JP2013224054A - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤ幅方向断面視において、カーカス折返し部のタイヤ径方向外端が、タイヤ最大幅となる位置に又はタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向内方に位置し、カーカス折返し部の少なくとも一部に沿って配設されたゴムシートを有しており、ゴムシートのタイヤ径方向外端が、カーカス折返し部のタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向外方に位置することを特徴とするランフラットタイヤである。
【選択図】図1
Description
このように、本発明のランフラットタイヤにおいて、カーカス折返し部のタイヤ径方向外端(以下、「カーカス折返し端」とも言う。)を、タイヤ最大幅となる位置に又はタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向内方に位置させることにより、通常内圧走行時において荷重負荷によってタイヤのサイドウォール部が撓み曲がったときであっても、カーカスが引っ張られることによる抵抗力(引張剛性)が抑えられ、タイヤの縦バネを低減することができる。その結果、通常内圧走行時のタイヤの乗り心地性が改善されるとともに、タイヤの偏心性が大きくなりタイヤ接地部のトレッド変形が低減しトレッド部の発熱が抑制された結果、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。
さらに、本発明のランフラットタイヤにおいて、カーカス折返し部の少なくとも一部に沿ってゴムシートを配設し、またゴムシートのタイヤ径方向外端(以下、「ゴムシート外端」とも言う。)を、カーカス折返し端よりタイヤ径方向外方に位置させることにより、特にランフラット走行時における、カーカス折返し端での剛性段差を起因とするカーカス折返し端からの亀裂破壊が抑制され、ランフラット耐久性の低下を防止することができる。
また、カーカス折返し端42aが上記のように位置することでラジアルカーカス4の引張剛性が抑えられているので、通常内圧走行時において、タイヤ10の偏心性が大きくなり、トレッド部1の接地面の路面への接地と非接地との繰り返しによる変形が低減され、トレッド部1の発熱が抑制された結果、タイヤ10の転がり抵抗を改善することができる。
特に、さらなる縦バネの低減および転がり抵抗の改善の観点からは、カーカス折返し端42aを、ビードベースラインからタイヤ最大幅Wまでの高さの50〜70%の範囲に位置させることが好ましい。
この例のランフラットタイヤ20では、ゴムシート8がカーカス折返し部42のタイヤ幅方向内側であって、カーカス折返し部42の少なくとも一部に沿って配設されている。また、ゴムシート8の一部は、カーカス折返し部42とビードフィラー7との間に挟まれており、またゴムシート8の他の一部は、ビードフィラー7、さらにカーカス本体部41に沿って配設されている。ゴムシート8をカーカス折返し部42のタイヤ幅方向内側に配設することにより、ランフラット走行時においてサイドウォール部2の大きな曲げ変形が抑制され、ランフラット耐久性を改善することができる。
表1に示す諸元で、図1及び図2に示すような構成を有する、サイズが245/40R18のランフラットタイヤを試作し、下記の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。なお表1の「カーカス折返し端位置」、「ゴムシート外端位置」、「ゴムシート内端位置」、「ビードコア外端位置」、「ビードフィラー外端位置」及び「サイド補強ゴム内端位置」は、タイヤ径方向外方に向かってタイヤのビードベースラインから測定した距離(mm)であり、タイヤ最大幅となる位置までの距離はいずれのタイヤも51mmである。
(比較例1)
ゴムシートを配設しない以外は、実施例1と同様にしてランフラットタイヤを試作し、実施例1と同様の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
ゴムシート外端位置がカーカス折返し端位置よりタイヤ径方向内方に位置する以外は、実施例1と同様にしてランフラットタイヤを試作し、実施例1と同様の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜13及び比較例1〜2のそれぞれのタイヤをサイズ18×8.5Jリムに組み付け、タイヤ内圧を230kPaとして、アムスラー試験機にて荷重4.14kNを負荷させた時のタイヤの撓み量から縦バネを評価した。比較例1のタイヤの数値を100として指数評価し、結果を表1に示す。数値が小さいほど、縦バネが低い(乗り心地性が改善されている)ことを示す。
〈転がり抵抗〉
室内ドラム試験機を用いて、実施例1〜13及び比較例1〜2のそれぞれのタイヤを走行させ、転がり抵抗を測定した。具体的には、それぞれのタイヤをサイズ18×8.5Jのリムに組み付けタイヤ内圧を210kPaにした。そして室内ドラム試験機を用いて、それぞれのタイヤについて荷重5.10kNの負荷を加え、その後それぞれのタイヤを、ドラム表面速度80km/hで走行させた。比較例1のタイヤについての転がり抵抗を100として、指数評価した結果を表1に示す。数値が小さいほど、そのタイヤの転がり抵抗が低い(改善されている)ことを示す。
〈ランフラット耐久性〉
ISO16992に準拠して評価した。具体的には、実施例1〜13及び比較例1〜2のそれぞれのタイヤをサイズ18×8.5Jのリムに組み付け、タイヤ内圧を0kPaにして、ドラム試験機にて荷重4.14Nを加え速度80km/hで走行させ、タイヤが故障して走行できなくなるまでの距離を計測した。比較例1のタイヤについてのランフラット耐久性を100として、指数評価した結果を表1に示す。数値が大きいほど、そのタイヤのランフラット耐久性が良好であることを示す。
また、表1より実施例1〜13のランフラットタイヤでは、比較例1〜2のランフラットタイヤ(特に比較例2のランフラットタイヤ)と比較すると、ゴムシートを配設すると共に、ゴムシート外端がカーカス折返し端よりタイヤ径方向外方に位置することによりランフラット耐久性の低下を防止することができる。
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ラジアルカーカス(カーカス)
5 ベルト
6 ビードコア
6a ビードコアのタイヤ径方向外端(ビードコア外端)
7 ビードフィラー
7a ビードフィラーのタイヤ径方向外端(ビードフィラー外端)
8 ゴムシート
8a ゴムシートのタイヤ径方向外端(ゴムシート外端)
8b ゴムシートのタイヤ径方向内端(ゴムシート内端)
9 サイド補強ゴム
9a サイド補強ゴムのタイヤ径方向内端(サイド補強ゴム内端)
10 ランフラットタイヤ
11 トレッドゴム
12 トレッド溝
13 インナーライナー
20 ランフラットタイヤ
41 カーカス本体部
42 カーカス折返し部
42a カーカス折返し部のタイヤ径方向外端(カーカス折返し端)
51 第一ベルト層
52 第二ベルト層
53 第三ベルト層
W タイヤ最大幅
R 適用リム
Claims (10)
- トレッド部、該トレッド部の両側に連なる一対のサイドウォール部及び各サイドウォール部に連なるビード部にわたってトロイド状に延在するカーカス本体部並びに該カーカス本体部から延び、前記ビード部内に埋設されたビードコアの周りを折り返されてなるカーカス折返し部を有する、少なくとも1プライからなるカーカスと、前記サイドウォール部において前記カーカスのタイヤ幅方向内側に配設される断面三日月状のサイド補強ゴムと、を備えてなるランフラットタイヤにおいて、
タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤ幅方向断面視において、
前記カーカス折返し部のタイヤ径方向外端が、タイヤ最大幅となる位置に又はタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向内方に位置し、
前記カーカス折返し部の少なくとも一部に沿って配設されたゴムシートを有しており、
該ゴムシートのタイヤ径方向外端が、前記カーカス折返し部のタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向外方に位置する、ことを特徴とするランフラットタイヤ。 - 前記ランフラットタイヤが、前記ビードコアのタイヤ径方向外方にビードフィラーを備えており、
該ビードフィラーの弾性率に対する前記ゴムシートの弾性率の比が4.0以下である、請求項1に記載のランフラットタイヤ。 - 前記ゴムシートの厚さが0.3〜2.0mmである、請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
- 前記ビードフィラーの弾性率が8〜35MPaであり、前記ゴムシートの弾性率が2.5〜35MPaである、請求項2又は3に記載のランフラットタイヤ。
- 前記ゴムシートのタイヤ径方向外端が、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向内方に位置する、請求項1ないし4のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
- 前記ゴムシートのタイヤ径方向内端が、前記ビードコアのタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向外方に位置する、請求項1ないし5のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
- 前記カーカスが1プライからなる、請求項1ないし6のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
- 前記ビードフィラーのタイヤ径方向外端が、前記ゴムシートのタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向内方に、かつ前記カーカス折返し部のタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向外方に位置する、請求項2ないし7のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
- 前記サイド補強ゴムのタイヤ径方向内端が、前記ゴムシートのタイヤ径方向内端よりタイヤ径方向外方に、かつ前記カーカス折返し部のタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向内方に位置する、請求項1ないし8のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
- 前記ゴムシートが、前記カーカス折返し部のタイヤ幅方向外側に位置する、請求項1ないし9のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
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