JP2013052805A - 建設車両用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドカットにより生じる亀裂の深さ方向への進展を抑制してタイヤ寿命を向上する建設車両用タイヤを提案する。
【解決手段】一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該カーカスの幅方向外側にサイドゴム層を配置し、タイヤ径方向外側にトレッドゴムを配置したタイヤにおいて、
該タイヤの最大幅位置を含む領域において、前記サイドゴム層の表面と前記カーカスとの間に、タイヤ径方向に延びる保護ゴム層をタイヤ幅方向に積層配置し、該保護ゴム層を、タイヤ径方向両端縁の少なくとも一方が、前記サイドゴム層の表面に近接または露出するよう配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐サイドカット性能を高めた建設車両用タイヤに関し、特にカット傷から生じる亀裂の深さ方向への進展を抑制してタイヤ寿命を向上し、さらには亀裂の進展している部分を目視で識別することを可能としてタイヤ交換時期の判断を容易化しようとするものである。
従来、建設車両用タイヤの耐サイドカット性能を高める技術として、バットレス部にプロテクターを配置するとともにサイドウォールの外輪郭形状を改善して、サイドカットの受傷頻度を減少させるもの(例えば特許文献1)や、カーカス本体部とカーカス折返し部との間に耐亀裂進展性に優れた補強ゴムを配置して、カーカス本体部への亀裂進展を抑制するもの(例えば特許文献2)などが知られている。
特開平09−202117号公報 特開平07−228110号公報
上述の従来技術の導入や、近年の鉱石採掘現場における路面状況の改善などにより、単発の深いサイドカットでカーカス本体部が損傷して廃品化するケースは減少し、タイヤ寿命は延びてきたものの、サイドカットに起因する廃品はまだ多く、タイヤの長寿命化の足を引っ張っている。
また、サイドカットにより生じた亀裂のタイヤ内部における進展状態をユーザーが認識しにくいため、ユーザーとしては安全サイドに立って早期に廃品化しているのが現状である。
本発明は、このような現状に鑑み開発されたもので、サイドカットにより生じる亀裂の深さ方向への進展を抑制してタイヤ寿命を向上し、さらには亀裂の進展している部分を目視で識別することを可能としてタイヤ交換時期の判断を容易化する建設車両用タイヤを提案することを目的とする。
さて、発明者は最近のサイドカットに起因する廃品タイヤについて調査を行ったところ、以下の知見を得た。
すなわち、
1)最近のサイドカットに起因する廃品の典型的なケースは、サイドカットによる傷自体はごく浅いものの、その後の走行により、傷から生じた亀裂がタイヤ周方向および径方向に広がりつつ深さ方向に進展、カーカス(すなわち、カーカス折返し部ないしカーカス本体部)まで到達すると、亀裂が一気に深さ方向へ進展してインナーライナーを突き破り、空気漏れを生じるものである。なお、タイヤがサイドカットを受傷する頻度が高いのは、タイヤ最大幅位置付近の領域である。
2)亀裂の深さ方向への進展を抑制するためには、少なくともタイヤ最大幅位置を含む領域において、カーカスの幅方向外側に配置されたサイドゴム層の表層域に、保護ゴム層を挿入することが有効である。一般的に、異種ゴムおよび同一ゴムでもゴム層同士の界面は接着が劣り(界面なしの場合に比べて劣る為)、亀裂が進展しやすい状態となる。あえてタイヤ周方向および径方向に亀裂が進展しやすい保護ゴム層による境界面を作り出すことで、結果として亀裂の進展をこの保護ゴム層に沿わせることが可能となり、深さ方向の進展を抑制することができる。
3)その際、保護ゴム層のタイヤ径方向両端縁の少なくとも一方をサイドゴム層の表面に近接または露出させた構造とすれば、タイヤ径方向に進展した亀裂は最終的にサイドゴム層の表面に抜けることができ、亀裂の深さ方向への進展を確実に回避することができる。
4)さらに、保護ゴム層をサイドゴム層と異なる色とすれば、ユーザーは亀裂が保護ゴム層に沿ってタイヤ周方向および径方向に進展している部分を目視で識別することが可能となる。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
1.一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該カーカスの幅方向外側にサイドゴム層を配置し、タイヤ径方向外側にトレッドゴムを配置したタイヤにおいて、
該タイヤの最大幅位置を含む領域に、前記サイドゴム層の表面と前記カーカスとの間に、タイヤ径方向に延びる保護ゴム層をタイヤ幅方向に積層配置し、該保護ゴム層は、タイヤ径方向両端縁の少なくとも一方が、前記サイドゴム層の表面に近接または露出していることを特徴とする建設車両用タイヤ。
2.前記領域は、タイヤ最大幅位置を中心とする、タイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さの15%〜25%の範囲と、タイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10%〜20%の範囲とに跨ることを特徴とする上記1に記載の建設車両用タイヤ。
3.前記保護ゴム層のタイヤ径方向両端縁が前記サイドゴム層の表面に近接または露出していることを特徴とする上記1または2に記載の建設車両用タイヤ。
4.前記保護ゴム層は、前記サイドゴム層と異なる色を有することを特徴とする上記1〜3のいずれか一項に記載の建設車両用タイヤ。
本発明によれば、サイドカットから生じるサイドゴム層における亀裂を、保護ゴム層に沿ってタイヤ周方向およびタイヤ径方向へ進展させることができるとともに、タイヤ径方向に進展させた亀裂をサイドゴム層の表面へ逃がすことができる。従って、亀裂の深さ方向への進展を抑制することができ、その結果、タイヤ寿命を向上することができる。
また、本発明に従い、領域を、タイヤ最大幅位置を中心とする、タイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さの15%〜25%の範囲と、タイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10%〜20%の範囲とに跨るものとすることにより、保護ゴム層の配置を適正化することができ、従って亀裂の深さ方向への進展をより効果的に抑制することができる。
また、本発明に従い、保護ゴム層のタイヤ径方向両端縁をサイドゴム層の表面に近接または露出させることにより、亀裂をこれら両端縁からサイドゴム層の表面へ逃がすことができるため、亀裂の深さ方向への進展をさらに効果的に抑制することができる。
さらに、本発明に従い、保護ゴム層をサイドゴム層と異なる色とすることにより、亀裂が保護ゴム層に沿ってタイヤ周方向および径方向に進展している部分をユーザーが目視で識別することが可能となり、その結果、タイヤ交換時期の判断を容易化することができる。
本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態の一例を示す要部断面略線図である。 本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態について、他の例を示す要部断面略線図である。 本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態について、さらなる他の例を示す要部断面略線図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態の一例を、図1を用いて説明する。図1において、1は建設車両用タイヤ、2はビード部、3はカーカス、4はサイドゴム層、5はトレッドゴム、6は保護ゴム層を示す。また、3aはカーカス本体部、3bはカーカス折返し部、3cはカーカス折返し端縁、6aは保護ゴム層のタイヤ径方向外側端縁、6bは保護ゴム層のタイヤ径方向内側端縁、Pはタイヤ最大幅位置を示す。
図1に示すように本実施形態に係る建設車両用タイヤ1は、一対のビード部2間にトロイダル状に跨るカーカス3を骨格とし、カーカス3の幅方向外側にサイドゴム層4を配置し、タイヤ径方向外側にトレッドゴム5を配置した構造を有している。
また、建設車両用タイヤ1の最大幅位置Pを含む領域に、サイドゴム層4の表面とカーカス3との間に、好ましくは該サイドゴム層4とは異なる材質の、タイヤ径方向に延びる保護ゴム層6をタイヤ幅方向に積層配置している。
ここに、カーカス3とは、一対のビード部2間に跨るカーカス本体部3aと、カーカス本体部3aからビード部2で巻き返してタイヤ径方向内側へ延びるカーカス折返し部3bとのいずれか一方を意味する。例えば、図1に示す例のようにカーカス折返し端縁3cが、保護ゴム層6を配置する領域に位置している場合、またはカーカス折返し端縁3cが保護ゴム層6を配置する領域よりもタイヤ径方向外側に位置している場合は、保護ゴム層6はサイドゴム層4の表面とカーカス折返し部3bとの間に配置される。他方、カーカス折返し端縁3cが、保護ゴム層6を配置する領域よりもタイヤ径方向内側に位置している場合は、保護ゴム層6はサイドゴム層4の表面とカーカス本体部3aとの間に配置される。
また、上記の「最大幅位置Pを含む領域」は、タイヤ最大幅位置を中心とする、タイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さの15%〜25%の範囲と、タイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10%〜20%の範囲とに跨るものとすることが好ましい。
すなわち、タイヤ最大幅位置Pを通りタイヤ回転軸線と平行な線分qと、保護ゴム層6のタイヤ径方向外側端縁6aを通りタイヤ回転軸線と平行な線分qとの距離aがタイヤ断面高さHの15%〜25%であるとともに、上記の線分qと、保護ゴム層6のタイヤ径方向内側端縁6bを通りタイヤ回転軸線と平行な線分qとの距離bがタイヤ断面高さHの10%〜20%であることが好ましい。
なお、本明細書において「タイヤ断面高さH」は、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填した際の値とする。
ここに、「適用リム」とは所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または“Approved Rim”、“Recommended Rim”)のことであり、規定内圧とは同規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。
かかる産業規格については、タイヤが生産もしくは使用される地域においてそれぞれ有効な規格が定められており、これらの規格は、例えば、アメリカ合衆国では“The Tire and Rim Association Inc. Year Book”(デザインガイドを含む)により、欧州では、“The European Tire and Rim Technical Organization Standards Manual”により、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”によりそれぞれ規定されている。
また、保護ゴム層6を配置する領域を上述の範囲とすることが好ましい理由は次のとおりである。
すなわち、距離aおよびbがそれぞれの下限値未満とした場合では、保護ゴム層6を設ける範囲が小さく、サイドカットを受傷するおそれの大きい範囲を十分にカバーすることができず、また、それぞれの上限値を超えるものとした場合では、サイドカットを受傷するおそれが小さい上、荷重時変形が少なく受傷しても傷が進展するおそれがほとんどない範囲にまで保護ゴム層6を設けることとなるからである。
なお、上述のタイヤ最大幅位置を中心とする、タイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さの15%〜25%の範囲と、タイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10%〜20%の範囲とに跨る領域におけるサイドゴム層4の表面部分を、図1に示すように、その他の領域におけるサイドゴム層4の表面部分よりも、タイヤ幅方向に突出または膨出させた表面形状とすることが好ましく、このようにすることでサイドカットを受傷するおそれの大きい領域のサイドゴム層4の厚みを増して耐久性を向上させることができる。
また、保護ゴム層6は、本実施形態においては、そのタイヤ径方向外側端縁6aがサイドゴム層4の表面に近接している。
ここに、保護ゴム層6のタイヤ径方向外側端縁6aがサイドゴム層4の表面に近接しているとは、保護ゴム層6のタイヤ径方向外側端縁6aとサイドゴム層4の表面との最短距離が0 mm を超え、5 mm 以下である状態を意味する。
ここに、本発明において、保護ゴム層6は、必ずしも図1に示したように、タイヤ径方向外側端縁6aがサイドゴム層4の表面に近接している必要はなく、例えばタイヤ径方向外側端縁6aがサイドゴム層4の表面に露出していても良いし、後述するように、タイヤ径方向外側端縁6aに代え、タイヤ径方向内側端縁6bがサイドゴム層4の表面に近接(図2)もしくは露出していても良いし、またはタイヤ径方向両端縁6aおよび6bがサイドゴム層4の表面に近接(図3)もしくは露出していても良い。
なお、本発明において、保護ゴム層6のタイヤ径方向内側端縁6bがサイドゴム層4の表面に近接しているとは、保護ゴム層6のタイヤ径方向内側端縁6bとサイドゴム層4の表面との最短距離が0 mm を超え、5 mm 以下である状態を意味する。
また、保護ゴム層6のタイヤ幅方向の配置は、タイヤ最大幅位置Pを通りタイヤ回転軸線に平行な線分qと保護ゴム層6との交点からタイヤ回転軸線に下ろした垂線rと、タイヤ最大幅位置Pからタイヤ回転軸線に下ろした垂線rとの距離cが、上記の線分qとカーカス3との交点からタイヤ回転軸線に下ろした垂線rと、タイヤ最大幅位置Pからタイヤ回転軸線に下ろした垂線rとの距離Dの1/3〜2/3であることが好ましい。
すなわち、距離cが距離Dの1/3未満の場合は、やや深めのカット傷が入った場合、傷が保護ゴム層6を貫通してしまい亀裂を保護ゴム層6に沿って進展させることができず、同2/3を超える場合は、カット傷が保護ゴム層6に達するまで進展した際にカーカス3を覆うゴム層の厚みが不十分であり、カーカス3を起点とした故障が発生するおそれがあるためである。
なお、保護ゴム層6は、サイドゴム層4の表面およびカーカス3と平行に配置することが好ましい。
また、保護ゴム層6は、サイドゴム層4と異なる色を有することが好ましい。このようにすることで、亀裂が保護ゴム層に沿ってタイヤ周方向および径方向に進展している部分をユーザーが目視で識別することが可能となる。通常、サイドゴム層4は黒色であるので、保護ゴム層6は、黒色に対して目立つ色、例えば白色、黄色または水色などとすることが好ましい。
また、保護ゴム層6の厚さは、1 mm 〜2 mm であることが好ましい。1 mm 未満の場合は、過酷な条件下で使用した場合には、カット傷の進展により保護ゴム層6に達した亀裂が保護ゴム層6内に進展してしまうおそれがあり、また、2 mm を超える場合は、ゴムの発熱量が多くなり、保護ゴム層6自体がセパレーション等の別の故障の核となるおそれがあるためである。
保護ゴム層6の素材としては、コードゴム被覆層、短繊維コードとゴムとの複合有機ゴム層、ゴム層等が挙げられるが、とりわけ、保護ゴム層6がタイヤ内にてセパレーション故障の核になってしまうおそれのないゴム層を採用することが、耐久性確保の観点から好ましい。
また、保護ゴム層6の100%Modは3.5 MPa 〜4.0 MPa、保護ゴム層6の損失正接は0.18〜0.20であることが好ましい。
すなわち、保護ゴム層6の100%Modが3.5 MPa 未満の場合、保護ゴム層6内での歪が増大して保護ゴム層6自体が故障の核となるおそれがあり、保護ゴム層6の100%Modが4.0 MPaを超える場合、ゴムの物性として必然的に損失正接が0.20を超えてしまい、発熱量の増加に伴い、発熱耐久性の悪化を招くおそれがあるためである。
また、保護ゴム層6の損失正接が0.18未満の場合、ゴムの物性として必然的に100%Modが3.5 MPa 未満となってしまい、上述したとおり、保護ゴム層6自体が故障の核となるおそれがあり、保護ゴム層6の損失正接が0.20を超える場合、やはり上述したとおり、発熱耐久性の悪化を招くおそれがあるためである。
なお、「100%Mod」とは、JIS K6301-1995に準拠した測定値で加硫後100%伸張時の引張応力のことをいう。また、「損失正接」とは、25℃・歪2%、52Hzの条件下で測定した際の貯蔵せん断弾性率に対する損失せん断弾性率の比のことをいう。
以上説明した本実施形態に係る建設車両用タイヤ1によれば、サイドカットから生じるサイドゴム層3における亀裂を、保護ゴム層6に沿ってタイヤ周方向およびタイヤ径方向へ進展させることができるとともに、タイヤ径方向外側に進展させた亀裂をサイドゴム層4の表面へ逃がすことができる。従って、亀裂の深さ方向への進展を抑制することができ、その結果、タイヤ寿命を向上することができる。
次に、本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態の他の例を、図2を用いて説明する。図2において、1’は建設車両用タイヤ、6’は保護ゴム層、6a’は保護ゴム層のタイヤ径方向外側端縁、6b’は保護ゴム層のタイヤ径方向内側端縁を示し、図1と同一の構成は同一の符号を付して示す。
図2に示す建設車両用タイヤ1’は、保護ゴム層6’のタイヤ径方向外側端縁6a’がサイドゴム層4の表面からやや深い位置にあり、保護ゴム層6’のタイヤ径方向内側端縁6b’がサイドゴム層4の表面に近接している点を除き、図1に示した例と同一の構造をなしている。
以上説明した本実施形態に係る建設車両用タイヤ1’によれば、サイドカットから生じるサイドゴム層4における亀裂を、保護ゴム層6’に沿ってタイヤ周方向およびタイヤ径方向へ進展させることができるとともに、タイヤ径方向内側に進展させた亀裂をサイドゴム層4の表面へ逃がすことができる。従って、亀裂の深さ方向への進展を抑制することができ、その結果、タイヤ寿命を向上することができる。
次に、本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態のさらなる他の例を、図3を用いて説明する。図3において、1’’は建設車両用タイヤ、6’’は保護ゴム層、6a’’は保護ゴム層のタイヤ径方向外側端縁、6b’’は保護ゴム層のタイヤ径方向内側端縁を示し、図1と同一の構成は同一の符号を付して示す。
図3に示す建設車両用タイヤ1’’は、保護ゴム層6’’のタイヤ径方向外側端縁6a’’およびタイヤ径方向内側端縁6b’’がそれぞれサイドゴム層4の表面に近接している点を除き、図1に示した例と同一の構造をなしている。
以上説明した本実施形態に係る建設車両用タイヤ1’’によれば、サイドカットから生じるサイドゴム層4における亀裂を、保護ゴム層6’’に沿ってタイヤ周方向およびタイヤ径方向へ進展させることができるとともに、タイヤ径方向外側およびタイヤ径方向内側に進展させた亀裂をそれぞれサイドゴム層4の表面へ逃がすことができる。従って、亀裂の深さ方向への進展を効果的に抑制することができ、その結果、タイヤ寿命を向上することができる。
表1に示す諸元の建設車両用タイヤについて、本発明に従い、表2に発明例1〜6としてそれぞれ示す態様で保護ゴム層を設置した。これらタイヤはいずれも新品であり、サイドゴム層に傷のないものとした。また、保護ゴム層のサイドゴム層の表面と近接させる側の端縁とサイドゴム層の表面との最短距離は5 mm とした。
発明例1〜6それぞれにおいて、このような供試タイヤ30本をそれぞれ、36.0/5.0のリムに組込み、700kPaの内圧を付与し、30本を車両の後軸に装着して同時に走行させた。走行時間を測定しながら、30本中5本が空気漏れ等により廃品化するまで走行させ、そのうちサイドカットにより廃品化したタイヤの平均走行時間(ライフ平均値)を求め、このライフ平均値から各タイヤの耐久性を評価した。
また、表1に示す諸元の、保護ゴム層を設置しない建設車両用タイヤを従来例として用意し、実施例1〜6に係るタイヤと同様にしてその耐久性を評価した。
これらの評価結果を表2に併せて示す。
なお、表2中の「距離a」、「距離b」、「距離c」および「距離D」はそれぞれ、図1を用いて前述したとおり、タイヤ最大幅位置Pを通りタイヤ回転軸線と平行な線分qと、保護ゴム層6のタイヤ径方向外側端縁6aを通りタイヤ回転軸線と平行な線分qとの距離a、上記の線分qと、保護ゴム層6のタイヤ径方向内側端縁6bを通りタイヤ回転軸線と平行な線分qとの距離b、タイヤ最大幅位置Pを通りタイヤ回転軸線に平行な線分qと保護ゴム層6との交点からタイヤ回転軸線に下ろした垂線rと、タイヤ最大幅位置Pからタイヤ回転軸線に下ろした垂線rとの距離c、および上記の線分qとカーカス3との交点からタイヤ回転軸線に下ろした垂線rと、タイヤ最大幅位置Pからタイヤ回転軸線に下ろした垂線rとの距離Dを意味する。
また、表2中の「耐久性」は、上述したサイドカットにより廃品化したタイヤの平均走行時間(ライフ平均値)を表したものであって、従来例を100とした指数比で示し、数値が大きいほど耐久性が優れていることを示す。
Figure 2013052805
Figure 2013052805
発明例1〜6のタイヤはいずれも、従来例に比べ耐久性が向上した。特筆すべき点として、保護ゴム層のタイヤ径方向両端縁をサイドゴム層の表面に近接させた発明例3のタイヤが、タイヤ径方向両端縁のいずれか一方のみ近接させた発明例1〜2のタイヤよりも良好な耐久性を示した。
また、発明例3のタイヤは、距離aをタイヤ断面高さの15%未満、距離bをタイヤ断面高さの10%未満とした発明例4、距離cを距離Dの1/3未満とした発明例5、距離cを距離Dの2/3以上とした発明例6のタイヤよりも良好な耐久性を示した。
なお、発明例1〜6および従来例それぞれにおいて、廃品化した5本中、3本以上がサイドカットにより廃品化したものであった。また、発明例1〜6および従来例それぞれにおいて、サイドカットにより廃品化した全てのタイヤで、その故障状況は同様であった。
以上の実施例により、本発明に従う建設車両用タイヤによれば、サイドカットにより生じる亀裂の深さ方向への進展を抑制することができ、その結果、タイヤ寿命を向上することができることが確認された。
1,1’,1’’ 建設車両用タイヤ
2 ビード部
3 カーカス
3a カーカス本体部
3b カーカス折返し部
3c カーカス折返し端縁
4 サイドゴム層
5 トレッドゴム
6,6’,6’’ 保護ゴム層
6a,6a’,6a’’ 保護ゴム層のタイヤ径方向外側端縁
6b,6b’,6b’’ 保護ゴム層のタイヤ径方向内側端縁
P タイヤ最大幅位置

Claims (4)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格とし、該カーカスの幅方向外側にサイドゴム層を配置し、タイヤ径方向外側にトレッドゴムを配置したタイヤにおいて、
    該タイヤの最大幅位置を含む領域に、前記サイドゴム層の表面と前記カーカスとの間に、タイヤ径方向に延びる保護ゴム層をタイヤ幅方向に積層配置し、該保護ゴム層は、タイヤ径方向両端縁の少なくとも一方が、前記サイドゴム層の表面に近接または露出していることを特徴とする建設車両用タイヤ。
  2. 前記領域は、タイヤ最大幅位置を中心とする、タイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さの15%〜25%の範囲と、タイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの10%〜20%の範囲とに跨ることを特徴とする請求項1に記載の建設車両用タイヤ。
  3. 前記保護ゴム層のタイヤ径方向両端縁が前記サイドゴム層の表面に近接または露出していることを特徴とする請求項1または2に記載の建設車両用タイヤ。
  4. 前記保護ゴム層は、前記サイドゴム層と異なる色を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の建設車両用タイヤ。
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