JP7135990B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来の空気入りタイヤの中には、ベルト層のタイヤ径方向外側に配置する部材を工夫することにより、所望の性能を実現しているものがある。例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤは、ベルト層のタイヤ径方向外側に2層のベルト保護層を配置すると共に、タイヤ径方向外側のベルト保護層はタイヤ径方向内側のベルト保護層よりも狭幅にすることにより、耐突起性の向上を図っている。また、特許文献2に記載された空気入りタイヤは、トレッド部とベルト層との間にベルト補強層を配置し、ベルト補強層をタイヤ赤道部で3層にすることにより、重量の増加を抑制しながら破壊エネルギーを確保している。
また、特許文献3に記載された空気入りタイヤは、トレッド部におけるタイヤ内面に接着された帯状吸音材と、ベルト層の外周側に配置されるフルカバー層と、フルカバー層の外周側に配置されてタイヤ幅中央領域を局所的に覆うセンターカバー層とを有し、帯状吸音材とベルト層の幅、及びセンターカバー層と帯状吸音材の幅をそれぞれ規定することにより、帯状吸音材によって充分な静粛性を得ながら、帯状吸音材が蓄熱することに起因する高速耐久性の低下を防止している。
また、特許文献4に記載された空気入りタイヤは、ベルト層の外側に、端部ベルトカバー層と中央部ベルトカバー層とで構成するベルトカバー層を配置し、端部ベルトカバー層や中央部ベルトカバー層を形成する有機繊維コードの引っ張り強度と、端部ベルトカバー層と中央部ベルトカバー層との総和とを規定することにより、高周波領域のロードノイズを低減させると共に、軽量化を可能にしている。また、特許文献5に記載された空気入りタイヤは、ベルト層の外周側にストリップ材が螺旋状に巻き付けられて形成されたベルトカバーを有し、ベルトカバーは、ベルト層におけるタイヤ幅方向端部を覆う位置と、ベルト層におけるタイヤ幅方向中央部を覆う位置でストリップ材が重ね巻きされることにより、操縦安定性及び耐久性の向上を図っている。
特許第4865259号公報 特開2010-64644号公報 特開2017-137032号公報 特許第4635366号公報 特許第4687201号公報
ここで、空気入りタイヤの中には、例えば、EXTRA LOAD規格の空気入りタイヤのような、高荷重に対応可能なものがある。このような空気入りタイヤは、高荷重に対応するために、比較的高い空気圧で使用可能になっている。一方で、空気入りタイヤの空気圧を高くするとトレッド部の剛性が増加するため、異物を踏んだ際にトレッド部が変形し難くなり、異物を踏み込むことに起因して発生するショックバーストが発生し易くなる。即ち、空気入りタイヤを高い空気圧で使用すると、ショックバーストに対する耐性である耐ショックバースト性能が低下し易くなる。
ショックバーストは、トレッド部の接地面におけるタイヤ赤道面付近の領域で、路面上の異物を踏み込むことにより発生し易くなるため、耐ショックバースト性能の向上にはトレッド部におけるタイヤ赤道面付近を補強することが有効である。しかし、補強用の部材を新たに追加すると、その分製造工程が増えるため、生産性が低下する。このため、耐ショックバースト性能と生産性とを両立させるのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐ショックバースト性能と生産性とを両立することのできる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、ベルト層のタイヤ径方向外側に帯状のベルトカバー材をタイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻くことによりベルトカバー層を配設する空気入りタイヤの製造方法であって、前記ベルトカバー材に第1カバー材と第2カバー材とを使用し、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面よりも一方側を第1側とし、タイヤ幅方向における前記タイヤ赤道面よりも他方側を第2側とする場合に、前記第1カバー材を、前記第2側のショルダー領域と前記タイヤ赤道面との間の位置から前記第1側のショルダー領域にかけて螺旋状に巻く工程と、前記第2カバー材を、前記第1側の前記ショルダー領域と前記タイヤ赤道面との間の位置から前記第2側の前記ショルダー領域にかけて螺旋状に巻く工程と、前記第1カバー材を、前記第1側のショルダー領域から前記タイヤ赤道面にかけて螺旋状に巻く工程と、前記第2カバー材を、前記第2側の前記ショルダー領域から前記タイヤ赤道面にかけて螺旋状に巻く工程と、を含み、前記第1カバー材における前記第2側に位置する部分と、前記第2カバー材における前記第1側に位置する部分との間の領域では、前記第1カバー材と前記第2カバー材、及び前記第1カバー材同士と前記第2カバー材同士をタイヤ径方向に重ねることにより、オーバーラップ部を形成することを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤの製造方法において、前記第1カバー材の巻き付けと前記第2カバー材の巻き付けを同時に開始することが好ましい。
また、上記空気入りタイヤの製造方法において、前記オーバーラップ部は、タイヤ幅方向における幅が5mm以上40mm以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、耐ショックバースト性能と生産性とを両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1に示すトレッド部の詳細図である。 図3は、図2のA-A矢視方向における、ベルトカバー層の第1カバー材と第2カバー材との内側端部付近の模式図である。 図4は、図3に示す第1カバー材と第2カバー材との配置位置を示す模式図である。 図5は、図2に示すセンター陸部の詳細図である。 図6は、第1カバー材と第2カバー材とを巻き付ける方向について説明する模式図である。 図7は、実施形態に係る空気入りタイヤで路面上の突起物を踏んだ状態を示す説明図である。 図8は、空気入りタイヤの製造方法についての性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
[空気入りタイヤ]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸であるタイヤ回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、例えば、EXTRA LOAD規格のような、高荷重での使用に対応することができる空気入りタイヤ1になっている。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2は、ゴム組成物から成るトレッドゴム層4を有している。また、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、接地面3として形成され、接地面3は、空気入りタイヤ1の輪郭の一部を構成している。トレッド部2には、接地面3にタイヤ周方向に延びる主溝30が複数形成されており、この複数の主溝30により、トレッド部2の表面には複数の陸部20が画成されている。本実施形態では、主溝30は4本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、4本の主溝30は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側にそれぞれ2本ずつ配設されている。つまり、トレッド部2には、タイヤ赤道面CLの両側に配設される2本のセンター主溝31と、2本のセンター主溝31のそれぞれのタイヤ幅方向外側に配設される2本のショルダー主溝32との、計4本の主溝30が形成されている。
なお、主溝30とは、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。一般に主溝30は、3mm以上の溝幅を有し、6mm以上の溝深さを有し、摩耗末期を示すトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を内部に有する。本実施形態では、主溝30は、6mm以上25mm以下の溝幅を有し、6mm以上9mm以下の溝深さを有しており、タイヤ赤道面CLと接地面3とが交差するタイヤ赤道線(センターライン)と実質的に平行である。主溝30は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、波形状又はジグザグ状に設けられてもよい。
主溝30によって画成される陸部20のうち、2本のセンター主溝31同士の間に位置し、タイヤ赤道面CL上に位置する陸部20は、センター陸部21になっている。また、隣り合うセンター主溝31とショルダー主溝32との間に位置し、センター陸部21のタイヤ幅方向外側に配置される陸部20はセカンド陸部22になっている。また、セカンド陸部22のタイヤ幅方向外側に位置し、ショルダー主溝32を介してセカンド陸部22に隣り合う陸部20はショルダー陸部23になっている。
なお、これらの陸部20は、タイヤ周方向の1周に亘ってリブ状に形成されていてもよく、トレッド部2に、タイヤ幅方向に延びるラグ溝(図示省略)が複数形成されることによって陸部20が主溝30とラグ溝とによって画成され、各陸部20がブロック状に形成されていてもよい。本実施形態では、陸部20はタイヤ周方向の1周に亘って形成されるリブ状の陸部20として形成されている。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両外側端にはショルダー部5が位置しており、ショルダー部5のタイヤ径方向内側には、サイドウォール部8が配設されている。即ち、サイドウォール部8は、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配設されている。換言すると、サイドウォール部8は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されており、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出した部分を形成している。
タイヤ幅方向における両側に位置するそれぞれのサイドウォール部8のタイヤ径方向内側には、ビード部10が位置している。ビード部10は、サイドウォール部8と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されており、即ち、ビード部10は、一対がタイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側に配設されている。各ビード部10にはビードコア11が設けられており、ビードコア11のタイヤ径方向外側にはビードフィラー12が設けられている。ビードコア11は、スチールワイヤであるビードワイヤを束ねて円環状に形成される環状部材になっており、ビードフィラー12は、ビードコア11のタイヤ径方向外側に配置されるゴム部材になっている。
また、トレッド部2にはベルト層14が配設されている。ベルト層14は、複数のベルト141、142が積層される多層構造によって構成されており、本実施形態では、2層のベルト141、142が積層されている。ベルト層14を構成するベルト141、142は、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルト角度が、所定の範囲内(例えば、20°以上55°以下)になっている。また、2層のベルト141、142は、ベルト角度が互いに異なっている。このため、ベルト層14は、2層のベルト141、142が、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成されている。つまり、2層のベルト141、142は、それぞれのベルト141、142が有するベルトコードが互いに交差する向きで配設される、いわゆる交差ベルトとして設けられている。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、ベルトカバー層15が配設されている。ベルトカバー層15は、ベルト層14のタイヤ径方向外側に配設されてベルト層14をタイヤ周方向に覆っており、ベルト層14を補強する補強層として設けられている。ベルトカバー層15は、タイヤ周方向に略平行でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示省略)がコートゴムで被覆されることにより形成されている。ベルトカバー層15が有するコードは、例えば、スチール、またはポリエステルやポリエチレンテレフタレート、レーヨン、ナイロン、ポリアミド複合+αのハイブリッド等の有機繊維からなり、コードの角度はタイヤ周方向に対して±5°の範囲内になっている。また、ベルトカバー層15が有するコードは、コードの直径である線径が0.5mm以上1.8mm以下の範囲内になっており、コードが並ぶ方向における50mmあたりのコードの打ち込み本数が、30本以上80本以下の範囲内になっている。本実施形態では、ベルトカバー層15は、ベルト層14が配設されるタイヤ幅方向における範囲の全域に亘って配設されており、ベルト層14のタイヤ幅方向端部を覆っている。トレッド部2が有するトレッドゴム層4は、トレッド部2におけるベルトカバー層15のタイヤ径方向外側に配設されている。
ベルト層14のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部8のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス層13が連続して設けられている。このため、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、いわゆるラジアルタイヤとして構成されている。カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設される一対のビード部10間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。
詳しくは、カーカス層13は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部10のうち、一方のビード部10から他方のビード部10にかけて配設されており、ビードコア11及びビードフィラー12を包み込むようにビード部10でビードコア11に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。ビードフィラー12は、このようにカーカス層13がビード部10で折り返されることにより、ビードコア11のタイヤ径方向外側に形成される空間に配置されるゴム材になっている。また、ベルト層14は、このように一対のビード部10間に架け渡されるカーカス層13における、トレッド部2に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されている。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードを、コートゴムで被覆して圧延加工することによって構成されている。カーカスプライを構成するカーカスコードは、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつ、タイヤ周方向にある角度を持って複数並設されている。
ビード部10における、ビードコア11及びカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側やタイヤ幅方向外側には、リムフランジに対するビード部10の接触面を構成するリムクッションゴム17が配設されている。また、カーカス層13の内側、或いは、当該カーカス層13の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ16がカーカス層13に沿って形成されている。インナーライナ16は、空気入りタイヤ1の内側の表面であるタイヤ内面18を形成している。
図2は、図1に示すトレッド部2の詳細図である。図3は、図2のA-A矢視方向における、ベルトカバー層15の第1カバー材41と第2カバー材42との内側端部41a、42a付近の模式図である。図4は、図3に示す第1カバー材41と第2カバー材42との配置位置を示す模式図である。ベルト層14のタイヤ径方向外側に配設されるベルトカバー層15は、帯状に形成される帯状部材であるベルトカバー材40が、ベルト層14のタイヤ径方向外側にタイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻かれることにより形成されている。帯状部材であるベルトカバー材40は、幅が5mm以上15mm以下の範囲内になっている。ベルトカバー材40は、ベルトカバー層15を構成する補強層構成部材になっており、ベルトカバー層15を構成するコードがコートゴムで被覆されることにより形成されている。
また、ベルトカバー材40は、第1カバー材41と第2カバー材42とを有し、第1カバー材41と第2カバー材42とは、それぞれ帯状に形成されると共に、それぞれベルト層14のタイヤ径方向外側に螺旋状に巻かれている。また、第1カバー材41と第2カバー材42とは、同一種類の部材となっており、それぞれベルトカバー層15を構成するコードがコートゴムで被覆されることにより形成されている。つまり、第1カバー材41と第2カバー材42とは、幅及び厚さや、コードの線径及びコードの間隔、コードやコートゴムの材料等が、同一とみなすことができる形態になっている。
また、第1カバー材41と第2カバー材42とは、タイヤ幅方向における配設位置が、タイヤ赤道面CLを中心として互いに反対側に配設されており、タイヤ幅方向における中央付近の位置で一部が重なっている。これらの第1カバー材41と第2カバー材42とは、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLよりも一方側を第1側S1とし、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLよりも他方側を第2側S2とする場合に、第1カバー材41は、大部分がタイヤ赤道面CLから第1側S1側のショルダー領域Ashにかけて配置され、一部がタイヤ赤道面CLの近傍におけるタイヤ赤道面CLよりも第2側S2に配置されている。このため、第1カバー材41は、第2側S2のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から、第1側S1のショルダー領域Ashにかけて配設されている。また、第2カバー材42は、大部分がタイヤ赤道面CLから第2側S2側のショルダー領域Ashにかけて配置され、一部がタイヤ赤道面CLの近傍におけるタイヤ赤道面CLよりも第1側S1に配置されている。このため、第2カバー材42は、第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第2側S2のショルダー領域Ashにかけて配設されている。
なお、この場合におけるショルダー領域Ashは、ベルト層14のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pとベルト層14のタイヤ幅方向における端部144との間の領域になっている。詳しくは、ショルダー領域Ashは、タイヤ子午断面において、ベルト層14が有する複数のベルト141、142のうち、タイヤ幅方向における幅が最も広いベルトである最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと、最幅広ベルト143の端部144とから、タイヤ内面18に対して垂直に延ばした線を、それぞれショルダー領域境界線Lshとする場合に、2本のショルダー領域境界線Lshの間に位置する領域になっている。これらのように規定されるショルダー領域Ashは、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側で規定され、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側にそれぞれ位置している。
本実施形態では、ベルト層14が有する2層のベルト141、142のうち、タイヤ径方向内側に位置するベルト141のタイヤ幅方向における幅が、他方のベルト142のタイヤ幅方向における幅よりも広くなっており、このタイヤ径方向内側に位置するベルト141が、最幅広ベルト143になっている。
また、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pは、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における中心、或いはタイヤ赤道面CLの位置を中心として、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の領域がタイヤ幅方向両側に均等に振り分けられた際における、85%の領域の端部の位置になっている。このため、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと、最幅広ベルト143の端部144との間隔は、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側で同じ大きさになっている。
このように規定されるショルダー領域Ashは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態における形状で規定される。ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
また、第1カバー材41と第2カバー材42とは、それぞれベルト層14のタイヤ径方向外側に螺旋状に巻かれているが、螺旋の方向は、タイヤ赤道面CLを中心として見た場合に、対称になる方向になっている。つまり、第1カバー材41と第2カバー材42とは、タイヤ赤道面CL側からショルダー領域Ash側に向かう際において、タイヤ周方向における巻き付け方向が同じ方向になっている。具体的には、第1カバー材41の、タイヤ赤道面CL側から第1側S1のショルダー領域Ash側に向かう際におけるタイヤ周方向への巻き付けの方向と、第2カバー材42の、タイヤ赤道面CL側から第2側S2のショルダー領域Ash側に向かう際におけるタイヤ周方向への巻き付けの方向とが、同じ方向になっている。
これらのように、ベルトカバー層15を構成する第1カバー材41と第2カバー材42とは、それぞれ螺旋状に巻かれると共にタイヤ径方向に積層されている。詳しくは、第1カバー材41は、ベース部41bと、ベース部41bのタイヤ径方向外側に配置されてベース部41bに対して積層される折り返し部41cとを有している。第1カバー材41が有するベース部41bと折り返し部41cとのうち、ベース部41bは、第2側S2のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第1側S1のショルダー領域Ashにかけて配設されている。また、折り返し部41cは、ベース部41bのタイヤ径方向外側の位置で、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて配設されている。
第1カバー材41は、帯状部材で形成されているため、帯状部材である第1カバー材41の一端は、タイヤ径方向に積層されるベース部41bと折り返し部41cとのうちの一方に位置し、他端は他方に位置している。即ち、帯状部材で形成される第1カバー材41の両端のうち、ベース部41b側に位置する端部である内側端部41aは、第2側S2のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間に位置し、折り返し部41c側に位置する端部である外側端部41dは、タイヤ赤道面CL上、或いはタイヤ赤道面CL近傍に位置している。
第2カバー材42も同様に、ベース部42bと、ベース部42bのタイヤ径方向外側に配置されてベース部42bに対して積層される折り返し部42cとを有している。第2カバー材42が有するベース部42bと折り返し部42cとのうち、ベース部42bは、第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第2側S2のショルダー領域Ashにかけて配設されている。また、折り返し部42cは、ベース部42bのタイヤ径方向外側の位置で、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて配設されている。
第2カバー材42も第1カバー材41と同様に、帯状部材で形成されているため、帯状部材である第2カバー材42の一端は、タイヤ径方向に積層されるベース部42bと折り返し部42cとのうちの一方に位置し、他端は他方に位置している。即ち、帯状部材で形成される第2カバー材42の両端のうち、ベース部42b側に位置する端部である内側端部42aは、第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間に位置し、折り返し部42c側に位置する端部である外側端部42dは、タイヤ赤道面CL上、或いはタイヤ赤道面CL近傍に位置している。
さらに、第1カバー材41と第2カバー材42とは、タイヤ幅方向における位置が互いに同じ位置となる位置に、第1カバー材41と第2カバー材42とがタイヤ径方向に重なるオーバーラップ部45を有している。
図5は、図2に示すセンター陸部21の詳細図である。第1カバー材41におけるベース部41b側に位置する端部である内側端部41aは、第2側S2に位置し、第2カバー材42におけるベース部42b側に位置する端部である内側端部42aは、第1側S1に位置しており、オーバーラップ部45は、第1カバー材41の内側端部41aと、第2カバー材42の内側端部42aとの間に亘る位置に形成されている。このため、オーバーラップ部45は、タイヤ赤道面CLをタイヤ幅方向に跨いで形成されており、少なくとも一部がセンター陸部21のタイヤ径方向内側に位置している。
また、第1カバー材41のベース部41bにおけるオーバーラップ部45に位置する部分と、第2カバー材42のベース部42bにおけるオーバーラップ部45に位置する部分とは、タイヤ径方向に積層されている。本実施形態では、第1カバー材41のベース部41bと第2カバー材42のベース部42bとにおける、タイヤ径方向に積層される部分では、第2カバー材42のベース部42bが、第1カバー材41のベース部41bのタイヤ径方向外側に積層されている。
また、第1カバー材41の折り返し部41cは、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて配設され、外側端部41dがタイヤ赤道面CLで終端しており、第2カバー材42の折り返し部42cは、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて配設され、外側端部42dがタイヤ赤道面CLで終端している。第1カバー材41と第2カバー材42とは、これらのように配置されるため、セカンド陸部22やショルダー陸部23のタイヤ径方向内側の位置では、第1カバー材41のベース部41bと折り返し部41cとの2層、または第2カバー材42のベース部42bと折り返し部42cとの2層が巻かれている。
これに対し、センター陸部21のタイヤ径方向内側で、オーバーラップ部45が位置する部分では、第1カバー材41と第2カバー材42とが3層でタイヤ径方向に重ねられて巻き付けられている。つまり、オーバーラップ部45におけるタイヤ赤道面CLよりも第1側S1側に位置する部分は、第1カバー材41のベース部41bと折り返し部41cとの2層と、第2カバー材42のベース部42bにおけるタイヤ赤道面CLの位置から内側端部42aまでの範囲との計3層が積層されている。また、オーバーラップ部45におけるタイヤ赤道面CLよりも第2側S2側に位置する部分は、第2カバー材42のベース部42bと折り返し部42cとの2層と、第1カバー材41のベース部41bにおけるタイヤ赤道面CLの位置から内側端部41aまでの範囲との計3層が積層されている。
このため、オーバーラップ部45は、オーバーラップ部45のタイヤ幅方向における範囲を規定する、第1カバー材41の内側端部41aのタイヤ幅方向における位置と、第2カバー材42の内側端部42aのタイヤ幅方向における位置とのタイヤ幅方向における間の範囲では、ベルトカバー材40が3層で積層されている。このように、オーバーラップ部45は、ベルトカバー層15が配設される範囲において、オーバーラップ部45以外の位置よりも多くの枚数のベルトカバー材40が積層される部分になっている。従って、本実施形態では、ベルトカバー層15は、オーバーラップ部45以外の位置では、ベルトカバー材40が2層で積層され、オーバーラップ部45では、ベルトカバー材40が3層で積層されている。換言すると、ベルトカバー層15は、ベルト層14のタイヤ幅方向の全域に亘って配置される、いわゆるフルカバーが2層のベルトカバー材40で形成され、タイヤ赤道面CLをタイヤ幅方向に跨ぐオーバーラップ部45が、3層のベルトカバー材40で形成されている。
また、第1カバー材41と第2カバー材42とは、オーバーラップ部45のタイヤ幅方向における範囲を規定する、第1カバー材41の内側端部41aと第2カバー材42の内側端部42aとで、タイヤ周方向における位置が互いに異なっている。
ここで、第1カバー材41と第2カバー材42とは、タイヤ回転軸を中心とする螺旋状に配設されているため、タイヤ周方向に対していずれもタイヤ幅方向に傾斜しており、さらに、第1カバー材41の内側端部41aのタイヤ周方向における位置と、第2カバー材42の内側端部42aのタイヤ周方向における位置とが異なっている。このため、第1カバー材41と第2カバー材42とがタイヤ径方向に重ねられることにより形成されるオーバーラップ部45は、タイヤ幅方向における幅Wがタイヤ周方向における位置によって変動する。
タイヤ幅方向における幅Wが変動するオーバーラップ部45は、タイヤ幅方向における幅Wが最小となる位置での幅である最小幅Wmin(図3参照)が、5mm以上になっており、タイヤ幅方向における幅Wが最大となる位置での幅である最大幅Wmax(図3参照)が、40mm以下になっている。つまり、オーバーラップ部45は、タイヤ幅方向における幅Wが、5mm以上40mm以下の範囲内になっている。
[空気入りタイヤの製造方法]
次に、実施形態に係る空気入りタイヤ1の製造方法について説明する。空気入りタイヤ1の製造時には、まず、空気入りタイヤ1を構成する部材ごとに加工を行い、加工した部材を組み立てる。即ち、トレッドゴム層4等のゴム部材や、ビードコア11、カーカス層13、ベルト層14、ベルトカバー層15等の各部材をそれぞれ加工し、加工した部材を組み立てる。このうち、ベルトカバー層15は、ベルト層14のタイヤ径方向外側に、帯状のベルトカバー材40をタイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻くことにより、ベルト層14のタイヤ径方向外側に配設する。
ベルトカバー層15を形成するための部材であるベルトカバー材40は、本実施形態では、第1カバー材41(図3参照)と第2カバー材42(図3参照)とを使用する。ベルトカバー層15をベルト層14のタイヤ径方向外側に配設する工程は、第1カバー材41を、第2側S2(図2参照)のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第1側S1(図2参照)のショルダー領域Ashにかけて螺旋状に巻く工程と、第2カバー材42を、第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第2側S2のショルダー領域Ashにかけて螺旋状に巻く工程と、第1カバー材41を、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて螺旋状に巻く工程と、第2カバー材42を、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて螺旋状に巻く工程と、を含む。
第1カバー材41や第2カバー材42を螺旋状に巻く際には、第1カバー材41や第2カバー材42の幅とほぼ同じピッチで、螺旋状に巻く。つまり、第1カバー材41や第2カバー材42を螺旋状に巻く工程では、第1カバー材41や第2カバー材42における、隣り合う周回部分同士が重ならず、また、隣り合う周回部分同士が離間しないピッチで巻き付ける。このため、第1カバー材41や第2カバー材42は、隣り合う周回部分のエッジ部同士が互いに接触する状態で巻かれるのが最も好ましく、隣り合う周回部分同士が重なる場合には、重なった部分の幅が3mm以内で、隣り合う周回部分同士が離間する場合には、離間する距離が3mm以内であるのが好ましい。
図6は、第1カバー材41と第2カバー材42とを巻き付ける方向について説明する模式図である。第1カバー材41を巻く工程では、まず、第1カバー材41の内側端部41aを第2側S2のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置させた状態から、第1側S1のショルダー領域Ashに向けて螺旋状に巻く。つまり、第1カバー材41は、内側端部41aから巻き付けを開始し、第2側S2側から第1側S1のショルダー領域Ashまで巻くことにより、第1カバー材41におけるベース部41bを形成する。第1カバー材41におけるベース部41bを形成したら、第1カバー材41をタイヤ径方向外側に折り返し、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLに向けて螺旋状に巻く。即ち、ショルダー領域Ashでタイヤ径方向外側に折り返した第1カバー材41を、第1カバー材41のベース部41bのタイヤ径方向外側で、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて巻き付け、外側端部41dをタイヤ赤道面CL上、或いはタイヤ赤道面CL近傍に位置させる。これにより、第1カバー材41における折り返し部41cを形成する。
また、第2カバー材42を巻く工程では、まず、第2カバー材42の内側端部42aを第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置させた状態から、第2側S2のショルダー領域Ashに向けて螺旋状に巻く。つまり、第2カバー材42は、内側端部42aから巻き付けを開始し、第1側S1側から第2側S2のショルダー領域Ashまで巻くことにより、第2カバー材42におけるベース部42bを形成する。第2カバー材42におけるベース部42bを形成したら、第2カバー材42をタイヤ径方向外側に折り返し、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLに向けて螺旋状に巻く。即ち、ショルダー領域Ashでタイヤ径方向外側に折り返した第2カバー材42を、第2カバー材42のベース部42bのタイヤ径方向外側で、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて巻き付け、外側端部42dをタイヤ赤道面CL上、或いはタイヤ赤道面CL近傍に位置させる。これにより、第2カバー材42における折り返し部42cを形成する。
これらにより、第1カバー材41を巻く工程では、第1カバー材41の内側端部41aは第2側S2に位置させつつ、第1カバー材41の大部分を第1側S1に2層で巻き付け、第2カバー材42を巻く工程では、第2カバー材42の内側端部42aは第1側S1に位置させつつ、第2カバー材42の大部分を第2側S2に2層で巻き付ける。
なお、第1カバー材41の外側端部41dは、タイヤ赤道面CL上に位置させるのが好ましく、タイヤ赤道面CLの近傍に位置させる場合には、外側端部41dが第2側S2に位置する状態でタイヤ赤道面CLの近傍に位置させるのが好ましい。同様に、第2カバー材42の外側端部42dは、タイヤ赤道面CL上に位置させるのが好ましく、タイヤ赤道面CLの近傍に位置させる場合には、外側端部42dが第1側S1に位置する状態でタイヤ赤道面CLの近傍に位置させるのが好ましい。また、第1カバー材41の外側端部41dや第2カバー材42の外側端部42dは、タイヤ赤道面CLからの距離が、0mm以上20mm以下の範囲内であるのが好ましい。
また、第1カバー材41や第2カバー材42をショルダー領域Ashで折り返す際には、ベルト層14のタイヤ幅方向における端部144を覆う状態で折り返すのが好ましい。つまり、ベルトカバー材40は、ベルトカバー層15のタイヤ幅方向における幅がベルト層14のタイヤ幅方向における幅と同じ幅以上の幅になり、ベルト層14のタイヤ幅方向における全域をタイヤ径方向外側から覆うことができるように配置するのが好ましい。
これらの第1カバー材41を巻く工程と第2カバー材42を巻く工程は、時間が重なって行われる。即ち、第1カバー材41を巻く工程と第2カバー材42を巻く工程は、第1カバー材41を巻く工程中の少なくとも一部の作業と、第2カバー材42を巻く工程中の少なくとも一部の作業とが、同時刻に行われる。例えば、第1カバー材41を、第2側S2のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第1側S1のショルダー領域Ashにかけて螺旋状に巻く工程と、第2カバー材42を、第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第2側S2のショルダー領域Ashにかけて螺旋状に巻く工程とは、作業を並行して同時刻に行う。また、第1カバー材41を、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて螺旋状に巻く工程と、第2カバー材42を、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて螺旋状に巻く工程とも、作業を並行して同時刻に行う。このため、第1カバー材41を巻く工程と第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41の巻き付けと第2カバー材42の巻き付けを同時に開始する。
第1カバー材41と第2カバー材42とは、ベルト層14のタイヤ径方向外側に巻き付ける際には、いずれも内側端部41a、42aから巻き付けるが、その際に、第1カバー材41の内側端部41aのタイヤ周方向における位置と、第2カバー材42の内側端部42aのタイヤ周方向における位置とを互いに異ならせて、それぞれ巻き付ける。これにより、第1カバー材41の内側端部41aと第2カバー材42の内側端部42aとは、互いに離間する状態になる。第1カバー材41と第2カバー材42とは、このようにそれぞれの内側端部41a、42aが離間する状態で、第1カバー材41における内側端部41aからの巻き付けの開始と、第2カバー材42における内側端部42aからの巻き付けの開始とを同時に行う。
なお、第1カバー材41の内側端部41aと第2カバー材42の内側端部42aとは、タイヤ周方向に沿った方向における距離が、5mm以上500mm以下の範囲内で離間するのが好ましい。
ベルトカバー層15は、これらのように第1カバー材41と第2カバー材42とを、それぞれベルト層14のタイヤ径方向外側にタイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻きながら所定の範囲に配設することにより、タイヤ幅方向におけるベルト層14が配設されている範囲に亘って、ベルト層14のタイヤ径方向外側に配設する。
また、第1カバー材41を巻く工程と第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41におけるベース部41bを形成する部分と折り返し部41cを形成する部分とをタイヤ径方向に重ね、第2カバー材42におけるベース部42bを形成する部分と折り返し部42cを形成する部分とをタイヤ径方向に重ねるが、第1カバー材41と第2カバー材42も、タイヤ幅方向における位置が同じ位置となる部分同士をタイヤ径方向に重ねる。つまり、第1カバー材41及び第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41における第2側S2に位置する部分と、第2カバー材42における第1側S1に位置する部分との間の領域で、第1カバー材41と第2カバー材42、及び第1カバー材41同士と第2カバー材42同士をタイヤ径方向に重ねることにより、オーバーラップ部45を形成する。即ち、第1カバー材41を巻く工程と第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41同士や第2カバー材42同士のみでなく、第1カバー材41における第2側S2に位置する部分と、第2カバー材42における第1側S1に位置する部分との間に亘る位置で、第1カバー材41と第2カバー材42とをタイヤ径方向に重ねる。これにより、ベルトカバー材40におけるタイヤ径方向に重ねられる数が他の部分よりも多い数で重ねられる、オーバーラップ部45を形成する。
その際に、第1カバー材41を巻く工程と第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41や第2カバー材42は、いずれも螺旋状に巻くため、第1カバー材41と第2カバー材42とは、タイヤ周方向に対してタイヤ幅方向に傾斜させて巻き付ける。また、第1カバー材41と第2カバー材42とは、第1カバー材41の内側端部41aのタイヤ周方向における位置と、第2カバー材42の内側端部42aのタイヤ周方向における位置とを互いに異ならせて巻き付ける。このため、オーバーラップ部45は、タイヤ幅方向における幅Wをタイヤ周方向における位置によって変動させる形態で形成する。
[作用・効果]
本実施形態に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、ビード部10にリムホイールR(図7参照)を嵌合することによってリムホイールRに空気入りタイヤ1をリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。車両に装着する際における向きは、第1側S1が車両幅方向内側で第2側S2が車両幅方向外側であってもよく、第1側S1が車両幅方向外側で第2側S2が車両幅方向内側であってもよい。なお、車両装着時における向きが指定される空気入りタイヤ1においては、車両装着方向における内側と外側と、第1側S1と第2側S2との関係を、予め設定しておいてもよい。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、例えば、EXTRA LOAD規格のような、高荷重での使用に対応することができる空気入りタイヤ1であるため、インフレート時の空気圧を比較的高い状態にして使用することが可能になっている。このため、空気入りタイヤ1を高荷重で使用する際には、高めの空気圧で使用する。空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、接地面3のうち下方に位置する部分の接地面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
例えば、空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主に接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、接地面3と路面との間の水が主溝30やラグ溝等の溝に入り込み、これらの溝で接地面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、接地面3は路面に接地し易くなり、接地面3と路面との間の摩擦力により、車両は所望の走行をすることが可能になる。
また、車両の走行時は、空気入りタイヤ1は車体の重量や、加減速、旋回に伴う荷重を受けるため、タイヤ径方向に大きな荷重が作用する。この荷重は、空気入りタイヤ1の内部に充填される空気によって主に受けるが、空気入りタイヤ1の内部の空気のみでなく、トレッド部2やサイドウォール部8によっても受ける。即ち、サイドウォール部8は、リムホイールRが嵌合されるビード部10とトレッド部2との間で荷重を伝達し、トレッド部2は、サイドウォール部8と路面との間で荷重を伝達する。このため、サイドウォール部8やトレッド部2には、車両の走行時には大きな荷重が作用し、サイドウォール部8やトレッド部2は、主にタイヤ径方向に撓みながらこの荷重を受ける。
また、車両の走行時には、空気入りタイヤ1は回転をするため、接地面3における路面に接地する位置は継続的にタイヤ周方向に移動し、これに伴い、サイドウォール部8やトレッド部2における、車両の走行時の荷重によって撓む位置も、タイヤ周方向に移動する。このため、車両の走行時は、サイドウォール部8やトレッド部2のタイヤ周方向上における各位置が、順次撓むことを繰り返しながら空気入りタイヤ1は回転をする。
また、車両が走行する路面には、石等の路面から突出する突起物が存在することがあり、走行中の車両は、このような突起物を空気入りタイヤ1のトレッド部2で踏んでしまうことがある。その際に、内部に充填される空気圧が高いことによりサイドウォール部8やトレッド部2の撓みが小さいと、空気入りタイヤ1は、突起物が存在することによる路面の形状の変化を吸収することができず、突起物は、空気入りタイヤ1のトレッド部2を貫通してしまう虞がある。即ち、内圧を高くした空気入りタイヤ1は、路面上の突起物を踏んだ際に、サイドウォール部8やトレッド部2の撓みが小さいことに起因して突起物がトレッド部2を貫通し、ショックバーストが発生する虞がある。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ベルトカバー層15が第1カバー材41と第2カバー材42とにより形成され、第1カバー材41と第2カバー材42とで、タイヤ赤道面CLをタイヤ幅方向に跨ぐオーバーラップ部45が形成されるため、内圧を高くした場合におけるショックバーストを抑制することができる。図7は、実施形態に係る空気入りタイヤ1で路面100上の突起物105を踏んだ状態を示す説明図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、第1カバー材41と第2カバー材42とにおけるタイヤ赤道線CLをタイヤ幅方向に跨ぐ部分同士をタイヤ径方向に重ねることにより、ベルトカバー材40が重ねられる数が他の部分よりも多いオーバーラップ部45を、タイヤ赤道面CLを跨ぐ位置に形成することができる。これにより、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を増加させることができ、路面100上の突起物105を、接地圧が高くなり易いセンター陸部21付近で踏んだ場合でも、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができる。従って、車両の走行中に突起物105を踏むことに起因するショックバーストを抑制することができる。
また、ベルトカバー層15を形成する第1カバー材41と第2カバー材42とは、オーバーラップ部45以外の部分はタイヤ幅方向において異なる位置に配設されるため、第1カバー材41と第2カバー材42とは、オーバーラップ部45以外の部分は同時に螺旋状に巻き付けて配設することができる。これにより、耐ショックバースト性を向上させることを目的としてベルトカバー層15を配設する際に、生産性を高めて配設することができる。これらの結果、耐ショックバースト性能と生産性とを両立することができる。
また、実施形態に係る空気入りタイヤ1の製造方法は、ベルトカバー材40として第1カバー材41と第2カバー材42とを使用し、第1カバー材41を、第2側S2のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第1側S1のショルダー領域Ashにかけて螺旋状に巻く工程と、第2カバー材42を、第1側S1のショルダー領域Ashとタイヤ赤道面CLとの間の位置から第2側S2のショルダー領域Ashにかけて螺旋状に巻く工程と、を含むため、これらの工程では、第1カバー材41と第2カバー材42とを同時に巻き付けることができる。また、実施形態に係る空気入りタイヤ1の製造方法は、第1カバー材41を、第1側S1のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて螺旋状に巻く工程と、第2カバー材42を、第2側S2のショルダー領域Ashからタイヤ赤道面CLにかけて螺旋状に巻く工程と、を含むため、これらの工程では、第1カバー材41と第2カバー材42とを同時に巻き付けることができる。これらにより、ベルトカバー層15を配設する時間の短縮化を図ることができ、生産性を落とさずに、ベルト層14のタイヤ径方向外側に2層のフルカバーを配置することができる。
また、第1カバー材41及び第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41における第2側S2に位置する部分と、第2カバー材42における第1側S1に位置する部分との間の領域で、第1カバー材41と第2カバー材42、及び第1カバー材41同士と第2カバー材42同士をタイヤ径方向に重ねることにより、ベルトカバー材40が3層で重ねられるオーバーラップ部45を形成することができる。これにより、接地圧が高くなり易いトレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を、ベルトカバー層15のオーバーラップ部45によって増加させることができる。従って、路面100上の突起物105をセンター陸部21付近で踏んだ場合でも、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができ、車両の走行中に突起物105を踏むことに起因するショックバーストを抑制することができる。これらの結果、耐ショックバースト性能と生産性とを両立することができる。
また、第1カバー材41及び第2カバー材42を巻く工程では、第1カバー材41の巻き付けと第2カバー材42の巻き付けを同時に開始するため、ベルトカバー層15を構成するベルトカバー材40の巻き付けに要する時間を、さらに短縮することができる。これにより、より確実に、ベルトカバー層15を配設する時間の短縮化を図ることができる。この結果、より確実に生産性を向上させることができる。
また、オーバーラップ部45は、タイヤ幅方向における幅Wが5mm以上40mm以下の範囲内であるため、ベルトカバー層15の重量が増加し過ぎることを抑制しつつ、オーバーラップ部45の強度をより確実に確保することができる。つまり、オーバーラップ部45の幅Wが5mm未満である場合は、オーバーラップ部45の幅Wが小さ過ぎるため、オーバーラップ部45の強度を確保し難くなる虞がある。この場合、オーバーラップ部45を形成しても、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を効果的に向上させ難くなり、トレッド部2で踏んだ突起物105がトレッド部2を貫通することを効果的に抑制し難くなる虞がある。また、オーバーラップ部45の幅Wが40mmより大きい場合は、オーバーラップ部45の幅Wが大き過ぎるため、使用するベルトカバー材40が多くなり過ぎる虞がある。この場合、ベルトカバー層15の重量が増加し過ぎる虞があり、オーバーラップ部45を設けることに起因して空気入りタイヤ1の重量が増加し過ぎる虞がある。
これに対し、オーバーラップ部45の幅Wが5mm以上40mm以下の範囲内である場合は、ベルトカバー層15の重量が増加し過ぎることを抑制しつつ、オーバーラップ部45の強度をより確実に確保することができ、接地圧が高くなり易いトレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を、より確実に向上させることができる。この結果、空気入りタイヤ1の重量の増加を抑えつつ、耐ショックバースト性能を向上させることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、主溝30は4本が形成されているが、主溝30は4本以外であってもよい。また、上述した実施形態では、タイヤ赤道面CL上にセンター陸部21が位置しているが、タイヤ赤道面CL上に陸部20が位置していなくてもよい。例えば、タイヤ赤道面CL上に主溝30が位置していてもよい。タイヤ赤道面CL上に主溝30が位置する場合、ベルトカバー層15のオーバーラップ部45は、複数の陸部20のうちタイヤ赤道面CLに最も近い陸部20のタイヤ径方向内側に少なくとも一部が位置するのが好ましい。
[実施例]
図8は、空気入りタイヤの製造方法についての性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の製造方法で製造した空気入りタイヤ1について、本発明に係る空気入りタイヤ1の製造方法で製造した空気入りタイヤ1と、比較例の製造方法で製造した空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、耐ショックバースト性能に対する評価試験であるプランジャー試験と、タイヤ製造時における生産性とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが275/40ZR19 105Yサイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ19×9.5JのJATMA標準のリムホイールにリム組みしたものを用いて行った。各試験項目の評価方法は、プランジャー試験については、試験タイヤの空気圧を正規内圧で充填し、プランジャー径19mm、押し込み速度50mm/分にてJIS K6302に準じたプランジャー破壊試験を行い、タイヤ破壊エネルギー[J]を測定することによって評価した。プランジャー試験の評価結果は、測定したタイヤ破壊エネルギー[J]が大きいほどタイヤ強度が優れ、耐ショックバースト性能が優れていることを示している。
また、生産性については、タイヤ製造時におけるベルトカバー材40を巻き付ける工程で、ベルトカバー材40の巻き付けに要する時間を測定した。生産性は、測定した時間の逆数を、後述する従来例1を100とする指数評価によって表し、指数値が大きいほど巻き付けの時間が短く、生産性が高いことを示している。
性能評価試験は、本発明に係る空気入りタイヤ1の製造方法で製造した空気入りタイヤ1の一例である実施例1~6と、本発明に係る空気入りタイヤ1の製造方法と比較する製造方法で製造した空気入りタイヤの一例である比較例1、2との8種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、比較例1の空気入りタイヤは、ベルトカバー層15がオーバーラップ部45を有していない。なお、比較例1の空気入りタイヤでは、ベルトカバー層15は1枚のフルカバーのベルトカバー材40によって形成されている。また、比較例2の空気入りタイヤは、ベルトカバー層15はオーバーラップ部45を有しているものの、オーバーラップ部45は1枚のベルトカバー材40によって構成されている。つまり、比較例2の空気入りタイヤは、2枚のフルカバーのベルトカバー材40の間に、タイヤ幅方向における幅が狭く、オーバーラップ部45を形成するための1枚のベルトカバー材40が挟まれて配置されることにより、オーバーラップ部45が形成されている。このため、比較例2の空気入りタイヤでは、ベルトカバー層15を構成するベルトカバー材40は、3枚が用いられている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の製造方法で製造された空気入りタイヤ1の一例である実施例1~6は、全てベルトカバー層15がオーバーラップ部45を有しており、ベルトカバー層15を構成するベルトカバー材40は、第1カバー材41と第2カバー材42との2枚が用いられている。さらに、実施例1~6に係る空気入りタイヤ1は、オーバーラップ部45の幅Wや、複数のベルトカバー材40を巻き付ける際に、複数のベルトカバー材40を同時に巻き付けるか否かが、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図8に示すように、実施例1~6に係る空気入りタイヤ1は、プランジャー試験によって評価する耐ショックバースト性能と生産性とのいずれの性能も比較例1より低下させることなく、少なくともいずれかの性能を比較例1、2より向上させることができることが分かった。つまり、実施例1~6に係る空気入りタイヤ1の製造方法は、耐ショックバースト性能と生産性とを両立することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 接地面
4 トレッドゴム層
5 ショルダー部
8 サイドウォール部
10 ビード部
13 カーカス層
14 ベルト層
15 ベルトカバー層
16 インナーライナ
18 タイヤ内面
20 陸部
30 主溝
40 ベルトカバー材
41 第1カバー材
41a、42a 内側端部
41b、42b ベース部
41c、42c 折り返し部
41d、42d 外側端部
42 第2カバー材
45 オーバーラップ部
100 路面
105 突起物

Claims (3)

  1. ベルト層のタイヤ径方向外側に帯状のベルトカバー材をタイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻くことによりベルトカバー層を配設する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記ベルトカバー材に第1カバー材と第2カバー材とを使用し、
    タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面よりも一方側を第1側とし、タイヤ幅方向における前記タイヤ赤道面よりも他方側を第2側とする場合に、
    前記第1カバー材を、前記第2側のショルダー領域と前記タイヤ赤道面との間の位置から前記第1側のショルダー領域にかけて螺旋状に巻く工程と、
    前記第2カバー材を、前記第1側の前記ショルダー領域と前記タイヤ赤道面との間の位置から前記第2側の前記ショルダー領域にかけて螺旋状に巻く工程と、
    前記第1カバー材を、前記第1側のショルダー領域から前記タイヤ赤道面にかけて螺旋状に巻く工程と、
    前記第2カバー材を、前記第2側の前記ショルダー領域から前記タイヤ赤道面にかけて螺旋状に巻く工程と、
    を含み、
    前記第1カバー材における前記第2側に位置する部分と、前記第2カバー材における前記第1側に位置する部分との間の領域では、前記第1カバー材と前記第2カバー材、及び前記第1カバー材同士と前記第2カバー材同士をタイヤ径方向に重ねることにより、オーバーラップ部を形成することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記第1カバー材の巻き付けと前記第2カバー材の巻き付けを同時に開始する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記オーバーラップ部は、タイヤ幅方向における幅が5mm以上40mm以下の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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