JP4625319B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、サイドウォール部を薄肉として軽量化や生産性の向上を図るとともに、操縦安定性や高速耐久性を確保しうる空気入りタイヤ空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
近年の強い省資源化、低燃費化の要望に伴い、チューブレスタイヤにおいてもさらなる軽量化が望まれている。
そこで本発明者は、図12に略示する如く、生タイヤ成形の際、予め未加硫の生カーカスプライaの外面に、薄いシート状の生サイドウォールゴムbを貼り付けて一体化した複合カーカスプライcを準備し、この複合カーカスプライcを成形ドラムD上で巻回して円筒状の複合カーカスプライ巻回体eを形成することを特願2004−83206号において提案している。なお複合カーカスプライ巻回体eには、その後、その両端部分e1にビードエーペックスゴム付きビードコアfがセットされ、その周りで前記両端部分e1が折り返されるとともに、ビードコアf、f間では複合カーカスプライ巻回体eがトロイド状に膨出(シェーピング)され、トレッドリングgと接合されることにより生タイヤが形成される。
このような製造方法では、従来の如き、ゴム押出機を用いた複雑な断面形状での生サイドウォールゴムの押出工程、並びに成形ドラム上での生サイドウォールゴムの個別の巻回貼り付け工程を不要として製造工程を簡略化でき、生産効率を高めうる。又予め生カーカスプライaと生サイドウォールゴムbとを一体化して取扱う前記製造方法のためには、生サイドウォールゴムを例えば厚さ3mm以下の薄いシート状とすることが必要であるが、これによりタイヤ重量の大巾な低減も達成できる。
しかしこのようなタイヤでは、サイドウォール部が薄肉となるため、タイヤ剛性が不十分であり、操縦安定性及び高速耐久性を低下させるとともに、縁石等との擦れや外傷に対する強度(耐外傷性)低下を招くという問題がある。
そこで本発明は、カーカスプライとサイドウォールゴムとの間に、硬質のゴムからなるゴム補強層とキャンバス布からなる繊維補強層とを所定領域に設けることを基本として、サイドウォール部を薄肉とし軽量化や生産性の向上を図りながらも、操縦安定性や高速耐久性、及び耐外傷性を充分に確保しうる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを目的としている。
特開2000−177308号公報 特開2003−191720号公報
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内方から外方に折り返されるプライ折返し部を一連に設けた1枚のカーカスプライからなるカーカス、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層、前記プライ本体部とプライ折返し部との間を通って前記ビードコアから半径方向外方にのびるビードエーペックスゴム、及び前記サイドウォール部の外面をなすサイドウォールゴムを具える空気入りタイヤであって、
前記プライ折返し部は、前記ビードエーペックスゴムの外端よりも半径方向内方で途切れ、しかも前記プライ本体部とサイドウォールゴムとの間に、ゴム硬度が70〜110°の硬質のゴムからなりかつプライ本体部に隣接するゴム補強層と、ゴム引きのキャンバス布からなりかつ前記サイドウォールゴムに隣接する繊維補強層とを設けるとともに、
前記ゴム補強層は、半径方向内端部に前記ビードエーペックスゴムとはそのタイヤ軸方向内側で重なる重複部を有し、かつ半径方向外端が、タイヤ最大幅位置から前記ベルト層のタイヤ軸方向外端部までの領域で途切れ、
かつ前記繊維補強層は、半径方向外端部に前記ベルト層とはその半径方向内側で重なる重複部を有し、かつ半径方向内端部が、ビードベースラインからの半径方向高さがタイヤ断面高さHの50〜70%の領域で途切れるとともに、 ビードベースラインからの半径方向高さがタイヤ断面高さHの25〜75%の高さ領域において、前記サイドウォール部の総厚さTは3.0〜5.0mmの範囲かつその最大の厚さTmax と最少の厚さTmin との差(Tmax −Tmin )を2.0mm以下としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ゴム補強層は厚さが0.5〜1.5mm、かつ前記サイドウォールゴムは厚さが0.5〜1.5mmであることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記繊維補強層の半径方向外端は、前記ゴム補強層の半径方向外端からカーカスプライに沿って10mm以上の距離L1を隔たることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記カーカスプライは、カーカスコードの配列体と、該配列体の両面を被覆するトッピングゴムとからなり、かつプライ本体部がタイヤ内腔面をなすとともに、タイヤ内腔面側の内のトッピングゴム部をブチル系ゴムにより形成したことを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記ゴム補強層は、前記重複部のカーカスプライに沿う重複巾W1を5〜10mmとしたことを特徴としている。
又請求項6の発明では、前記繊維補強層は、前記重複部のカーカスプライに沿う重複巾W2を10〜30mmとしたことを特徴としている。
又請求項7の発明では、前記サイドウォールゴムの半径方向内端部は、前記ビードエーペックスゴムの半径方向外端部と接して、或いは該半径方向外端部よりも半径方向外方に離間して途切れることを特徴としている。
又請求項8の発明では、前記サイドウォールゴムの半径方向内端部は、前記ビードエーペックスゴムとはそのタイヤ軸方向内側で重なって途切れることを特徴としている。
又請求項9の発明では、前記ビード部は、ビード部の少なくとも底面と外側面とをなすチェーファゴムを具えるとともに、該チェーファゴムは、前記プライ折返し部と、ビードエーペックスゴムと、サイドウォールゴムのビード部側とに順に接してこれらを被覆することを特徴としている。
又請求項10の発明は、請求項1〜9の何れかの空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、
前記カーカスプライの加硫前の生カーカスプライの外面に、実質的に一定の厚さをなすシート状の生ゴム補強層、生繊維補強層、及び生サイドウォールゴムを貼り付けて複合カーカスプライを形成する複合カーカスプライ形成工程と、
この複合カーカスプライを成形ドラムの外周面に巻回して円筒状の複合カーカスプライ巻回体を形成する巻回工程とを含む生タイヤ成形工程を具えることを特徴としている。
又請求項11の発明では、前記複合カーカスプライ形成工程は、前記生カーカスプライの内面に、実質的に一定の厚さをなすシート状の生チェーファゴムを、その外端を前記生カーカスプライの端縁からはみ出す張り出し部を有して貼着する処理を含むことを特徴としている。
なお前記タイヤ断面高さH等のタイヤの各部の寸法等は、特に断りがない限り、非リム組状態において、タイヤサイズで規定されるリム巾に合わせてビード部を保持したときに特定される値とする。又ゴム硬度は、JIS−K6253に基づいて測定したデュロメータA硬さを意味する。
本発明は叙上の如く構成しているため、サイドウォール部を薄肉とし軽量化や生産性の向上を図りながら、操縦安定性や高速耐久性、及び耐外傷性を充分に確保することができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤが乗用車用のチューブレスタイヤである場合を示す子午断面図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7、及び前記ビードコア5から半径方向外方にのびるビードエーペックスゴム8を具える。又空気入りタイヤ1には、前記ベルト層7の外側に配されかつトレッド部2の外面をなすトレッドゴムTg、前記カーカス6の外側に配されかつサイドウォール部3の外面をなすサイドウォールゴムSg、及び前記ビード部4に配されかつその底面とタイヤ軸方向外側面とをなすチェーファゴムCgが設けられる。
前記ベルト層7は、スチールコード等の高強力のベルトコードがタイヤ周方向に対して例えば10〜45°の角度で配列するコード配列体を用いた少なくとも2枚、本例で2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。このベルト層7は、前記ベルトコードがプライ相互で互いに交差することによりベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して補強する。
又前記カーカス6は、カーカスコードがタイヤ周方向に対して例えば75〜90度の角度で配列するコード配列体を用いた1枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスコードとして、本例では、ポリエステルコードを採用するが、これ以外にもナイロン、レーヨン、アラミド、ビニロンなどの有機繊維コードや必要によりスチールコードをも採用しうる。
前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両側に、該ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内方から外方に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。本例では、このプライ本体部6aの内面が、タイヤ内腔面をなす所謂インナーライナーレスタイヤとして構成される。
詳しくは、前記カーカスプライ6Aは、図2に図1のA−A線断面図を示すように、カーカスコード10の配列体の両面をトッピングゴム12によって被覆した周知構造をなすが、このとき本例では、タイヤ内腔面側の内のトッピングゴム部12iをブチル系ゴムにより形成している。ブチル系ゴムは、空気非透過性に優れるため、前記内のトッピングゴム部12iが従来のインナーライナの機能を兼ねる。従って、カーカスプライ6Aとは別個にインナーライナを設ける必要が無くなり、タイヤ重量を軽減できる。なおブチル系ゴムは、接着力が低い傾向にあるため、隣接する他のタイヤ部材との接合強度を確保するため、外のトッピングゴム部12oには、非ブチル系ゴムを使用する。
本明細書において、「ブチル系ゴム」とは、ゴムポリマー100重量部中に、ブチルゴム及び/又はその誘導体を10重量部以上含有するゴムであり、「非ブチル系ゴム」とは、これ以外のゴムとして定義される。ブチルゴム(IIR)の誘導体としては、ブチルゴムに塩素、臭素等を反応させた塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムなどを含むハロゲン化ブチルゴムがある。前記ブチル系ゴムにおいて、ブチルゴム又はその誘導体の含有量が前述の如く10重量部以上でないと、十分な内圧保持性能を発揮させることが難しく、このような観点より、特に好ましくはブチルゴム及び/又はその誘導体の含有量を30重量部以上とするのが望ましい。又ブチル系ゴムでは、ゴムポリマーの残部として、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムの1種又は2種以上を含むことができる。このゴムポリマーには、一般的なトッピングゴムと同様、必要に応じた各種の充填材(例えばカーボンブラック等の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤)が添加される。なお非ブチル系のゴムは、特に限定はされないが、ゴムポリマーとして前記ジエン系ゴムを95重量部以上、より好ましくは100重量部含有するものが望ましい。
又カーカス6の前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、図1の如く前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状にのびる硬質ゴムからなるビードエーペックスゴム8が設けられ、ビード部4を補強しかつ必要なビード剛性等を確保している。
ここで、前記ビードエーペックスゴム8は、ビードベースラインBLからの半径方向の高さh1が、タイヤ断面高さHの5%〜35%と低く設定される。これは、本発明の製造方法で製造されたタイヤ1では、前記チェーファゴムCgの半径方向高さh2を、前記高さh1よりも大とすることが必要だからである。従って、もし前記高さh1がタイヤ断面高さHの35%をこえると、タイヤ変形時の表面歪みが大きい最大幅位置Mに、前記チェーファゴムCgが近づくため、該チェーファゴムCgの外端にクラック等が発生し易い傾向となる。そのため、前記高さh1はタイヤ断面高さHの30%以下、さらには25%以下がより好ましい。しかしタイヤ断面高さHの5%を下回ると、ビード剛性が過小となって必要な操縦安定性が確保できなくなる。
なおビードエーペックスゴム8のゴム硬度Hsbは、従来的なタイヤと同様、70〜110°の範囲が採用される。又前記プライ折返し部6bのビードベースラインBLからの高さh3は、前記高さh1よりも小であり、好ましくは、リムフランジ上端(図示しない)よりも半径方向内方で終端させる。これにより、プライ折返し部6bの外端での損傷をより効果的に抑制しうる。
次に前記タイヤ1では、サイドウォール部3を薄肉化しタイヤの軽量化を図るため、ビードベースラインBLからの半径方向高さがタイヤ断面高さHの25〜75%の高さ領域Ys(図1に示す)において、前記サイドウォール部3の総厚さTを3.0〜5.0mmの範囲と、従来的なタイヤの場合(通常6.0mm程度)に比して薄く設定している。このとき、前記高さ領域Ysにおける最大の厚さTmax と最少の厚さTmin との差(Tmax −Tmin )を2.0mm以下として、厚さの均一化を図る。なお前記総厚さTとは、前記最大の厚さTmax と最少の厚さTmin との平均値(Tmax +Tmin )/2を意味する。
しかしサイドウォール部3を上述のように薄肉化したタイヤでは、サイドウォール部3の剛性が充分ではなく、操縦安定性、及び高速耐久性を損ねる傾向にある。特にカーカス6のトッピングゴムにブチル系ゴムを採用したインナーライナーレスタイヤの場合には、該ブチル系ゴムが弾性特性に劣るため、この傾向が強くなる。そこで本実施形態では、カーカス6の前記プライ本体部6aとサイドウォールゴムSgとの間に、プライ本体部6aに隣接するゴム補強層13と、サイドウォールゴムSgに隣接する繊維補強層14とを設けている。
なお前記サイドウォールゴムSgには、従来と同様、ゴム硬度Hssが50〜70°さらには50〜65°の範囲の軟質のゴムが使用され、サイドウォール表面に柔軟性を付与し、表面歪を緩和吸収してクラック等の発生を防止する。このサイドウォールゴムSgの厚さts(図3に示す)は、0.5mm〜1.5mmの範囲が好ましく、0.5mm以下ではクラック等の防止効果が不十分となる。又厚さtsが1.5mmを越えると、前記総厚さTが増加して軽量化を阻害する、或いはゴム補強層13の厚さ減少を強いられるなど操縦安定性の確保を難しくする。
又前記ゴム補強層13は、ゴム硬度Hs1が70〜110°かつ前記ゴム硬度Hssよりも大な硬質のゴムからなる薄いシート状体であり、図3に示すように、その半径方向内端部に、前記ビードエーペックスゴム8とはそのタイヤ軸方向内側で重なる重複部20を具える。又ゴム補強層13の半径方向外端部は、タイヤ最大幅位置Mから前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部7Eまでの領域Y1(図1に示す)で終端している。
このようなゴム補強層13は、特にビードエーペックスゴム8との重複部20を有するため、ビード部4から前記領域Y1に至る広い範囲をバランス良く補強でき、サイドウォール部3の薄肉化を維持しながら、その曲げ剛性を充分にしかも均一に高めることができる。特に曲げ剛性を均一に高めることにより、ビードエーペックスゴム8及びプライ折返し部6bの前記高さh1、h3を低く設定すること、及び前記高さ領域Ysにおける総厚さTの最大、最少の差を低く抑えることと相俟って、カーカスコード10の各部に充分かつ均等な張力を付与させることが可能となる。その結果、カーカスコードが有する本来の性能を最大限に発揮させうるなど、カーカス6全体の荷重支持能力を高めることができ、しかも局部的な変形が抑えられリニヤリティが高まるため、薄いゴム補強層13による少ない剛性アップによっても、操縦安定性を充分に確保することができる。
ここでゴム補強層13では、その厚さt1を0.5〜1.5mmの範囲とするのが好ましく、又前記重複部20のカーカスプライ6Aに沿う重複巾W1を5〜10mmの範囲とするのが好ましい。
前記ゴム硬度Hssが70°より小、及び厚さt1が0.5mmより小では充分な曲げ剛性が確保できず、逆にゴム硬度Hssが110°より大、及び厚さt1が1.5mmより大では、曲げ剛性が過大となって乗り心地性を損ねる。しかも厚さt1が1.5mmより大では、総厚さTの増加を招き軽量化を阻害する、或いはサイドウォールゴムSgの厚さ減少を強いられるなど、クラック等の防止効果を損ねる。又重複巾W1が5mmより小では、ビードエーペックスゴム8の外端近傍で剛性が局部的に減じるなど剛性が不均一化し、高速走行だけでなく通常走行においても操縦安定性を低下させる。又10mmを越えると、軽量化に不利となる。このような観点から、前記ゴム硬度Hssの下限値は、80°以上さらには85°以上が好ましく、又上限値は、100°以下が好ましい。又ゴム補強層13は、本例の如くビードエーペックスゴム8と接しているのが補強効果の点で好ましい。又前記厚さt1を、サイドウォールゴムSgの厚さtsとの比t1/tsで0.7〜1.3の範囲とするのも好ましい。
次に、前記繊維補強層14は、ゴム引きの薄いキャンバス布から形成され、図4に示すように、その半径方向外端部に前記ベルト層7とはその半径方向内側で重なる重複部21を具える。又繊維補強層14の半径方向内端部は、ビードベースラインBLからの半径方向高さがタイヤ断面高さHの50〜70%の領域Y2(図1に示す)で終端している。なおキャンバス布は、例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維糸を縦糸、横糸として製織した薄い網状体であり、例えば太さが300〜800dtex(例えば490dtex)の縦糸,横糸を、それぞれ20〜50本/5cm(例えば38本/5cm)のピッチ間隔で織り込んだ厚さ0.5〜1.0mm程度、好ましくは0.7〜0.9mmのものが好適に使用できる。
このような繊維補強層14は、縦糸、横糸が織り込みによって互いに拘束し合うため補強効果が高く、曲げ剛性に与える影響を抑えながら最も変形しやすいバットレス部分での変形を効果的に抑制できる。特に優れたタガ効果を有するため、トレッドショルダ部分からバットレス部分に至る領域でのリフティングを抑える効果が高く、前記ゴム補強層13との相乗作用によって操縦安定性や高速耐久性を高めることができる。なお繊維補強層14は、耐カット性にも優れるため、カーカス6に至る深い外傷の発生を効果的に防止でき、サイドウォールゴムSgが薄肉化したことによる耐外傷性低下の欠点を補う。
又繊維補強層14では、前記重複部21のカーカスプライ6Aに沿う重複巾W2を10〜30mmとするのが好ましく、10mmより小では、ベルト層7へのリフティング抑制効果が不十分となり、逆に30mmより大では、過剰品質となりコスト及び軽量化に不利となる。又繊維補強層14の半径方向外端は、前記ゴム補強層13の半径方向外端から、カーカスプライ6Aに沿って10mm以上の距離L1を隔たることが好ましく、前記距離L1が10mmより小となると、端部での応力集中によって耐久性が悪化する。又繊維補強層14では、その半径方向内端部が前記領域Y2を越えて半径方向内方で終端した場合にも、過剰品質となり、コスト及び軽量化に不利を招き、逆に前記領域Y2の半径方向外方で終端した場合には、リフティング抑制効果や耐外傷性を充分に発揮することができなくなる。なお操縦安定性のためには、前記ゴム補強層13は、前記領域Y2を越えて半径方向外方に延在するのが好ましく、このときゴム補強層13は繊維補強層14とは互いに重なる重なり部を形成する。
なお繊維補強層14では、縦糸、横糸の双方がタイヤ周方向と交差する向きに配されていれば、その傾斜角度は特に規制されない。この繊維補強層14は、未加硫状態においては、縦糸、横糸がパンタグラフ状に変形して自在に伸縮しうるため、皺などの発生もなくタイヤ成形性を阻害することはない。特に、インナーライナレス構造をなすこと、カーカス6が1枚のプライからなること、サイドウォール部3が薄肉であることなどにより、繊維補強層14に充分な張力が付加される。そのため、タイヤ成型時には繊維補強層14の伸縮がより容易となりタイヤ成形性やタイヤ品質に好ましいものとなる。又加硫後のタイヤにおいては、繊維補強層14に均一な張力が作用するため、より高いタガ効果を発揮でき、例えば操縦安定性及び高速耐久性を高く確保しながら、従来的なバンド層を排除しうる等、軽量化や生産性の向上に一層貢献することが可能となる。
又前記サイドウォールゴムSgでは、図4の如くその半径方向外端部を、前記繊維補強層14の外端部を越えてタイヤ軸方向内方に延出せしめ、カーカスプライ6Aに沿った延出長さL2を10mm以上確保するのが好ましい。これによりベルト層7の外端及び繊維補強層14の外端にそれぞれ作用する剪断力を、軟質のサイドウォールゴムSgによって緩和でき、端部剥離を抑制しうる。なお前記延出長さL2の上限値は、コスト及び軽量化の観点から25mm以下が好ましい。
又サイドウォールゴムSgの半径方向内端部は、本例では前記図3の如く、前記ビードエーペックスゴム8の半径方向外端部に接して終端している。これは、本発明の製造方法によると、サイドウォールゴムSgの半径方向内端部を、ビードエーペックスゴム8とはそのタイヤ軸方向外側で重複させることが困難であるからである。従って本例では、ビードエーペックスゴム8の外端部に接して終端させることにより、該ビードエーペックスゴム8の外端部での剛性低下を最小限に抑えている。しかし図5(A)に略示する如く、サイドウォールゴムSgの半径方向内端部をビードエーペックスゴム8の半径方向外端部よりも半径方向外方に離間させて終端させることもでき、係る場合には、その離間距離L3を10mm以下に設定するのが好ましい。又図5(B)に略示する如く、サイドウォールゴムSgの半径方向内端部を、ビードエーペックスゴム8とはそのタイヤ軸方向内側で重複させて終端させても良い。
次に、リムずれ防止用の前記チェーファゴムCgは、サイドウォールゴムSgよりも硬質の耐摩耗性及び耐カット性に優れるゴムからなる。そして、このチェーファゴムCgは、図3の如く前記プライ本体部6aの半径方向内端部分と、プライ折返し部6bと、ビードエーペックスゴム8と、サイドウォールゴムSgのビード部側とに順次接してこれらを被覆保護する。特にこのチェーファゴムCgでは、そのゴム硬度Hscを、前記ゴム補強層13のゴム硬度Hs1との差|Hs1−Hsc|が10°以下の略同硬度とし、ゴム補強層13と協働して前記ビードエーペックスゴム8の外端部での剛性低下を抑えるのが好ましい。
次に、このような空気入りタイヤ1の製造方法について説明する。この製造方法では、以下に示す複合カーカスプライ形成工程(図8)、巻回工程(図10)、ビードコアセット工程(図10)、膨出・折返し工程(図11)、及び接合工程(図11)を含む生タイヤ成形工程によって生タイヤ38(図11)を形成するとともに、この生タイヤ38を、従来と同様、加硫金型により加硫成形することによって、図1に示すタイヤ1を製造する。
先ず、前記カーカスプライ6A形成用の未加硫の生カーカスプライ30を、図6に示す如く形成する。この生カーカスプライ30は、カーカスコード10の配列体の内面側をインナーライナを兼ねる前記ブチル系ゴムからなる生トッピングゴム32iで、かつ外面側を非ブチル系ゴムの生トッピングゴム32oで被覆することにより形成される。従って、カーカスプライとは別のインナーライナゴムの準備工程や成形ドラムへの巻き付け工程などを不要として製造工程を簡略化しうる。
本例では、ブチル系の生トッピングゴム32iの厚さtiと、非ブチル系の生トッピングゴム32oの厚さtoとが実質的に同一で形成されているが場合を例示しているが、例えば図7に示すように、各厚さti、toを違えることができる。図7の例では、接着性に優れる生トッピングゴム32oだけがカーカスコード10の配列体に接触しているため、カーカスコード10のゴム剥離等の損傷を防止でき、カーカス6の耐久性を向上するのに役立つ。なお前記厚さti、toの和(ti+to)は、好ましくはカーカスコード10の外径dの2倍以上、より好ましくは2.5倍以上が望ましく、同上限については5倍以下、より好ましくは4倍以下が望ましい。前記厚さの和(ti+to)がカーカスコード10の外径dの5倍を超えると、軽量化に不利となり、逆に2倍未満であると、プライ強度が十分に得られない傾向がある。また生トッピングゴム32iの前記厚さtiは、空気非透過性を高めるために、0.5mm以上、さらには0.6mm以上であるのが好ましい。しかし前記厚さtiが大きすぎても重量増加を招くため、その上限は1.4mm以下、さらには1.2mm以下であるのが好ましい。
次に、図8に示すように、シート状の生カーカスプライ30の外面に、実質的に一定の厚さを有するシート状の未加硫の生ゴム補強層33、生繊維補強層34、及び生サイドウォールゴムNsgを貼り付けて複合カーカスプライ31を形成する(複合カーカスプライ形成工程)。
前記生ゴム補強層33、生繊維補強層34、及び生サイドウォールゴムNsgは、前述の如く厚さが、それぞれ0.5〜1.5mm、0.5〜1.0mm、0.5〜1.5mmのシート体であり、前記生カーカスプライ30の中心線CLを中心とした左右対称位置に貼り付けられる。このとき図9の示すように、ドラム軸方向外端側では、生ゴム補強層33は、前記重複部20を形成しうるように生サイドウォールゴムNsgよりもドラム軸方向外方に突出する。又ドラム軸方向内端側では、生繊維補強層34は、前記重複部21を形成しうるように生ゴム補強層33よりもドラム軸方向内方に前記L1の距離を突出するとともに、生サイドウォールゴムNsgは、この生繊維補強層34よりもドラム軸方向内方にさらに前記L2の距離を突出している。
又本例では、前記複合カーカスプライ形成工程として、生カーカスプライ30の内面に、チェーファゴムCg形成用の未加硫の生チェーファゴムNcgを貼着する処理を含む。この生チェーファゴムNcgも実質的に一定の厚さのシート体からなり、そのドラム軸方向外端を、前記生カーカスプライ30の端縁からドラム軸方向外方にはみ出す張出し部23を有して生カーカスプライ30に貼着される。
この複合カーカスプライ形成工程では、生カーカスプライ30、生ゴム補強層33、生繊維補強層34、生サイドウォールゴムNsg、及び生チェーファゴムNcgが、それぞれ一定厚さの薄いシート体であるため、予め周知の貼付け装置を用いて一体に貼着できるとともに、一体となった複合カーカスプライ31を、成形ドラムDの周りで一括して容易に巻き付けることが可能となる。従って、従来のように、円筒状に巻回された生カーカスプライに、生サイドウォールゴム、生チェーファゴムを手作業により順次貼付ける必要が無く、生産性を向上できる。さらに生サイドウォールゴムNsg及び生チェーファゴムNcgが、従来の如き複雑な断面形状を有する押出成形ではなく、カレンダ成形などによる一定厚さのシート体からなるため、その成形工程自体についても大幅に簡素化でき、生産性のさらなる向上が図れる。なお従来の如く、生サイドウォールゴムが厚くかつ複雑な断面形状を有する場合には、予めこの生サイドウォールゴムを生カーカスプライの貼着して一体化した場合にも、これを円筒状に精度良くかつ容易に巻回することは難しい。
次に、図10に示すように、前記複合カーカスプライ31を、成形ドラムDの外周面に巻回(一周巻き)して円筒状の複合カーカスプライ巻回体42を形成する(巻回工程)。本例では、前記成形ドラムDが、所謂シングルステージ方式のドラムであって、この一つのドラムD上で前記巻回工程、ビードコアセット工程、膨出・折返し工程、及び接合工程が行われる場合を例示するが、所謂2ステージ方式を採用することもできる。
次に、前記複合カーカスプライ巻回体42には、そのドラム軸方向両外端側から、予めビードコア5に生ビードエーペックスゴムNbgを接合してなる生ビードコア接合体35を挿入し、この生ビードコア接合体35を、前記生カーカスプライ30と生チェーフアゴムNcgとの重なり領域24の位置にセットする(ビードコアセット工程)。
しかる後、図11の如く、前記複合カーカスプライ巻回体42が前記生ビードコア接合体35よりもドラム軸方向外方にはみ出す延出部25を、前記生チェーファゴムの張出し部23を含んで前記生ビードコア接合体35の廻りで折り返す折返し部26を形成するとともに、ビードコア5、5間をトロイド状に膨出して生タイヤ主部36を形成する(膨出・折返し工程)。
このとき、前記複合カーカスプライ巻回体42の半径方向外側には、生ベルト層と生トレッドゴムNtgとを含むトレッド部材からなる生トレッドリング37が予め待機し、前記トロイド状への膨出に伴い、前記生タイヤ主部36と生トレッドリング37とが圧接により接合し生タイヤ38が形成される(接合工程)。そして、この生タイヤ38を慣例に従い加硫金型で加硫成形することにより、タイヤ1を製造することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、乗用車用のみならず、自動二輪車用やトラック用などの各種のカテゴリーのタイヤに採用しうるなど、図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。また、ブチル系の内のトッピングゴム部12iは、カーカスコード10の配列体の内面側の全域に配される必要はなく、タイヤ内腔面を形成する範囲にとどめ、他の部分に非ブチル系ゴムを用いることもできる。
図1の基本構造を有する乗用車用ラジアルタイヤ(サイズ:195/65R15)を本発明の方法に従いかつ表1の仕様で試作(実施例タイヤ)するとともに、試供タイヤの製造コスト、タイヤ重量、操縦安定性、高速耐久性、一般耐久性について評価した。実施例、比較例はカーカスの内トッピングゴム部をブチル系ゴムで形成している。また従来例は、ブチル系ゴムのインナーライナをカーカスプライとは別のシートで構成し、しかもサイドウォールゴム、チェーファゴムをドラム上で順次巻き付けて生タイヤを成形している。
表1以外の共通仕様は次の通りである。
カーカスプライ数:1枚
カーカスコード:ポリエステル、1100dtex/2
打ち込み本数:61(本/5cm)
カーカスコード角度:90度(対タイヤ赤道)
ベルト層:スチールコードの2枚プライ
サイドウォールゴム:ゴム硬度Hss(60度)
ビードエーペックス:ゴム硬度Hsb(92度)
チェーファゴム:ゴム硬度Hsc(70度)
また、テスト方法は次の通りである。
(1)製造コスト:
タイヤ1本を製造するのに要した製造コストを従来例を100とする指数で表示している。数値が小さいほど製造コストが小さく良好である。
(2)タイヤ重量:
タイヤ1本当たりの重量を測定した。
(3)操縦安定性:
各試供タイヤをリム(6×15JJ)、内圧(200kPa)の条件下で排気量2000ccの国産FF乗用車の全輪に装着し、乾燥舗装道路のテストコースを実車走行し、直進性、旋回時の安定性、制動時の車両の挙動などを総合的にプロドライバーによる官能評価によって10点法で判定した。数値が大きいほど良好である。
(4)高速耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(6×15JJ)、内圧(260kPa)、負荷荷重(5.0KN)の条件に基づいて、初速度170km/hから10分毎に、速度を10km/hづつステップアップし、タイヤに損傷が生じた時の速度と時間(分)を測定した。
(5)一般耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(6×15JJ)、内圧(200kPa)、負荷荷重(7.0KN)の条件に基づいて、速度80km/hで走行させ、タイヤに損傷が生じた時の走行時間を測定した。
(6)内圧保持性:
供試タイヤをリム(6×15JJ)にリム組みし、内圧200kPaを充填して30日間放置し、内圧の低下率(%)を調べた。数値が小さいほど内圧保持性能が高く良好である。
Figure 0004625319
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図である。 そのA−A線断面図である。 ビード部を拡大して示す断面図である。 トレッド部を拡大して示す断面図である。 (A)、(B)はサイドウォールゴムの内端部の構造を示す断面図である。 生カーカスプライの一例を示す断面図である。 生カーカスプライの他の例を示す断面図である。 複合カーカスプライの一例を示す部分斜視図である。 複合カーカスプライの一部を拡大して示す断面図である。 巻回工程、ビードコアセット工程を説明する線図である。 膨出・折返し工程、接合工程を説明する線図である。 背景技術を説明する断面図である。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
7 ベルト層
8 ビードエーペックスゴム
12 トッピングゴム
12i 内のトッピングゴム部
13 ゴム補強層
14 繊維補強層
20、21 重複部
23 張出し部
31 複合カーカスプライ
42 複合カーカスプライ巻回体
Cg チェーファゴム
M タイヤ最大幅位置
Ncg 生チェーファゴム
Sg サイドウォールゴム
Ys、Y1、Y2 領域

Claims (11)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内方から外方に折り返されるプライ折返し部を一連に設けた1枚のカーカスプライからなるカーカス、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層、前記プライ本体部とプライ折返し部との間を通って前記ビードコアから半径方向外方にのびるビードエーペックスゴム、及び前記サイドウォール部の外面をなすサイドウォールゴムを具える空気入りタイヤであって、
    前記プライ折返し部は、前記ビードエーペックスゴムの外端よりも半径方向内方で途切れ、しかも前記プライ本体部とサイドウォールゴムとの間に、ゴム硬度が70〜110°の硬質のゴムからなりかつプライ本体部に隣接するゴム補強層と、ゴム引きのキャンバス布からなりかつ前記サイドウォールゴムに隣接する繊維補強層とを設けるとともに、
    前記ゴム補強層は、半径方向内端部に前記ビードエーペックスゴムとはそのタイヤ軸方向内側で重なる重複部を有し、かつ半径方向外端が、タイヤ最大幅位置から前記ベルト層のタイヤ軸方向外端部までの領域で途切れ、
    かつ前記繊維補強層は、半径方向外端部に前記ベルト層とはその半径方向内側で重なる重複部を有し、かつ半径方向内端部が、ビードベースラインからの半径方向高さがタイヤ断面高さHの50〜70%の領域で途切れるとともに、
    ビードベースラインからの半径方向高さがタイヤ断面高さHの25〜75%の高さ領域において、前記サイドウォール部の総厚さTは5.0〜3.0mmの範囲かつその最大の厚さTmax と最少の厚さTmin との差(Tmax −Tmin )を2.0mm以下としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム補強層は厚さが0.5〜1.5mm、かつ前記サイドウォールゴムは厚さが0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記繊維補強層の半径方向外端は、前記ゴム補強層の半径方向外端からカーカスプライに沿って10mm以上の距離L1を隔たることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスプライは、カーカスコードの配列体と、該配列体の両面を被覆するトッピングゴムとからなり、かつプライ本体部がタイヤ内腔面をなすとともに、タイヤ内腔面側の内のトッピングゴム部をブチル系ゴムにより形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム補強層は、前記重複部のカーカスプライに沿うの重複巾W1を5〜10mmとしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記繊維補強層は、前記重複部のカーカスプライに沿うの重複巾W2を10〜30mmとしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイドウォールゴムの半径方向内端部は、前記ビードエーペックスゴムの半径方向外端部と接して、或いは該半径方向外端部よりも半径方向外方に離間して途切れることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイドウォールゴムの半径方向内端部は、前記ビードエーペックスゴムとはそのタイヤ軸方向内側で重なって途切れることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ビード部は、ビード部の少なくとも底面と外側面とをなすチェーファゴムを具えるとともに、該チェーファゴムは、前記プライ折返し部と、ビードエーペックスゴムと、サイドウォールゴムのビード部側とに順に接してこれらを被覆することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 請求項1〜9の何れかの空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスプライの加硫前の生カーカスプライの外面に、実質的に一定の厚さをなすシート状の生ゴム補強層、生繊維補強層、及び生サイドウォールゴムを貼り付けて複合カーカスプライを形成する複合カーカスプライ形成工程と、
    この複合カーカスプライを成形ドラムの外周面に巻回して円筒状の複合カーカスプライ巻回体を形成する巻回工程とを含む生タイヤ成形工程を具えることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記複合カーカスプライ形成工程は、前記生カーカスプライの内面に、実質的に一定の厚さをなすシート状の生チェーファゴムを、その外端を前記生カーカスプライの端縁からはみ出す張り出し部を有して貼着する処理を含むことを特徴とする請求項10記載の空気入りタイヤの製造方法。
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