JP6034654B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
本発明のタイヤは、1対のビード部および該ビード部のタイヤ径方向外側に延びる1対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間に跨るトレッド部とを有し、該サイドウォール部は、前記トレッド部を形成するトレッドゴムの両側端に連なるカバーゴムを、前記ビード部側から前記トレッド部側へ跨って配置されたサイドゴムのタイヤ幅方向外側に重ね合わせてなり、前記サイドゴムは、前記サイドウォール部の外表面に、タイヤ幅方向外側に突出するリムガードを具え、ビード部の上端付近からカーカスに沿って、カーカスのクラウン部の方向にゴム厚が漸減して延びる形状であり、前記サイドゴムとカバーゴムとの界面の、タイヤ幅方向最外側端縁をPOUT、同最内側端縁をPINとしたとき、タイヤ幅方向断面視で、前記POUTから前記ビード部のビードベースラインに下ろした垂線の長さhの、タイヤ断面高さSHに対する比h/SHが0.45以上0.53以下であり、同じくタイヤ幅方向断面視で、前記タイヤの外表面の、前記POUTにおける接線と、該POUTおよび前記PINを結ぶ線分との挟角αが35°〜40°であり、前記P IN と前記カバーゴムと前記トレッドゴムとの界面のタイヤ幅方向外側端縁とは一致すること、を特徴とする。
この構成によれば、サイドゴムとトレッドゴムとの界面の面積が増加するため、これらのゴム相互間におけるクラック耐性が向上する。また、ベルト端のセパレーションを抑制することができる。
この構成によれば、歪みが大きくなるカバーゴムの耐カット性能が向上して、タイヤの耐久性が高まる。
この構成によれば、カバーゴムとトレッドゴムとの界面における、クラックの発生を抑制することができる。
この構成によれば、カーカスの折り返し部の端部がベルト端部とカーカス本体とに挟み込まれて、カーカスの折り返し部に発生する歪みを低減できるため、かかるカーカス端部がサイドウォール部に配置される場合に比し、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
ここでいう、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO STANDARD MANUAL、米国ではTRA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リムをいう。
また、「所定空気圧」とは、上記のJATMA等に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧をいうものとし、「所定荷重」とは、最大負荷能力に相当する荷重をいうものとする。
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ10の半部の、タイヤ幅方向断面である。タイヤ10は、1対のビードコア1を有するビード部11および該ビード部11のタイヤ径方向外側に延びる1対のサイドウォール部12と、両サイドウォール部12間に跨るトレッド部13と、からなり、一方のビード部11からトレッド部13を通り他方のビード部11にわたって延びる少なくとも1層(図示では1層)のカーカスプライからなるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部の径方向外側に少なくとも1層(図示では2層)のベルト層からなる傾斜ベルト3を具え、トレッド部13を形成するトレッドゴム6の両端部に連なるカバーゴム7が、サイドウォール部12を形成するサイドゴム5のタイヤ幅方向外側に重ね合わされてなるタイヤである。
また、タイヤ10は、サイドウォール部12の外表面に、タイヤ幅方向外側に突出するリムガード15を具えているが、これを具えないタイヤであってもよい。さらに、タイヤ10のカーカス2は、ビードコア1にて折り返された部分がトレッド部13まで延びるエンベロープ構造であるが、ハイターンアップ構造やアップダウン構造等としてもよい。
上記POUTを比h/SHが0.53以下の領域に配置すれば、サイドウォール部外表面の引張り歪みが25%未満の領域にPOUTを配置することになり、サイドゴム5とカバーゴム7との界面に沿うクラックが発生し難くなる。ここで、クラックの発生について引張歪み25%を境界値とするのは、引張歪みが25%以上となるサイドウォール領域に上記の端縁POUTが配置されると、そこからクラックが発生する可能性が高まるからである。具体的には、過去の試験からの経験で引張歪み25%付近でクラックが発生しやすい経緯があったことから、引張歪み25%をクラック発生の目安としている。
従って、比h/SHを0.45以上0.53以下とすることが求められる。
この場合、上記の複合ゴム部材が、サイドゴム5となる未加硫ゴム部材を、タイヤ径方向外側から覆うように配置および加硫成型されることになり、かかるタイヤの成形方法によれば、タイヤの生産性が向上するからである。
このように、サイドゴム5は、ビード部11の上端付近からカーカス2に沿うようにして、ゴム厚を徐々に薄くしながら、該カーカス2のクラウン部に向かって延び、サイドゴム5のタイヤ幅方向内側端部5eが上記ベルトとタイヤ径方向に重複すること、が好ましい。
これは、タイヤに荷重を負荷した際のカバーゴム7には、サイドゴム5と同様に、トレッドゴム6に比し大きな引張歪みが生じるため、かかる部分に耐カット性のより優れたゴムを配置することによって、タイヤの耐久性が向上するからである。
当該構成によれば、荷重負荷時に、カバーゴム7に歪みが集中するのを抑制して、該カバーゴム7とトレッドゴム6との界面Qにおいてクラックが発生するのを抑制することができる。
この構成によれば、カーカス2の折り返し部の端部がベルト端部とカーカス2の本体とに挟み込まれて、カーカス2の折り返し部に発生する歪みを低減できるため、かかるカーカス2の端部がサイドウォール部12に配置される場合に比し、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
タイヤサイズが255/40R18、タイヤの偏平率が40%、の発明例タイヤ1〜7および比較例タイヤ1〜4を表1に示す仕様のもと試作し、サイドウォール部12の耐クラック性を評価するとともに該サイドウォール部のゴム厚を測定し、転がり抵抗性能を評価した。
なお、カバーゴム7の貯蔵弾性率(E′)とトレッドゴム6の貯蔵弾性率(E′)との大小関係については、貯蔵弾性率(E′)がカバーゴム7の方が高い場合を+、トレッドゴムの方が高い場合を−として示している。
また、界面Qの傾きについては、界面Qのタイヤ幅方向最外側端縁QOUTが、同最内側端縁QINよりもタイヤ径方向内側に位置する場合を+、その逆の場合を−として示している。
各供試タイヤをリム8J×18に組み付け、正規内圧を充填した後、車両に装着し、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:60km/h)を用いて、サイドウォール外表面にクラックが発生するまでの走行時間を測定し、表1に示した。なお、表1に示すのは、比較例1を100とする指数評価であり、値が大きいほど耐クラック性に優れていることを示している。
各供試タイヤをリム8J×18に組み付け正規内圧を充填した後、車両に装着し、直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機(速度:60km/h)を用いて、車軸の転がり抵抗力を求めた。この転がり抵抗の測定はISO18164に準拠し、スムースドラム、フォース式にて実施したものである。表1に示す結果は、従来例タイヤを100とする指数評価であり、値が小さいほど転がり抵抗性能に優れていることを示している。
4:周方向ベルト 4a、4b、4c:周方向ベルト層 5:サイドゴム 5e:サイドゴムのタイヤ幅方向内側端部 6:トレッドゴム 7:カバーゴム 10、20、40:タイヤ 11:ビード部 12:サイドウォール部 13:トレッド部 15:リムガード CL:タイヤ赤道 L:POUTとPINとを結ぶ線分 M:タイヤ外表面のPOUTにおける接線 P:サイドゴムとカバーゴムとの界面 PIN:界面Pのタイヤ幅方向最内側端縁 POUT:界面Pのタイヤ幅方向最外側端縁 Q:トレッドゴムとカバーゴムとの界面 QIN:界面Qのタイヤ幅方向最内側端縁 QOUT:界面Qのタイヤ幅方向最外側端縁 SH:タイヤ断面高さ h:POUTからビードベースに下ろした垂線 w:サイドゴムとベルトとの重複部分のタイヤ幅方向長さ α:接線Mと線分Lとの挟角
Claims (5)
- 1対のビード部および該ビード部のタイヤ径方向外側に延びる1対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間に跨るトレッド部とを有し、該サイドウォール部は、前記トレッド部を形成するトレッドゴムの両側端に連なるカバーゴムを、前記ビード部側から前記トレッド部側へ跨って配置されたサイドゴムのタイヤ幅方向外側に重ね合わせてなり、前記サイドゴムは、前記サイドウォール部の外表面に、タイヤ幅方向外側に突出するリムガードを具え、ビード部の上端付近からカーカスに沿って、カーカスのクラウン部の方向にゴム厚が漸減して延びる形状であり、
前記サイドゴムとカバーゴムとの界面の、タイヤ幅方向最外側端縁をPOUT、同最内側端縁をPINとしたとき、
タイヤ幅方向断面視で、前記POUTから前記ビード部のビードベースラインに下ろした垂線の長さhの、タイヤ断面高さSHに対する比h/SHが0.45以上0.53以下であり、
同じくタイヤ幅方向断面視で、前記タイヤの外表面の、前記POUTにおける接線と、該POUTおよび前記PINを結ぶ線分との挟角αが35°〜40°であり、 前記P IN と前記カバーゴムと前記トレッドゴムとの界面のタイヤ幅方向外側端縁とは一致すること、を特徴とするタイヤ。 - 前記トレッド部にベルトを有し、該ベルトと前記サイドゴムのタイヤ幅方向内側端部とがタイヤ径方向に重複する、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記カバーゴムの貯蔵弾性率が前記トレッドゴムの貯蔵弾性率よりも高い、請求項1または2に記載のタイヤ。
- 前記カバーゴムと前記トレッドゴムとの界面のタイヤ幅方向最外側端縁が、該界面のタイヤ幅方向最内側端縁よりもタイヤ径方向内側に位置する、請求項1から3に記載のタイヤ。
- 前記1対のビード部の間にトロイダル状に跨るカーカスを有し、前記カーカスは、前記ビード部においてタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返される折り返し部を有し、該折り返し部の少なくとも端部が前記ベルトとタイヤ径方向に重複する、請求項1から4に記載のタイヤ。
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