JP2004136839A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り心地性やロードノイズなどの居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対の環状のビード1aと、そのビード1aで両端が巻き返されたカーカス層10と、トレッドの下方に位置するカーカス層11aをタガ効果で補強する複数のベルト層6とを備える空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層10は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、最内周側のベルト層6aの外側端P1とタイヤ最大幅位置P2との間の領域のカーカス層10が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域C1を有することを特徴とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の環状のビードと、そのビードで両端が巻き返されたカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強する複数のベルト層とを備える空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、空気入りタイヤの主流となっているラジアルタイヤは、一対の環状のビード間を補強し、複数のコードがタイヤ半径方向(子午線方向)に配列するカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強し、コードがタイヤ周方向に対し傾斜した複数のベルト層とを備えた構造が一般的である。また、カーカス層の両端部は、ビードにて外側に巻き返されており、その巻き返し部のコードについてもタイヤ半径方向に配列しているのが通常であった。
【0003】
そして、ビード部の剛性を高めて操縦安定性等を向上させる目的で、ビード周りのカーカス層に加えて、長繊維や短繊維で補強された補強層を設けた空気入りタイヤが、各種知られている。また、このような補強層を設けずに、カーカス層の巻き返し部のコードをタイヤ半径方向から傾斜させることにより、ビード部の剛性を高めた空気入りタイヤも知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
一方、車両が比較的荒れた路面を走行すると、車室内においてロードノイズと呼ばれる騒音が発生する。このロードノイズは、タイヤが関係する騒音の一つであり、路面の凹凸がタイヤへの入力となってタイヤが振動し、この振動が車軸、サスペンション、車体といった伝播経路をとって伝わり、最終的に車室内で騒音を引き起こす。この車室内騒音のうち、125Hz付近に発生する低周波ロードノイズは、タイヤの一次共振周波数に近く、その周波数と合致しロードノイズのピークとなるため、ノイズの低減が求められている。
【0005】
ところで、前記のカーカス層を形成する際、複数のコードを平行に配列したすだれ状の織物にトッピングゴムを被覆したカーカス用プライが一般的に使用されている。このトッピングゴムについては、カーカス用プライの全面で同じ種類のゴムを使用しており、一部の領域でゴムの種類を変えることは、通常、行われていなかった。但し、インナーライナを省略した空気入りタイヤにおいて、空気の不透過性とドラム耐久性とを両立させるべく、カーカス用プライの一部の領域でブチル系ゴムの配合量を変えた空気入りタイヤが知られている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−170807号公報(第1頁、図4)
【特許文献2】
特開平8−324213号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】
特開平9−58208号公報(第1頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように1種類のトッピングゴムを被覆したカーカス用プライでは、トッピングゴムの硬度を大きくすると、操縦安定性が増すものの、乗り心地性やロードノイズが悪化するという問題があった。逆にトッピングゴムの硬度を小さくすると、乗り心地性やロードノイズが向上するものの、操縦安定性が低下し、すなわち操縦安定性と居住性が二律背反する性能となっていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、乗り心地性やロードノイズなどの居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる空気入りタイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対の環状のビードと、そのビードで両端が巻き返されたカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強する複数のベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、最内周側のベルト層の外側端とタイヤ最大幅位置との間の領域のカーカス層が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有することを特徴とする。
【0010】
上記において、前記カーカス層は3種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、前記ビードで巻き返された部分のカーカス層が、2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有することが好ましい。
【0011】
また、前記カーカス層は4種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、タイヤ最大幅位置とビード下のタイヤ内周端との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有することが好ましい。
【0012】
[作用効果]
本発明によると、カーカス層が2種以上の硬度のトッピングゴムで被覆され、バットレス部付近に最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス領域を有するため、従来困難であった居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる。即ち、縦剛性にあまり寄与せず、前後剛性と横剛性に寄与し易いバットレス部付近に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス領域を設けることで、操縦安定性を向上させながら、ロードノイズの低減と乗り心地性の改善を行うことができる。
【0013】
前記カーカス層は3種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、前記ビードで巻き返された部分のカーカス層が、2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有する場合、3種以上の硬度にするためより細かい硬度の選定を行うことができ、巻き返された部分の硬度を高めることで、より確実に居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立できるようになる。
【0014】
前記カーカス層は4種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、タイヤ最大幅位置とビード下のタイヤ内周端との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有する場合、4種以上の硬度にするためより細かい硬度の選定を行うことができ、相対的にベルト下の硬度が低くなることで、エンベロープ効果によって居住性が向上し、更に確実に居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図である。
【0016】
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、一対の環状のビード1aと、そのビード1aで両端が巻き返されたカーカス層10と、トレッドの下方に位置するカーカス層11aをタガ効果で補強する複数のベルト層6とを備える。なお、空気入りタイヤは、赤道線CLで対称又は略対称な断面構造になっている。本実施形態ではカーカス層10が1層で構成されている例を示す。
【0017】
ビード1aは、通常の空気入りタイヤと同様のものが何れも採用でき、例えばビードワイヤーを所定の断面形状で複数回巻いて作製することができる。ビードワイヤーとしては鋼線等が使用され、ゴムとの接着性を高めるべく、通常、表面処理や接着処理等がなされている。
【0018】
ビード部1のビード1aのタイヤ外周側にはビードフィラー1bが配設され、ビードフィラー1bの硬度(加硫後)は、JISA硬度で85〜95°が好ましい。ビードフィラー1bの高さH1は、低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性の改善効果とを両立させる上で、タイヤ断面高さHの20〜50%の高さであることが好ましく、40〜50%の高さであることがより好ましい。
【0019】
カーカス層10は、ビード1a間の本体部11と、ビード1aで巻き返された部分である巻き返し部12で構成される。本実施形態では、カーカス層10のコードとタイヤ周方向とのなすコード角は85〜90°である例を示す。カーカス層10を構成するコードとしては、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等の有機繊維、又はスチール等が挙げられる。
【0020】
ベルト層6は、上層6bと下層6aとの2層構成のものが例示できるが、各層を構成するコードのタイヤ赤道線CLに対する角度は10〜35°が好ましい。
また、上層6bの上面に更に周方向にコードを配置した繊維補強層7を設けてもよい。ベルト層6を構成するコード材は、スチールや芳香族ポリアミド等の有機繊維など、従来よりベルト層6に用いられる材料がいずれも使用できる。
【0021】
本発明において、前記カーカス層10は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されており、好ましくは3種以上の硬度のトッピングゴム、より好ましくは4種以上の硬度のトッピングゴムによってコードが被覆されている場合である。本実施形態では、カーカス層10のコードが4種の硬度のトッピングゴムで被覆されている例を示す。
【0022】
本発明では、最内周側のベルト層である下層6aの外側端P1と、子午線断面におけるタイヤ最大幅Wの高さに相当するタイヤ最大幅位置P2との間の領域のカーカス層10が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C1を有する。カーカス層C1が占める領域は、外側端P1とタイヤ最大幅位置P2との間の領域のうち、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。これが50%未満であると、前後剛性と横剛性の向上効果が不十分となる傾向がある。
【0023】
カーカス層C1を被覆するトッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で60〜80°が好ましい。また、カーカス層C1はその領域内においてトッピングゴムの硬度が多少異なっていてもよく、その場合、硬度の平均値(Σ面積率×硬度)に基づいて、その平均値が最も高い硬度となるように、カーカス層C1を配設する。
【0024】
本発明では、ビード1aで巻き返されたカーカス層10の巻き返し部12が、2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C2を有するのが好ましい。カーカス層C2が占める領域は、巻き返し部12のうち、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。本発明において、カーカス層10の巻き返し部12と本体部11との境界は、ビード下のタイヤ内周端P3とする。
【0025】
カーカス層C2を被覆するトッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で52〜70°が好ましい。カーカス層C2はその領域内においてトッピングゴムの硬度が多少異なっていてもよく、その場合も、硬度の平均値に基づいて、2番目に高い硬度となるように、カーカス層C2を配設する(カーカス層C3も同様)。
【0026】
本発明では、タイヤ最大幅位置P2とビード下のタイヤ内周端P3との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C3を有するのが好ましい。カーカス層C3が占める領域は、タイヤ最大幅位置P2とタイヤ内周端P3との間の領域のうち、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。カーカス層C3を被覆するトッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で47〜67°が好ましい。
【0027】
カーカス層C1〜C3以外の部分は、カーカス層C3より低い硬度のトッピングゴムで被覆されていることが好ましい。具体的には、当該トッピングゴムの硬度(加硫後)は、JISA硬度で40〜60°が好ましい。本発明では、このような低硬度のトッピングゴムで被覆したカーカス層C4を、トレッドの下方に位置するカーカス層11aに使用するのが好ましい。
【0028】
また、本実施形態では、図1に示すように、ビード周りにおいてカーカス層10の外側を補強するチェーハー21が設けられ、カーカス層10の内側を補強するフリッパー22が設けられている。これらはゴムの硬度を高めたものや長繊維又は短繊維で補強されたものが使用できる。
【0029】
上記の点以外は、通常のラジアルタイヤと略同じ構造を有している。即ち、図1に示すように、通常のタイヤと同様にカーカス層10の外側にはサイドウォールゴム2a、内側にはインナーライナゴム3が配置され、ベルト層6の外側にはトレッドゴム4等が配置され、トレッドゴム4の外周面には所定のパターンが形成される。
【0030】
上記のゴム層等の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴムはカーボンブラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。
【0031】
本発明の空気入りタイヤは、各部でトッピングゴムの硬度が異なるカーカス用プライを使用すること以外は、通常の空気入りタイヤと同様の製造方法で製造できる。上記のカーカス用プライは円筒状に成型され、例えばビードの配設後、チューブ状エアバッグが挿入され、内圧によりドーナツ状にシェーピングされた後、ベルト層が常法により形成される。
【0032】
各部でトッピングゴムの硬度が異なるカーカス用プライを製造する方法としては、例えば複数のコードを平行に配列したすだれ状の織物に、カレンダーロールやプレス装置を用いて、両面から未加硫ゴムシートを積層してトッピングゴムを被覆する際、硬度が部分的に異なる未加硫ゴムシートを使用する方法などが挙げられる。
【0033】
カーカス用プライの厚みは、0.5〜1.0mmが好ましい。また、コードの打ち込み数は、従来のラジアルタイヤと同様に40〜70本/5cmが好ましい。
【0034】
ゴムの硬度を変える方法としては、従来公知の方法が何れも使用でき、例えばカーボンブラック等の補強材の種類や配合比を変える方法、加硫剤の配合比を変える方法などが挙げられる。
【0035】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0036】
(1)前述の実施形態では、カーカス層が1層で構成される例を示したが、本発明では、2層以上のカーカス層10を設けてもよい。その場合も、下層6aの外側端P1とタイヤ最大幅位置P2との間の領域のカーカス層10が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層C1を有するようにする。このとき、各層におけるカーカス層C1の領域は、各層で同じでも、異なっていてもよい。また、その他の領域についても、前述と同様にカーカス層C2〜C3の領域を配設すればよい。
【0037】
(2)前述の実施形態では、カーカス層のコードが4種の硬度のトッピングゴムで被覆されている例を示したが、2種の硬度のトッピングゴムで被覆されていてもよい。その場合、カーカス層の構造は、センターから端辺へと2分割〜5分割の構造とすることができる。
【0038】
2分割構造の場合は、センターからベルト端付近までを低硬度とし、その外側を高硬度とすればよい。3分割構造の場合は、センターからベルト端付近までを低硬度とし、巻き返し端からタイヤ最大幅位置までの適当な位置を低硬度とし、その中間を高硬度とすればよい。4分割構造の場合は、センターからベルト端付近までを低硬度とし、タイヤ最大幅位置からビード下のタイヤ内周端までの領域を低硬度とし、その中間を高硬度とすると共に、ビード下のタイヤ内周端から巻き返し端の領域を高硬度にすればよい。4分割構造の場合は、更に巻き返し端付近に低硬度の領域を配設すればよい。
【0039】
(3)また、本発明は、カーカス層のコードが3種の硬度のトッピングゴムで被覆されていてもよい。その場合、前述した図1に示すカーカス層C3の領域を、カーカス層C4の領域と同じ硬度のトッピングゴムで被覆したり、あるいはカーカス層C3の領域を、カーカス層C2の領域と同じ硬度のトッピングゴムで被覆したりすればよい。
【0040】
(4)前述の実施形態では、カーカス層の巻き返し部のコード角が85〜90°である例を示したが、本発明では、図2に示すように、カーカス層10の巻き返し部12のコード角を傾斜させてもよい。これにより、ビード部付近の横剛性及び前後剛性を高めることができ、より確実に居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立できるようになる。この場合、巻き返し部12のコードとタイヤ周方向とのなすコード角は60〜85°が好ましい。
【0041】
一方、最内周側のベルト層の外側端とタイヤ最大幅位置との間の領域のカーカス層のコード角を傾斜させても上記と同様の効果が得られる。その場合もカーカス層のコードとタイヤ周方向とのなすコード角は60〜85°が好ましい。
【0042】
(5)前述の実施形態では、カーカス層の巻き返し部の巻き返し端が、タイヤ最大幅位置の付近に配置される例を示したが、巻き返し部の巻き返し端をより高い位置まで延長して、巻き返し端がベルト層の端部とカーカス層とに挟持されるようにしてもよい。その場合は、巻き返し部のうち、タイヤ最大幅位置より高い領域は、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層とするのが好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性の測定と性能評価は下記のようにして行った。
【0044】
(1)前後剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態で、前後方向の力を加えて、前後方向の力−前後たわみの関係を測定したグラフに基づき、、荷重負荷(510Kg)の0.3倍に相当する前後方向の力を、その力が作用した時の前後たわみで除して算出した。
【0045】
(2)横剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態で、横方向の力を加えて、横方向の力−横たわみの関係を測定したグラフに基づき、、荷重負荷(510Kg)の0.3倍に相当する横方向の力を、その力が作用した時の横たわみで除して算出した。
【0046】
(3)縦剛性
タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kgとした状態から、圧縮試験気により垂直方向の力を加えて、荷重負荷の+10%と−10%を負荷したときのタイヤの撓みを測定し、負荷量を撓み量で除して算出した。
【0047】
(4)操縦安定性
実施例等で得られたサイズ205/55R16 89Vの空気入りタイヤを空気圧220kPaにてリム組み(リム:6.5J)して実車(2000ccクラスの国産セダン)に装着した。この実車により、ドライ時のテストコースにおいて、パネラーによる実車フィーリングテスト(直進、レーンチェンジ、ハンドリング走行安定性)を実施し、その結果を従来品を100とする指数で評価した。
この値が大きいほど、操縦安定性が優れている。
【0048】
(5)乗り心地性
操縦安定性と同じく実車により、ドライ時のテストコースにおいて、パネラーによる実車フィーリングテスト(良路走行性、不整路面走行性、ハーシュネス)を実施し、その結果を、従来品を100とする指数で評価した。この値が大きいほど、乗心地が優れている。
【0049】
(6)ロードノイズ
操縦安定性の評価と同じ実車により、時速60kmでテストコース(粗面路)を惰行しながら走行し、運転席窓側の耳位置に取り付けたマイクで周波数125Hzでの騒音(低周波ロードノイズ)のレベルを測定した。
【0050】
実施例1
コードとしてレーヨン(1840dtex,伸度2%時の応力69N/本)を使用したすだれ状物に、JISA硬度がセンターから両端へと所定の間隔で50°→70°→57°→62°と変化(4分割構造)するトッピングゴムの未加硫ゴムシート(厚み0.2mm)を両側から挟み込んで、打ち込み数48本/5cmのカーカス用プライを作製した。
【0051】
このカーカス用プライと、ビードフィラー形成部材(加硫後のJISA硬度92°、三角形断面の底辺8mm、高さ45mm)とを用いて、コード角90°でビードで外側に巻き返したカーカス層を形成し、他の部分は通常のラジアルタイヤと同様にして、図1に示すようなタイヤサイズ205/55R16 89Vの空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度50°→70°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度70°→57°の境界は、タイヤ最大幅位置より10mm高く位置し、硬度57°→62°の境界は、ビード下のタイヤ内周端に位置していた。
【0052】
実施例2
実施例1において、JISA硬度がセンターから両端へと所定の間隔で50°→70°→60°と変化(3分割構造)するトッピングゴムの未加硫ゴムシートを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度50°→70°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度70°→60°の境界は、タイヤ最大幅位置に位置していた。
【0053】
実施例3
実施例1において、センターに近い部分のトッピングゴムの硬度を50°から60°に変えること以外は、全て実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度60°→70°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度70°→57°の境界は、タイヤ最大幅位置より10mm高く位置し、硬度57°→62°の境界は、ビード下のタイヤ内周端に位置していた。
【0054】
比較例1(従来品)
実施例1において、トッピングゴムの硬度が60°で均一なカーカス用プライを使用し、通常のラジアルタイヤと同様にして、同じタイヤサイズの空気入りタイヤを試作した。
【0055】
比較例2
実施例1において、JISA硬度がセンターから両端へと所定の間隔で70°→50°→62°→57°と変化(4分割構造)するトッピングゴムの未加硫ゴムシートを用いること以外は、全て実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作した。得られた空気入りタイヤのカーカス層の硬度70°→50°の境界は、最内周側のベルト層の外側端に位置し、硬度50°→62°の境界は、タイヤ最大幅位置より10mm高く位置し、硬度62°→57°の境界は、ビード下のタイヤ内周端に位置していた。
【0056】
以上の空気入りタイヤを用いて、前記評価を行った結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004136839
表1の結果が示すように、本発明によると、乗り心地性やロードノイズなどの居住性の改善効果と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる。これに対し、トッピングゴムの硬度の大小関係が一部逆転した比較例2では、乗り心地性やロードノイズなどの居住性と操縦安定性とが何れも悪化した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図
【図2】本発明の空気入りタイヤの他の例のカーカス層を模式的に示す側面図
【符号の説明】
1a    ビード
6     ベルト層
6a    下層(最内周側のベルト層)
10    カーカス層
11    カーカス層の本体部
12    カーカス層の巻き返し部
C1    最も硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層
C2    2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層
C3    3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆されたカーカス層
P1    ベルト層の外側端
P2    タイヤ最大幅位置
P3    ビード下のタイヤ内周端

Claims (3)

  1. 一対の環状のビードと、そのビードで両端が巻き返されたカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層をタガ効果で補強する複数のベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカス層は2種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、最内周側のベルト層の外側端とタイヤ最大幅位置との間の領域のカーカス層が、最も硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス層は3種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、前記ビードで巻き返された部分のカーカス層が、2番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカス層は4種以上の硬度のトッピングゴムでコードが被覆されていると共に、タイヤ最大幅位置とビード下のタイヤ内周端との間の領域のカーカス層が、3番目に硬度の高いトッピングゴムで被覆された領域を有する請求項2に記載の空気入りタイヤ。
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