JP2006315501A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗性能等を損なうことなく、制動性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ベルトコード36をトッピングゴム34で被覆してなるベルト層28,30において、トレッドショルダー部SHでのトッピングゴムをトレッドセンター部CEでのトッピングゴムよりも損失正接tanδの高いゴムで形成する。また、カーカスコードをトッピングゴム38で被覆してなるカーカス層24において、トレッドショルダー部SHからバットレス部BATでのトッピングゴムをトレッドセンター部CEでのトッピングゴムよりも損失正接の高いゴムで形成する。更に、ベルト補強層52を備える場合、そのトレッドショルダー部SHでのトッピングゴムをトレッドセンター部CEでのトッピングゴムよりも損失正接の高いゴムで形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものであり、特に、摩耗性能や転がり抵抗性能を損なうことなく制動性能を向上することができる空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤにおいて、制動性能の向上を図るための手法としては、トレッドキャップを摩擦抵抗の高いゴム配合で形成するのが一般的である。しかしながら、この手法では、制動性能は向上するものの、摩耗性能や転がり抵抗性能が悪化することが予測される。
ところで、特開平11−286203号公報(特許文献1)には、ウェット性能や耐摩耗性等を損なうことなく、転がり抵抗を低減するために、ベルト層のトッピングゴムとして貯蔵弾性率E’が15.0〜40.0MPa、損失正接tanδが0.1〜0.25のゴムを用いるとともに、ベルト層の幅方向両端部に破断伸び率400〜700%の層間ゴムを設けることが開示されている。
また、特開2004−306657号公報(特許文献2)には、走行時のタイヤの発熱によるカーカスコードの弾性率の低下を抑制して、操縦安定性および高速耐久性の低下を抑制するために、カーカスコードにポリケトンの繊維を用い、かつそのトッピングゴムとして動的弾性率が5〜15MPa、損失正接tanδが0.10〜0.20のゴムを用いることが開示されている。
これらの特許文献1,2には、ベルト層やカーカス層のトッピングゴムの損失正接について開示されているものの、発熱を抑えるために損失正接の小さいゴムを用いることを特徴としたものであり、また、かかるトッピングゴムとしてベルト層やカーカス層の幅方向の所定領域で損失正接の異なるゴムを用いることについても開示されていない。
特表2003−522063号公報(特許文献3)には、ベルト層のトレッドショルダー部における最大剪断応力の大きさを制限してベルト層間での亀裂を防止するために、ベルト層のトレッドショルダー部にトレッドセンター部よりも弾性率の小さいトッピングゴム層を設けることが開示されている。しかしながら、これらのトッピングゴムの損失正接については何らか開示されていない。
特開平11−286203号公報 特開2004−306657号公報 特表2003−522063号公報
本発明は、ベルト層やカーカス層のトッピングゴムについて、タイヤ幅方向の所定領域に損失正接の高いゴムを配設することにより、背反性能の低下を伴うことなく制動性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、制動するために必要なエネルギー、即ち制動時に消費されるエネルギーの内、ゴムのヒステリシスによる損失エネルギーの寄与も大きいと考えた。そのため、制動時の損失エネルギーと定常荷重負荷時の損失エネルギーとの差が大きいタイヤは制動時に消費されるエネルギーが大きく、制動性能が向上すると考えた。そして、かかる損失エネルギーを解析したところ、損失エネルギーの大きい部位は、最大幅のベルト層とこれに重ねられたベルト層との間のトッピングゴム、及び、カーカス層のトッピングゴムであり、特に、ベルト層ではトレッドショルダー部、カーカス層ではトレッドショルダー部からバットレス部のエネルギー損失率の寄与が大きいことを突き止めた。そのため、これらの部位の損失エネルギーが高くなるように、これらの部位に損失正接の高いトッピングゴムを配設すれば、摩耗性能や転がり抵抗性能などの背反性能を損なうことなく、制動性能を向上できるのではないかと考え、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る第1の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトを備える空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、ベルトコードをトッピングゴムで被覆してなり、このベルト層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなるものである。
この場合、前記カーカス層がカーカスコードをトッピングゴムで被覆してなり、このカーカス層のトッピングゴムについて、トレッドショルダー部およびバットレス部よりなる群から選択される少なくとも一部分がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることが、制動性能をより高める上で好ましい。
また、前記ベルトの半径方向外側に配されたベルト補強層を備える場合、該ベルト補強層がコードをトッピングゴムで被覆してなり、このベルト補強層のトッピングゴムについて、トレッドショルダー部がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることが、制動性能をより高める上で好ましい。
本発明に係る第2の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトを備える空気入りタイヤであって、前記カーカス層は、カーカスコードをトッピングゴムで被覆してなり、このカーカス層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部およびバットレス部よりなる群から選択される少なくとも一部分がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなるものである。
本発明に係る第3の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配されたベルト補強層を備える空気入りタイヤであって、前記ベルト補強層は、コードをトッピングゴムで被覆してなり、このベルト補強層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなるものである。
本発明によれば、ベルト層を構成するゴムについて、エネルギー損失率の寄与が大きいショルダー部にセンター部よりも損失正接の高いゴムを用いたことにより、制動時のように前後方向に大きな力がタイヤに作用したとき、ショルダー部の損失エネルギーを高めて制動するために必要なエネルギーを効果的に稼ぐことができ、よって、他の性能を損なうことなく、制動性能を向上することができる。
また、カーカス層を構成するゴムについて、エネルギー損失率の寄与が大きいショルダー部やバットレス部にセンター部よりも損失正接の高いゴムを用いたことにより、同様に、制動するために必要なエネルギーを効果的に稼ぐことができ、他の性能を損なうことなく、制動性能を向上することができる。
また、ベルト補強層を構成するゴムについて、エネルギー損失率の寄与が大きいショルダー部にセンター部よりも損失正接の高いゴムを用いたことにより、同様に、制動するために必要なエネルギーを効果的に稼ぐことができ、他の性能を損なうことなく、制動性能を向上することができる。
また、これらの構成では、制動性能を向上させるためにトレッドキャップゴムの配合を変える必要がないため、摩耗性能や転がり抵抗性能などの背反性能の低下を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ10のトレッド幅方向断面図である。このタイヤ10は、左右一対のビード部12及びサイドウォール部14と、両サイドウォール部14間にまたがるトレッド部16とを備えて構成されている。
ビード部12には、ビードワイヤをタイヤ周方向に巻回してなる環状のビードコア18が設けられ、該ビードコア18の半径方向外周にゴム製のビードフィラー20が配設されている。
左右一対のビードコア18間にはカーカス22が設けられている。カーカス22は、トレッド部16からサイドウォール部14を通り、ビード部12においてビードコア18で内側から外側に折り返すことにより係止されている。カーカス22は、有機繊維コード等からなるカーカスコード(不図示)をタイヤ周方向に対し直角に配列してなるカーカス層の少なくとも一層からなり、この実施形態では一層のカーカス層24で構成されている。カーカス層24は、上記のように平行に引き揃えた複数本のカーカスコードからなるコード配列体の表裏をトッピングゴムで被覆することにより構成されている。
トレッド部16におけるカーカス22の半径方向外側にはベルト26が配されている。ベルト26は、カーカス22のクラウン部の径方向外周面に重ねて設けられており、スチールコード等の非伸長性のベルトコードをタイヤ周方向に対し浅い角度で傾斜配列してなるベルト層の少なくとも2層を上記ベルトコードが交差するように重ね合わせてなり、この実施形態では内側の第1ベルト層28と外側の第2ベルト層30との2層で構成されている。そのうち、カーカス22に隣接する内側の第1ベルト層28の方が幅が広く、即ち、第1ベルト層28が最大幅ベルト層である。これらのベルト層28,30は、上記のように平行に引き揃えた複数本のベルトコードからなるコード配列体の表裏をトッピングゴムで被覆することにより構成されている。
このような構成からなるものにおいて、本実施形態では、各ベルト層28,30のトッピングゴムが次のように構成されている。すなわち、図2に示すように、ベルト層28,30は、トッピングゴム34中にベルトコード36が埋設されてなり、トレッドショルダー部SHでのトッピングゴム34aが、トレッドセンター部CEでのトッピングゴム34bよりも損失正接tanδの高いゴムからなる。
より詳細には、トレッドセンター部CEのトッピングゴム34bとしてtanδが0.1〜0.3のゴムが使用されるのに対し、トレッドショルダー部SHのトッピングゴム34aはtanδが0.15〜0.50のゴムが使用されている。また、トレッドショルダー部SHのトッピングゴム34aのtanδと、トレッドセンター部CEのトッピングゴム34bのtanδとの差は0.05以上であることが好ましい。
ここで、損失正接tanδは、粘弾性スペクトロメーター(UBM製)を使用し、幅5mm、厚さ1mm、長さ20mmの試料について、初期歪み10%、動歪み3%、周波数15Hz、温度25℃の条件下で測定した値である。また、トレッドショルダー部SHとは、加硫成形後のタイヤ10において、第1ベルト層(最大幅ベルト層)28の各幅方向端28Aからその幅Wの15〜35%の範囲内の側部区域部分のことであり、より好ましくは上記幅Wの20〜30%の範囲内の側部区域部分のことであり、この実施形態では上記幅Wの25%、即ち上記幅Wをトレッド幅方向に4等分したときの外側の側部区域部分のことである。トレッドセンター部CEとは、第1ベルト層28の幅Wにおけるトレッドショルダー部SHの残余の中央区域部分のことであり、この実施形態では上記幅Wをトレッド幅方向に4等分したときの中央の2区分からなる中央区域部分のことである。
本実施形態では、また、カーカス層24のトッピングゴムが次のように構成されている。すなわち、図3に示すように、トレッドショルダー部SHからバットレス部BATでのトッピングゴム38aが、トレッドセンター部CEでのトッピングゴム38bよりもtanδの高いゴムからなる。
より詳細には、カーカス層24において、トレッドセンター部CEのトッピングゴム38bとしてtanδが0.1〜0.3のゴムが使用されるのに対し、トレッドショルダー部SHからバットレス部BATでのトッピングゴム38aはtanδが0.15〜0.40のゴムが使用されている。また、このトッピングゴム38aのtanδと、トレッドセンター部CEのトッピングゴム38bのtanδとの差は0.05以上であることが好ましい。
ここで、バットレス部BATとは、上記第1ベルト層28の各幅方向端28Aよりも幅方向外側の区域のことであり、上記幅方向端28Aからタイヤ外周に沿って最大タイヤ断面幅位置32(タイヤをトレッド幅方向に切断した断面において幅が最大となる位置)までの区域のことである。
本実施形態では、バットレス部BATよりも外側のサイド下側部SL(図1参照)については、トレッドセンター部CEと同じトッピングゴム38bが使用されており、そのため、トレッドショルダー部SH等に比べてtanδの小さいゴムが使用されてる。サイド下側部SLは制動性能への寄与が小さいため、この部分のトッピングゴムをトレッドセンター部CEと同様のtanδの小さいゴムで構成することにより、制動性はそのままで発熱性の悪化を抑制することができる。なお、図示しないが、トレッドショルダー部SHのみ、またはバットレス部BATのみをtanδの高いトッピングゴムで形成してもよい。
このようにベルト層28,30とカーカス層24のトッピングゴムを幅方向の所定領域で異なる構成にするためには、例えば、幅方向の所定領域にtanδの高いゴムが配設されたゴムシートを用いて、引き揃えたコード配列体の表裏を該ゴムシートで挟み込むようにすればよい。あるいはまた、コードを一本ずつトッピングゴムで被覆しておき、これを並べてベルト層28,30やカーカス層34を形成する場合に、幅方向の所定領域にtanδの高いトッピングゴムで被覆されたコードを並べるようにしてもよい。
以上よりなる本実施形態の空気入りタイヤ10であると、両ベルト層28,30のトッピングゴムについてトレッドショルダー部SHにtanδの高いゴム34aを用い、また、カーカス層24のトッピングゴムについてトレッドショルダー部SHからバットレス部BATにtanδの高いゴム38aを用いたので、制動性能に対する寄与が大きいこれらの部位の損失エネルギーを高めて、制動するために必要なエネルギーを効果的に稼ぐことができ、よって、他の性能を損なうことなく、制動性能を向上することができる。特に、このようにベルトやカーカスのコードに直接接触するトッピングゴム34,38自体にtanδの高いゴムを使用するようにしているので、ベルト層間にtanδの高いゴムシートを挟み込むものに比べて、上記の効果代を大きくすることができる。
また、かかる空気入りタイヤ10においては、カーカス層24と第1ベルト28におけるトレッドショルダー部SHでの寄与が大きいため、これらの部分のトッピングゴムにtanδの高いゴムを使用することにより、制動性能をより効果的に高めることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤ50のトレッド幅方向断面図である。この実施形態では、ベルト26の半径方向外側に、タイヤ周方向に延びるコードからなるベルト補強層52を設けた点が上記第1の実施形態と相違する。
ベルト補強層52は、第1ベルト層28の幅Wとほぼ等しい幅を有し、ベルト26を全幅にわたって覆うようにベルト26の外周面に重ねられており、タイヤ周方向にほぼ平行(通常タイヤ周方向に対して0〜5°)に配列されたナイロン等の有機繊維コードからなるコード配列体の表裏をトッピングゴムで被覆することにより構成されている。
そして、この場合、上記したベルト層28,30およびカーカス層24でのトッピングゴム構成に加えて、ベルト補強層52のトッピングゴムが次のように構成されている。すなわち、図5に示すように、ベルト補強層52は、トッピングゴム54中にコード56が埋設されてなり、トレッドショルダー部SHでのトッピングゴム54aが、トレッドセンター部CEでのトッピングゴム54bよりもtanδの高いゴムからなる。
より詳細には、ベルト補強層52において、トレッドセンター部CEのトッピングゴム54bとしてtanδが0.1〜0.3のゴムが使用されるのに対し、トレッドショルダー部SHのトッピングゴム54aはtanδが0.1〜0.5のゴムが使用されている。また、トレッドショルダー部SHのトッピングゴム54aのtanδと、トレッドセンター部CEのトッピングゴム54bのtanδとの差は0.05以上であることが好ましい。
このようにベルト補強層52を設ける場合には、同補強層52についてもトレッドショルダー部SHにtanδの高いトッピングゴム54aを用いることにより、この部位での損失エネルギーを効果的に高めて、制動性能を向上することができる。
第2の実施形態について、その他の構成は上記した第1の実施形態と同様であり、同様の作用効果が奏される。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
実施例1〜3及び比較例1〜3のタイヤとして、図1に示す断面構造の空気入りラジアルタイヤを、タイヤサイズ:225/45ZR17として作製した。各タイヤにおけるベルト層28,30及びカーカス層24の構成は、下記表1に示すとおりである。ここで、比較例1はコントロールタイヤであり、比較例2は、従来手法により制動性能の向上を図ったタイヤであり、比較例1に対してトレッドキャップのゴム配合を制動性能が向上する高摩擦抵抗の配合に変更し、その他は比較例1と同じ構成のタイヤである。また、実施例1〜3および比較例3は、比較例1に対してベルト層及びカーカス層のトッピングゴム構成を表1に示す通り変更したものであり、その他は比較例1と同じ構成のタイヤである。また、各ゴムの配合は下記表2に示す通りである。
実施例1〜3及び比較例1〜3の各タイヤについて、制動性能と摩耗性能と転がり抵抗を評価測定した。評価・測定方法は以下の通りである。
・制動性能:使用リム:17×7.5JJ、空気圧:220kPaとして、各タイヤを2500ccの乗用車に装着する。該乗用車を助走区間で時速100kmまで加速し、初速度調整区間で試験速度100km/hを維持した後、制動開始点を通過すると同時にブレーキペダルを迅速に強く踏み込み、停止するまでその状態を維持し、停止距離を読み取る。結果は、比較例1の停止距離を100とした逆指数表示とし、数値が大きいほど制動性能が優れることを示す。
・摩耗性能:使用リム:17×7.5JJ、空気圧:220kPaとして、各タイヤを2500ccの乗用車に装着し、テストコース(市街地と高速道の混合)にて10000km走行を行う。トレッドセンター部CEとトレッドショルダー部SHの摩耗量を測定し、両者の平均を算出する。結果は、比較例1の摩耗量を100として指数評価し、数値が大きいほど摩耗性能が優れることを示す。
・転がり抵抗:ISO8767に記載されている試験法で測定し、比較例1の転がり抵抗を100として指数評価し、数値が大きいほど転がり抵抗性能に優れることを示す。
Figure 2006315501
Figure 2006315501
表1に示すように、従来手法による比較例2では、比較例1に対して、制動性能は向上したものの、摩耗性能と転がり抵抗が悪化していた。また、ベルト層およびカーカス層についていずれもその幅方向全体でtanδの高いゴムを使用した比較例3では、転がり抵抗が大幅に悪化した。これに対し、実施例1〜3では、摩耗性能や転がり抵抗を実質的に損なうことなく、制動性能が向上していた。
(実施例4,5及び比較例4,5)
実施例4,5及び比較例4,5のタイヤとして、図4に示す断面構造の空気入りラジアルタイヤを、タイヤサイズ:225/45ZR17として作製した。各タイヤにおけるベルト層28,30、カーカス層24及びベルト補強層52の構成は、下記表3に示すとおりである。ここで、比較例4はコントロールタイヤであり、比較例5は、従来手法により制動性能の向上を図ったタイヤであり、比較例4に対してトレッドキャップのゴム配合を制動性能が向上する高摩擦抵抗の配合に変更し、その他は比較例4と同じ構成のタイヤである。また、実施例4,5は、比較例4に対してベルト層、カーカス層及びベルト補強層のトッピングゴム構成を表3に示す通り変更したものであり、その他は比較例4と同じ構成のタイヤである。なお、各ゴムの配合は上記表2に示す通りである。
実施例4,5及び比較例4,5の各タイヤについて、制動性能と摩耗性能と転がり抵抗を評価測定した。評価・測定方法は上記した通りである。
Figure 2006315501
結果は表3に示すとおりであり、従来手法による比較例4では、比較例3に対して、制動性能は向上したものの、摩耗性能、転がり抵抗が悪化していた。これに対し、実施例4,5では、摩耗性能と転がり抵抗を実質的に損なうことなく、制動性能が向上していた。
第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 第1の実施形態におけるベルトの断面模式図である。 第1の実施形態におけるカーカスの断面模式図である。 第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 第2の実施形態におけるベルト補強層の断面模式図である。
符号の説明
10,50…空気入りタイヤ、12…ビード部、14…サイドウォール部、16…トレッド部、18…ビードコア、22…カーカス、24…カーカス層、26…ベルト、28…第1ベルト層(最大幅ベルト層)、30…第2ベルト層、34…ベルト層のトッピングゴム、36…ベルトコード、38…カーカス層のトッピングゴム、52…ベルト補強層、54…ベルト補強層のトッピングゴム、56…ベルト補強層のコード、CE…トレッドセンター部、SH…トレッドセンター部、BAT…バットレス部

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトを備える空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層は、ベルトコードをトッピングゴムで被覆してなり、このベルト層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス層は、カーカスコードをトッピングゴムで被覆してなり、このカーカス層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部およびバットレス部よりなる群から選択される少なくとも一部分がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルトの半径方向外側に配されたベルト補強層を備え、該ベルト補強層は、コードをトッピングゴムで被覆してなり、このベルト補強層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトを備える空気入りタイヤであって、
    前記カーカス層は、カーカスコードをトッピングゴムで被覆してなり、このカーカス層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部およびバットレス部よりなる群から選択される少なくとも一部分がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビードコアにて係止された少なくとも一層のカーカス層からなるカーカスと、前記トレッド部における前記カーカスの半径方向外側に配された複数のベルト層からなるベルトと、該ベルトの半径方向外側に配されたベルト補強層を備える空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、コードをトッピングゴムで被覆してなり、このベルト補強層のトッピングゴムは、トレッドショルダー部がトレッドセンター部よりも損失正接の高いゴムからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
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