JP7238599B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
近年では、車両の走行時における燃費性能を向上させることを目的として、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減させたり、空気入りタイヤを軽量化したりする要求が高まっている。このため、従来の空気入りタイヤの中には、転がり抵抗を低減させたり軽量化したりするための工夫を図っているものがある。例えば、特許文献1に記載された空気入りラジアルタイヤでは、トレッドゴムのtanδを所定の範囲内にし、トレッド部やサイドウォール部のゴム厚みを所定の範囲内にすると共に、トレッド接地端からビード部側へ向けた所定の範囲のゴム厚みをトレッド部のゴム厚みよりも薄く規定している。また、特許文献2に記載された空気入りタイヤでは、タイヤ最大幅位置のカーカスのタイヤ幅方向外側にカーカスプライ補強層を配置し、カーカスプライ補強層の幅と、カーカスプライ補強層に埋設されている補強素子の角度を規定している。また、特許文献3に記載された空気入りタイヤでは、ビードフィラーの高さを規定している。特許文献1~3では、これらの規定を行うことにより、転がり抵抗の低減を図っている。
また、軽量化を実現するための1つの手法として、ビード部の軽量化が提案されている。ビード部の軽量化を図る従来の空気入りタイヤとして、特許文献4~6に記載されている技術が知られている。特許文献4~6では、ビードフィラーを省略することにより、空気入りタイヤの軽量化を図っている。
特許第3151035号公報 特開2011-79469号公報 特開2011-98597号公報 特開平9-109625号公報 特開2008-149778号公報 特開2015-20741号公報
転がり抵抗については、特許文献1~3のように空気入りタイヤの構造を工夫することによって転がり抵抗の低減を図ることができる他に、空気入りタイヤに充填する空気を高圧化することによっても、転がり抵抗の低減を図ることができる。しかし、空気圧を高圧化した場合、タイヤ径方向の弾力性である、いわゆる縦バネが増大し、車両の走行時における乗心地が悪化する虞がある。このため、車両の走行時における乗心地を悪化させることなく、転がり抵抗を低減するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、乗心地の悪化を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状に形成され、トレッドゴムを有するトレッド部と、前記トレッド部の両側に配設される一対のサイドウォール部と、一対の前記サイドウォール部のそれぞれのタイヤ径方向内側に配設される一対のビード部と、前記ビード部に配設されるビードコアと、一対の前記ビード部間に架け渡されるカーカス層と、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面に配設されるインナーライナーと、を備え、前記カーカス層は、一対の前記ビード部間に架け渡されるカーカス本体部と、前記カーカス本体部から連続して形成され前記ビードコアの周縁に沿ってタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向における外側端部の位置から前記カーカス本体部に接触しながら前記サイドウォール部側に向かって延在するターンナップ部と、を有し、前記サイドウォール部に位置する前記カーカス層と前記インナーライナーとの間には、タイゴムが配設され、前記カーカス層は、タイヤ断面高さのタイヤ径方向内側の基準位置から、前記ターンナップ部のタイヤ径方向外側の端部であるターンナップエッジ部までのタイヤ径方向における高さが、前記タイヤ断面高さの10%以上50%以下の範囲内であり、前記タイゴムは、タイヤ径方向内側の端部であるタイゴム端末部が前記ターンナップエッジ部よりもタイヤ径方向外側に位置し、且つ、前記基準位置からの前記タイゴム端末部のタイヤ径方向における高さが、前記タイヤ断面高さの11%以上60%以下の範囲内であり、前記ターンナップエッジ部と前記タイゴム端末部との距離は、前記タイヤ断面高さの1%以上30%以下の範囲内であることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午断面における前記トレッド部のトレッドラジアスが、600mm以上1700mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、接地幅が、タイヤ最大幅の60%以上90%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記基準位置からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向における高さが、前記タイヤ断面高さに対して50%以上60%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記サイドウォール部は、タイヤ最大幅位置における前記カーカス層のタイヤ幅方向外側に位置するサイドゴムの厚さが、1mm以上4mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッドゴムは、センター位置における厚さGcと、ショルダー位置における厚さGsとが、Gc≧Gsの関係を満たし、且つ、前記センター位置における厚さGcと前記ショルダー位置における厚さGsとが、それぞれ前記タイヤ断面高さの2%以上10%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、乗心地の悪化を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1に示すサイドウォール部及びビード部の詳細図である。 図3は、図2に示すビード部の詳細図である。 図4は、図3に示すビードコアの詳細図である。 図5は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、ビードワイヤが6層で積層される場合の説明図である。 図6は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、ビードワイヤが5層で積層される場合の変形例についての説明図である。 図7は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、ビードワイヤが6層で積層される場合の変形例についての説明図である。 図8Aは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。 図8Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸であるタイヤ回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。また、以下の説明では、タイヤ子午断面とは、タイヤ回転軸を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ子午断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にタイヤ周方向に延在して環状に形成されるトレッド部2が配設されており、トレッド部2は、ゴム組成物から成るトレッドゴム4を有している。また、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、接地面3として形成され、接地面3は、空気入りタイヤ1の輪郭の一部を構成している。トレッド部2には、接地面3にタイヤ周方向に延びる周方向溝25と、タイヤ幅方向に延びるラグ溝(図示省略)とがそれぞれ複数形成されており、これらの周方向溝25とラグ溝とにより、トレッド部2の表面には複数の陸部20が画成されている。
なお、周方向溝25は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよく、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に振幅する波形状やジグザグ状に設けられてもよい。ラグ溝も、タイヤ幅方向に直線状に延在してもよく、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜したり、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に湾曲したり屈曲したりして形成されていてもよい。
また、トレッド部2が有するトレッドゴム4は、接地面3を形成するキャップゴム4aと、キャップゴム4aのタイヤ径方向内側に位置するベースゴム4bとを有している。即ち、トレッド部2は、キャップゴム4aとベースゴム4bとがタイヤ径方向に積層されることにより構成されている。これらのキャップゴム4aとベースゴム4bは、60℃でのtanδが0.3以下である。
なお、ここでいうtanδは、JIS-K6394に準拠して、粘弾性スペクロトメーター(東洋精機製作所製)を用い、周波数20Hz、初期歪み10%、動歪み±2%、温度60℃の条件にて測定されるものである。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両外側端にはショルダー部5が位置しており、ショルダー部5のタイヤ径方向内側には、一対のサイドウォール部8が配設されている。即ち、一対のサイドウォール部8は、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配設されており、換言すると、サイドウォール部8は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されている。このように形成されるサイドウォール部8は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出する部分になっており、ゴム材料であるサイドゴム9を有している。
一対のサイドウォール部8のそれぞれのタイヤ径方向内側には、ビード部30が配設されている。ビード部30は、サイドウォール部8と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されており、即ち、ビード部30は、一対がタイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側に配設されている。また、各ビード部30には、それぞれビードコア31が配設されている。
また、トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層14が設けられている。ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とが積層されている。一対の交差ベルト141、142は、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルト角度が、所定の範囲内(例えば、20°以上55°以下)になっている。また、一対の交差ベルト141、142は、ベルト角度が互いに異なっている。このため、一対の交差ベルト141、142は、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成されている。
ベルトカバー143は、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成るベルトカバーコードをコートゴムで被覆して構成され、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルト角度が、所定の範囲内(例えば、0°以上10°以下)になっている。本実施形態では、ベルトカバー143は、一対の交差ベルト141、142全体を覆って配設されている。また、一対のベルトカバー143は、例えば、1本或いは複数本のベルトカバーコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。また、ベルトカバー143は、これ以外の構成でもあってもよい。ベルトカバー143は、例えば、一対の交差ベルト141、142のタイヤ幅方向端部付近のみに配設されていてもよく、または、交差ベルト141、142全体を覆うベルトカバー143と、交差ベルト141、142のタイヤ幅方向端部付近のみに配設されるベルトカバー143とが積層されていてもよい。
ベルト層14のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部8のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス層10が連続して設けられている。このため、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、いわゆるラジアルタイヤとして構成されている。カーカス層10は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設される一対のビード部30間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。
詳しくは、カーカス層10は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部30のうち、一方のビード部30から他方のビード部30にかけて配設されており、カーカス層10の両端部付近は、ビードコア31を包み込むようにビード部30でビードコア31に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。このため、カーカス層10は、一対のビード部30間に架け渡されるカーカス本体部11と、ビード部30においてビードコア31の周縁に沿って屈曲しながら折り返されてビードコア31のタイヤ径方向における外側端部32の位置からカーカス本体部11に接触しながらサイドウォール部8側に向かって延在するターンナップ部12とからなる。このうち、ターンナップ部12は、カーカス本体部11から連続して形成され、ビード部30におけるビードコア31が配設されている位置で、ビードコア31の周縁に沿ってタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側にかけて折り返されている。
また、ベルト層14は、このように一対のビード部30間に架け渡されるカーカス層10における、トレッド部2に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されている。また、カーカス層10のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードを、コートゴムで被覆して圧延加工することによって構成されている。カーカスプライを構成するカーカスコードは、タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義されるカーカス角度が、80°以上90°以下の範囲内となって配設され、複数が並設されている。
ビード部30における、ビードコア31及びカーカス層10のターンナップ部12のタイヤ径方向内側やタイヤ幅方向外側には、リムフランジに対するビード部30の接触面を構成するリムクッションゴム17が配設されている。
また、カーカス層10の内側、或いは、当該カーカス層10の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナー16がカーカス層10に沿って配設されている。インナーライナー16は、タイヤ内面18に配設されてカーカス層10を覆う空気透過防止層であり、カーカス層10の露出による酸化を抑制し、また、タイヤに充填された空気の洩れを防止する。また、インナーライナー16は、ブチルゴムを主成分とするゴム組成物によって構成される。ブチルゴムを主成分とするゴム組成物としては、例えば、ブチルゴム(IIR)、ブチル系ゴムなどが採用され得る。ブチル系ゴムは、例えば、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)などのハロゲン化ブチルゴムであることが好ましい。
さらに、カーカス層10とインナーライナー16との間には、タイゴム40が配設されている。カーカス層10とインナーライナー16との間に配設されるタイゴム40は、タイヤ製造時に未加硫の空気入りタイヤ1をインフレートする際にカーカスコードがインナーライナー16に喰い込むことを抑制するための層であり、製造後の空気入りタイヤ1においては、空気透過防止性や乾燥路面における操縦安定性に寄与するものである。タイゴム40は、少なくともサイドウォール部8に位置するカーカス層10とインナーライナー16との間に配設されており、本実施形態では、タイゴム40は、トレッド部2を経てタイヤ幅方向両側のサイドウォール部8同士の間に亘って配設されている。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ子午断面におけるトレッド部2のトレッドラジアスTRが、600mm以上1700mm以下の範囲内になっており、タイヤ外径と比較した場合、トレッドラジアスTRは、タイヤ外径の100%以上140%以下の範囲内になっている。即ち、トレッド部2は、接地面3の基準となるプロファイルが、比較的フラットな形状で形成されている。なお、この場合におけるトレッドラジアスTRは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で、タイヤ子午断面に沿った方向におけるトレッド部2の接地面3の半径をラジアス定規によって測定した値になっている。
ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、トレッドラジアスTRは、800mm以上1500mm以下の範囲内であるのが好ましく、タイヤ外径と比較した場合は、タイヤ外径の110%以上130%以下の範囲内であるのが好ましい。
また、トレッド部2は、接地幅TWが、タイヤ最大幅SWの60%以上90%以下の範囲内になっている。ここでいう接地幅TWは、接地面3の接地端T同士のタイヤ幅方向における間隔である。接地端Tは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填し、静止状態にて平板に対して垂直に置かれて正規荷重に相当する荷重を加えられたときの、接地面3における平板に接触する領域のタイヤ幅方向の両最外端をいい、タイヤ周方向に連続する。ここでいう正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、ここでいうタイヤ最大幅SWは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、空気入りタイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、サイドウォール部8の外側の表面から突出する構造物を除いたタイヤ幅方向における寸法が最大となる位置でのタイヤ幅方向における幅になっている。また、接地幅TWは、タイヤ最大幅SWの70%以上80%以下の範囲内であるのが好ましい。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向内側の基準位置からタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWが、タイヤ断面高さSHに対して50%以上60%以下の範囲内になっている。ここでいうタイヤ断面高さSHは、トレッド部2における最もタイヤ径方向外側に位置している部分と、リム径基準位置BLとのタイヤ径方向における距離になっている。つまり、タイヤ断面高さSHは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、空気入りタイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ外径とリム径との差の1/2をいう。このため、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向内側の基準位置は、リム径基準位置BLになっており、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向内側の基準位置からタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWは、リム径基準位置BLからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における距離になっている。また、タイヤ最大幅位置Wは、タイヤ最大幅SWとなる位置のタイヤ径方向における位置である。
なお、リム径基準位置BLからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWは、タイヤ断面高さSHに対して52%以上56%以下の範囲内であるのが好ましい。
また、トレッド部2が有するトレッドゴム4は、センター位置における厚さGcと、ショルダー位置における厚さGsとが、Gc≧Gsの関係を満たしている。ここでいうセンター位置における厚さGcとショルダー位置における厚さGsとは、積層されるキャップゴム4aとベースゴム4bとを合わせた厚さになっている。
トレッドゴム4のこれらの厚さのうち、センター位置における厚さGcは、タイヤ赤道面CL上で接地面3の法線方向に測定されるトレッドゴム4の厚さになっている。即ち、本実施形態では、センター位置におけるトレッドゴム4の厚さGcは、接地面3とタイヤ赤道面CLとの交点を通る接地面3の法線方向における、ベルトカバー143の接地面3側の面と接地面3との距離になっている。また、ショルダー位置における厚さGsは、接地面3と接地端Tとの交点を通る接地面3の法線方向に測定されるトレッドゴム4の厚さになっている。即ち、本実施形態では、ショルダー位置におけるトレッドゴム4の厚さGSは、接地面3と接地端Tとの交点を通る接地面3の法線方向における、ベルトカバー143の接地面3側の面と接地面3との距離になっている。
なお、タイヤ赤道面CL上に周方向溝25が配設される場合は、センター位置におけるトレッドゴム4の厚さGcは、接地面3におけるタイヤ赤道面CLに最も近い位置で接地面3の法線方向に測定されるトレッドゴム4の厚さになる。
また、トレッドゴム4のセンター位置における厚さGcとショルダー位置における厚さGsとは、それぞれタイヤ断面高さSHの2%以上10%以下の範囲内になっている。また、トレッドゴム4のセンター位置における厚さGcとショルダー位置における厚さGsとは、それぞれ3mm以上13mm以下の範囲内になっている。なお、トレッドゴム4のセンター位置における厚さGcとショルダー位置における厚さGsとは、それぞれタイヤ断面高さSHの3%以上7%以下の範囲内であるのが好ましく、それぞれ5mm以上10mm以下の範囲内であるのが好ましい。
図2は、図1に示すサイドウォール部8及びビード部30の詳細図である。サイドウォール部8は、サイドゴム9の厚さが比較的薄くなっており、具体的には、タイヤ最大幅位置Wにおけるカーカス層10のタイヤ幅方向外側に位置するサイドゴム9の厚さGwが、1mm以上4mm以下の範囲内になっている。なお、タイヤ最大幅位置Wでのサイドゴム9の厚さGwは、2mm以上3mm以下の範囲内であるのが好ましい。
また、カーカス層10のターンナップ部12は、リム径基準位置BLから、ターンナップ部12のタイヤ径方向外側の端部であるターンナップエッジ部12aまでのタイヤ径方向における高さHRが、タイヤ断面高さSHの10%以上50%以下の範囲内になっている。即ち、ターンナップ部12は、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでのタイヤ径方向における高さHRと、タイヤ断面高さSHとの関係が、0.10≦(HR/SH)≦0.50の範囲内になっている。なお、ターンナップ部12の、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでのタイヤ径方向における高さHRは、タイヤ断面高さSHに対して20%以上30%以下の範囲内であるのが好ましい。
図3は、図2に示すビード部30の詳細図である。カーカス層10は、ビードコア31の外側端部32とターンナップエッジ部12aとの間隔であるターンナップ幅Htが、タイヤ断面高さSHの10%以上60%以下の範囲内になっている。この場合におけるターンナップ幅Htは、ビードコア31の外側端部32を通るカーカス層10の法線をターンナップ部内側基準線Luiとし、ターンナップエッジ部12aを通りターンナップ部内側基準線Luiに平行な線をターンナップ部外側基準線Luoとする場合における、ターンナップ部内側基準線Luiとターンナップ部外側基準線Luoとの距離になっている。なお、ターンナップ部内側基準線Luiは、具体的には、ビードコア31の外側端部32を通るカーカス本体部11の法線になっている。
カーカス層10とインナーライナー16との間に配設されるタイゴム40は、タイヤ径方向内側の端部であるタイゴム端末部41のタイヤ径方向における位置が、ターンナップ部12のターンナップエッジ部12aよりもタイヤ径方向外側に位置している。このため、タイゴム40は、ターンナップ部12に対してオーバーラップすることなく、カーカス本体部11のタイヤ内面18側に配設されている。
タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aよりもタイヤ径方向外側に位置するタイゴム40は、リム径基準位置BLからのタイゴム端末部41のタイヤ径方向における高さHQが、タイヤ断面高さSHの11%以上60%以下の範囲内になっている。即ち、タイゴム40は、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までのタイヤ径方向における高さHQと、タイヤ断面高さSHとの関係が、0.11≦(HQ/SH)≦0.60の範囲内になっている。なお、タイゴム40の、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までのタイヤ径方向における高さHQは、タイヤ断面高さSHに対して30%以上50%以下の範囲内であるのが好ましい。
さらに、タイゴム40がターンナップ部12に対してオーバーラップしないことにより、互いに離間するターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQは、タイヤ断面高さSHの1%以上30%以下の範囲内になっている。即ち、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQと、タイヤ断面高さSHとの関係は、0.01≦(RQ/SH)≦0.30の範囲内になっている。なお、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQは、本実施形態では、0.1mm以上30mm以下の範囲内になっている。また、タイヤ断面高さSHに対する、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQは、10%以上20%以下の範囲内であるのが好ましい。
ビード部30に配設されるビードコア31は、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤ33からなり、タイヤ子午断面においてビードワイヤ33の複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成している。なお、ビードコア31は、タイヤ子午断面においてビードワイヤ33の複数の周回部分が列と層を形成していれば、単一のビードワイヤ33を連続的に巻回した、いわゆる一本巻き構造であってもよく、複数本のビードワイヤ33を引き揃えた状態で巻回した、いわゆる層巻き構造であってもよい。本実施形態では、タイヤ径方向最内側から順に3列の周回部分を含む層、4列の周回部分を含む層、3列の周回部分を含む層、2列の周回部分を含む層、1列の周回部分を含む層の計5層が積層された構造を有する。なお、以降の説明では、このようなビードワイヤ33の積層構造を「3+4+3+2+1構造」という。同様に、以降の説明では、ビードワイヤ33の積層構造を、各層に含まれる列の数をタイヤ径方向最内側の層から順に「+」で繋いだ同様の形式で表現する。さらに、本実施形態では、ビードコア31では、ビードワイヤ33が俵積み状に積層されている。なお、この場合における「俵積み」とは、互いに接している3つの周回部分の中心が略正三角形を形成する積み方であり、六方充填配置と呼称されることもある充填率の高い積層構造である。
図4は、図3に示すビードコア31の詳細図である。ビードコア31は、タイヤ子午断面におけるビードワイヤ33の複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形をビードコア31の外郭形状34とすると、この外郭形状34は、タイヤ径方向外側に単一の頂点35を有すると共に、タイヤ径方向内側にこの頂点35と対向するように底辺36を有している。つまり、本実施形態では、ビードコア31は、ビードワイヤ33が3+4+3+2+1構造を有するため、五角形の外郭形状34を有している。また、ビードコア31は、外郭形状34の頂点35を挟む2辺がなす内角θ1が鋭角であり、ビードコア31全体としては、最大幅となる部位からタイヤ径方向外側に向かって徐々に幅が狭まる先細り形状となって形成されている。なお、以降の説明では、ビードコア31のこのような形状を「外径側楔形状」という。また、外郭形状34の頂点35は、タイヤ径方向におけるビードコア31の最外側に位置するため、外郭形状34の頂点35が、ビードコア31のタイヤ径方向における外側端部32になっている。
ビードコア31は、外径側楔形状で形成されるため、ビードコア31の廻りに折り返されるカーカス層10は、ビードコア31の周縁に沿って屈曲する。つまり、ビードコア31は、タイヤ子午断面における形状が略五角形になっているため、ビードコア31の周縁に沿って延在するカーカス層10も、略五角形状に屈曲している。さらに、カーカス層10のターンナップ部12における、ビードコア31のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側の部分は、カーカス層10のカーカス本体部11に接触しながら、カーカス層10のカーカス本体部11に沿ってサイドウォール部8側に向かって延在している。このため、ビード部30には、カーカス層10のカーカス本体部11とターンナップ部12とによって、ビードコア31を囲む閉鎖領域が形成されている。
カーカス層10のカーカス本体部11とターンナップ部12とによって形成された閉鎖領域には、実質的にビードコア31のみが存在している。このため、本実施形態に係る空気入りタイヤ1には、従来の空気入りタイヤで用いられるようなビードフィラーまたはそれに類するタイヤ構成部材(ビードコア31のタイヤ径方向外側に配置されてカーカス層10のカーカス本体部11とターンナップ部12とによって包み込まれてビード部30からサイドウォール部8にかけての剛性を高める部材)は配置されない。即ち、空気入りタイヤ1では、閉鎖領域には、ビードワイヤ33を被覆するインシュレーションゴムや、ビードコア31とカーカス層10との間に形成される僅かな隙間を埋めるゴムは存在しているが、従来の空気入りタイヤのような大きな体積を有するビードフィラーは用いられていない。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、タイヤ子午断面における閉鎖領域の面積Aに対する、閉鎖領域内に存在するゴムの総面積aの比率(a/A×100%)を閉鎖領域のゴム占有率とすると、ゴム占有率は、0.1%以上15%以下の範囲内になっている。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、ビード部30にリムホイールを嵌合することによってリムホイールに空気入りタイヤ1をリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、接地面3のうち下方に位置する部分の接地面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
例えば、空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主に接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、接地面3と路面との間の水が周方向溝25等の溝に入り込み、これらの溝で接地面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、接地面3は路面に接地し易くなり、接地面3と路面との間の摩擦力により、車両は所望の走行をすることが可能になる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド部2の接地面3を構成するキャップゴム4aの60℃でのtanδが、0.3以下であるため、車両走行時におけるトレッド部2の発熱を抑えることができ、転がり抵抗を低減することができる。
また、サイドウォール部8のサイドゴム9の厚さが薄くなっているため、空気入りタイヤ1の、タイヤ径方向におけるバネ定数を低減することができ、いわゆる縦バネを低減することができる。これにより、サイドウォール部8を撓み易くさせることができ、車両の走行時における乗心地を確保することができる。特に、転がり抵抗を低減することを目的として空気入りタイヤ1に充填する空気を高圧化した場合でも、縦バネが増大することを抑制でき、車両の走行時における乗心地が悪化することを抑制することができる。
また、サイドゴム9の厚さを薄くしてサイドウォール部8を撓み易くさせることにより、荷重負荷時にサイドウォール部8を撓み易くさせることができ、車両の走行時の荷重負荷によって空気入りタイヤ1が変形する際におけるサイドウォール部8の寄与率を上げることができる。これにより、荷重負荷によって空気入りタイヤ1が変形する際におけるトレッド部2でのエネルギーロスを相対的に低減することができるため、転がり抵抗を低減することができる。
また、タイゴム40は、タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aよりもタイヤ径方向外側に位置するため、タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aよりもタイヤ径方向内側に位置してタイゴム40とターンナップ部12とがオーバーラップする場合と比較して、ビード部30近傍の剛性を低減することができる。これにより、ビード部30近傍の縦バネを低減することができ、車両の走行時における乗心地が悪化することを、より確実に抑制することができる。
また、カーカス層10は、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでのタイヤ径方向における高さHRが、タイヤ断面高さSHの10%以上50%以下の範囲内であるため、ビード部30近傍の剛性を確保しつつ、縦バネを効果的に低減することができる。つまり、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでの高さHRが、タイヤ断面高さSHの10%未満である場合は、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでの高さHRが低過ぎるため、ビード部30近傍の剛性が不十分になる虞がある。この場合、荷重負荷時にサイドウォール部8からビード部30にかけた範囲が撓み過ぎる虞があり、車両の走行時にサイドウォール部8からビード部30にかけた範囲が過度に撓むことにより、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。また、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでの高さHRが、タイヤ断面高さSHの50%を超える場合は、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでの高さHRが高過ぎるため、縦バネを効果的に低減するのが困難になる虞がある。この場合、サイドウォール部8が撓み難くなるため、車両の走行時における乗心地を確保し難くなる虞がある。
これに対し、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまでの高さHRが、タイヤ断面高さSHの10%以上50%以下の範囲内である場合は、ビード部30近傍の剛性を確保しつつ、縦バネを効果的に低減することができる。これにより、転がり抵抗を低減すると共に、車両の走行時における乗心地を確保することができる。
また、タイゴム40は、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までのタイヤ径方向における高さHQが、タイヤ断面高さSHの11%以上60%以下の範囲内であるため、ビード部30近傍の剛性を確保しつつ、縦バネを効果的に低減することができる。つまり、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが、タイヤ断面高さSHの11%未満である場合は、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが低過ぎるため、タイゴム端末部41をターンナップエッジ部12aよりタイヤ径方向外側に位置させても、縦バネを効果的に低減するのが困難になる虞がある。この場合、サイドウォール部8が撓み難くなるため、車両の走行時における乗心地を確保し難くなる虞がある。また、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが、タイヤ断面高さSHの60%を超える場合は、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが高過ぎるため、ビード部30近傍の剛性が不十分になる虞がある。この場合、荷重負荷時にサイドウォール部8からビード部30にかけた範囲が撓み過ぎる虞があり、車両の走行時にサイドウォール部8からビード部30にかけた範囲が過度に撓むことにより、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。また、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが高過ぎて、タイゴム端末部41がベルト層14に近付き過ぎた場合は、タイゴム端末部41の近傍に応力集中が発生し易くなる虞がある。この場合、応力集中に起因してタイゴム端末部41の近傍で故障が発生し易くなる虞がある。
これに対し、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが、タイヤ断面高さSHの11%以上60%以下の範囲内である場合は、ビード部30近傍の剛性を確保しつつ、縦バネを効果的に低減することができ、また、タイゴム端末部41の近傍での故障の発生を抑制することができる。これにより、転がり抵抗を低減すると共に、車両の走行時における乗心地を確保することができる。
さらに、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが、タイヤ断面高さSHの1%以上30%以下の範囲内であるため、ビード部30近傍の剛性を確保しつつ、縦バネを効果的に低減することができる。つまり、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが、タイヤ断面高さSHの1%未満である場合は、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが小さ過ぎるため、タイゴム端末部41をターンナップエッジ部12aよりタイヤ径方向外側に位置させても、タイゴム40とターンナップ部12とがオーバーラップする場合と比較して、ビード部30近傍の剛性を低減し難くなる虞ができる。この場合、ビード部30近傍の縦バネを低減し難くなるため、車両の走行時における乗心地の悪化を抑制し難くなる虞がある。また、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが、タイヤ断面高さSHの30%を超える場合は、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが大き過ぎるため、ビード部30近傍の剛性が不十分になる虞がある。この場合、荷重負荷時にサイドウォール部8からビード部30にかけた範囲が撓み過ぎる虞があり、車両の走行時にサイドウォール部8からビード部30にかけた範囲が過度に撓むことにより、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。
これに対し、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが、タイヤ断面高さSHの1%以上30%以下の範囲内である場合は、ビード部30近傍の剛性を確保しつつ、縦バネを効果的に低減することができる。これにより、転がり抵抗を低減すると共に、車両の走行時における乗心地を確保することができる。この結果、乗心地の悪化を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる。
また、タイヤ子午断面におけるトレッド部2のトレッドラジアスTRが、600mm以上1700mm以下の範囲内であるため、接地面3が接地した際における接地面積を、適度な大きさで確保することができる。つまり、トレッド部2のトレッドラジアスTRが、600mm未満である場合は、トレッドラジアスTRが小さ過ぎるため、接地面3が接地する際におけるトレッド部2の変形が大きくなり過ぎる虞がある。この場合、トレッド部2が大きく変形することに伴って転がり抵抗が増加し易くなるため、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。また、トレッド部2のトレッドラジアスTRが、1700mmより大きい場合は、トレッドラジアスTRが大き過ぎるため、接地面3が接地した際における接地面積が大きくなり過ぎ、転がり抵抗を効果的に低減し難くなる虞がある。
これに対し、トレッド部2のトレッドラジアスTRが、600mm以上1700mm以下の範囲内である場合は、接地面3が接地した際における接地面積を、適度な大きさで確保することができる。この結果、より確実に転がり抵抗を低減することができる。
また、トレッド部2の接地幅TWが、タイヤ最大幅SWの60%以上90%以下の範囲内であるため、タイヤ最大幅SWに対する接地幅TWの大きさを、適度な大きさで確保することができる。つまり、トレッド部2の接地幅TWが、タイヤ最大幅SWの60%未満である場合は、タイヤ最大幅SWに対して接地幅TWが小さ過ぎるため、荷重の変化時における接地幅TWの変化が大きくなり易くなる虞がある。この場合、接地幅TWが大きく変化することにより、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。また、トレッド部2の接地幅TWが、タイヤ最大幅SWの90%より大きい場合は、タイヤ最大幅SWに対して接地幅TWが大き過ぎるため、転がり抵抗を効果的に低減し難くなる虞がある。
これに対し、トレッド部2の接地幅TWが、タイヤ最大幅SWの60%以上90%以下の範囲内である場合は、タイヤ最大幅SWに対する接地幅TWの大きさを、適度な大きさで確保することができる。この結果、より確実に転がり抵抗を低減することができる。
また、リム径基準位置BLからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWが、タイヤ断面高さSHに対して50%以上60%以下の範囲内であるため、耐久性の低下を抑えつつ、より確実に乗心地と低転がり抵抗を確保することができる。つまり、タイヤ最大幅位置Wは、サイドウォール部8において最も撓み易い部分であるが、リム径基準位置BLからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWが、タイヤ断面高さSHの50%未満である場合は、タイヤ最大幅位置Wがビード部30に近付き過ぎる虞がある。ビード部30付近は、カーカス本体部11とターンナップ部12とが重ねられることにより剛性が高くなっており、撓み難い部位であるため、タイヤ最大幅位置Wがビード部30に近付き過ぎると、縦バネを効果的に低減するのが困難になる虞がある。この場合、荷重負荷によって空気入りタイヤ1が変形する際におけるサイドウォール部8の寄与率を上げるのが困難になるため、転がり抵抗を低減し難くなったり、サイドウォール部8が撓み難くなるため、車両の走行時における乗心地を確保し難くなったりする虞がある。また、リム径基準位置BLからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWが、タイヤ断面高さSHの60%を超える場合は、タイヤ最大幅位置Wがトレッド部2に近付き過ぎる虞がある。この場合、タイヤ構造上に無理が生じ、耐久性が低下する虞がある。
これに対し、リム径基準位置BLからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ径方向における高さHWが、タイヤ断面高さSHに対して50%以上60%以下の範囲内である場合は、タイヤ最大幅位置Wが、ビード部30やトレッド部2に近付き過ぎることを抑制することができる。これにより、耐久性が低下すること抑制しつつ、空気入りタイヤ1の縦バネをより確実に低減することができる。この結果、耐久性の低下を抑制すると共に、より確実に乗心地の悪化を抑制しつつ転がり抵抗を低減することができる。
また、サイドウォール部8は、タイヤ最大幅位置Wにおけるサイドゴム9の厚さGwが、1mm以上4mm以下の範囲内であるため、縦バネを適度な大きさにすることができる。つまり、タイヤ最大幅位置Wにおけるサイドゴム9の厚さGwが1mm未満である場合、サイドゴム9の厚さGwが薄過ぎるため、サイドウォール部8の剛性が低くなり過ぎ、縦バネが低くなり過ぎる虞がある。この場合、荷重負荷時にサイドウォール部8が撓み過ぎる虞があり、車両の走行時にサイドウォール部8が過度に撓むことにより、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。また、タイヤ最大幅位置Wにおけるサイドゴム9の厚さGwが4mmを超える場合、サイドゴム9の厚さGwが厚過ぎるため、サイドウォール部8の剛性が高くなり過ぎ、縦バネを効果的に低減するのが困難になる虞がある。この場合、サイドウォール部8が撓み難くなるため、車両の走行時における乗心地を確保し難くなる虞がある。
これに対し、タイヤ最大幅位置Wにおけるサイドゴム9の厚さGwが、1mm以上4mm以下の範囲内である場合は、サイドウォール部8の剛性を適度な大きさにすることができ、縦バネを適度な大きさにすることができる。この結果、より確実に乗心地の悪化を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる。
また、トレッドゴム4は、センター位置における厚さGcとショルダー位置における厚さGsとが、それぞれタイヤ断面高さSHの2%以上10%以下の範囲内であるため、トレッド部2の剛性を適度な大きさにすることができ、接地面3が接地する際におけるトレッド部2の変形やトレッド部2からの反力を適度な大きさにすることができる。つまり、トレッドゴム4のセンター位置における厚さGcやショルダー位置における厚さGsが、タイヤ断面高さSHの2%未満である場合は、トレッドゴム4の厚さが薄過ぎるため、トレッド部2の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、接地面3が接地する際におけるトレッド部2の変形が大きくなり過ぎ、トレッド部2が大きく変形することに伴って転がり抵抗が増加し易くなるため、転がり抵抗を低減し難くなる虞がある。また、トレッドゴム4のセンター位置における厚さGcやショルダー位置における厚さGsが、タイヤ断面高さSHの10%を超える場合は、トレッドゴム4の厚さが厚過ぎるため、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎる虞がある。この場合、接地面3の接地時におけるトレッド部2からの反力が大きくなり、縦バネを効果的に低減するのが困難になるため、車両の走行時における乗心地を確保し難くなる虞がある。
これに対し、トレッドゴム4のセンター位置における厚さGcやショルダー位置における厚さGsが、タイヤ断面高さSHの2%以上10%以下の範囲内である場合は、トレッドゴム4の厚さを適度な厚さにすることができ、トレッド部2の剛性を適度な大きさにすることができる。これにより、接地面3が接地する際におけるトレッド部2の変形やトレッド部2からの反力を適度な大きさにすることができる。この結果、より確実に乗心地の悪化を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる。
さらに、トレッドゴム4は、センター位置における厚さGcと、ショルダー位置における厚さGsとが、Gc≧Gsの関係を満たすため、接地面3の接地時にショルダー部5付近の接地長が、タイヤ赤道面CL付近の接地長よりも長くなることを抑制することができる。これにより、接地面3の接地時における接地圧の均一化を図ることができ、接地圧が不均一になることに起因する転がり抵抗の増加を抑制することができる。この結果、より確実に転がり抵抗を低減することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ビードコア31のビードワイヤ33は、積層構造が3+4+3+2+1構造になっているが、ビードワイヤ33は、これ以外の構造で積層されていてもよい。図5は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、ビードワイヤ33が6層で積層される場合の説明図である。ビードコア31のビードワイヤ33は、例えば、図5に示すように、タイヤ径方向における内側から外側に向かって順に、4列の周回部分を含む層、5列の周回部分を含む層、4列の周回部分を含む層、3列の周回部分を含む層、2列の周回部分を含む層、1列の周回部分を含む層の計6層が積層された構造であってもよい。即ち、ビードワイヤ33の積層構造は、4+5+4+3+2+1構造であってもよい。このように、ビードワイヤ33が6層で積層される場合でも、タイヤ子午断面におけるビードコア31の外郭形状34が、タイヤ径方向外側に頂点35が位置し、タイヤ径方向内側に底辺36が位置する五角形の形状で形成され、外径側楔形状で形成されるのが好ましい。
図6は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、ビードワイヤ33が5層で積層される場合の変形例についての説明図である。また、ビードコア31のビードワイヤ33は、5層で積層される場合でも、図6(a)に示すように、俵積みの5+4+3+2+1構造であってもよく、図6(b)に示すように、俵積みの4+4+3+2+1構造であってもよく、図6(c)に示すように、タイヤ径方向最内側の層と、当該タイヤ径方向最内側の層に対してタイヤ径方向外側で隣接する層とが俵積みではなく直列積みになった4+4+3+2+1構造であってもよい。つまり、図6(c)に示す積層構造では、タイヤ径方向最内側の層と、当該タイヤ径方向最内側の層に対してタイヤ径方向外側で隣接する層とが、タイヤ幅方向に垂直に積層されている。
図6に示したいずれの構造も、少なくとも一部が俵積み状に積層されているため、全体が直列積みで積層された構造のビードワイヤ33よりも、ビードワイヤ33を密に配してビードワイヤ33の充填率を高めることができる。これにより、ビード部30の剛性や耐圧性能を良好に確保して走行性能を維持しながら、空気入りタイヤ1の質量を軽減し、これら性能をバランスよく発揮することができる。
なお、ビードワイヤ33の充填率に着目すると、図6(a)及び図6(b)のように、全てのビードワイヤ33が俵積み状に積層されることが好ましい。また、ビードコア31の形状に関して、ビードコア31全体の形状の安定性を高めるには、ビードコア31全体の形状を、タイヤ幅方向におけるビードコア31の中心に対して、線対称にすることが好ましい。この観点からは、図6(a)及び図6(c)のような形状が好ましい。
図7は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、ビードワイヤ33が6層で積層される場合の変形例についての説明図である。また、ビードコア31のビードワイヤ33は、6層で積層される場合には、図7(a)に示すように、俵積みの3+4+4+3+2+1構造で、且つ、4列の周回部分が含まれる2層が積層される際に、タイヤ幅方向にずれる構造であってもよく、図7(b)に示すように、タイヤ径方向内側から2番目の層とそのタイヤ径方向内側に隣接する層とが俵積みではなく直列積みになった3+4+4+3+2+1構造であってもよい。ビードコア31が有するビードワイヤ33の積層構造は、これらのように様々な構造で積層することができるため、積層構造については、空気入りタイヤ1全体の構造や重視する特性等を考慮して、適宜選択するのが好ましい。
また、上述した実施形態では、インナーライナー16は、ブチルゴムを主成分とするゴム組成物によって構成されているが、インナーライナー16は、これ以外の材料によって構成されていてもよい。インナーライナー16は、例えば、熱可塑性樹脂や、熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物などから構成されていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などが採用され得る。
エラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴムおよびその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBRおよび低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M-EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr-IIR、Cl-IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br-IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC、CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M-CM)〕、シリコーンゴム〔例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム〕、含イオウゴム〔例えばポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー〕などが採用され得る。
インナーライナー16を、熱可塑性樹脂、或いは熱可塑性エラストマー組成物から構成した場合には、インナーライナー16を、ブチルゴムを主成分とするゴム組成物から構成する場合と比較して、インナーライナー16を薄型化することができる。これにより、タイヤ重量を大幅に軽減することができる。
また、上述した実施形態では、タイゴム40は、トレッド部2を経てタイヤ幅方向両側のサイドウォール部8同士の間に亘って配設されているが、タイゴム40は、タイヤ幅方向両側のサイドウォール部8同士の間に亘って連続して配設されていなくてもよい。タイゴム40は、タイヤ幅方向における一方のサイドウォール部8側に配設されるタイゴム40と、他方のサイドウォール部8側に配設されるタイゴム40とで分割されていてもよく、例えば、ベルト層14のタイヤ径方向内側の位置でタイゴム40は分割されていてもよい。タイゴム40は、少なくともサイドウォール部8に位置するカーカス層10とインナーライナー16との間に配設されていればよく、サイドウォール部8同士の間に亘って連続するか分割されるかに関わらず、タイゴム端末部41がターンナップ部12のターンナップエッジ部12aよりもタイヤ径方向外側に位置していればよい。
[実施例]
図8A、図8Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能評価試験について説明する。性能評価試験は、転がり抵抗と、乗心地の試験について行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが205/60R16 92Vサイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ16×6.0JのJATMA標準のリムホイールにリム組みして行った。
各試験項目の評価方法は、転がり抵抗については、空気圧を180kPaに調整して室内のドラム試験機(ドラム径:1707mm)を使用し、ISO28580に準拠し荷重4.8kN、速度80km/hの条件における転がり抵抗係数を算出した。その結果を、後述する従来例の転がり抵抗係数の逆数を100とする指数で表すことにより評価した。この指数が大きいほど転がり抵抗が低く、転がり抵抗についての性能が優れていることを示している。
また、乗心地については、空気圧を250kPaに調整した試験タイヤを排気量が1500ccの前輪駆動の試験車両に装着し、2名乗車相当の荷重を付与して試験車両でテストコースを走行した際の乗心地を、テストドライバーの官能評価により比較した。乗心地は、テストドライバーの官能評価を、後述する従来例を100とする指数で評価した。この指数が大きいほど乗心地が良好であり、乗心地についての性能が優れていることを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1~11と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例1~4との16種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、ビードフィラーを有しており、タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aに対してタイヤ径方向内側に位置している。また、比較例1は、ビードフィラーを有していないものの、タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aに対してタイヤ径方向内側に位置している。また、比較例2~4は、ビードフィラーを有しておらず、タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aに対してタイヤ径方向外側に位置しているものの、比較例2は、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQが、タイヤ断面高さSHの11%以上60%以下の範囲外になっている。また、比較例3は、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまで高さHRが、タイヤ断面高さSHの10%以上50%以下の範囲外になっている。また、比較例4は、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQが、タイヤ断面高さSHの1%以上30%以下の範囲外になっている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1~11は、全てビードフィラーを有しておらず、タイゴム端末部41がターンナップエッジ部12aに対してタイヤ径方向外側に位置しており、リム径基準位置BLからターンナップエッジ部12aまで高さHRがタイヤ断面高さSHの10%以上50%以下の範囲内、リム径基準位置BLからタイゴム端末部41までの高さHQがタイヤ断面高さSHの11%以上60%以下の範囲内、ターンナップエッジ部12aとタイゴム端末部41との距離RQがタイヤ断面高さSHの1%以上30%以下の範囲内になっている。さらに、実施例1~11に係る空気入りタイヤ1は、トレッドラジアスTRの大きさや、接地幅TW/タイヤ最大幅SW、タイヤ最大幅位置Wの高さHW/タイヤ断面高さSH、タイヤ最大幅位置Wでのサイドゴム9の厚さGw、センター位置でのトレッドゴム4の厚さGc/タイヤ断面高さSH、ショルダー位置でのトレッドゴム4の厚さGs/タイヤ断面高さSH、トレッドゴム4のセンター位置での厚さGcとショルダー位置での厚さGsとの関係が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図8A、図8Bに示すように、実施例1~11に係る空気入りタイヤ1は、従来例や比較例1~4に対して、転がり抵抗と乗心地とのいずれの性能についても向上させることができることが分かった。つまり、実施例1~11に係る空気入りタイヤ1は、乗心地の悪化を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 接地面
4 トレッドゴム
4a キャップゴム
4b ベースゴム
5 ショルダー部
8 サイドウォール部
9 サイドゴム
10 カーカス層
11 カーカス本体部
12 ターンナップ部
12a ターンナップエッジ部
14 ベルト層
16 インナーライナー
18 タイヤ内面
20 陸部
25 周方向溝
30 ビード部
31 ビードコア
32 外側端部
33 ビードワイヤ
34 外郭形状
35 頂点
36 底辺
40 タイゴム
41 タイゴム端末部

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に延在して環状に形成され、トレッドゴムを有するトレッド部と、
    前記トレッド部の両側に配設される一対のサイドウォール部と、
    一対の前記サイドウォール部のそれぞれのタイヤ径方向内側に配設される一対のビード部と、
    前記ビード部に配設されるビードコアと、
    一対の前記ビード部間に架け渡されるカーカス層と、
    前記カーカス層に沿ってタイヤ内面に配設されるインナーライナーと、
    を備え、
    前記カーカス層は、一対の前記ビード部間に架け渡されるカーカス本体部と、前記カーカス本体部から連続して形成され前記ビードコアの周縁に沿ってタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向における外側端部の位置から前記カーカス本体部に接触しながら前記サイドウォール部側に向かって延在するターンナップ部と、を有し、
    前記サイドウォール部に位置する前記カーカス層と前記インナーライナーとの間には、タイゴムが配設され、
    前記カーカス層は、タイヤ断面高さのタイヤ径方向内側の基準位置から、前記ターンナップ部のタイヤ径方向外側の端部であるターンナップエッジ部までのタイヤ径方向における高さが、前記タイヤ断面高さの10%以上50%以下の範囲内であり、
    前記タイゴムは、タイヤ径方向内側の端部であるタイゴム端末部が前記ターンナップエッジ部よりもタイヤ径方向外側に位置し、且つ、前記基準位置からの前記タイゴム端末部のタイヤ径方向における高さが、前記タイヤ断面高さの11%以上60%以下の範囲内であり、
    前記ターンナップエッジ部と前記タイゴム端末部との距離は、前記タイヤ断面高さの1%以上30%以下の範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ子午断面における前記トレッド部のトレッドラジアスが、600mm以上1700mm以下の範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 接地幅が、タイヤ最大幅の60%以上90%以下の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記基準位置からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向における高さが、前記タイヤ断面高さに対して50%以上60%以下の範囲内である請求項1~3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイドウォール部は、タイヤ最大幅位置における前記カーカス層のタイヤ幅方向外側に位置するサイドゴムの厚さが、1mm以上4mm以下の範囲内である請求項1~4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッドゴムは、センター位置における厚さGcと、ショルダー位置における厚さGsとが、Gc≧Gsの関係を満たし、且つ、前記センター位置における厚さGcと前記ショルダー位置における厚さGsとが、それぞれ前記タイヤ断面高さの2%以上10%以下の範囲内である請求項1~5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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