JP3774107B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドウォールゴムを改善しうる空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来よりサイドウォール部に配されたサイドウォールゴムに、タイヤ周方向に沿って短繊維を配向した短繊維入りゴム材を用いることが、例えば特開平6−87306号公報により提案されている。このような空気入りタイヤは、サイドウォールゴムが短繊維によって補強される結果、そのゴム厚さを小とした場合においても、サイドウォール部の耐カット性や剛性の低下が防止される。また、このようなサイドウォールゴムは、ゴム基材に短繊維や所定の薬品を配合して混練され、押出機により例えば図8に示すようなサイドウォールゴムaの断面形状にて一体に押出成形されてタイヤの製造に使用される。またサイドウォールゴムaは、押し出し成形される際に、ゴム中の大部分の短繊維がゴムの流れる押出し方向(図8では紙面に垂直)に沿って配向される。
【0003】
ところが、上述のように押出しにより形成されたサイドウォールゴムaでは、例えば乗用車用タイヤの場合、最も厚さが大きな部分bでは3mmを超えるところもある。そして、サイドウォールゴムaの押出し時の厚さが大であると、その部分、とくに内部において短繊維が押出し方向に十分に沿わず前記配向が困難になり、サイドウォール部の耐カット性の向上効果が低下しやすくなる。このような場合、ゴム成分に対する短繊維の配合量を増すことにより配向度を上げることも一応考えられるが、この場合にはタイヤの製造コストが増加する他、サイドウォールゴムの耐クラック性を悪化させるなどの問題がある。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、サイドウォールゴムを、小巾かつ小厚さの帯状をなししかも長手方向に沿って短繊維を配向したゴムストリップを、カーカスの外側にタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記短繊維を実質的にタイヤ周方向に沿って配向させた巻装体から形成するとともに、厚さが異なる2種以上のゴムストリップを用いることを基本として、前記問題点を解決しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記サイドウォール部において前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配されたサイドウォールゴムは、小巾かつ小厚さの帯状をなししかも長手方向に沿って短繊維を配向したゴムストリップを、サイドウォール部の前記カーカスの外側にタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記短繊維を実質的にタイヤ周方向に沿って配向させた巻装体を用いて形成されるとともに、前記ゴムストリップは、厚さが小の第1のゴムストリップと、この第1のゴムストリップよりも厚さが大の第2のゴムストリップとを含み、かつ前記第1のゴムストリップの厚さt1と、前記第2のゴムストリップの厚さt2との比(t1/t2)を0.15〜0.80としたことを特徴としている。
【0006】
またサイドウォールゴムは、前記第1のゴムストリップから形成されたことにより前記短繊維のタイヤ周方向に沿う配向度が高い第1の領域と、前記第2のゴムストリップから形成されたことにより前記短繊維の前記配向度が低い第2の領域とを具える。このようなサイドウォールゴムの第1の領域を、サイドウォールゴムのビード部側とトレッド側との双方、又は一方に形成している。
【0007】
また前記短繊維は、平均繊維長さが0.2〜5mm、かつ平均繊維径が10〜100μmであることが望ましく、前記ゴムストリップの巾は、5〜50mmの範囲で略一定、かつ該ゴムストリップの厚さは0.3〜2.5mmであることが望ましい。また前記ゴムストリップは、ゴム基材100重量部に対して10〜30重量部の前記短繊維を含むことが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の態様の一例を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤの右半分断面図を示している。図において空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層7とを具えた乗用車用のラジアルタイヤを例示している。
【0009】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードの他、必要によりスチールコードなども採用しうる。前記カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なり前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。またこれらの本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4の曲げ剛性などを補強している。
【0010】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して10〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成したものを例示する。前記ベルトコードは、本例ではスチールコードを採用しているが、これ以外にも例えばアラミド等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
【0011】
前記サイドウォール部3において前記カーカス6のタイヤ軸方向外側にはサイドウォールゴム9が配されている。本例のサイドウォールゴム9は、タイヤ半径方向の外端が前記ベルト層7のタイヤ半径方向内側に位置するとともに、サイドウォールゴム9のタイヤ半径方向内端側はビード部4に配されかつリムと接するクリンチゴム15に連なって終端するものが例示される。またサイドウォールゴム9は、本例では図2に示すように、小巾かつ小厚さの帯状をなししかも長手方向に沿って短繊維Fを配向したゴムストリップ11を、サイドウォール部3の前記カーカス6の外側にタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記短繊維Fを実質的にタイヤ周方向に沿って配向させた巻装体10(図3に示す)を用いて形成される。なお「短繊維を実質的にタイヤ周方向に沿って配向させる」とは、大部分(例えば90%以上)の短繊維の長手方向がタイヤ周方向に対して0〜30度の角度をなすことを言う。
【0012】
前記ゴムストリップ11は、ゴム基材に短繊維と必要な所定の薬品とを配合し、これらを例えば図4に示すように押出機20で混練してかつ一対のローラーダイ21、21から所望の横断面で押し出し成形すことにより、この押出し方向、すなわちゴムストリップ11の長手方向に沿って前記短繊維Fを配向して連続して製造できる。なお本実施形態では、このようにして連続して成形された未加硫のゴムストリップ11は、冷却ドラム22、23、24に接することにより冷却されて成形ドラム25へと供給されるものを例示している。
【0013】
また前記ゴムストリップ11は、例えばゴム基材100重量部に対して有機又は無機の短繊維Fを10〜30重量部、より好ましくは15〜25重量部配合するのが望ましい。前記短繊維Fが10重量部未満では、サイドウォールゴム9のタイヤ周方向の剛性を高める効果が低下する傾向にあり、逆に30重量部を超えるとサイドウォールゴム9の耐クラック性などが低下する傾向がある。また前記ゴム基材としては、例えばジエン系ゴムが好ましく、より具体的には天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどの1種又は2種以上をブレンドして用いることができる。
【0014】
また前記短繊維Fは、特に限定されるものではないが、ゴムとの接着性に優れた非金属性の短繊維が特に好ましい。より具体的には、短繊維Fは、ナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ビニロン、コットン、セルロース樹脂、結晶性ポリブタジエンなどの有機物の他、ボロン、グラスファイバー、カーボンファイバー等の無機材質が挙げられ、さらにはこれらは単独でも、又2種以上を組合わせて使用することもできる。なお各種の短繊維にはゴム基材との接着性を向上させるために必要な表面処理などを施すことがある。
【0015】
前記短繊維Fは、平均繊維長さが0.2〜5mm、かつ平均繊維径が10〜100μmであることが望ましい。前記平均繊維長さが0.2mm未満或いは前記平均繊維径が10μm未満であると、短繊維自体の剛性が小となり、サイドウォールゴム9のタイヤ周方向の剛性を向上させる効果が低下し、逆に平均繊維長さが5mmよりも大或いは前記平均繊維径が100μmよりも大であると、短繊維Fが大きくなりすぎてゴムとの接着性が低下し耐摩耗性や耐クラック性が低下する。かかる観点より、短繊維Fの平均繊維長さは、1.0〜4.0mm、かつ平均繊維径は50〜80μmとすることが特に望ましい。
【0016】
図5には、このような空気入りタイヤの製造方法の一例の概略図を示している。図5(A)では、円筒状の成形ドラム25上にカーカスプライ6Aを巻き付けるとともに、その両端側からビードコア5を填め込み前記カーカスプライ6Aの両端をこのビードコア5で巻き上げた状態が示されている。そして、図5(B)のように、ゴムストリップ11を前記カーカスプライ6Aのサイドウォール部に相当する位置に円周方向に巻き付けていく。本実施形態では、図4に示したように、成形ドラム25上の前記カーカスプライ6Aにゴムストリップ11の一端11eを貼り付けた後、該成形ドラム25を回転させることにより、連続して供給されるゴムストリップ11を該成形ドラム25上のカーカスプライ6Aに連続して巻き付けしうるものを例示している。
【0017】
またゴムストリップ11は、図4の如く該ゴムストリップ11を挟むローラを有し成形ドラム25に対する軸方向位置を案内しうるアプリケータ27により、ゴムストリップ11の重なり量などが制御される。これにより、ゴムストリップ11は、図3、図5(B)のように所望のサイドウォールゴム9の断面形状になるよう巻き付けされて前記巻装体10を形成する。しかる後、図5(C)のように、円筒状のカーカスプライ6Aのビードコア5、5間を接近させつつトロイド状に変形し、ベルト層7、トレッドゴム16などと一体化されて生カバーを成形し、この生カバーを加硫することにより、図1に示したような空気入りタイヤを容易に製造しうる。なおゴムストリップ11は、例えば図5(C)のようにトロイド状に変形した後のカーカスの外側に例えばタイヤ軸を中心として周方向に渦巻状に貼り付けることもできる。
【0018】
このように、サイドウォールゴム9に、短繊維Fを実質的にタイヤ周方向に沿って配向したことにより、サイドウォールゴム9のタイヤ半径方向の剛性を過度に高めることなしにタイヤ周方向剛性が向上できる結果、乗り心地を悪化させることなく転がり抵抗の低減や耐カット性を向上しうる。またサイドウォールゴム9が短繊維Fによって補強された結果、サイドウォールゴム9のゴム厚さを減じることも可能になり、タイヤ重量の低減にも役立つ。また本発明の空気入りタイヤ1では、サイドウォールゴム9が、前記ゴムストリップ11をタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより形成された巻装体10を用いて形成されているため、個々のゴムストリップ11内での短繊維の配向度を容易に高めることができ、サイドウォールゴム9の厚さが比較的大の部分においても小厚さのゴムストリップ11の重ね巻によって短繊維の配向度を高めうる結果、前記効果をより確実なものとする。
【0019】
前記ゴムストリップ11は、図2に示すように、その巾Wが例えば5〜50mm、より好ましくは10〜25mmであって、かつその厚さtは0.3〜2.5mm、より好ましくは0.5〜2.0mmとすることが望ましい。前記巾Wが5mm未満になると、巻装体10を形成するのに巻き付け回数が増大し比較的多くの時間を要する傾向があり、逆に50mmを超えると巾が大となって巻装体10の形状を整えるのが困難な傾向にある。またゴムストリップ11の前記厚さtが0.3mm未満になると、ゴムストリップ11が巻き付け途中で破断し易くなり巻き付け作業性が悪化する傾向があり、逆に2.5mmを超えると、短繊維Fの配向度がゴムストリップ11の内部において低下する傾向がある。
【0020】
また本発明の空気入りタイヤ1は、前記ゴムストリップ11に、厚さが小の第1のゴムストリップ11aと、この第1のゴムストリップ11aよりも厚さが大の第2のゴムストリップ11bとを含んで用いている。前記第1のゴムストリップ11aの厚さt1と、第2のゴムストリップ11bの厚さt2との比(t1/t2)は、例えば0.15〜0.80、より好ましくは0.20〜0.75、さらに好ましくは0.20〜0.70とすることが望ましい。前記比(t1/t2)が0.15未満になると、例えば小型車両用のタイヤの如く、前記厚さt2をそれほど厚くできないものでは、第1のゴムストリップ11aの厚さt1が著しく小となる場合があり、破断しやすくなって巻き付け作業性が低下する傾向があり、逆に0.8を超えると、操縦安定性の向上や乗り心地の維持を発揮し難い傾向がある。なお第1のゴムストリップ11aの巾と第2のゴムストリップ11bの巾は同一でも良くまた異なっていても良いが、本例では実質的に同一に設定したものを例示している。
【0021】
また前記ゴムストリップ11においては、その厚さを小にするほどその中に含まれる短繊維Fの配向度が向上する。従って、第1のゴムストリップ11aは、第2のゴムストリップ11bよりもその長手方向に対する短繊維Fの配向度を高くできる(短繊維の長手方向とゴムストリップ11の長手方向との角度差をより小にできる)。そこで、図6に示す如く、サイドウォール部3において、短繊維Fのタイヤ周方向に対する配向度を高めたい部分には、前記厚さが小の第1のゴムストリップ11aから形成されたことにより前記短繊維Fのタイヤ周方向に沿う配向度が高い第1の領域A1を形成し、他方、短繊維Fの配向度を緩めたい領域には前記第2のゴムストリップ11bから形成されたことにより前記短繊維Fの前記配向度が低い第2の領域A2を形成している。
【0022】
例えば乗り心地を重視して向上させるために、図7(A)に示すように、サイドウォール部で最も屈曲が大きくなるタイヤ中央域において、タイヤ断面高さHの15〜35%の長さ範囲S1を、前記第2の領域A2とする。これにより、この部分におけるサイドウォールゴム9の短繊維のタイヤ周方向に対する配向度を他の部分に比して下げることができ、例えば剛性を小とするのに役立つ。
また転がり抵抗の影響が大きいサイドウォールゴム9のビード部側又は/及びトレッド側に、前記第1の領域A1を形成している。これにより、該第1の領域A1においては、サイドウォールゴム9のタイヤ周方向の剛性などが他の部分に比して特に向上し前記転がり抵抗をさらに向上しうる。このように、ゴムストリップ11の厚さを違えて前記巻装体10を形成することにより、サイドウォールゴム9内において、短繊維Fの配向度を変えることにより、剛性を部分的に変えることができ、要求される性能に適したサイドウォールゴム9を容易に提供しうる。
【0023】
また、サイドウォールゴム9は、その厚さが必ずしても一定ではない場合があるため、該サイドウォールゴム9の厚さが大の部分を前記第2の領域A2とし、厚さが小の部分を前記第1の領域A1とすることもできる。この態様では、本発明とは異なり、サイドウォールゴム9の全域において、ほぼ一定の剛性を持たせてバランス性を重視した空気入りタイヤを得ることもできる。
【0024】
以上のようなゴムストリップ11の厚さは、例えば前記ローラダイ21のローラ間隙を調節することで容易に変えることができる。またゴムストリップ11の厚さを変化させる場合には、ゴムストリップ11を押し出し成形中に連続して変化させることもできる。これらは適宜コンピュータによって予め記憶された手順に従い自動制御しうる。
【0025】
以上本発明の実施形態について説明したが、サイドウォールゴム9は、全てが前記巻装体10から形成されている必要はなく、その一部として上記巻装体10を用いることもできる。この場合、サイドウォールゴム9は前記巻装体10と、押出機から押し出し成形された成型品とを組み合わせて構成しうる。また本発明は、空気入りタイヤであれば、乗用車用以外にも、自動二輪車用やトラック、バス用のタイヤなど、種々のタイヤに用いうるのは言うまでもない。
【0026】
【実施例】
タイヤサイズが195/65R15でありかつ図1に示す基本構成からなる乗用車用夏タイヤについて表1に示す仕様により試作するとともに、その性能についてテストを行った。なお、サイドウォールゴムを一体に押し出した押出し成形品を用いた空気入りタイヤや厚さを一定にしたゴムストリップを用いた空気入りタイヤ(従来例、比較例)についても併せて試作し性能を比較した。なお短繊維には、ナイロン66を使用し、平均繊維径が70〜80μm、平均繊維長さが3.5mmのものを使用した。また第1、第2の領域は、図7(B)に示すように、サイドウォールゴムの内、タイヤ断面高さHの0.35〜0.65倍の範囲を第2の領域A2とし、それ以外を第1の領域A1として形成した。
テストは下記要領で行った。
【0027】
<タイヤ重量>
タイヤ1本当たりの重量を測定し、従来例を100とする指数表示で評価した。数値が小さいほど軽量であることを示す。
【0028】
<操縦安定性>
試供タイヤをリム(6J×15)にリム組みしかつ内圧200kPaを充填した後、排気量2000ccの前輪駆動車の4輪に装着し、ドライバーのみ乗車してタイヤテストコースのドライアスファルト路面を走行し、ハンドル応答性、剛性感、旋回時のグリップ等に関する特性をドライバーの官能評価により従来例を100とする指数表示で評価した。数値が大きいほど、操縦安定性に優れていることを示す。
【0029】
<乗り心地>
前記と同様、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャソ路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、従来例を100とする指数表示であり、指数の大きい方が良好である。
テスト結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003774107
【0031】
テストの結果、実施例のタイヤは、従来例、比較例のタイヤに比べて乗心地性を保持しつつ操縦安定性を向上しうることが確認できた。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤは、サイドウォールゴムに、短繊維を実質的にタイヤ周方向に沿って配向したことにより、サイドウォールゴムのタイヤ半径方向の剛性を過度に高めることなしにタイヤ周方向剛性が向上できる結果、乗り心地を悪化させることなく転がり抵抗の低減や耐カット性を向上しうる。またサイドウォールゴムが短繊維によって補強された結果、サイドウォールゴムのゴム厚さを減じることも可能になり、タイヤ重量の低減にも役立つ。
【0033】
さらに本発明の空気入りタイヤでは、サイドウォールゴムが、厚さが小の第1のゴムストリップと、この第1のゴムストリップよりも厚さが大の第2のゴムストリップとを用い、これらのゴムストリップをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより形成された巻装体を用いて形成されているため、個々のゴムストリップ内での短繊維の配向度を容易に調節することができ、例えばサイドウォールゴムの厚さが比較的大の部分においても第1のゴムストリップの重ね巻きによって短繊維の配向度を高めうる結果、前記効果をより確実に達成しうる。また第1のゴムストリップの厚さt1と、前記第2のゴムストリップの厚さt2との比(t1/t2)を一定の範囲に規制したことにより、巻き付け作業性の低下を防止しつつ操縦安定性を効果的に向上しうる。
【0034】
また請求項1記載の発明の如く、前記サイドウォールゴムは、前記第1のゴムストリップから形成されたことにより前記短繊維のタイヤ周方向に沿う配向度が高い第1の領域と、前記第2のゴムストリップから形成されたことにより前記短繊維の前記配向度が低い第2の領域とを具えているので、サイドウォールゴム内において、短繊維の配向度が高い部分と低い部分とを自在に設定することができ、乗り心地、転がり抵抗、耐カット性などの性能を要求に応じて最適化するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様の一例を示すタイヤ右半分断面図である。
【図2】ゴムストリップを例示する斜視図である。
【図3】巻装体を示す拡大断面図である。
【図4】巻装体の製造装置の一例を示す概念図である。
【図5】(A)〜(C)は空気入りタイヤの製造方法を説明する略図である。
【図6】巻装体の他の形態を示す断面図である。
【図7】(A)〜(C)は実施例の空気入りタイヤを説明する略図である。
【図8】従来のサイドウォールゴムを示す断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 サイドウォールゴム
10 巻装体
11 ゴムストリップ
11a 第1のゴムストリップ
11b 第2のゴムストリップ
F 短繊維

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部において前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配されたサイドウォールゴムは、小巾かつ小厚さの帯状をなししかも長手方向に沿って短繊維を配向したゴムストリップを、サイドウォール部の前記カーカスの外側にタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより、前記短繊維を実質的にタイヤ周方向に沿って配向させた巻装体を用いて形成されるとともに、
    前記ゴムストリップは、厚さが小の第1のゴムストリップと、この第1のゴムストリップよりも厚さが大の第2のゴムストリップとを含み、
    かつ前記第1のゴムストリップの厚さt1と、前記第2のゴムストリップの厚さt2との比(t1/t2)を0.15〜0.80とし
    かつ前記サイドウォールゴムは、前記第1のゴムストリップから形成されたことにより前記短繊維のタイヤ周方向に沿う配向度が高い第1の領域と、前記第2のゴムストリップから形成されたことにより前記短繊維の前記配向度が低い第2の領域とを具えるとともに、
    第1の領域を、サイドウォールゴムのビード部側とトレッド側との双方、又は一方に形成したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記短繊維は、平均繊維長さが0.2〜5mm、かつ平均繊維径が10〜100μmである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴムストリップの巾は、5〜50mmの範囲で略一定、かつ該ゴムストリップの厚さは0.3〜2.5mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴムストリップは、ゴム基材100重量部に対して10〜30重量部の前記短繊維を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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