JP2014083894A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ重量を軽減しつつ転がり抵抗を低減すること。
【解決手段】タイヤ内面に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを内貼りしたインナーライナー層8を有する空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナー層8は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲内で、熱可塑性樹脂シートの厚さが他の部分よりも薄く形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、インナーライナー層について改善した空気入りタイヤに関する。
従来、例えば、特許文献1では、タイヤ内面に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを内貼りしたインナーライナー層を形成した空気入りタイヤが記載されている。
特開2009−241855号公報
上述した特許文献1に記載の空気入りタイヤのように、インナーライナー層を上記熱可塑性樹脂シートにより形成することで、タイヤ重量の軽減化を図ることが可能になる。しかし、上記熱可塑性樹脂シートは、一般的な空気入りタイヤのインナーライナー層と比較して剛性が高い分、転がり抵抗の低下代が少ないことが発明者等の研究によって見出された。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤ重量を軽減しつつ転がり抵抗を低減することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明の空気入りタイヤは、タイヤ内面に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを内貼りしたインナーライナー層を有する空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナー層は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲内で、熱可塑性樹脂シートの厚さが他の部分よりも薄く形成されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、上記範囲であるショルダー部からサイドウォール部の範囲において、インナーライナー層の剛性が低下することになる。このため、縦バネ性が低下し、転がり抵抗を低減することができる。また、インナーライナー層を熱可塑性樹脂シートで形成することで、一般的な空気入りタイヤに適用されるような比重の大きいブチル系ゴムのインナーライナー層と比較して軽量化を図ることができ、タイヤ重量を軽減することができる。
また、第2の発明の空気入りタイヤは、第1の発明において、前記インナーライナー層は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲の前記熱可塑性樹脂シートにおける平均厚さが0.05[mm]以上0.20[mm]以下であることを特徴とする。
熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の平均厚さを0.05[mm]以上とすることで耐空気漏れ性能の維持効果が顕著に得られる。一方、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の平均厚さを0.20[mm]以下とすることで縦バネ性を低下する効果が顕著に得られる。
また、第3の発明の空気入りタイヤは、第1または2の発明において、前記インナーライナー層は、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分を覆うように、ブチルゴム65[重量%]以上100[重量%]以下のゴムシートからなるシールゴムが配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分での耐空気漏れ性能を確保することができる。しかも、この空気入りタイヤによれば、ブチルゴム65[重量%]以上100[重量%]以下のゴムシートは、加硫時に熱可塑性樹脂シートと強固な接着性があり、耐空気漏れ性能を確保する効果を顕著に得ることができる。
また、第4の発明の空気入りタイヤは、第3の発明において、前記シールゴムの厚さが0.2[mm]以上0.5[mm]以下であることを特徴とする。
シールゴムの厚さを0.2[mm]以上とすることでシールゴムが起因する耐空気漏れ性能の維持効果が顕著に得られる。一方、シールゴムの厚さを0.5[mm]以下とすることでシールゴムが起因する縦バネ性を低下する効果が顕著に得られる。
また、第5の発明の空気入りタイヤは、第3または4の発明において、前記シールゴムは、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の外縁をも覆うように配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の外縁(エッジ部)をシールゴムから連続する被覆部でカバーすることで、耐空気漏れ性能をより高めることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ重量を軽減しつつ転がり抵抗を低減することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤのインナーライナー層を示す一部拡大子午断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤのインナーライナー層を示す一部拡大子午断面図である。 図4は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの試験結果を示す図表である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図であり、図2および図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤのインナーライナー層を示す一部拡大子午断面図である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。なお、以下に説明する空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面CLを中心としてほぼ対称になるように構成されていることから、空気入りタイヤ1の回転軸を通る平面で該空気入りタイヤ1を切った場合の子午断面図(図1)においては、タイヤ赤道面CLの一側(図1において右側)のみを図示して当該一側のみを説明し、他側(図1において左側)の説明は省略する。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、図1に示すようにトレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、インナーライナー層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延在する複数(本実施形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延在するリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝が設けられている。陸部23は、ラグ溝によってタイヤ周方向で複数に分割されている。また、ラグ溝は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で巻き上げられることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向両端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に巻き上げられてタイヤ径方向外側に延在され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト層71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト層71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20度〜30度)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト層71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
インナーライナー層8は、タイヤ内面、すなわち、カーカス層6の内周面であって、各タイヤ幅方向両端部が一対のビード部5に至り、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されて貼り付けられている。インナーライナー層8は、タイヤ外側への空気分子の透過を抑制するためのものである。このインナーライナー層8は、熱可塑性樹脂シートで形成されている。熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂、または熱可塑性樹脂中にエラストマー成分をブレンドした熱可塑性エラストマー組成物で構成されており、コードを有さないものである。
本実施形態で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。
本実施形態で使用されるエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴムおよびその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBRおよび低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム〔例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム〕、含イオウゴム〔例えばポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー〕などを挙げることができる。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、上記インナーライナー層8が、図1に示すように、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲内で、熱可塑性樹脂シートの厚さが他の部分よりも薄く形成されている。具体的に、インナーライナー層8は、図2に示すように、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲内で、熱可塑性樹脂シートのタイヤ内側が、他の部分に対して厚さが凹んで薄く形成され、タイヤ周方向に連続して形成されている。
ここで、タイヤ断面高さHSは、タイヤを正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した無負荷状態のタイヤの外径とリム径との差の1/2である。また、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤ内面に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを内貼りしたインナーライナー層8を有し、このインナーライナー層8は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲内で、熱可塑性樹脂シートの厚さが他の部分よりも薄く形成されている。
この空気入りタイヤ1によれば、上記範囲に相当するショルダー部3からサイドウォール部4の範囲において、インナーライナー層8の剛性が低下することになる。このため、縦バネ性が低下し、転がり抵抗を低減することが可能になる。また、インナーライナー層8を熱可塑性樹脂シートで形成することで、一般的な空気入りタイヤに適用されるような比重の大きいブチル系ゴムのインナーライナー層と比較して軽量化を図ることができ、タイヤ重量を軽減することが可能になる。
なお、インナーライナー層8において、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成される部分は、図2において厚さが変わる部分が段となるように矩形状に凹んで模式的に示されているが、実際には、厚さが変わる部分が斜めまたは湾曲して形成される。また、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成される部分は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲全体に形成されることが転がり抵抗を低減する効果を顕著に得るために好ましい。また、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成される部分は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲の一部に形成されていてもよく、この場合、0.15SH以上0.55SH以下の範囲のうちの50%以上の範囲であり、かつ0.15SH以上0.55SH以下の範囲の中央に形成されていることが、転がり抵抗を低減する効果を顕著に得るために好ましい。また、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成される部分は、タイヤ周方向においてタイヤ径方向の同じ範囲に形成されていることが、ユニフォミティを維持するうえで好ましい。また、厚さが薄く形成される部分は、タイヤ幅方向の両側で対象位置に形成されていることが、タイヤ幅方向での縦バネ性の均一化を図るうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2および図3に示すように、インナーライナー層8は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲の熱可塑性樹脂シートにおける平均厚さDaが0.05[mm]以上0.20[mm]以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の平均厚さDaを0.05[mm]以上とすることで耐空気漏れ性能の維持効果が顕著に得られる。一方、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の平均厚さDaを0.20[mm]以下とすることで縦バネ性を低下する効果が顕著に得られる。
なお、熱可塑性樹脂シートにおいて、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲以外での厚さDは、0.1[mm]以上0.3[mm]以下であることが、インナーライナー層8としての機能を維持するうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1は、図3に示すように、インナーライナー層8は、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分を覆うように、ブチルゴム65[重量%]以上100[重量%]以下のゴムシートからなるシールゴム9が配置されていることが好ましい。
この空気入りタイヤ1によれば、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分での耐空気漏れ性能を確保することが可能になる。しかも、この空気入りタイヤ1によれば、ブチルゴム65[重量%]以上100[重量%]以下のゴムシート9は、加硫時に熱可塑性樹脂シートと強固な接着性があり、耐空気漏れ性能を確保する効果を顕著に得ることが可能になる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1は、シールゴム9の厚さDbが0.2[mm]以上0.5[mm]以下であることが好ましい。
シールゴム9の厚さDbを0.2[mm]以上とすることでシールゴム9が起因する耐空気漏れ性能の維持効果が顕著に得られる。一方、シールゴム9の厚さDbを0.5[mm]以下とすることでシールゴム9が起因する縦バネ性を低下する効果が顕著に得られる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、シールゴム9は、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の外縁をも覆うようにシールゴム9から連続する被覆部9aを有していることが好ましい。
この空気入りタイヤ1によれば、熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の外縁(エッジ部)をシールゴム9から連続する被覆部9aでカバーすることで、耐空気漏れ性能をより高めることが可能になる。
なお、0.15SH以上0.55SH以下の範囲以外での厚さDの部分を覆う被覆部9aの被覆範囲(ラップ幅)Wは、耐空気漏れ性能をより高めるうえで、2[mm]以上であることが好ましく、縦バネ性を低下するうえで、10[mm]以下であることが好ましい。
図4は、本実施例に係る空気入りタイヤの試験結果を示す図表である。本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、転がり抵抗および耐空気漏れ性能に関する試験が行われた。
この試験では、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを試験タイヤとした。
転がり抵抗の評価方法は、上記試験タイヤを正規リムにリム組みし、空気圧210[kPa]を充填し、荷重4.82[kN]を加えた上記試験タイヤを、スチールドラム式転がり抵抗試験機にて、速度80[km/h]で20[分]の予備走行後の転がり抵抗が測定される。そして、この測定結果に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この指数評価は、数値が大きいほど転がり抵抗が低く優れていることを示している。
耐空気漏れ性能の評価方法は、上記試験タイヤを正規リムにリム組みし、空気圧230[kPa]を充填した上記試験タイヤを、常温にて1ヶ月放置し、空気漏れ量(内圧を変化)が測定される。この測定結果に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この指数評価は、数値が大きいほど耐空気漏れ性能が優れていることを示し、95以上であることが耐空気漏れ性能を維持していることを示している。
図4に示すように、従来例の空気入りタイヤは、インナーライナー層に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを適用し、その厚さを均等にしている。比較例の空気入りタイヤは、インナーライナー層に、ブチル系ゴムシートを適用し、その厚さを均等にしている。
一方、図4に示すように、実施例1〜実施例16の空気入りタイヤは、インナーライナー層に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを適用し、熱可塑性樹脂シートの規定範囲全体での厚さを他の部分よりも薄く形成している。実施例3、実施例4、実施例7〜実施例16の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂シートの規定範囲の平均厚さ(Da)を規定範囲としている。実施例5〜実施例16の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂シートの厚さを他の部分よりも薄く形成した部分を、ブチルゴム65[重量%]以上100[重量%]以下のシールゴムで覆っている。実施例5〜実施例9、実施例12〜16の空気入りタイヤは、シールゴムの厚さ(Db)を規定範囲としている。実施例14〜実施例16の空気入りタイヤは、0.15SH以上0.55SH以下の範囲以外での厚さDの部分を覆う被覆部の被覆範囲(ラップ幅)Wを規定範囲としている。
図4の試験結果に示すように、実施例1〜実施例16の空気入りタイヤは、転がり抵抗が低減されていることが分かる。
1 空気入りタイヤ
8 インナーライナー層
9 シールゴム
9a 被覆部

Claims (5)

  1. タイヤ内面に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂シートを内貼りしたインナーライナー層を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記インナーライナー層は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲内で、熱可塑性樹脂シートの厚さが他の部分よりも薄く形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記インナーライナー層は、タイヤ断面高さSHのタイヤ径方向外側から0.15SH以上0.55SH以下の範囲の前記熱可塑性樹脂シートにおける平均厚さが0.05[mm]以上0.20[mm]以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記インナーライナー層は、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分を覆うように、ブチルゴム65[重量%]以上100[重量%]以下のゴムシートからなるシールゴムが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記シールゴムの厚さが0.2[mm]以上0.5[mm]以下であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記シールゴムは、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが薄く形成されている部分の外縁をも覆うように配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の空気入りタイヤ。
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