JP6605460B2 - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
従来の1960年頃までの車両は、車両の重量が軽く、車両に要求される巡航速度も遅かったため、タイヤへの負担が軽く、タイヤの断面幅が狭いバイアスタイヤが用いられていたが、現在、車両の重量化、高速化に伴いタイヤのラジアル化、幅広化が進められている(例えば、特許文献1)。
しかし、タイヤの幅広化は、車両スペースを圧迫し車内の居住性を低下させる。また、空気抵抗が増大するため、燃費が悪くなるという問題がある。
近年、環境問題への関心の高まりにより、低燃費性への要求が厳しくなってきている。かかる低燃費性は、転がり抵抗(RR)によって評価することができ、低転がり抵抗であるほど、低燃費となることが知られている。
ここで、低燃費性を向上させるためにタイヤの転がり抵抗値(RRC)を低減するには、タイヤを大径化、幅広化することが有効であることが知られているが、タイヤを大径化、幅広化すると、タイヤ重量および空気抵抗が増大するため、車両抵抗が増大し、また、タイヤの負荷能力も過剰となってしまうという問題がある。
この問題に対して、本出願人は、タイヤの内圧と断面幅(SW)とタイヤの外径(OD)とが、特定の関係を満たす、いわば、狭幅(狭いタイヤ幅)、大径(大きなタイヤ外径)の乗用車用空気入りラジアルタイヤに係る技術を提案している(例えば、特許文献2)。
特開平7−40706号公報 国際公開第2012/176476号
ところで、このような狭幅、大径のラジアルタイヤでは、湿潤路面での制動性能に関する指標であるウェット性能に検討の余地があったことから、本出願人は、当該ラジアルタイヤのトレッドゴムの30℃における動的貯蔵弾性率E’を調整することによってウェット性能を向上させる検討を行ってきており、動的貯蔵弾性率E’を所定の範囲に調整することで、ウェット性能を向上させることができることを見出している。しかし、動的貯蔵弾性率E’を所定の範囲に調整した場合であっても、ウェット性能および転がり抵抗性能のさらなる改善が求められていた。
そこで、本発明は、狭幅、大径のラジアルタイヤにおいて、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上させた乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのカーカスプライからなるカーカスと、当該カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴムとを備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、前記タイヤをリムに組み込み、内圧を250kPa以上とした際に、前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径OD(mm)との比SW/ODが0.26以下であり、前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径OD(mm)が、関係式、
2.135×SW+282.3≦OD
を満たし、前記トレッドゴムは、30℃における動的貯蔵弾性率E’が、6.0〜12.0MPaであり、60℃における損失正接tanδが、0.05〜0.15であり、トレッド踏面をタイヤ幅方向に4つの領域に等分し、タイヤ幅方向内側の2つの領域をセンタ部およびタイヤ幅方向外側の2つの領域をショルダ部とするとき、当該ショルダ部にタイヤ周方向に延びるショルダ周方向サイプが配設されたことを特徴とする。
本発明によれば、狭幅、大径のラジアルタイヤにおいて、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上させることができる。
本発明において、タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、それぞれ、タイヤをリムに装着し、内圧を250kPa以上とした無負荷状態での、JIS D 4202−1994に規定の断面幅、外径をいう。
なお、上記の「リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organization)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
本発明において、動的貯蔵弾性率E’(MPa)および損失正接tanδ(動的損失弾性率(E’’)と動的貯蔵弾性率(E’)との比(E’’/E’))とは、加硫ゴムに関し、厚さ:2mm、幅:5mm、長さ:20mmの試験片に初期荷重:160gを与え、初期歪み:1%、振動数:50Hzの条件で測定した値をいい、動的貯蔵弾性率E’は、別段の記載がない限り、温度30℃で測定した値であり(以下、30℃における動的貯蔵弾性率E’を単に「E’」ということがある)、損失正接tanδは、別段の記載がない限り、温度60℃で測定した値である(以下、60℃における損失正接tanδを単に「tanδ」ということがある)。
本発明において、トレッドゴムとは、トレッド部に任意に含まれるベルト等の部材を含まないゴムを意味する。
本発明において、トレッド踏面とは、上記のリムに組み込むとともに250kPa以上の内圧を適用したタイヤを、最大負荷能力の75%の負荷を加えた状態でタイヤを転動させた際に、路面に接触することになる、タイヤの全周にわたる外周面を意味する。したがって、本発明において、「トレッド踏面をタイヤ幅方向に4つの領域に等分」するとは、トレッド踏面のタイヤ幅方向一方の端(接地端)からタイヤ幅方向他方の端(接地端)までを4つに等分することを意味する。
本発明において、ショルダ周方向サイプ、および、後述するセンタ周方向サイプとは、タイヤ周方向に延びるサイプを指し、当該サイプがタイヤ周方向に対して0°以上10°以下に傾く程度に傾斜することが許容されるサイプである。
本明細書において、「phr」は、ゴム成分100質量部に対する各種成分の配合量(質量部)をいう。
ここで、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、前記ショルダ周方向サイプは、前記ショルダ部をタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に配設されたことが好ましい。
この構成によれば、コーナリング時のコーナリングパワーを確保しつつ、ウェット性能および転がり抵抗性能をより向上させることができる。
また、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、前記ショルダ周方向サイプの、トレッド踏面からの深さtsが4mm以上であることが好ましい。
この構成によれば、転がり抵抗性能をさらに向上させることができる。
また、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、1つの前記ショルダ部における前記ショルダ周方向サイプを、タイヤ周方向一周にわたってタイヤ周方向に沿って測った全長は、当該ショルダ周方向サイプのタイヤ幅方向配設位置でのタイヤ周方向一周を、タイヤ周方向に沿って測った長さの50%以上であることが好ましく、より好ましくは80〜100%である。
この構成によれば、転がり抵抗性能を効果的に向上させることができる。
また、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝が少なくとも2本設けられ、前記センタ部内に、2本の前記周方向主溝によって区画されたセンタ陸部が形成され、前記センタ陸部をタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に、トレッド踏面からの深さtcが3mm以下のセンタ周方向サイプが、2列以下配設されたことが好ましい。
この構成によれば、ウェット性能を効果的に向上させることができる。
なお、本発明において、1列のサイプとは、タイヤ周方向に離間して配設される複数本のサイプを1列とする場合と、1本のタイヤ周方向に連続するサイプを1列とする場合とを含む。
また、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、前記センタ陸部に、2本の前記センタ周方向サイプが並行してタイヤ周方向に連続して延在し、前記陸部のタイヤ幅方向の幅w1、および2本の前記センタ周方向サイプに挟まれた陸部のタイヤ幅方向の幅w2が、関係式、
√(2tc)<w2<w1/4
を満たすことが好ましい。
この構成によれば、ウェット性能を十分に向上させることができる。
ここで、本発明の他の乗用車用空気入りタイヤでは、一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのカーカスプライからなるカーカスと、当該カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴムとを備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、前記タイヤをリムに組み込み、内圧を250kPa以上とした際に、前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径OD(mm)との比SW/ODが0.26以下であり、前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径OD(mm)が、関係式、
2.135×SW+282.3≦OD
を満たし、前記トレッドゴムは、30℃における動的貯蔵弾性率E’が、6.0〜12.0MPaであり、60℃における損失正接tanδが、0.05〜0.15であり、トレッド踏面をタイヤ幅方向に4つの領域に等分し、タイヤ幅方向内側の2つの領域をセンタ部およびタイヤ幅方向外側の2つの領域をショルダ部とするとき、トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝が少なくとも2本設けられ、前記センタ部内に、2本の前記周方向主溝によって区画されたセンタ陸部が形成され、前記センタ陸部をタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に、第2センタ周方向サイプが配設されたことを特徴とする。
本発明によれば、狭幅、大径のラジアルタイヤにおいて、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上させることができる。
本発明によれば、狭幅、大径のラジアルタイヤにおいて、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上させた乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る乗用車用空気入りラジアルタイヤを示す、タイヤ幅方向断面図である。 (a)は、図1に示すタイヤのトレッド部を拡大して示すタイヤ幅方向断面図であり、(b)は、図1に示すタイヤのトレッドパターンの一部を示す展開図である。 本発明の第2の実施形態に係る乗用車用空気入りラジアルタイヤのトレッドパターンの一部を示す展開図である。 (a)広幅のラジアルタイヤのウェット性能について説明するための図であり、(b)狭幅のラジアルタイヤのウェット性能について説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る乗用車用空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略断面図である。 ベルト構造の第1の例を示す概略的な平面図である。 ベルト構造の第2の例を示す概略的な平面図である。 ベルト構造の第3の例を示す概略的な平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る乗用車用空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る乗用車用空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略一部断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態に係る乗用車用空気入りラジアルタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称す)1について、詳細に例示説明する。なお、以下の記載および図面は、本発明に係るタイヤ1を説明するための一例であり、本発明は記載および図示された形態に何ら限定されない。
本発明に係るタイヤ1は、例えば、図1のタイヤ幅方向断面図に示すように、一対のビード部2間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのカーカスプライからなるカーカス3と、当該カーカス3のタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴム4とを少なくとも備えている。
より具体的には、トレッド部5と、トレッド部5の側部に連続してタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部6と、各サイドウォール部6のタイヤ半径方向の内端に連続するビード部2とを備えるとともに、一方のビード部2から他方のビード部2までトロイダル状に延びて上記各部を補強する1枚以上のカーカスプライからなるカーカス3を備えている。ビード部2にはビードコアが埋設されている。そしてさらに、上記ビード部2の補強部材として、ビード部2の外側面にゴムチェーファを備え、カーカス3のクラウン部に1枚以上のベルトプライからなるベルトを備えている。また、カーカス3のクラウン部のタイヤ半径方向外側にはトレッドゴム4が設けられている。
また、図2に例示するこの実施形態では、トレッド踏面Tに、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝7を少なくとも2本設けている。なお、図示の例では、タイヤ周方向に沿って展開図上直線状に連続して延びる周方向主溝7が3本設けられており、当該周方向主溝7によってトレッド踏面Tに4本のリブ状の陸部8が形成されている。なお、本発明では、周方向主溝7は必須の構成ではない。
またこのタイヤ1では、タイヤ1をリムに組み込み、内圧を250kPa以上とした無負荷状態において、タイヤ1の断面幅SWが165(mm)未満である場合は、タイヤ1の断面幅SWと外径OD(mm)との比SW/ODが0.26以下であり、タイヤ1の断面幅SWが165(mm)以上である場合は、タイヤ1の断面幅SWおよび外径OD(mm)が、関係式、
2.135×SW+282.3≦OD
を満たす(以下、関係式(1)を満たすとも称す)。タイヤ1が、上記の関係であることにより、狭幅、大径の形状となり、タイヤ1の転がり抵抗性能を向上させ(転がり抵抗値を低減させ)、かつ、タイヤ1を軽量化することができる。
また、タイヤの内圧は、250kPa以上であることが好ましく、250〜350kPaであることがより好ましい。上記関係式(1)を満たすようなタイヤでは、接地長が増大しやすいが、250kPa以上とすることにより接地長の増大を抑えて、トレッドゴムの変形量を低減し、転がり抵抗をさらに低減することができるからである。
また、タイヤの転がり抵抗値を低減し、かつ、タイヤを軽量化する観点から、タイヤの内圧が、250kPa以上の場合に、タイヤの断面幅SWと外径ODは、−0.0187×SW2+9.15×SW−380≦ODであることが好ましい(以下この式を関係式(2)とも称す)。
ここで、このタイヤ1では、トレッドゴム4の30℃における動的貯蔵弾性率E’が、6.0〜12.0MPaである。狭幅、大径のラジアルタイヤ1において、トレッドゴム4の動的貯蔵弾性率E’を上記特定範囲にすることにより、ウェット時の摩擦係数μを向上させることができるので、ウェット性能を向上させることができる。また、上記の動的貯蔵弾性率E’とすることで、コーナリング時のコーナリングパワーを向上させ操縦安定性を改良することもできる。なお、同様の観点から、動的貯蔵弾性率E’は、7.9〜12.0MPaであることが好ましく、8.0〜11.0MPaであることがより好ましい。
また、トレッドゴム4の60℃における損失正接tanδが、0.05〜0.15である。これにより、転がり抵抗性能を向上させることができる。
トレッドゴム4は、従来公知のゴム成分に加えて、任意に従来公知の充填剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を含むゴム組成物を、常法に従い混練、加硫することによって形成することができる。
混練の条件としては、特に制限はなく、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等を用いて、配合処方、混練装置への投入体積等に応じて、適宜、ローターの回転速度、ラム圧、混練温度、混練時間を調節すればよい。
また、ゴム組成物を加硫する際の条件としては、加硫温度は、例えば、100〜190℃とすることができる。加硫時間は、例えば、5〜80分とすることができる。
トレッドゴム4のゴム成分としては、例えば、変性または未変性の、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、クロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、および天然ゴム(NR)等が挙げられる。
SBR、BRなどの共役ジエン重合体を変性する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、国際公開第2008/050845号に記載の方法(共役ジエン系重合体の活性末端に、変性剤を反応させ、チタン系縮合促進剤の存在下、当該変性剤が関与する縮合反応を行う方法)等を用いることができる。
共役ジエン系重合体としては、例えば、1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合体が好適に挙げられる。
変性剤としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2−エトキシ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好適に挙げられる。
チタン系縮合促進剤としては、例えば、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好適に挙げられる。
上述したゴム成分を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填剤としては、例えば、従来公知のカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレイ等が挙げられる。上記の充填剤を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るタイヤ1は、トレッドゴム4を形成するゴム組成物が、少なくともゴム成分と充填剤とを含み、ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対して、充填剤が、50〜100質量部含まれていることが好ましい。これにより、耐摩耗性と加工性に優れるという利点がある。耐摩耗性と加工性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、充填剤が、55〜85質量部含まれていることがより好ましく、75〜85質量部含まれていることがさらに好ましい。また、ジエン系ポリマー(ジエン系ゴム)100質量部に対して、充填剤が、50〜90質量部含まれていることがより好ましい。
本発明に係るタイヤ1は、前記充填剤がシリカを含み、当該シリカが、ゴム成分100質量部に対して、25〜100質量部含まれていることが好ましい。これにより、ウェット性能に優れるという利点がある。また、ウェット性能の観点から、シリカが、ゴム成分100質量部に対して、50〜75質量部含まれていることがより好ましく、60〜75質量部含まれていることがさらに好ましい。
充填剤としてシリカを用いる場合は、シリカをシランカップリング剤で処理してもよい。
ところで、上記のようにE’を6.0〜12.0MPaとするためには、例えば、配合をジエン系ポリマー100phrのうち、変性S−SBRを20〜70phrの範囲、かつ、充填剤50〜80phrのうち、シリカを30〜80phrの範囲で適宜変更すればよい。
また、tanδを上記のように0.05〜0.15とするためには、例えば、配合をジエン系ポリマー100phrのうち、NRを0〜20phrの範囲、変性S−SBRを20〜70phrの範囲、かつ、充填剤50〜80phrのうち、シリカを30〜80phrの範囲で適宜変更すればよい。
ここで、このタイヤ1は、上記のようなトレッドゴム4を備えるので、タイヤ周方向のせん断剛性(周方向せん断剛性)、およびタイヤ径方向の圧縮剛性が大きくなり、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上できるものの、さらなる改善が求められていた。
したがって、発明者らがウェット性能および転がり抵抗性能をさらに向上させるために鋭意検討したところ、タイヤ1の転動時に接地した部分において、ショルダ部SPのトレッドゴム4に、タイヤ幅方向内側への剪断歪みが生じるので転がり抵抗性能が十分に向上していなかった。具体的には、タイヤ幅方向断面視で、トレッド踏面Tのタイヤ幅方向長さと、トレッド部5のベルトのタイヤ幅方向長さに差が存在するので、タイヤ1が接地した際に路面に接地するトレッドゴム4がベルトに引っ張られて特にショルダ部SPのトレッドゴム4にタイヤ幅方向内側の剪断歪みが生じていた。また、転がり抵抗値は、ゴムの歪みとゴムの剛性との積によって求まるところ、上述のような動的貯蔵弾性率E’が高く剛性の高いトレッドゴム4を用いることから転がり抵抗値が高くなる傾向があった。また、トレッドゴム4の剛性ひいては圧縮剛性が大きいので、タイヤ1の路面への接地面積(実路接地面積)が抑制され、ウェット性能が十分でなかった。
一方で、上述のように、このタイヤ1では、高い剛性、特に高い周方向せん断剛性を有することにより、ウェット性能等向上させることができることから、周方向せん断剛性を維持することが必要であった。
そこで、このタイヤ1では、図2(a)および(b)に示すように、トレッド踏面Tをタイヤ幅方向に4つの領域に仮想的に等分し、タイヤ幅方向内側の2つの領域をセンタ部CPおよびタイヤ幅方向外側の2つの領域をショルダ部SPとするとき、ショルダ部SPにタイヤ周方向に延びるショルダ周方向サイプ9aが配設される。なお、図示の例では、ショルダ周方向サイプ9aは、タイヤ周方向に沿って展開図上直線状に延びるサイプである。
この構成によれば、ショルダ部SPにショルダ周方向サイプ9aを配設することにより、ショルダ部SPのトレッドゴム4のタイヤ幅方向のせん断剛性(幅方向せん断剛性)を低減させることができるので、ゴムの歪みと剛性との積によって求まる転がり抵抗値を低減(即ち、転がり抵抗性能を向上)させることができる。また、ショルダ部SPのトレッドゴム4の圧縮剛性を低減させることができるので、実路接地面積を向上させることができ、ウェット性能を向上させることができる。なお、この際、ショルダ周方向サイプ9aは周方向に延在するので、周方向せん断剛性を維持することができ、周方向せん断剛性に基づくウェット性能を維持することができる。
なおここで、トレッドゴム4のショルダ部SPの幅方向せん断剛性を低下させるために、トレッドゴム4の剛性を低下させた場合には、タイヤ周方向のせん断剛性も低下し、ウェット性能等が低下する虞がある。
なお、図示の例では、ショルダ部SPおよびセンタ部CPの各部分の境界に周方向主溝7を配設しているが、このタイヤ1では、当該境界と周方向主溝7を一致させなくてもよい。また、図示の例では、タイヤ幅方向外側の両方のショルダ部SPにショルダ周方向サイプ9aを配設しているが、例えば一方のショルダ部SPにショルダ周方向サイプ9aを配設しても本発明の効果を奏することができる。
また、この実施形態では、ショルダ周方向サイプ9aおよび、後述のセンタ周方向サイプ9bは、タイヤをリムに組み込み、タイヤ1の形状を保持する程度の圧力である内圧30kPaを適用した無負荷状態において、そのトレッド踏面への開口幅が1.5mm以下のものを指す。
ここで、ショルダ周方向サイプ9aは、ショルダ部SPのタイヤ幅方向で任意の位置に配設することができるところ、ショルダ周方向サイプ9aは、図2(b)に示すように、ショルダ部SPをタイヤ幅方向に3つの領域に仮想的に等分したときの中央の領域MSPに配設されることが好ましい。ショルダ周方向サイプ9aがショルダ部SPのタイヤ幅方向外側の領域OSPに配設されると、ショルダ周方向サイプ9aとトレッド踏面Tの接地端Eまでの幅が狭くなり、例えばコーナリング時にコーナリングパワーが不十分になる虞がある。また、幅方向せん断剛性の低減効果は、ショルダ部SPのタイヤ幅方向内側の領域ISPにショルダ周方向サイプ9aを配設する場合よりも、タイヤ幅方向外側に配設する方が、転がり抵抗性能およびウェット性能をより向上させることができる。
ショルダ周方向サイプ9aの、トレッド踏面Tからサイプ9aの底までの深さtsは、限定されるものではないが、4mm以上であることが好ましい。これによれば、ショルダ部SPの幅方向せん断剛性を効果的に低減させて、転がり抵抗性能をより向上させることができる。なお、深さtsの上限は限定されるものではないが、tsは製造上の観点から7mm以下が好ましい。
また、コーナリングパワーの確保の観点からは、1つのショルダ部SPでは、ショルダ周方向サイプ9aは、タイヤ幅方向に重複しないことが好ましい。具体的には、ショルダ部SPにショルダ周方向サイプ9aがタイヤ幅方向に離間して複数本配設されている場合(換言すれば、ショルダ部SPにショルダ周方向サイプ9aが複数列配設されている場合)には、それぞれのショルダ周方向サイプ9aがタイヤ幅方向に重複することなく、それぞれタイヤ周方向に離間して配設されるのが好ましい。また、ショルダ部SPに、1本のショルダ周方向サイプ9a、または互いにタイヤ周方向に離間する複数本のショルダ周方向サイプ9aが1列配設されるのが好ましい。
また、ショルダ周方向サイプ9aは、タイヤの全周にわたって連続しなくともよく、また、タイヤ周方向に沿って直線状に配設されていなくても良いが(即ち、ジグザグ状等)、1つのショルダ部SPにおけるショルダ周方向サイプ9aを、タイヤ周方向一周にわたってタイヤ周方向に沿って測った全長(以下、「ショルダ周方向サイプの全長」とも称す)は、当該ショルダ周方向サイプ9aのタイヤ幅方向配設位置でのタイヤ周方向一周を、タイヤ周方向に沿って測った長さ(以下、「タイヤ周方向一周長さ」とも称す)の50%以上であることが好ましい。これによれば、ショルダ部SPの幅方向せん断剛性をより効果的に低減させて、転がり抵抗性能をさらに向上させることができる。
また、同様の観点からは、80〜100%であることがより好ましい。
なお、図示の例では、両方のショルダ部SPにショルダ周方向サイプ9aが配設されているが、それぞれのショルダ部SPに配設されたショルダ周方向サイプ9aの全長が、80%以上であることが好ましい。
また、ショルダ周方向サイプ9aの全長を、ショルダ部SPの周方向長さの50%以上とする場合には、タイヤ周方向に連続した1本のショルダ周方向サイプ9aのみショルダ部SPに配設することもできるが、ショルダ部SPの幅方向せん断剛性を調整する観点からは、複数本のショルダ周方向サイプ9aをタイヤ周方向に間隔をおいてタイヤ周方向に沿って配列することが好ましい。さらに、その場合、ピッチ長さ(タイヤ周方向に隣り合うショルダ周方向サイプ9aの間の陸部を、タイヤ周方向に沿って測った距離)に対するショルダ周方向サイプ9aのタイヤ周方向長さがタイヤ周方向一周で同じであることが好ましい。
これによれば、複数本のショルダ周方向サイプ9aをタイヤ周方向に断続的に配置させた場合でも、ショルダ部SPの幅方向せん断剛性をタイヤ周方向で均一に近づけることができる。
また、この場合、同様の観点から、ショルダ周方向サイプ9aは、当該ショルダ周方向サイプ9aが配設されたショルダ部SPのタイヤ周方向一周に、40〜100本配設されていることが好ましい。
ここで、上述のように、この実施形態では、トレッド踏面Tに、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝7が少なくとも2本設けられて、センタ部CP内に少なくとも2本周方向主溝7によって区画されたセンタ陸部8aが形成されている。なお図示の例では、トレッド踏面Tに、周方向主溝7が3本、具体的には、2つのセンタ部CPの境界および各センタ部CPと各ショルダ部SPとの境界の位置に設けられており、それぞれのセンタ部CP内に1本ずつセンタ陸部8aが形成されている。
そして、かかる場合、当該センタ陸部8aをタイヤ幅方向に3つの領域に仮想的に等分したときの中央の領域MCP内に、トレッド踏面Tから底までの深さtcが3mm以下のセンタ周方向サイプ9bを、2列以下配設することが好ましい。この構成によれば、周方向主溝7で区画されるセンタ陸部8aに、タイヤ周方向に延在しつつ深さtcが3mm以下と比較的浅いセンタ周方向サイプ9bを配設するので、トレッド踏面Tの表面のみのトレッドゴム4の圧縮剛性を低減することができ、それゆえに、実路接地面積が向上し、ウェット性能をさらに向上させることができる。また、この際、センタ周方向サイプ9bの深さtcが3mm以下と比較的浅く、配設数も2列以下と少ないので、センタ部CPの周方向せん断剛性を保持することができ、周方向せん断剛性に基づく高いウェット性能を維持することができる。
また、センタ周方向サイプ9bは、センタ陸部8aをタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域MCP内に配設されているので、当該3つの領域のうち、中央の領域MCP以外に配設した場合と比較して、コーナリング時のコーナリングパワーを十分に維持することができる。
ここで、1本のセンタ陸部8aに配設するセンタ周方向サイプ9bの配設形態は限定されるものではないが、図2(b)に示すように、2本のセンタ周方向サイプ9bが並行して、タイヤ周方向に間隔を設けつつ、或いはタイヤ周方向に連続して延在することが好ましい(換言すれば、2列のセンタ周方向サイプ9bが、それぞれ、1本のタイヤ周方向に連続するセンタ周方向サイプ9bである)。2本のセンタ周方向サイプ9bが並行して、タイヤ周方向に連続して延在する場合、周方向全域で圧縮剛性低減効果を得ることができ、実接地面積をより向上させることができる。
なお、センタ周方向サイプ9bは、タイヤの全周にわたって連続しなくともよく、また、タイヤ周方向に沿って直線状に配設されていなくてもよい。センタ周方向サイプ9bを、タイヤ周方向に離間して配設した場合には、1つのセンタ陸部8aにおけるセンタ周方向サイプ9bを、タイヤ周方向一周にわたってタイヤ周方向に沿って測った全長(複数のセンタ周方向サイプ9bがタイヤ幅方向に重複している部分は除く)は、当該センタ周方向サイプ9bのタイヤ幅方向配設位置でのタイヤ周方向一周を、タイヤ周方向に沿って測った長さの50%以上であることが好ましい。当該比が50%未満であると、圧縮剛性低減による実接地面積向上効果が不十分になる虞があるからである。なお同様の観点から、より好ましくは80〜100%である。
また、この場合、当該センタ陸部8aにはセンタ周方向サイプ9bが40〜100本配設されていることが好ましい。
なお、1対のセンタ部CPの一方または両方に上記のセンタ周方向サイプ9bを設けることができるが、1対のセンタ部CPの両方に上記のセンタ周方向サイプ9bを設けることが好ましい。
また、センタ陸部8aに、2本のセンタ周方向サイプ9bが並行してタイヤ周方向に連続して延在する場合には、センタ陸部8aのタイヤ幅方向の幅w1、および2本のセンタ周方向サイプ9bに挟まれたセンタ陸部8aのタイヤ幅方向の幅w2が、関係式、
√(2tc)<w2<w1/4
を満たすことが好ましい。これによれば、ウェット性能をより向上させることができる。具体的には、センタ周方向サイプ9bに挟まれたセンタ陸部8aの幅w2を、√(2tc)超とすることにより、2本のセンタ周方向サイプ9bに挟まれたセンタ陸部8aの幅方向せん断剛性が低下しすぎることによるコーナリングパワーの低下を抑えることができる。また、幅w2をw1/4未満とすることにより、接地圧の高いセンタ陸部8aの中央近傍に2本のセンタ周方向サイプ9bが存在し、当該中央近傍の圧縮剛性を効果的に低減させることができ、それゆえに、実接地面積向上効果を大きくすることができる。
次に、図3は、本発明の第2の実施形態に係る乗用車用空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。第2の実施形態に係るタイヤ1は、第1の実施形態に係るタイヤ1と同様に、例えば、図1のタイヤ幅方向断面図に示すように、一対のビード部2間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのカーカスプライからなるカーカス3と、当該カーカス3のタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴム4とを少なくとも備えている。
また、第2の実施形態に係るタイヤ1は、第1の実施形態に係るタイヤ1と同様に、タイヤをリムに組み込み、内圧を250kPa以上とした際に、タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、タイヤの断面幅SWと外径OD(mm)との比SW/ODが0.26以下であり、タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、タイヤの断面幅SWおよび外径OD(mm)が、関係式、
2.135×SW+282.3≦OD
を満たしている。さらに、第2の実施形態に係るタイヤ1のトレッドゴムは、第1の実施形態に係るタイヤと同様に、30℃における動的貯蔵弾性率E’が、6.0〜12.0MPaであり、60℃における損失正接tanδが、0.05〜0.15である。
また、第2の実施形態に係るタイヤ1では、トレッド踏面をタイヤ幅方向に4つの領域に等分し、タイヤ幅方向内側の2つの領域をセンタ部CPおよびタイヤ幅方向外側の2つの領域をショルダ部SPとするとき、トレッド踏面Tに、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝7が少なくとも2本設けられ(図示の例では2本の周方向主溝)、センタ部内に、2本の周方向主溝7によって区画されたセンタ陸部8aが形成されている(図示の例では1本のセンタ陸部)。なお、図示の例では、2本の周方向主溝7は、センタ部CPとショルダ部SPとの境界よりもタイヤ幅方向内側に位置しており、センタ陸部8aのタイヤ幅方向外側に形成されたショルダ陸部8b上に当該境界が位置している。
そして、第2の実施形態に係るタイヤ1では、センタ陸部8aをタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に、第2センタ周方向サイプ9cが配設されている。具体的には、図示の例では、第2センタ周方向サイプ9cは、センタ陸部8aの中央の領域に位置し、タイヤ周方向に沿って延びる周方向サイプ部分と、周方向サイプ部分のタイヤ周方向一端から延在して周方向主溝7に開口する幅方向サイプ部分とを有している。また、第2センタ周方向サイプ9cは、周方向サイプ部分がタイヤ周方向に並ぶように複数設けられている。
なお、第2の実施形態において、「第2センタ周方向サイプ9c」とは、タイヤ周方向に対して0°以上10°以下に傾く程度に傾斜することが許容される周方向サイプ部分を、センタ陸部8aの中央の領域に有するサイプであって、図示のように、当該周方向サイプ部分以外のサイプ部分(図示では幅方向サイプ部分)を有する場合には、当該周方向サイプ部分が、それ以外のサイプ部分よりも延在長さが長いものを指す。
第2の実施形態に係るタイヤ1では、センタ陸部8aをタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に、第2センタ周方向サイプ9cが配設されているので、トレッド踏面Tの表面のみのトレッドゴム4の圧縮剛性を低減することができ、それゆえに、実路接地面積が向上し、ウェット性能をさらに向上させることができる。
また、第2センタ周方向サイプ9cを周方向主溝7に開口させた場合には、湿潤状態の路面を走行した際に、陸部のトレッド踏面Tと路面との間に位置する水膜を除去しやすくなりウェット性能を向上させることができる。
ここで、第2の実施形態に係るタイヤ1では、第2センタ周方向サイプ9cの、トレッド踏面Tからの深さtcが3mm以下であり、および/または、第2センタ周方向サイプ9cが、センタ陸部8aをタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に、2列以下で配設されることが好ましい。この構成によれば、第2センタ周方向サイプによる周方向せん断剛性を低減させる効果を十分に小さくすることができ、周方向せん断剛性の向上によるウェット性能の向上効果を十分に維持することができる。
なお、第2センタ周方向サイプ9cは、その周方向サイプ部分を、第1の実施形態に係るタイヤに配設可能なセンタ周方向サイプと同様の配設形態や延在長さにすることができる。
また、第2の実施形態のタイヤ1では、センタ陸部8aに小穴9dを設けることが好ましい。小穴9dを設けることにより、周方向せん断剛性を低減させることなくゴムの圧縮剛性を効果的に低減して実接地面積を増大させることができる。
また、第2の実施形態に係るタイヤ1において、図次の例では、センタ部CPに位置するセンタ陸部8a、ショルダ部SPに位置するショルダ陸部8bには、センタ周方向サイプやショルダ周方向サイプを配設していないが、第1の実施形態に係るタイヤに配設するようなセンタ周方向サイプやショルダ周方向サイプを配設することもできる。
なお、トレッド表面の圧縮剛性を低減するため、上記のようなサイプ及び/または小穴に代えて、もしくは加えて、トレッド表面に硬度の低い層を形成することで、トレッド表面の圧縮剛性を低減することもできる。硬度の低い層は、径方向内側のトレッドゴムよりも硬度の低い軟ゴム層によって、トレッド表面皮膜とすることができる。また、トレッドゴムを径方向に異なるゴムによって形成する場合において、トレッド表面側のゴム層の硬度をタイヤ径方向内側のゴム層の硬度よりも低いゴム層との組み合わせにすることもできる。
また、サイプ及び/または小穴に代えて、もしくは加えて、トレッド表面に特定の表面粗さを形成することで、トレッド表面の圧縮剛性を低減することもできる。表面粗さの設定としては例えば、トレッド部踏面の少なくとも一部が、輪郭曲線要素の平均高さRcが1μm以上50μm以下となる表面粗さとすることができる。
さらに、サイプ及び/または小穴に代えて、もしくは加えて、トレッド表面に発泡ゴムを形成することにより、トレッド表面の圧縮剛性を低減することもできる。トレッドゴム全体を発泡ゴムとすることもできれば、トレッド表面側のゴム層のみを発泡ゴムとすることもできる。
さらにまた、周方向サイプ及び/または小穴に代えて、もしくは加えて、トレッド表面に複数の微細リブを設けることにより、トレッド表面の圧縮剛性を低減することもできる。微細リブは、例えば、頂部の幅を5μm〜2.0mm、高さを5μm〜1.0mm、隣接する微細リブとの間隔を5μm〜1.5mmとして形成することができる。微細リブの延在方向は任意の方向とすることができる。
ところで、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤのタイヤサイズとしては、具体的には、105/50R16、115/50R17、125/55R20、125/60R18、125/65R19、135/45R21、135/55R20、135/60R17、135/60R18、135/60R19、135/65R19、145/45R21、145/55R20、145/60R16、145/60R17、145/60R18、145/60R19、145/65R19、155/45R18、155/45R21、155/55R18、155/55R19、155/55R21、155/60R17、155/65R13、155/65R18、155/70R17、155/70R19、165/45R22、165/55R16、165/55R18、165/55R19、165/55R20、165/55R21、165/60R19、165/65R19、165/70R18、175/45R23、175/55R18、175/55R19、175/55R20、175/55R22、175/60R18、175/65R15、185/45R22、185/50R16、185/50R20、185/55R19、185/55R20、185/60R17、185/60R19、185/60R20、195/50R20、195/55R20、195/60R19、195/65R17、205/50R21、205/55R16、205/55R20、205/60R16、205/60R18、215/50R21、215/60R17、225/65R17が例として挙げられる。
ここで、本発明では、トレッドを占める溝量を少なくすることがウェット性能とその他の性能との両立の観点から好ましい。具体的には、溝体積率(溝体積V2/トレッドゴム体積V1)を20%以下とすることが好ましく、また、ネガティブ率(トレッド踏面の面積に対する、溝面積の割合)を20%以下とすることが好ましい。これらの値は、従来サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおける標準的な値よりも低い値である。
ウェット性能を向上させるには、溝量を増やすのが一般的な考え方であるが、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤの場合には、接地面の幅Wが狭くなるため、図4(b)に、図4(a)との対比で示すように、水がタイヤ幅方向に排出されやすくなる。このため、溝量を減らしてもウェット性能は維持され、かつ陸部剛性の向上によりコーナリングパワーなど他性能も向上させることができるのである。
なお、溝体積率は、例えば、ベルト層のうちタイヤ幅方向に最大幅を有する、最大幅ベルト層の幅方向両端部よりタイヤ幅方向内側にあり、且つ、タイヤ幅方向中央位置における、タイヤ径方向最外側の補強部材(ベルト層及びベルト補強層)よりタイヤ径方向外側にあるトレッドゴムの体積をV1とし、トレッド踏面に形成した溝の合計体積をV2とするとき、比V2/V1と定義される。
ここで、本発明にあっては、タイヤの車両装着方向が指定される場合には、タイヤ赤道面CLを境界とした車両装着内側と車両装着外側とのタイヤ幅方向半部間でネガティブ率に差を設けてもよい。
本発明では、リブ状陸部のうち、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝とトレッド接地端Eにより区分されるショルダーリブ状陸部に関しては、様々な構成を採用することができる。例えば、車両装着方向が指定されるタイヤおいて、車両装着外側と内側におけるショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向の幅を変えることもできる。なお、操縦安定性を考慮した場合には車両装着外側のショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向の幅を車両装着内側のショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向の幅よりも大きくすることが好ましい。
上記関係式(1)及び/又は(2)を満たす、本発明の狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤの場合には、図5に示すように、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面CLにおけるトレッド表面上の点Pを通りタイヤ幅方向に平行な直線をm1とし、接地端E’を通りタイヤ幅方向に平行な直線をm2として、直線m1と直線m2とのタイヤ径方向の距離を落ち高LCRとし、タイヤのトレッド幅をTW’とするとき、比LCR/TW’を0.045以下とすることが好ましい。比LCR/TW’を上記の範囲とすることにより、タイヤのクラウン部がフラット化(平坦化)し、接地面積が増大して、路面からの入力(圧力)を緩和して、タイヤ径方向の撓み率を低減し、タイヤの耐久性及び耐摩耗性を向上させることができる。
ここで、上記「接地端E’」とは、タイヤをリムに装着し、タイヤを装着する車両毎に規定される最高空気圧を充填して平板上に垂直に置き、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷に相当する重量を負荷した際の、平板との接触面における、タイヤ幅方向両端点をいう。
本発明では、トレッドゴムは、異なる複数のゴム層がタイヤ径方向に積層されて形成されていてもよい。上記の複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを用いることができる。また、複数のゴム層のタイヤ径方向の厚さの比率は、タイヤ幅方向に変化していてもよく、また周方向主溝底のみ等をその周辺と異なるゴム層とすることもできる。
本発明では、トレッドゴムはタイヤ幅方向に異なる複数のゴム層で形成されていてもよい。上記の複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ幅方向の幅の比率は、タイヤ径方向に変化していてもよく、また周方向主溝近傍のみ、トレッド端TE近傍のみ、ショルダ側の陸部のみ、センタ側の陸部のみといった限定された一部の領域のみをその周囲とは異なるゴム層とすることもできる。
本発明のタイヤは、タイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなる傾斜ベルト層を有することが好ましく、この場合、傾斜ベルト層は1層のみとすることもできる。但し、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用ラジアルタイヤにおいては、傾斜ベルト層が1層のみでは旋回時の接地面形状が歪みやすいため、2層以上の層間でコードが互いに交差する方向に延びる傾斜ベルト層とすることが好ましい。本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、2層のベルト層が傾斜ベルト層を形成するベルト構造が最も好ましい。
本発明では、最もタイヤ幅方向の幅の大きい最大幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の幅が、トレッド幅TWの90%〜115%であることが好ましく、トレッド幅TWの100%〜105%であることが特に好ましい。
本発明において、傾斜ベルト層のベルトコードとしては、金属コード、特にスチールコードを用いるのが最も一般的であるが、有機繊維コードを用いることも可能である。スチールコードはスチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。
本発明において、傾斜ベルト層のベルトコードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコードを用いることができる。撚り構造も種々の設計が採用可能であり、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接するフィラメント同士の距離も様々なものを用いることができる。さらには異なる材質のフィラメントを撚り合せたコードを用いることもでき、断面構造としても特に限定されず、単撚り、層撚り、複撚りなど様々な撚り構造を取ることができる。
本発明では、傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対して10°以上とすることが好ましい。
本発明では、傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度を高角度、具体的にはタイヤ周方向に対して35°以上、特にタイヤ周方向に対して55°〜85°の範囲とすることが好ましい。
傾斜角度を35°以上とすることにより、タイヤ幅方向に対する剛性を高め、特にコーナリング時の操縦安定性能を向上させることができるからである。また、層間ゴムのせん断変形を減少させて、転がり抵抗性能を向上させることができるからである。
本発明のタイヤは、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に1層以上の周方向ベルト層からなる周方向ベルトを有することができる。
傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度θ1、θ2が35°以上の場合には、周方向ベルトは、タイヤ赤道面CLを含む中央領域Cの単位幅あたりのタイヤ周方向剛性が、その他の領域の単位幅あたりのタイヤ周方向剛性より高いことが好ましい。
図6は、ベルト構造の一例を概略的に示しており、傾斜ベルト層101、102のタイヤ径方向外側に周方向ベルト層103、104が積層されており、中央領域Cにおいて、周方向ベルト層103、104が互いにタイヤ径方向に重なっている。
例えば、図6に示すように、当該中央領域Cにおける周方向ベルト層の層数をその他の領域より多くすることにより、中央領域Cの単位幅あたりのタイヤ周方向剛性を、その他の領域の単位幅あたりのタイヤ周方向剛性より高くすることができる。
傾斜ベルト層のベルトコードがタイヤ周方向に対して35°以上で傾斜するタイヤの多くは、400Hz〜2kHzの高周波域において、断面方向の1次、2次および3次等の振動モードにて、トレッド踏面が一律に大きく振動する形状となるため、大きな放射音が生じる。そこで、トレッドのタイヤ幅方向中央領域のタイヤ周方向剛性を局所的に増加させると、トレッドのタイヤ幅方向中央領域がタイヤ周方向に広がり難くなり、トレッド踏面のタイヤ周方向への広がりが抑制される結果、放射音を減少させることができる。
さらに、上述のごとく、タイヤ赤道面CLを含む中央領域のタイヤ周方向の剛性を高めたタイヤでは、トレッドはトレッド踏面の少なくともタイヤ赤道面CLを含む領域に、タイヤ周方向に連続する陸部を有することが好ましい。タイヤ赤道面CL上又はその付近に周方向主溝を配置すると、当該領域におけるトレッドの剛性が低下して、該周方向主溝を区画する陸部における接地長が極端に短くなる場合がある。そこで、タイヤ赤道面CLを含む一定領域にわたって、タイヤ周方向に連続する陸部(リブ状陸部)を配置することが、コーナリングパワーを低減させることなく騒音性能を改善する観点から好ましい。
図7は、ベルト構造の他の例を概略的に示しており、2層の傾斜ベルト層111、112のタイヤ径方向外側に、1層の周方向ベルト層113が積層されている。
本発明にあっては、図7に示す例のように、傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度が35°以上の場合には、傾斜ベルト層は、タイヤ幅方向の幅の異なる2層の傾斜ベルト層を少なくとも含み、最広幅の傾斜ベルト層をなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1と、最狭幅の傾斜ベルト層をなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2とが、35°≦θ1≦85°、10°≦θ2≦30°、及び、θ1>θ2を満たすことが好ましい。
タイヤ周方向に対して35°以上で傾斜するベルトコードを有する傾斜ベルト層を備えたタイヤの多くは、400Hz〜2kHzの高周波域において、断面方向の1次、2次および3次等の振動モードにて、トレッド踏面が一律に大きく振動する形状となるため、大きな放射音が生じる。そこで、トレッドのタイヤ幅方向中央領域のタイヤ周方向剛性を局所的に増加させると、トレッドのタイヤ幅方向中央領域がタイヤ周方向に広がり難くなり、トレッド面のタイヤ周方向への広がりが抑制される結果、放射音を減少させることができる。
図8は、ベルト構造の別の例を概略的に示しており、2層の傾斜ベルト層121、122のタイヤ径方向外側に、1層の周方向ベルト層123が積層されている。
上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用ラジアルタイヤにおいては、周方向ベルト層は高剛性であることが好ましく、より具体的にはタイヤ周方向に延びるコードのゴム引き層からなり、コードのヤング率をY(GPa)、打ち込み数をn(本/50mm)とし、周方向ベルト層をm層として、X=Y×n×mと定義するとき、1500≧X≧750であることが好ましい。上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用ラジアルタイヤにおいては、路面からの旋回時における入力に対しタイヤ周方向において局所的な変形を起こし、接地面は略三角形状、すなわち、タイヤ幅方向の位置によって周方向の接地長が大きく変化する形状となりやすい。これに対し、高剛性の周方向ベルト層とすることにより、タイヤのリング剛性が向上して、タイヤ周方向の変形が抑制されることとなるため、ゴムの非圧縮性により、タイヤ幅方向の変形も抑制され、接地形状が変化しにくくなる。さらには、リング剛性が向上することにより偏心変形が促進され、転がり抵抗も同時に向上する。この転がり抵抗の向上効果は、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、特に向上効果の幅が大きくなる。
さらに、上記のように高剛性の周方向ベルト層を用いた場合には、傾斜ベルト層のベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を高角度、具体的には35°以上とすることが好ましい。高剛性の周方向ベルト層を用いた場合には、タイヤ周方向の剛性が高くなるこいとにより、タイヤによっては、接地長が減少してしまうことがある。そこで、高角度の傾斜ベルト層を用いることにより、タイヤ周方向の面外曲げ剛性を低下させて、踏面変形時のゴムのタイヤ周方向の伸びを増大させ、接地長の減少を抑制することができる。
また、本発明では、周方向ベルト層には、破断強度を高めるために波状のコードを用いてもよい。同様に破断強度を高めるために、ハイエロンゲーションコード(例えば破断時の伸びが4.5〜5.5%)を用いてもよい。
さらに、本発明では、周方向ベルト層には、種々の材質が採用可能であり、代表的な例としては、レーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。軽量化の点から、有機繊維コードが特に好ましい。
ここで、本発明では、周方向ベルト層のコードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを縒り合せたコード、さらには異なる材質のフィラメントを縒り合せたハイブリットコードを採用することもできる。
また、本発明では、周方向ベルト層の打ち込み数は、20〜60本/50mmの範囲とすることができるが、この範囲に限定されるのもではない。
さらに、本発明では、タイヤ幅方向に剛性・材質・層数・打ち込み密度等の分布を持たせることもでき、例えばタイヤ幅方向端部のみにおいて、周方向ベルト層の層数を増やすこともでき、一方でセンタ側部分のみにおいて、周方向ベルト層の層数を増やすこともできる。
また、本発明では、周方向ベルト層は、傾斜ベルト層よりも広幅または狭幅に設計することができる。例えば、傾斜ベルト層のうちタイヤ幅方向の幅の最も大きい最大幅傾斜ベルト層の90%〜110%のタイヤ幅方向の幅とすることができる。
ここで、周方向ベルト層は、スパイラル層として構成することが製造の観点から特に有利である。
なお、本発明では、周方向ベルト層を設けないことも可能である。
本発明では、カーカスラインには様々な構造を採用することができる。例えば、タイヤ径方向において、カーカス最大幅位置をビード部側に近づけることも、トレッド側に近づけることもできる。例えば、カーカス最大幅位置は、ビードベース部からタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さ対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
また、本発明では、カーカスも様々な構造を採用することができる。例えば、カーカスの打ち込み数としては、20〜60本/50mmの範囲とすることができるが、これに限定されるものではない。
さらに、例えば、カーカスの折り返し端をビードフィラのタイヤ径方向端よりもタイヤ径方向内側に位置させることができ、またカーカス折り返し端をビードフィラのタイヤ径方向外側端やタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置させ、場合によっては傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端よりもタイヤ幅方向内側まで延在させることもできる。さらに、カーカスが複数枚のカーカスプライで構成される場合には、カーカス折り返し端のタイヤ径方向位置を異ならせることもできる。また、そもそもカーカス折り返し部を存在させずに、複数のビードコア部材で挟みこんだり、ビードコアに巻きつけた構造を採用したりすることもできる。
上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤサイド部を薄くすることが好ましい。「タイヤサイド部を薄くする」とは、例えば、ビードフィラのタイヤ幅方向断面積S1を、ビードコアのタイヤ幅方向断面積S2の1倍以上4倍以下とすることができる。また、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部のゲージTsと、ビードコアのタイヤ径方向中心位置におけるビード幅Tbとの比Ts/Tbを、15%以上40%以下とすることができる。また、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部のゲージTsと、カーカスコードの径Tcとの比Ts/Tcを5以上10以下とすることができる。
なお、ゲージTsはゴム、補強部材、インナーライナーなどすべての部材の厚みの合計となる。また、ビードコアがカーカスによって複数の小ビードコアに分割されている構造の場合には、全小ビードコアのうち幅方向最内側端部と最外側端部の距離をTbとする。
本発明では、タイヤ最大幅位置は、ビードベース部からタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さ対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
本発明のタイヤは、リムガードを有する構造とすることもできる。
本発明のタイヤは、ビードフィラを設けない構造とすることもできる。
本発明では、ビードコアは断面円形や断面多角形状など、様々な構造を採用することができる。また、カーカスをビードコアに巻きつける構造のほか、カーカスを複数のビードコア部材で挟みこむ構造とすることもできる。
本発明では、ビード部には補強等を目的としてゴム層・コード層等をさらに設けることもできる。このような追加部材はカーカスやビードフィラに対して様々な位置に設けることができる。
本発明では、インナーライナーを厚くすることが、80−100Hzの車内騒音を低減する観点から好ましい。具体的には通常(1.0mm程度)よりも厚い1.5mm〜2.8mm程度とすることが好ましい。
上記関係式(1)及び/又は(2)を満たす、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤは特に高内圧使用化において80−100Hzの車内騒音が悪化しやすいという知見が得られている。インナーライナーを厚くすることで振動減衰性を高め、80−100Hzの車内騒音を低減することができる。なお、インナーライナーは転がり抵抗に寄与するロスが、トレッド等の他の部材と比較すると小さいため、転がり抵抗の悪化を最小限にとどめつつ、騒音性能を改善することができる。
本発明では、インナーライナーは、ブチルゴムを主体としたゴム層のほか、樹脂を主成分とするフィルム層によって形成することもできる。
本発明では、空洞共鳴音を低減するために、タイヤ内面に、多孔質部材を配置したり、静電植毛加工を行ったりすることもできる。
本発明のタイヤは、タイヤ内面に、パンク時の空気の漏れを防ぐためのシーラント部材を備えることもできる。
本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、タイヤサイド部に断面三日月型の補強ゴムを有した、サイド補強型ランフラットタイヤとすることもできる。
狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、サイド補強型ランフラットタイヤとする場合には、サイド部を簡素化させた構造により、ランフラット耐久性と燃費性能の両立を実現することができる。これは、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルランフラットタイヤの場合には、ランフラット走行時に、サイド部及びトレッド部の変形が相対的に小さく、一方でショルダ部からバットレス部にかけて相対的に変形が大きくなるという知見に基づくものである。この変形は、従来サイズではサイド部に変形が相対的に大きくなるのと対照的である。
このような、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズに特徴的な変形のために、簡素化構造によってもランフラット耐久性を十分に確保し、かつ燃費性能をさらに向上させることができる。
具体的な簡素化手法としては少なくとも以下の(i)〜(iii)のいずれか一つの条件を満たすことにより可能となる。
図9は、本発明のタイヤがランフラットタイヤである場合における、本発明の第3の実施形態にかかるタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
(i)図9に示すように、カーカス折り返し部の折り返し端Aが、タイヤ最大幅位置Pよりタイヤ径方向内側に位置する、(ii)タイヤをリムに組み込み、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤ幅方向断面における、サイド補強ゴム131のタイヤ径方向最大長さをH1とし、ビードフィラのタイヤ径方向最外側点とビードコアのタイヤ径方向最外側点とを結んだ線分の長さをH2とするとき、1.8≦H1/H2≦3.5、を満たす、(iii)タイヤをリムに組み込み、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤ幅方向断面における、サイド補強ゴム131のタイヤ径方向最大長さをH1(mm)とするとき、関係式、10(mm)≦(SW/OD)×H1≦20(mm)を満たす。
上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、サイド補強型ランフラットタイヤとする場合には、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝を、タイヤ幅方向のタイヤ赤道面CLよりに配置することにより、ランフラット耐久性の更なる向上を実現することができる。これは、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルランフラットタイヤの場合には、ランフラット走行時に、サイド部及びトレッド部の変形が相対的に小さく、一方でショルダ部からバットレス部にかけて相対的に変形が大きくなるという知見に基づくものである。この変形は、従来サイズではサイド部に変形が相対的に大きくなるのと対照的である。このような、上記関係式(1)及び/又は(2)を満たすような、狭幅大径サイズに特徴的な変形のために、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝をタイヤ赤道面CLよりに配置することで、ランフラット走行時のショルダー陸部からバットレス部にかけての接地性を高めることができ接地圧が緩和される。この結果として、ランフラット耐久性をさらに向上させることができる。
図10は、本発明のタイヤがランフラットタイヤである場合における、本発明の第5の実施形態にかかるタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
具体的には、タイヤをリムに組み込み、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤ幅方向断面における、1層以上のベルト層のうちタイヤ幅方向の幅が最大のベルト層のタイヤ幅方向の半幅をWBとし、タイヤ幅方向の幅が最大のベルト層のタイヤ幅方向端部から1本以上の周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側の周方向主溝141のタイヤ幅方向中心位置までのタイヤ幅方向距離をWGとするとき、関係式、0.5≦WG/WB≦0.8を満たすことが好ましい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、上記の例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。
本発明の効果を確かめるため、以下の実施例1〜9および比較例1〜4のタイヤをそれぞれ試作した。
実施例1のタイヤは、図1および2に示すような、タイヤサイズ165/60R19であるタイヤであって、表1に示す諸元の構成を有している。また、実施例1のタイヤは、トレッド踏面に、3本の周方向主溝(溝幅7.5mm)が2つのセンタ部の境界および各センタ部と各ショルダ部との境界に配設されている。なお、実施例1のタイヤは、センタ周方向サイプが配設されておらず、トレッド踏面のタイヤ幅方向の幅は125mmである。また、配設したショルダ周方向サイプの幅は、0.7mmである。
実施例2〜8のタイヤは、ショルダ周方向サイプの配設位置、ショルダ部の周方向長さに対するショルダ周方向サイプの全長、深さtsを表1に示すように変化させた以外、実施例1のタイヤと同様である。
実施例9のタイヤは、表1に示す諸元の構成を有するタイヤ周方向に連続するセンタ周方向サイプ2本をタイヤ周方向に並行させて配設した以外、実施例1のタイヤと同じである。なお、配設したセンタ周方向サイプの幅は、0.7mmである。
実施例10〜12のタイヤは、センタ周方向サイプの深さtc、並行する2本のセンタ周方向サイプに挟まれたセンタ陸部の幅w2を表1に示すように変化させた以外、実施例9のタイヤと同様である。
比較例1のタイヤは、タイヤサイズ195/65R15であるタイヤであって、表2に示す諸元の構成を有している。また、比較例1のタイヤは、トレッド踏面に、3本の周方向主溝(溝幅:9mm)が2つのセンタ部の境界および各センタ部と各ショルダ部との境界に配設されている。なお、比較例1のタイヤは、ショルダ周方向サイプおよびセンタ周方向サイプが配設されておらず、トレッド踏面のタイヤ幅方向の幅は145mmである。
比較例2のタイヤは、トレッドゴムの動的貯蔵弾性率E’を表2に示すように変化させた以外、比較例1のタイヤと同様である。
比較例3、4、6、7のタイヤは、ショルダ周方向サイプを配設してなく、トレッドゴムの動的貯蔵弾性率E’および60℃における損失正接tanδを表2に示すように変化させた以外、実施例1のタイヤと同様である。
比較例5のタイヤは、ショルダ周方向サイプを配設してない以外、実施例1のタイヤと同様である。
上記の各供試タイヤを以下に示す方法で評価した。
[ウェット性能]
上記の各供試タイヤを、下記の条件でリムに装着し内圧を充填して、車両に装着した後、ウェット路面を時速80km/hで走行させた。そして、上記状態で走行後、フルブレーキを行った際の、停止距離(m)を計測し、このときの平均減速度(m/s2)=V2/25.92Lを算出した(平均減速度a、初速v、質量m、停止距離Lとすると、mv2/2=maLより、a=v2/2Lと計算できる。ウェット時の摩擦係数(wet μ))。評価結果は、各供試タイヤについての値を逆数にして、比較例1に記載のタイヤを100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウェット性能がよいことを意味する。
実施例1〜12、比較例3〜7:リムサイズ5.5J19、内圧300kPa
比較例1、2:リムサイズ6.5J15、内圧220kPa
[転がり抵抗性能]
上記の各供試タイヤを、ウェット性能の測定条件と同じ条件で、リムに装着し内圧を充填して、各タイヤに規定される最大荷重を負荷して、ドラム回転速度100km/hの条件にて転がり抵抗値を測定した。
評価結果は、各供試タイヤについての値を逆数にして、比較例1に記載のタイヤを100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗性能がよいことを意味する。
[コーナリングパワー]
コーナリングパワーは、フラットベルト式コーナリング試験機を用いて測定した。具体的には、上記の各供試タイヤを、ウェット性能の測定条件と同じ条件で、リムに装着し内圧を充填して、フラットベルト式コーナリング試験機取り付けて測定を行った。ベルト速度を100km/hとして、タイヤの転動方向とドラムの円周方向との間のスリップアングル(SA)を1°の状態でコーナリングフォースを測定した。
評価結果は、比較例1のコーナリングフォースを100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、スリップアングルにおけるコーナリングフォース、すなわちスリップアングルにおけるコーナリングパワーが良好であることを意味する。
なお、動的貯蔵弾性率E’および損失正接tanδは、株式会社東洋精機製作所製のスペクトロメータを用いて、厚さ:2mm、幅:5mm、長さ:20mmの試験片に初期荷重:160gを与え、初期歪み:1%、振動数:50Hzの条件で測定し、ここで、動的貯蔵弾性率E’は、30℃で測定し、損失正接tanδは、0℃および60℃で測定した。
Figure 0006605460
Figure 0006605460
表1、2より実施例1〜12は、比較例1〜7のタイヤと比較して、ウェット性能、転がり抵抗性能が向上していることがわかる。なお、コーナリングパワーについては比較例4のタイヤが優れているものの、実施例1〜12は、コーナリングパワーを十分に確保しつつ、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上させることができることがわかる。
本発明によれば、狭幅、大径のラジアルタイヤにおいて、ウェット性能および転がり抵抗性能を向上させた乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
1:乗用車用空気入りラジアルタイヤ
2:ビード部
3:カーカス
4:トレッドゴム
5:トレッド部
6:サイドウォール部
7:周方向主溝
8:陸部
8a:センタ陸部
8b:ショルダ陸部
9a:ショルダ周方向サイプ
9b:センタ周方向サイプ
9c:第2センタ周方向サイプ
9d:小穴
101、102:傾斜ベルト層
103、104:周方向ベルト層
111、112:傾斜ベルト層
113:周方向ベルト層
121、122:傾斜ベルト層
123:周方向ベルト層
131:サイド補強ゴム
141:周方向主溝
T:トレッド踏面
CP:センタ部
CL:タイヤ赤道面
MCP:(センタ部の)中央の領域
SP:ショルダ部
MSP:(ショルダ部の)中央の領域
OSP:(ショルダ部の)タイヤ幅方向外側の領域
ISP:(ショルダ部の)タイヤ幅方向内側の領域
E:トレッド踏面の接地端

Claims (5)

  1. 一対のビード部間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのカーカスプライからなるカーカスと、当該カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴムとを備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記タイヤをリムに組み込み、内圧を250kPa以上とした際に、
    前記タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径OD(mm)との比SW/ODが0.26以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径OD(mm)が、関係式、
    2.135×SW+282.3≦OD
    を満たし、
    前記トレッドゴムは、30°Cにおける動的貯蔵弾性率E'が、6.0〜12.0MPaであり、60°Cにおける損失正接tanδが、0.05〜0.15であり、
    トレッド踏面をタイヤ幅方向に4つの領域に等分し、タイヤ幅方向内側の2つの領域をセンタ部およびタイヤ幅方向外側の2つの領域をショルダ部とするとき、当該ショルダ部にタイヤ周方向に延びるショルダ周方向サイプが配設され、
    トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝が少なくとも2本設けられ、
    前記センタ部内に、2本の前記周方向主溝によって区画されたセンタ陸部が形成され、
    前記センタ陸部をタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に、トレッド踏面からの深さtcが3mm以下のセンタ周方向サイプが、2列以下配設され、
    前記センタ陸部に、2本の前記センタ周方向サイプが並行してタイヤ周方向に連続して延在し、
    前記陸部のタイヤ幅方向の幅w1、および2本の前記センタ周方向サイプに挟まれた陸部のタイヤ幅方向の幅w2が、関係式、
    √(2tc)<w2<w1/4
    を満たすことを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ショルダ周方向サイプは、前記ショルダ部をタイヤ幅方向に3つの領域に等分したときの中央の領域に配設された、請求項1に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ショルダ周方向サイプの、トレッド踏面からの深さtsが4mm以上である、請求項1または2に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 1つの前記ショルダ部における前記ショルダ周方向サイプを、タイヤ周方向一周にわたってタイヤ周方向に沿って測った全長は、当該ショルダ周方向サイプのタイヤ幅方向配設位置でのタイヤ周方向一周を、タイヤ周方向に沿って測った長さの50%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 1つの前記ショルダ部における前記ショルダ周方向サイプを、タイヤ周方向一周にわたってタイヤ周方向に沿って測った全長は、当該ショルダ周方向サイプのタイヤ幅方向配設位置でのタイヤ周方向一周を、タイヤ周方向に沿って測った長さの80〜100%である、請求項4に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
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