JP6555998B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般に、チューブレスタイヤでは、タイヤ内部に充填した空気等の気体の透過を防止してタイヤの内圧を保持するために、低ガス透過性の部材からなるインナーライナーがタイヤ内周面側に配設されている。
インナーライナーは、タイヤ接地時に、タイヤの変形に伴ってタイヤ周方向へ伸長変形することにより、タイヤ周方向の引張歪が内部に生じる。タイヤの負荷転動時には、このタイヤ周方向への伸長変形が繰り返されるため、タイヤ周方向の引張歪も繰り返し生じることとなる。特に、一般にセンター部よりもタイヤ径方向内側に位置するショルダー部近傍では、タイヤ周方向に大きく伸長変形するため、内部に生じる引張歪も大きくなり、インナーライナー内部にクラックやセパレーションが発生することがある。
特許文献1(特開2005−343379号公報)には、インナーライナー内部におけるクラックやセパレーションの発生を抑制するために、ショルダー部における厚さをタイヤクラウン部における厚さよりも厚くしたインナーライナーが開示されている。
特開2005−343379号公報
建設・鉱山車両、トラック及びバス等の重車両に使用する重荷重用の空気入りタイヤでは、タイヤ外径が例えば3m以上のものもあり、このように外径の大きな空気入りタイヤでは、タイヤの負荷転動時のタイヤ周方向への伸長変形も大きくなる。そのため、インナーライナー内部に生じるタイヤ周方向の引張歪も大きくなり、特許文献1のようにインナーライナーの厚さ寸法を大きくしただけでは、ショルダー部におけるインナーライナー内部でのクラックやセパレーションの発生を十分に抑制することができず、インナーライナー内部におけるクラックやセパレーションに起因して、ショルダー部にカーカスプライのセパレーションが発生する場合がある。
そのため、外径の大きな空気入りタイヤにおいても、ショルダー部におけるインナーライナー内部でのクラックやセパレーションの発生を抑制し、ひいてはカーカスプライのセパレーションを抑制可能な手法が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑み、ショルダー部におけるインナーライナーでのクラックやセパレーションの発生を抑制できる、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)本発明の空気入りタイヤは、1対のビードコアと、前記1対のビードコアの間に跨がりトロイダル形状を有する1以上のカーカス層からなるカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に位置する1以上のベルト層からなるベルトと、前記カーカスのタイヤ内面側に位置するインナーライナーと、を備える空気入りタイヤであって、適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視において、タイヤ外表面上における、タイヤ赤道面上の位置を点A、トレッド端の位置を点B、タイヤ赤道面からタイヤ外表面に沿って、タイヤ幅方向外側へタイヤ外表面に沿って測ったトレッド幅の3/8離れた位置を点C、タイヤ最大幅位置を点D、及び、トレッド端からタイヤ外表面に沿って、タイヤ径方向内側へ、タイヤ外表面に沿って測ったトレッド端からタイヤ最大幅位置までの距離の3/5離れた位置を点Eと定め、前記点Bからタイヤ内面に引いた仮想垂線をLB、前記点Cから前記タイヤ内面に引いた仮想垂線をLC、前記点Eから前記タイヤ内面に引いた仮想垂線をLEとし、タイヤ赤道面上における前記タイヤ内面と前記カーカスとの距離をd1としたときに、前記仮想垂線LCと前記仮想垂線LEとの間の領域CEにおいて、前記タイヤ内面と前記カーカスとの距離dが(d/d1)≦1.0の関係を満たす、ことを特徴とするものである。
本発明の空気入りタイヤによれば、ショルダー部におけるインナーライナー内部でのクラックやセパレーションの発生を抑制できるので、インナーライナー内部におけるクラックやセパレーションに起因するショルダー部のカーカスプライのセパレーションを抑制することができる。
ここで「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMAのJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTOのSTANDARDS MANUAL、米国ではTRAのYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。
「規定内圧」とは、適用サイズのタイヤにおける上記規格のタイヤの最大負荷能力に対応する内圧をいうものとする。
「トレッド端」とは、トレッド踏面のタイヤ幅方向最外位置を指す。
「トレッド踏面」とは、タイヤを、適用リムに組み付け、規定内圧を適用し最大負荷能力に対応する負荷を加えた状態で転動させた際に、路面と接触することとなる、タイヤの全周にわたる外表(周)面のことを言う。
また「タイヤ外表面に沿って測ったトレッド幅」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした基準状態における「トレッド端」間のタイヤ外表面に沿って測ったタイヤ幅方向の距離(ペリフェリ長さ)をいう。なお、トレッド部に溝や凹部等が形成されている場合には、これら溝や凹部が形成されていないと仮定した際の「トレッド端」間のタイヤ外表面に沿って測ったタイヤ幅方向の距離を指すものとする。
「タイヤ内面とカーカスとの距離」とは、タイヤ内面と、カーカスのカーカス層(カーカスプライ)を構成するプライコードの中心との距離のことを指し、カーカス層が複数ある場合、及び、カーカスが折り返し部を有する等により当該位置でカーカス層が複数枚となる場合には、タイヤ内面と、タイヤ内面に最も近いカーカス層のプライコードの中心との距離のことを指す。
(2)本発明の空気入りタイヤでは、前記仮想垂線LBと前記仮想垂線LCとの間の領域BCにおいて、前記タイヤ内面と前記カーカスとの距離dが(d/d1)≦0.9の関係を満たす、ことが好ましい。
このような構成のベルト層とすれば、より効果的にショルダー部のインナーライナー内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制することができる。
(3)本発明の空気入りタイヤでは、前記1以上のベルト層からなるベルトは、1組のベルト層からなりタイヤ径方向において前記カーカスの外側に位置する内側交錯ベルト群と、1組のベルト層からなりタイヤ径方向において前記内側交錯ベルト群よりも外側に位置する中間交錯ベルト群と、1組のベルト層からなりタイヤ径方向において前記中間交錯ベルト群よりも外側に位置する外側交錯ベルト群と、を含み、前記基準状態において、前記内側交錯ベルト群のタイヤ幅方向端が、前記中間交錯ベルト群のタイヤ幅方向端及び前記外側交錯ベルト群のタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している、ことが好ましい。
このような構成のベルトの場合には、ショルダー部に特に歪みが集中しやすいので、本発明の適用によりショルダー部のインナーライナー内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制することが、特に有効である。
(4)本発明の空気入りタイヤでは、前記カーカスは、前記1対のビードコア間に延びる本体部と、該本体部から前記ビードコアにてタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、前記基準状態において、前記仮想垂線LEよりもタイヤ径方向内側で終端する折り返し部と、を有する、ことが好ましい。
このような構成のカーカスの場合には、ショルダー部に特に歪みが集中しやすいので、本発明の適用によりショルダー部のインナーライナー内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制することが、特に有効である。
本発明によれば、ショルダー部におけるインナーライナーでのクラックやセパレーションの発生を抑制できる、空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの、タイヤ幅方向の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)のタイヤ幅方向の断面図である。図1においては、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤのタイヤ幅方向断面を示している。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ1は、1対のビードコア2と、1対のビードコア2の間に跨がり、トロイダル形状を有する1以上のカーカス層からなるカーカス3と、カーカス3のタイヤ径方向外側に位置する1以上のベルト層からなるベルト4と、カーカス3のタイヤ径方向内側に位置するインナーライナー5と、を備える。
図示例のタイヤにおいて、カーカス3は、1対のビードコア2間にトロイダル状に延在する本体部3aと、この本体部3aからビードコア2の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて折り返され、タイヤ径方向外方に巻上げられた折り返し部3bと、を含む少なくとも1枚(図示例では1枚)のカーカス層からなるが、本発明のタイヤにおいて、カーカス3のカーカス層の数及び構造は、これに限られるものではない。
カーカス3のカーカス層のプライのコードの材質は、特には限定しないが、例えばスチールコード等の金属繊維コード等を用いることができる。
本実施形態においては、図1に示すように、1以上のベルト層からなるベルト4は、1組のベルト層6a及び6bからなりタイヤ径方向においてカーカス3の外側に位置する内側交錯ベルト群6と、1組のベルト層7a及び7bからなりタイヤ径方向において内側交錯ベルト群6よりも外側に位置する中間交錯ベルト群7と、1組のベルト層8a及び8bからなりタイヤ径方向において中間交錯ベルト群7よりも外側に位置する外側交錯ベルト群8と、から構成されている。本実施形態では、図1に示すように、前述の基準状態において、内側交錯ベルト群6のタイヤ幅方向端は、中間交錯ベルト群7のタイヤ幅方向端及び外側交錯ベルト群8のタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している。即ち、図1に示すように、前述の基準状態において、内側交錯ベルト群6のベルト層6a及び6bのうち幅広のベルト層6bのタイヤ幅方向端は、中間交錯ベルト群7のベルト層7a及び7bのうち幅広のベルト層7bのタイヤ幅方向端及び外側交錯ベルト群8のベルト層8a及び8bのうち幅広のベルト層8bのタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している。特に本実施形態では、図1に示すように、内側交錯ベルト群6のベルト層6a及び6bのタイヤ幅方向端は、中間交錯ベルト群7のベルト層7a及び7bのタイヤ幅方向端及び外側交錯ベルト群8のベルト層8a及び8bのタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している。
さらに本実施形態では、中間交錯ベルト群7のタイヤ幅方向端は、外側交錯ベルト群8のタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している。即ち、図1に示すように、前述の基準状態において、中間交錯ベルト群7のベルト層7a及び7bのうち幅広のベルト層7bのタイヤ幅方向端は、外側交錯ベルト群8のベルト層8a及び8bのうち幅広のベルト層8bのタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している。特に本実施形態では、図1に示すように、中間交錯ベルト群7のベルト層7aのタイヤ幅方向端は、外側交錯ベルト群8のベルト層8a及び8bのタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置しており、中間交錯ベルト群7のベルト層7bのタイヤ幅方向端は、外側交錯ベルト群8のベルト層8aのタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向外側に位置している。
また、各交錯ベルト群においては、タイヤ径方向外側にあるベルト層6a、7a及び8aのタイヤ幅方向端は、タイヤ径方向内にあるベルト層6b、7b及び8bのタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している。
なお、本発明のタイヤにおいては、1以上のベルト層からなるベルト4を構成するベルト層の枚数及び構造はこれに限られるものではない。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなり、1組のベルト層6a及び6b、1組のベルト層7a及び7b、並びに、1組のベルト層8a及び8bは、各組内で2枚のベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面CLを挟んで交差するように積層されて内側交錯ベルト群6、中間交錯ベルト群7及び外側交錯ベルト群8をそれぞれ構成する。なお、1以上のベルト層からなるベルト4のタイヤ径方向外側で、例えば当該ベルト4のショルダー部のみを覆うように配置されたレイヤー層を備えていてもよい。また、1以上のベルト層からなるベルト4のタイヤ幅方向両端部のタイヤ径方向外側に、当該ベルト4の両端部のみを覆うレイヤー層が設けられていてもよい。ベルト4を構成する各ベルト層のコードの材質は、例えばスチールコードを用いることができる。
本実施形態では、インナーライナー5は、例えば接着剤により、タイヤを構成するゴムと貼り合わせて設けられている。本実施形態では、インナーライナー5は、タイヤを構成するゴムの内側の面に全面的に設けられている。そのため本実施形態では、タイヤ1の内面は、インナーライナー5の内側の面により実質的に構成されている。
インナーライナー5は、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ウレタン系重合体等の熱可塑性樹脂により形成することができる。
本実施形態の図1には示されていないが、トレッド部のタイヤ外表面であるトレッド踏面TSは、トレッド周方向に延びる周方向溝及び/又はトレッド周方向に対して傾斜して延びる幅方向溝や、前記周方向溝および幅方向溝より溝幅の小さい細溝等を有することができる。
本実施形態では、図1に示すように、タイヤ外表面上における、タイヤ赤道面CL上の位置を点A、トレッド端TEの位置を点B、タイヤ赤道面CLからタイヤ外表面に沿って、タイヤ幅方向外側へタイヤ外表面に沿って測ったトレッド幅の3/8離れた位置を点C(ペリフェリでAC:BC=3:1となる点を点C)、タイヤ最大幅位置を点D、及び、トレッド端TEからタイヤ外表面に沿って、タイヤ径方向内側へ、タイヤ外表面に沿って測ったトレッド端TEからタイヤ最大幅位置までの距離の3/5離れた位置を点E(ペリフェリでBE:ED=3:2となる点を点E)と定め、点Bからタイヤ内面に引いた仮想垂線をLB、点Cからタイヤ内面に引いた仮想垂線をLC、点Eからタイヤ内面に引いた仮想垂線をLEとし、タイヤ赤道面CL上におけるタイヤ内面とカーカス3との距離をd1としたときに、仮想垂線LCと仮想垂線LEとの間の領域CEにおいて、タイヤ内面とカーカス3との距離dが(d/d1)≦1.0の関係を満たす。なお、タイヤ内面とカーカス3との距離dは、仮想垂線LCと仮想垂線LEとの間の領域CE内において、(d/d1)≦1.0の関係を満たしていれば、変化していてもよい。例えば、タイヤ幅方向外側に向かうに従って、距離dが大きくなるように変化してもよい。なお、タイヤ製造時における製造容易性を考慮すると、仮想垂線LCと仮想垂線LEとの間の領域CEにおける、タイヤ内面とカーカス3との距離dは、0.7≦(d/d1)の関係を満たしていることが好ましい。
また本実施形態では、仮想垂線LBと仮想垂線LCとの間の領域BCにおいては、タイヤ内面とカーカス3との距離dが(d/d1)≦0.9の関係を満たす。なお、タイヤ内面とカーカス3との距離dは、仮想垂線LBと仮想垂線LCとの間の領域BC内において、(d/d1)≦0.9の関係を満たしていれば、変化していてもよい。例えば、タイヤ幅方向外側に向かうに従って、距離dが大きくなるように変化してもよい。
本実施形態では、図1に示すように、カーカス3の折り返し部3bは、仮想垂線LEよりもタイヤ径方向内側で終端している。本実施形態では特に、カーカス3の折り返し部3bは、点Dからタイヤ内面に引いた仮想垂線LDと仮想垂線LEとの間の領域DE内で終端している。
以下、本実施形態のタイヤの作用効果について、説明する。
本実施形態のタイヤによれば、タイヤ赤道面CL上におけるタイヤ内面とカーカス3との距離をd1としたときに、仮想垂線LCと仮想垂線LEとの間の領域CEにおいてタイヤ内面とカーカス3との距離dが(d/d1)≦1.0の関係を満たす。そのため本実施形態では、ショルダー部におけるタイヤ内面とタイヤ外周面との間隔、例えば、仮想垂線LB、LC及びLEに沿った間隔が狭くなるので、ショルダー部におけるインナーライナー5とタイヤ外周面との間隔もまた、例えば図1に破線で示す内面を有する従来のタイヤと比べて、小さくなる。よって本実施形態では、タイヤの負荷転動時のショルダー部におけるインナーライナー5のタイヤ周方向への伸長変形を小さくすることができるので、ショルダー部におけるインナーライナー5内部に生じるタイヤ周方向の引張歪が小さくなり、ショルダー部のインナーライナー5内部におけるクラックやセパレーションの発生を十分に抑制して、インナーライナー5内部におけるクラックやセパレーションに起因する、ショルダー部のカーカスプライのセパレーションを抑制することができる。
本発明にあっては、仮想垂線LBと仮想垂線LCとの間の領域BCにおいて、タイヤ内面とカーカス3との距離dが(d/d1)≦0.9の関係を満たす、ことが好ましい。
このような構成のベルト層とすれば、インナーライナー5の引張歪みが特に大きい領域BCにおけるショルダー部の歪みを抑制できるので、より効果的にショルダー部のインナーライナー内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制することができる。
本発明にあっては、図1の一実施形態に示すように、1以上のベルト層からなるベルト4は、1組のベルト層6a及び6bからなりタイヤ径方向においてカーカス3の外側に位置する内側交錯ベルト群6と、1組のベルト層7a及び7bからなりタイヤ径方向において内側交錯ベルト群6よりも外側に位置する中間交錯ベルト群7と、1組のベルト層8a及び8bからなりタイヤ径方向において中間交錯ベルト群7よりも外側に位置する外側交錯ベルト群8と、から構成され、図1に示すように、前述の基準状態において、内側交錯ベルト群6のタイヤ幅方向端は、中間交錯ベルト群7のタイヤ幅方向端及び外側交錯ベルト群8のタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している、ことが好ましい。
ベルト4がこのような構成の場合には、ショルダー部に特に歪みが集中しやすいので、本発明の適用によりショルダー部のインナーライナー5内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制することが、特に有効である。
本発明にあっては、図1の一実施形態に示すように、カーカス3は、1対のビードコア2間に延びる本体部3aと、この本体部3aからビードコア2にてタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、基準状態において、仮想垂線LEよりもタイヤ径方向内側で終端する折り返し部3bと、を有する、ことが好ましい。
カーカス3がこのような構成の場合には、インナーライナー5のショルダー部に特に歪みが集中しやすいので、本発明の適用によりショルダー部のインナーライナー5内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制することが、特に有効である。
上記説明においては、タイヤ幅方向の半部についてのみ仮想線等を示して説明したが、仮想線等を示していない半部についても、仮想線等を示した半部と同様の構成を有するものである。
本発明の効果を確かめるため、実施例1〜10にかかるタイヤと、比較例1にかかるタイヤとを試作し、タイヤの性能を評価する試験を行った。各タイヤの諸元は、以下の表1に示している。タイヤサイズはいずれも46/90R57である。そして、各タイヤをトレーシングしたFEMモデルを作成し、適用リムに装着後規定内圧を充填し、正規荷重を負荷したときの歪の計算を行って、ショルダー部の耐久性を確認した。なお、各タイヤは、図1に示すように、1対のビードコア2と、1対のビードコア2の間に跨がり、トロイダル形状を有する1以上のカーカス層からなるカーカス3と、カーカス3のタイヤ径方向外側に位置する1以上のベルト層からなるベルト4と、カーカス3のタイヤ径方向内側に位置するインナーライナー5とを備えるタイヤである。各タイヤは、表1に示す構成以外は、相互にまた図1と同様の構成を有する。
なお、評価結果は、比較例1のタイヤの評価結果を100とした場合の相対値で評価し、数値が小さい方が、歪みが少ないことを示す。
Figure 0006555998
表1に示すように、実施例1〜10にかかるタイヤは、比較例1にかかるタイヤと比較して、いずれも歪み量が低減しており、タイヤ耐久性が向上し、ショルダー部のインナーライナー内部に生じるクラックやセパレーションの発生を抑制して、インナーライナー内部におけるクラックやセパレーションに起因するショルダー部のカーカスプライのセパレーションを抑制できていることがわかる。
本発明は、建設・鉱山車両、トラック及びバス等の重車両に使用する重荷重用の空気入りタイヤに特に有効に適用でき、例えばタイヤ外径が3m以上の超大型タイヤに適用すると特に顕著な効果が得られるが、汎用のタイヤに適用することもできる。
1:タイヤ、 2:ビードコア、 3:カーカス、 3a:本体部、 3b:折り返し部、 4:ベルト、 5:インナーライナー、 6:内側交錯ベルト群、 6a、6b:ベルト層、 7:中間交錯ベルト群 7a、7b:ベルト層、 8:外側交錯ベルト群、 8a、8b:ベルト層、 CL:タイヤ赤道面、 TS:トレッド踏面、 TE:トレッド端、 A、B、C、D、E:点、 LB、LC、LE:仮想垂線、 AC、BC、BE、CE、DE:領域、

Claims (3)

  1. 1対のビードコアと、前記1対のビードコアの間に跨がりトロイダル形状を有する1以上のカーカス層からなるカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に位置する1以上のベルト層からなるベルトと、前記カーカスのタイヤ内面側に位置するインナーライナーと、を備える空気入りタイヤであって、
    適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視において、
    タイヤ外表面上における、タイヤ赤道面上の位置を点A、トレッド端の位置を点B、タイヤ赤道面からタイヤ外表面に沿って、タイヤ幅方向外側へタイヤ外表面に沿って測ったトレッド幅の3/8離れた位置を点C、タイヤ最大幅位置を点D、及び、トレッド端からタイヤ外表面に沿って、タイヤ径方向内側へ、タイヤ外表面に沿って測ったトレッド端からタイヤ最大幅位置までの距離の3/5離れた位置を点Eと定め、
    前記点Bからタイヤ内面に引いた仮想垂線をLB、前記点Cから前記タイヤ内面に引いた仮想垂線をLC、前記点Eから前記タイヤ内面に引いた仮想垂線をLEとし、
    タイヤ赤道面上における前記タイヤ内面と前記カーカスとの距離をd1としたときに、
    前記仮想垂線LCと前記仮想垂線LEとの間の領域CEにおいて、前記タイヤ内面と前記カーカスとの距離dが(d/d1)≦1.0の関係を満たし、
    前記1以上のベルト層からなるベルトは、1組のベルト層からなりタイヤ径方向において前記カーカスの外側に位置する内側交錯ベルト群と、1組のベルト層からなりタイヤ径方向において前記内側交錯ベルト群よりも外側に位置する中間交錯ベルト群と、1組のベルト層からなりタイヤ径方向において前記中間交錯ベルト群よりも外側に位置する外側交錯ベルト群と、を含み、
    前記基準状態において、前記内側交錯ベルト群のタイヤ幅方向端が、前記中間交錯ベルト群のタイヤ幅方向端及び前記外側交錯ベルト群のタイヤ幅方向端よりも、タイヤ幅方向内側に位置している、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記仮想垂線LBと前記仮想垂線LCとの間の領域BCにおいて、前記タイヤ内面と前記カーカスとの距離dが(d/d1)≦0.9の関係を満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスは、前記1対のビードコア間に延びる本体部と、該本体部から前記ビードコアにてタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、前記基準状態において、前記仮想垂線LEよりもタイヤ径方向内側で終端する折り返し部と、を有する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。

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