JP2014144651A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの軽量化を実現すると同時に、優れた耐久性を確保し得る空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】プライ本体部(6a)及びプライ折り返し部(6b)からなる少なくとも一枚のプライによるカーカス(6)を備え、リム離反点(F)からサイドウォール部のタイヤ最大幅位置(P)までのタイヤ外表面に、タイヤ軸方向内側に凹となる凹部(7)を有する空気入りタイヤであり、非リム組状態におけるタイヤ軸方向断面において、第一交点(P)及び第二交点(P)の2つの交点を通るビード背面部の外表面直線(L)と、タイヤ軸方向(X)とがなす角度αは、70〜100°である。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
近年、環境への配慮及び経済性の観点から、自動車の燃費を向上することが求められている。このような背景の下、タイヤにおいては、転がり抵抗を低減することが希求されており、そのために、タイヤの構成部材や各部材の重量を削減することが行われている。
タイヤの重量削減の方途としては、ゴムの使用量を低減することが有効であり、特許文献1では、ゴム使用量の多いビード部近傍のサイドゴムにつき、タイヤ最大幅位置とタイヤ外表面がリムフランジから離れるリム離反点との間の、タイヤの外表面をタイヤ軸方向内側に抉って凹部を設けることで、凹部の体積分のゴムを低減し、これによりタイヤ重量を低減することが提案されている。
特開2000−158919号公報
しかしながら、特許文献1のように、ビード部近傍のタイヤ外表面に凹部を設けると、サイドゴムの厚みが減少してビード部の剛性が低下することから、タイヤをリムに対して押し付けて装着した際に、リムフランジからの反力を受けてビード部が変形し、このビード部変形の影響によってカーカスプライの端部に歪みが生じて、その結果、プライ端セパレーションが発生するおそれがある。
そこで、上述のように、タイヤの軽量化を享受しつつ、同時に、プライ端セパレーションが発生すること無く、高い次元でのタイヤの耐久性能を確保することが求められていた。
従って本発明の目的は、タイヤの軽量化を実現すると同時に、優れた耐久性を確保し得る空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成すべく発明者が鋭意研究を重ねた結果、ビード部近傍のサイドゴムに凹部を設けた場合にあっても、ビード部のタイヤ外表面の形状を工夫することによればビード部変形によるカーカスプライの端部への影響を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部とを連ねて成り、前記ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在するプライ本体部と、該プライ本体部から延びて各ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプライ折り返し部とからなる少なくとも一枚のプライによるカーカスを備え、さらに、リム離反点から前記サイドウォール部のタイヤ最大幅位置までのタイヤ外表面にタイヤ軸方向内側に凹となる凹部を有する空気入りタイヤであって、
リムに組み付けておらず且つ前記一対のビード部間の幅を規定リム幅とした、非リム組状態における、タイヤ軸方向断面において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点の、2つの交点を通るビード背面部の外表面直線と、タイヤ軸方向とが成す角度αは70〜100°であることを特徴とする。
ここで、リム離反点とは、規定リムにタイヤを組付け、タイヤサイズに応じて規定された正規最大内圧を充填し、且つ無負荷の状態にした際に、タイヤの外表面がリムフランジとの接触状態から離れる点のことを言う。なお、規定リムとは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本では日本自動車タイヤ協会のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRO(European Tire and Rim Technical Organization)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association Inc.)YEAR BOOK等に、タイヤサイズに応じて規定された標準リムのことである。また、正規最大内圧とは、上記のJATMA等に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧のことである。また、一対のビード部間の幅を規定リム幅にするとは、一対のビード部の、各ビードヒール部間のタイヤ軸方向距離を、前述のJATMA等に規定されたリム幅(タイヤの性能を引き出すのに適したリム幅)にすることを言う。
本発明の構成によれば、カーカスのプライ折り返し部の端部をリムフランジからの反力を受ける領域から離隔して、折り返し部の端部への負荷を抑制することができるため、サイドゴムに凹部を形成することによるタイヤの軽量化の効果を享受しつつ、同時に、優れたタイヤの耐久性を確保することが可能となる。
(2)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、タイヤ外表面は、ビードヒール部から前記タイヤ最大幅位置までの間でタイヤ径方向外側に向かって順に、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧と、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向外側に在る一以上の円弧と、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧とで画定されることが好ましい。
かかる構成によれば、サイドゴム量を減じて、タイヤの軽量化を図ることができる。また、ビードヒール部近傍のビード部とリムフランジとを十分に接触させることにより、リムフランジの反力をビード部全体に分散させることができる。その結果、カーカスのプライ折り返し部の端部への負荷集中が抑制され、より優れたタイヤの耐久性を確保することが可能となる。
(3)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、前記凹部を含むタイヤ径方向領域内の少なくとも一部にて、ゴム厚みが、タイヤ径方向外側に向かって漸減し、その後タイヤ径方向外側に向かってタイヤ断面高さの1/2までのタイヤ径方向領域に亘り、一定の厚みであることが好ましい。
なお、ゴム厚みとは、タイヤ内の部材のコード表面からタイヤ外表面までのゴムの最短距離のことである。部材のコード表面とは、カーカスやチェーファー等、領域毎に存在する各部材のうち、最もタイヤ外表面に近いコード表面のことを言う。また、一定の厚みであるとは、その領域内での最大ゴム厚み及び最小ゴム厚みが、平均ゴム厚みの±10%の範囲内であることを意味する。
かかる構成によれば、ビード部近傍ではゴム厚みを確保してカーカスのプライ折り返し部の端部への歪集中を回避しつつ、ビード部よりもタイヤ径方向外側のゴム厚みを減じることにより、タイヤの軽量化をより十分に図ることができる。
(4)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線と前記プライ折り返し部との交点である第三交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線と前記プライ折り返し部との交点である第四交点の、2つの交点を通るプライ折り返し部傾斜線と、タイヤ軸方向とが成す角度βは70〜100°であることが好ましい。
このように、プライ折り返し部の角度を調節することによれば、リムフランジによる変形領域から、プライ折り返し部の端部を離隔することができ、該端部での歪みの発生を抑制することができる。また、カーカスのプライ折り返し部の端部をリムフランジからの反力を受ける領域から更に離隔して、折り返し部の端部への負荷を更に抑制することができるため、サイドゴムに凹部を形成することによるタイヤの軽量化の効果を享受しつつ、同時に、優れたタイヤの耐久性を十分に確保することができる。
(5)本発明の空気入りタイヤは、タイヤを規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し且つ無負荷の状態であるリム組状態において、タイヤ外表面及びリムフランジ間のタイヤ軸方向の離間距離は、タイヤ径方向外側に向かって漸増するとともに、該離間距離の最大離間距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の10〜30%の長さであることが好ましい。
なお、最大離間距離とは、フランジ端と、フランジ端を通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線とタイヤ外表面との接点との間のタイヤ軸方向距離のことを言う。
かかる構成によれば、タイヤとリムフランジとの接触領域が、従来よりもタイヤ径方向内側寄りとなるため、ビード部のゴム変形によるプライ折り返し部の端部への影響が低減され、プライ端セパレーションの発生をさらに抑制することが可能となる。
(6)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線上の、タイヤ軸方向のゴム厚みは、前記ビードコアの重心を通りタイヤ径方向に平行に引いた直線上の、タイヤ径方向のゴム厚みの70〜300%であることが好ましい。
かかる構成によれば、タイヤをリムに装着した際に、リムフランジからの反力をビードヒール部近傍のゴム全体で均一に受けることができる。その結果、プライ折り返し部の端部への影響が低減され、プライ端セパレーションの発生をさらに抑制することが可能となる。
(7)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、前記ビード部のビードベース幅は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の200〜260%であることが好ましい。
なお、ビードベース幅とは、ビード部のビードトゥから、ビードベース部の接線とビード背面部の外表面直線との交点までの長さのことを言う。
かかる構成によれば、タイヤをリムに装着した際に、ビードシート部に対してビードベース部を十分な面積で接触させることができ、リムフランジからの反力を、ビードベース部近傍のゴムで十分に吸収することができる。その結果、プライ折り返し部の端部への影響が低減され、プライ端セパレーションの発生をさらに抑制することが可能となる。ここで、ビードシート部とは、リム離反点におけるビード背面部の接線とビードシート部の延長線との交点から、ハンプに到るまでの、ビードシートのタイヤ軸方向の部分のことを言う。
(8)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、前記ビード背面部の外表面直線と前記ビード部のビードベース部の接線との交点から、前記プライ折り返し部の端部までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の100〜225%であることが好ましい。
かかる構成によれば、カーカスプライを短くしてタイヤの重量を低減できる。
(9)本発明の空気入りタイヤは、前記非リム組状態において、前記ビード背面部の外表面直線と前記ビード部のビードベース部の接線との交点から、前記プライ折り返し部の端部までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の135〜200%であることを特徴とする、前記(8)に記載の空気入りタイヤである。
かかる構成によれば、カーカスプライを短くしてタイヤの重量を低減できる。
本発明によれば、タイヤの軽量化を実現すると同時に、優れた耐久性を確保し得る空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る、非リム組状態における、本発明の空気入りタイヤのタイヤ軸方向断面を示す図である。 図1における、片側のビード部及びサイドウォール部の拡大図である。 (a)は、本発明に従う空気入りタイヤを規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し、規定荷重とした状態における、ビード部とリムフランジとの接触状態を示した図である。(b)は、従来の空気入りタイヤを規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し、規定荷重とした状態における、ビード部とリムフランジとの接触状態を示した図である。 図1における、片側のビード部及びサイドウォール部の拡大図である。 図1における、片側のビード部及びサイドウォール部の拡大図である。 規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し且つ無負荷の状態における、本発明の空気入りタイヤのタイヤ軸方向断面を示す図である。 図1における、片側のビード部及びサイドウォール部の拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に従う空気入りタイヤの一実施形態を詳細に説明する。
図1は、リムに組付ける前であり、且つ一対のビード部間の幅を規定リム幅とした状態(以下、「非リム組状態」と言う)における、本発明の空気入りタイヤ1(以下、「タイヤ」と呼ぶ)のタイヤ軸方向断面を示す図である。
タイヤ1は、トレッド部2と、一対のサイドウォール部3、3と、一対のビード部4、4を備えている。また、ビード部4、4に埋設された一対のビードコア5、5間にトロイド状に延在するプライ本体部6aと、該プライ本体部6aから延びて各ビードコア5、5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返したプライ折り返し部6bとからなる、少なくとも一枚のプライによるカーカス6を備えている。
プライ折り返し部6bは、ビードコア5の周囲に、ビードコア5の外表面に沿って巻き回されることなく、ビードコア5に沿って折り返された後、この実施形態ではプライ本体部6aと略平行に、タイヤ径方向外側へ延びている。
タイヤ1は、さらに、リム離反点Fからサイドウォール部3のタイヤ最大幅位置Pまでのタイヤ径方向領域内のタイヤ外表面に、タイヤ軸方向内側に凹となる凹部7を有している。
なお、図1において、タイヤ軸方向とは、矢印Xで示される方向であり、タイヤ径方向とは、矢印Yで示される方向である。また、サイドウォール部3のタイヤ最大幅位置Pとは、サイドウォール部3の、タイヤ軸方向の最外側端のことを言う。
凹部7は、このリム離反点F及びタイヤ最大幅位置Pとの間のタイヤ径方向領域のタイヤの外表面に、当該領域にその全体が含まれるように、当該領域の少なくとも一部、本実施形態ではビード部4の近傍に設けられており、タイヤ軸方向内側に向かって凹となるように、肉抜きされて形成されている。
このように、リム離反点Fからタイヤ最大幅位置Pまでのサイドゴム領域に対して凹部7を設けることにより、凹部7の体積分のゴム材を省くことができるため、タイヤの重量が低減され、ひいてはタイヤの転がり抵抗を低減することが可能となる。
次に示す図2は、図1における、片側のビード部4及びサイドウォール部3の一部を拡大した図である。
本発明にあっては、上記の構成に加えて、図2のタイヤ軸方向断面の、一対のビード部4、4間の幅を規定リム幅とした場合に、ビードコア5の重心Cを通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点Pと、ビードコア5のタイヤ径方向最外側端Pより該ビードコア5のタイヤ径方向最大幅aの50%タイヤ径方向外側の任意の点Pを通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点Pの、2つの交点P、Pを通るビード背面部の外表面直線Lと、タイヤ軸方向Xとが成す角度αが、70〜100°であることが肝要である。
ここで、本発明において、ビードコア5の重心Cとは、重量を加味した実際の重心ではなく、断面形状自体の重心を指すものとする。また、ビード部間の幅を規定リム幅にするとは、タイヤ1のビード部4、4の、各ビードヒール部8、8間の幅方向距離を、前述のJATMA等に規定されたリム幅(タイヤの性能を引き出すのに適したリム幅)にすることであり、角度αは、当該状態で計測した値である。また、角度αとは、ビード背面部の外表面直線Lとタイヤ軸方向Xとが成す角度のうち、ビード背面部の外表面直線Lよりタイヤ軸方向外側であり、且つ、第一交点Pを通りタイヤ軸方向に平行な直線よりもタイヤ径方向外側に位置する角度のことを言う。
図3(a)は、ビード背面部の外表面直線Lとタイヤ軸方向Xとが成す角度αを80°とした、本発明に従う空気入りタイヤ1を規定リムに装着し、正規最大内圧とし、規定荷重とした際の、ビード部4とリムフランジ20との接触状態を示した図である。一方、図3(b)は、ビード背面部の外表面直線Lとタイヤ軸方向Xとが成す角度αを60°とした、従来の空気入りタイヤ101を規定リムに装着し、正規最大内圧とし、規定荷重とした際の、ビード部40とリムフランジ200との接触状態を示した図である。
前述の通り、リム離反点からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向領域内のサイドゴムに凹部を設けた場合、タイヤの軽量化を図ることはできるが、サイドゴムの厚みが減少してビード部の剛性が低下することから、タイヤをリムに対して装着すると、タイヤがリムに押し付けられてリムフランジから反力を受け、ビード部のゴムが変形し易くなる。
まず、図3(b)に示すように、従来の空気入りタイヤ101にあっては、タイヤをリムに装着し、正規最大内圧とし、規定荷重とした際、ビード部40とリムフランジ200との接触領域S(ハッチ部分)は、ビードヒール部80からリムフランジ端200aの近傍にまで亘る領域となる。このように、プライ折り返し部60bの端部90が接触領域Sに近い位置にあることから、端部90は、リムフランジ200の反力による影響を受け易く、ビード部40の変形に伴って歪みが生じ、プライ端セパレーションが発生する場合があった。
これに対し、図3(a)に示す本発明の空気入りタイヤ1では、ビードヒール部8よりタイヤ径方向外側のタイヤ外表面、すなわちビード背面部の外表面の立ち上がり角度αを従来の空気入りタイヤ101よりも大きくしたことにより、ビード部4とリムフランジ20との接触領域S(ハッチ部分)が、従来の接触領域Sよりもタイヤ径方向内側に、すなわちビードヒール部8寄りに位置することとなる。その結果、プライ折り返し部6bの端部9は、接触領域Sから離隔されることになり、リムフランジ20の反力による端部9への影響が従来よりも格段に抑制されて、プライ端セパレーションが生じることの無い、耐久性の高い空気入りタイヤを実現することが可能となる。
このように、角度αが70〜100°となるようにビード背面部のタイヤ外表面を設定することを特徴とする本発明の構成によれば、タイヤをリムに装着し、正規最大内圧とし、規定荷重とした場合においても、リムフランジ20からの、プライ折り返し部6bの端部9への影響を極力低減することができ、その結果、耐久性を十分に確保した空気入りタイヤを提供することが可能となる。
ここで、角度αを70〜100°の範囲に設定するのは、70°以上とした場合に、折り返し部6bの端部9をリムフランジ20から十分に離隔して、端部9での歪み発生を抑制することができるからである。一方、100°以下とするのは、プライ本体部6aから端部9を離隔して、プライ本体部6aの変形により発生する歪を抑制することができるからである。
また、ビード背面部の外表面直線Lとタイヤ軸方向Xとが成す角度αは、80〜90°とすることがさらに好ましい。80°以上とすることで、折り返し部6bの端部9をリムフランジ20から十分に離隔して、端部9での歪み発生を更に抑制することができるからであり、一方、90°以下とすることで、プライ本体部6aから端部9を離隔して、プライ本体部6aの変形により発生する歪を更に抑制することができるからである。
また、本発明の空気入りタイヤにあっては、図4に示すように、非リム組状態において、タイヤ外表面が、ビードヒール部8からタイヤ最大幅位置Pまでの間で、タイヤ径方向外側に向かって順に、曲率中心Cが該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧と、曲率中心Cが該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向外側に在る一以上の円弧と、曲率中心Cが該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧とで画定されることが好ましい。
このように、ビードヒール部8のタイヤ外表面の形状をタイヤ外側に凸とすることにより、ビードヒール部8近傍のビード部4とリムフランジ20とを、接触領域S1の全体で十分に接触させることができるので、リムフランジ20の反力が当該領域S1の全体で分散される。その結果、カーカスのプライ折り返し部6bの端部9への負荷が低減され、プライ端セパレーションの発生を抑制することが可能となる。
また、サイドゴムの一部のタイヤ外表面の形状を、タイヤ内側に凸とすることにより、ゴム量を低減して、タイヤの軽量化を図ることができる。
なお、図4では、曲率中心をそれぞれC、C、Cとする3つの円弧のみを示したが、曲率中心Cの円弧及び曲率中心Cの円弧の間のタイヤ外表面は、他の曲率中心を有する複数の円弧によって、滑らかに連続するように描かれている。
また、例えば凹部7は、図4に示すように一つの円弧のみによって描かれるものではなく、複数の円弧によって画定されるものであってもよい。また、タイヤ外表面の形状を画定する曲率中心及び曲率半径は、図4に示した例に限られるものではない。
また、図4に示すように、非リム組状態において、凹部7を含むタイヤ径方向領域内の少なくとも一部にて、ゴム厚みdは、タイヤ径方向外側に向かって漸減し、その後タイヤ径方向外側に向かってタイヤ断面高さHの1/2までのタイヤ径方向領域に亘り、一定の厚みであることが好ましい。
ここで、ゴム厚みdとは、タイヤ内のカーカスやチェーファー等、その領域に存在する部材のうち、最もタイヤ外表面に近いコード表面からタイヤ外表面までのゴムの最短距離のことを言う。タイヤ断面高さHとは、ビードヒール部8からタイヤ径方向最外側端までのタイヤ径方向距離のことである。また、一定の厚みであるとは、漸減する部分の終端からタイヤ断面高さHの1/2までの領域内での、最大ゴム厚み及び最小ゴム厚みが、平均ゴム厚みの±10%の範囲内であることを意味する。
このように、ビード部4の近傍では、ゴム厚みを比較的厚く確保することで、リムフランジ20からの反力によって、カーカスの折り返し部6bの端部9へ歪みが集中することを回避することができる。また、ゴム厚みを漸減させて、この領域内でゴム厚みの差が生じるのを抑制することにより、ビード部の局所的な変形を防ぐことができ、更には、タイヤに空気を充填した際に、剛性、耐久性、操縦安定性等の性能を確保するために必要となる所定のゴム厚みを有する領域が、タイヤ軸方向外側の力を均等に受けることができ、良好な操縦安定性を確保することが可能となる。
さらに、図5に示すように、ビードコア5の重心Cを通りタイヤ軸方向に平行な直線とプライ折り返し部6bとの交点である第三交点Pと、ビードコア5のタイヤ径方向最外側端Pより該ビードコア5のタイヤ径方向最大幅aの50%タイヤ径方向外側の任意の点Pを通りタイヤ軸方向に平行な直線とプライ折り返し部6bとの交点である第四交点Pの、2つの交点P、Pを通るプライ折り返し部傾斜線Lと、タイヤ軸方向とが成す角度βは、70〜100°であることが好ましい。
なお、角度βとは、プライ折り返し部傾斜線Lとタイヤ軸方向Xとが成す角度のうち、プライ折り返し部傾斜線Lよりタイヤ軸方向外側であり、且つ、第三交点Pを通りタイヤ軸方向に平行な直線よりもタイヤ径方向外側に位置する角度のことを言う。
このように、プライ折り返し部6bの角度を調節することによれば、リムフランジ20から、プライ折り返し部6bの端部9を離隔することができ、該端部9での歪みの発生を抑制することができる。また、カーカスのプライ折り返し部の端部をリムフランジからの反力を受ける領域から更に離隔して、折り返し部の端部への負荷を更に抑制することができるため、サイドゴムに凹部を形成することによるタイヤの軽量化の効果を享受しつつ、同時に、優れたタイヤの耐久性を十分に確保することができる。
なお、角度βを70°以上とするのは、この角度以上とした場合に、端部9がリムフランジ20から十分に離隔し、端部9での歪みの発生を抑制することができるからである。一方、角度βを100°以下とするのは、100°超としてしまうと、端部9がビードコア5に接触するおそれがあり、また、折り返し部6bをビードコア5に巻き回す構造にすると、製造コストが高くなる場合があるからである。そして、110°超としてしまうと、端部9がプライ本体部6aに近づき過ぎて、プライ本体部6aの変形に起因するプライ折り返し部6bの歪が大きくなってしまうからである。
また、本発明にあっては、図6に示すように、タイヤを規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し、且つ無負荷の状態であるリム組状態において、タイヤ外表面及びリムフランジ20間のタイヤ軸方向の離間距離tは、タイヤ径方向外側に向かって漸増するとともに、該離間距離tの最大離間距離tmaxは、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの10〜30%の長さであることが好ましい。
ここで、離間距離tとは、タイヤの外表面から、リムフランジ20のタイヤ軸方向最内側端までのタイヤ軸方向最短距離のことを言い、前述の通り、最大離間距離tmaxとは、フランジ端と、フランジ端を通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線とタイヤ外表面との接点との間のタイヤ軸方向距離のことを言う。また、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bとは、ビードコア5のタイヤ軸方向最内側端を通りタイヤ径方向に平行な線と、ビードコア5のタイヤ軸方向最外側端を通りタイヤ径方向に平行な線との間の距離のことを言う。
本発明の構成によれば、タイヤとリムフランジとの接触領域が従来よりもタイヤ径方向内側寄りになるため、リムフランジの反力によりビード部のゴム変形が生じた場合であっても、プライ折り返し部6bの端部9への影響が低減され、プライ端セパレーションの発生をさらに抑制することが可能となる。
なお、最大離間距離tmaxを、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの10〜30%の長さとするのは、10%以上とすることにより、リムフランジの反力によりビード部のゴム変形が生じた場合であっても、プライ折り返し部6bの端部9への影響が低減されるからであり、一方、30%以下とすることにより、急激な剛性段差を無くし、かつ端部9がプライ本体部6aへ近づき過ぎるのを防ぎ端部9の歪を抑制できるからである。
また、図7に示すように、非リム組状態において、ビードコア5の重心Cを通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線上の、タイヤ軸方向のゴム厚みmは、ビードコア5の重心Cを通りタイヤ径方向に平行に引いた直線上の、タイヤ径方向のゴム厚みnの70〜300%であることが好ましい。
このように、ビードヒール部8における、ビードコア5周囲のゴム厚みを略均一にすることにより、タイヤをリムに装着した際に、リムフランジ20からの反力を、ビードヒール部8近傍のゴム全体で均一に受けることができる。その結果、プライ折り返し部6bの端部9に局所的に負荷がかかるようなことはなく、端部9への負荷が低減されて、プライ端セパレーションの発生をさらに抑制することが可能となる。
また、非リム組状態において、ビードベース幅Wは、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの200〜260%であることが好ましい。
ここで、ビードベース幅Wとは、ビード部4のビードトゥ12から、ビードベース部の外表面の接線Lと前記ビード背面部の外表面直線Lとの交点Pまでの長さのことを言う。
ビードベース幅Wを上記長さに設定することで、タイヤをリムに装着した際に、リムのビードシート部に対してビードベース部11を十分な面積で接触させることができ、リムフランジからの反力を、ビードベース部近傍のゴムで確実に吸収することができる。その結果、プライ折り返し部の端部への影響が低減され、プライ端セパレーションの発生を抑制して、タイヤの耐久性をさらに確保することが可能となる。
なお、ビードベース幅Wを、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの200%未満とすると、ビード背面部における負荷が増えて、リムフランジからの反力が大きくなる。そのため、端部9への影響が大きくなり、端部9での歪が増大してしまう。また、260%超とすると、ビード部のゴム重量が増えて、軽量化に反する上、ビード部の体積が増大して、発熱が増加する虞がある。
また、非リム組状態において、ビード背面部の外表面直線Lとビードベース部11の外表面の接線Lとの交点Pから、プライ折り返し部6bの端部9までのタイヤ径方向距離hは、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの100〜225%であることが好ましい。さらに好ましくは、ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅bの135〜200%である。
このように、プライ折り返し部6bの折り返し高さを比較的低く抑える構造を採用することにより、カーカスプライ6の使用量を低減してタイヤ重量をさらに減量することができる。また、カーカスプライ6の使用量を低減するに当たり、折り返し部をビードコア5に巻き回す構造ではなく、このようにプライ折り返し部6bの折り返し高さを比較的低く抑える構造を採用することで、製造コストの増加を抑制することができる。
次に、本発明の効果を確かめるために、本発明に従う実施例のタイヤと、比較例のタイヤを用意し、これらのタイヤのビード部の耐久性を比較することにより、カーカスのプライ折り返し部の端部における耐セパレーション性を評価した。
実施例1のタイヤは、タイヤのサイズが275/80R22.5であり、図1に示すように、リム離反点からタイヤ最大幅位置までの領域内に凹部を有し、ビード背面部のタイヤ外表面の角度αが70°であり、各諸元が表1に示す通りの空気入りタイヤである。
実施例2〜14のタイヤは、各諸元を表1に示す値に変化させた以外は、実施例1のタイヤの構造に準ずるものである。
比較例1のタイヤは、ビード背面部のタイヤ外表面の角度αが60°であること以外は、実施例1のタイヤの構造に準ずるものである。
また、比較例2のタイヤは、ビード背面部のタイヤ外表面の角度αが110°であること以外は、実施例1のタイヤ1の構造に準ずるものである。
耐セパレーション性の評価は、具体的には、各タイヤを規定リムに組み、内圧を875kPaに調整した後、JATMAに規定の最大負荷能力(規定荷重)のに対応する負荷荷重(3395kgf)を初期荷重とし、速度を60km/hとした条件下でドラム試験を行い、カーカスプライにセパレーションが発生して振動が大きくなり、試験の中断を余儀なくされるまでのドラム走行距離を測定することにより行った。このようにして得られた測定距離を、比較例1のタイヤの走行距離を100とした時の指数として、表1に結果を示す。なお、値が大きいほど、耐セパレーション性に優れていることを表す。
また、表1のタイヤ重量低減量(kg)とは、凹部を有していないタイヤを基準とし、そのタイヤからの低減量(ゴム重量(kg))を表したものである。
Figure 2014144651
表1の結果から、実施例のタイヤは、凹部により軽量化を実現するとともに、比較例1のタイヤと比較してタイヤの耐セパレーション性が向上し、高い次元で耐久性を確保できることが分かった。
また、実施例のタイヤは、比較例2のタイヤと比較して、プライ端部が外表面に近過ぎるため、劣化性、外傷性が低下することが確認された。
この発明によれば、十分な軽量化を実現すると同時に、優れた耐久性を確保し得る空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、 3 サイドウォール部、 4 ビード部、 5 ビードコア、6 カーカス、6a プライ本体部、6b プライ折り返し部、7 凹部、8 ビードヒール部、9 プライ折り返し部6bの端部、11 ビードベース部、12 ビードトゥ、20 リムフランジ、F リム離反点、C、C、C 曲率中心、C ビードコア5の重心、H タイヤ断面高さ、L ビード背面部の外表面直線、L プライ折り返し部傾斜線、L ビードベース部11の外表面の接線、P 第一交点 第二交点 タイヤ最大幅位置 ビードコア5のタイヤ径方向最外側端 ビードコアのタイヤ径方向最外側端Pよりビードコア5のタイヤ径方向最大幅aの50%タイヤ径方向外側の点、P 第三交点 第四交点 ビードベース部の外表面の接線Lとビード背面部の外表面直線Lとの交点、W ビードベース幅、X タイヤ軸方向、Y タイヤ径方向、a ビードコア5のタイヤ径方向最大幅、b ビードコア5のタイヤ軸方向最大幅、d ゴム厚み、h 交点Pから、端部9までのタイヤ径方向距離、m ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線上の、タイヤ軸方向のゴム厚み、n ビードコアの重心を通りタイヤ径方向に平行に引いた直線上の、タイヤ径方向のゴム厚み、t 離間距離、tmax 最大離間距離、α ビード背面部の外表面直線Lとタイヤ軸方向Xとがなす角度、β プライ折り返し部傾斜線Lとタイヤ軸方向Xとがなす角度
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部とを連ねて成り、前記ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在するプライ本体部と、該プライ本体部から延びて各ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプライ折り返し部とからなる少なくとも一枚のプライによるカーカスを備え、さらに、リム離反点から前記サイドウォール部のタイヤ最大幅位置までのタイヤ外表面にタイヤ軸方向内側に凹となる凹部を有する空気入りタイヤであって、 リムに組み付けておらず且つ前記一対のビード部間の幅を規定リム幅とした、非リム組状態における、タイヤ軸方向断面において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点の、2つの交点を通るビード背面部の外表面直線と、タイヤ軸方向とが成す角度αは70〜100°であり、
前記非リム組状態において、前記凹部を含むタイヤ径方向領域内の少なくとも一部にて、ゴム厚みが、タイヤ径方向外側に向かって漸減し、その後タイヤ径方向外側に向かってタイヤ断面高さの1/2までのタイヤ径方向領域に亘り、一定の厚みである
ことを特徴とする。
ここで、リム離反点とは、規定リムにタイヤを組付け、タイヤサイズに応じて規定された正規最大内圧を充填し、且つ無負荷の状態にした際に、タイヤの外表面がリムフランジとの接触状態から離れる点のことを言う。なお、規定リムとは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本では日本自動車タイヤ協会のJATMA Y
EAR BOOK、欧州ではETRO(European Tire and Rim Technical Organization)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association Inc.)YEAR BOOK等に、タイヤサイズに応じて規定された標準リムのことである。また、正規最大内圧とは、上記のJATMA等に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧のことである。また、一対のビード部間の幅を規定リム幅にするとは、一対のビード部の、各ビードヒール部間のタイヤ軸方向距離を、前述のJATMA等に規定されたリム幅(タイヤの性能を引き出すのに適したリム幅)にすることを言う。
なお、ゴム厚みとは、タイヤ内の部材のコード表面からタイヤ外表面までのゴムの最短距離のことである。部材のコード表面とは、カーカスやチェーファー等、領域毎に存在する各部材のうち、最もタイヤ外表面に近いコード表面のことを言う。また、一定の厚みであるとは、その領域内での最大ゴム厚み及び最小ゴム厚みが、平均ゴム厚みの±10%の範囲内であることを意味する。
本発明の構成によれば、カーカスのプライ折り返し部の端部をリムフランジからの反力を受ける領域から離隔して、折り返し部の端部への負荷を抑制することができるため、サイドゴムに凹部を形成することによるタイヤの軽量化の効果を享受しつつ、同時に、優れたタイヤの耐久性を確保することが可能となる。
更に、かかる構成によれば、ビード部近傍ではゴム厚みを確保してカーカスのプライ折り返し部の端部への歪集中を回避しつつ、ビード部よりもタイヤ径方向外側のゴム厚みを減じることにより、タイヤの軽量化をより十分に図ることができる。

Claims (9)

  1. トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部とを連ねて成り、前記ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在するプライ本体部と、該プライ本体部から延びて各ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すプライ折り返し部とからなる少なくとも一枚のプライによるカーカスを備え、さらに、リム離反点から前記サイドウォール部のタイヤ最大幅位置までのタイヤ外表面にタイヤ軸方向内側に凹となる凹部を有する空気入りタイヤであって、
    リムに組み付けておらず且つ前記一対のビード部間の幅を規定リム幅とした、非リム組状態における、タイヤ軸方向断面において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第一交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線とタイヤ外表面との交点である第二交点の、2つの交点を通るビード背面部の外表面直線と、タイヤ軸方向とが成す角度αは70〜100°であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記非リム組状態において、タイヤ外表面は、ビードヒール部から前記タイヤ最大幅位置までの間でタイヤ径方向外側に向かって順に、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧と、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向外側に在る一以上の円弧と、曲率中心が該タイヤ外表面よりタイヤ軸方向内側に在る一以上の円弧とで画定されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記非リム組状態において、前記凹部を含むタイヤ径方向領域内の少なくとも一部にて、ゴム厚みが、タイヤ径方向外側に向かって漸減し、その後タイヤ径方向外側に向かってタイヤ断面高さの1/2までのタイヤ径方向領域に亘り、一定の厚みである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記非リム組状態において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行な直線と前記プライ折り返し部との交点である第三交点と、前記ビードコアのタイヤ径方向最外側端より該ビードコアのタイヤ径方向最大幅の50%タイヤ径方向外側の点を通りタイヤ軸方向に平行な直線と前記プライ折り返し部との交点である第四交点の、2つの交点を通るプライ折り返し部傾斜線と、タイヤ軸方向とが成す角度βは70°〜100°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤを規定リムに装着し、正規最大内圧を充填し且つ無負荷の状態であるリム組状態において、タイヤ外表面及びリムフランジ間のタイヤ軸方向の離間距離は、タイヤ径方向外側に向かって漸増するとともに、該離間距離の最大離間距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の10〜30%の長さであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記非リム組状態において、前記ビードコアの重心を通りタイヤ軸方向に平行に引いた直線上の、タイヤ軸方向のゴム厚みは、前記ビードコアの重心を通りタイヤ径方向に平行に引いた直線上の、タイヤ径方向のゴム厚みの70〜300%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記非リム組状態において、前記ビード部のビードベース幅は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の200〜260%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記非リム組状態において、前記ビード背面部の外表面直線と前記ビード部のビードベース部の接線との交点から、前記プライ折り返し部の端部までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の100〜225%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記非リム組状態において、前記ビード背面部の外表面直線と前記ビード部のビードベース部の接線との交点から、前記プライ折り返し部の端部までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ軸方向最大幅の135〜200%であることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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