JPH0825908A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
空気入りタイヤ及びその製造方法Info
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- JPH0825908A JPH0825908A JP6189826A JP18982694A JPH0825908A JP H0825908 A JPH0825908 A JP H0825908A JP 6189826 A JP6189826 A JP 6189826A JP 18982694 A JP18982694 A JP 18982694A JP H0825908 A JPH0825908 A JP H0825908A
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Landscapes
- Tyre Moulding (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】耐久性、内圧保持性を損ねることなくインナー
ライナーゴム層を薄肉化でき、タイヤの軽量化及び転動
抵抗の低減化を達成しうる。 【構成】カーカス6と、このカーカス6のタイヤ内腔H
に向く内面に連続して配されるインナーライナーゴム層
10と、さらにその内面に配される補助ゴム層11を具
え、補助ゴム層11は、サイドウォール部4がタイヤ軸
方向外側に最も張り出す最大巾点Kの近傍Y2とトレッ
ド部5のタイヤ軸方向外端5eの近傍Y1との間の領域
に形成される。前記インナーライナーゴム層10はゴム
成分のうちブチルゴムの含有量を最大としたゴム組成体
からなり、又補助ゴム層11は天然ゴム又はジエン系合
成ゴムの含有量を最大としたゴム組成体から形成され
る。タイヤの加硫成形の際、タイヤ内腔面HSに離型剤
27を塗布することなく成形ブラダ21の外向き面21
Sに離型剤27を塗布する。
ライナーゴム層を薄肉化でき、タイヤの軽量化及び転動
抵抗の低減化を達成しうる。 【構成】カーカス6と、このカーカス6のタイヤ内腔H
に向く内面に連続して配されるインナーライナーゴム層
10と、さらにその内面に配される補助ゴム層11を具
え、補助ゴム層11は、サイドウォール部4がタイヤ軸
方向外側に最も張り出す最大巾点Kの近傍Y2とトレッ
ド部5のタイヤ軸方向外端5eの近傍Y1との間の領域
に形成される。前記インナーライナーゴム層10はゴム
成分のうちブチルゴムの含有量を最大としたゴム組成体
からなり、又補助ゴム層11は天然ゴム又はジエン系合
成ゴムの含有量を最大としたゴム組成体から形成され
る。タイヤの加硫成形の際、タイヤ内腔面HSに離型剤
27を塗布することなく成形ブラダ21の外向き面21
Sに離型剤27を塗布する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性、内圧保持性を
損ねることなくインナーライナーゴム層を薄肉化でき、
タイヤの軽量化及び転動抵抗の低減化を達成しうる空気
入りタイヤ及びその製造方法に関する。
損ねることなくインナーライナーゴム層を薄肉化でき、
タイヤの軽量化及び転動抵抗の低減化を達成しうる空気
入りタイヤ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チューブレスタイヤにおいては、内圧空
気を気密に保持するために、カーカス内面には、耐空気
透過性に優れるブチルゴムを主成分としたインナーライ
ナーゴム層が配される。
気を気密に保持するために、カーカス内面には、耐空気
透過性に優れるブチルゴムを主成分としたインナーライ
ナーゴム層が配される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のイ
ンナーライナーゴム層では、ブチルゴムの組成物が、高
価であり、しかもカーカス内面全面に亘って設けられる
ため、タイヤの重量増加及びトレッドの厚さ増加を招
き、転動抵抗を上昇しかつ低燃費性等を阻害する原因と
なっている。
ンナーライナーゴム層では、ブチルゴムの組成物が、高
価であり、しかもカーカス内面全面に亘って設けられる
ため、タイヤの重量増加及びトレッドの厚さ増加を招
き、転動抵抗を上昇しかつ低燃費性等を阻害する原因と
なっている。
【0004】従って、本発明者は、耐久性、気密性を保
ちつつインナーライナーゴム層を薄肉化するために、こ
のインナーライナーゴム層に係わるタイヤの諸性能につ
いて研究を積重ねた。その結果、サイドウォール部、特
にトレッド外端からタイヤの最大巾点に至る領域は、走
行時のタイヤ変形が大となるため損傷が生じやすくしか
もこの領域のゴム厚さ全体が小であるためエアーリーク
の割合が極めて高いこと;これに反し、トレッド部は厚
肉でありかつブレーカコード層によって保護されてお
り、又ビード部はタイヤ変形が小でありかつ厚肉となる
ため、いずれもエアーリークの割合が極めて小であるこ
とを究明しえた。そして前記領域にのみ補助ゴム層を設
けることにより、耐久性、気密性を維持しながらインナ
ーライナーゴム層を薄肉化させることを提案した。
ちつつインナーライナーゴム層を薄肉化するために、こ
のインナーライナーゴム層に係わるタイヤの諸性能につ
いて研究を積重ねた。その結果、サイドウォール部、特
にトレッド外端からタイヤの最大巾点に至る領域は、走
行時のタイヤ変形が大となるため損傷が生じやすくしか
もこの領域のゴム厚さ全体が小であるためエアーリーク
の割合が極めて高いこと;これに反し、トレッド部は厚
肉でありかつブレーカコード層によって保護されてお
り、又ビード部はタイヤ変形が小でありかつ厚肉となる
ため、いずれもエアーリークの割合が極めて小であるこ
とを究明しえた。そして前記領域にのみ補助ゴム層を設
けることにより、耐久性、気密性を維持しながらインナ
ーライナーゴム層を薄肉化させることを提案した。
【0005】しかしながら前記補助ゴム層を、カーカス
とインナーライナーゴム層との間に設けた場合には、カ
ーカスに補助ゴム層による大なる段差が形成され、見映
えの低下を招く他、該段差部分にエアー留りを誘発す
る。
とインナーライナーゴム層との間に設けた場合には、カ
ーカスに補助ゴム層による大なる段差が形成され、見映
えの低下を招く他、該段差部分にエアー留りを誘発す
る。
【0006】他方、補助ゴム層をインナーライナーゴム
層の内面に設けた場合には、加硫成形時にタイヤの内腔
面に離型剤を塗布する際、補助ゴム層とインナーライナ
ーゴム層との継ぎ目から、離型剤が浸透して、補助ゴム
層の剥離損傷を招くなど解決すべき新たな問題が発生す
る。
層の内面に設けた場合には、加硫成形時にタイヤの内腔
面に離型剤を塗布する際、補助ゴム層とインナーライナ
ーゴム層との継ぎ目から、離型剤が浸透して、補助ゴム
層の剥離損傷を招くなど解決すべき新たな問題が発生す
る。
【0007】本発明は、インナーライナーゴム層の内面
に補助ゴム層を設け、又加硫成形時に成形ブラダの外面
に離型剤を塗布することを基本として、前記問題を解決
しうる空気入りタイヤ及びその製造方法の提供を目的と
している。
に補助ゴム層を設け、又加硫成形時に成形ブラダの外面
に離型剤を塗布することを基本として、前記問題を解決
しうる空気入りタイヤ及びその製造方法の提供を目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本願の第1の発明は、トレッド部からサイドウォール
部をへてビード部のビードコアの廻りで折り返されタイ
ヤ内腔を囲むカーカスと、このカーカスのタイヤ内腔に
向く内面に連続して配されるインナーライナーゴム層と
を具え、該インナーライナーゴム層の内面に、かつ前記
サイドウォール部がタイヤ軸方向外側に最も張り出す最
大巾点の近傍と前記トレッド部のタイヤ軸方向外端の近
傍との間の領域に、補助ゴム層を設けるとともに、前記
インナーライナーゴム層はゴム成分のうちブチルゴムの
含有量を最大としたゴム組成体からなり、かつ補助ゴム
層はゴム成分のうち天然ゴム又はジエン系合成ゴムの含
有量を最大としたゴム組成体から形成される空気入りタ
イヤである。
に本願の第1の発明は、トレッド部からサイドウォール
部をへてビード部のビードコアの廻りで折り返されタイ
ヤ内腔を囲むカーカスと、このカーカスのタイヤ内腔に
向く内面に連続して配されるインナーライナーゴム層と
を具え、該インナーライナーゴム層の内面に、かつ前記
サイドウォール部がタイヤ軸方向外側に最も張り出す最
大巾点の近傍と前記トレッド部のタイヤ軸方向外端の近
傍との間の領域に、補助ゴム層を設けるとともに、前記
インナーライナーゴム層はゴム成分のうちブチルゴムの
含有量を最大としたゴム組成体からなり、かつ補助ゴム
層はゴム成分のうち天然ゴム又はジエン系合成ゴムの含
有量を最大としたゴム組成体から形成される空気入りタ
イヤである。
【0009】又第2の発明は、前記空気入りタイヤの製
造方法であって、タイヤ成形用の成形面を有する成形金
型と、この成形金型内に装着される生タイヤのタイヤ内
腔で膨出することにより前記生タイヤを前記成形金型の
成形面に押圧して成形する成形ブラダとを用いるととも
に、タイヤ内腔面に離型剤を塗布することなくこのタイ
ヤ内腔面と接する前記成形ブラダの外向き面に、離型剤
を塗布したことを特徴としている。
造方法であって、タイヤ成形用の成形面を有する成形金
型と、この成形金型内に装着される生タイヤのタイヤ内
腔で膨出することにより前記生タイヤを前記成形金型の
成形面に押圧して成形する成形ブラダとを用いるととも
に、タイヤ内腔面に離型剤を塗布することなくこのタイ
ヤ内腔面と接する前記成形ブラダの外向き面に、離型剤
を塗布したことを特徴としている。
【0010】
【作用】エアーリークの割合に応じて、トレッド外端近
傍からタイヤ最大巾点近傍に至る領域かつインナーライ
ナーゴム層の内面に補助ゴム層を設けている。従って必
要最小限の耐エアーリーク性を付与しつつインナーライ
ナーゴム層の厚さを減じ、耐久性、気密性の保持とタイ
ヤ重量及び転動抵抗の低減とを達成しうる。
傍からタイヤ最大巾点近傍に至る領域かつインナーライ
ナーゴム層の内面に補助ゴム層を設けている。従って必
要最小限の耐エアーリーク性を付与しつつインナーライ
ナーゴム層の厚さを減じ、耐久性、気密性の保持とタイ
ヤ重量及び転動抵抗の低減とを達成しうる。
【0011】又補助ゴム層をインナーライナーゴム層内
面に設けているため、カーカスへの段差の形成及びそれ
による見映えの低下、空気留りの発生等を排除できる。
面に設けているため、カーカスへの段差の形成及びそれ
による見映えの低下、空気留りの発生等を排除できる。
【0012】又加硫成形の際、タイヤ内腔面にかえて成
形ブラダ側に離型剤を塗布しているため、離型剤が補助
ゴム層周縁から内部に浸入することがなく、補助ゴム層
の剥離損傷、さらには離型剤塗布に基づくインナーライ
ナーゴム層でのクラックの発生等を防止できる。
形ブラダ側に離型剤を塗布しているため、離型剤が補助
ゴム層周縁から内部に浸入することがなく、補助ゴム層
の剥離損傷、さらには離型剤塗布に基づくインナーライ
ナーゴム層でのクラックの発生等を防止できる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1において、空気入りタイヤ1は、ビードコア2
を有する一対のビード部3と、各ビード部3からタイヤ
半径方向外方にのびるサイドウォール部4と、このサイ
ドウォール部4の外端間を継ぐトレッド部5とを具える
チューブレスタイヤであって、その内部には、内圧空気
充填用のタイヤ内腔Hが形成される。
る。図1において、空気入りタイヤ1は、ビードコア2
を有する一対のビード部3と、各ビード部3からタイヤ
半径方向外方にのびるサイドウォール部4と、このサイ
ドウォール部4の外端間を継ぐトレッド部5とを具える
チューブレスタイヤであって、その内部には、内圧空気
充填用のタイヤ内腔Hが形成される。
【0014】又空気入りタイヤ1は、前記ビード部3、
3間に跨がるカーカス6と、このカーカス6の半径方向
外側かつトレッド部5の内方に配されるブレーカ層7
と、前記カーカス6の前記タイヤ内腔Hに向く内面に連
続して配されるインナーライナーゴム層10とを具える
とともに、該インナーライナーゴム層10の内面には、
補助ゴム層11が形成される。
3間に跨がるカーカス6と、このカーカス6の半径方向
外側かつトレッド部5の内方に配されるブレーカ層7
と、前記カーカス6の前記タイヤ内腔Hに向く内面に連
続して配されるインナーライナーゴム層10とを具える
とともに、該インナーライナーゴム層10の内面には、
補助ゴム層11が形成される。
【0015】前記カーカス6は、前記トレッド部5から
サイドウォール部4をへてビードコア2に至りのびるこ
とによってタイヤ内腔Hを囲むトロイド状の本体部6A
と、この本体部6Aに連なり前記ビードコア2の廻りを
タイヤの内から外に折返される折返し部6Bとを有す
る。又カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに
対して、本例では75〜90度の角度で配列した1枚以
上のカーカスプライから形成される。なおカーカスプラ
イは前記カーカスコードの配列体を、例えばスチレン・
ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン(BR)等のジ
エン系合成ゴム及び天然ゴム(NR)もしくはこれらを
混合したプライゴムで被覆する。又カーカスコードとし
ては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維コード及びスチール等の金属繊維コ
ードが使用でき、要求するタイヤ性能等に応じてコード
材質及びプライ枚数が設定される。
サイドウォール部4をへてビードコア2に至りのびるこ
とによってタイヤ内腔Hを囲むトロイド状の本体部6A
と、この本体部6Aに連なり前記ビードコア2の廻りを
タイヤの内から外に折返される折返し部6Bとを有す
る。又カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに
対して、本例では75〜90度の角度で配列した1枚以
上のカーカスプライから形成される。なおカーカスプラ
イは前記カーカスコードの配列体を、例えばスチレン・
ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン(BR)等のジ
エン系合成ゴム及び天然ゴム(NR)もしくはこれらを
混合したプライゴムで被覆する。又カーカスコードとし
ては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維コード及びスチール等の金属繊維コ
ードが使用でき、要求するタイヤ性能等に応じてコード
材質及びプライ枚数が設定される。
【0016】又前記カーカスの本体部6Aと折返し部6
Bとの間には、前記ビードコア2からタイヤ半径方向外
方に立上がる断面三角形状の硬質ゴムからなるビードエ
ーペックス8が配置される。ビードエーペックス8は、
ビードベースラインLからの上端高さH1を、リムフラ
ンジの高さH2より大、本例では、リムフランジの高さ
H2の2.0〜3.0倍程度とすることにより、ビード
部3からサイドウォール部4に至り補強しかつタイヤ横
剛性を高めている。又ビードエーペックス上端は、前記
サイドウォール部4がタイヤ軸方向外側に最も張り出す
タイヤ外面上の点である最大巾点Kよりも半径方向下方
で終端する。
Bとの間には、前記ビードコア2からタイヤ半径方向外
方に立上がる断面三角形状の硬質ゴムからなるビードエ
ーペックス8が配置される。ビードエーペックス8は、
ビードベースラインLからの上端高さH1を、リムフラ
ンジの高さH2より大、本例では、リムフランジの高さ
H2の2.0〜3.0倍程度とすることにより、ビード
部3からサイドウォール部4に至り補強しかつタイヤ横
剛性を高めている。又ビードエーペックス上端は、前記
サイドウォール部4がタイヤ軸方向外側に最も張り出す
タイヤ外面上の点である最大巾点Kよりも半径方向下方
で終端する。
【0017】又ブレーカ層7は、例えばスチール等の高
強力のベルトコードをタイヤ赤道Cに対して10〜30
度の角度で配列した少なくとも2枚のブレーカプライか
ら形成される。本例ではブレーカ層7は、内外2枚のプ
ライ7a、7bからなり、各コードはプライ間相互で交
差するとともに、ブレーカ巾BWをトレッド巾TWの
0.8倍より大とすることによりトレッド部5をそのほ
ぼ全巾に亘りタガ効果を有して補強している。ここでブ
レーカ巾BWとは、ブレーカプライの最大巾であって、
本例では外のプライ7bを内のプライ7aより巾狭とす
ることによって、内のプライ7aのプライ巾がブレーカ
巾BWと一致する。
強力のベルトコードをタイヤ赤道Cに対して10〜30
度の角度で配列した少なくとも2枚のブレーカプライか
ら形成される。本例ではブレーカ層7は、内外2枚のプ
ライ7a、7bからなり、各コードはプライ間相互で交
差するとともに、ブレーカ巾BWをトレッド巾TWの
0.8倍より大とすることによりトレッド部5をそのほ
ぼ全巾に亘りタガ効果を有して補強している。ここでブ
レーカ巾BWとは、ブレーカプライの最大巾であって、
本例では外のプライ7bを内のプライ7aより巾狭とす
ることによって、内のプライ7aのプライ巾がブレーカ
巾BWと一致する。
【0018】又前記インナーライナーゴム層10は、カ
ーカス本体部6Aのタイヤ内腔Hに向く内面に貼着する
薄肉層であって、ゴム成分のうちブチルゴム(IIR)
の含有量を最大としたゴム組成体からなり、高い耐空気
透過性を発揮し、エア・リークを防止する。なおブチル
のゴム組成体は、ゴム100重量部に対して前記ブチル
ゴム(IIR)を50重量部以上、より好ましくは60
重量部以上含有することが耐エア・リーク性の点で望ま
しい。又ブチルの組成体に含む他のゴム成分としては、
前記ジエン系合成ゴムの他、天然ゴム(NR)及びこれ
らの混合物が使用できる。
ーカス本体部6Aのタイヤ内腔Hに向く内面に貼着する
薄肉層であって、ゴム成分のうちブチルゴム(IIR)
の含有量を最大としたゴム組成体からなり、高い耐空気
透過性を発揮し、エア・リークを防止する。なおブチル
のゴム組成体は、ゴム100重量部に対して前記ブチル
ゴム(IIR)を50重量部以上、より好ましくは60
重量部以上含有することが耐エア・リーク性の点で望ま
しい。又ブチルの組成体に含む他のゴム成分としては、
前記ジエン系合成ゴムの他、天然ゴム(NR)及びこれ
らの混合物が使用できる。
【0019】又インナーライナーゴム層10は、カーカ
ス6の内面全面に亘って略一定の厚さt1を有して延在
し、この厚さt1は、好ましくは0.5〜1.0mmの範
囲とする。なお0.5mmより小の時耐エア・リーク性が
不十分となり、逆に1.0mmをこえると過剰品質となり
タイヤ重量を不必要に増加する。
ス6の内面全面に亘って略一定の厚さt1を有して延在
し、この厚さt1は、好ましくは0.5〜1.0mmの範
囲とする。なお0.5mmより小の時耐エア・リーク性が
不十分となり、逆に1.0mmをこえると過剰品質となり
タイヤ重量を不必要に増加する。
【0020】又前記補助ゴム層11は、ゴム成分のうち
天然ゴム又は前記ジエン系合成ゴムの含有量を最大とし
たゴム組成体からなり、ゴム100重量部に対して、前
記天然ゴム及びジエン系合成ゴムの合計の重さが50重
量部以上より好ましくは60重量部以上含有することが
好ましい。なお他のゴム成分として、ブチルゴム(II
R)を補助ゴム層11に含有させることができる。
天然ゴム又は前記ジエン系合成ゴムの含有量を最大とし
たゴム組成体からなり、ゴム100重量部に対して、前
記天然ゴム及びジエン系合成ゴムの合計の重さが50重
量部以上より好ましくは60重量部以上含有することが
好ましい。なお他のゴム成分として、ブチルゴム(II
R)を補助ゴム層11に含有させることができる。
【0021】又前記補助ゴム層11は、前記トレッド部
5のタイヤ軸方向外端5eの近傍Y1から前記最大巾点
Kの近傍Y2の間に延在し、0.3〜1.0mmの範囲の
最大ゴム厚さをt2有するとともに、タイヤ半径方向の
外方及び内方に向かってゴム厚さを漸減している。
5のタイヤ軸方向外端5eの近傍Y1から前記最大巾点
Kの近傍Y2の間に延在し、0.3〜1.0mmの範囲の
最大ゴム厚さをt2有するとともに、タイヤ半径方向の
外方及び内方に向かってゴム厚さを漸減している。
【0022】ここでトレッド外端5eの近傍Y1とは、
前記トレッド外端5eを通るカーカス6への法線N1に
対して10mm以下の隔たりをなす位置であって、補助ゴ
ム層11の半径方向外端は、好ましくは前記法線N1の
位置、より好ましくは法線N1より半径方向内方で終端
させる。
前記トレッド外端5eを通るカーカス6への法線N1に
対して10mm以下の隔たりをなす位置であって、補助ゴ
ム層11の半径方向外端は、好ましくは前記法線N1の
位置、より好ましくは法線N1より半径方向内方で終端
させる。
【0023】又最大巾点Kの近傍Y2とは、同様に最大
巾点Kを通るカーカス6への法線N2に対して10mm以
下の隔たりをなす位置であって、補助ゴム層11の半径
方向内端は、好ましくは前記法線N2の位置、より好ま
しくは法線N2より半径方向外方で終端させる。
巾点Kを通るカーカス6への法線N2に対して10mm以
下の隔たりをなす位置であって、補助ゴム層11の半径
方向内端は、好ましくは前記法線N2の位置、より好ま
しくは法線N2より半径方向外方で終端させる。
【0024】このように、タイヤ変形が最も大であり損
傷が生じやすくかつエアーリークの割合が極めて高い前
記Y1〜Y2間の領域を、補助ゴム層11によって補強
しているため、耐久性、気密性を保持しながら、インナ
ーライナーゴム層10を薄肉化でき、タイヤ重量及び転
動抵抗の低減を達成しうる。
傷が生じやすくかつエアーリークの割合が極めて高い前
記Y1〜Y2間の領域を、補助ゴム層11によって補強
しているため、耐久性、気密性を保持しながら、インナ
ーライナーゴム層10を薄肉化でき、タイヤ重量及び転
動抵抗の低減を達成しうる。
【0025】つぎに第2の発明である前記空気入りタイ
ヤ1の製造方法について説明する。製造方法は、空気入
りタイヤ1用の生タイヤ1Tを、成形金型20と成形ブ
ラダ21とを用いて加硫成形するものであって、成形金
型20には、空気入りタイヤ1の外側輪郭形状に略等し
い成形面22Sを有する孔部22を具える。
ヤ1の製造方法について説明する。製造方法は、空気入
りタイヤ1用の生タイヤ1Tを、成形金型20と成形ブ
ラダ21とを用いて加硫成形するものであって、成形金
型20には、空気入りタイヤ1の外側輪郭形状に略等し
い成形面22Sを有する孔部22を具える。
【0026】又前記成形金型20は、一方のサイドウォ
ール部4と一方のビード部3を形成する上型20A、他
方のサイド部4と他方のビード部3を形成する下型20
B、およびトレッド部5を形成できかつ複数片に周方向
に分離可能なセグメント20Cとからなり、上型20A
とセグメント20Cとをプレスのラム側に、又下型20
Bをベッド側にそれぞれ取付けることによって、プレス
のラムの昇降により上型20A、下型20B及びセグメ
ント20Cは互いに合体及び分離ができ、合体すること
により前記孔部22が形成される。
ール部4と一方のビード部3を形成する上型20A、他
方のサイド部4と他方のビード部3を形成する下型20
B、およびトレッド部5を形成できかつ複数片に周方向
に分離可能なセグメント20Cとからなり、上型20A
とセグメント20Cとをプレスのラム側に、又下型20
Bをベッド側にそれぞれ取付けることによって、プレス
のラムの昇降により上型20A、下型20B及びセグメ
ント20Cは互いに合体及び分離ができ、合体すること
により前記孔部22が形成される。
【0027】前記成形ブラダ21は、ゴム組成物、合成
樹脂等を用いて形成された弾性シート体であり、本実施
例では継目のない1枚のシートを所定の形状に整形し形
成される。又成形ブラダ21は、生タイヤ1Tの内腔面
HSに接する外向き面21Sに離型剤27の塗布が施さ
れる。
樹脂等を用いて形成された弾性シート体であり、本実施
例では継目のない1枚のシートを所定の形状に整形し形
成される。又成形ブラダ21は、生タイヤ1Tの内腔面
HSに接する外向き面21Sに離型剤27の塗布が施さ
れる。
【0028】離型剤27は、例えばオルガノポリキサン
を主成分としてなり、本例では、ガソリン等の溶剤を用
いて溶解して液状化するとともに、吹き付けガンを用い
て前記外向き面21Sに均等に吹付けることにより塗布
する。なお生タイヤ1Tの内腔面HSには、この離型剤
27の塗布は行ってはならない。
を主成分としてなり、本例では、ガソリン等の溶剤を用
いて溶解して液状化するとともに、吹き付けガンを用い
て前記外向き面21Sに均等に吹付けることにより塗布
する。なお生タイヤ1Tの内腔面HSには、この離型剤
27の塗布は行ってはならない。
【0029】然して、成形金型20の上型20Aと下型
20Bとを図3に示すように、分離状態に保持してその
孔部22に生タイヤ1Tを装着する。さらにこの装着さ
れた生タイヤ1Tの内腔面HSに沿って、成形ブラダ2
1を、離型剤27が塗布された外向き面21Sが生タイ
ヤ1Tの内腔面HSと向き合う向きに生タイヤ1T内に
装着し、かつプレスのラムを作動し上型20A、下型2
0Bを合体させる。
20Bとを図3に示すように、分離状態に保持してその
孔部22に生タイヤ1Tを装着する。さらにこの装着さ
れた生タイヤ1Tの内腔面HSに沿って、成形ブラダ2
1を、離型剤27が塗布された外向き面21Sが生タイ
ヤ1Tの内腔面HSと向き合う向きに生タイヤ1T内に
装着し、かつプレスのラムを作動し上型20A、下型2
0Bを合体させる。
【0030】この合体により成形金型20の孔部22に
は、内腔面HSが成形ブラダ21によって覆われた生タ
イヤ1Tが密閉される。
は、内腔面HSが成形ブラダ21によって覆われた生タ
イヤ1Tが密閉される。
【0031】然る後、成形金型20の前記孔部22に高
温、高圧の気体又は液体を注入することによって、成形
ブラダ5を膨出させ、その押圧により生タイヤ1Tは孔
部22の成形面22Sに押付けられ加硫処理と成形とが
同時に行われ、生タイヤ1Tは加硫、成形ずみの空気タ
イヤ1に形成される。
温、高圧の気体又は液体を注入することによって、成形
ブラダ5を膨出させ、その押圧により生タイヤ1Tは孔
部22の成形面22Sに押付けられ加硫処理と成形とが
同時に行われ、生タイヤ1Tは加硫、成形ずみの空気タ
イヤ1に形成される。
【0032】前記成形、加硫処理が完了した後、ラムを
上昇し上型20Aと下型20Bとを分離するとともに、
成形金型20から成形ブラダ21が添着した前記空気入
りタイヤ1を取出す。
上昇し上型20Aと下型20Bとを分離するとともに、
成形金型20から成形ブラダ21が添着した前記空気入
りタイヤ1を取出す。
【0033】さらにこの空気入りタイヤ1と成形ブラダ
21とを分離するのであるが、成形ブラダ21は前述の
如く離型剤27の塗布が施されているため、成形ブラダ
21は容易に空気入りタイヤ1から剥離できる。又、離
型剤27の塗布が均等であるため加硫処理中に生タイヤ
1が不均一に成形ブラダ21と相対移動するのを防止で
きる。しかも、生タイヤ1Tの内腔面HSに離型剤27
を直接塗布していた従来の製法のごとく、インナーライ
ナーゴム層10自体の継ぎ目内及びインナーライナーゴ
ム層10と補助ゴム層11との間の継ぎ目内に、離形剤
が浸入することがないため、インナーライナーゴム層1
0でのクラックの発生及び補助ゴム層11の剥離損傷を
効果的に防止できる。
21とを分離するのであるが、成形ブラダ21は前述の
如く離型剤27の塗布が施されているため、成形ブラダ
21は容易に空気入りタイヤ1から剥離できる。又、離
型剤27の塗布が均等であるため加硫処理中に生タイヤ
1が不均一に成形ブラダ21と相対移動するのを防止で
きる。しかも、生タイヤ1Tの内腔面HSに離型剤27
を直接塗布していた従来の製法のごとく、インナーライ
ナーゴム層10自体の継ぎ目内及びインナーライナーゴ
ム層10と補助ゴム層11との間の継ぎ目内に、離形剤
が浸入することがないため、インナーライナーゴム層1
0でのクラックの発生及び補助ゴム層11の剥離損傷を
効果的に防止できる。
【0034】さらに生タイヤ1Tには離型剤塗布処理が
施されないため、従来のような離型剤のタイヤ外周面へ
のはみ出しがなく、完成された空気入りタイヤ1の見映
えの低下を抑制しうるのである。
施されないため、従来のような離型剤のタイヤ外周面へ
のはみ出しがなく、完成された空気入りタイヤ1の見映
えの低下を抑制しうるのである。
【0035】
【発明の効果】第1の発明の空気入りタイヤは叙上のご
とく構成しているため、耐久性、内圧保持性を損ねるこ
となくタイヤの軽量化及び転動抵抗の低減化を達成で
き、又第2の発明は、成形ブレダ側に離型剤を塗布して
いるため、補助ゴム層の剥離損傷を招くことなく第1の
発明である空気入りタイヤを能率よく形成できる。
とく構成しているため、耐久性、内圧保持性を損ねるこ
となくタイヤの軽量化及び転動抵抗の低減化を達成で
き、又第2の発明は、成形ブレダ側に離型剤を塗布して
いるため、補助ゴム層の剥離損傷を招くことなく第1の
発明である空気入りタイヤを能率よく形成できる。
【図1】第1の発明の空気入りタイヤの一実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】第2の発明である空気入りタイヤの製造方法を
説明する成形金型の断面図である。
説明する成形金型の断面図である。
【図3】成形金型の上、下型が離間した状態を示す断面
図である。
図である。
1 空気入りタイヤ 1T 生タイヤ 2 ビードコア 3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 5e トレッド部の外端 6 カーカス 10 インナーライナー層 11 補助ゴム層 20 成形金型 21 成形ブラダ 22S 成形面 27 離型剤 H タイヤ内腔 HS タイヤ内腔面 K 最大巾点 Y1、Y2 近傍
Claims (2)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアの廻りで折り返されタイヤ内腔を囲
むカーカスと、このカーカスのタイヤ内腔に向く内面に
連続して配されるインナーライナーゴム層とを具え、該
インナーライナーゴム層の内面に、かつ前記サイドウォ
ール部がタイヤ軸方向外側に最も張り出す最大巾点の近
傍と前記トレッド部のタイヤ軸方向外端の近傍との間の
領域に、補助ゴム層を設けるとともに、前記インナーラ
イナーゴム層はゴム成分のうちブチルゴムの含有量を最
大としたゴム組成体からなり、かつ補助ゴム層はゴム成
分のうち天然ゴム又はジエン系合成ゴムの含有量を最大
としたゴム組成体から形成される空気入りタイヤ。 - 【請求項2】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアの廻りで折り返されタイヤ内腔を囲
むカーカスと、このカーカスのタイヤ内腔に向く内面に
連続して配されるインナーライナーゴム層とを具え、該
インナーライナーゴム層の内面に、かつ前記サイドウォ
ール部がタイヤ軸方向外側に最も張り出す最大巾点の近
傍と前記トレッド部のタイヤ軸方向外端の近傍との間の
領域に、補助ゴム層を設けるとともに、前記インナーラ
イナーゴム層はゴム成分のうちブチルゴムの含有量を最
大としたゴム組成体からなり、かつ補助ゴム層はゴム成
分のうち天然ゴム又はジエン系合成ゴムの含有量を最大
としたゴム組成体から形成される空気入りタイヤの製造
方法であって、 タイヤ成形用の成形面を有する成形金型と、この成形金
型内に装着される生タイヤのタイヤ内腔で膨出すること
により前記生タイヤを前記成形金型の成形面に押圧して
成形する成形ブラダとを用いるとともに、タイヤ内腔面
に離型剤を塗布することなくこのタイヤ内腔面と接する
前記成形ブラダの外向き面に、離型剤を塗布したことを
特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6189826A JP2883542B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6189826A JP2883542B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0825908A true JPH0825908A (ja) | 1996-01-30 |
JP2883542B2 JP2883542B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=16247862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6189826A Expired - Lifetime JP2883542B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2883542B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001260609A (ja) * | 2000-03-15 | 2001-09-26 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
KR100425835B1 (ko) * | 2001-08-28 | 2004-04-03 | 금호타이어 주식회사 | 인너라이너의 상 ·하측 가류도가 다른 공기입 타이어 |
WO2009069386A1 (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-04 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | モトクロス用空気入りタイヤ |
US20140027042A1 (en) * | 2011-05-13 | 2014-01-30 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Method for manufacturing pneumatic tire |
JP2014083894A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP2015036277A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-23 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1994
- 1994-07-19 JP JP6189826A patent/JP2883542B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001260609A (ja) * | 2000-03-15 | 2001-09-26 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
KR100425835B1 (ko) * | 2001-08-28 | 2004-04-03 | 금호타이어 주식회사 | 인너라이너의 상 ·하측 가류도가 다른 공기입 타이어 |
WO2009069386A1 (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-04 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | モトクロス用空気入りタイヤ |
US20140027042A1 (en) * | 2011-05-13 | 2014-01-30 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Method for manufacturing pneumatic tire |
JP2014083894A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP2015036277A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-23 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2883542B2 (ja) | 1999-04-19 |
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