JP7173047B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、軽量化や転がり抵抗の低減等を図るために、操縦安定性や強度等を確保できる範囲でタイヤ各部の厚さを極力薄くする傾向にあるが、タイヤを構成する部材の厚さを薄くすると耐カット性が低下し易くなる。特に、サイドウォール部は、トレッド部に配設されるベルト層のような強靭な補強体が存在しないため、サイドウォール部の薄肉化を行った場合、耐カット性が低下し易くなる。このため、従来の空気入りタイヤの中には、重量の増加を抑えつつサイドウォール部の耐カット性を向上させているものがある。例えば、特許文献1、2に記載された空気入りタイヤでは、金属線材を用いた編物からなる補強部材をサイドウォール部に配設することにより、軽量化を担保しつつ耐カット性の向上を図っている。
特許第5680991号公報 特許第5680992号公報
ここで、サイドウォール部にカット傷が発生した場合、空気入りタイヤの回転時にサイドウォール部やトレッド部が撓むことにより、カット傷が大きく成長することがある。特に、未舗装路を走行する車両に用いられる空気入りタイヤは、車両の走行中に路面上の石等がサイドウォール部に接触することが多く、サイドウォール部にカット傷が発生し易くなっており、また、このような車両では、空気入りタイヤに作用する荷重が大きく、トレッド部やサイドウォール部が大きく撓み易いため、発生したカット傷が成長し易くなっている。このようなカット傷は、特許文献1、2のように、サイドウォール部に金属性の補強部材を配設したり、サイドウォール部に突起等によってプロテクターを設けたりすることにより、ある程度発生を抑制することはできるが、サイドウォール部にカット傷が発生してしまった場合、その成長を抑制するのは、大変困難なものとなっている。
つまり、サイドウォール部に配設する金属性の補強部材と、サイドウォール部を構成するゴム部材とでは、硬度差が大き過ぎるため、タイヤ回転時にはサイドウォール部の撓みに起因するゴム部材の応力が大きくなり、カット傷が大きく成長し易くなる。カット傷が成長した場合、補強部材とゴム部材との間でセパレーションが発生したり、さらにカット傷が成長した場合は、ゴム部材と、当該ゴム部材に隣接するカーカスとの間でセパレーションが発生したりする虞があるが、金属性の補強部材のような、カット傷の発生を抑制する従来の手段を用いてカット傷の成長を抑制するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、カット傷の成長を抑制することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部と、前記トレッド部の両側に配設されたサイドウォール部と、前記サイドウォール部のそれぞれのタイヤ径方向内側に位置する一対のビード部と、一対の前記ビード部間に架け渡される少なくとも1層のカーカスと、前記サイドウォール部のうち少なくとも一方の前記サイドウォール部に配設され、有機繊維材から成る有機繊維補強層と、を備え、前記有機繊維補強層は、前記ビード部のタイヤ径方向の内端部からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さの50%以上90%以下の範囲内の位置で、前記カーカスよりもタイヤ外表面側に配設されることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記有機繊維補強層は、前記有機繊維材から成る複数の有機繊維補強部材が重ねられることにより構成されることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記有機繊維補強部材は、前記有機繊維材から成る有機繊維コードを有し、隣り合って重ねられる前記有機繊維補強部材同士は、それぞれの前記有機繊維補強部材が有する前記有機繊維コード同士の相対的な角度θが、15°≦θ≦165°の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記有機繊維補強層は、隣り合って重ねられる前記有機繊維補強部材の端部同士の距離Drが、5mm≦Dr≦20mmの範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、子午断面における前記有機繊維補強層とタイヤ内表面とで囲まれた領域の面積Aiと、前記有機繊維補強層とタイヤ外表面とで囲まれた領域の面積Aoとの関係が、0.5≦(Ai/Ao)≦1.5の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部にはベルト層が配設され、前記カーカスは、一対の前記ビード部間に架け渡されるカーカス本体部と、前記カーカス本体部から連続して形成され前記ビード部でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されるターンナップ部と、を有し、前記有機繊維補強層は、前記ベルト層のタイヤ幅方向における端部までの距離DbがDb≧10mmを満たし、前記カーカスが有する前記ターンナップ部の端部までの距離DcがDc≧10mmを満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記有機繊維補強層に隣接する応力緩和ゴム層を備えることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記サイドウォール部は、前記カーカスからタイヤ外表面までの厚さが30mm以上であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、カット傷の成長を抑制することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、図2のB-B矢視方向における有機繊維補強部材の有機繊維コードの模式図である。 図4は、図1のA部詳細図であり、タイヤ子午断面において有機繊維補強層を境界とするサイドウォール部上の領域についての説明図である。 図5は、実施形態2に係る空気入りタイヤの要部詳細断面図である。 図6は、実施形態2に係る空気入りタイヤの変形例であり、応力緩和ゴム層が2枚配設される場合の説明図である。 図7Aは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。 図7Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。また、以下の説明では、子午断面とは、タイヤ回転軸を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。
図1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、ORタイヤ(Off the Road Tire)と呼ばれる、建設車両用ラジアルタイヤになっている。本実施形態1として図1に示す空気入りタイヤ1は、子午断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。
トレッド面3には、ラグ溝15がタイヤ周方向に所定間隔で複数形成されている。ラグ溝15とは、例えば、建設車両用タイヤであれば、10mm以上の溝幅を有する横溝をいう。また、ラグ溝15は、タイヤ幅方向に延在してタイヤ接地端Tに開口し、さらに、タイヤ幅方向両側のトレッド端に開口している。このとき、ラグ溝15が、タイヤ幅方向に対して平行に延在しても良いし、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在しても良い。本実施形態1では、トレッド面3にはラグ溝15が形成されるのみであるが、トレッド面3には、タイヤ周方向に延びる周方向溝が形成されていてもよい。
なお、トレッド端とは、タイヤのトレッド模様部分の両端部をいう。また、タイヤ接地端Tとは、空気入りタイヤ1を規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置をいう。
ここで、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両端は、ショルダー部4として形成されており、ショルダー部4から、タイヤ径方向内側の所定の位置までは、サイドウォール部5が配設されている。つまり、サイドウォール部5は、タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両側にそれぞれ配設されており、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されている。サイドウォール部5には、サイドウォール部5におけるショルダー部4の近傍の位置に、サイドウォール部5の表面から突出したタイヤ周方向に延びるプロテクター6が形成されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部5のタイヤ径方向内側には、ビード部20が位置しており、ビード部20は、サイドウォール部5と同様に、タイヤ赤道面(図示省略)の両側2箇所に配設されている。即ち、ビード部20は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面の両側に一対が配設されている。なお、この場合におけるタイヤ赤道面は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の中心点を通り、タイヤ回転軸に直交する平面をいう。一対のビード部20のそれぞれにはビードコア21が設けられており、それぞれのビードコア21のタイヤ径方向外側にはビードフィラー22が設けられている。ビードコア21は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー22は、後述するカーカス10のタイヤ幅方向端部がビードコア21の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
ビード部20は、5°テーパーの規定リムを有するリムホイールに装着することができるように構成されている。即ち、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、ビード部20と嵌合する部分がリムホイールの回転軸に対して5°±1°の傾斜角でタイヤ幅方向における内側から外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に向かう方向に傾斜する規定リムに装着することが可能になっている。
トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層7が設けられている。ベルト層7は、3枚以上のベルトプライを積層する多層構造をなし、一般的なORタイヤでは、4枚~8枚のベルトプライが積層される。本実施形態1では、ベルト層7は5層のベルトプライ71,72,73,74,75が積層されている。このようにベルト層7を構成するベルトプライ71,72,73,74,75は、スチールからなる複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。また、ベルトプライ71,72,73,74,75において隣り合って積層されるベルトプライ同士の少なくとも一部は、タイヤ周方向に対するベルトコードのタイヤ幅方向の傾斜角として定義されるベルト角度が互いに異なっており、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。これにより、ベルト層7は、構造強度が高められている。
このベルト層7のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部5のタイヤ赤道面側には、補強層であるカーカス10が連続して設けられている。このカーカス10は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設されるビードコア21間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。本実施形態1では、カーカス10は、1枚のカーカスプライから成る、1層のカーカス10になっている。
また、カーカス10は、一対のビード部20間に架け渡されている。詳しくは、カーカス10は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部20のうち、一方のビード部20から他方のビード部20にかけて配設されており、ビードコア21及びビードフィラー22を包み込むようにビード部20でビードコア21に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。このため、カーカス10は、一対のビード部20間に架け渡されるカーカス本体部11と、カーカス本体部11から連続して形成されビード部20のビードコア21でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されるターンナップ部12と、を有している。
ここでいうカーカス本体部11は、カーカス10における一対のビードコア21のタイヤ幅方向内側同士の間に亘って形成される部分になっており、ターンナップ部12は、ビードコア21のタイヤ幅方向内側でカーカス本体部11から連続して形成され、ビードコア21のタイヤ径方向内側を通ってタイヤ幅方向外側にかけて折り返される部分になっている。このように配設されるカーカス10のカーカスプライは、スチールからなる複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、タイヤ周方向に対するカーカスコードの傾斜角であるコード角度が、85°以上95°以下となっている。また、ターンナップ部12は、ビード部20のタイヤ径方向の内端部25から、当該ターンナップ部12のタイヤ径方向外側の端部12aまでのタイヤ径方向における高さが、タイヤ断面高さSHの35%以上65%以下の範囲内となって形成されている。
また、カーカス10の内方側、或いは、当該カーカス10の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ8がカーカス10に沿って形成されている。インナーライナ8におけるカーカス10側の反対側の面は、空気入りタイヤ1の内側の表面であるタイヤ内表面61を構成している。また、サイドウォール部5は、カーカス本体部11からタイヤ外表面62までの厚さが、30mm以上になっている。タイヤ外表面62は、空気入りタイヤ1の外側の表面であり、空気入りタイヤ1における外気に露出する側の面になっている。
さらに、タイヤ幅方向両側に配設されるサイドウォール部5のうち、少なくとも一方のサイドウォール部5には、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る有機繊維補強層30が配設されている。サイドウォール部5に配設される有機繊維補強層30は、サイドウォール部5を構成するゴム組成物であるサイドゴム5aに覆われて配設されており、空気入りタイヤ1のタイヤ最大幅位置Pよりもタイヤ径方向外側に配置されている。この場合におけるタイヤ最大幅位置Pは、空気入りタイヤ1を規定リムにリム組みして、規定内圧を充填して、空気入りタイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、サイドウォール部5の表面から突出する構造物を除いたタイヤ幅方向における寸法が最大となる位置のタイヤ径方向における位置である。
詳しくは、有機繊維補強層30は、ビード部20のタイヤ径方向の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの50%以上90%以下の範囲内の位置で、カーカス10よりもタイヤ外表面62側に配設されている。この位置でタイヤ周方向における1周に亘って配設されている。また、有機繊維補強層30は、タイヤ径方向における高さRHが、タイヤ断面高さSHに対して、0.1≦(RH/SH)≦0.4の範囲内になっている。これにより、有機繊維補強層30は、タイヤ径方向における一部の位置が、サイドウォール部5に形成されるプロテクター6のタイヤ径方向における位置と同じ位置になっている。また、有機繊維補強層30は、サイドウォール部5の厚さ方向における中心付近に配置されるのが好ましく、タイヤ外表面62から10mm以上タイヤ内表面61側に離間してサイドウォール部5に埋没して配設されるのが好ましい。
また、有機繊維補強層30は、ベルト層7のタイヤ幅方向における端部7aまでの距離DbがDb≧10mmを満たし、カーカス10が有するターンナップ部12のタイヤ径方向外側の端部12aまでの距離DcがDc≧10mmを満たす位置に配設されている。つまり、有機繊維補強層30は、タイヤ径方向外側の端部である外側端部31と、ベルト層7の端部7aとの距離Dbが10mm以上になっており、タイヤ径方向内側の端部である内側端部32と、ターンナップ部12の端部12aとの距離Dcが10mm以上になっている。なお、この場合におけるベルト層7のタイヤ幅方向における端部7aは、ベルト層7が有する複数のベルトプライ71,72,73,74,75のうち、タイヤ幅方向における幅が最も広いベルトプライ72のタイヤ幅方向における端部7aになっている。また、有機繊維補強層30の外側端部31とベルト層7の端部7aとの距離Db、及び有機繊維補強層30の内側端部32とターンナップ部12の端部12aとの距離Dcは、それぞれ20mm以上であるのが好ましい。
図2は、図1のA部詳細図である。図3は、図2のB-B矢視方向における有機繊維補強部材35の有機繊維コード38の模式図である。有機繊維補強層30は、有機繊維材から成る複数の有機繊維補強部材35が重ねられることにより構成されている。本実施形態1では、有機繊維補強部材35として第1有機繊維補強部材36と第2有機繊維補強部材37との2枚の有機繊維補強部材35が設けられており、有機繊維補強層30は、第1有機繊維補強部材36と第2有機繊維補強部材37とが重ねられることにより構成されている。2枚の有機繊維補強部材35は、例えば、第1有機繊維補強部材36がタイヤ内表面61側に位置し、第2有機繊維補強部材37がタイヤ外表面62側に位置する位置関係で積層されている。
また、有機繊維補強層30を構成する有機繊維補強部材35は、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る有機繊維コード38を有しており、コートゴムで被覆された複数の有機繊維コード38が並設されることにより形成されている。有機繊維コード38は、コードの直径であるコード径が0.3mm以上3.0mm以下の範囲内になっており、コードが並ぶ方向における50mmあたりのコードの打ち込み本数が、10本以上60本以下の範囲内になっている。
また、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35同士は、それぞれの有機繊維補強部材35が有する有機繊維コード38同士が互いに交差している。つまり、第1有機繊維補強部材36と第2有機繊維補強部材37とは、第1有機繊維補強部材36が有する有機繊維コード38と第2有機繊維補強部材37が有する有機繊維コード38とが互いに交差しており、有機繊維コード38同士の相対的な角度θが、15°≦θ≦165°の範囲内になっている。
なお、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35同士の、それぞれの有機繊維補強部材35が有する有機繊維コード38同士の相対的な角度θは、60°≦θ≦130°の範囲内であるのが好ましい。
また、2枚の有機繊維補強部材35のタイヤ径方向における高さ、つまり、タイヤ径方向における幅は、ほぼ同じ幅になっている。一方で、2枚の有機繊維補強部材35は、タイヤ径方向における位置が互いにずれて重ねられており、第1有機繊維補強部材36が、第2有機繊維補強部材37に対してタイヤ径方向内側にずれる位置関係となって重ねられている。
具体的には、有機繊維補強層30は、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drが、5mm≦Dr≦20mmの範囲内になっており、換言すると、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35同士のずれ量Drが、5mm≦Dr≦20mmの範囲内になっている。つまり、有機繊維補強層30は、第1有機繊維補強部材36のタイヤ径方向外側の端部36oと第2有機繊維補強部材37のタイヤ径方向外側の端部37oとの距離Dr、及び第1有機繊維補強部材36のタイヤ径方向内側の端部36iと第2有機繊維補強部材37のタイヤ径方向内側の端部37iとの距離Drが、それぞれ5mm≦Dr≦20mmの範囲内になっている。
なお、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drは、10mm≦Dr≦15mmの範囲内であるのが好ましい。
2枚の有機繊維補強部材35は、このようにタイヤ径方向にずれて重ねられているため、第2有機繊維補強部材37のタイヤ径方向外側の端部37oが、有機繊維補強層30の外側端部31になっており、第1有機繊維補強部材36のタイヤ径方向内側の端部36iが、有機繊維補強層30の内側端部32になっている。
また、カーカス10よりもタイヤ外表面62側に配設されている有機繊維補強層30は、内側端部32側から外側端部31側に向かうに従ってカーカス10との距離が大きくなる方向に、カーカス10に対して傾斜して配設されており、内側端部32の位置が、カーカス10に最も近くなっている。このように、有機繊維補強層30においてカーカス10に最も近い部分である内側端部32とカーカス10との距離Diは、5mm以上になっている。即ち、有機繊維補強層30とカーカス10と最低距離は、5mm以上になっている。また、有機繊維補強層30においてカーカス10から最も離間している部分である外側端部31とカーカス10との距離Doは、15mm以上になっている。
図4は、図1のA部詳細図であり、タイヤ子午断面において有機繊維補強層30を境界とするサイドウォール部5上の領域についての説明図である。有機繊維補強層30が配設されるサイドウォール部5は、空気入りタイヤ1の子午断面における有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51の面積Aiと、有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52の面積Aoとの関係が、0.5≦(Ai/Ao)≦1.5の範囲内になっている。この場合における、有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51は、有機繊維補強層30の外側端部31と内側端部32とのそれぞれからタイヤ内表面61に対して垂直な仮想線を延ばし、これらの仮想線と、有機繊維補強層30及びタイヤ内表面61によって区画される領域になっている。同様に、有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52は、有機繊維補強層30の外側端部31と内側端部32とのそれぞれからタイヤ外表面62に対して垂直な仮想線を延ばし、これらの仮想線と、有機繊維補強層30及びタイヤ外表面62によって区画される領域になっている。
本実施形態1に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、まず、規定リムを有するリムホイールにビード部20を嵌合させることにより、空気入りタイヤ1を規定リムに装着し、空気入りタイヤ1をリムホイールに対してリム組みをする。空気入りタイヤ1をリム組みしたらインフレートし、車両には、リム組みしてインフレートした状態の空気入りタイヤ1を装着する。本実施形態1に係る空気入りタイヤ1は、例えば、ホイールローダー等の建設車両に装着する建設車両用の空気入りタイヤ1として用いられる。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド面3のうち下方に位置する部分が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、トレッド面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。例えば、駆動力を路面に伝達する際には、車両が有するエンジン等の原動機で発生した動力がリムホイールに伝達され、リムホイールから空気入りタイヤ1に伝達される。
ここで、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1が装着される車両は、建設車両であるため、車両が走行する路面には、石や岩石等が散在している。このため、車両の走行時には、路面上の石等が、空気入りタイヤ1のトレッド面3以外の部分に接触することがある。路面上の石等がトレッド面3以外の部分に接触する場合は、具体的には、サイドウォール部5においてトレッド面3に比較的近い部分である、サイドウォール部5におけるトレッド部2寄りの位置に接触し易くなっている。
石等は、硬さがサイドゴム5aの硬さよりも硬いため、石等がサイドウォール部5に対して大きな力で接触した場合、石等がサイドウォール部5に対して亀裂を生じさせてしまい、サイドウォール部5の亀裂である、いわゆるカット傷を発生させてしまうことがある。カット傷が深くなると、サイドウォール部5の内部に配設されるカーカス10に石等が接触し、カーカス10の損傷を招く虞がある。
本実施形態1に係る空気入りタイヤ1には、このようなカット傷に起因するカーカス10の損傷等の故障の抑制を目的として、サイドウォール部5にプロテクター6が形成されているため、サイドウォール部5に接触した石等は、プロテクター6に接触する。プロテクター6は、サイドウォール部5におけるタイヤ外表面62から突出して形成されているため、石等がサイドウォール部5に接触する際には、プロテクター6に接触し易くなっており、また、石等がプロテクター6に接触した際には、石等はサイドウォール部5におけるプロテクター6以外の部分には接触し難くなる。
一方で、石等が、プロテクター6に対して大きな力で接触することにより、サイドウォール部5におけるプロテクター6近傍にカット傷が発生した場合、カット傷が進行してカーカス10まで到達することにより、サイドウォール部5を構成するサイドゴム5aとカーカス10との間で、カット傷が起点となってセパレーションが発生する虞がある。これに対し、本実施形態1に係る空気入りタイヤ1には、サイドウォール部5におけるカーカス10よりもタイヤ外表面62側の位置に、有機繊維補強層30が配設されているため、サイドウォール部5におけるプロテクター6近傍にカット傷が発生した場合でも、カット傷が進行し難くなっている。
つまり、車両の走行時には、空気入りタイヤ1には様々な方向の荷重が作用し、これに伴い、サイドウォール部5は弾性変形を繰り返す。サイドウォール部5にカット傷が生じた場合は、カット傷は、このサイドウォール部5の弾性変形によって、長さや深さが成長し易くなるが、サイドウォール部5における有機繊維補強層30が配設されている付近では、サイドウォール部5は、有機繊維補強層30によって弾性変形が抑制される。具体的には、サイドウォール部5は、有機繊維補強層30により、サイドウォール部5を構成するサイドゴム5aが、大きく弾性変形することが抑制される。また、有機繊維補強層30は、有機繊維材から成るため、有機繊維補強層30自体が撓むことができ、サイドゴム5aとの剛性差が比較的小さいため、有機繊維補強層30とサイドゴム5aとの間でセパレーションが発生することを抑制しつつ、サイドゴム5aが大きく弾性変形することを抑制することができる。このため、有機繊維補強層30は、サイドウォール部5にカット傷が生じた場合でも、サイドウォール部5の弾性変形に起因してカット傷が成長することを抑制することができる。
さらに、有機繊維補強層30は、ビード部20の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの50%以上90%以下の範囲内の位置に配設されているため、カット傷の成長を効果的に抑制することができる。つまり、サイドウォール部5における、ビード部20の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの50%未満の位置は、トレッド面3からの距離が大きく、即ち、路面から大きく離れており、石等が接触し難くなっているため、カット傷が生じ難くなっている。また、ビード部20の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの90%の位置よりもタイヤ径方向外側の位置は、トレッド部2の領域となり、カーカス10から大きく離れるため、カット傷が発生した場合でも、カット傷はカーカス10まで到達し難くなっている。
これに対し、ビード部20の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの50%以上90%以下の範囲内の位置は、車両の走行時に石等がサイドウォール部5に接触し易く、また、タイヤ外表面62からカーカス10までの距離も比較的近いため、この範囲内でカット傷が発生した場合は、カット傷が起点となって、カーカス10とサイドゴム5aとの間でセパレーションが発生し易くなっている。本実施形態1では、サイドウォール部5におけるこの範囲内に有機繊維補強層30が配設されているため、カット傷が発生し易かったり、カット傷に起因する故障が発生し易かったりする位置でのサイドゴム5aの大きな弾性変形を抑制することができる。この結果、カット傷の成長を抑制することができる。
また、有機繊維補強層30は、タイヤ径方向における高さRHが、タイヤ断面高さSHに対して、0.1≦(RH/SH)≦0.4の範囲内になっているため、より確実にカット傷の成長を抑制することができる。つまり、有機繊維補強層30のタイヤ径方向における高さRHが、タイヤ断面高さSHに対して、(RH/SH)<0.1である場合は、有機繊維補強層30のタイヤ径方向における高さRHが低過ぎるため、サイドゴム5aの弾性変形を効果的に抑制し難くなる虞がある。また、有機繊維補強層30のタイヤ径方向における高さRHが、タイヤ断面高さSHに対して、(RH/SH)>0.4である場合は、有機繊維補強層30がタイヤ径方向内側の広い範囲まで配設されることになり、有機繊維補強層30とカーカス10との距離が小さくなり過ぎる虞がある。有機繊維補強層30とカーカス10とは、互いに剛性が異なるため、有機繊維補強層30とカーカス10との距離が小さ過ぎる場合、サイドウォール部5が変形した際における有機繊維補強層30とカーカス10との変形の仕方の違いを、双方の間に配設されるサイドゴム5aで吸収することが困難になり、この部分でセパレーションが発生し易くなる虞がある。
これに対し、有機繊維補強層30のタイヤ径方向における高さRHが、タイヤ断面高さSHに対して、0.1≦(RH/SH)≦0.4である場合は、有機繊維補強層30とカーカス10との距離が小さくなり過ぎることを抑えつつ、有機繊維補強層30によってサイドゴム5aの弾性変形を効果的に抑制することができる。この結果、セパレーションの発生を抑えつつ、より確実にカット傷の成長を抑制することができる。
また、有機繊維補強層30は、複数の有機繊維補強部材35が重ねられることにより構成されるため、重ね合わされる有機繊維補強部材35同士で互いの動きが規制されることにより、サイドゴム5aの弾性変形を、有機繊維補強層30によってより確実に抑制することができる。この結果、より確実にカット傷の成長を抑制することができる。
また、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35同士は、それぞれの有機繊維補強部材35が有する有機繊維コード38同士の相対的な角度θが、15°≦θ≦165°の範囲内であるため、サイドゴム5aの弾性変形を、より確実に有機繊維補強層30によって抑制することができる。つまり、有機繊維コード38同士の相対的な角度θが、15°未満であったり、165°を超えたりする場合は、重ねられる有機繊維補強部材35の有機繊維コード38同士の相対的な角度θが近過ぎるため、有機繊維補強部材35同士を重ねても、互いの動きを規制し難くなる虞がある。この場合、サイドゴム5aの弾性変形を、有機繊維補強層30によって効果的に抑制するのが困難になる虞がある。
これに対し、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35の有機繊維コード38同士の相対的な角度θが、15°≦θ≦165°の範囲内である場合は、重ねられる有機繊維補強部材35がそれぞれ有する有機繊維コード38同士の相対的な角度θを確保することができるため、より確実に、重ね合わされる有機繊維補強部材35同士で互いの動きを規制することができる。これにより、サイドゴム5aの弾性変形を、有機繊維補強層30によってより確実に抑制することができる。この結果、より確実にカット傷の成長を抑制することができる。
また、有機繊維補強層30は、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drが、5mm≦Dr≦20mmの範囲内であるため、サイドゴム5aの弾性変形を、より確実に有機繊維補強層30によって抑制することができる。つまり、重ねられる有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drが、Dr<5mmである場合は、有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drが小さ過ぎるため、サイドウォール部5が変形した際に有機繊維補強部材35の端部の近傍に応力が集中し、有機繊維補強部材35とサイドゴム5aとの間でセパレーションが発生し易くなる虞がある。また、重ねられる有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drが、Dr>20mmである場合は、有機繊維補強部材35における有機繊維補強部材35同士が重ねられない部分の範囲が大きくなるため、有機繊維補強部材35同士を重ね合わせることによって有機繊維補強部材35同士で互いの動きを規制する作用が低くなる虞がある。この場合、サイドゴム5aの弾性変形を、有機繊維補強層30によって効果的に抑制するのが困難になる虞がある。
これに対し、重ねられる有機繊維補強部材35の端部同士の距離Drが、5mm≦Dr≦20mmの範囲内である場合は、有機繊維補強部材35とサイドゴム5aとの間でのセパレーションを抑制しつつ、重ね合わされる有機繊維補強部材35同士でより確実に互いの動きを規制することができ、サイドゴム5aの弾性変形をより確実に抑制することができる。この結果、より確実にカット傷の成長を抑制することができる。
また、子午断面における有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51の面積Aiと、有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52の面積Aoとの関係が、0.5≦(Ai/Ao)≦1.5の範囲内であるため、セパレーションの発生や有機繊維補強層30の損傷を抑制しつつ、カット傷の成長を抑制することができる。つまり、有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51の面積Aiと、有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52の面積Aoとの関係が、(Ai/Ao)<0.5である場合は、有機繊維補強層30とカーカス10との距離が小さくなり過ぎる虞がある。この場合、サイドウォール部5が変形した際における有機繊維補強層30とカーカス10との変形の仕方の違いを、双方の間に配設されるサイドゴム5aで吸収することが困難になり、この部分でセパレーションが発生し易くなる虞がある。また、有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51の面積Aiと、有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52の面積Aoとの関係が、(Ai/Ao)>1.5である場合は、有機繊維補強層30がタイヤ外表面62に近過ぎるため、サイドウォール部5にカット傷が発生した際に、有機繊維補強層30も損傷してしまう虞がある。
これに対し、有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51の面積Aiと、有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52の面積Aoとの関係が、0.5≦(Ai/Ao)≦1.5の範囲内である場合は、有機繊維補強層30が、カーカス10とタイヤ外表面62との双方に対して近付き過ぎることを抑制することができる。この結果、セパレーションの発生及び有機繊維補強層30の損傷を抑制しつつ、より確実にカット傷の成長を抑制することができる。
また、有機繊維補強層30は、ベルト層7のタイヤ幅方向における端部7aまでの距離DbがDb≧10mmを満たし、カーカス10が有するターンナップ部12の端部12aまでの距離DcがDc≧10mmを満たすため、有機繊維補強層30近傍でのセパレーションの発生を抑制することができる。つまり、有機繊維補強層30と、ベルト層7の端部7aまでの距離Dbや、ターンナップ部12の端部12aまでの距離Dcが、10mm未満である場合は、有機繊維補強層30と、ベルト層7やターンナップ部12との距離が近過ぎる虞がある。この場合、サイドウォール部5が変形した際における有機繊維補強層30と、ベルト層7やターンナップ部12との変形の仕方の違いを、双方の間に配設されるサイドゴム5aで吸収することが困難になり、この部分でセパレーションが発生し易くなる虞がある。
これに対し、有機繊維補強層30と、ベルト層7の端部7aまでの距離Dbや、ターンナップ部12の端部12aまでの距離Dcが、10mm以上である場合は、有機繊維補強層30と、ベルト層7やターンナップ部12との間でのセパレーションの発生を抑制することができる。この結果、耐久性の低下を抑制しつつ、有機繊維補強層30によってカット傷の成長を抑制することができる。
また、サイドウォール部5は、カーカス10からタイヤ外表面62までの厚さが30mm以上であるため、タイヤ外表面62にカット傷が発生した場合でも、カット傷がカーカス10まで到達することを低減することができる。これにより、カット傷が起点となってカーカス10とサイドゴム5aとの間でセパレーションが発生することを抑制することができる。この結果、カット傷に起因する故障を低減することができ、耐久性の向上を図ることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と略同様の構成であるが、応力緩和ゴム層40を備える点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図5は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の要部詳細断面図である。実施形態2に係る空気入りタイヤ1は、実施形態1に係る空気入りタイヤ1と同様に、サイドウォール部5に、2枚の有機繊維補強部材35が重ねられた有機繊維補強層30が配設されている。また、実施形態2では、サイドウォール部5に、有機繊維補強層30に隣接する応力緩和ゴム層40が備えられており、応力緩和ゴム層40は、有機繊維補強層30に対してタイヤ内表面61側に配設されている。
具体的には、サイドウォール部5は、トレッド部2近傍付近では、タイヤ外表面62を形成するサイドゴム5aとカーカス10との間に、ゴム組成物であるベルトクッションゴム5bが配設されている。カーカス10は、ベルトクッションゴム5bが配設されている領域では、ベルトクッションゴム5bに接している。また、サイドゴム5aとベルトクッションゴム5bのタイヤ径方向外側の端部は、トレッド部2を構成するゴム組成物であるトレッドゴム2aに接続されている。
有機繊維補強層30は、サイドウォール部5における、ベルトクッションゴム5bよりもタイヤ幅方向外側で、サイドゴム5aがトレッドゴム2aに接続されている位置よりもタイヤ径方向内側に配設され、サイドゴム5aに埋没している。また、応力緩和ゴム層40は、有機繊維補強層30に対してタイヤ内表面61側に配設されており、ベルトクッションゴム5bに対して隣り合って配設されている。つまり、応力緩和ゴム層40は、有機繊維補強層30が配設されている範囲では、タイヤ外表面62側の面は有機繊維補強層30に隣接し、タイヤ内表面61側の面はベルトクッションゴム5bに隣接している。このように、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとの間に配設される応力緩和ゴム層40は、厚さtが3mm≦t≦10mmの範囲内になっている。
また、応力緩和ゴム層40のタイヤ径方向における外側端部41は、有機繊維補強層30の外側端部31のタイヤ径方向外側に位置してトレッドゴム2aの位置まで延びて配設されており、タイヤ径方向における内側端部42は、有機繊維補強層30の内側端部32のタイヤ径方向内側に位置している。なお、応力緩和ゴム層40の外側端部41は、有機繊維補強層30の外側端部31から10mm以上20mm以下の範囲内でタイヤ径方向外側に離間しているのが好ましく、応力緩和ゴム層40の内側端部42は、有機繊維補強層30の内側端部32から10mm以上20mm以下の範囲内でタイヤ径方向内側に離間しているのが好ましい。
このように配設される応力緩和ゴム層40は、JIS-A硬さが、ベルトクッションゴム5bのJIS-A硬さよりも小さくなっている。具体的には、ベルトクッションゴム5bのJIS-A硬さは、50以上70以下の範囲内になっており、応力緩和ゴム層40の23℃でのJIS-A硬さは、45以上60以下の範囲内になっている。また、サイドゴム5aのJIS-A硬さは、45以上75以下の範囲内になっている。なお、この場合におけるJIS-A硬さは、JIS K-6253に準拠して、Aタイプのデュロメータを用いて温度23℃の条件にて測定されるデュロメータ硬さである。
実施形態2に係る空気入りタイヤ1では、有機繊維補強層30に隣接する応力緩和ゴム層40を備えるため、有機繊維補強層30と、当該有機繊維補強層30に隣接する部材との間で剛性が異なることに起因して応力集中が発生し、セパレーションが発生することを抑制することができる。この結果、耐久性を低下させることなく、有機繊維補強層30によってカット傷の成長を抑制することができる。
また、応力緩和ゴム層40は、ベルトクッションゴム5bよりもJIS-A硬さが小さい部材が用いられると共に、応力緩和ゴム層40は、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとの間に配設するため、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとの間での層間歪みを、より確実に低減することができる。つまり、応力緩和ゴム層40は、ベルトクッションゴム5bよりもJIS-A硬さが小さいため、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとで、サイドウォール部5の弾性変形時における変形の仕方が異なる場合でも、その差を応力緩和ゴム層40によって吸収することができる。これにより、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとで剛性が異なることに起因する応力集中を抑制することができ、層間歪みを低減することができるため、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとの間でのセパレーションを抑制することができる。この結果、より確実に耐久性を低下させることなく、有機繊維補強層30によってカット傷の成長を抑制することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態2では、応力緩和ゴム層40は、有機繊維補強層30とベルトクッションゴム5bとの間に配設されているが、応力緩和ゴム層40は、これ以外の場所に配設されてもよい。図6は、実施形態2に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、応力緩和ゴム層40が2枚配設される場合の説明図である。応力緩和ゴム層40は、例えば、図6に示すように、有機繊維補強層30に対してタイヤ内表面61側に配設される内側応力緩和ゴム層45と、有機繊維補強層30に対してタイヤ外表面62側に配設される外側応力緩和ゴム層46との2枚が配設されてもよい。有機繊維補強層30は、サイドゴム5aとも剛性が異なり、サイドウォール部5の弾性変形時における変形の仕方が有機繊維補強層30とサイドゴム5aとで異なるため、内側応力緩和ゴム層45のみでなく、外側応力緩和ゴム層46も設けることにより、有機繊維補強層30とサイドゴム5aとの層間歪みを低減することができる。これにより、有機繊維補強層30とサイドゴム5aとの間でのセパレーションを抑制することができ、より確実に耐久性の低下を抑制することができる。
また、応力緩和ゴム層40は、重ねられる有機繊維補強部材35同士の間に配設してもよい。有機繊維補強部材35同士の間に応力緩和ゴム層40を配設することにより、有機繊維補強層30と、当該有機繊維補強層30に隣接する部材との間の剛性差を適度なものとすることができ、セパレーションの発生を抑制しつつ、サイドゴム5aが大きく弾性変形することを有機繊維補強層30によって抑制することができる。この結果、耐久性を低下させることなく、有機繊維補強層30によってカット傷の成長を抑制することができる。
また、上述した実施形態2では、応力緩和ゴム層40の外側端部41は、トレッドゴム2aに接続されているが、応力緩和ゴム層40の外側端部41は、トレッドゴム2aに接続されていなくてもよい。応力緩和ゴム層40は、タイヤ径方向における端部が有機繊維補強層30のタイヤ径方向における端部から10mm以上20mm以下の範囲内で離間していれば、他の部材との関わり方は問わない。
また、上述した実施形態1では、カーカス10は、1枚のカーカスプライから成り、カーカスコードにはスチールが用いられ、カーカス角度が85°以上95°以下となる、いわゆるラジアル構造になっているが、カーカス10は、これ以外の形態で形成されていてもよい。カーカス10は、例えば、複数のカーカスプライを積層して成る多層構造であってもよい。この場合、カーカスプライは、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、コード角度がタイヤ周方向に対して絶対値で20°以上50°以下となり、隣接するカーカスプライ同士でカーカスコードが互いに交差して配置される、いわゆるバイアス構造となって構成されるのが好ましい。
また、カーカス10がバイアス構造となって構成される場合は、カーカスプライは4枚以上であるのが好ましい。さらに、カーカス10がバイアス構造となって構成される場合は、ターンナップ部12は、ビード部20のタイヤ径方向の内端部25から、ターンナップ部12のタイヤ径方向外側の端部12aまでのタイヤ径方向における高さが、タイヤ断面高さSHの35%以上65%以下の範囲内となって形成されるのが好ましい。
また、上述した実施形態1、2では、有機繊維補強層30は、第1有機繊維補強部材36と第2有機繊維補強部材37との2枚の有機繊維補強部材35が重ねられることにより構成されているが、有機繊維補強層30は、2枚の有機繊維補強部材35以外によって構成されていてもよい。有機繊維補強層30は、例えば、1枚の有機繊維補強部材35によって構成されていてもよく、3枚以上の有機繊維補強部材35が重ねられることにより構成されていてもよい。
[実施例]
図7A、図7Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、カット傷に対する耐久性である耐カット性能についての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが29.5R25サイズの空気入りタイヤ1をJATMA標準のリムホイールにリム組みし、空気圧を525kPaに調整し、評価試験用の車両として用いられるダンプトラックに装着してテスト走行することにより行った。耐カット性能の評価方法は、試験タイヤを装着した試験車両で1000時間操業を行った後に、サイドウォール部5に発生した各カット傷の長さと深さを計測し、長さと深さを乗じた値の逆数を、後述する従来例を100とした指数で表した。指数値が大きいほどカット傷の成長が小さく、耐カット性能が優れていることを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1~9、12、13と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例と、参考例10、11との15種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、サイドウォール部5に有機繊維補強層30が配設されていない。また、比較例の空気入りタイヤは、サイドウォール部5に有機繊維補強層30が配設されているものの、有機繊維補強層30は、ビード部20の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの50%未満の範囲に配置されている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1~9、12、13は、全てビード部20の内端部25からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さSHの50%以上90%以下の範囲内の位置に、有機繊維補強層30が配置されている。さらに、実施例1~9、12、13と、参考例10、11に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ断面高さSHに対する有機繊維補強層30のタイヤ径方向における高さRH(RH/SH)や、隣り合う有機繊維補強部材35の有機繊維コード38同士の相対的な角度θ、有機繊維補強層30とタイヤ内表面61とで囲まれた領域51の面積Aiと有機繊維補強層30とタイヤ外表面62とで囲まれた領域52の面積Aoとの関係(Ai/Ao)、有機繊維補強層30からタイヤ外表面62までの距離、有機繊維補強層30からベルト層7までの距離Db、有機繊維補強層30からカーカス10のターンナップ部12までの距離Dc、隣り合って重ねられる有機繊維補強部材35同士のずれ量Dr、応力緩和ゴム層40の有無、ベルトクッションゴム5bの硬さに対する応力緩和ゴム層40の硬さが、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図7A、図7Bに示すように、実施例1~9、12、13に係る空気入りタイヤ1は、従来例や比較例に対して、耐カット性能を向上させることができることが分かった。つまり、実施例1~9、12、13に係る空気入りタイヤ1は、カット傷の成長を抑制することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2a トレッドゴム
3 トレッド面
5 サイドウォール部
5a サイドゴム
5b ベルトクッションゴム
6 プロテクター
7 ベルト層
7a 端部
8 インナーライナ
10 カーカス
11 カーカス本体部
12 ターンナップ部
20 ビード部
25 内端部
30 有機繊維補強層
35 有機繊維補強部材
38 有機繊維コード
40 応力緩和ゴム層
61 タイヤ内表面
62 タイヤ外表面

Claims (7)

  1. トレッド部と、
    前記トレッド部の両側に配設されたサイドウォール部と、
    前記サイドウォール部のそれぞれのタイヤ径方向内側に位置する一対のビード部と、
    一対の前記ビード部間に架け渡される少なくとも1層のカーカスと、
    前記サイドウォール部のうち少なくとも一方の前記サイドウォール部に配設され、有機繊維材から成る有機繊維補強層と、
    を備え、
    前記有機繊維補強層は、前記ビード部のタイヤ径方向の内端部からタイヤ方向外側にタイヤ断面高さの50%以上90%以下の範囲内の位置で、前記カーカスよりもタイヤ外表面側に配設され
    前記有機繊維補強層は、前記有機繊維材から成る複数の有機繊維補強部材が重ねられることにより構成され、
    前記有機繊維補強層は、隣り合って重ねられる前記有機繊維補強部材におけるタイヤ径方向外側の端部同士の子午断面における距離Drと、隣り合って重ねられる前記有機繊維補強部材におけるタイヤ径方向内側の端部同士の子午断面における距離Drとが、それぞれ5mm≦Dr≦20mmの範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記有機繊維補強部材は、前記有機繊維材から成る有機繊維コードを有し、
    隣り合って重ねられる前記有機繊維補強部材同士は、それぞれの前記有機繊維補強部材が有する前記有機繊維コード同士の相対的な角度θが、15°≦θ≦165°の範囲内である請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 子午断面における前記有機繊維補強層とタイヤ内表面とで囲まれた領域の面積Aiと、前記有機繊維補強層とタイヤ外表面とで囲まれた領域の面積Aoとの関係が、0.5≦(Ai/Ao)≦1.5の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部にはベルト層が配設され、
    前記カーカスは、一対の前記ビード部間に架け渡されるカーカス本体部と、前記カーカス本体部から連続して形成され前記ビード部でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されるターンナップ部と、を有し、
    前記有機繊維補強層は、前記ベルト層のタイヤ幅方向における端部までの距離DbがDb≧10mmを満たし、前記カーカスが有する前記ターンナップ部の端部までの距離DcがDc≧10mmを満たす請求項1~のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイドウォール部における前記トレッド部近傍には、前記サイドウォール部を構成しタイヤ外表面を形成するサイドゴムと前記カーカスとの間にベルトクッションゴムが配設され、
    前記サイドウォール部には、前記有機繊維補強層に隣接してJIS-A硬さが前記ベルトクッションゴムのJIS-A硬さよりも小さい応力緩和ゴム層が備えられる請求項1~のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記有機繊維補強層は前記サイドゴムに埋没しており、
    前記応力緩和ゴム層は、少なくとも前記有機繊維補強層に対してタイヤ内表面側に配設され、前記ベルトクッションゴムに対して隣り合って配設されている請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイドウォール部は、前記カーカスからタイヤ外表面までの厚さが30mm以上である請求項1~のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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