JP4523704B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速耐久性を向上した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
近年の自動車の高出力化、高性能化に伴い、ラジアル構造のカーカスの外側に強靱なベルト層を巻装した偏平なラジアルタイヤが多用されている。この種のタイヤでは、高速走行時、トレッド面の接地/非接地でのくり返し変形に起因してトレッド部の特にショルダ側でのゴム発熱が高く、ゴムの熱劣化等に起因してベルト層外端から剥離損傷が生じるなど高速耐久性を損ねるという問題がある。
【0003】
そのために、例えば図5に示すように、ショルダ側でのトレッドゴムのゲージ厚tsをタイヤ赤道側のゲージ厚tcに比して減じ、ショルダー領域でのゴム発熱を抑えることが一部提案されている。
【0004】
しかしながら、かかる構成では、ゴム発熱は減少するものの、前記ゲージ厚ts、tcの差によって、接地の際、ベルト層aの外端部が逆反り状に変形するなど変形量が逆に増加し、その結果、期待するほどには高速耐久性の向上効果が得られない。
【0005】
そこで本発明は、カーカスのプライ折返し部をベルト層と所定巾で重ね合わせた超ハイターンアップ構造を採用するとともに、少なくとも重なり部においてタイヤ周方向に対するカーカスコードのコード角度を70〜86度としてプライ本体部とプライ折返し部との間でカーカスコードを交差配列させることを基本として、ショルダ側での曲げ剛性を大幅に向上でき、ベルト層の外端部における変形量を低減し、高速耐久性を大巾に向上しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けた1枚のカーカスプライからなるカーカスと、トレッド部の内方かつカーカスの外側に配される少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層とを有する空気入りタイヤであって、
前記プライ折返し部は、その終端を前記プライ本体部と前記ベルト層との間に位置させることにより前記ベルト層とタイヤ半径方向内外で重なる重なり部を形成しかつこの重なり部のタイヤ軸方向の巾W1を5〜40mmとするとともに、
前記カーカスプライは、前記プライ本体部とプライ折返し部との間でカーカスコードが交差配列し、かつ少なくとも前記重なり部においてカーカスコードがタイヤ周方向に対して70〜86度の角度で傾斜し、
前記ベルト層の外面からトレッド面までのトレッドゴムのタイヤ赤道におけるゴムゲージ厚さTcと、ベルト層の外端からタイヤ軸方向内方に20mmを隔てたショルダ点におけるゴムゲージ厚さTsとの比Ts/Tcは0.75〜0.95であり、
しかも正規リムにリム組みし正規内圧を充填した無負荷の正規状態において、タイヤ断面巾W0と前記ベルト層のベルト巾WBとの差W0−WBは、25〜30mmの範囲であることを特徴としている。
【0007】
また請求項2の発明では、前記プライ本体部のカーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜の向きは、半径方向最内側のベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜の向きと同方向であることを特徴としている。
【0008】
また請求項3の発明では、前記重なり部のタイヤ軸方向の巾W1が14〜16mmであることを特徴としている。
【0009】
また請求項4の発明では、前記トレッド部は、ベルト層の半径方向外方にバンド層を具えていないことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤが乗用車用タイヤとして形成されるとともに正規リムRにリム組みされかつ正規内圧を充填された無負荷の正規状態における子午線断面図を示している。
【0011】
なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring R im"とする。また、前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LI MITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであ れば "INFLATION PRESSURE" であるが、乗用車用タイヤである場合には180K Paとする。
【0012】
図において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを具える。なおビード部4には前記ビードコア5から半径方向外方に立上がるエーペックスゴム8が配されている。
【0013】
前記ベルト層7は、例えば芳香族ポリアミド繊維コード及びスチールコード等の高弾性のベルトコード20(図2に示す)をタイヤ周方向に対して例えば10〜35度のコード角度αで配列した少なくとも2枚、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。前記ベルトコード20は、プライ間で交差するようにタイヤ周方向に対する傾斜の向きを互いに違えて配されており、これによってトレッド部2の略全巾を強いタガ効果を有して補強し、かつトレッド剛性を高めている。
【0014】
又タイヤ半径方向内側のベルトプライ7Aは、外側のベルトプライ7Bに比べ巾広に形成され、本願では、この巾広側のベルトプライのタイヤ軸方向外端をベルト層7の外端7Eと定義するとともに、この巾広側のベルトプライのプライ巾を前記ベルト層7のベルト巾WBと定義している。なおベルトプライ7A、7B間のプライ巾の差は、15mm以下としている。
【0015】
又本実施形態では、高速耐久性の向上のために、このベルト層7の外面からトレッド面2Sまでのトレッドゴムのゴムゲージ厚さTを、タイヤ赤道C側からショルダ側に向かって減少せしめ、ショルダー領域Ysでのゴム発熱を抑えている。詳しくは、タイヤ赤道Cにおけるゴムゲージ厚さTcと、ベルト層7の前記外端7Eからタイヤ軸方向内方に20mmの距離L0を隔てたトレッド面2S上のショルダ点Sにおけるゴムゲージ厚さTsとの比Ts/Tcを0.75〜0.95に減じている。
【0016】
この比Ts/Tcが0.95より大では、後述する図3に示すように、ショルダー領域Ysでのゴム発熱が大となり高速耐久性を損ねてしまう。又0.75未満では、高速耐久性の更なる向上効果が見込めなくなるだけでなく、接地巾および接地面積が過小となる結果、操縦安定性の低下を招く恐れが生じる。
【0017】
なお前記ショルダー領域Ysとは、前記ショルダ点Sよりタイヤ軸方向外側のトレッド部2の領域を意味している。
【0018】
そして本実施形態では、主に、前記ゴムゲージ厚さTs、Tcの差によるベルト層7の外端7Eでの変形量の増加を低く抑え、高速耐久性を有効に発揮させるために、カーカス6の構造を以下の如く特定している。
【0019】
すなわち、前記カーカス6は、加硫成形前において前記カーカスコード21(図2に示す)がタイヤ周方向に対して70〜86度のコード角度で配列するファブリック材からなる1枚のカーカスプライ6Aによって形成される。カーカスコード21としては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードが好適であり、特に本例のように乗用車用タイヤの場合には、コード径が0.30〜0.80mm、かつプライの巾5cm当たりのコード打ち込み本数を25〜65本とするのが望ましい。
【0020】
又前記カーカスプライ6Aは、前記トレッド部2から前記サイドウォール部3を経て前記ビードコア5に至るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折り返したプライ折返し部6bを一連に具える。しかも前記プライ折返し部6bは、その終端6beが、前記プライ本体部6aと前記ベルト層7との間に延在することにより、このプライ折返し部6bと前記ベルト層7とがタイヤ半径方向内外で重なり合う重なり部9を形成している。
【0021】
従って、加硫成形後において、カーカス6は、少なくとも前記重なり部9におけるカーカスコード21のタイヤ周方向に対するコード角度βが前記70〜86度の角度に維持されるとともに、該プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間でカーカスコード21が少なくとも8度以上の角度γで交差配列するクロスプライ構造を構成する。
【0022】
このように、プライ折返し部6bをベルト層下にまで巻き上げた所謂超ハイターンナップ構造とすること、並びにプライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間でカーカスコード21が交差配列するクロスプライ構造を構成することによって、1枚のカーカスプライ6Aでありながらサイドウォール部3の全体をバランス良く補強し、タイヤ横剛性を向上させる。これによって、コーナリングフォースが高く確保され操縦安定性が高まるとともに、縦たわみが抑制される。
【0023】
もし、前記プライ折返し部6bが、重なり部9を形成することなくサイドウォール部3内で終端した場合には、カーカス6は、プライ折返し部6bの終端6beとベルト層7の外端7Eとの間の領域では、プライ本体部6aのみの一層となってしまう。そのために、前記タイヤ横剛性の向上効果などが達成されないばかりか、前記一層部分に応力が集中し、通常走行における耐久性や操舵応答性が低下する。
【0024】
又本実施形態では、前記重なり部9において、ベルトコード20とカーカスコード21とがさらに交差し強固なトラス構造を形成する。このため、前記ショルダー領域Ysにおける曲げ剛性がいっそう向上し、その動きが拘束される。従って、前記ゴムゲージ厚さTs、Tcの差に起因する接地/非接地でのベルト層外端での変形を効果的に抑制し、高速耐久性を有効に発揮させることができる。
【0025】
さらに前記重なり部9における前記トラス構造の形成は、高速回転に伴うショルダー領域Ysの半径方向外方へのせり上がり(所謂リフティング)をも抑制できる。従って、タイヤの最高速度表記がHレンジ(210km/h)、或いはVレンジ(230km/h)以上の偏平な高速タイヤにおいても、従来的なバンド層を排除することが可能となり、軽量化、生産性の向上、生産コストの削減などを達成しうる。
【0026】
そのために、前記重なり部9のタイヤ軸方向の巾W1は、5.0〜40.0mmの範囲に設定することが必要であり、該巾W1が5.0mm未満では、前記ショルダー領域Ysでの接地/非接地における曲げ変形、および高速回転に伴うリフティングを抑制する効果が不十分となり、高速耐久性の向上効果が有効に発揮されない。逆に40.0mmを超えると、トレッド部2の剛性が過度に高められる結果、乗り心地の悪化が著しくなる。このような観点から巾W1は、前記14.0〜16.0mmが好ましい。
【0027】
なお本例では、バンド層を排除した好ましい場合を例示しているが、バンド層を形成することもでき、係る場合には、高速耐久性を20〜30km/h程度さらに向上させうる。なおバンド層は、周知の如く、ナイロン等の有機繊維のバンドコードをタイヤ周方向に沿って例えば螺旋状に巻回してなり、少なくともベルト層外端を被覆することによってそのリフティングを防止する。
【0028】
又前記カーカス6の少なくとも前記重なり部9におけるコード角度βは、前述の如く70〜86度の範囲に設定することが必要であり、86度以上では交差角度γが過小となるなど充分なクロスプライ構造が得られ難く、タイヤ横剛性を効果的に向上し得ない。逆に70度未満では、サイドウォール部3の剛性が著しく高められ、乗り心地の悪化を招くほか、カーカスコード21のパンタグラフ状の変形によりゴムの内部発熱が生じやすく、高速耐久性には不向きとなる。このような観点より、カーカス6のコード角度βは、74〜83度、更に好ましくは76〜80度とするのが良い。
【0029】
なお、通常、プライ本体部6aとプライ折返し部6bとが重複する領域(前記重なり部9を含む)では、カーカスコード21のコード角度は、前記重なり部9でのコード角度βと略同一となる。他方、前記終端6be、6be間の領域Yにおけるプライ本体部6aでは、カーカスコード21のコード角度は、加硫成型時のシェーピング条件等によって90度に向かって変化する傾向にあり、例えば86度より大になる場合もある。しかし、係る場合にも、本発明の効果は、充分に発揮される。すなわち、カーカス6は、そのコード角度を部分的に変更することができ、このとき、少なくとも重なり部9におけるコード角度βが前記範囲内であれば、本発明の効果は充分に発揮される。
【0030】
又コード角度βを前記範囲に確保したまま、前記重なり部9における剛性をより効果的に高めるために、本例では、図2に示すように、前記プライ本体部6aのカーカスコード21のタイヤ周方向に対する傾斜の向きを、半径方向最内側のベルトプライ7Aのベルトコード20のタイヤ周方向に対する傾斜の向きと同方向に設定している。
【0031】
これにより、前記重なり部9では、プライ本体部6aでのカーカスコード21が例えば左上がり、その外側で隣接するプライ折返し部6bのカーカスコード21が右上がり、その外側で隣接する内側のベルトプライ7Aのベルトコード20が左上がり、その外側で隣接する外側のベルトプライ7Bのベルトコード20が右上がりとなるなど、傾斜の向きが互い違いとなり、コードの動きをさらに拘束し合うため、トラス構造をより強固にかつ高剛性に形成できる。
【0032】
又前記ベルト層7は、一般には、ベルト巾WBの増大とともにタガ効果が高まるなどリフティングの抑制効果が増す傾向となる。しかしその反面、接地/非接地でのベルト層外端での変形量が増加するため、後述する図4に示すように、従来においては、高速耐久性の向上効果が充分発揮されなかった。しかし本願では、前記ベルト層外端での変形が大巾に抑制されるため、ベルト巾WBの増大によってより高い高速耐久性が確保でき、特に前記正規状態において測定したベルト巾WBとタイヤ断面巾W0との差W0−WBが25〜30mmの範囲のタイヤにおいて高速耐久性の向上効果が顕著に現れる。
【0033】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0034】
【実施例1】
図1に示す構造を有し、かつタイヤサイズが195/60R15(最高速度表記がHレンジ)の乗用車用タイヤを表1の仕様により試作するとともに、各試供タイヤの高速耐久性、操縦安定性についてテストを行い、その結果を表1に記載した。
【0035】
なおカーカスは、プライ数(1枚)、コード構成(ポリエステル、1100dtex/2)、コード打ち込み数(61本)、ベルト層は、プライ数(2枚)、コード構成(スチール、1×3×0.27)、コード角度(+22度/−22度)、コード打ち込み数(40本)、ビードエーペックスゴムは、ビードベースラインからの高さ45cmとし、夫々略同一の仕様としている。
【0036】
(1)タイヤ重量
タイヤ1本当たりの重量を測定し、従来例を100とする指数で表示している。数値が小さいほど良好である。
【0037】
(2)高速耐久性
ドラム試験機を用いて、リム(15×6JJ)、内圧(280kPa)の下でECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠して、ステップスピード方式により実施した。テストは、逐次走行速度を上昇させるとともに、タイヤが破壊したときの速度と時間を判定した。
【0038】
(3)操縦安定性
供試タイヤをリム(15×6JJ)、内圧(200kPa)の下で、車両(2000cc)の国産乗用車の全輪に装着し、ドライアスファルトのテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により従来例を9とした10段階で評価とした、数値が大きいほど良好である。
【0039】
【表1】
【0040】
又表1における参考例A1、比較例A1、A2を基本とし、トレッドゴム2Gのゲージ厚さTsのみ変化させて高速耐久性のテストを行い、その時の比Ts/Tcと高速耐久性との関係を図3に示す。なお、参考例A2は、参考例A1に6.6ナイロンのフルバンドからなるバンド層を付加したものである。
【0041】
又参考例A1、A2、比較例A1、A2および従来例を基本とし、ベルト巾WBのみ変化させて高速耐久性のテストを行い、その時の差W0−WBと高速耐久性との関係を図4に示す。
【0042】
表1、或いは図3、4に示すように、実施例のタイヤは、バンド層を排除しつつ、バンド層を有する従来例Aと略同等の操縦安定性および高速耐久性を発揮でき、又バンド層を設けた場合には、高速耐久性をさらに20〜30km/h程度向上させうることが確認できる。
【0043】
【実施例2】
図1に示す構造を有するタイヤサイズが215/55R16(最高速度表記がVレンジ)の乗用車用タイヤを表2の仕様により試作するとともに、各試供タイヤの高速耐久性、操縦安定性について同様のテストを行い、その結果を表2に記載した。
【0044】
なおカーカスは、プライ数(1枚)、コード構成(ポリエステル、従来例1670dtex/2;実施例1100dtex/2)、コード打ち込み数(従来例50本;実施例61本)、ベルト層は、プライ数(2枚)、コード構成(スチール、1×3×0.27)、コード角度(+22度/−22度)、コード打ち込み数(40本)、ビードエーペックスゴムは、ビードベースラインからの高さ50cmとし、夫々略同一の仕様としている。
【0045】
【表2】
【0046】
Vレンジのタイヤにおいても同様に、バンド層を排除しつつ、バンド層を有する従来例Bと略同等の操縦安定性および高速耐久性を発揮しうるのが確認できた。なお実施例では何れもカーカスコードが細径化され、従来例Bより大巾に軽量化された場合を例示している。
【0047】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く、カーカスのプライ折返し部をベルト層と所定巾で重ね合わせた重なり部を有する超ハイターンアップ構造を採用するとともに、タイヤ周方向に対するカーカスコードのコード角度を、少なくとも前記重なり部において70〜86度としてプライ本体部とプライ折返し部との間でカーカスコードを交差配列させている。従って、ショルダー領域での曲げ剛性を大幅に向上でき、ベルト層の外端における変形量を低減し高速耐久性を大巾に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】コードの配列状体を示す展開図である。
【図3】トレッドゴムゲージ厚さの比Ts/Tcと、高速耐久性との関係を示す線図である。
【図4】タイヤ断面巾W0とベルト巾WBとの差W0−WBと、高速耐久性との関係を示す線図である。
【図5】従来技術の問題点を説明する断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
2S トレッド面
2G トレッドゴム
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
6be プライ折返し部の終端
7 ベルト層
7A、7B ベルトプライ
7E ベルト層の外端
9 重なり部
20 ベルトコード
21 カーカスコード
S ショルダ点
Claims (4)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けた1枚のカーカスプライからなるカーカスと、トレッド部の内方かつカーカスの外側に配される少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層とを有する空気入りタイヤであって、
前記プライ折返し部は、その終端を前記プライ本体部と前記ベルト層との間に位置させることにより前記ベルト層とタイヤ半径方向内外で重なる重なり部を形成しかつこの重なり部のタイヤ軸方向の巾W1を5〜40mmとするとともに、
前記カーカスプライは、前記プライ本体部とプライ折返し部との間でカーカスコードが交差配列し、かつ少なくとも前記重なり部においてカーカスコードがタイヤ周方向に対して70〜86度の角度で傾斜し、
前記ベルト層の外面からトレッド面までのトレッドゴムのタイヤ赤道におけるゴムゲージ厚さTcと、ベルト層の外端からタイヤ軸方向内方に20mmを隔てたショルダ点におけるゴムゲージ厚さTsとの比Ts/Tcは0.75〜0.95であり、
しかも正規リムにリム組みし正規内圧を充填した無負荷の正規状態において、タイヤ断面巾W0と前記ベルト層のベルト巾WBとの差W0−WBは、25〜30mmの範囲であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記プライ本体部のカーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜の向きは、半径方向最内側のベルトプライのベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜の向きと同方向であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記重なり部のタイヤ軸方向の巾W1は、14〜16mmである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド部は、ベルト層の半径方向外方にバンド層を具えていないことを特徴とする請求項1、2又は3記載の空気入りタイヤ。
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