JP7035637B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、所望の性能を確保するために、所定の位置での寸法を規定しているものがある。例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、ベルト層の端部とカーカスの最外端との距離とトレッド幅との比を規定することにより、トレッド部の外径成長を抑制している。また、特許文献2に記載されたランフラットラジアルタイヤでは、最大幅ベルト層とサイド補強ゴム層とのタイヤ軸方向の重複幅とタイヤ断面高さとの比を規定することにより、リム外れ性を向上させている。
従来の空気入りタイヤの中には、ベルト層のコードの角度を規定することにより、所望の性能を確保しているものがある。例えば、特許文献3に記載された空気入りタイヤでは、ベルト層の幅方向中央におけるコードのタイヤ周方向に対する角度が幅方向両端におけるコードの角度より大きくなるようにし、且つ、ベルト層のコードを、ベルト層の全域に亘って複数の弧が連続してなる曲線状に配置することにより、ショルダー部の径成長を抑制しつつベルト層の耐久性と操縦安定性とを向上させている。また、特許文献4に記載された空気入りタイヤでは、クラウン領域のみにバンド層を設けてクラウン領域の剛性を高めるとともに、ベルト層のショルダー領域ではベルトコード角度をクラウン領域のベルトコード角度に比して小さくすることによりショルダー領域の剛性を高めて、偏摩耗を長期に亘って抑制している。
特許第5567839号公報 特開2015-205583号公報 特開2011-230538号公報 特開2004-161026号公報
ここで、近年では、空気入りタイヤの転がり抵抗の低減を目的として、指定内圧を高めるニーズが増えている。一方で、空気入りタイヤの内圧が高まると接地面の剛性が増加するため、異物を踏んだ際に接地面が変形し難くなり、異物を踏み込むことに起因して発生するショックバーストに対する耐性である耐ショックバースト性能が低下し易くなる。このため、耐ショックバースト性能を低下させることなく転がり抵抗を低減させるのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、少なくとも1層のカーカス層と、前記カーカス層におけるトレッド部に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層と、前記トレッド部における前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドゴム層とを備える空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、それぞれ複数のベルトコードを有する複数のベルトが積層され、前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる主溝が形成されると共に、前記主溝によって複数の陸部が画成されており、前記トレッド部は、前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い前記陸部であるセンター陸部が位置する領域をセンター領域とし、前記ベルト層が有する複数の前記ベルトのうちタイヤ幅方向における幅が最も広い前記ベルトである最幅広ベルトのタイヤ幅方向における幅の85%の位置と前記最幅広ベルトのタイヤ幅方向における端部との間の領域をショルダー領域とする場合に、前記センター領域におけるタイヤ平均厚さGcと、前記ショルダー領域におけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内であり、前記最幅広ベルトは、前記センター領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度θcと、前記ショルダー領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たすことを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記最幅広ベルトの前記ベルトコードは、前記センター領域における前記角度θcと前記ショルダー領域における前記角度θshとの差が、1°以上14°以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記最幅広ベルトの前記ベルトコードは、前記センター領域における前記角度θcが、24°<θc≦32°の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記最幅広ベルトの前記ベルトコードは、前記ショルダー領域における前記角度θshが、17°<θsh≦24°の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記センター領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVcと、前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.6≦(Vc/Vsh)≦2.5の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層は、前記センター領域に位置する前記ベルトコードの破断強度が3GPa以上であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記最幅広ベルトは、タイヤ子午断面における前記センター領域を含む領域の50mm幅あたりの前記ベルトコードの本数が、35本以上42本以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層のタイヤ径方向外側には、補強コードを有する1層以上の補強層を備えるベルト補強層が配設されており、前記補強コードは、タイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻き回され、前記ベルト補強層は、1つの前記補強層のタイヤ子午断面における前記センター領域の50mm幅あたりの前記補強コードの本数が、前記ショルダー領域の50mm幅あたりの前記補強コードの本数よりも多いことが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、トレッド部の要部斜視図であり、トレッドゴム層の実ゴム厚さについての説明図である。 図4は、図2に示す最幅広ベルトを平面展開した模式図である。 図5は、実施形態1に係る空気入りタイヤで路面上の突起物を踏んだ状態を示す説明図である。 図6は、最幅広ベルトのベルトコードの角度が一定の空気入りタイヤで路面上の突起物を踏んだ状態を示す説明図である。 図7は、実施形態2に係る空気入りタイヤの要部詳細断面図である。 図8は、実施形態3に係る空気入りタイヤの要部詳細断面図である。 図9は、実施形態1に係る空気入りタイヤの変形例であり、ベルトコードが湾曲する場合における最幅広ベルトの模式図である。 図10Aは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。 図10Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸であるタイヤ回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2は、ゴム組成物から成るトレッドゴム層4を有している。また、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、接地面3として形成され、接地面3は、空気入りタイヤ1の輪郭の一部を構成している。トレッド部2には、接地面3にタイヤ周方向に延びる主溝30が複数形成されており、この複数の主溝30により、トレッド部2の表面には複数の陸部20が画成されている。本実施形態1では、主溝30は4本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、4本の主溝30は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側にそれぞれ2本ずつ配設されている。つまり、トレッド部2には、タイヤ赤道面CLの両側に配設される2本のセンター主溝31と、2本のセンター主溝31のそれぞれのタイヤ幅方向外側に配設される2本のショルダー主溝32との、計4本の主溝30が形成されている。
なお、主溝30とは、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。一般に主溝30は、3mm以上の溝幅を有し、6mm以上の溝深さを有し、摩耗末期を示すトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を内部に有する。本実施形態1では、主溝30は、9mm以上12mm以下の溝幅を有し、7mm以上8mm以下の溝深さを有しており、タイヤ赤道面CLと接地面3とが交差するタイヤ赤道線(センターライン)と実質的に平行である。主溝30は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、波形状又はジグザグ状に設けられてもよい。
主溝30によって画成される陸部20のうち、2本のセンター主溝31同士の間に位置し、タイヤ赤道面CL上に位置する陸部20は、センター陸部21になっている。また、隣り合うセンター主溝31とショルダー主溝32との間に位置し、センター陸部21のタイヤ幅方向外側に配置される陸部20はセカンド陸部22になっている。また、セカンド陸部22のタイヤ幅方向外側に位置し、ショルダー主溝32を介してセカンド陸部22に隣り合う陸部20はショルダー陸部23になっている。
なお、これらの陸部20は、タイヤ周方向の1周に亘ってリブ状に形成されていてもよく、トレッド部2に、タイヤ幅方向に延びるラグ溝(図示省略)が複数形成されることによって陸部20が主溝30とラグ溝とによって画成され、各陸部20がブロック状に形成されていてもよい。本実施形態1では、陸部20はタイヤ周方向の1周に亘って形成されるリブ状の陸部20として形成されている。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両外側端にはショルダー部5が位置しており、ショルダー部5のタイヤ径方向内側には、サイドウォール部8が配設されている。即ち、サイドウォール部8は、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配設されている。換言すると、サイドウォール部8は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されており、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出した部分を形成している。
タイヤ幅方向における両側に位置するそれぞれのサイドウォール部8のタイヤ径方向内側には、ビード部10が位置している。ビード部10は、サイドウォール部8と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されており、即ち、ビード部10は、一対がタイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側に配設されている。各ビード部10にはビードコア11が設けられており、ビードコア11のタイヤ径方向外側にはビードフィラー12が設けられている。ビードコア11は、スチールワイヤであるビードワイヤを束ねて円環状に形成される環状部材になっており、ビードフィラー12は、ビードコア11のタイヤ径方向外側に配置されるゴム部材になっている。
また、トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層14が設けられている。ベルト層14は、複数のベルト141、142が積層される多層構造によって構成されており、本実施形態1では、2層のベルト141、142が積層されている。ベルト層14を構成するベルト141、142は、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。また、2層のベルト141、142は、タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角として定義されるベルト角度が互いに異なっている。このため、ベルト層14は、2層のベルト141、142が、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成されている。つまり、2層のベルト141、142は、それぞれのベルト141、142が有するベルトコードが互いに交差する向きで配設される、いわゆる交差ベルトとして設けられている。トレッド部2が有するトレッドゴム層4は、トレッド部2におけるベルト層14のタイヤ径方向外側に配置されている。
ベルト層14のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部8のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス層13が連続して設けられている。このため、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、いわゆるラジアルタイヤとして構成されている。カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設される一対のビード部10間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。
詳しくは、カーカス層13は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部10のうち、一方のビード部10から他方のビード部10にかけて配設されており、ビードコア11及びビードフィラー12を包み込むようにビード部10でビードコア11に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。ビードフィラー12は、このようにカーカス層13がビード部10で折り返されることにより、ビードコア11のタイヤ径方向外側に形成される空間に配置されるゴム材になっている。また、ベルト層14は、このように一対のビード部10間に架け渡されるカーカス層13における、トレッド部2に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されている。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードを、コートゴムで被覆して圧延加工することによって構成されている。カーカスプライを構成するカーカスコードは、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつ、タイヤ周方向にある角度を持って複数並設されている。
ビード部10における、ビードコア11及びカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側やタイヤ幅方向外側には、リムフランジに対するビード部10の接触面を構成するリムクッションゴム17が配設されている。また、カーカス層13の内側、或いは、当該カーカス層13の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ16がカーカス層13に沿って形成されている。インナーライナ16は、空気入りタイヤ1の内側の表面であるタイヤ内面18を形成している。
図2は、図1のA部詳細図である。トレッド部2は、タイヤ幅方向における中央に位置する領域をセンター領域Acとし、タイヤ幅方向における両端に位置する領域をショルダー領域Ashとする場合における、それぞれの領域のタイヤ平均厚さの相対関係が、所定の関係を満たしている。これらの領域のうち、センター領域Acは、複数の陸部20のうち、タイヤ赤道面CLに最も近い陸部20であるセンター陸部21が位置する領域になっている。詳しくは、センター領域Acは、空気入りタイヤ1の子午断面であるタイヤ子午断面において、センター陸部21を画成するセンター主溝31の溝壁35のうちセンター陸部21側に位置する溝壁35と、センター陸部21のタイヤ径方向外側の外輪郭線を示す接地面3との交点24から、タイヤ内面18に対して垂直に延ばした線をセンター領域境界線Lcとする場合に、センター陸部21のタイヤ幅方向両側に位置する2本のセンター領域境界線Lcの間に位置する領域になっている。
なお、センター主溝31が、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に屈曲したり湾曲したりすることによりタイヤ幅方向に振幅している場合は、センター領域Acは、タイヤ幅方向に最も広くなる範囲で規定される。つまり、センター主溝31がタイヤ幅方向に振幅している場合は、センター領域Acを規定するセンター領域境界線Lcは、センター陸部21を画成するセンター主溝31の溝壁35における、タイヤ周方向上において最もタイヤ幅方向外側に位置する部分と接地面3との交点24からタイヤ内面18に対して垂直に延ばした線になる。
また、ショルダー領域Ashは、ベルト層14のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pとベルト層14のタイヤ幅方向における端部144との間の領域になっている。詳しくは、ショルダー領域Ashは、タイヤ子午断面において、ベルト層14が有する複数のベルト141、142のうち、タイヤ幅方向における幅が最も広いベルトである最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと、最幅広ベルト143の端部144とから、タイヤ内面18に対して垂直に延ばした線を、それぞれショルダー領域境界線Lshとする場合に、2本のショルダー領域境界線Lshの間に位置する領域になっている。これらのように規定されるショルダー領域Ashは、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側で規定され、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向における両側にそれぞれ位置している。
本実施形態1では、ベルト層14が有する2層のベルト141、142のうち、タイヤ径方向内側に位置するベルト141のタイヤ幅方向における幅が、他方のベルト142のタイヤ幅方向における幅よりも広くなっており、このタイヤ径方向内側に位置するベルト141が、最幅広ベルト143になっている。
また、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pは、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における中心、或いはタイヤ赤道面CLの位置を中心として、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の領域がタイヤ幅方向両側に均等に振り分けられた際における、85%の領域の端部の位置になっている。このため、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置Pと、最幅広ベルト143の端部144との間隔は、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側で同じ大きさになっている。
これらのセンター領域Acとショルダー領域Ashとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態における形状で規定される。ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
これらのように規定されるセンター領域Acとショルダー領域Ashとのそれぞれの領域のタイヤ平均厚さは、タイヤ子午断面における陸部20のタイヤ径方向外側の輪郭線である外輪郭線を示す接地面3からタイヤ内面18までの厚さであるタイヤ厚さの、領域ごとの平均値になっている。つまり、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcは、センター領域Acにおける接地面3からタイヤ内面18までの距離の平均値になっており、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshは、ショルダー領域Ashにおける接地面3からタイヤ内面18までの距離の平均値になっている。
センター領域Acのタイヤ平均厚さGcとショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとは、タイヤ子午面断面におけるトレッド部2のセンター領域Acとショルダー領域Ashのそれぞれの断面積を、各領域の幅で除算することによって算出してもよい。例えば、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcは、センター領域Acの断面積を、センター領域Acを規定する2本のセンター領域境界線Lc同士の距離で除算することによって算出してもよい。2本のセンター領域境界線Lc同士が、互いに傾斜している場合には、それぞれのセンター領域境界線Lc上における接地面3の位置とタイヤ内面18の位置との中間の位置での距離によって、センター領域Acの断面積を割ってセンター領域Acのタイヤ平均厚さGcを算出する。ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshも同様に、ショルダー領域Ashの断面積を、ショルダー領域Ashを規定するショルダー領域境界線Lsh同士の距離で除算することにより算出してもよい。
トレッド部2は、これらのように算出するセンター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっている。なお、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係は、1.08≦(Gc/Gsh)≦1.20の範囲内であるのが好ましい。
トレッド部2は、タイヤ平均厚さのみでなく、トレッド部2に形成された溝を考慮したトレッドゴム層4の厚さである実ゴム厚さも、相対関係が所定の関係を満たしている。つまり、センター領域Acとショルダー領域Ashとの領域ごとに算出する実ゴム厚さである平均実ゴム厚さも、センター領域Acの平均実ゴム厚さとショルダー領域Ashの平均実ゴム厚さとで、相対関係が所定の関係を満たしている。図3は、トレッド部2の要部斜視図であり、トレッドゴム層4の実ゴム厚さについての説明図である。トレッド部2には、主溝30が形成されており、タイヤ周方向に延びる主溝30の他にも、タイヤ幅方向に延びるラグ溝40等の溝が形成されている。トレッドゴム層4の平均実ゴム厚さは、溝の部分にはトレッドゴム層4を構成するゴムが存在しないものとして算出するトレッドゴム層4の厚さになっている。このため、各領域のトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さは、各領域において主溝30やラグ溝40等の溝を含まないトレッドゴム層4の実際の体積を、各領域に位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出する厚さになっている。
例えば、センター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcは、センター領域Acにおいて溝を含まないトレッドゴム層4の体積を、センター領域Acに位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出する。センター領域Acに位置するタイヤ内面18の面積は、タイヤ内面18における、センター領域Acを規定する2本のセンター領域境界線Lcで挟まれてタイヤ周方向に延在する部分の面積になっている。
また、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshは、ショルダー領域Ashにおいて溝を含まないトレッドゴム層4の体積を、ショルダー領域Ashに位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出する。ショルダー領域Ashに位置するタイヤ内面18の面積は、タイヤ内面18における、ショルダー領域Ashを規定する2本のショルダー領域境界線Lshで挟まれてタイヤ周方向に延在する部分の面積になっている。
トレッド部2は、これらのように算出するセンター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.6≦(Vc/Vsh)≦2.5の範囲内になっている。
なお、各領域のトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さは、空気入りタイヤ1から領域ごとにトレッドゴム層4を切り出し、切り出したトレッドゴム層4の質量とトレッドゴム層4を構成するゴムの比重とに基づいて体積を算出し、算出した体積を、各領域に位置するタイヤ内面18の面積で除算することによって算出してもよい。
また、トレッドゴム層4を成すゴムのうち、少なくともセンター領域Acに含まれるゴムは、300%伸張時のモジュラスが、10MPa以上16MPa以下の範囲内になっている。なお、300%伸張時のモジュラスは、JIS K6251(3号ダンベル使用)に準拠した23℃での引張試験により測定され、300%伸長時の引張り応力を示す。また、トレッドゴム層4を成すゴムは、センター領域Ac以外に位置するゴムの300%伸張時のモジュラスも、10MPa以上16MPa以下の範囲内であってもよい。
また、ベルト層14が有する最幅広ベルト143は、タイヤ周方向に対するベルトコード145の角度が、タイヤ幅方向における位置によって異なっている。図4は、図2に示す最幅広ベルト143を平面展開した模式図である。最幅広ベルト143は、当該最幅広ベルト143を平面展開した際におけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度が、トレッド部2のセンター領域Acに位置する部分とショルダー領域Ashに位置する部分と異なっており、ショルダー領域Ashに位置する部分よりも、トレッド部2のセンター領域Acに位置する部分の方が大きくなっている。
なお、以下の説明では、最幅広ベルト143をトレッド部2に配設した際に、最幅広ベルト143におけるトレッド部2のセンター領域Acに位置する部分を、最幅広ベルト143においてもセンター領域Acとして説明し、最幅広ベルト143におけるトレッド部2のショルダー領域Ashに位置する部分を、最幅広ベルト143においてもショルダー領域Ashとして説明する。また、最幅広ベルト143をトレッド部2に配設した際における、タイヤ周方向を最幅広ベルト143においてもタイヤ周方向として説明し、タイヤ幅方向を最幅広ベルト143においてもタイヤ幅方向として説明し、タイヤ赤道面CLを最幅広ベルト143においてもタイヤ赤道面CLとして説明する。
センター領域Acとショルダー領域Ashとでベルトコード145の角度が異なる最幅広ベルト143は、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcと、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たしている。
なお、この場合における、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcは、タイヤ幅方向におけるセンター領域Acの中心の位置での角度になっている。つまり、タイヤ幅方向におけるセンター領域Acの中心に、タイヤ赤道面CLが位置する場合は、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcは、ベルトコード145とタイヤ赤道面CLとが交差する位置での、ベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度になっている。また、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θshは、タイヤ幅方向におけるショルダー領域Ashの中心CSの位置での、タイヤ周方向に対するベルトコード145の角度になっている。
最幅広ベルト143のベルトコード145は、詳しくは、ショルダー領域Ashのタイヤ方向内側の端部付近の位置で、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への角度が変化する方向に屈曲している。即ち、最幅広ベルト143のベルトコード145は、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置P付近に屈曲部146を有し、屈曲部146で屈曲することにより、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への角度が変化している。その際に、ベルトコード145は、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における一方の端部144側から他方の端部144側に向かう際におけるタイヤ周方向における向きは変化せず、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への角度が屈曲部146で変化している。これにより、最幅広ベルト143のベルトコード145は、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における一方の端部144側から他方の端部144側に向かう際のタイヤ周方向における向きは変化せずに、タイヤ周方向に対する傾斜角度が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が大きくなっている。
また、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における両側に位置するショルダー領域Ashでは、2箇所のショルダー領域Ashで、ベルトコード145のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への角度θshが互いにほぼ同じ大きさになっている。また、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における両側2箇所のショルダー領域Ashの間の領域では、ベルトコード145のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への角度が大きく変化せず、ほぼ一定の角度になっている。即ち、最幅広ベルト143の2箇所のショルダー領域Ashの間の領域では、タイヤ周方向に対するベルトコード145の角度が、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcとほぼ同じ大きさになっている。
これらのように、センター領域Acとショルダー領域Ashとで角度が異なる最幅広ベルト143のベルトコード145は、センター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとの差が、1°以上14°以下の範囲内になっている。具体的には、最幅広ベルト143のセンター領域Acにおけるベルトコード145の角度θcは、24°<θc≦32°の範囲内になっている。また、最幅広ベルト143のショルダー領域Ashにおけるベルトコード145の角度θshは、17°<θsh≦24°の範囲内になっている。
なお、最幅広ベルト143のベルトコード145の、センター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとの差は、5°以上11°以下の範囲内であるのが好ましい。また、最幅広ベルト143のセンター領域Acにおけるベルトコード145の角度θcは、25°≦θc≦30°の範囲内であるのが好ましい。また、最幅広ベルト143のショルダー領域Ashにおけるベルトコード145の角度θshは、19°≦θsh≦23°の範囲内であるのが好ましい。
また、最幅広ベルト143は、タイヤ子午断面におけるセンター領域Acを含む領域の50mm幅あたりのベルトコード145の本数が、35本以上42本以下の範囲内になっている。つまり、最幅広ベルト143は、少なくともセンター領域Acの、タイヤ幅方向における単位長さ50mmあたりのベルトコード145の本数が、35本以上42本以下の範囲内になっている。さらに、最幅広ベルト143は、センター領域Acに位置するベルトコード145の破断強度が、3GPa以上になっている。
なお、最幅広ベルト143は、タイヤ子午断面におけるセンター領域Ac以外の領域の50mm幅あたりのベルトコード145の本数が、35本以上42本以下の範囲内になっていてもよく、また、最幅広ベルト143とは異なるベルト142の、タイヤ子午断面における50mm幅あたりのベルトコード145の本数が、35本以上42本以下の範囲内になっていてもよい。また、最幅広ベルト143は、センター領域Ac以外に位置するベルトコード145の破断強度が、3GPa以上になっていてもよく、また、最幅広ベルト143とは異なるベルト142の、センター領域Acを含む領域に位置するベルトコード145の破断強度が、3GPa以上になっていてもよい。
本実施形態1に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、ビード部10にリムホイールR(図5参照)を嵌合することによってリムホイールRに空気入りタイヤ1をリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、インフレート時の内圧が比較的高い状態で使用され、具体的には、250kPa以上290kPa以下の範囲内の内圧で使用される。空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、接地面3のうち下方に位置する部分の接地面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
例えば、空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主に接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、接地面3と路面との間の水が主溝30やラグ溝40等の溝に入り込み、これらの溝で接地面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、接地面3は路面に接地し易くなり、接地面3と路面との間の摩擦力により、車両は所望の走行をすることが可能になる。
また、車両の走行時は、空気入りタイヤ1は車体の重量や、加減速、旋回に伴う荷重を受けるため、タイヤ径方向に大きな荷重が作用する。この荷重は、空気入りタイヤ1の内部に充填される空気によって主に受けるが、空気入りタイヤ1の内部の空気のみでなく、トレッド部2やサイドウォール部8によっても受ける。即ち、サイドウォール部8は、リムホイールRが嵌合されるビード部10とトレッド部2との間で荷重を伝達し、トレッド部2は、サイドウォール部8と路面との間で荷重を伝達する。このため、サイドウォール部8やトレッド部2には、車両の走行時には大きな荷重が作用し、サイドウォール部8やトレッド部2は、主にタイヤ径方向に撓みながらこの荷重を受ける。
また、車両の走行時には、空気入りタイヤ1は回転をするため、接地面3における路面に接地する位置は継続的にタイヤ周方向に移動し、これに伴い、サイドウォール部8やトレッド部2における、車両の走行時の荷重によって撓む位置も、タイヤ周方向に移動する。このため、車両の走行時は、サイドウォール部8やトレッド部2のタイヤ周方向上における各位置が、順次撓むことを繰り返しながら空気入りタイヤ1は回転をする。
ここで、このようにサイドウォール部8やトレッド部2が撓むことは、空気入りタイヤ1が路面に接地しながら回転する際における回転の妨げになり、空気入りタイヤ1の回転時における大きな抵抗として作用する。このため、空気入りタイヤ1の回転時における撓みが大きい場合は、空気入りタイヤ1の回転時における抵抗である、いわゆる転がり抵抗が大きくなる。
これに対し、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、内圧が250kPa以上290kPa以下の範囲内で使用され、即ち、内圧が比較的高い状態で使用されるため、空気入りタイヤ1に作用する多くの荷重を、内圧によって受けることができる。このため、サイドウォール部8やトレッド部2は、空気入りタイヤ1に作用する荷重によって撓み難くなり、サイドウォール部8やトレッド部2の撓みによる、空気入りタイヤ1の回転時の抵抗を小さくすることができる。これにより、空気入りタイヤ1の回転時における転がり抵抗を小さくすることができる。
また、車両が走行する路面には、石等の路面から突出する突起物が存在することがあり、走行中の車両は、このような突起物を空気入りタイヤ1のトレッド部2で踏んでしまうことがある。その際に、内圧が高いことによりサイドウォール部8やトレッド部2の撓みが小さいと、空気入りタイヤ1は、突起物が存在することによる路面の形状の変化を吸収することができず、突起物は、空気入りタイヤ1のトレッド部2を貫通してしまう虞がある。即ち、内圧を高くした空気入りタイヤ1は、路面上の突起物を踏んだ際に、サイドウォール部8やトレッド部2の撓みが小さいことに起因して突起物がトレッド部2を貫通し、ショックバーストが発生する虞がある。
これに対し、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcが厚く、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshが薄くなっているため、内圧を高くした場合におけるショックバーストを抑制することができる。図5は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1で路面100上の突起物105を踏んだ状態を示す説明図である。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1では、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcを厚くすることにより、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を増加させることができるため、路面100上の突起物105をセンター領域Ac付近で踏んだ場合でも、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができる。また、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshを薄くすることにより、トレッド部2のセンター領域Ac付近で突起物105を踏んだ際に、ショルダー領域Ashを優先的に変形させることができ、センター領域Ac付近が路面100から離れる方向に、ショルダー領域Ashを変形させ易くすることができる。これにより、トレッド部2に対する突起物105からの圧力を低減することができ、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができる。従って、車両の走行中に突起物105を踏むことに起因するショックバーストを抑制することができる。
具体的には、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっているため、転がり抵抗を低減しつつ、ショックバーストを抑制することができる。つまり、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcとショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係が、(Gc/Gsh)<1.05である場合は、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcが薄過ぎるため、センター領域Acの破断強度が増加し難くなる。または、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshが厚過ぎるため、ショルダー領域Ashが変形し難くなり、トレッド部2で突起物105を踏んだ際に、センター領域Ac付近が路面100から離れる方向にショルダー領域Ashが変形し難くなる。
また、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcとショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係が、(Gc/Gsh)>1.35である場合は、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcが厚過ぎ、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshが薄過ぎるため、接地面3の接地形状のタイヤ幅方向おける中央付近と両端付近とで、接地長に大きな差がついてしまい、転がり抵抗が大きくなり易くなる。つまり、接地形状のタイヤ幅方向における中央付近の接地長が長く、タイヤ幅方向における両端付近の接地長が短いということは、タイヤ幅方向における中央付近と両端付近とでトレッド部2の撓み方が異なることになり、タイヤ幅方向における中央付近の撓み方が、両端付近の撓み方よりも大きくなる。これにより、接地面3の接地時のトレッド部2の撓みは、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近に集中し、この部分だけ大きく撓むため、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近が大きく撓むことに起因して転がり抵抗が大きくなり易くなる。
これに対し、センター領域Acのタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内である場合は、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近のみが大きく撓むことを抑制しつつ、センター領域Acの破断強度を確保し、ショルダー領域Ashの変形のし易さを確保することができる。これにより、転がり抵抗を低減しつつ、ショックバーストを抑制することができ、耐ショックバースト性能を向上させることができる。
また、接地面3の接地時に比較的大きく撓むことにより、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーが大きくなり易いショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshがセンター領域Acのタイヤ平均厚さGcよりも薄いため、ショルダー領域Ashが撓む際における抵抗を小さくすることができる。これにより、空気入りタイヤ1の回転時の損失エネルギーを低減することができ、転がり抵抗を低減することができる。
さらに、トレッド部2は、ベルト層14が有する最幅広ベルト143の、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcと、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たしているため、より確実にショックバーストを抑制することができる。図6は、最幅広ベルト143のベルトコード145の角度が一定の空気入りタイヤで路面100上の突起物105を踏んだ状態を示す説明図である。最幅広ベルト143のベルトコード145の角度が一定である場合、最幅広ベルト143は、タイヤ子午断面で見た場合における曲げ剛性が、タイヤ幅方向における位置でほぼ一定になる。つまり、最幅広ベルト143の曲げ剛性は、センター領域Acとショルダー領域Ashとで、ほぼ同じ大きさになる。このため、路面100上の突起物105を、トレッド部2のセンター領域Ac付近で踏んだ場合、トレッド部2における突起物105を踏んだ付近に大きな応力が発生し、トレッド部2は、図6に示すように、突起物105を踏んだ付近で局所的に大きく変形する。
これに対し、実施形態1に係る空気入りタイヤ1のように、最幅広ベルト143のベルトコード145の角度が、センター領域Acの角度θcとショルダー領域Ashの角度θshとで、θc>θshを満たす場合は、最幅広ベルト143は、タイヤ子午断面で見た場合における曲げ剛性が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が大きくなる。このため、実施形態1に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2のセンター領域Ac付近で、路面100上の突起物105を踏んだ場合、突起物105を踏むことによってトレッド部2に発生する応力は、センター領域Ac付近では分散され、図5に示すように、トレッド部2のセンター領域Ac付近では曲がり難くなる。
一方で、ショルダー領域Ashの曲げ剛性は、センター領域Acの曲げ剛性よりも小さくなっているため、トレッド部2で突起物105を踏んだ場合には、突起物105からトレッド部2に作用する荷重によってショルダー領域Ash付近は曲がり易くなる。即ち、実施形態1に係る空気入りタイヤ1では、トレッド部2で突起物105を踏んだ場合には、ショルダー領域Ash付近が曲がり易くなることにより局所変形が緩和され、トレッド部2の局所のみでなく、トレッド部2の広い範囲が路面100から離れる方向に変形し易くなる。これにより、トレッド部2で突起物105を踏んだ場合でも、ベルト層14におけるセンター領域Acに大きな応力が発生してベルト層14が損傷することを抑制でき、突起物105がトレッド部2を貫通することを抑制することができる。これらの結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。
また、最幅広ベルト143は、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとの差が、1°以上14°以下の範囲内であるため、より確実に耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。つまり、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとの差が、1°未満である場合は、双方の領域での角度の差が小さ過ぎるため、ベルトコード145の角度に基づいてセンター領域Acの曲げ剛性を大きくしたり、ショルダー領域Ashの曲げ剛性を小さくしたりするのが困難になる虞がある。この場合、トレッド部2で突起物105を踏んだ際における局所変形を、緩和し難くなる虞がある。また、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとの差が、14°より大きい場合は、双方の領域での角度の差が大き過ぎるため、最幅広ベルト143によるセンター領域Acでのタイヤ径方向の拘束力を確保するのが困難になったり、ショルダー領域Ashのタイヤ径方向の拘束力が大きくなり過ぎたりする虞がある。この場合、接地面3の接地形状の、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長と両端付近の接地長とで大きな差がついてしまい、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近が大きく撓むことに起因して転がり抵抗が大きくなり易くなる虞がある。
これに対し、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとの差が、1°以上14°以下の範囲内である場合は、接地面3の接地時にトレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近のみが大きく撓むことを抑制すると共に、トレッド部2で突起物105を踏んだ際における局所変形を、より確実に緩和することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
また、最幅広ベルト143のベルトコード145は、センター領域Acにおける角度θcが、24°<θc≦32°の範囲内であるため、より確実に耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。つまり、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcが、24°以下である場合は、センター領域Acでのベルトコード145の角度θcが小さ過ぎるため、ベルトコード145の角度に基づいてセンター領域Acの曲げ剛性を大きくするのが困難になる虞がある。この場合、トレッド部2で突起物105を踏んだ際における局所変形を、緩和し難くなる虞がある。また、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcが、32°より大きい場合は、センター領域Acでのベルトコード145の角度θcが大き過ぎるため、最幅広ベルト143によるセンター領域Acでのタイヤ径方向の拘束力を確保するのが困難になる虞がある。この場合、接地面3の接地形状の、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長が長くなり易くなるため、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長と両端付近の接地長と差が大きくなり過ぎてしまう虞があり、転がり抵抗を低減するのが困難になる虞がある。
これに対し、ベルトコード145のセンター領域Acにおける角度θcが、24°<θc≦32°の範囲内である場合は、接地面3の接地形状の、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長が長くなり過ぎることを抑制することができ、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長と両端付近の接地長と差が大きくなり過ぎることを、より確実に抑制することができる。また、トレッド部2のセンター領域Acの曲げ剛性をより確実に大きくすることができ、トレッド部2で突起物105を踏んだ際における局所変形を、より確実に緩和することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
また、最幅広ベルト143のベルトコード145は、ショルダー領域Ashにおける角度θshが、17°<θsh≦24°の範囲内であるため、より確実に耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。つまり、ベルトコード145のショルダー領域Ashにおける角度θshが、17°以下である場合は、ショルダー領域Ashでのベルトコード145の角度が小さ過ぎるため、最幅広ベルト143によるショルダー領域Ashのタイヤ径方向の拘束力が大きくなり過ぎる虞がある。この場合、接地面3の接地形状の、タイヤ幅方向おける両端付近の接地長が短くなり易くなるため、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長と両端付近の接地長と差が大きくなり過ぎてしまう虞があり、転がり抵抗を低減するのが困難になる虞がある。また、ベルトコード145のショルダー領域Ashにおける角度θshが、24°より大きい場合は、ショルダー領域Ashでのベルトコード145の角度が大き過ぎるため、ベルトコード145の角度に基づいてショルダー領域Ashの曲げ剛性を小さくするのが困難になる虞がある。この場合、トレッド部2で突起物105を踏んだ際における局所変形を、緩和し難くなる虞がある。
これに対し、ベルトコード145のショルダー領域Ashにおける角度θshが、17°<θsh≦24°の範囲内である場合は、接地面3の接地形状の、タイヤ幅方向おける両端付近の接地長が短くなり過ぎることを抑制することができ、タイヤ幅方向おける中央付近の接地長と両端付近の接地長と差が大きくなり過ぎることを、より確実に抑制することができる。また、トレッド部2のショルダー領域Ashの曲げ剛性をより確実に小さくすることができ、トレッド部2で突起物105を踏んだ際における局所変形を、より確実に緩和することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
また、トレッド部2は、センター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.6≦(Vc/Vsh)≦2.5の範囲内であるため、転がり抵抗を低減しつつ、ショックバーストを抑制することができる。つまり、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、(Vc/Vsh)<1.6である場合は、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcが薄過ぎるため、センター領域Acの破断強度が増加し難くなる虞がある。または、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshが厚過ぎるため、突起物105を踏んだ際にショルダー領域Ashが変形し難くなる虞がある。また、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、(Vc/Vsh)>2.5である場合は、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcが厚過ぎ、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshが薄過ぎるため、接地面3の接地形状のタイヤ幅方向における中央付近の接地長が、タイヤ幅方向における両端付近の接地長さ対して大幅に長くなる虞がある。この場合、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近だけ大きく撓み易くなり、これに起因して転がり抵抗が大きくなり易くなる虞がある。
これに対し、センター領域Acのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVcと、ショルダー領域Ashのトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.6≦(Vc/Vsh)≦2.5の範囲内である場合は、接地面3の接地時に、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近のみが大きく撓むことを抑制しつつ、センター領域Acの破断強度を確保し、ショルダー領域Ashの変形のし易さを確保することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
また、ベルト層14は、センター領域Acに位置するベルトコード145の破断強度が3GPa以上であるため、ベルト層14のセンター領域Acの位置での破断強度を確保することができ、これに伴い、トレッド部2のタイヤ幅方向における中央付近の破断強度を確保することができる。これにより、路面100上の突起物105をセンター領域Ac付近で踏んだ場合でも、突起物105がトレッド部2を貫通することを、より確実に抑制することができる。この結果、より確実に耐ショックバースト性能を向上させることができる。
また、最幅広ベルト143は、タイヤ子午断面におけるセンター領域Acを含む領域の50mm幅あたりのベルトコード145の本数が、35本以上42本以下の範囲内であるため、より確実に耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。つまり、最幅広ベルト143のセンター領域Acを含む領域の、50mm幅あたりのベルトコード145の本数が35本未満である場合は、センター領域Acの位置でのベルトコード145の本数が少な過ぎるため、最幅広ベルト143のセンター領域Acの位置での破断強度を確保し難くなる虞があり、トレッド部2のセンター領域Acの破断強度を確保し難くなる虞がある。また、最幅広ベルト143のセンター領域Acを含む領域の、50mm幅あたりのベルトコード145の本数が42本より多い場合は、最幅広ベルト143のベルトコード145の本数自体が多くなり、ベルトコード145の過多により、ショルダー領域Ashの剛性が高くなり過ぎる虞がある。この場合、突起物105を踏んだ際にショルダー領域Ashが変形し難くなる虞がある。
これに対し、最幅広ベルト143のセンター領域Acを含む領域の、50mm幅あたりのベルトコード145の本数が、35本以上42本以下の範囲内である場合は、接地面3の接地時におけるショルダー領域Ashの変形のし易さを確保しつつ、トレッド部2のセンター領域Acの破断強度を確保することができる。この結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、ベルト層14のタイヤ径方向外側にベルト補強層50を備える点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図7は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の要部詳細断面図である。実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、トレッド部2は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっている。また、最幅広ベルト143も、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcと、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たしている。
さらに、実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、ベルト層14のタイヤ径方向外側にベルト補強層50が配設されている。ベルト補強層50は、補強コード52を有する1層以上の補強層51を備えおり、本実施形態2では、ベルト補強層50は、1層の補強層51を備えている。ベルト補強層50は、タイヤ幅方向における幅が、ベルト層14のタイヤ幅方向における幅とほぼ同じ大きさになっており、タイヤ幅方向における位置が、ベルト層14のタイヤ幅方向における位置とほぼ同じ位置に配設されている。このため、ベルト補強層50は、ベルト層14のタイヤ幅方向外側から、ベルト層14が配設されるタイヤ幅方向における範囲の全域に亘って配設されており、ベルト層14のタイヤ幅方向端部を覆っている。
このように配設されるベルト補強層50を構成する補強層51が有する補強コード52は、タイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻き回されている。即ち、補強コード52は、タイヤ周方向に延びつつ、タイヤ周方向に対して僅かにタイヤ幅方向に傾斜することにより、ベルト層14のタイヤ径方向外側の位置で螺旋状に巻き回されている。補強コード52の、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角は、0.1°以上0.5°以下の範囲内になっている。螺旋状に配設される補強コード52は、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなり、ベルト補強層50を構成する補強層51は、補強コード52が、コートゴムで被覆されることにより形成されている。
ベルト補強層50は、例えば幅が10mm程度の帯状に形成されて補強コード52を有するストリップ材が、ベルト層14のタイヤ径方向外側に螺旋状に巻かれることによって配設されている。即ち、補強層51は、ストリップ材が螺旋状に巻かれることによって形成され、1層の補強層51は、ストリップ材同士がタイヤ径方向に重ねられることなく巻かれている。
また、ベルト補強層50は、1つの補強層51のタイヤ子午断面におけるセンター領域Acの50mm幅あたりの補強コード52の本数が、ショルダー領域Ashの50mm幅あたりの補強コード52の本数よりも多くなっている。つまり、ベルト補強層50は、螺旋状に巻かれるストリップ材のタイヤ幅方向における間隔が、センター領域Acよりもショルダー領域Ashよりも大きくなっている。これにより、補強コード52のタイヤ幅方向における間隔も、センター領域Acよりもショルダー領域Ashよりも大きくなり、50mm幅あたりの補強コード52の本数が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が多くなる。
本実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、これらのようにベルト層14のタイヤ径方向外側にベルト補強層50を配設するため、接地面3の接地時にトレッド部2が不適切に撓むことを抑制することができる。これにより、接地面3の接地時におけるタイヤ幅方向の中央付近の接地長と、タイヤ幅方向の端部付近の接地長との差を低減することができ、タイヤ幅方向における位置によって接地長が大幅に異なることに起因して、転がり抵抗が大きくなることを抑制することができる。
また、ベルト補強層50は、1つの補強層51の50mm幅あたりの補強コード52の本数が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が多くなっているため、センター領域Acの破断強度を、より確実に高めることができる。これにより、トレッド部2で突起物105を踏んだ際に、突起物105によってベルト層14が損傷することを、より確実に抑制することができる。また、1つの補強層51における、ショルダー領域Ashの50mm幅あたりの補強コード52の本数は、センター領域Acの50mm幅あたりの補強コード52の本数よりも少ないため、トレッド部2のショルダー領域Ashの剛性が高くなり過ぎることを抑制することができる。これにより、トレッド部2で突起物105を踏んだ際に、より確実にショルダー領域Ashを優先的に変形させることができ、トレッド部2に対する突起物105からの圧力を、より確実に低減することができる。これらの結果、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを、より確実に両立させることができる。
[実施形態3]
実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、サイドウォール部8にサイド補強ゴム60を備える点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図8は、実施形態3に係る空気入りタイヤ1の要部詳細断面図である。実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、トレッド部2は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっている。また、最幅広ベルト143も、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcと、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たしている。
また、実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、サイドウォール部8にサイド補強ゴム60を備えており、パンク等によって空気が漏出した場合でも走行可能な、いわゆるランフラットタイヤとして用いられる。サイドウォール部8に配設されるサイド補強ゴム60は、サイドウォール部8の内部に設けられるゴム部材になっており、タイヤ内表面やタイヤ外表面には露出することなく配設されている。詳しくは、サイド補強ゴム60は、主にカーカス層13におけるサイドウォール部8に位置する部分のタイヤ幅方向内側に位置しており、サイドウォール部8においてカーカス層13とインナーライナ16との間に配置され、空気入りタイヤ1の子午断面における形状が、タイヤ幅方向外側に凸となる三日月形状に形成されている。
三日月形状に形成されるサイド補強ゴム60は、タイヤ径方向における外側の端部である外側端部61が、トレッド部2におけるベルト層14のタイヤ径方向内側に位置しており、サイド補強ゴム60とベルト層14とは、所定の範囲内のラップ量で、一部がタイヤ径方向に重なって配設されている。このため、サイド補強ゴム60は、外側端部61近傍の少なくとも一部が、ショルダー領域Ashに位置している。このように配設されるサイド補強ゴム60は、サイドウォール部8を形成するゴムやビード部10に配設されるリムクッションゴム17よりも、強度が高いゴム材料により形成されている。
サイド補強ゴム60は、ショルダー領域Ashのみでなく、一部がショルダー領域Ashのタイヤ幅方向内側に位置していてもよい。また、サイド補強ゴム60の一部がショルダー領域Ashのタイヤ幅方向内側に位置する場合のショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshは、サイド補強ゴム60を含んだ厚さが用いられる。
本実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、これらのようにサイドウォール部8の内側にサイド補強ゴム60が配設されるため、サイドウォール部8の曲げ剛性が高くなっている。これにより、パンク等によって空気が漏出して大きな荷重がサイドウォール部8に作用する場合でも、サイドウォール部8の変形を低減することができ、所定の速度以下の速度であれば走行を行うことができる。
一方で、ランフラットタイヤでは、サイドウォール部8にサイド補強ゴム60が配設されることにより、サイドウォール部8の曲げ剛性が高くなっているため、内圧を充填した状態で突起物105を踏んだ場合、サイドウォール部8は撓み難くなっている。このため、突起物105を踏んだ際における応力は、トレッド部2に集中し易くなっており、ショックバーストが発生し易くなる。
これに対し、本実施形態3に係る空気入りタイヤ1は、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcが厚く、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshが薄くなっているため、トレッド部2で突起物105を踏んだ場合に、ショルダー領域Ashが変形し易くなっている。これにより、突起物105を踏んだ場合における、トレッド部2に対する突起物105からの圧力を低減することができ、突起物105がトレッド部2を貫通してショックバーストが発生することを抑制することができる。この結果、ランフラット性能と耐ショックバースト性能とを両立させることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態1では、最幅広ベルト143のベルトコード145は、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅の85%の位置P付近で屈曲することにより、センター領域Acとショルダー領域Ashとで角度が異なっているが、ベルトコード145は屈曲していなくてもよい。図9は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、ベルトコード145が湾曲する場合における最幅広ベルト143の模式図である。最幅広ベルト143のベルトコード145は、図9に示すように、ショルダー領域Ashのタイヤ方向内側の端部付近の位置に湾曲部147を有し、湾曲部147で湾曲することにより、センター領域Acとショルダー領域Ashとでベルトコード145の角度が異なっていてもよい。この場合、ベルトコード145の湾曲部147は、ほぼ全ての部分がタイヤ幅方向においてショルダー領域Ashよりもタイヤ赤道面CL側に位置するのが好ましい。つまり、ベルトコード145におけるショルダー領域Ash内に位置する部分は、ほぼ全ての部分が、タイヤ幅方向におけるショルダー領域Ashの中心CSの位置での角度で直線状に形成されるのが好ましい。
また、最幅広ベルト143のベルトコード145は、ショルダー領域Ashの中心CSの位置での角度で直線状に形成される部分を、ショルダー領域直線部148とする場合に、タイヤ幅方向両側のショルダー領域直線部148の、それぞれのタイヤ幅方向内側端部同士のタイヤ幅方向における距離CWが、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅BWに対して、0.6≦(CW/BW)≦0.85の範囲内であるのが好ましい。
最幅広ベルト143のベルトコード145を、湾曲部147で湾曲することによってセンター領域Acとショルダー領域Ashとで角度を異ならせることにより、最幅広ベルト143によってベルトコード145の角度を異ならせるにあたって、ベルトコード145の応力集中を抑制することができる。これにより、トレッド部2で突起物105を踏んだ場合でも、最幅広ベルト143のベルトコード145における、角度が変化する位置での応力集中を抑制することができ、最幅広ベルト143の損傷を抑制することができる。この結果、より確実に耐ショックバースト性能を向上させることができる。
最幅広ベルト143のベルトコード145は、角度が変わる位置の形態が屈曲部146であるか湾曲部147であるかに関わらず、センター領域Acにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θcと、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たしていればよい。また、タイヤ幅方向両側のショルダー領域直線部148のタイヤ幅方向内側端部同士のタイヤ幅方向における距離CWも、ベルトコード145における角度が変わる位置の形態に関わらず、最幅広ベルト143のタイヤ幅方向における幅BWに対して、0.6≦(CW/BW)≦0.85の範囲内であるのが好ましい。
また、上述した実施形態1では、最幅広ベルト143のベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が大きくなっているが、ベルト層14は、最幅広ベルト143以外のベルト142のベルトコード145のタイヤ周方向に対する角度が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が大きくなっていてもよい。この場合、最幅広ベルト143に隣接するベルト142は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向へのベルトコード145の傾斜方向が、最幅広ベルト143が有するベルトコード145のタイヤ周方向に対するタイヤ幅方向へ傾斜方向の反対方向で、且つ、センター領域Acにおけるベルトコード145の角度θcが24°<θc≦32°の範囲内、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145の角度θshが17°<θsh≦24°の範囲内であるのが好ましい。
また、上述した実施形態1では、主溝30は4本が形成されているが、主溝30は4本以外であってもよい。また、上述した実施形態1では、センター領域Acは、タイヤ赤道面CL上に位置する陸部20であるセンター陸部21のタイヤ幅方向における範囲と一致しているが、センター領域Acは、タイヤ赤道面CL上に位置していなくてもよい。例えば、タイヤ赤道面CL上に主溝30が位置している場合、センター領域Acは、タイヤ赤道面CL上に位置する主溝30と、当該主溝30の次にタイヤ赤道面CLに近い主溝30とによって画成される陸部20のタイヤ幅方向における範囲であってもよい。換言すると、センター領域Acは、隣り合う2本の主溝30によって挟まれた領域のうち、タイヤ赤道面CLに最も近い領域がセンター領域Acとして用いられればよい。
また、上述した実施形態1では、ラグ溝40は隣り合う主溝30同士の間に亘って形成されていないが、ラグ溝40は隣り合う主溝30同士の間に亘って形成されていてもよい。つまり、各領域の陸部20は、タイヤ幅方向に延びるリブ状に形成されていてもよく、陸部20がタイヤ幅方向に隣り合う主溝30とタイヤ周方向に隣り合うラグ溝40によって画成される、ブロック状に形成されていてもよい。
また、上述した実施形態2では、ベルト補強層50は、1層の補強層51を備えているが、ベルト補強層50は、複数の補強層51が積層されていてもよい。補強層51が、ストリップ材が螺旋状に巻かれることによって形成される場合において、複数の補強層51を積層する際には、ストリップ材をタイヤ径方向に重ねて巻くことにより、複数の補強層51が積層される状態にすることができる。複数の補強層51を積層する際には、積層する補強層51同士のタイヤ幅方向における幅は異なっていてもよく、積層する補強層51同士のタイヤ幅方向における幅が同じ幅であってもよい。積層する補強層51同士のタイヤ幅方向における幅が異なる場合、即ち、タイヤ幅方向における一部の範囲で補強層51同士が積層される場合には、少なくともタイヤ幅方向におけるベルト層14の両端付近の位置で積層されるのが好ましい。ベルト補強層50は、ベルト層14が配設されるタイヤ幅方向における範囲の全域に亘って配設される少なくとも1層の補強層51を有し、その補強層51のタイヤ幅方向に50mm幅あたりの補強コード52の本数が、ショルダー領域Ashよりもセンター領域Acの方が多くなっていればよい。
また、上述した実施形態1~3や変形例は、適宜組み合わせてもよい。例えば、実施形態1、2に示す構成と、実施形態3に示すサイド補強ゴム60とを組み合わせてもよい。空気入りタイヤ1は、少なくともトレッド部2のセンター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内で、且つ、最幅広ベルト143のセンター領域Acにおけるベルトコード145の角度θcと、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145の角度θshとの関係が、θc>θshを満たすことにより、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。
[実施例]
図10A、図10Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、ショックバーストに対する耐久性である耐ショックバースト性と、転がり抵抗についての性能である転がり抵抗性能とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが245/50R19 105Wサイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ19×7.5JのJATMA標準のリムホイールにリム組みしたものを用いて行った。各試験項目の評価方法は、耐ショックバースト性については、試験タイヤの空気圧を220kPaで充填し、プランジャー径19mm、押し込み速度50mm/分にてJIS K6302に準じたプランジャー破壊試験を行い、タイヤ破壊エネルギーを測定することによって評価した。耐ショックバースト性は、後述する従来例を100とした指数で表し、指数値が大きいほどタイヤ強度が優れ、耐ショックバースト性が優れていることを示している。
また、転がり抵抗性能については、試験タイヤの空気圧を250kPaで充填し、ドラム半径854mm、速度80km/h、負荷荷重7.26kNにて30minの予備走行を行った後の転がり抵抗を測定した。転がり抵抗性能は、測定した転がり抵抗の逆数を、後述する従来例を100とする指数で表し、指数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1~13と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例1~3との17種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、トレッド部2のセンター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcが、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshよりも小さくなっており、最幅広ベルト143のベルトコード145の、センター領域Acにおける角度θcとショルダー領域Ashにおける角度θshとが、同じ大きさになっている。
また、比較例1、2の空気入りタイヤは、センター領域Acにおけるタイヤ平均厚さGcと、ショルダー領域Ashにおけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内に入っていない。また、比較例3の空気入りタイヤは、最幅広ベルト143のショルダー領域Ashにおけるベルトコード145の角度θshが、センター領域Acにおけるベルトコード145の角度θcよりも大きくなっている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1~13は、全てショルダー領域Ashのタイヤ平均厚さGshに対するセンター領域Acのタイヤ平均厚さGcが1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内になっており、最幅広ベルト143のセンター領域Acにおけるベルトコード145の角度θcが、ショルダー領域Ashにおけるベルトコード145の角度θshよりも大きくなっている。さらに、実施例1~13に係る空気入りタイヤ1は、ショルダー領域Ashにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVshに対するセンター領域Acにおけるトレッドゴム層4の平均実ゴム厚さVc(Vc/Vsh)や、センター領域Acに位置するベルトコード145の破断強度、最幅広ベルト143のタイヤ子午断面におけるセンター領域Acを含む領域の50mm幅あたりのベルトコード145の本数、ベルト補強層50のタイヤ子午断面におけるセンター領域Acの50mm幅あたりの補強コード52の本数と、ショルダー領域Ashの50mm幅あたりの補強コード52の本数との相対関係が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図10A、図10Bに示すように、実施例1~13に係る空気入りタイヤ1は、耐ショックバースト性と転がり抵抗とのいずれも従来例に対して悪化させることなく、双方の性能を従来例に対して向上させることができることが分かった。つまり、実施例1~13に係る空気入りタイヤ1は、耐ショックバースト性能と低転がり抵抗とを両立させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 接地面
4 トレッドゴム層
5 ショルダー部
8 サイドウォール部
10 ビード部
13 カーカス層
14 ベルト層
141、142 ベルト
143 最幅広ベルト
144 端部
145 ベルトコード
146 屈曲部
147 湾曲部
148 ショルダー領域直線部
16 インナーライナ
17 リムクッションゴム
20 陸部
21 センター陸部
22 セカンド陸部
23 ショルダー陸部
30 主溝
31 センター主溝
32 ショルダー主溝
35 溝壁
50 ベルト補強層
51 補強層
52 補強コード
60 サイド補強ゴム

Claims (8)

  1. 少なくとも1層のカーカス層と、前記カーカス層におけるトレッド部に位置する部分のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層と、前記トレッド部における前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドゴム層とを備える空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層は、それぞれ複数のベルトコードを有する複数のベルトが積層され、
    前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる主溝が形成されると共に、前記主溝によって複数の陸部が画成されており、
    前記トレッド部は、
    前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い前記陸部であるセンター陸部が位置する領域をセンター領域とし、
    前記ベルト層が有する複数の前記ベルトのうちタイヤ幅方向における幅が最も広い前記ベルトである最幅広ベルトのタイヤ幅方向における幅の85%の位置と前記最幅広ベルトのタイヤ幅方向における端部との間の領域をショルダー領域とする場合に、
    前記センター領域におけるタイヤ平均厚さGcと、前記ショルダー領域におけるタイヤ平均厚さGshとの関係が、1.05≦(Gc/Gsh)≦1.35の範囲内であり、
    前記最幅広ベルトは、前記センター領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度θcと、前記ショルダー領域における前記ベルトコードのタイヤ周方向に対する角度θshとの関係が、θc>θshを満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記最幅広ベルトの前記ベルトコードは、前記センター領域における前記角度θcと前記ショルダー領域における前記角度θshとの差が、1°以上14°以下の範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記最幅広ベルトの前記ベルトコードは、前記センター領域における前記角度θcが、24°<θc≦32°の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記最幅広ベルトの前記ベルトコードは、前記ショルダー領域における前記角度θshが、17°<θsh≦24°の範囲内である請求項1~3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド部は、前記センター領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVcと、前記ショルダー領域における前記トレッドゴム層の平均実ゴム厚さVshとの関係が、1.6≦(Vc/Vsh)≦2.5の範囲内である請求項1~4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルト層は、前記センター領域に位置する前記ベルトコードの破断強度が3GPa以上である請求項1~5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記最幅広ベルトは、タイヤ子午断面における前記センター領域を含む領域の50mm幅あたりの前記ベルトコードの本数が、35本以上42本以下の範囲内である請求項1~6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ベルト層のタイヤ径方向外側には、補強コードを有する1層以上の補強層を備えるベルト補強層が配設されており、
    前記補強コードは、タイヤ回転軸を中心とする螺旋状に巻き回され、
    前記ベルト補強層は、1つの前記補強層のタイヤ子午断面における前記センター領域の50mm幅あたりの前記補強コードの本数が、前記ショルダー領域の50mm幅あたりの前記補強コードの本数よりも多い請求項1~7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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