JPH08156531A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH08156531A JP6298285A JP29828594A JPH08156531A JP H08156531 A JPH08156531 A JP H08156531A JP 6298285 A JP6298285 A JP 6298285A JP 29828594 A JP29828594 A JP 29828594A JP H08156531 A JPH08156531 A JP H08156531A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操縦安定性に優れるサイドウォ−ル補強軽量
タイヤを提供する。 【構成】 単一プライより成るラジアルカ−カスのプラ
イ両端部をビ−ドリングの回りに巻上げ、この巻上げ端
部とカ−カス間に硬質ゴムのスティフナ−をビ−ドリン
グ上から先細りに配置しサイドウォ−ル外表面をゴムで
被覆したタイヤにおいて、上記カ−カスプライの巻上げ
先端およびスティフナ−の先細り先端はタイヤ断面高さ
の30% を越えない位置に止まり、この位置からタイヤ
断面高さの少なくとも30% のクラウン部側区域を残す
サイドウォ−ル域内に厚みが0.5〜3mmのシ−ト状硬
ゴム層を埋設し補強した空気入りラジアルタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転がり抵抗を低減した
軽量空気入りラジアルタイヤの改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】低燃費を目的とするタイヤの転がり抵抗
低減のためには先ず軽量化が図られるが、ラジアルタイ
ヤにおいてはカ−カス、ベルト層など骨格部分の過剰な
補強を見直し、トレッドを含む被覆ゴム層についても余
分と考えられる部分は削り落とすことによってスリムな
構造が適用される。このスリム化に関し乗用車用ラジア
ルタイヤのカ−カスについて述べると、通常繊維コ−ド
プライの2枚で構成されるところを1枚に減じ、その結
果低下する、特に剛性に関しては、必要な部分に限定し
て補うことが行われる。例えばサイドウォ−ルの領域に
ついて、道路の縁石による外傷および衝撃よりの保護を
目的とし、サイドォ−ルの中央から径方向内側の区域に
おける適宜位置に外被ゴムを部分的肉厚にし、この肉厚
部分が周方向に延びる環状隆起を設けることが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なサイドウォ−ルの補強構造は、対外傷についてはとも
かく、コ−ナリング走行時に作用する横力に対する剛性
不足は免れず、操縦安定性を犠牲にした構造といえる。
本発明はかかる問題点に鑑みなされたもので、サイドウ
ォ−ルの外的異物または障害物に対し必要な保護能力を
有すると共に、操縦安定性に優れた軽量ラジアルタイヤ
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、円筒状クラウ
ン部の両端から径方向内側に向かってビ−ドリングを先
端部に埋設したサイドウォ−ルが夫々連なり、繊維コ−
ドラジアルプライの1枚から成るカ−カスを上記両ビ−
ドリング間に、また非伸長性ベルト層およびトレッドを
上記カ−カスのクラウン部周上に順次配置して補強する
と共に、上記カ−カスプライの両端部をビ−ドリングの
回りに軸方向外側に向かって巻上げ、この巻上げ端部と
カ−カス間に硬質ゴムのスティフナ−をビ−ドリング上
から先細りに配置しサイドウォ−ル外表面をゴムで被覆
したタイヤにおいて、上記カ−カスプライの巻上げ先端
およびスティフナ−の先細り先端はタイヤ断面高さの3
0% を越えない位置に止まり、この位置からタイヤ断面
高さの少なくとも30% のクラウン部側区域を残すサイ
ドウォ−ル域内に厚みが0.5〜3mmのシ−ト状硬ゴム
層を埋設し補強したことを特徴とする空気入りラジアル
タイヤである。
【0005】
【作用】本発明におけるタイヤは、ラジアルカ−カスプ
ライ(1枚)のビ−ドリング回り巻上げ先端、およびカ
−カスと同プライ巻上げ端部の間に配置されるスティフ
ナ−の先細り先端がタイヤ断面高さの30% を越えない
位置に止まり、この位置からタイヤ断面高さの少なくと
も30% のクラク部側区域を残すサイドウォ−ル域内に
厚みが0.5〜3mmのシ−ト状硬ゴム層を埋設し補強し
強化したことを構造上の特徴とする。ラジアルタイヤの
軽量化のための手段として、カ−カスにつき通常2枚で
構成されるカ−カスプライを1枚で構成し、更にプライ
巻上げ端部の高さを上記の通りタイヤ断面高さの最大限
30% と低い位置に止め、またカ−カスとプライ巻上げ
端部の間に形成される空所を埋めるように配置されるス
ティフナ−の高さも同様に低い位置に止めることによっ
てサイドウォ−ルの全体的肉厚を抑えている。そしてこ
の場合懸念される剛性の低下をシ−ト状硬質ゴム層の埋
設によって防止し、この種のタイヤの操縦安定性の向
上、並びに外的異物または障害物に対し必要な保護能力
を高めることができる。
【0006】操縦安定性に対する横剛性向上のために従
来とられていたコ−ド層のサイドウォ−ル下方域への追
加配置、硬質ゴムに成るスティフナ−のボリュ−ム増、
そして外傷によるダメ−ジ対策としてのサイドウォ−ル
外被ゴム膨出による環状隆起の配置は何れも重量増加を
伴うため、カ−カスプライ削減等を施しても軽量化によ
る利点が失われてしまう。
【0007】発明者が操縦安定性についてタイヤ剛性と
の関係を解析したところによると、横剛性のみならず捩
じり剛性(垂直軸回りの剛性)も大きく影響していくこ
とが分かった。そこで軽量化の必要条件としてのタイヤ
断面高さの最大30% 位置に止まるカ−カスプライ巻上
げ端、並びにスティフナ−端から上方のサイドウォ−ル
中央領域にシ−ト状硬ゴム層を埋設することによって、
重量増加を抑えつつタイヤの捩じり剛性を有利に向上さ
せることができるのである。
【0008】硬ゴム層の厚みにつき、必要な捩じり剛性
向上のためには最低限0.5mmであり、またタイヤ重量
抑制の観点から3mmが限度である。硬ゴム層の配置区域
はタイヤ断面高さの少なくとも30% のクラウン部側区
域を残し、即ち、硬ゴム層の径方向上端がタイヤ断面高
さの70% 位置を越えない範囲でカ−カスプライ巻上げ
端およびスティフナ−端より上方のサイドウォ−ル中央
領域に配置する必要があるが、上記上端位置70% は重
量の面より限界である。
【0009】
【実施例】以下図面に基づき説明する。図1は本発明に
おける一実施例を示すタイヤの断面図である。本発明に
おいてタイヤ1 は円筒状クラウン部2 の両端から径方向
内側に向かってビ−ドリング3 を先端部に埋設したサイ
ドウォ−ル4 が夫々連なり、繊維コ−ドラジアルプライ
の1枚から成るカ−カス5 を両ビ−ドリング3 間に、ま
た非伸長性ベルト層6 およびトレッド7 をカ−カス5 に
おけるクラウン部2 の周上に順次配置し補強している。
カ−カスプライの両端部はビ−ドリング3 の回りに軸方
向外側に向かって巻上げ、この巻上げ端部8 とカ−カス
5 との間に硬質ゴムのスティフナ−9 をビ−ドリング3
上を基部として先細りに配置し、またサイドウォ−ル4
の外表面を外被ゴム10により被覆している。そしてカ−
カスプライの巻上げ端部8 の先端およびスティフナ−9
の先細り先端の各高さHR、HSは、タイヤ断面高さHTの3
0% を越えない位置に止まり、この位置からタイヤ断面
高さHTの最大70% の高さHU領域におけるサイドウォ−
ル4内に0.5〜3mmの厚みのシ−ト状硬ゴム層11を埋
設し補強するものとする。
【0010】図1には赤道面O より左側半分を省略して
いるが左右対称である。カ−カス5 はポリエステル、レ
−ヨンで代表される繊維コ−ドを赤道面O と実質上直交
する方向に配列したプライから成る公知の構造であり、
ベルト層6 も、スチ−ルコ−ドなどの非伸長性コ−ドを
赤道面O に対し浅い角度(15〜35°)で傾斜配列し
たプライの複数枚、通常2枚を、それらのコ−ドが交差
するように重ね合わせたもので、必要によっては更にそ
の周囲全体、若しくは両端部に限定してナイロンなどの
熱収縮性コ−ドを複数本並べてゴム引きしたストリップ
の周方向螺旋巻きによって形成した補助層を含む公知の
構造である。
【0011】図1に基づき165SR13 サイズ乗用車用タイ
ヤの実施例において、カ−カス5 は1500d/2 ポリエステ
ルコ−ドのラジアル配列プライ(1枚)より成り、ビ−
ドリング3 の回りに図示の如く巻上げた巻上げ端部8 の
高さHRとスティフナ−9 の高さHSは、断面高さHTの夫々
20% および25% である。上記巻上げ端部8 の高さHR
はビ−ドリングに対しカ−カスプライの固定を確実にす
る必要性からタイヤ断面高さHTに対し最低限10% であ
り、スティフナ−9の高さHSも実質上これに準じて設け
ることが好ましい。なおスティフナ−9 の硬度(JIS 硬
度、以下同じ)は70〜90°が好ましい。
【0012】さて硬ゴム層11であるが、この実施例にお
いては硬度80°、厚み1mmのゴムシ−トを、回転軸と
平行なビ−ド部における基線J からタイヤ断面高さHT
40〜60% の領域におけるカ−カス5 と外被ゴム10と
の間に配置した。そのため硬ゴム層11の径方向内側端と
スティフナ−9 の上端との間に外被ゴム10が介在してい
る。しかし硬ゴム層11の径方向内側端はスティフナ−9
の上端および/またはプライ巻上げ端部の上端と近接配
置したり、また目的を損なわない限りこれらと部分的オ
−バ−ラップ配置も可能である。なお硬ゴム層11の硬度
は少なくとも60°が好ましく、一方外被ゴム10は耐屈
曲性に優れ柔軟性に富むゴム(この実施例では50°)
が使用される。
【0013】
【効果】本発明に成るタイヤの効果を確かめるべく図1
に基づき述べた165SR13 サイズによる実施例のタイヤ
(重量5.85Kg)に、硬ゴム層を使用しない点におい
てのみ異なる比較例1(重量5.80Kg)、および片方
のサイドウォ−ルの外被ゴムがタイヤ最大幅位置からリ
ムフランジ上端部にかけ1mmから4mmに厚みが漸増する
環状隆起を設けた比較例2(重量6.40Kg)を交えて
操縦安定性およびサイドカットテストを行い評価した。
テストタイヤは13×5Jリムに組み、操縦安定性テストは
2.0Kg/Cm2の内圧を充填した後、実車によりアスファ
ルト舗装の周回路上を80〜100Km/Hの速度で直進、
レ−ンチェンジ、および旋回走行を行い、ドライバ−の
フィ−リングによって10点を最高点とする指数にて評
価した。一方サイドカットテストは、路面より11Cmの
高さに突出した鉄製の四角柱に対し、25°の角度で実
車によりフロントタイヤのサイドウォ−ルに種々の内圧
において衝撃を加え(速度10Km/H)サイドウォ−ルが
バ−ストしたときの内圧を測定し評価した。この場合、
内圧は1.8Kg/Cm2より始め、バ−ストしないときは内
圧を0.1Kg/Cm2刻みで減らして行き、各内圧毎上記衝
撃テストを行った。テスト結果は表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】このようにラジアル単一プライより成るカ
−カスを備え、プライ巻上げ端部およびスティフナ−が
タイヤ断面高さの30% を越えない低い位置に止まる構
造の軽量タイヤにおいて、上記プライ巻上げ端およびス
ティフナ−上端よりタイヤ断面高さの70% を越えない
領域にシ−ト状硬ゴム層を埋設することによって、操縦
安定性、並びに外的異物または障害物に対する補強が著
しく改善されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例のタイヤの断面図。
【符号の説明】 1 タイヤ 2 クラウン部 3 ビ−ドリング 4 サイドウォ−ル 5 カ−カス 6 ベルト層 7 トレッド 8 プライ巻上げ端部 9 スティフナ− 10 外被ゴム 11 硬ゴム層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状クラウン部の両端から径方向内側
    に向かってビ−ドリングを先端部に埋設したサイドウォ
    −ルが夫々連なり、繊維コ−ドラジアルプライの1枚か
    ら成るカ−カスを上記両ビ−ドリング間に、また非伸長
    性ベルト層およびトレッドを上記カ−カスのクラウン部
    周上に順次配置して補強すると共に、上記カ−カスプラ
    イの両端部をビ−ドリングの回りに軸方向外側に向かっ
    て巻上げ、この巻上げ端部とカ−カス間に硬質ゴムのス
    ティフナ−をビ−ドリング上から先細りに配置しサイド
    ウォ−ル外表面をゴムで被覆したタイヤにおいて、上記
    カ−カスプライの巻上げ先端およびスティフナ−の先細
    り先端はタイヤ断面高さの30% を越えない位置に止ま
    り、この位置からタイヤ断面高さの少なくとも30% の
    クラウン部側区域を残すサイドウォ−ル域内に厚みが
    0.5〜3mmのシ−ト状硬ゴム層を埋設し補強したこと
    を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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