JP2014144651A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プライ本体部(6a)及びプライ折り返し部(6b)からなる少なくとも一枚のプライによるカーカス(6)を備え、リム離反点(F)からサイドウォール部のタイヤ最大幅位置(P3)までのタイヤ外表面に、タイヤ軸方向内側に凹となる凹部(7)を有する空気入りタイヤであり、非リム組状態におけるタイヤ軸方向断面において、第一交点(P1)及び第二交点(P2)の2つの交点を通るビード背面部の外表面直線(L1)と、タイヤ軸方向(X)とがなす角度αは、70〜100°である。
【選択図】図2
Description
そこで、上述のように、タイヤの軽量化を享受しつつ、同時に、プライ端セパレーションが発生すること無く、高い次元でのタイヤの耐久性能を確保することが求められていた。
(1)本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部とを連ねて成り、前記ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在するプライ本体部と、該プライ本体部から延びて各ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプライ折り返し部とからなる少なくとも一枚のプライによるカーカスを備え、さらに、リム離反点から前記サイドウォール部のタイヤ最大幅位置までのタイヤ外表面にタイヤ軸方向内側に凹となる凹部を有する空気入りタイヤであって、
リムに組み付けておらず且つ前記一対のビード部間の幅を規定リム幅とした、非リム組状態における、タイヤ軸方向断面において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点の、2つの交点を通るビード背面部の外表面直線と、タイヤ軸方向とが成す角度αは70〜100°であることを特徴とする。
プライ折り返し部6bは、ビードコア5の周囲に、ビードコア5の外表面に沿って巻き回されることなく、ビードコア5に沿って折り返された後、この実施形態ではプライ本体部6aと略平行に、タイヤ径方向外側へ延びている。
凹部7は、このリム離反点F及びタイヤ最大幅位置P3との間のタイヤ径方向領域のタイヤの外表面に、当該領域にその全体が含まれるように、当該領域の少なくとも一部、本実施形態ではビード部4の近傍に設けられており、タイヤ軸方向内側に向かって凹となるように、肉抜きされて形成されている。
ここで、本発明において、ビードコア5の重心C5とは、重量を加味した実際の重心ではなく、断面形状自体の重心を指すものとする。また、ビード部間の幅を規定リム幅にするとは、タイヤ1のビード部4、4の、各ビードヒール部8、8間の幅方向距離を、前述のJATMA等に規定されたリム幅(タイヤの性能を引き出すのに適したリム幅)にすることであり、角度αは、当該状態で計測した値である。また、角度αとは、ビード背面部の外表面直線L1とタイヤ軸方向Xとが成す角度のうち、ビード背面部の外表面直線L1よりタイヤ軸方向外側であり、且つ、第一交点P1を通りタイヤ軸方向に平行な直線よりもタイヤ径方向外側に位置する角度のことを言う。
前述の通り、リム離反点からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向領域内のサイドゴムに凹部を設けた場合、タイヤの軽量化を図ることはできるが、サイドゴムの厚みが減少してビード部の剛性が低下することから、タイヤをリムに対して装着すると、タイヤがリムに押し付けられてリムフランジから反力を受け、ビード部のゴムが変形し易くなる。
また、サイドゴムの一部のタイヤ外表面の形状を、タイヤ内側に凸とすることにより、ゴム量を低減して、タイヤの軽量化を図ることができる。
また、例えば凹部7は、図4に示すように一つの円弧のみによって描かれるものではなく、複数の円弧によって画定されるものであってもよい。また、タイヤ外表面の形状を画定する曲率中心及び曲率半径は、図4に示した例に限られるものではない。
なお、角度βとは、プライ折り返し部傾斜線L2とタイヤ軸方向Xとが成す角度のうち、プライ折り返し部傾斜線L2よりタイヤ軸方向外側であり、且つ、第三交点P7を通りタイヤ軸方向に平行な直線よりもタイヤ径方向外側に位置する角度のことを言う。
なお、角度βを70°以上とするのは、この角度以上とした場合に、端部9がリムフランジ20から十分に離隔し、端部9での歪みの発生を抑制することができるからである。一方、角度βを100°以下とするのは、100°超としてしまうと、端部9がビードコア5に接触するおそれがあり、また、折り返し部6bをビードコア5に巻き回す構造にすると、製造コストが高くなる場合があるからである。そして、110°超としてしまうと、端部9がプライ本体部6aに近づき過ぎて、プライ本体部6aの変形に起因するプライ折り返し部6bの歪が大きくなってしまうからである。
なお、最大離間距離tmaxを、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの10〜30%の長さとするのは、10%以上とすることにより、リムフランジの反力によりビード部のゴム変形が生じた場合であっても、プライ折り返し部6bの端部9への影響が低減されるからであり、一方、30%以下とすることにより、急激な剛性段差を無くし、かつ端部9がプライ本体部6aへ近づき過ぎるのを防ぎ端部9の歪を抑制できるからである。
なお、ビードベース幅Wを、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの200%未満とすると、ビード背面部における負荷が増えて、リムフランジからの反力が大きくなる。そのため、端部9への影響が大きくなり、端部9での歪が増大してしまう。また、260%超とすると、ビード部のゴム重量が増えて、軽量化に反する上、ビード部の体積が増大して、発熱が増加する虞がある。
実施例2〜14のタイヤは、各諸元を表1に示す値に変化させた以外は、実施例1のタイヤの構造に準ずるものである。
比較例1のタイヤは、ビード背面部のタイヤ外表面の角度αが60°であること以外は、実施例1のタイヤの構造に準ずるものである。
また、比較例2のタイヤは、ビード背面部のタイヤ外表面の角度αが110°であること以外は、実施例1のタイヤ1の構造に準ずるものである。
また、表1のタイヤ重量低減量(kg)とは、凹部を有していないタイヤを基準とし、そのタイヤからの低減量(ゴム重量(kg))を表したものである。
また、実施例のタイヤは、比較例2のタイヤと比較して、プライ端部が外表面に近過ぎるため、劣化性、外傷性が低下することが確認された。
(1)本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部とを連ねて成り、前記ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在するプライ本体部と、該プライ本体部から延びて各ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプライ折り返し部とからなる少なくとも一枚のプライによるカーカスを備え、さらに、リム離反点から前記サイドウォール部のタイヤ最大幅位置までのタイヤ外表面にタイヤ軸方向内側に凹となる凹部を有する空気入りタイヤであって、 リムに組み付けておらず且つ前記一対のビード部間の幅を規定リム幅とした、非リム組状態における、タイヤ軸方向断面において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点の、2つの交点を通るビード背面部の外表面直線と、タイヤ軸方向とが成す角度αは70〜100°であり、
前記非リム組状態において、前記凹部を含むタイヤ径方向領域内の少なくとも一部にて、ゴム厚みが、タイヤ径方向外側に向かって漸減し、その後タイヤ径方向外側に向かってタイヤ断面高さの1/2までのタイヤ径方向領域に亘り、一定の厚みである
ことを特徴とする。
EAR BOOK、欧州ではETRO(European Tire and Rim Technical Organization)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association Inc.)YEAR BOOK等に、タイヤサイズに応じて規定された標準リムのことである。また、正規最大内圧とは、上記のJATMA等に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧のことである。また、一対のビード部間の幅を規定リム幅にするとは、一対のビード部の、各ビードヒール部間のタイヤ軸方向距離を、前述のJATMA等に規定されたリム幅(タイヤの性能を引き出すのに適したリム幅)にすることを言う。
なお、ゴム厚みとは、タイヤ内の部材のコード表面からタイヤ外表面までのゴムの最短距離のことである。部材のコード表面とは、カーカスやチェーファー等、領域毎に存在する各部材のうち、最もタイヤ外表面に近いコード表面のことを言う。また、一定の厚みであるとは、その領域内での最大ゴム厚み及び最小ゴム厚みが、平均ゴム厚みの±10%の範囲内であることを意味する。
更に、かかる構成によれば、ビード部近傍ではゴム厚みを確保してカーカスのプライ折り返し部の端部への歪集中を回避しつつ、ビード部よりもタイヤ径方向外側のゴム厚みを減じることにより、タイヤの軽量化をより十分に図ることができる。
Claims (9)
- トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部とを連ねて成り、前記ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在するプライ本体部と、該プライ本体部から延びて各ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプライ折り返し部とからなる少なくとも一枚のプライによるカーカスを備え、さらに、リム離反点から前記サイドウォール部のタイヤ最大幅位置までのタイヤ外表面にタイヤ軸方向内側に凹となる凹部を有する空気入りタイヤであって、
リムに組み付けておらず且つ前記一対のビード部間の幅を規定リム幅とした、非リム組状態における、タイヤ軸方向断面において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点の、2つの交点を通るビード背面部の外表面直線と、タイヤ軸方向とが成す角度αは70〜100°であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記非リム組状態において、タイヤ外表面は、ビードヒール部から前記タイヤ最大幅位置までの間でタイヤ径方向外側に向かって順に、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧と、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向外側に在る一以上の円弧と、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧とで画定されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記非リム組状態において、前記凹部を含むタイヤ径方向領域内の少なくとも一部にて、ゴム厚みが、タイヤ径方向外側に向かって漸減し、その後タイヤ径方向外側に向かってタイヤ断面高さの1/2までのタイヤ径方向領域に亘り、一定の厚みである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記非リム組状態において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線と前記プライ折り返し部との交点である第三交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線と前記プライ折り返し部との交点である第四交点の、2つの交点を通るプライ折り返し部傾斜線と、タイヤ軸方向とが成す角度βは70°〜100°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤを規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し且つ無負荷の状態であるリム組状態において、タイヤ外表面及びリムフランジ間のタイヤ軸方向の離間距離は、タイヤ径方向外側に向かって漸増するとともに、該離間距離の最大離間距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の10〜30%の長さであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記非リム組状態において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線上の、タイヤ軸方向のゴム厚みは、前記ビードコアの重心を通りタイヤ径方向に平行に引いた直線上の、タイヤ径方向のゴム厚みの70〜300%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記非リム組状態において、前記ビード部のビードベース幅は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の200〜260%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記非リム組状態において、前記ビード背面部の外表面直線と前記ビード部のビードベース部の接線との交点から、前記プライ折り返し部の端部までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の100〜225%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記非リム組状態において、前記ビード背面部の外表面直線と前記ビード部のビードベース部の接線との交点から、前記プライ折り返し部の端部までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の135〜200%であることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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