水滴が落下しやすく、水滴とともに防
曇剤も落下し、シート表面の防曇性を消失させてしまう
問題点がある。即ち、従来の方法では、水滴が生成し落
下するまでは非常に良い防曇性を示すが、生成した水滴
が落下しはじめた後は防曇性が消失してしまっているの
が現状である。そして、現状では、店頭陳列後約3時間
ぐらいは防曇性が保持されているが、それ以後、水滴落
下開始とともに防曇性が消失してしまっている場合が多
い。
【0007】そこで、本発明の課題は、その表面に生成
した水滴の落下開始後も防曇性を保持できるポリエステ
ル樹脂シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に鑑み、防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法につ
いて鋭意検討した結果、防曇剤を塗布する際のポリエス
テル樹脂シートの表面状態が、防曇剤を塗布後の防曇性
保持に対して大きな影響があることを見いだし、本発明
に到達した。即ち、本発明は、表面の水滴接触角が45
〜55度であるポリエステル樹脂シートに防曇剤を塗布
してなることを特徴とする防曇性ポリエステル樹脂シー
トに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステル系樹脂は、カルボン酸成分
としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレング
リコールよりなるポリエチレンテレフタレートに代表さ
れるが、他のカルボン酸成分として、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキ
シエトキシ安息香酸等)等と、また、他のグリコール成
分としてジエチレングリコール、1,4−及び1,3−
シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS等と成分を置き換え
た共重合樹脂等も含まれる。
【0010】かかるポリエステル樹脂は、Tダイ法又は
インフレーション法等の従来公知の成形方法によりシー
ト化することができる。得られたポリエステル樹脂シー
トは、シートを熱成形によって、更に成形して容器等の
成型品用途に使用することができる。また、このシート
は通常未延伸のものが好ましいが、延伸してもよい。以
上の方法で得られるポリエステル樹脂シートは、そのシ
ート表面の水滴接触角が通常60〜70度であるが、本
発明においては、そのシートに防曇剤を塗布し、かつ、
その防曇性を長期に保持するために、防曇剤を塗布する
前のポリエステル樹脂シートの表面を処理することによ
り、水滴接触角を45〜55度、好ましくは46〜53
度の範囲に調整する必要がある。水滴接触角が55度よ
りも大きい場合は、防曇剤塗布直後の数時間以内での初
期防曇性は良好であるが、目的としている長時間にわた
る防曇性が保持できない。また、水滴接触角が45度よ
りも小さい場合は、シート同士がブロッキングしやすく
なり、シートがロール状に巻かれた場合、シートの巻き
戻しが行いにくくなり、シートそのものとしての使用に
支障を来す。シート表面の水滴接触角を上記の範囲とす
るための処理方法は特に限定されないが、コロナ放電処
理、高周波処理等のシート表面を適度に粗らすような処
理が有効であり、好ましくはコロナ放電処理である。
【0011】ポリエステルシートの表面状態について
は、原子間力顕微鏡(以下「AFM」という。)により
解析することが可能である。AFMとしては、Digi
talInstruments社、セイコーインスツル
メンツ社、Topometrix社等から市販されてい
る装置をそのまま使用することができる。この場合、共
振モードに相当する測定モードが採用される。例えば、
Digital Instruments社製の装置N
anoScopeを使用した場合にはタッピングモード
で、またセイコーインスツルメンツ社製SPI3700
を使用した場合にはダイナミックフォースモードで測定
を実施するとよい。
【0012】例えば、セイコーインスツルメンツ社製S
PI3700を使用し、1x1μm角のシート表面を測
定し、該AFM装置に付属のソフトウエアで傾斜自動補
正処理を行って得たトポグラフィ像について、同様に付
属のソフトウエアのグレイン解析で、大津の自動しきい
値選定法(参考文献:大津展之、電子通信学会論文誌、
J63−D(4)、p.349(1980))に基づく
しきい値で、像の2値化を行い、解析することができ
る。なお、トポグラフィ像とは、物の表面の凹凸形状を
表した像のことであり、グレイン解析とは、像の高さ
(凹凸)方向の値をあるしきい値で2値化して、像を海
部と島部(海:低部、島:高部)に分け、島部の個数や
大きさや面積などを解析することである。
【0013】以上のAFM測定によれば、ポリエステル
樹脂を成形して得たシートの表面は、そのシートの製造
条件によって変動しうるが、一般的には、その表面に数
10〜数100nm径、数〜10nm深さの不定形状の
筋や窪みを有している。その典型例として、図1にポリ
エステル樹脂シートのAFMトポグラフィの三次元像を
示す。ところが、かかるポリエステル樹脂シートにコロ
ナ処理等の表面処理を行って行くと、表面が荒れ、同時
に窪み等の部分が減少していき、数10〜100nm
径、0.5〜10nm高さ程度の凸形状が表面に一様に
生じてくる。そして、本発明にかかる防曇剤を塗布する
前のポリエステル樹脂シートについて、その窪みの箇所
を除いて凸形状の存在する箇所のみを選択してグレイン
解析すると、その表面に1x1μm角当たり通常300
個以上の凸形状を有していることが確認される。その典
型例として図2に、図1のシートに適度なコロナ処理を
施したもののAFMトポグラフィの三次元像を示す。な
お、表面処理が行い過ぎると、各々の凸形状は大きくな
っていくが総個数としては減少していく傾向となる。
【0014】また、上記のAFM測定において、シート
の凸部と窪み部分の両方を考慮した総面積についてグレ
イン解析を行う場合は、本発明にかかる防曇剤を塗布す
る前のポリエステル樹脂シートでは、島であるグレイン
数が、表面1x1μm角当たり、通常10個以上有して
いる。前述のように、トポグラフィ像とはシート表面の
像の高さ(凹凸)方向の値をしきい値で2値化して海部
と島部に分けたものであるから、コロナ処理等の表面処
理をしていない一般的なポリエステル樹脂シートでは、
凸部分が少なく、かつ、いくらかの窪み部分が存在する
ので、図3のようにトポグラフィ像のグレイン解析図が
得られ、グレイン数を数えることが実質的に困難であ
る。この図3の写真の色の薄い部分が島部分(グレイ
ン)に相当する。一方、コロナ処理等の表面処理を行う
と、海部と島部の区別が顕著になってくるので、グレイ
ン数が数えられ、かつ、グレイン数が増加し、図4のよ
うなグレイン解析図が得られる。
【0015】以上のようなAFM測定の解析結果から、
本発明の防曇性ポリエステル樹脂シートは、防曇剤塗布
前のシート表面の凸形状やその他の微小形状が、塗布さ
れた防曇剤を保持するのに重要な役割を果たし、防曇性
能の長時間化に寄与しているものと推定される。本発明
に係るポリエステル樹脂シートは、以上のような特定表
面状態にあるシート表面に防曇処理を施したものであ
る。この防曇処理に使用する防曇剤は、ポリグリセリン
脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル、多糖類、親水
性高分子、無変性ポリビニルアルコールなどが適してい
るが、その他公知の多くの防曇剤のいずれでもよく、ま
た、これらの混合物でもよい。かかる防曇剤は、シート
表面に、固形分として通常0.01〜0.15g/m2
の割合で塗布することにより防曇性の良好なシートが得
られる。塗布方法としては、はけぬり、噴霧、ロールコ
ーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、ロ
ーターダンプニング法、浸漬法等の公知の方法が使用で
きる。なお、シートのブロッキング防止のためにシリコ
ーンエマルジョンを混合してもよく、更には、防曇処理
された面の反対面に、ブロッキング防止のためにシリコ
ーンエマルジョンを塗布してもよい。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。なお、以下の実施例におけ
る防曇剤塗布前のシート表面の水滴接触角、防曇剤塗布
前のシート表面の形状解析、シートのブロッキング性、
シートの防曇性、熱成形方法により得られた成型品の初
期防曇性および長時間防曇性、及び熱成形方法により得
られた成型品の防曇剤の耐剥離性の測定及び評価は、以
下に示す方法により行った。 (1)防曇剤塗布前のシート表面の水滴接触角 水滴接触角計として、協和界面科学株式会社製接触角計
CA−X型を使用し、滴下する液にはイオン交換水を使
用した。ポリエステル樹脂シートの表面に滴下する水滴
の量は約1.8μlで、滴下後5秒以内に1回の測定を
完了するように実施した。 (2)防曇剤塗布前のシート表面の形状解析 原子間力顕微鏡(AFM)として、セイコーインスツル
メンツ製走査型プローブ顕微鏡SPI3700を使用
し、ダイナミックフォースモードで、実施例及び比較例
で得られたポリエステル系樹脂シートの表面を、測定面
積1x1μm角、走査速度1Hz、x−y方向512x
256分割、カンチレバーSI−DF−20(Si、f
=126kHz、C=16N/m)の条件で測定したA
FMトポグラフィ像について、傾斜自動補正処理を行っ
た後、大津の自動しきい値選定法に基づくしきい値で像
を2値化して、グレイン解析した。
【0017】1x1μm当たりの凸形状の個数は、窪み
の箇所を除いて凸形状の存在する箇所のみを選択してグ
レイン解析を行って求めた。また、凸形状と窪みの双方
を有したシート表面のグレイン数は、シート面全体をグ
レイン解析して求めた。なお、上記装置では、グレイン
数が10個未満の場合は解析条件を満たさないため数値
を得ることができない。 (3)シートのブロッキング性 以下の実施例及び比較例に示すような表面処理されたシ
ート、あるいは未処理シートに防曇剤が塗布されたシー
トを、2枚重ね、50kgf/m2の圧力になるように荷重
をかけ24時間保持した。その後荷重を取り除き、シー
トを剥がす時の状態を評価した。
【0018】評価○は、ほとんど抵抗なくシートを剥が
すことができる。評価△は、抵抗はあるがシートを剥が
すことができる。評価×は、シートがブロッキングしシ
ートがスムーズに剥がすことができない。またはシート
が割れたりする。評価○と△は実用上問題なく使用でき
るレベルである。 (4)シートの防曇性 500cc容のビーカーに水300ccを入れ、ビーカーの
上面を実施例及び比較例により得られたシートの防曇剤
を塗布した面が下方になるようにして覆い、密封した。
このビーカーを室温5℃の室内に設置した恒温水槽の中
に浸漬し、ビーカー内の水温を50℃に保持した。1時
間後、水蒸気がシート表面に凝結する状況を肉眼で観察
した結果、以下のように評価した。
【0019】大きな透明に見える水滴は発生しているが
細かい水滴による白い曇りが全くない状態を5、わずか
に白い曇りが発生している状態を4、白い曇りが全体の
約20%に発生している状態を3、白い曇りが全体の約
50%に発生している状態を2、白い曇りが全体の約5
0%以上発生している状態を1とした。 (5)成型品の初期防曇性及び長時間防曇性 得られたシートを、熱板成形機を用いて、開口部が10
0mm×145mm、底部が70mm×120mm、高さが50
mmの大きさで開口部の回りに15mm幅のフランジ部を有
する容器蓋を防曇剤を塗布した面が内側になるように成
形した。成形した容器蓋を、開口部が100mm×145
mm、高さ25mmの皿状容器の中に、60℃の湯を300
cc入れ、防曇剤を塗布した面が内側になるように蓋を
し、室温5℃の室内に設置した。水蒸気がシート表面に
凝結する状況を、初期防曇性は1時間後、長時間防曇性
は48時間後、肉眼で観察した。評価はシートの防曇性
と同様に行った。 (6)熱成形方法により得られた成型品の防曇剤の耐剥
離性 得られたシートを、熱板成形機を用いて、開口部が10
0mm×145mm、底部が70mm×120mm、高さが50
mmの大きさで開口部の回りに15mm幅のフランジ部を有
する容器蓋を防曇剤を塗布した面が内側になるように成
形した。成形した容器蓋に50℃の湯を300cc入れ、
20秒間振盪する。その後開口部が100mm×145m
m、高さ25mmの60℃の湯を300cc入れた皿状容器
に、この容器蓋で防曇剤を塗布した面が内側になるよう
に蓋をし、室温5℃の室内に設置した。1分後、水蒸気
が容器蓋の天面部(成形された容器の底部)に凝結する
状況を肉眼で観察した。評価はシートの防曇性と同様に
行った。 実施例1 厚みが0.25mmのポリエステル樹脂シートをコロナ表
面処理機(春日電機株式会社製HFS−202型)の電
極間に電力をかけ通過させ、水滴接触角が50度である
シートを得た。(印加電力;1050W、電極幅;1.
05m、シート通過速度;20m/min、シート電極
間距離;2.5mm)このシートを前記の評価方法によ
りシート表面の形状解析を行った(表1)。このシート
にショ糖ラウリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)
「LWA−1570」、水56重量部、エチルアルコー
ル4重量部、及びショ糖ラウリン酸エステル40重量部
の溶液)3gを水97gで薄めた水溶液をバーコーター
で2g/m2となるように塗布し、ギアーオーブンで6
0℃で2分間乾燥し、シート表面のショ糖ラウリン酸エ
ステルの固形分0.024g/m2の防曇性ポリエステ
ル樹脂シートを作成した。
【0020】得られた上記シートについて、前記した評
価方法により、シートのブロッキング性、シートの防曇
性、熱成形方法により得られた成型品の初期防曇性及び
長時間防曇性、及び熱成形方法により得られた成型品の
防曇剤の耐剥離性についての評価結果を表1に示す。 実施例2〜5、比較例1〜3 実施例1と同様な方法で、表1に記載するような水滴接
触角を示すシートを作成した。得られたシートについ
て、実施例1と同様の評価試験を実施した。評価結果を
表1に示す。
【0021】表1より、本発明にかかるポリエステル樹
脂シートは、初期の防曇性、および長時間の防曇性も良
好で、かつシートのブロッキング性も優れたものである
ことがわかる。また、比較例1、2は水滴接触角が55
度より大きく、長時間防曇性が劣ること、比較例3は水
滴接触角が45度より小さく、長時間防曇性は満足する
が、シートのブロッキング性が劣ることがわかる。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂シートは、初
期及び長時間の防曇性が良好で透明性良好であり、ま
た、シートのブロッキング性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のコロナ処理前のポリエステル樹脂
シート表面のAFMトポグラフィ三次元像を示す。
【図2】 実施例1のコロナ処理後、防曇剤を塗布する
前のポリエステル樹脂シート表面のAFMトポグラフィ
三次元像を示す。
【図3】 実施例1のコロナ処理前のポリエステル樹脂
シート表面のグレイン解析図を示す。
【図4】 実施例1のコロナ処理後、防曇剤を塗布する
前のポリエステル樹脂シート表面のグレイン解析図を示
す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の水滴接触角が45〜55度である
    ポリエステル樹脂シートに防曇剤を塗布してなることを
    特徴とする防曇性ポリエステル樹脂シート。
  2. 【請求項2】 表面に1x1μm角当たり300個以上
    の凸形状を有するポリエステル樹脂シートに、防曇剤を
    塗布してなることを特徴とする請求項1の防曇性ポリエ
    ステル樹脂シート。
  3. 【請求項3】 原子間力顕微鏡のトポグラフィ像による
    グレイン数が、表面1x1μm角当たり10個以上であ
    るポリエステル樹脂シートに、防曇剤を塗布してなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2の防曇性ポリエステル樹
    脂シート。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂を成形してシートを
    得、該シートをコロナ処理することにより、表面の水滴
    接触角が45〜55度とし、次いで、防曇剤を塗布して
    なる防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂を成形してシートを
    得、該シートをコロナ処理することにより、表面1x1
    μm角当たり300個以上の凸形状を有するポリエステ
    ル樹脂シートとし、次いで、防曇剤を塗布してなる請求
    項4の防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステル樹脂を成形してシートを
    得、該シートをコロナ処理することにより、原子間力顕
    微鏡のトポグラフィ像によるグレイン数が、表面1x1
    μm角当たり10個以上であるポリエステル樹脂シート
    とし、次いで、防曇剤を塗布してなる請求項4又は5の
    防曇性ポリエステル樹脂シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 表面の水滴接触角が45〜55度である
    ことを特徴とするポリエステル樹脂シート。
  8. 【請求項8】 表面に1x1μm角当たり300個以上
    の凸形状を有することを特徴とする請求項7のポリエス
    テル樹脂シート。
  9. 【請求項9】 原子間力顕微鏡のトポグラフィ像による
    グレイン数が、表面1x1μm角当たり10個以上であ
    ることを特徴とする請求項7又は8のポリエステル樹脂
    シート。
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