JP5997421B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、トラックやバスなどの重荷重車両に好適に用い得る空気入りタイヤに関するものである。
従来、空気入りラジアルタイヤとして、層内に埋設されたコードがタイヤ周方向に対して略平行となるように配設された周方向ベルト層と、該周方向ベルト層よりもタイヤ径方向外方に位置し、層内に埋設されたコードが互いに交差するように配設された2層のベルト層からなる交差ベルトとを備える空気入りタイヤが知られている。そして、この空気入りタイヤでは、周方向ベルト層が、タイヤ周方向の張力を負担してタイヤの径成長を抑制し、クラウン部の形状を保持していると共に、トレッド部踏面の接地圧を高めている。更に、この空気入りタイヤでは、交差ベルトによりせん断剛性を確保し、高い耐摩耗性および操縦安定性を得ている。
しかし、上記周方向ベルト層と交差ベルトとを備える空気入りタイヤには、タイヤの負荷転動時に各ベルト層の端部、特に周方向ベルト層の端部にタイヤ周方向のせん断歪が発生し、ベルト層の端部に亀裂が発生してしまうという問題があった。
そこで、トレッド幅の25〜50%の範囲内に位置する周方向ベルト層と、トレッド幅の50%よりも幅広な交差ベルトとを備える空気入りタイヤにおいて、周方向ベルト層の端部のタイヤ幅方向外側に、周方向ベルト層の被覆ゴムよりも100%伸張モジュラスの小さいベルトエンドクッションゴムを配置し、且つ、該ベルトエンドクッションゴムのタイヤ幅方向外側に、ベルトエンドクッションゴムよりも100%伸張モジュラスの小さい外側クッションゴムを配置してゴムの剛性段差を徐々に変化させることにより、周方向ベルト層端部での歪の発生を低減し、亀裂の発生を抑制した空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、近年、車両の高性能化や、タイヤのサイドウォール部の横剛性の向上に伴い、タイヤの扁平化が進む傾向がある。そして、扁平化が進んだ空気入りタイヤでは、クラウン部の形状の保持およびトレッド部踏面の広い領域で均一に接地圧を高めることによる偏摩耗発生の抑制の観点から、幅広な周方向ベルト層を設けることが望まれている。
特開2005−313837号公報
しかし、本発明者の研究によれば、周方向ベルト層と交差ベルトとを備える空気入りタイヤ、特に周方向ベルト層を外傷から守る観点から交差ベルトのタイヤ径方向内側に周方向ベルト層を配設した空気入りタイヤにおいて周方向ベルト層の幅を広くした場合、タイヤの負荷転動時に周方向ベルト層と交差ベルトとのコード配列方向の相違による変位差により周方向ベルト層の端部に歪が集中的に発生し、クッションゴムを配設していても周方向ベルト層の端部でセパレーション等の故障が発生してしまうことがわかった。そして、このような故障発生の傾向は、トラックやバスなどの重荷重車両用の空気入りタイヤにおいて特に顕著であることも分かった。
そこで、本発明は、交差ベルトのタイヤ径方向内側に幅広な周方向ベルト層を配設する構成を採用した空気入りタイヤであって、偏摩耗が発生し難く、且つ、周方向ベルト層端部でのセパレーション故障が発生し難い空気入りタイヤを提供することを目的とする。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の空気入りタイヤは、トロイド状に延びる少なくとも1プライからなるカーカスと、該カーカスの外面に沿って配設され、タイヤ赤道面に対して0°以上5°以下の角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1層の周方向ベルト層からなる周方向ベルトと、該周方向ベルトのタイヤ径方向外方に隣接して配設され、タイヤ赤道面に対し所定の傾斜角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層を、コードがタイヤ赤道面を挟んで相互に交差するように順次積層形成してなる交差ベルトとを備え、前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅が、該最内傾斜ベルト層に隣接する最外周方向ベルト層の幅よりも広く、且つ、前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の幅が、前記最外周方向ベルト層の幅以下であり、前記最外周方向ベルト層の幅および前記最内傾斜ベルト層の幅が、ともにタイヤ断面幅の0.70倍以上であり、前記最外周方向ベルト層の端部と前記最内傾斜ベルト層の端部との間に、100%モジュラスが前記最外周方向ベルト層の被覆ゴムおよび前記最内傾斜ベルト層の被覆ゴムの100%モジュラス以下のゴムよりなり、厚さがタイヤ幅方向外方に向かって漸増する層間ゴムを有し、前記層間ゴムの最大厚みが、3.0mm以上であり、前記層間ゴムの前記最大厚みを、前記層間ゴムの最小厚みで除した値が1.7〜2.8であり、前記層間ゴムのタイヤ幅方向の幅が20.0mm以上であることを特徴とする。このように、最外周方向ベルト層の幅および最内傾斜ベルト層の幅をタイヤ断面幅の0.70倍以上とすれば、交差ベルトによりせん断剛性を確保し、高い耐摩耗性および操縦安定性を得つつ、幅広い周方向ベルトによりトレッド部踏面の接地圧を均一に高めて偏摩耗の発生を防止することができる。また、最外周方向ベルト層の端部と最内傾斜ベルト層の端部との間に、所定のモジュラスを有し、厚さがタイヤ幅方向外方に向かって漸増する層間ゴムを設ければ、最内傾斜ベルト層の幅が最外周方向ベルト層の幅よりも広く、外側傾斜ベルト層の幅が最外周方向ベルト層の幅以下の場合であっても、最外周方向ベルト層の端部での故障の発生を抑制することができる。層間ゴムの最大厚みを3.0mm以上とすれば、最外周方向ベルト層の端部での故障の発生をより確実に抑制することができる。層間ゴムの最大厚みを、層間ゴムの最小厚みで除した値を1.7〜2.8とすれば、層間ゴムの周辺の耐久性を向上させることができる。層間ゴムのタイヤ幅方向の幅を20.0mm以上とすれば、層間ゴムの周辺の耐久性を向上させることができる。
なお、本発明において、「タイヤ赤道面に対するコードの配列方向」は、コードが波状またはジグザグ状に延びる屈曲コードである場合には、振幅方向中心位置を結ぶ線のタイヤ赤道面に対する方向を指す。また、本発明において、「タイヤ断面幅」とは、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とした無負荷状態のタイヤのサイドウォール間の直線距離からタイヤの側面の模様や文字などを除いた幅を指し、「100%モジュラス」とは、JIS K6251に従い測定した温度25℃における100%モジュラスを指し、「ベルト層の端部」とは、ベルト層の端縁から測定して、ベルト層の幅の25%までの範囲を指す。因みに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指し、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。
ここで、本発明の空気入りタイヤは、前記最外周方向ベルト層は、タイヤ幅方向両端部がタイヤ径方向内方に向かって湾曲しており、前記最内傾斜ベルト層が、全幅に亘ってタイヤ回転軸線と平行な方向に延在していることが好ましい。最外周方向ベルト層の両端部をタイヤ径方向内方に向かって湾曲させれば、最内傾斜ベルト層と最外周方向ベルト層との間のタイヤ径方向の距離を漸増させて、層間ゴムを配設するスペースを容易に確保することができるからである。また、最内傾斜ベルト層をタイヤ回転軸線と平行な方向に延在させれば、最内傾斜ベルト層の端部がタイヤ径方向外方に湾曲している場合と比較し、タイヤが摩耗した際に最内傾斜ベルト層の一部が露出してタイヤが使用不能になることがないからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記層間ゴムの100%モジュラスが5.0MPa以下であることが好ましい。層間ゴムの100%モジュラスを5.0MPa以下とすれば、最外周方向ベルト層の端部での故障の発生を更に確実に抑制することができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記最外周方向ベルト層の端縁位置および前記外側傾斜ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置から測定したタイヤ幅方向距離が、何れも30mm以内であることが好ましい。最内傾斜ベルト層の端縁位置から測定した最外周方向ベルト層および外側傾斜ベルト層の端縁までのタイヤ幅方向距離を30mm以内とすれば、トレッド部踏面の広い領域で均一に接地圧を高めることができるからである。
そして、本発明の空気入りタイヤは、前記所定の傾斜角度が、40°以上90°未満であることが好ましい。傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度を40°以上90°未満とすれば、タイヤの耐摩耗性と、傾斜ベルト層の耐久性とを両立することができるからである。
本発明によれば、幅広な周方向ベルト層を有して偏摩耗が発生し難く、且つ、周方向ベルト層端部でのセパレーション故障が発生し難い空気入りタイヤを提供することができる。
本発明に従う代表的な空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の空気入りタイヤの一例は、タイヤ幅方向断面を図1に示すように、トレッド部1と、トレッド部1の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内方にそれぞれ連なる一対のビード部3とを備えている。
ここで、図1に示す空気入りタイヤ10は、一対のビード部3間に、カーカスコード61をゴム被覆した1プライからなるラジアルカーカス6を備えており、該ラジアルカーカス6は、トレッド部1から一対のサイドウォール部2を介して一対のビード部3にわたってトロイド状に延び、ビード部3内に埋設されたビードコア4の周りに折り返すことで係止されている。また、空気入りタイヤ10のビード部3のビードコア4のタイヤ径方向外方には、ラジアルカーカス6に沿ってタイヤ径方向外方に向けて厚みが漸減する断面略三角形のスティフナーゴム5が配設されている。なお、図1ではカーカスプライのプライ数を1プライとした場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤでは、プライ数は必要に応じて2プライ以上とすることができる。また、「断面略三角形」には、三角形の角が丸まった断面形状や、三角形の各辺が曲線になった断面形状などが含まれる。
また、空気入りタイヤ10のラジアルカーカス6のタイヤ径方向外方(クラウン部外周側)には、タイヤ赤道面Eと略平行に配列されたコード71を被覆ゴム72で被覆してなる(即ち、タイヤ赤道面Eに対して0°の角度で配列したコードを被覆ゴムで被覆してなる、或いは、コードをゴム被覆して構成した狭幅のストリップをタイヤ赤道面Eに対して0°超5°以下の角度で螺旋状に巻き回してなる)1層の周方向ベルト層7(最外周方向ベルト層)からなる周方向ベルトが、ラジアルカーカス6の外面に沿って配設されている。なお、コード71としては、特に限定されることなく、波状に屈曲した非伸張性コードや直線状の金属製弾性コードを用いることができ、コード71の耐久性を確保する観点からは、波状に屈曲したコード(WAVYコード)を用いることが好ましい。
更に、周方向ベルト層7のタイヤ径方向外方には、タイヤ赤道面Eに対して所定の傾斜角度で配列されたコード83を被覆ゴム84で被覆してなる最内傾斜ベルト層81が隣接配置されており、また、最内傾斜ベルト層81のタイヤ径方向外方には、タイヤ赤道面Eに対して所定の傾斜角度で配列されたコード85を被覆ゴム86で被覆してなる外側傾斜ベルト層82が、最内傾斜ベルト層81のコード83と外側傾斜ベルト層82のコード85とがタイヤ赤道面Eを挟んで相互に交差するように隣接配置されている。そして、これら最内傾斜ベルト層81および外側傾斜ベルト層82は、交差ベルト8を形成している。なお、コード83,85としては、非伸張性金属コードを用いることができる。
また、空気入りタイヤ10の交差ベルト8のタイヤ径方向外方には、トレッドゴムが配設されており、該トレッドゴムの表面には、タイヤ周方向に延びる複数(図1では4本)の周方向溝11が形成されている。なお、空気入りタイヤ10では、各ベルト層が幅広であり、周方向ベルト層7、最内傾斜ベルト層81および外側傾斜ベルト層82の端縁位置が、タイヤ幅方向最外方に位置する周方向溝11よりもタイヤ幅方向外側に位置するような場合を示している。
更に、空気入りタイヤ10の周方向ベルト層7の端部と、最内傾斜ベルト層81の端部との間には、厚さがタイヤ幅方向外方に向かって漸増する断面略三角形状の層間ゴム9が、周方向ベルト層7の端縁と最内傾斜ベルト層81の端縁とを結ぶ位置まで配設されている。なお、「断面略三角形」には、三角形の角が丸まった断面形状や、三角形の各辺が曲線になった断面形状などが含まれる。
ここで、周方向ベルト層7は、トレッド部踏面の接地圧に大きな影響を与えるものであり、周方向ベルト層7が存在する部分のトレッド部踏面の接地圧は、周方向ベルト層7が存在しない部分のトレッド部踏面の接地圧よりも大きくなる。従って、空気入りタイヤ10では、トレッド部踏面の接地圧を均一化して偏摩耗の発生を防止する観点から、周方向ベルト層7の幅(タイヤ幅方向寸法)W1は、空気入りタイヤ10の断面幅Wの0.70倍以上であることが必要であり、幅W1は、断面幅Wの0.75倍以上であることが好ましい。
また、周方向ベルト層7の端部におけるセパレーションの発生を防止してタイヤの耐久性を向上する観点からは、周方向ベルト層7の幅W1は、最内傾斜ベルト層81の幅W2よりも狭い(W1<W2)ことが必要である。一方、周方向ベルト層7の幅W1を広くして広範囲に亘りタイヤの接地圧を均一に高める観点からは、最内傾斜ベルト層81の端縁から周方向ベルト層7の端縁までのタイヤ幅方向距離は、30mm以内(30≧(W2−W1)/2)であることが好ましい。
なお、空気入りタイヤ10では、周方向ベルト層7のタイヤ幅方向両端部がタイヤ径方向内方に湾曲しているので、周方向ベルト層7の端部と最内傾斜ベルト層81の端部との間に、タイヤ幅方向外方に向かって厚みが漸増する層間ゴム9を容易に配設することができる。ここで、周方向ベルト層7は、コード71が赤道面Eに対して略平行に(0°以上5°以下の角度をなして)延在しており、面内の屈曲剛性が比較的小さいので、タイヤ幅方向両端部を容易に湾曲させることができる。
交差ベルト8は、耐摩耗性および操縦安定性に影響を与えるものであり、交差ベルト8の幅が広くなるほど、空気入りタイヤ10の耐摩耗性および操縦安定性は向上する。従って、空気入りタイヤ10では、交差ベルト8を構成する最内傾斜ベルト層81の幅(タイヤ幅方向寸法)W2は、空気入りタイヤ10の断面幅Wの0.70倍以上であることが必要であり、幅W2が、断面幅Wの0.75倍以上であることが好ましい。また、空気入りタイヤ10では、最内傾斜ベルト層81の幅W2および外側傾斜ベルト層82の幅(タイヤ幅方向寸法)W3が、断面幅Wの0.70倍以上であることが好ましく、W2およびW3が、断面幅Wの0.75倍以上であることが更に好ましい。
また、外側傾斜ベルト層82の幅W3が周方向ベルト層7の幅W1よりも大きいと、外側傾斜ベルト層82の端部に歪が集中して外側傾斜ベルト層82の端部でセパレーションが発生し易くなるため、タイヤの耐久性確保と交差ベルトによる面内せん断剛性の確保とを両立する観点からは、外側傾斜ベルト層82の幅W3は、周方向ベルト層7の幅W1以下である(W3≦W1)ことが必要である。
なお、一般に、コードをゴム被覆してなるベルト層では、赤道面Eに対するコードの傾斜角度が小さいほどベルト層の端部に歪が発生しやすくなるので、耐摩耗性能を向上させつつ交差ベルト8の耐久性も向上させる観点からは、最内傾斜ベルト層81のコード83および外側傾斜ベルト層82のコード85の赤道面Eに対する傾斜角度は、40°以上90°未満とすることが好ましく、50°以上とすることがより好ましい。
層間ゴム9には、周方向ベルト層7の端部に発生する歪を緩和して故障の発生を抑制するために、25℃における100%モジュラスが、周方向ベルト層7の被覆ゴム72および最内傾斜ベルト層81の被覆ゴム84の25℃における100%モジュラス以下のゴムを用いる。なお、故障の発生を更に抑制する観点からは、層間ゴム9には、25℃における100%モジュラスが5.0MPa以下のゴムを用いることが好ましく、4.0MPa以下のゴムを用いることが更に好ましい。また、耐久性向上の観点からは、層間ゴム9には、25℃における100%モジュラスが周方向ベルト層7の被覆ゴム72および最内傾斜ベルト層81の被覆ゴム84よりも2.0MPa以下の範囲内で低いゴムを用いることが好ましい。層間ゴム9の100%モジュラスが被覆ゴム72,84よりも2.0MPaを超えて低い場合、層間ゴム9に歪が集中するため、逆に周方向ベルト層7の端部の被覆ゴム72の歪を緩和することができるからである。
ここで、層間ゴム9の発熱を抑制してセパレーションの発生を抑制する観点からは、層間ゴム9の使用量を低減することが好ましい。一方、周方向ベルト層7の端部に発生する歪を緩和する観点からは、周方向ベルト層7の端縁側、即ちタイヤ幅方向外方の層間ゴム9の厚みを厚くすることが好ましい。そこで、空気入りタイヤ10では、層間ゴム9の厚さを、タイヤ幅方向外方に向かって漸増するようにする。なお、層間ゴム9の最大厚みは、3.0mm以上であり、5.0mm以上とすること好ましい。また、周方向ベルト層7の端部の耐久性を向上する観点からは、層間ゴム9の幅WIは、20.0mm以上であり、25.0mm以上とすること好ましい。更に、層間ゴム9の周辺の耐久性向上の観点からは、層間ゴム9の厚みの漸増率(層間ゴムの最大厚み/層間ゴムの最小厚み)は、1.7〜2.8である
なお、空気入りタイヤ10では、周方向ベルト層7の端部をタイヤ径方向内方に湾曲させているので、最内傾斜ベルト層81がタイヤ軸線に平行な方向に延在していても、層間ゴム9の厚みをタイヤ径方向外方に向かって漸増させることができる。ここで、本発明の空気入りタイヤでは、最内傾斜ベルト層81の端部をタイヤ径方向外方に向かって湾曲させることにより、層間ゴム9の厚みをタイヤ径方向外方に向かって漸増させることもできる。しかし、最内傾斜ベルト層81は面内曲げ剛性が高くて屈曲させ難いと共に、最内傾斜ベルト層81の端部をタイヤ径方向外方に向かって湾曲させた場合、タイヤの摩耗に伴い最内傾斜ベルト層81の端部が早期にタイヤ外部へ露出してタイヤが使用不能になってしまうので、本発明の空気入りタイヤでは、周方向ベルト層7の端部をタイヤ径方向内方に湾曲させると共に、最内傾斜ベルト層81をタイヤ軸線に平行に延在させることが好ましい。
そして、この空気入りタイヤ10では、周方向ベルト層7の幅W1および最内傾斜ベルト層81の幅W2をタイヤ断面幅Wの0.70倍以上としているので、高い耐摩耗性および操縦安定性を得つつ、幅広い周方向ベルトによりトレッド部踏面の接地圧を均一に高めて偏摩耗の発生を防止することができる。また、周方向ベルト層7の端部と最内傾斜ベルト層81の端部との間に層間ゴム9を設けているので、周方向ベルト層7の端部での故障の発生を抑制することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは上述した一例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。例えば、周方向ベルト層の数は2層以上としても良く、傾斜ベルト層の数は3層以上としても良い。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
参考例1)
表1に示す諸元で、図1に示すような構成を有する、サイズが495/45R22.5の空気入りタイヤを試作し、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。なお、最外周方向ベルト層の被覆ゴムおよび最内傾斜ベルト層の被覆ゴムには、100%モジュラス(25℃)が6.0MPaのゴムを用いた。
<耐久性>
作製したタイヤを、サイズ17×22.5のリムに装着し、空気圧900kPa、荷重5800kgの条件でドラム走行試験を行い、故障が発生するまでの走行距離を測定し、耐久性を評価した。具体的には、従来例1のタイヤの走行距離を100として指数評価した。表中、指数が大きいほど耐久性が高いことを示す。
<耐偏摩耗性>
作製したタイヤを、サイズ17×22.5のリムに装着し、空気圧900kPa、荷重5800kgの条件でドラム走行試験を行い、トレッド部の摩耗量を測定し、耐偏摩耗性を評価した。具体的には、従来例1のタイヤを100として指数評価した。表中、指数が大きいほど耐偏摩耗性が高いことを示す。
(実施例2〜4)
諸元を表1に示すように変更した以外は参考例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、参考例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
(従来例1)
下側周方向ベルト層を設けて周方向ベルトを構成する周方向ベルト層の数を2層とし、層間ゴムの厚みを均一にし、諸元を表1に示すように変更した以外は参考例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、参考例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
諸元を表1に示すように変更した以外は参考例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、参考例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
層間ゴムの厚みを均一にし、諸元を表1に示すように変更した以外は参考例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、参考例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
層間ゴムの厚みを均一にし、諸元を表1に示すように変更した以外は参考例1と同様にして空気入りタイヤを作製し、参考例1と同様の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005997421
表1より、タイヤ幅方向に向かって厚みが漸増する層間ゴムを用いれば、耐偏摩耗性を向上させつつセパレーション故障の発生を抑制できることが分かる。
本発明によれば、幅広な周方向ベルト層を有して偏摩耗が発生し難く、且つ、周方向ベルト層端部でのセパレーション故障が発生し難い空気入りタイヤを提供することができる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 スティフナーゴム
6 ラジアルカーカス
7 周方向ベルト層
8 交差ベルト
9 層間ゴム
10 空気入りタイヤ
11 周方向溝
61 カーカスコード
71 コード
72 被覆ゴム
81 最内傾斜ベルト
82 外側傾斜ベルト
83 コード
84 被覆ゴム
85 コード
86 被覆ゴム

Claims (5)

  1. トロイド状に延びる少なくとも1プライからなるカーカスと、該カーカスの外面に沿って配設され、タイヤ赤道面に対して0°以上5°以下の角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1層の周方向ベルト層からなる周方向ベルトと、該周方向ベルトのタイヤ径方向外方に隣接して配設され、タイヤ赤道面に対し所定の傾斜角度で配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層を、コードがタイヤ赤道面を挟んで相互に交差するように順次積層形成してなる交差ベルトとを備え、
    前記交差ベルトを構成する傾斜ベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置する最内傾斜ベルト層の幅が、該最内傾斜ベルト層に隣接する最外周方向ベルト層の幅よりも広く、且つ、前記最内傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に隣接する外側傾斜ベルト層の幅が、前記最外周方向ベルト層の幅以下であり、
    前記最外周方向ベルト層の幅および前記最内傾斜ベルト層の幅が、ともにタイヤ断面幅の0.70倍以上であり、
    前記最外周方向ベルト層の端部と前記最内傾斜ベルト層の端部との間に、100%モジュラスが前記最外周方向ベルト層の被覆ゴムおよび前記最内傾斜ベルト層の被覆ゴムの100%モジュラス以下のゴムよりなり、厚さがタイヤ幅方向外方に向かって漸増する層間ゴムを有し
    前記層間ゴムの最大厚みが、3.0mm以上であり、
    前記層間ゴムの前記最大厚みを、前記層間ゴムの最小厚みで除した値が1.7〜2.8であり、
    前記層間ゴムのタイヤ幅方向の幅が20.0mm以上であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記最外周方向ベルト層は、タイヤ幅方向両端部がタイヤ径方向内方に向かって湾曲しており、
    前記最内傾斜ベルト層が、全幅に亘ってタイヤ回転軸線と平行な方向に延在していることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記層間ゴムの100%モジュラスが5.0MPa以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記最外周方向ベルト層の端縁位置および前記外側傾斜ベルト層の端縁位置は、前記最内傾斜ベルト層の端縁位置から測定したタイヤ幅方向距離が、何れも30mm以内であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記所定の傾斜角度が、40°以上90°未満であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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