JP2015157591A - タイヤ - Google Patents
タイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015157591A JP2015157591A JP2014034261A JP2014034261A JP2015157591A JP 2015157591 A JP2015157591 A JP 2015157591A JP 2014034261 A JP2014034261 A JP 2014034261A JP 2014034261 A JP2014034261 A JP 2014034261A JP 2015157591 A JP2015157591 A JP 2015157591A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- carcass
- rubber
- radial direction
- folded end
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】生産性を維持しながらカーカス折返し端における耐セパレーション性を向上する。
【解決手段】タイヤ10は1対のビードコア13とカーカス層14とサイドウォールゴム17とゴムチェーファ19とを有する。カーカス層14は1対のビードコア13間に延在する。カーカス層14の側部部分をビードコア13の周りにタイヤ幅方向内側から外側に折返す。サイドウォールゴム17をタイヤ10のサイドウォール部11に配置する。ゴムチェーファ19をサイドウォールゴム17のタイヤ径方向内側に隣接して配置する。カーカス層14を折返したカーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置する。
【選択図】図1
【解決手段】タイヤ10は1対のビードコア13とカーカス層14とサイドウォールゴム17とゴムチェーファ19とを有する。カーカス層14は1対のビードコア13間に延在する。カーカス層14の側部部分をビードコア13の周りにタイヤ幅方向内側から外側に折返す。サイドウォールゴム17をタイヤ10のサイドウォール部11に配置する。ゴムチェーファ19をサイドウォールゴム17のタイヤ径方向内側に隣接して配置する。カーカス層14を折返したカーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤに関するものである。
カーカスのプライ端における耐セパレーション性を向上すべく、カーカスの側部をビードコアの周りにタイヤ幅方向の内側から外側に巻上げ、さらに巻上げた部位をタイヤ径方向内側に折返すことが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のタイヤは巻上げたカーカスをさらに折返すという工程を要するので、従来のタイヤに比べて工数が増え、生産性が低下する。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明は、生産性を維持しながら、カーカス層のカーカス折返し端における耐セパレーション性を向上させることができるタイヤを提供することを目的とする。
上述した諸課題を解決すべく、本発明のタイヤは、1対のビードコアと、前記1対のビードコア間に延在させて、側部部分を該ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に折返すカーカス層と、前記タイヤのサイドウォール部に配置されるサイドウォールゴムと、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向内側に隣接して配置されるゴムチェーファとを備え、前記カーカス層を折返したカーカス折返し端が、前記サイドウォールゴムおよび前記ゴムチェーファとの間に配置されてなることを特徴とする。本発明のタイヤによれば、従来のタイヤの製造に比べて工数を増やす必要が無く、生産性を維持可能であり、また、カーカス折返し端をサイドウォールゴムおよびゴムチェーファで挟むので耐セパレーション性を向上可能である。
また、本発明のタイヤでは、前記カーカス折返し端は、正規リムに装着した際の前記タイヤの前記正規リムからの離反点よりタイヤ径方向外側に位置することが好ましい。このような構成によれば、耐セパレーション性をさらに向上可能である。なお、「正規リムに装着した」とは、正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、荷重を加えない無負荷の状態を意味するものとし、本発明における各種形状は、特に断りのない限り、この状態でのものとする。また、「正規リム」とは、とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。「正規内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOKなどに記載されている、適用サイズ/プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧をいう。
また、本発明のタイヤでは、前記ビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラを備えない、または、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に、タイヤ径方向外側端が、前記正規リムからの離反点よりタイヤ径方向内側に位置するビードフィラを、さらに備えることが好ましい。このような構成によれば、重量の増加による転がり抵抗の増大を抑制可能である。
また、本発明のタイヤでは、前記カーカス折返し端が、タイヤ幅方向断面において、一部に前記カーカス層を介在させた前記サイドウォールゴムおよび前記ゴムチェーファの界面の、タイヤ幅方向外側端およびタイヤ幅径方向内側端のいずれからも2mm以上離間することが好ましい。このような構成によれば、カーカス折返し端と、サイドウォールゴムおよびゴムチェーファの端とが十分に離間することにより耐セパレーション性のさらに向上可能である。
また、本発明のタイヤでは、前記カーカス折返し端のタイヤ径方向高さが、タイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さの0.8倍以下であることが好ましい。このような構成によれば、重量を低減化し、転がり抵抗を向上可能である。ここで、タイヤ径方向高さとは、ビードヒールから測った高さを意味する。
また、本発明のタイヤでは、前記カーカス折返し端の位置における前記カーカス層の垂線方向のゴムチェーファの厚さは、前記カーカス折返し端の位置における前記カーカス層の垂線方向のサイドウォールゴムの厚さより大きいことが好ましい。このような構成によれば、セパレーションの発生時に当該セパレーションのタイヤ外側面までの進展を抑制可能である。
上記のように構成された本発明によれば、生産性を維持しながら、カーカス層のカーカス折返し端における耐セパレーション性を向上せせることができるタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るタイヤについて説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤの、正規リムRに組み付け、正規内圧を充填し、荷重を加えない無負荷の状態のタイヤの片側半部の、タイヤ幅方向部分断面図である。なお、図1においては、タイヤの他方の半部の図示を省略している。本発明における各種形状は、特に断りのない限り、この状態でのものとする。
図1に示すように、本実施形態の、タイヤ10は、1対のサイドウォール部11と、サイドウォール部11のタイヤ径方向内方に連なる1対のビード部12とを備えている。
また、タイヤ10は、1対のビード部12に配設される1対のビードコア13と、1対のビードコア13間に延在する、この例ではラジアル構造の少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層14を備えている。カーカス層14は複数枚のカーカスプライを重ね合わせたものであってもよい。カーカス層14は、その側部部分がビードコア13の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折返され、カーカス折返し端15まで延びる形状を有している。
サイドウォール部11では、カーカス層14における一対のビードコア13間に延在する部位であるカーカス本体部16の外面側に沿ってサイドウォールゴム17が配設されている。また、サイドウォールゴム17のタイヤ径方向内側に隣接してゴムチェーファ19が配設されている。カーカス層14を折返したカーカス折返し端15、すなわち、カーカス本体部16に連なってビードコア13の周りに折返されたカーカス折返し部18の端15は、タイヤ幅方向断面において、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置されている。
また、タイヤ10は、1対のビード部12に配設される1対のビードコア13と、1対のビードコア13間に延在する、この例ではラジアル構造の少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層14を備えている。カーカス層14は複数枚のカーカスプライを重ね合わせたものであってもよい。カーカス層14は、その側部部分がビードコア13の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折返され、カーカス折返し端15まで延びる形状を有している。
サイドウォール部11では、カーカス層14における一対のビードコア13間に延在する部位であるカーカス本体部16の外面側に沿ってサイドウォールゴム17が配設されている。また、サイドウォールゴム17のタイヤ径方向内側に隣接してゴムチェーファ19が配設されている。カーカス層14を折返したカーカス折返し端15、すなわち、カーカス本体部16に連なってビードコア13の周りに折返されたカーカス折返し部18の端15は、タイヤ幅方向断面において、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置されている。
このような構成により、以下に説明するように、生産性を維持しながらカーカス層14のカーカス折返し端15における耐セパレーション性を向上可能である。
カーカス本体部16と、カーカス折返し端15とが隣接している態様において、内圧印加時およびタイヤ変形時の、両者の逆方向の変位は、カーカス折返し端15におけるセパレーションを発生させる要因となり得る。そこで、上述の構成によれば、カーカス折返し端15を、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置するので、少なくとも、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の間に、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19のいずれか一方(図1ではサイドウォールゴム17)が介在される。それゆえ、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の両者それぞれを逆方向に変位させる力の隣接相手への伝播が緩和され、耐セパレーション性が向上され得る。
また、本実施形態では、従来のタイヤで用いられるサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に、カーカス折返し端15を配置する構成なので、カーカス層14の更なる折返し等の工程の増加、または、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の間への新たな部材の配置などが不要であり、従来のタイヤに比べて生産性を維持可能である。
カーカス本体部16と、カーカス折返し端15とが隣接している態様において、内圧印加時およびタイヤ変形時の、両者の逆方向の変位は、カーカス折返し端15におけるセパレーションを発生させる要因となり得る。そこで、上述の構成によれば、カーカス折返し端15を、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置するので、少なくとも、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の間に、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19のいずれか一方(図1ではサイドウォールゴム17)が介在される。それゆえ、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の両者それぞれを逆方向に変位させる力の隣接相手への伝播が緩和され、耐セパレーション性が向上され得る。
また、本実施形態では、従来のタイヤで用いられるサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に、カーカス折返し端15を配置する構成なので、カーカス層14の更なる折返し等の工程の増加、または、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の間への新たな部材の配置などが不要であり、従来のタイヤに比べて生産性を維持可能である。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15は、正規リムRに装着した際の、タイヤ10の正規リムRからの離反点SPよりも、タイヤ径方向外側に位置している。
このような構成によれば、カーカス折返し端15が離反点SPよりもタイヤ径方向内側に位置する構成と異なり、カーカス折返し端15へのリムRからの反力の影響が低減化されるので、耐セパレーション性をさらに向上可能である。
このような構成によれば、カーカス折返し端15が離反点SPよりもタイヤ径方向内側に位置する構成と異なり、カーカス折返し端15へのリムRからの反力の影響が低減化されるので、耐セパレーション性をさらに向上可能である。
さらに、本実施形態では、ビードコア13のタイヤ径方向外側において、カーカス本体部16およびカーカス折返し部18の間に、ビードフィラが設けられていない。なお、カーカスプライは、スチール、ポリエステル、ナイロンなどのコードにゴムを被覆することにより形成されており、カーカス本体部16およびカーカス折返し部18を構成するコードは、被覆ゴムを介して接着している。
耐セパレーション性の向上のために、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の間に、ビードフィラを配置させることも考えられる。しかし、このような構成では、ビードフィラが必須の構成要素であり、また、サイズの大きなビードフィラが必要であるため、タイヤの重量の増加を招き、それに伴い転がり抵抗が増大し得る。一方で、上述の構成によれば、タイヤ10の軽量化が可能であり、転がり抵抗の増大を抑制可能である。なお、ビードコア13のタイヤ径方向外側にビードフィラを設けてもよいが、転がり抵抗の増大の抑制のためには、ビードフィラのタイヤ径方向外側端が、正規リムRからの離反点SPよりタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。
耐セパレーション性の向上のために、カーカス本体部16およびカーカス折返し端15の間に、ビードフィラを配置させることも考えられる。しかし、このような構成では、ビードフィラが必須の構成要素であり、また、サイズの大きなビードフィラが必要であるため、タイヤの重量の増加を招き、それに伴い転がり抵抗が増大し得る。一方で、上述の構成によれば、タイヤ10の軽量化が可能であり、転がり抵抗の増大を抑制可能である。なお、ビードコア13のタイヤ径方向外側にビードフィラを設けてもよいが、転がり抵抗の増大の抑制のためには、ビードフィラのタイヤ径方向外側端が、正規リムRからの離反点SPよりタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15は、一部にカーカス層14(カーカス折返し部18)を介在させたサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の界面IFにおけるタイヤ幅方向外側端P1およびタイヤ幅方向内側端P2のいずれからも2mm以上離間している。
このような構成によれば、カーカス層14、サイドウォールゴム17、およびゴムチェーファ19の端部が十分に離間され、耐セパレーション性をさらに向上可能である。
このような構成によれば、カーカス層14、サイドウォールゴム17、およびゴムチェーファ19の端部が十分に離間され、耐セパレーション性をさらに向上可能である。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15のタイヤ径方向高さは、図2に示すとおり、タイヤ最大幅位置のタイヤ径方向の高さSWHの0.8倍以下である。
このような構成によれば、カーカス折返し部18を短縮することにより、タイヤ10の軽量化が図られ、転がり抵抗を向上可能である。
このような構成によれば、カーカス折返し部18を短縮することにより、タイヤ10の軽量化が図られ、転がり抵抗を向上可能である。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15の位置における、カーカス層14(カーカス折返し部18)の垂線方向のゴムチェーファ19の厚さ(図1の符号“GchGa”参照)は、カーカス折返し端15の位置における、カーカス層14(カーカス折返し部18)の垂線方向のサイドウォールゴム17の厚さ(符号“GswGa”参照)より大きい。
このような構成によれば、仮にセパレーションが発生した場合に、当該セパレーションのタイヤ外側面までの進展を抑制可能である。
このような構成によれば、仮にセパレーションが発生した場合に、当該セパレーションのタイヤ外側面までの進展を抑制可能である。
さらに、本実施形態では、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の界面IFおいて、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19は、互いに対して、タイヤ幅方向内側および外側に配置されている。
サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19が、互いに対して、タイヤ幅方向外側および内側に配置させた状態で、カーカス折返し端15を挟むためには、カーカス折返し部18をさらにタイヤ径方向内側に向かうように折返す必要がある。しかし、そのような構成のタイヤはさらなる折返しの工程が必要であるため生産性が低い。一方で、上述の構成によれば、当該工程が不要であり、生産性の低下を抑制可能である。
サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19が、互いに対して、タイヤ幅方向外側および内側に配置させた状態で、カーカス折返し端15を挟むためには、カーカス折返し部18をさらにタイヤ径方向内側に向かうように折返す必要がある。しかし、そのような構成のタイヤはさらなる折返しの工程が必要であるため生産性が低い。一方で、上述の構成によれば、当該工程が不要であり、生産性の低下を抑制可能である。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15のタイヤ径方向高さは、図2に示すとおり、タイヤ最大幅位置におけるタイヤ径方向の高さSWHの0.2倍以上である。
カーカス折返し端15の位置をタイヤ径方向内側に近付けるほど、耐セパレーション性は低下する。一方で、上述の構成によれば、カーカス折返し端15のタイヤ径方向高さを下限値以上に形成するので、要求される耐セパレーション性を確保可能である。
カーカス折返し端15の位置をタイヤ径方向内側に近付けるほど、耐セパレーション性は低下する。一方で、上述の構成によれば、カーカス折返し端15のタイヤ径方向高さを下限値以上に形成するので、要求される耐セパレーション性を確保可能である。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15の位置における、カーカス層14(カーカス折返し部18)の垂線方向のサイドウォールゴム17の厚さGswGaは、0.1mm以上、タイヤ最大幅位置におけるカーカス層14(カーカス折返し部18)の垂線方向のサイドウォールゴム17の厚さの1/2以下である。
本実施形態における、サイドウォールゴム17の厚さが上記下限値以上であれば、製造が容易である。また、サイドウォールゴム17の厚さ上記上限値以下であれば、必要以上にサイドウォールゴム17を厚くすることによる、タイヤの重量の増加およびそれに伴う転がり抵抗の増大を抑制可能である。
本実施形態における、サイドウォールゴム17の厚さが上記下限値以上であれば、製造が容易である。また、サイドウォールゴム17の厚さ上記上限値以下であれば、必要以上にサイドウォールゴム17を厚くすることによる、タイヤの重量の増加およびそれに伴う転がり抵抗の増大を抑制可能である。
さらに、本実施形態では、カーカス折返し端15の位置における、カーカス層14(カーカス折返し部18)の垂線方向のゴムチェーファ19の厚さGchGaは、1mm以上、タイヤ幅方向のゴムチェーファ19の最大厚さ以下である。
本実施形態における、カーカス折返し端15の位置におけるゴムチェーファ19の厚さが上記下限値以上であれば、ビード部12に要求される剛性を確保可能である。また、ゴムチェーファ19の厚さが上記上限値以上であれば、不必要にゴムチェーファ19を厚くすることによる、タイヤの重量の増加およびそれに伴う転がり抵抗の増大を抑制可能である。
本実施形態における、カーカス折返し端15の位置におけるゴムチェーファ19の厚さが上記下限値以上であれば、ビード部12に要求される剛性を確保可能である。また、ゴムチェーファ19の厚さが上記上限値以上であれば、不必要にゴムチェーファ19を厚くすることによる、タイヤの重量の増加およびそれに伴う転がり抵抗の増大を抑制可能である。
さらに、本実施形態では、一部にカーカス層14(カーカス折返し部18)を介在させたサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の界面IFにおけるタイヤ幅方向外側端P1およびタイヤ幅方向内側端Pを結ぶ直線のタイヤ径方向に対してなす角は、30°以上60°以下であることが好ましい。
次に本発明に従うタイヤを試作して、耐セパレーション性に関する性能評価を行ったので、以下で説明する。
タイヤサイズが195/50R16でカーカス折返し端およびカーカス本体部の間にサイドウォールゴムを介在させずに接触させ、カーカス折返し部のタイヤ幅方向外側にサイドウォールゴムおよびゴムチェーファを積層配置させ、カーカス折返し端をタイヤの正規リムからの離反点よりタイヤ径方向内側である、ビードコアのタイヤ径方向外側付近に配置させ、タイヤ径方向外側端が離反点よりタイヤ径方向外側に5mm離間する位置に配置されるビードフィラを備えた比較例のタイヤを試作した。
また、タイヤサイズが195/50R16で、カーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置させ、カーカス折返し端15をタイヤの正規リムRからの離反点SPよりタイヤ径方向内側である、ビードコア13のタイヤ径方向外側付近に配置させ、タイヤ径方向外側端が離反点SPよりタイヤ径方向外側に5mm離間する位置に配置されるビードフィラを備えた実施例1のタイヤを試作した。
また、タイヤサイズが195/50R16で、カーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置させ、カーカス折返し端15を離反点SPよりタイヤ径方向外側である、タイヤ最大幅位置におけるタイヤ径方向の高さSWHの0.25倍の距離だけビードヒールから離間したタイヤ径方向高さに配置させ、タイヤ径方向外側端が正規リムRの離反点SPよりタイヤ径方向外側に5mm離間する位置に配置されるビードフィラを備えた実施例2のタイヤを試作した。
また、タイヤサイズが195/50R16で、カーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置させ、カーカス折返し端15をタイヤの正規リムRからの離反点SPよりタイヤ径方向内側である、ビードコア13のタイヤ径方向外側付近に配置させ、ビードフィラを用いなかった実施例3のタイヤを試作した。
比較例のタイヤおよび実施例1から3のタイヤにつき、以下の方法で耐セパレーション性および転がり抵抗を評価した。
タイヤサイズが195/50R16でカーカス折返し端およびカーカス本体部の間にサイドウォールゴムを介在させずに接触させ、カーカス折返し部のタイヤ幅方向外側にサイドウォールゴムおよびゴムチェーファを積層配置させ、カーカス折返し端をタイヤの正規リムからの離反点よりタイヤ径方向内側である、ビードコアのタイヤ径方向外側付近に配置させ、タイヤ径方向外側端が離反点よりタイヤ径方向外側に5mm離間する位置に配置されるビードフィラを備えた比較例のタイヤを試作した。
また、タイヤサイズが195/50R16で、カーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置させ、カーカス折返し端15をタイヤの正規リムRからの離反点SPよりタイヤ径方向内側である、ビードコア13のタイヤ径方向外側付近に配置させ、タイヤ径方向外側端が離反点SPよりタイヤ径方向外側に5mm離間する位置に配置されるビードフィラを備えた実施例1のタイヤを試作した。
また、タイヤサイズが195/50R16で、カーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置させ、カーカス折返し端15を離反点SPよりタイヤ径方向外側である、タイヤ最大幅位置におけるタイヤ径方向の高さSWHの0.25倍の距離だけビードヒールから離間したタイヤ径方向高さに配置させ、タイヤ径方向外側端が正規リムRの離反点SPよりタイヤ径方向外側に5mm離間する位置に配置されるビードフィラを備えた実施例2のタイヤを試作した。
また、タイヤサイズが195/50R16で、カーカス折返し端15をサイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置させ、カーカス折返し端15をタイヤの正規リムRからの離反点SPよりタイヤ径方向内側である、ビードコア13のタイヤ径方向外側付近に配置させ、ビードフィラを用いなかった実施例3のタイヤを試作した。
比較例のタイヤおよび実施例1から3のタイヤにつき、以下の方法で耐セパレーション性および転がり抵抗を評価した。
<耐セパレーション性評価試験>
比較例および実施例1から3のタイヤを、正規リムに組み、内圧を875kPaに調整した後、JATMAに規定の最大負荷能力(規定荷重)に対応する負荷荷重(3395kgf)を初期荷重とし、速度を60km/hとした条件下でドラム試験を行い、カーカスプライにセパレーションが発生して振動が大きくなり、試験の中断を余儀なくされるまでのドラム走行距離を測定することにより行った。このようにして得られた測定距離を、比較例のタイヤの走行距離を100とした時の指数として、表1に結果を示した。なお、値が大きいほど、耐セパレーション性に優れていることを表す。
比較例および実施例1から3のタイヤを、正規リムに組み、内圧を875kPaに調整した後、JATMAに規定の最大負荷能力(規定荷重)に対応する負荷荷重(3395kgf)を初期荷重とし、速度を60km/hとした条件下でドラム試験を行い、カーカスプライにセパレーションが発生して振動が大きくなり、試験の中断を余儀なくされるまでのドラム走行距離を測定することにより行った。このようにして得られた測定距離を、比較例のタイヤの走行距離を100とした時の指数として、表1に結果を示した。なお、値が大きいほど、耐セパレーション性に優れていることを表す。
<転がり抵抗評価試験>
比較例および実施例1から3のタイヤを、正規リムに組み、車両に装着し、走行試験用ドラム上で、当該ドラムを100km/hの速度で回転させて転がり抵抗を測定し、転がり抵抗係数(RRC)を算出した。結果を表1に示した。なお、結果は、比較例の転がり抵抗係数の逆数を指数化したものである。数値が高いほど、転がり抵抗が良好であることを示す。
比較例および実施例1から3のタイヤを、正規リムに組み、車両に装着し、走行試験用ドラム上で、当該ドラムを100km/hの速度で回転させて転がり抵抗を測定し、転がり抵抗係数(RRC)を算出した。結果を表1に示した。なお、結果は、比較例の転がり抵抗係数の逆数を指数化したものである。数値が高いほど、転がり抵抗が良好であることを示す。
<耐セパレーション性評価結果>
表1に示すように、実施例1から3は、比較例に比べて、耐セパレーション性が高い。したがって、カーカス折返し端15を、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置することにより、耐セパレーション性を向上可能であることが分かる。
また、実施例2は、実施例1に比べて、耐セパレーション性が高い。したがって、カーカス折返し端15をタイヤ10の正規リムRからの離反点SPよりも、タイヤ径方向外側に位置させることにより、耐セパレーション性をさらに向上可能であることが分かる。
表1に示すように、実施例1から3は、比較例に比べて、耐セパレーション性が高い。したがって、カーカス折返し端15を、サイドウォールゴム17およびゴムチェーファ19の間に配置することにより、耐セパレーション性を向上可能であることが分かる。
また、実施例2は、実施例1に比べて、耐セパレーション性が高い。したがって、カーカス折返し端15をタイヤ10の正規リムRからの離反点SPよりも、タイヤ径方向外側に位置させることにより、耐セパレーション性をさらに向上可能であることが分かる。
<転がり抵抗評価結果>
表1に示すように、実施例3は、実施例1に比べて、転がり抵抗性能が良好である。したがって、少なくともビードフィラを用いなければ、転がり抵抗性能が向上することが分かる。
表1に示すように、実施例3は、実施例1に比べて、転がり抵抗性能が良好である。したがって、少なくともビードフィラを用いなければ、転がり抵抗性能が向上することが分かる。
10 タイヤ
11 サイドウォール部
12 ビード部
13 ビードコア
14 カーカス層
15 カーカス折返し端
16 カーカス本体部
17 サイドウォールゴム
18 カーカス折返し部
19 ゴムチェーファ
IF 界面
P1、P2 積層領域におけるタイヤ幅方向およびタイヤ径方向の少なくとも一方の両端P1、P2
R 正規リム
SP 離反点
11 サイドウォール部
12 ビード部
13 ビードコア
14 カーカス層
15 カーカス折返し端
16 カーカス本体部
17 サイドウォールゴム
18 カーカス折返し部
19 ゴムチェーファ
IF 界面
P1、P2 積層領域におけるタイヤ幅方向およびタイヤ径方向の少なくとも一方の両端P1、P2
R 正規リム
SP 離反点
Claims (6)
- 1対のビードコアと、前記1対のビードコア間に延在させて、側部部分を該ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に折返すカーカス層と、前記タイヤのサイドウォール部に配置されるサイドウォールゴムと、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向内側に隣接して配置されるゴムチェーファとを備え、
前記カーカス層を折返したカーカス折返し端が、前記サイドウォールゴムおよび前記ゴムチェーファの間に配置されてなる、ことを特徴とするタイヤ。 - 前記カーカス折返し端は、正規リムに装着した際の前記タイヤの前記正規リムからの離反点よりタイヤ径方向外側に位置する、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記ビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラを備えない、または、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に、タイヤ径方向外側端が、前記正規リムからの離反点よりタイヤ径方向内側に位置するビードフィラを、さらに備える、請求項2に記載のタイヤ。
- 前記カーカス折返し端が、タイヤ幅方向断面において、一部に前記カーカス層を介在させた前記サイドウォールゴムおよび前記ゴムチェーファの界面の、タイヤ幅方向外側端およびタイヤ幅方向内側端のいずれからも2mm以上離間する、請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記カーカス折返し端の高さが、タイヤ最大幅位置のタイヤ径方向の高さの0.8倍以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記カーカス折返し端の位置における前記カーカス層の垂線方向の前記ゴムチェーファの厚さは、前記カーカス折返し端の位置における前記カーカス層の垂線方向のサイドウォールゴムの厚さより大きい、請求項1から5のいずれか1項に記載のタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014034261A JP2015157591A (ja) | 2014-02-25 | 2014-02-25 | タイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014034261A JP2015157591A (ja) | 2014-02-25 | 2014-02-25 | タイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015157591A true JP2015157591A (ja) | 2015-09-03 |
Family
ID=54181969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014034261A Pending JP2015157591A (ja) | 2014-02-25 | 2014-02-25 | タイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015157591A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101863457B1 (ko) * | 2016-11-16 | 2018-05-31 | 금호타이어 주식회사 | 사이드월부가 보강된 공기입 타이어 |
WO2020067351A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP2020192835A (ja) * | 2019-05-24 | 2020-12-03 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
2014
- 2014-02-25 JP JP2014034261A patent/JP2015157591A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101863457B1 (ko) * | 2016-11-16 | 2018-05-31 | 금호타이어 주식회사 | 사이드월부가 보강된 공기입 타이어 |
WO2020067351A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP2020055338A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-09 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP7190309B2 (ja) | 2018-09-28 | 2022-12-15 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP2020192835A (ja) * | 2019-05-24 | 2020-12-03 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP7238599B2 (ja) | 2019-05-24 | 2023-03-14 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5702421B2 (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
JP2013224054A (ja) | ランフラットタイヤ | |
JP5961200B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2015145177A (ja) | ランフラットラジアルタイヤ | |
JP2015145176A (ja) | ランフラットラジアルタイヤ | |
JP4706676B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP6454181B2 (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ及びその製造方法 | |
JP2015157591A (ja) | タイヤ | |
JP6347979B2 (ja) | サイド補強型ランフラットラジアルタイヤ | |
JP2006188147A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2015157524A (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
JP6480698B2 (ja) | ランフラットタイヤ | |
JP2014144651A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2012066798A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6555998B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6308616B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
WO2016051685A1 (ja) | 重荷重用空気入りタイヤ | |
JP6077837B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2012040892A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5124175B2 (ja) | 空気入りランフラットタイヤ | |
JP6517612B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2016043886A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5902394B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2018083457A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6150706B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ |