JP4261866B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビード部に、短繊維補強ゴム層とコード補強層とを設けることにより、乗り心地性の低下を抑えつつ操縦安定性を向上した空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
一般に、高性能の乗用車用タイヤでは、操縦安定性を向上させるために、スチールコードや有機繊維コードを用いたコード補強層を、ビード部からサイドウォール部にかけて設けることが行われている。しかし、近年の乗用車、特にスポーツタイプの車両では、駆動性能が著しく向上しているため、従来のタイヤでは、操縦安定性が不十分なものとなってきている。
【0003】
そこで、前記コード補強層の枚数を増加させることにより操縦安定性をさらに向上させることが試みられている。しかしこのような枚数の増加は、タイヤの縦剛性の上昇が過大となるため、乗り心地性の著しい低下を招き、しかもダンピング特性や路面追従性の悪化によって期待するほどの操縦安定性の向上効果が得られないという問題がある。
【0004】
他方、短繊維を周方向に配向させた短繊維補強層を、ビード部からサイドウォール部にかけて形成することも提案されている(例えば特許文献1参照。)。この短繊維補強層は、周方向剛性を集中的に高めるため、乗り心地性を維持しうるという利点がある。しかし、横力により剪断方向に容易に変形するため、周方向剛性の向上効果が充分に機能せず、かつタイヤ横剛性への寄与が少ないため、操縦安定性を高レベルに確保することはできなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−175119号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ビード部に、短繊維補強ゴム層とコード補強層とを組み合わせて用いることを基本として、短繊維補強層のみの使用、或いはコード補強層のみの使用では実現が困難であった高レベルにおける操縦安定性の向上を、乗り心地性の低下を最低限にとどめながら達成することができ、特に高性能タイヤとして好適に採用しうる空気入りラジアルタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライを具えるカーカスと、前記ビードコアの半径方向外周面からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴムとを具える空気入りラジアルタイヤであって、
前記ビード部に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に沿ってタイヤ周方向に配される短繊維補強ゴム層と、
この短繊維補強ゴム層にタイヤ軸方向外側で少なくとも一部が重なってタイヤ周方向に配され、かつ補強コードをタイヤ周方向に対して10〜45°の角度αで配列したコード補強層とを設けるとともに、
前記短繊維補強ゴム層は、ゴム100重量部に対して短繊維を10〜30重量部配合した短繊維配合ゴム材からなり、かつこの短繊維の90%以上が、タイヤ周方向を中心とした±20度以下の角度範囲に配向させ、
かつ該短繊維補強ゴム層は、その内端をビードコアの前記外周面のビードベースラインからの高さの90〜120%の高さ範囲に位置させて半径方向外方にのび、かつその外端のビードベースラインからの高さを、前記ビードエーペックスゴムの半径方向外端のビードベースラインからの高さの30〜90%とするとともに、
前記コード補強層は、前記短繊維補強ゴム層の内端を半径方向外方に越える高さ位置から半径方向外方にのび、かつその外端のビードベースラインからの高さを、短繊維補強ゴム層の前記高さの120〜300%とし、
しかも前記短繊維補強ゴム層とコード補強層の重なり部分の半径方向の重なり巾を、短繊維補強ゴム層の半径方向の巾の50%以上としたことを特徴としている。
【0008】
又請求項2の発明では、前記コード補強層は、外端のビードベースラインからの高さHcを、短繊維補強ゴム層の前記高さHrの170〜250%としたことを特徴としている。
【0009】
又請求項3の発明では、前記補強コードはスチールコードであることを特徴としている。
【0010】
又請求項4の発明では、前記短繊維補強ゴム層は、その厚さが0.3〜2.0mmであることを特徴としている。
【0011】
又請求項5の発明では、前記短繊維は、平均繊維長さLを20μm〜5000μm、かつ該平均繊維長さLと繊維径Dとのアスペクト比L/Dを10〜500としたことを特徴としている。
【0012】
又請求項6の発明では、前記短繊維補強ゴム層は、タイヤ周方向の複素弾性率Ea*を、ビードエーペックスゴムの複素弾性率E*より大、かつ半径方向の複素弾性率Eb*をビードエーペックスゴムの複素弾性率E*より小とするとともに、前記複素弾性率Ea*とEb*との比Ea*/Eb*を10〜30としたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤがタイヤ偏平率を55%以下とした高性能の乗用車用タイヤである場合を例示した断面図、図2は、そのビード部を拡大して示す断面図である。
【0014】
図1において、空気入りラジアルタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の外側に配されるベルト層7とを具えるとともに、ビード部4には、前記ビードコア5の半径方向外周面5Sからタイヤ半径方向外方に立上がるビードエーペックスゴム8を設けている。
【0015】
なお前記ベルト層7は、高弾性のベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードがプライ間相互で交差するように傾斜の向きを違えて重置され、これによってベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。ベルトコードとしては、スチールコード或いは、これに匹敵する例えば芳香族ポリアミド繊維等のハイモジュラスの有機繊維コードが好適に使用される。
【0016】
又本例では、前記ベルト層7に対する拘束力を高めて高速耐久性能等を向上させる目的で、ベルト層7の外側にバンド層9を配した場合を例示している。このバンド層9は、タイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で螺旋巻きしたバンドコードを有し、少なくとも前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部を覆って延在する。
【0017】
又前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りで内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを連設している。カーカスコードとして、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードの他、スチールコードも適宜用いることができるが、軽量化の観点から有機繊維コードが好ましい。
【0018】
次に、前記ビードエーペックスゴム8は、前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間を通ってタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびる断面三角形状をなす。本例では、高性能タイヤとして必要なタイヤ剛性を確保するため、その半径方向外端のビードベースラインBLからの高さHbを、タイヤ断面高さHTの0.25〜0.5倍の範囲に設定している。なおビードエーペックスゴム8には、複素弾性率E*が35〜60Mpaと、サイドウォールゴム(通常、複素弾性率は2.5〜6Mpa)に比して高弾性のゴムが使用される。
【0019】
そして本発明では、このようなタイヤにおいて、乗り心地性の低下を最低限にとどめながら操縦安定性を大幅に向上させるために、ビード部4に、短繊維補強ゴム層10とコード補強層11とを設けている。
【0020】
前記短繊維補強ゴム層10は、図2に示すように、実質的に一定のゴム厚さtを有する薄いゴム層であって、前記ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向外側面に沿ってタイヤ周方向に配される。
【0021】
短繊維補強ゴム層10は、内端をビードコア5の前記外周面5Sの高さ近傍Yに位置させ、この内端を起点として半径方向外方にのび、かつその外端は、ビードエーペックスゴム8の前記外端よりも半径方向内方に控えた位置で終端している。なお前記「近傍Y」とは、ビードコア5の前記外周面5SのビードベースラインBLからの高さhの90〜120%の高さ範囲を意味する。
【0022】
又短繊維補強ゴム層10は、ゴム100重量部に対して短繊維を10〜30重量部配合させた短繊配合ゴム材からなり、かつその短繊維をタイヤ周方向に配向させている。なお「短繊維がタイヤ周方向に配向する」とは、短繊維の90%以上が、タイヤ周方向を中心とした±20度以下の角度範囲に配向することを意味する。
【0023】
この短繊維の配向により、図3に示すように、前記短繊維補強ゴム層10は、その半径方向の複素弾性率Eb*の上昇を抑えながら、タイヤ周方向の複素弾性率Ea*を大幅に増加させることが可能となり、その比Ea*/Eb*を、例えば10以上にまで高めることができる。なお図3は、短繊維の配合量に基づく、周方向及び半径方向の複素弾性率Ea*、Eb*の変化の一例を示す。
【0024】
このように、短繊維補強ゴム層10は、タイヤ周方向の複素弾性率Ea*を大幅に増加させているため、タイヤの周方向剛性、即ちタイヤ回転時の捩じれ剛性を高めることができ、操縦安定性を向上させることができる。他方、図3の如く、半径方向の複素弾性率Eb*への影響をほとんど回避しうるなどタイヤ縦剛性を低く維持でき、乗り心地性の低下を抑制できる。なお、このためには、前記タイヤ周方向の複素弾性率Ea*が、ビードエーペックスゴムの複素弾性率E*より大(Ea*>E*)、かつ前記半径方向の複素弾性率Eb*がビードエーペックスゴムの複素弾性率E*より小(Eb*<E*)であることが好ましい。
【0025】
又前記操縦安定性の向上と乗り心地性の低下抑制との効果をより顕著に発揮させるためには、前記比Ea*/Eb*を10〜30とすることが好ましく、比Ea*/Eb*が10未満のとき、操縦安定性の向上効果が不十分となり、特にハンドル応答性が低下傾向となる。又比Ea*/Eb*が30を越えることは、技術的に難しく、生産性や生産コストに不利を招くほか、ゴム強度が低下傾向となる。従って、前記比Ea*/Eb*は、15〜25がさらに好ましい。このとき、前記タイヤ半径方向の複素弾性率Eb*が、10MPa以下、さらには5MPa以下であることが、乗り心地性のために好ましい。
【0026】
なお複素弾性率は、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%、動歪±1%として測定した値としている。
【0027】
ここで、短繊維は、押出機やカレンダロールにより短繊配合ゴムをシート状に押し出す際、押し出し方向に配向する傾向があり、これを利用して、短繊維補強ゴム層10の短繊維を前記周方向に配向させることができる。しかし、短繊維補強ゴム層10の前記厚さtが2.0mmを越えると、短繊維の配向性が悪化するなど、前記比Ea*/Eb*を10以上に確保することが難しくなる。その結果、操縦安定性の向上効果が小さくなり好ましくない。又タイヤ重量も増加して転がり抵抗を増大させる。又厚さtが0.3mmより小では、材料が薄すぎて補強効果を発揮することができなくなり好ましくない。又その取り扱いが難しく生産性に不利となる。このように前記厚さtは、0.3〜2.0mmが好ましく、さらには0.3〜1.5mmがより好ましい。
【0028】
次に、前記短繊配合ゴムのゴム基材として、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレインゴム(IR)等のジエン系ゴムの一種若しくは複数種を組み合わせたものが好適に使用できる。
【0029】
また前記短繊維としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ビニロン、コットン、セルロース樹脂、結晶性ポリブタジエンなどの有機繊維の他、例えば金属繊維、ウイスカ、ボロン、ガラス繊維等の無機繊維が挙げられ、これらは単独でも、又2種以上を組合わせて使用することもできる。さらに好ましくは、短繊維はゴム基材との接着性を向上させるために適宜の表面処理を施してもよい。
【0030】
また前記短繊維の平均繊維長さLは、20μm以上、特に50〜5000μmが好ましい。又平均繊維長さLと繊維径Dとのアスペクト比L/Dは10以上、特に20〜500が好ましい。この平均繊維長さLが20μm未満、及びアスペクト比L/Dが10未満では、短繊維が高精度で配向した場合にも、複素弾性率Ea*、Eb*の間に十分な差が確保できなくなるなど操縦安定性の向上と乗り心地性の低下抑制との両立のために好ましいとはいえない。逆に平均繊維長さLが5000μmより大、及びアスペクト比L/Dが500より大では、短繊維の配向性自体が低下し、同様に前記両立のために好ましいものではない。
【0031】
また短繊維の配合量は、10〜30重量部であることが必要であり、10重量部未満では補強効果に劣り、必要なタイヤ周方向の複素弾性率Ea*が確保できなくなるなど、操縦安定性の向上効果が発揮されない。逆に30重量部を越えると、短繊維が高精度で配向した場合にも、タイヤ半径方向の複素弾性率Ea*が上昇傾向となって乗り心地性を低下させることとなる。又未加硫ゴムの粘度が増し加工性も低下する。
【0032】
なお前記短繊配合ゴムでは、前記ゴム基材に、さらにカーボンブラックを配合することができ、このカーボンブラックとして、ヨウ素吸着量が30〜90mg/gのものが好適に使用しうる。ヨウ素吸着量が30mg/g未満のカーボンブラックでは、ゴム補強性が低く、強度、耐カット性が共に劣り、逆に90mg/gを越えると、発熱性が高くなって転がり抵抗の悪化を招く。
【0033】
このカーボンブラックの配合量は、前記ゴム基材100重量部に対して40重量部以下、好ましくは20〜30重量部であり、40重量部を越えると、ゴムの発熱性が高くなり転がり抵抗も悪化する。なお短繊配合ゴムには、前記短繊維やカーボンブラック以外に、さらに添加剤としてオイル、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤等の従来のタイヤゴム用の添加剤が適宜配合できる。
【0034】
しかし、前述の短繊維補強層10は、横力による剪断方向への変形が容易であるため、その周方向剛性の向上効果が充分に機能せず、しかもタイヤ横剛性への寄与が少なくコーナリングフォースの充分な増加が見込めない。そのため、短繊維補強層10の補強のみでは、操縦安定性を大幅に向上させることは難しい。
【0035】
そこで本発明では、前記コード補強層11をさらに設け、このコード補強層11が有する優れた曲げ剛性を付加することによって、前記短繊維補強層10が奏する周方向剛性の向上効果をより有効に発揮させることができ、しかもコーナリングフォースの充分な増加を可能とし、かつダンピング特性や路面追従性の悪化も抑えられる。その結果、操縦安定性を高レベルに引き上げることができる。
【0036】
前記コード補強層11は、補強コードをタイヤ周方向に対して10〜45°の角度αで配列した1枚のコードプライからなり、前記短繊維補強ゴム層10とは、そのタイヤ軸方向外側で少なくとも一部が重なりあってタイヤ周方向に配される。補強コードとして、曲げ剛性に優れるスチールコードが好ましいが、要求によりナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードも採用しうる。
【0037】
またこのコード補強層11は、短繊維補強ゴム層10の前記内端を半径方向外方に越える高さ位置を起点とし、少なくとも短繊維補強ゴム層10の前記外端を越えて、本例ではビードエーペックスゴム8の前記外端をも越えて半径方向外方に延在している。このとき、コード補強層11の外端のビードベースラインBLからの高さHcを、短繊維補強ゴム層10の前記高さHrの120〜300%に設定するのが好ましい。
【0038】
前記コード補強層11の高さHcが、前記高さHrの120%未満では、該コード補強層11が有効に機能せずに操縦安定性の向上効果を不十分なものとし、逆に300%を越えると、乗り心地性の大幅な悪化を招く。従って、前記高さHcは、前記高さHrの170〜250%の範囲とするのがさらに好ましい。
【0039】
又短繊維補強ゴム層10の前記高さHrは、ビードエーペックスゴム8の前記高さHbの30〜90%とする。30%未満では該短繊維補強ゴム層10が有効に機能せずに操縦安定性の向上効果を不十分なものとし、逆に90%を越えると乗り心地性に不利となる。従って、前記高さHrは、前記高さHbの50〜70%の範囲とするのがさらに好ましい。
【0040】
又操縦安定性の観点から、前記短繊維補強ゴム層10とコード補強層11の重なり部分Jの半径方向の重なり巾Wjを、短繊維補強ゴム層10の半径方向の巾W0の50%以上とする。
【0041】
又本例では、前記コード補強層11の外端におけるコードルースの発生を抑え耐久性を確保するために、前記カーカスプライ6Aのプライ折返し部6bがコード補強層11の外側面を通ってその外端を被覆した好ましい場合を例示している。しかし、乗り心地性の観点から、前記プライ折返し部6bの外端を、コード補強層11外端よりも半径方向内方で終端させることもでき、又プライ折返し部6bを、前記短繊維補強ゴム層10とコード補強層11との間、或いはビードエーペックスゴム8と短繊維補強ゴム層10との間に介在させることもできる。
【0042】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0043】
【実施例】
タイヤサイズが215/45ZR17であるタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの操縦安定性、および乗り心地をテストした。
テストの方法は次の通りである。
【0044】
(1)操縦安定性;
・ タイヤをリム(17×7JJの)、内圧(200kPa)の条件で、乗用車両(国産FR乗用車、排気量2500cc)の全輪に装着し、速度120km/Hで乾燥アスファルト路面を高速走行走行し、直進安定性及びレーンチェンジの安定性をドライバーの官能評価により従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
・ 同テスト車両を用い、ウエットなアスファルト路を速度80km/Hで走行し、その時の直進安定性及びレーンチェンジの安定性を含む操縦安定性能の全体を、ドライバーの官能評価により従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
【0045】
(2)乗り心地性;
・ 同テスト車両を用い、アスファルト路面(良路)を走行したときの乗り心地性を、ドライバーの官能評価により従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
・ 同テスト車両を用い、ベルジャン路面(悪路)を走行したときの乗り心地性を、ドライバーの官能評価により従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、ビード部に、短繊維補強ゴム層とコード補強層とを組み合わせて用いているため、短繊維補強層のみの使用、或いはコード補強層のみの使用では実現が困難であった高レベルにおける操縦安定性の向上を、乗り心地性の低下を最低限にとどめながら達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】ビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】短繊維の配合量に基づく、周方向及び半径方向の複素弾性率Ea*、Eb*の変化の一例を示す線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A カーカスプライ
6 カーカス
8 ビードエーペックスゴム
10 短繊維補強ゴム層
11 コード補強層
Claims (6)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライを具えるカーカスと、前記ビードコアの半径方向外周面からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴムとを具える空気入りラジアルタイヤであって、
前記ビード部に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に沿ってタイヤ周方向に配される短繊維補強ゴム層と、
この短繊維補強ゴム層にタイヤ軸方向外側で少なくとも一部が重なってタイヤ周方向に配され、かつ補強コードをタイヤ周方向に対して10〜45°の角度αで配列したコード補強層とを設けるとともに、
前記短繊維補強ゴム層は、ゴム100重量部に対して短繊維を10〜30重量部配合した短繊維配合ゴム材からなり、かつこの短繊維の90%以上が、タイヤ周方向を中心とした±20度以下の角度範囲に配向させ、
かつ該短繊維補強ゴム層は、その内端をビードコアの前記外周面のビードベースラインからの高さの90〜120%の高さ範囲に位置させて半径方向外方にのび、かつその外端のビードベースラインからの高さを、前記ビードエーペックスゴムの半径方向外端のビードベースラインからの高さの30〜90%とするとともに、
前記コード補強層は、前記短繊維補強ゴム層の内端を半径方向外方に越える高さ位置から半径方向外方にのび、かつその外端のビードベースラインからの高さを、短繊維補強ゴム層の前記高さの120〜300%とし、
しかも前記短繊維補強ゴム層とコード補強層の重なり部分の半径方向の重なり巾を、短繊維補強ゴム層の半径方向の巾の50%以上としたことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記コード補強層は、外端のビードベースラインからの高さHcを、短繊維補強ゴム層の前記高さHrの170〜250%としたことを特徴とする請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強コードはスチールコードであることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記短繊維補強ゴム層は、その厚さが0.3〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記短繊維は、平均繊維長さLを20μm〜5000μm、かつ該平均繊維長さLと繊維径Dとのアスペクト比L/Dを10〜500としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記短繊維補強ゴム層は、タイヤ周方向の複素弾性率Ea*を、ビードエーペックスゴムの複素弾性率E*より大、かつ半径方向の複素弾性率Eb*をビードエーペックスゴムの複素弾性率E*より小とするとともに、前記複素弾性率Ea*とEb*との比Ea*/Eb*を10〜30としたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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