JP2006151049A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤ重量の増加やユニフォミティー、耐久性能などのタイヤ性能を損なうことなくタイヤのロードノイズ低減を達成する空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】 タイヤTのバットレス部4のカーカス2の外側に、経糸11及び緯糸12がナイロンマルチフィラメントで構成された平織物10からなる補強層8がタイヤ周方向全周にわたり連続して配設される。前記補強層8のタイヤ断面高さにおける幅Aは、該タイヤ断面最大幅位置Sとベルトプライ端部Pとの間のタイヤ断面高さΔPSの40〜80%であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 タイヤTのバットレス部4のカーカス2の外側に、経糸11及び緯糸12がナイロンマルチフィラメントで構成された平織物10からなる補強層8がタイヤ周方向全周にわたり連続して配設される。前記補強層8のタイヤ断面高さにおける幅Aは、該タイヤ断面最大幅位置Sとベルトプライ端部Pとの間のタイヤ断面高さΔPSの40〜80%であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくはロードノイズを低減することができる空気入りラジアルタイヤに関する。
自動車などの車両が走行すると、車室内においてロードノイズと呼ばれる騒音が発生する。このロードノイズはタイヤが路面の凹凸により加振され、この振動がタイヤからリム、車軸、車体といった伝播経路を伝い、最終的に車室内で共鳴して騒音となるもので、近年の自動車の高級化、高品質化に伴い、特に乗用車においては車両の静粛化要求が進みつつある中、タイヤとしての要求特性にもロードノイズによる車内騒音の低減が一層厳しく求められるようになっている。
タイヤに基づく車内騒音を低減するものとしては、例えば、80Hz〜160Hzの低周波数域のロードノイズ及び40Hz領域のこもり音低減の方法として、サイド部の外側表面にリムライン近傍からトレッド方向に延びる突条をタイヤ周方向に間隔をおいて複数本形成する技術が開示されている(特許文献1)。
また、カーカスラインの適正化とバットレス部に不織布を埋設することで振動の腹となる部分の剛性を増加させ、全体の振動エネルギーレベルを下げることで250〜400Hzの高周波数域のロードノイズを低減することが開示されている(特許文献2)。
しかし、上記特許文献1に開示された手法では突条の有る部分と無い部分とにサイドウォール部の剛性差が生じ、タイヤの振動が大きくなってユニフォミティーや乗り心地の低下が避けられないという問題があり、サイド部ゴム厚みの増加によるタイヤ重量増は避けられず昨今の軽量化要求に反するものとなる。また、特許文献2の技術では不織布の伸縮特性不足から、未加硫タイヤの2次成型工程や加硫工程でのタイヤ拡張時にバットレス部に埋設された不織布の伸びにバラツキを生じてタイヤ精度を低下させユニフォミティーを低下させるおそれがある。
低周波数域のロードノイズの改善については、上記文献に記載のようにタイヤの1次固有振動数をこれよりも低い領域にすること、すなわちタイヤの縦バネ定数を小さくすることにより比較的簡単に低減することができたが、250〜400Hzの高周波数域でのロードノイズをタイヤの軽量化や運動性能に影響することなく低減させる手段には有効なものがないのが現状であった。
そこで、本発明の目的は、タイヤ重量の増加やユニフォミティー、耐久性能などのタイヤ性能を損なうことなくタイヤのサイドウォール部における振動モードを適正化することで振動伝達特性を改善しタイヤのロードノイズ低減を達成することのできる空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
本発明は、タイヤサイド部の振動が両端固定の弦の振動と同様であるという従来からの知見に基づいて、この振動モードがベルト端部とタイヤ最大幅部及びビード固定部が節となり、バットレス部とビード上方部が腹となるモードであることから腹となるバットレス部の振幅を制御することでタイヤの振動伝達特性を低減できること、特に250〜400Hzの高周波数域においてはその低減効果が大きいことに着目し、その振幅制御の方策を種々検討した。すなわち、サイドウォール部の振動モードを制御するために節に対して腹となるバットレス部の剛性を変化させることを種々試みた結果、タイヤ内部構造の変更、製造工数や材料コストの大きな増加を伴うことなく比較的簡易な手段によりバットレス部の剛性を最適に制御できる手段を見出し本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明の空気入りラジアルタイヤは、少なくとも1プライのラジアルカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側のトレッド部に配された少なくとも1プライのベルトを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記タイヤのバットレス部のカーカス外側に、経糸及び緯糸がナイロンマルチフィラメントで構成された平織物からなる補強層を該タイヤ周方向の全周にわたり連続して配設したことを特徴とする。
本発明の空気入りラジアルタイヤにおいては、前記補強層のタイヤ断面高さにおける幅が、該タイヤ断面最大幅位置とベルトプライ端部との間のタイヤ断面高さの40〜80%であり、また、前記平織物の経糸及び緯糸の繊度が、240〜700dtexであることが好ましい。
本発明の空気入りラジアルタイヤによると、上記平織物よりなる補強層を配設することによってサイド部の縦バネ定数を増大させることなく捩り剛性を上げることで低周波数域のロードノイズを悪化させることなく、剛性の低いバットレス部の剛性を増大させてその振幅を小さくし、このバットレス部の振幅の変化が振動の節となるタイヤ最大幅部を介して腹となるビード上方部の振幅減少にも影響し、サイド部全体の振動伝達特性を低減することで低〜高周波数域に至るロードノイズを、とりわけ250〜400Hzの高周波数域におけるロードノイズを効果的に低減することができる。
ここで、平織物を採用することは、平織物の経糸及び緯糸がタイヤ径方向に対してほぼ等しい角度で配されることでバットレス部の剛性増加の最適化を図ると共に、タイヤ成型時に平織物のパンタグラフ挙動により平織物とカーカスコードのタイヤ周方向の拡張を均等にしてバットレス部の剛性分布を周方向に均一にし、ユニフォミティーや耐久性、操縦安定性等のタイヤ性能を損なうことなくロードノイズ低減効果を向上させることができ、またバットレス部への質量付加のようなタイヤ重量増を伴うこともなく、平織物の経糸及び緯糸の繊度と打ち込み密度を選択することで各種サイズや用途のタイヤのロードノイズ低減に対応することができる。
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、バットレス部のカーカス外側に平織物からなる補強層を該タイヤ周方向の全周にわたり連続して配設することで、バットレス部の剛性を適正化してサイド部の振動伝達特性を低減し、タイヤ重量の増加やユニフォミティー、耐久性や操縦安定性などのタイヤ性能を損なうことなくロードノイズを効果的に低減することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照し説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態に係る乗用車用の空気入りラジアルタイヤ(以下、ラジアルタイヤという)Tを示すタイヤ半断面図、図2はサイド部表面のゴムを一部切り取り除去したラジアルタイヤTの部分側面図である。
本発明のラジアルタイヤTは、トレッド部5と左右一対のサイドウォール部6及びビード部7とから構成され、タイヤセンターCに対してほぼ90°の角度でラジアルコード配列された1プライのカーカス2を左右一対のビード部7のビードコア1の周りで内側から外側に折り返して係止し、カーカス2の径方向外側のトレッド部5に埋設した2プライからなるベルト3を備え、タイヤ断面最大幅の位置Sとベルトプライ端部Pとの間にバットレス部4が位置している。
なお、図1では省略するが、ラジアルタイヤTは、前記ベルト3の外側にタイヤ周方向にほぼ0°の角度で配設されたナイロンコードなどの有機繊維コードからなる、いわゆるキャッププライ及び、又はエッジプライを有するタイヤ構造であってもよい。
カーカス2は、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードが主に使用され、また、ベルト3は、タイヤセンターCに対して小角度(例えば、15〜35°)で交差するように2プライを積層したスチールコードなどの剛直コードでなるベルトプライからなり、前記カーカス1を締め付けトレッド部5の剛性を高め、操縦安定性や低転がり抵抗を向上している。
本発明のラジアルタイヤTは、バットレス部4のカーカス2の外側にタイヤ周方向の全周にわたり経糸及び緯糸がナイロンマルチフィラメントで構成された平織物10からなる補強層8を連続して配設したことを特徴とする。
上記補強層8は、図3に示すように、経糸11及び緯糸12がナイロンマルチフィラメントからなる平織物10であり、その経糸11及び緯糸12をタイヤ径方向に対してほぼ等しい角度で交差するように配設されている。
すなわち、ラジアルタイヤTの製造に際しては、経糸11及び緯糸12に対してそれぞれ45°の角度で所定幅に裁断されたゴム被覆された平織物10が、タイヤ1次成形時にその経糸11及び緯糸12をタイヤ径方向に対してそれぞれ45°の角度でバットレス部の所定位置にカーカス外側の全周に配され、2次成形及び加硫成形時の拡張により経糸11及び緯糸12がタイヤ周方向で左右均等に角度変化しながら拡張されタイヤ成形されることで、図2に示すように所定幅の補強層8をバットレス部4に配設したラジアルタイヤTが得られる。
ここで、経糸11及び緯糸12がタイヤ径方向に対してそれぞれ異なる角度で配される、或いは経糸11と緯糸12の一方をタイヤ径方向に沿って配した場合は、拡張時の経糸11及び緯糸12の伸張挙動が不均一になりユニフォミティーや操縦安定性を損ない本発明の目的を達成できなくなる。
この補強層8のタイヤ断面高さにおける幅Aは、図1に示すように、ラジアルタイヤTのタイヤ断面最大幅位置Sとベルトプライ端部の高さPとの間のタイヤ断面高さΔPSの40〜80%であることが好ましい。補強層8のタイヤ断面高さの幅AがΔPSの40%未満であるとタイヤ径方向に対する剛性分布の変化が小さすぎて振幅を減少させる効果が十分発現されず、80%を越えると振動の節となるタイヤ最大幅部やベルト端部にも剛性変化の影響を及ぼしタイヤ全体の振動モードを変化させてしまい、逆にロードノイズを悪化させてしまうおそれがある。従って、上記範囲で個々のタイヤの振動モードに合わせて補強層8の配設位置(補強層8の中心高さ)と補強層のタイヤ断面高さの幅Aを設定することで最適の効果が得られるようになり、特にバットレス部が振動の腹となりやすい扁平率が50%以上のラジアルタイヤにおいてロードノイズ低減の効果が大きく得られる。
本発明においては、補強層8を構成する平織物10は、その経糸11及び緯糸12にナイロンマルチフィラメントが使用される。ナイロンとしては、ナイロン6,ナイロン66の1本当たりが30〜40dtex程度のフィラメントで、構成フィラメント数が6本以上のマルチフィラメント糸がゴムとの接着性が良く、バットレス部での耐屈曲疲労性に優れる、高強度であり厚肉になることなく剛性を確保できるなどの理由から好ましく、コスト面でも有利となる。なお、フィラメント数が6本未満の場合は、ゴムのブリッジ効果が低くなって接着破壊を生じやすくし、また拡張時の経糸と緯糸間の滑りが悪化し伸張の均一性が低下する傾向にある。また、フィラメント数が多くなると平織物が厚くなるので、構成フィラメント数は1本当たりが30〜40dtex程度のフィラメントでは25本程度が上限となる。
また、前記ナイロンフィラメントからなる経糸11と緯糸12は、その繊度が240〜700dtexであることが好ましく、240dtexより細いと補強層8が柔軟になりすぎてバットレス部4の十分な剛性増加が得られず、さらに平織物10を挟むゴムのブリッジが不足し接着性の低下を招くことにもなり、700dtexを越えるとゴム被覆された平織物が厚くなり拡張時の均等な伸張挙動が得難くなり、また補強層8の端部からの接着破壊や亀裂を生じやすくなり耐久性が低下するとともに厚みが増してタイヤの軽量化に反し好ましくない。
上記ナイロン以外のポリエステル、アラミド、レーヨンなどのマルチフィラメントを平織物の経糸及び緯糸として使用することも考えられるが、これらのマルチフィラメント糸はナイロンよりも低荷重での伸びが比較的小さく、拡張時のバットレス部における平織物の伸張挙動がナイロンに劣ることから伸張不良によるユニフォミティーや耐久性能の低下を生じやすくし、本発明ではナイロンが最も好適に使用される。
ここで、平織物10の経糸11及び緯糸12の打ち込み密度は、バットレス部4に要求される剛性の程度により適宜調整することができるが、拡張時に交差角度をスムーズに変化させ、かつカーカス2との接着性を良好に維持する観点から20〜50本/50mm程度、より好ましくは25〜45本/50mm程度が望ましい範囲であり、経糸11及び緯糸12の繊度との関係を考慮して公知の方法に従い平織物10を製織することができる。前記密度が50本/50mmを越えると、経糸11と緯糸12が接近して接着性を低下させるとともに、織物端部からの亀裂を生じやすくし好ましくない。なお、経糸11及び緯糸12の繊度、打ち込み密度は、拡張時の経糸11及び緯糸12の角度変化をスムーズにかつ均一にするため、同じ繊度、密度を使用することが好ましい。
この平織物10による補強層8は、そのパンタグラフ形態によってバットレス部4の縦バネ定数を増大させることなく捩り剛性を維持して低周波数域のロードノイズを損なうことなく、バットレス部4の剛性を最適に増加することで振動の振幅を小さくし、またバットレス部4の振幅変化が隣接するタイヤ最大幅部の節を介して振幅の腹となるビード上方部に影響しサイド部の振動伝達特性を低減することにより、特に250〜400Hzの高周波数域におけるロードノイズの低減に効果を発揮することができる。
このように平織物10をバットレス部4に配設しバットレス部剛性を制御するものは、タイヤ成型工程や加硫時の拡張において平織物10がタイヤ周方向に均一に拡張することからカーカスプライの拡張にも悪影響することがなく、ユニフォミティーや耐久性、操縦安定性等を損なうことがなく、またサイド部への質量付加によるタイヤ重量増を伴うことなく、さらにタイヤ構造等の設計変更を要することなく比較的容易な手法で効果的にロードノイズの低減を実現することができる。
なお、平織物10に代えてタイヤコードの簾織物を使用することも考えられるが、拡張時の変形応力が大きくかかるバットレス部において、コードの配列角度がタイヤ径方向で変化したりコード密度の乱れを生じやすくし、剛性分布が周方向及び径方向でばらつきやすくなり、ユニフォミティーや耐久性を低下させる問題がある。簾織物を2層以上で用いることは、上記問題を軽減するが補強層の厚みが増加しタイヤ重量増や剛性が高くなりすぎて乗り心地の低下のおそれがある。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
表1に示す仕様に従い、ナイロン66(Ny66)のフィラメント数14本、470dtexのマルチフィラメント糸(比較例4はフィラメント数28本、940dtexを使用)を経糸及び緯糸として製織した平織物、Ny66、940dtex/2のコードを簾織物に製織(打ち込み密度26本/50mm、緯糸に300dtex綿糸を4本/50mmで打ち込み)した簾織物(比較例5)をそれぞれゴム被覆し、経糸及び緯糸に対して45°の角度で所定幅に裁断したものをバットレス部補強層に適用し、図5に示す補強層を持たない従来構造のタイヤを比較例1(コントロール)とし、図1に示す補強層を配設した各実施例、比較例のラジアルタイヤを試作し、下記の試験方法に従いバットレス部剛性、ロードノイズ(R.N)、ユニフォミティー(RFV)、及びドラム耐久性能の評価を行った。タイヤサイズは195/65R15 91Sである。その評価結果を表1に示す。
なお、各試作タイヤは、カーカスはポリエステル1670dtex/2(打ち込み密度23本/25mm)の1プライ、ベルト層はスチールコード2+2×0.25(打ち込み密度19本/25mm)の交差角度23度の2プライとして使用した。
[バットレス部剛性]
図4に示すように、各タイヤのバットレス部からタイヤ径方向に幅25mmの短冊状の試料を切り出し、これを支点間距離L=40mmで配置した一対の直径=10mmの丸棒上に載せ、中央部に力Fをかけて力Fとバットレス部の変位量との関係をオートグラフ(島津製作所(株)製)を用いて調べた。一定の力Fをかけた時のバットレス部の変位量を比較例1を100とする指数で示した。数値が大きいほどバットレス部の剛性が高いことを示す。
図4に示すように、各タイヤのバットレス部からタイヤ径方向に幅25mmの短冊状の試料を切り出し、これを支点間距離L=40mmで配置した一対の直径=10mmの丸棒上に載せ、中央部に力Fをかけて力Fとバットレス部の変位量との関係をオートグラフ(島津製作所(株)製)を用いて調べた。一定の力Fをかけた時のバットレス部の変位量を比較例1を100とする指数で示した。数値が大きいほどバットレス部の剛性が高いことを示す。
[ロードノイズ]
標準リムを用いて内圧200kPaに調整し国産2000cc乗用車の全輪に同一試験タイヤを装着し、運転席と後席右側の2名乗車により、メーター読みにて60Km/hの定常走行で、マイク位置を前席および後席の運転席側窓寄りの耳元で、騒音計により騒音を測定することにより行った。比較例1を100とする指数で示した。数値が小さいほどロードノイズが低減され優れている。
標準リムを用いて内圧200kPaに調整し国産2000cc乗用車の全輪に同一試験タイヤを装着し、運転席と後席右側の2名乗車により、メーター読みにて60Km/hの定常走行で、マイク位置を前席および後席の運転席側窓寄りの耳元で、騒音計により騒音を測定することにより行った。比較例1を100とする指数で示した。数値が小さいほどロードノイズが低減され優れている。
[ユニフォミティー(RFV)]
JASO C607の自動車用タイヤのユニフォミティー試験方法に準拠してラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定し、比較例1を100とする指数で示した。数値が小さいほど良好である。
JASO C607の自動車用タイヤのユニフォミティー試験方法に準拠してラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定し、比較例1を100とする指数で示した。数値が小さいほど良好である。
[ドラム耐久性]
米国自動車安全基準FMVSS109に規定の耐久性試験に準拠してドラム試験を行い、規定時間走行して異常が認められないものを「○」、規定時間走行できたが補強層端部に亀裂の発生が認められたものを「×」として示した。
米国自動車安全基準FMVSS109に規定の耐久性試験に準拠してドラム試験を行い、規定時間走行して異常が認められないものを「○」、規定時間走行できたが補強層端部に亀裂の発生が認められたものを「×」として示した。
表1に示す結果から明らかなように、Ny66の470dtexマルチフィラメント糸を経緯糸とする平織物を補強層として、そのタイヤ断面高さにおける幅が該タイヤ断面最大幅位置とベルトプライ端部との間のタイヤ断面高さの40〜80%で用いた実施例1〜3は、従来の補強層の無い比較例1に比べ、ユニフォミティーを低下させることなくロードノイズを低減し、耐久性能にも問題がないことが分かる。
これに対して、補強層のタイヤ断面高さの幅が狭い比較例2ではバットレス部の剛性変化が少なくロードノイズ低減効果が得られない。補強層のタイヤ断面高さの幅が広くタイヤ最大幅部分に補強層端部が接近した比較例3はサイド部全体の振動モードを変化させてロードノイズを悪化させる結果となった。また、バットレス部の剛性を増加させるために940dtexの太い経糸と緯糸を平織物に用いた比較例4はロードノイズは低減されるが平織物の拡張が不均一となってユニフォミティーを低下させるとともに平織物端部に亀裂を生じて耐久性が悪化し、補強層に940dtex/2からなる1枚の簾織物を配した比較例5は拡張時に補強層の上下端部でS字状にコードが流れ、かつ周方向にもコード分布が乱れてユニフォミティーが悪化し、ドラム評価でコード分布の乱れた位置に亀裂が発生し耐久性が劣る。
以上説明したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗用車用からトラック・バス用などの各種サイズのタイヤに適用し振動伝達特性を改善しロードノイズを低減することができるが、特に乗用車やミニバンなどの乗用目的に使用される比較的小型の空気入りラジアルタイヤに有用である。
2……カーカス
3……ベルト
4……バットレス部
5……トレッド部
6……サイドウォール部
7……ビード部
8……補強層
10……平織物
11……経糸
12……緯糸
T……空気入りラジアルタイヤ
A……補強層のタイヤ断面高さの幅
S……タイヤ最大幅部
P……ベルト端部
3……ベルト
4……バットレス部
5……トレッド部
6……サイドウォール部
7……ビード部
8……補強層
10……平織物
11……経糸
12……緯糸
T……空気入りラジアルタイヤ
A……補強層のタイヤ断面高さの幅
S……タイヤ最大幅部
P……ベルト端部
Claims (3)
- 少なくとも1プライのラジアルカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側のトレッド部に配された少なくとも1プライのベルトを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記タイヤのバットレス部のカーカス外側に、経糸及び緯糸がナイロンマルチフィラメントで構成された平織物からなる補強層を該タイヤ周方向の全周にわたり連続して配設した
ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記補強層のタイヤ断面高さにおける幅が、該タイヤ断面最大幅位置とベルトプライ端部との間のタイヤ断面高さの40〜80%である
ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記平織物の経糸及び緯糸の繊度が、240〜700dtexである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Cited By (2)
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WO2019131072A1 (ja) * | 2017-12-25 | 2019-07-04 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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2004
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