以下、本発明を、例えば車両用のコンビネーションスイッチの操作レバーの先端部に設けられる回転操作式のスイッチ装置に具体化した一実施の形態を図1〜図19に基づいて説明する。
<操作レバーの概要>
まず、操作レバーの概要について説明する。操作レバーは、例えばステアリングコラムから側方へ突出するとともに、その基端部を支点として前後上下に傾動可能に設けられている。そして、操作レバーの操作方向に応じて、左右の方向指示器、ヘッドライト及びテールライト等の走行系ライトの点灯、並びにフロントフォグランプ及びリヤフォグランプ等のフォグ系ライトの点灯が行われるように構成されている。例えば、操作レバーを中立位置から手前(車両後方)に引いたときにはヘッドランプが点灯するとともに、手を離せば操作レバーは中立位置に自動復帰してヘッドランプは消灯する。また、操作レバーを中立位置から向こう(車両前方)に押したときにはヘッドランプの遠方照射がオンする。また、操作レバーを中立位置から上下方向へ操作することにより、左右の方向指示器が切り換え点滅する。さらに、操作レバーの先端部には、回転操作式のスイッチ装置が設けられるとともに、当該スイッチ装置を回転操作することにより、走行系ライト及びフォグ系ライトが切り換え点灯する。
<*スイッチ装置>
次に、前記スイッチ装置について詳細に説明する。図1に示すように、スイッチ装置11は、操作レバーのレバー本体12の先端部に設けられている。スイッチ装置11は、レバー本体12に挿通されるレバー軸13、レバー本体12の先端部にフォグ系ランプスイッチ14を介して配設されるフォグスイッチノブ15、同じく固定部材16、同じくライトスイッチノブ17を備えている。
<*レバー本体>
次に、レバー本体12について説明する。レバー本体12の基端部は、ステアリングコラム内に配設された図示しない走行系ランプスイッチに連結されるとともに、当該レバー本体12の先端部はステアリングコラムから突出している。前記走行系ランプスイッチは、ヘッドランプ及びテールランプを切り換え点灯するための接点構造を備えている。そして、図1に示すように、レバー本体12の先端部には開口部21が形成されるとともに、当該開口部21の周縁部には複数(本実施の形態では3つ)の係合爪22が周方向において等間隔に形成されている。また、レバー本体12にはその軸線方向へ延びる挿通孔23が形成されている。そして、図2及び図3に示されるように、当該挿通孔23にはレバー軸13が回転可能に挿通されている。
<*フォグスイッチノブ>
次に、フォグスイッチノブ15について説明する。フォグスイッチノブ15は、フォグ系ライトを点灯する際に回転操作される。図1に示すように、フォグスイッチノブ15は有底円筒状に形成されるとともに、当該フォグスイッチノブ15の底壁の中央部には、レバー軸13を挿通可能とした挿通孔31が形成されている。そして、図2及び図3に示されるように、この挿通孔31にはレバー軸13が回転可能に挿通されている。
図4に示されるように、フォグスイッチノブ15は、第1オフ位置(第1OFF)、第2オフ位置(第2OFF)、フロント位置(Fr)及びリヤ位置(Fr+Rr)の4つの位置に切り換え操作可能とされている。第1オフ位置及び第2オフ位置は、フロントフォグランプ及びリヤフォグランプの両方が消灯する位置である。フロント位置は、フロントフォグランプが点灯する位置である。リヤ位置は、フロントフォグランプ及びリヤフォグランプの両方が点灯する位置である。なお、フォグスイッチノブ15の1段ごとの回転操作角度は、全て同一角度(本実施の形態では、30°)に設定されている。即ち、フォグスイッチノブ15を30°回転操作することにより次の操作段に切り換えられる。
図5に示すように、フォグスイッチノブ15の底壁の周縁部には、レバー本体12の3つの係合爪22を個別に挿通可能とした円弧状の3つの長孔32が、周方向において等間隔に形成されている。また、3つの長孔32は、フォグスイッチノブ15の内周面に沿うように、且つ同一の円周上において形成されている。長孔32の周方向長さは、フォグスイッチノブ15の予め設定された回転許容量に応じて設定されている。即ち、フォグスイッチノブ15の回転操作は、各係合爪22が各長孔32の周方向端面に当接することにより規制される。具体的には、フォグスイッチノブ15を、第1オフ位置からリヤ位置まで操作した場合、及びリヤ位置から第1オフ位置まで戻した場合には、係合爪22が長孔32の周方向端面に当接することによりそれ以上の回転操作が規制される。従って、フォグスイッチノブ15は第1オフ位置とリヤ位置との間において回転操作が可能となる。
また、図5に示されるように、フォグスイッチノブ15の内底面において、長孔32よりも内側には、円弧状の連動穴33が形成されている。連動穴33の周方向長さは、後述するライトスイッチノブ17の予め設定された回転許容量に応じて設定されている。また、同図に示されるように、フォグスイッチノブ15の内底面において、連動穴33と反対側に位置する長孔32よりも内側の部位には、ストッパ収容部34が開口して形成されている。このストッパ収容部34には、ストッパ35がレバー軸13の軸心方向において往復移動可能に設けられている。
図1に示されるように、ストッパ35の先端面には角柱状の係合突部36が形成されることにより、当該ストッパ35は全体としてL字の角柱状をなしている。ストッパ35の内端面には、ばね収容穴37が開口して形成されている。そして、図3に示されるように、ばね収容穴37には、コイルばね38の一端部が収容されるとともに、同じく他端部は、ばね収容穴37の内底面に当接している。ストッパ35はコイルばね38の弾性力によりレバー本体12と反対方向(後述する固定部材16側)へ常時付勢されている。
ストッパ35の固定部材16側への移動は係合突部36の先端部が固定部材16の一部(後述するフォグリリースカム95の解除突部101)に係合することにより規制される。ストッパ35とストッパ収容部34の内底面との間には、所定の隙間が形成されている。このため、ストッパ35に対してレバー本体12側へ向かう外力が加わった際には、当該ストッパ35はコイルばね38の弾性力に抗してストッパ収容部34の奥方へ移動するとともに、当該外力が解除された際にはコイルばね38の弾性力によってレバー本体12と反対の方向へ変位する。
また、図5に二点鎖線で示されるように、フォグスイッチノブ15の内底面において、連動穴33及びストッパ収容部34よりも内側には、円弧状の2つのカム部材39が突設されている。カム部材39は円弧状に湾曲した直方体状に形成されるとともに、その中間部にはV字状の切欠溝40が形成されている。そして、2つのカム部材39は、挿通孔31を間に挟んで互いに反対側に位置するとともに、挿通孔31と同心円をなす同一の円周上に設けられている。切欠溝40の内面には、フォグスイッチノブ15の回転操作方向において互いに反対側に傾斜する2つの斜面40aが形成されている。これにより、切欠溝40はV字状をなす。
また、図5に示されるように、フォグスイッチノブ15の内底面において、挿通孔31の周囲には、2つの収容穴41が挿通孔31を間に挟んで互いに反対側に位置するように形成されている。2つの収容穴41は、2つのカム部材39よりも若干内側に位置するとともに、挿通孔31と同心円をなす同一の円周上に設けられている。図2に併せて示すように、収容穴41はレバー軸13の軸心方向に沿う方向へ延びるとともに、固定部材16側に開口している。2つの収容穴41にはコイルばね42を介して球状のフォグスイッチ節度ピース43が一部露出した状態で収容されている。フォグスイッチ節度ピース43は、収容穴41内を移動可能に収容されるとともに、コイルばね42の弾性力により常時固定部材16側に付勢されている。フォグスイッチ節度ピース43の固定部材16側への移動は、当該フォグスイッチ節度ピース43が固定部材16の一部(内筒のフォグスイッチノブ15側の端面)に当接することにより規制される。
<*フォグスイッチ接点>
次に、フォグ系ランプスイッチ14について説明する。図2に示すように、フォグ系ランプスイッチ14は、フォグスイッチノブ15とレバー本体12の開口部21の内底面との間に配設されている。フォグ系ランプスイッチ14は、レバー本体12の開口部21の内底面に配設された円盤状の固定電極部材51と、フォグスイッチノブ15の裏面に固定された円盤状の可動電極部材52とを備えている。固定電極部材51は複数個の固定接触子51aを、また可動電極部材52は複数個の可動接触子52aを備えている。そして、フォグスイッチノブ15の回転操作により、可動接触子52aと固定接触子51aとの接触状態が切り換わる。
具体的には、フォグスイッチノブ15の回転操作に伴って可動電極部材52は一体回転し、可動接触子52aと固定接触子51aとの相対位置関係が切り換わる。即ち、可動接触子52a及び固定接触子51aは、フォグスイッチノブ15の第1オフ位置、第2オフ位置、フロント位置及びリヤ位置の各位置に応じた接続状態となる。本実施の形態においては、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置及び第2オフ位置に切り換えられた場合にはそれぞれオフ操作信号が、フロント位置に切り換えられた場合にはフロント操作信号が、リヤ位置に切り換えられた場合にはリヤ操作信号が、フォグ系ランプスイッチ14から出力される。
<*固定部材>
次に、固定部材16について説明する。図1に示すように、固定部材16は有底円筒状に形成されるとともに、当該固定部材16の側壁外面には、レバー本体12の3つの係合爪22の先端部を係合可能とした図示しない係合部が、周方向において等間隔に凹設されている。また、固定部材16の内底面の中央部には、円柱状の内筒61が突設されている。図2に示されるように、当該内筒61の中央には、レバー軸13を挿通可能とした挿通孔62が形成されるとともに、当該挿通孔62には、フォグスイッチノブ15を貫通するレバー軸13が挿通されている。
固定部材16は、フォグスイッチノブ15のレバー本体12と反対側の開口部から挿入されている。そして、固定部材16とレバー本体12の開口部21の内底面(正確には、フォグ系ランプスイッチ14)との間でフォグスイッチノブ15を挟んだ状態で、フォグスイッチノブ15の長孔32から突出するレバー本体12の係合爪22の先端部を、固定部材16の前記係合部に係合させることにより、当該固定部材16はレバー本体12に固定されている。レバー本体12及び固定部材16の間に配設されたフォグスイッチノブ15が、レバー本体12及び固定部材16に対して相対回転可能となるように、レバー本体12及び固定部材16による挟み込み力が設定されている。
<*フォグスイッチ節度山>
図6に一点鎖線で示すように、固定部材16のフォグスイッチノブ15側の側面において、挿通孔62の周囲には、複数個(本実施の形態では、4個)のフォグスイッチ節度山63を1組とする2組のフォグスイッチ節度山63群が、挿通孔62を間に挟んで互いに反対側に位置するように設けられている。各フォグスイッチ節度山63は、フォグスイッチノブ15の回転操作方向に沿うように配設されている。そして、各組のフォグスイッチ節度山63群において、隣り合う2つのフォグスイッチ節度山63間には3つのフォグスイッチ凹部64が形成されている。即ち、2組のフォグスイッチ節度山63群により、合計6つのフォグスイッチ凹部64が形成されている。
以下、各組の4つのフォグスイッチ節度山63を、第1のフォグスイッチ節度山63a、第2のフォグスイッチ節度山63b、第3のフォグスイッチ節度山63c、第4のフォグスイッチ節度山63dとして区別する。各組の第1〜第4のフォグスイッチ節度山63a〜63dは、挿通孔62を間に挟んで互いに反対側の位置にある。また、各組の3つのフォグスイッチ凹部64を、第1のフォグスイッチ凹部64a、第2のフォグスイッチ凹部64b、第3のフォグスイッチ凹部64cとして区別する。各組の第1〜第3のフォグスイッチ凹部64a〜64cは、挿通孔62を間に挟んで互いに反対側の位置にある。
図18(a)〜図18(e)に示されるように、第1のフォグスイッチ節度山63aの固定部材16のフォグスイッチノブ15側の側面に対する突出高さは、第2〜第4のフォグスイッチ節度山63b〜63dの固定部材16のフォグスイッチノブ15側の側面に対する突出高さよりも大きくされている。そして、第1のフォグスイッチ節度山63aには、その隣の第2のフォグスイッチ節度山63bへ向かうにつれて固定部材16のフォグスイッチノブ15側の側面に近接するように傾斜する傾斜面65が形成されている。第2〜第4のフォグスイッチ節度山63b〜63dの先端面は滑らかな円弧面状に形成されている。なお、図18(a)〜図18(e)には、2組のフォグスイッチ節度山63群のうち、1組のフォグスイッチ節度山63群を展開して示す。
そして、各フォグスイッチ凹部64に、フォグスイッチ節度ピース43がコイルばね42の弾性力により係合することによって、当該フォグスイッチノブ15は、その時々の操作位置を保持する。このフォグスイッチノブ15の操作位置と、フォグスイッチ節度ピース43の各フォグスイッチ凹部64に対する係合状態との関係については、後に詳述する。
<*ライトスイッチ節度山>
図7(a)に示されるように、内筒61の先端面における挿通孔62の周囲には、複数個(本実施の形態では、5個)のライトスイッチ節度山71を1組とする2組のライトスイッチ節度山71群が挿通孔62を間に挟んで互いに反対側に位置するように設けられている。各ライトスイッチ節度山71は、ライトスイッチノブ17の回転操作方向に沿うように配設されている。そして、各組のライトスイッチ節度山71群において、隣り合う2つのライトスイッチ節度山71間には4つのライトスイッチ凹部72が形成されている。即ち、2組のライトスイッチ節度山71群により、合計8つのライトスイッチ凹部72が形成されている。
以下、各組の5つのライトスイッチ節度山71を、第1のライトスイッチ節度山71a、第2のライトスイッチ節度山71b、第3のライトスイッチ節度山71c、第4のライトスイッチ節度山71d、第5のライトスイッチ節度山71eとして区別する。各組の第1〜第5のライトスイッチ節度山71a〜71eは、挿通孔62を間に挟んで互いに反対側の位置にある。また、各組の4つのライトスイッチ凹部72を、第1のライトスイッチ凹部72a、第2のライトスイッチ凹部72b、第3のライトスイッチ凹部72c、第4のライトスイッチ凹部72dとして区別する。各組の第1〜第4のライトスイッチ凹部72a〜72dは、挿通孔62を間に挟んで互いに反対側の位置にある。なお、図1に示されるように、第1〜第5のライトスイッチ節度山71a〜71eの先端面は滑らかな円弧面状に形成されている。
そして、これら第1〜第4のライトスイッチ凹部72a〜72dに、後述するライトスイッチノブ17側に設けられたライトスイッチ節度ピース117がコイルばね116の弾性力により係合することによって、当該ライトスイッチノブ17は、その時々の操作位置を保持する。このライトスイッチノブ17の操作位置と、ライトスイッチ節度ピース117の第1〜第4のライトスイッチ凹部72a〜72dに対する係合状態との関係については、後に詳述する。
<*可動節度山>
第4のライトスイッチ節度山71dは、レバー軸13の軸心方向において往復移動する可動節度山として構成されている。即ち、図2に示すように、内筒61のフォグスイッチノブ15側の側面において、挿通孔62の周囲には、円筒状の可動節度山取付け溝73が凹設されている。また、図3に併せて示すように、内筒61の外周面には、下部が開口した箱体状の2つの可動節度山ガイド部材74が互いに反対側に位置するように設けられるとともに、当該可動節度山ガイド部材74のフォグスイッチノブ15と反対側の側面には、ガイド孔75が形成されている。可動節度山ガイド部材74の内部と可動節度山取付け溝73とは、相互に連通している。そして、可動節度山取付け溝73には、コイルばね76を介して可動節度山本体81が収容されている。
図1に示されるように、可動節度山本体81は、円環状の、ばね受け部材82を備えている。ばね受け部材82の外周面には、2つの支持壁83が互いに反対側に位置するように設けられている。支持壁83のフォグスイッチノブ15側の側面における先端部には、半球状のカム突部84が形成されている。また、支持壁83のフォグスイッチノブ15と反対側の側面には、直方体状の節度山形成部材85が設けられている。この節度山形成部材85の先端部には、収容溝86が形成されることにより、互いに対向する2つの節度山片87が形成されている。この2つの節度山片87により第4のライトスイッチ節度山71dが構成されている。なお、図1では、説明の便宜のため、可動節度山本体81を拡大して図示する。
ここで、図7(a)に示すように、内筒61の先端面において、第3のライトスイッチ節度山71cと第5のライトスイッチ節度山71eとの間には、それらを連結する節度ピース案内部材88が設けられている。第1、第2、第3及び第5のライトスイッチ節度山71a,71b,71c,71e並びに節度ピース案内部材88は、同一の円周上に配設されている。節度ピース案内部材88の厚みは、第1、第2、第3及び第5のライトスイッチ節度山71a,71b,71c,71eの厚みよりも小さく設定されている。そして、内筒61の先端面において、節度ピース案内部材88の外側に対応する部位には、可動節度山ガイド部材74のガイド孔75が、当該節度ピース案内部材88の外側面に沿うように開口している。また、内筒61の先端面において、節度ピース案内部材88の内側に対応する部位には、前記ガイド孔75とは別のガイド孔89が、当該節度ピース案内部材88の内側面に沿うように開口形成されている。即ち、2つのガイド孔75,89は節度ピース案内部材88を間に挟むように設けられている。なお、図19(a)〜図19(e)に示されるように、節度ピース案内部材88の先端縁には、第3のライトスイッチ節度山71cから第5のライトスイッチ節度山71eへ向かうにつれて内筒61の先端面に近接するように傾斜する案内面88aが形成されている。
そして、図3に示されるように、可動節度山本体81は、可動節度山取付け溝73に第4のライトスイッチ節度山71d側から挿入されるとともに、当該第4のライトスイッチ節度山71dは可動節度山ガイド部材74に挿入されている。第4のライトスイッチ節度山71d、即ち、2つの節度山片87のうち一方の節度山片87はガイド孔75から突出するとともに、同じく他方の節度山片87は内筒61のガイド孔89から突出している。2つの節度山片87間には、節度ピース案内部材88が介在されている。
また、ばね受け部材82のフォグスイッチノブ15と反対側の側面は、コイルばね76の一端部に当接するとともに、同じく他端部は可動節度山ガイド部材74の内底面に当接している。従って、可動節度山本体81は、コイルばね76の弾性力によりフォグスイッチノブ15側へ常時付勢されている。可動節度山本体81のフォグスイッチノブ15側への移動は、カム突部84がフォグスイッチノブ15のカム部材39に当接することにより規制される。また、可動節度山本体81のフォグスイッチノブ15と反対側への移動は、節度山形成部材85の収容溝86の内底面が節度ピース案内部材88に係合することにより規制される。
<*カム突部とカム部材との位置関係>
2つのカム突部84のうち一方のカム突部84は、フォグスイッチノブ15に設けられた一方のカム部材39の先端面に対して摺動可能に当接するとともに、他方のカム突部84は他方のカム部材39の先端面に摺動可能に当接する。そして、図19(a)〜図19(e)に示されるように、フォグスイッチノブ15の回転操作に伴って、カム突部84がカム部材39の先端面に対して相対的に移動してV字状の切欠溝40に一致したとき、可動節度山本体81はコイルばね76の弾性力によりフォグスイッチノブ15側へ変位するとともに、当該カム突部84は切欠溝40内に落ち込む。このとき、図19(c)に示されるように、第4のライトスイッチ節度山71d(2つの節度山片87)の先端部が、節度ピース案内部材88の先端面から突出しないように、カム突部84の支持壁83のフォグスイッチノブ15側の側面からの突出高さ及び切欠溝40の切り込み深さが設定されている。本実施の形態では、カム突部84が切欠溝40内に落ち込んだとき、第4のライトスイッチ節度山71dの先端部が、節度ピース案内部材88の先端面(ライトスイッチノブ17側の側面)とほぼ面一となるように、カム突部84の支持壁83のフォグスイッチノブ15側の側面からの突出高さ及び切欠溝40の切り込み深さが設定されている。
<*フォグスイッチノブのロック機構>
次に、フォグスイッチノブ15をロック及びアンロックするロック機構について説明する。図7(a),(b)に示すように、固定部材16の内底面の周縁部には、カム収容部91が形成されている。カム収容部91の2つの内側面にはレバー軸13の軸心方向へ延びるガイド溝92,93が形成されるとともに、当該カム収容部91の内底面には係止孔94が形成されている。図7(b)に示されるように、この係止孔94には、フォグスイッチノブ15に設けられたストッパ35の係合突部36の先端部が当該フォグスイッチノブ15側から挿入されている。即ち、ストッパ35の係合突部36が係止孔94の内周面に係合することにより、フォグスイッチノブ15の固定部材16に対する相対回転は規制される。
カム収容部91には、フォグリリースカム95がレバー軸13の軸心方向において上下動可能に収容されている。即ち、フォグリリースカム95の両側面にはレバー軸13の軸心方向へ延びる一対のガイド片96,97が突設されている。そして、フォグリリースカム95は2つのガイド片96,97が2つのガイド溝92,93に係入された状態でカム収容部91に収容されている。フォグリリースカム95は、2つのガイド片96,97が2つのガイド溝92,93に案内されることにより、レバー軸13の軸心方向において往復移動する。
図7(b)に示すように、フォグリリースカム95のライトスイッチノブ17側の側面には、第1のカム面98、当該第1のカム面98よりも高い位置(後述するライトスイッチノブ17側)にある第2のカム面99、並びに第1及び第2のカム面99を連結する斜面である第3のカム面100が形成されている。第1及び第2のカム面99は、レバー軸13の軸心に対して直交する平面状の形成されている。また、フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面において、カム収容部91の係止孔94に対応する位置には解除突部101が突設されるとともに、当該解除突部101から外れた位置には、ばね収容穴102が形成されている。
ばね収容穴102にはコイルばね103の一端部が収容されるとともに、同じく他端部はカム収容部91の内底面に当接している。従って、フォグリリースカム95はコイルばね103の弾性力によりライトスイッチノブ17側へ常時付勢されている。このフォグリリースカム95のライトスイッチノブ17側への移動は、フォグリリースカム95のライトスイッチノブ17側の側面が当該ライトスイッチノブ17の一部(後述するストッパ解除用レバー118)に係合することにより規制される。
フォグリリースカム95のライトスイッチノブ17側の側面が当該ライトスイッチノブ17の一部(後述するストッパ解除用レバー118)に係合した状態において、当該フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面とカム収容部91の内底面との間には所定の隙間が形成されている。また、このとき、解除突部101の先端部は係止孔94内に若干進入した状態に保持されるとともに、当該解除突部101の先端面にはフォグスイッチノブ15側のストッパ35の係合突部36が係合(当接)している。
このため、フォグリリースカム95に対してフォグスイッチノブ15側へ向かう外力が加わった際には、当該フォグリリースカム95はコイルばね103の弾性力に抗してフォグスイッチノブ15側に移動する。この際、図8(b)に示されるように、解除突部101は係止孔94の奥方へ変位するとともに、当該変位量と同じだけフォグスイッチノブ15側のストッパ35は、コイルばね38の弾性力に抗してストッパ収容部34の奥方へ移動する。
フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側への移動は、当該フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面が、カム収容部91の内底面に当接することにより規制される。そして、フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面が、カム収容部91の内底面に当接した状態において、解除突部101の先端面が、固定部材16のフォグスイッチノブ15側の側面とほぼ面一となるように、解除突部101の、フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面に対する突出高さが設定されている。
従って、フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面が、カム収容部91の内底面に当接した状態においては、解除突部101の先端面は、固定部材16のフォグスイッチノブ15側の側面とほぼ面一となる。また、このとき、フォグスイッチノブ15側のストッパ35は、係合突部36の先端面がフォグスイッチノブ15の固定部材16側の側面とほぼ面一となるアンロック位置まで、フォグリリースカム95により押圧される。係合突部36の係止孔94の内周面に対する係合が解除されることにより、フォグスイッチノブ15は、固定部材16に対して相対回転可能となる。
フォグスイッチノブ15側へ向かう外力が解除されると、フォグリリースカム95はコイルばね103の弾性力によってライトスイッチノブ17側に復帰する。また、これに伴って、フォグスイッチノブ15側のストッパ35はコイルばね38の弾性力によりフォグリリースカム95との当接状態を保持した状態で固定部材16の係止孔94内に進入する図7(b)に示されるロック位置に復帰する。そして、フォグスイッチノブ15の固定部材16に対する相対回転は再び規制される。
また、図6に示すように、固定部材16の内底面において、カム収容部91(図6では、係止孔94のみ図示する。)と反対側の位置、且つカム部材39よりも外側の部位には、円弧状のレバー挿通孔104が形成されている。レバー挿通孔104は、フォグスイッチノブ15の連動穴33と同じ周方向長さとされている。レバー挿通孔104の周方向長さは、後述するライトスイッチノブ17の回動許容量に応じた長さに設定されている。
<*ライトスイッチノブ>
次に、ライトスイッチノブ17について説明する。ライトスイッチノブ17は、ヘッドランプ及びテールランプ等の走行系ライトを点灯する際に操作されるとともに、その回転操作位置に応じて走行系ライトの各スイッチをオンオフする。
図2に示すように、ライトスイッチノブ17は固定部材16の先端側に相対回動可能に取り付けられている。ライトスイッチノブ17は、基端部が開口した有底筒状の本体部111を備えるとともに、当該本体部111の開口部111aにはホルダ112が固定されている。ホルダ112の中央部には、レバー軸13を挿通可能とした挿通孔113が形成されている。固定部材16を貫通したレバー軸13の先端部は挿通孔113に挿通されるとともに、ライトスイッチノブ17の内底面に一体回動可能に固定されている。従って、レバー軸13は、ライトスイッチノブ17と一体的に回転する。
図4に示されるように、本実施の形態において、ライトスイッチノブ17は、オフ位置(OFF)、オート位置(AUTO)、テール位置(TNS)及びヘッド位置(HEAD)の4つの位置に切り換え操作可能とされている。オフ位置は、ヘッドライト及びテールライトの両方が消灯する位置である。オート位置は、車両周囲の明るさ(照度)に応じて走行系ライト、即ちヘッドランプ及びテールランプが自動で点灯する位置である。テール位置は、テールライトが点灯する位置である。ヘッド位置はヘッドランプ及びテールランプの両方が点灯する位置である。なお、ライトスイッチノブ17の1段ごとの回転操作角度は、全て同一角度(本実施の形態では、30°)に設定されている。即ち、ライトスイッチノブ17を30°回転操作することにより次の操作段に切り換えられる。
図1に示されるように、レバー軸13の他端には、レバー軸13の回転時に、前記スイッチユニットを構成する走行系ライトスイッチの接点を切り換えるカム114が配設されている。従って、ライトスイッチノブ17の回動操作に伴ってカム114はライトスイッチノブ17と同方向へ回転し、これにより、前記走行系ランプスイッチの接点が、オフ位置、オート位置、テール位置及びヘッド位置の各々に応じた位置に切り換えられる。そして、ライトスイッチノブ17が各操作位置に切り換えられた際には、走行系ランプスイッチからオフ操作信号、オート操作信号、テール操作信号及びヘッド操作信号が出力される。
また、図3に示されるように、ホルダ112の基端面(固定部材16側の側面)において、挿通孔113の周囲には、2つの収容穴115が挿通孔113を間に挟んで互いに反対側に位置するように形成されている。収容穴115はレバー軸13の軸心方向に沿う方向へ延びるとともに、固定部材16側に開口している。2つの収容穴115にはコイルばね116を介して球状のライトスイッチ節度ピース117が一部露出した状態で収容されている。ライトスイッチ節度ピース117は、収容穴115内を移動可能に収容されるとともに、コイルばね116の弾性力により常時固定部材16側に付勢されている。ライトスイッチ節度ピース117の固定部材16側への移動は、当該ライトスイッチ節度ピース117が固定部材16の一部(正確には、固定部材16のライトスイッチ節度山71)に当接することにより規制される。ライトスイッチ節度ピース117は、外力が付与されたときにはコイルばね116の弾性力に抗して収容穴115の奥方へ移動する。
そして、ライトスイッチ節度ピース117が、前述した各ライトスイッチ凹部72にコイルばね116の弾性力により係合することによって、当該ライトスイッチノブ17は、その時々の操作位置を保持する。このライトスイッチノブ17の操作位置と、ライトスイッチ節度ピース117の各ライトスイッチ凹部72に対する係合状態との関係については、後に詳述する。
<*ストッパ解除用レバー>
また、図3に示すように、ライトスイッチノブ17(正確には、ホルダ112)の固定部材16側の側面において、フォグリリースカム95に対応する位置には、ストッパ解除用レバー118が突設されている。ストッパ解除用レバー118は、フォグリリースカム95のライトスイッチノブ17側の側面、即ち、第1〜第3のカム面100に当接可能とされている。また、ストッパ解除用レバー118は、ライトスイッチノブ17の回転操作に伴って第1〜第3のカム面100を摺動可能とされている。
図7(a),(b)に示されるように、ライトスイッチノブ17がオフ位置にある場合、ライトスイッチノブ17のストッパ解除用レバー118は、フォグリリースカム95の第1のカム面98に当接した状態に保たれる。即ち、コイルばね103の弾性力によるフォグリリースカム95のライトスイッチノブ17側への移動は、第1のカム面98がストッパ解除用レバー118に当接することにより規制される。このとき、フォグリリースカム95のフォグスイッチノブ15側の側面と固定部材16のカム収容部91の内底面との間には所定の隙間が形成される。また、フォグスイッチノブ15側のストッパ35は、コイルばね38の弾性力により、係合突部36の先端部が、フォグスイッチノブ15の解除突部101に当接するとともに、固定部材16の係止孔94に係合する状態に保持される。従って、ライトスイッチノブ17がオフ位置にある場合には、フォグスイッチノブ15の回転操作が不能となる。
そして、ライトスイッチノブ17が図7(a),(b)に示されるオフ位置から図8(a),(b)に示されるオート位置へ回転操作された場合、当該回転操作に伴ってストッパ解除用レバー118は第3のカム面100を登って第2のカム面99に至る。ストッパ解除用レバー118の第1のカム面98から第2のカム面99への摺動に伴って、フォグリリースカム95は、コイルばね103の弾性力に抗して、第1のカム面98と第2のカム面99との高低差の分だけカム収容部91の奥方へ移動する。このフォグリリースカム95のカム収容部91の奥方への移動に伴って、フォグスイッチノブ15のストッパ35は、ストッパ収容部34の奥方へ移動し、これによりストッパ35と固定部材16の係止孔94との係合が解除される。従って、ライトスイッチノブ17がオート位置にある場合には、フォグスイッチノブ15の回転操作が可能となる。
ライトスイッチノブ17がオート位置からテール位置又はヘッド位置へ回転操作された場合、ストッパ解除用レバー118は、第2のカム面99を摺動するとともに、引き続き第2のカム面99に当接した状態に保たれる。従って、ライトスイッチノブ17がテール位置及びヘッド位置にある場合においても、フォグスイッチノブ15の回転操作は可能となる。
<*連動機構>
図3に示すように、ライトスイッチノブ17(正確には、ホルダ112)の固定部材16側の側面において、挿通孔113を間に挟んでストッパ解除用レバー118と反対側の位置には、連動用レバー119が突設されている。連動用レバー119は、レバー軸13の軸心方向に沿ってフォグスイッチノブ15側へ延出されている。連動用レバー119の先端部は、固定部材16のレバー挿通孔104を介してフォグスイッチノブ15の連動穴33内に挿入されている。
前述したように、レバー挿通孔104は、ライトスイッチノブ17の回動許容量に応じて設けられている。即ち、ライトスイッチノブ17をヘッド位置まで回転操作した場合、連動用レバー119は、レバー挿通孔104の周方向における一方の内端面に係合するとともに、ライトスイッチノブ17をオフ位置まで戻した場合には、連動用レバー119は、他方の内端面に係合する。このように、ライトスイッチノブ17は、オフ位置とヘッド位置との間において回転操作可能となっている。
また、レバー挿通孔104及び連動穴33の周方向長さは、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合に、ライトスイッチノブ17がヘッド位置まで回動操作されるまでは、連動用レバー119がレバー挿通孔104及び連動穴33の点灯操作方向側の各内端面に当接しない長さに設定されている。このため、ライトスイッチノブ17がオフ位置にあるとともに、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合に、ライトスイッチノブ17をヘッド位置側へ回転操作したときには、連動用レバー119がフォグスイッチノブ15の連動穴33及び固定部材16のレバー挿通孔104の内端面に係合することがない。従って、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合、ライトスイッチノブ17は単独でオフ位置とヘッド位置との間において回転操作可能となる。
<*ライトスイッチノブと固定部材との相対位置関係>
次に、ライトスイッチノブ17の操作位置と、ライトスイッチ節度ピース117の各ライトスイッチ凹部72に対する係合位置との関係について説明する。前述したように、ライトスイッチノブ17は、各ライトスイッチ凹部72にライトスイッチ節度ピース117が係合することにより、その時々の操作位置を保持する。
即ち、図7(a)に示されるように、ライトスイッチノブ17がオフ位置にある場合、2つのライトスイッチ節度ピース117は、固定部材16の2つの第1のライトスイッチ凹部72aに係合する。
オフ位置にあるライトスイッチノブ17が図7(a)の矢印Ra方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されることにより、ライトスイッチノブ17は図8(a)に示されるオート位置に切り換えられる。ライトスイッチノブ17がオート位置にある場合、ライトスイッチ節度ピース117は第1のライトスイッチ凹部72aの隣の第2のライトスイッチ凹部72bに係合する。
ここで、図19(a),(b)に示されるように、ライトスイッチノブ17をオフ位置からオート位置へ切り換える際、当該ライトスイッチノブ17の回転操作に伴って、ライトスイッチ節度ピース117は、第2のライトスイッチ節度山71bの先端面を摺動しながらにコイルばね116の弾性力に抗して収容穴115の奥方へ移動する。そして、ライトスイッチ節度ピース117が第2のライトスイッチ節度山71bの頂部を乗り越えた以降、当該ライトスイッチ節度ピース117はコイルばね116の弾性力により収容穴115に対する突出方向へ徐々に変位して第2のライトスイッチ凹部72bに係合する。
オート位置にあるライトスイッチノブ17が図8(a)の矢印Ra方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されることにより、ライトスイッチノブ17は図9に示されるテール位置に切り換えられる。ライトスイッチノブ17がテール位置にある場合、ライトスイッチ節度ピース117は第2のライトスイッチ凹部72bの隣の第3のライトスイッチ凹部72cに係合する。
ここで、図19(b)に示されるように、ライトスイッチノブ17をオート位置からテール位置へ切り換える際、当該ライトスイッチノブ17の回転操作に伴って、ライトスイッチ節度ピース117は、第3のライトスイッチ節度山71cの側面を摺動しながらにコイルばね116の弾性力に抗して収容穴115の奥方へ移動する。そして、ライトスイッチ節度ピース117が第3のライトスイッチ節度山71cの頂部を乗り越えた以降、当該ライトスイッチ節度ピース117はコイルばね116の弾性力により収容穴115に対する突出方向へ徐々に変位して同図に二点鎖線で示されるように第3のライトスイッチ凹部72cに係合する。
テール位置にあるライトスイッチノブ17が図9の矢印Ra方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されることにより、ライトスイッチノブ17は図11に示されるヘッド位置へ切り換えられる。図11に示されるように、ライトスイッチノブ17がヘッド位置にある場合、ライトスイッチ節度ピース117は第3のライトスイッチ凹部72cの隣の第4のライトスイッチ凹部72dに係合する。
ここで、図19(b),(d)に示されるように、ライトスイッチノブ17をテール位置からヘッド位置へ切り換える際、当該ライトスイッチノブ17の回転操作に伴って、ライトスイッチ節度ピース117は、第4のライトスイッチ節度山71dの側面を摺動しながらにコイルばね116の弾性力に抗して収容穴115の奥方へ移動する。そして、ライトスイッチ節度ピース117が第4のライトスイッチ節度山71dの頂部を乗り越えた以降、当該ライトスイッチ節度ピース117はコイルばね116の弾性力により収容穴115に対する突出方向へ徐々に変位して第4のライトスイッチ凹部72dに係合する。
<*フォグスイッチノブと固定部材との相対位置関係>
次に、フォグスイッチノブ15の操作位置と、フォグスイッチ節度ピース43の各フォグスイッチ凹部64に対する係合状態との関係について説明する。前述したように、フォグスイッチノブ15は、各フォグスイッチ凹部64にフォグスイッチ節度ピース43が係合することにより、その時々の操作位置を保持する。
即ち、図12に示されるように、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合、2つのフォグスイッチ節度ピース43は、2つの第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65における第2のフォグスイッチ節度山63bと反対側の端部に係合保持される。
フォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合、フォグスイッチノブ15のストッパ35が固定部材16の係止孔94に係合することにより、当該フォグスイッチノブ15の回転は規制される。このため、図18(a)に示されるように、フォグスイッチ節度ピース43は第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65を、第2のフォグスイッチ節度山63b側へ転がることなく、当該傾斜面65における最も高い位置において係合保持される。
また、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合、ライトスイッチノブ17はオフ位置にある。そして、ライトスイッチノブ17がオフ位置から例えばオート位置へ回動操作された場合には、フォグスイッチノブ15のストッパ35と固定部材16の係止孔94との係合状態、即ちフォグスイッチノブ15の回転規制状態が解除されることにより、フォグスイッチノブ15の回動が許可される。
ここで、第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65の傾斜角度は、前述のようにフォグスイッチノブ15の回転規制状態が解除されたときに、フォグスイッチ節度ピース43が自重により当該傾斜面65を転動可能となる程度の角度に設定されている。このため、フォグスイッチノブ15の回転規制状態が解除されたときには、フォグスイッチ節度ピース43は、図18(b)に示されるように第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65を転動して、第1のフォグスイッチ凹部64aに係合するとともに、フォグスイッチノブ15は第2オフ位置に保持される。即ち、ライトスイッチノブ17のオフ位置からオート位置への回動操作に連動して、フォグスイッチノブ15は、図12に示される第1オフ位置から図13に示される第2オフ位置へ自動的に変位する。
第2オフ位置にあるフォグスイッチノブ15が図13の矢印Ra方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されることにより、フォグスイッチノブ15は図15に示されるフロント位置へ至る。図15に示されるように、フォグスイッチノブ15がフロント位置にある場合、2つのフォグスイッチ節度ピース43は、第1のフォグスイッチ凹部64aの隣の第2のフォグスイッチ凹部64bに係合する。
ここで、図18(b),(c),(d)に示されるように、フォグスイッチノブ15を第2オフ位置からフロント位置へ切り換える際、当該フォグスイッチノブ15の回転操作に伴って、フォグスイッチ節度ピース43は第2のフォグスイッチ節度山63bの先端面を摺動しながらコイルばね42の弾性力に抗して収容穴41の奥方へ移動する。そして、フォグスイッチ節度ピース43が第2のフォグスイッチ節度山63bの頂部を乗り越えた以降、当該フォグスイッチ節度ピース43はコイルばね42の弾性力により収容穴41に対する突出方向へ徐々に変位して第2のフォグスイッチ凹部64bに係合する。これにより、フォグスイッチノブ15はフロント位置に保持される。
なお、フォグスイッチノブ15の第2オフ位置からフロント位置への回転途中、即ち、フォグスイッチ節度ピース43が第2のフォグスイッチ節度山63bの頂部に達する図18(c)に示されるタイミングで、図19(c)に示されるように、カム部材39の切欠溝40と固定部材16側のカム突部84とが一致するように、切欠溝40は設けられている。
フロント位置にあるフォグスイッチノブ15が図15の矢印Ra方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されることにより、フォグスイッチノブ15は図16に示されるリヤ位置へ至る。図16に示されるように、フォグスイッチノブ15がリヤ位置にある場合、2つのフォグスイッチ節度ピース43は、第2のフォグスイッチ凹部64bの隣の第3のフォグスイッチ凹部64cに係合する。
ここで、図18(d),(e)に示されるように、フォグスイッチノブ15をフロント位置からリヤ位置へ切り換える際、当該フォグスイッチノブ15の回転操作に伴って、フォグスイッチ節度ピース43は第3のフォグスイッチ節度山63cの先端面を摺動しながらコイルばね42の弾性力に抗して収容穴41の奥方へ移動する。そして、フォグスイッチ節度ピース43が第3のフォグスイッチ節度山63cの頂部を乗り越えた以降、当該フォグスイッチ節度ピース43はコイルばね42の弾性力により収容穴41に対する突出方向へ徐々に変位して第3のフォグスイッチ凹部64cに係合する。これにより、フォグスイッチノブ15はリヤ位置に保持される。
<*ライトスイッチノブとフォグスイッチノブとの相対位置関係>
次に、ライトスイッチノブ17とフォグスイッチノブ15との相対的な位置関係について図17を参照しつつ説明する。
<*点灯操作方向>
前述したように、ライトスイッチノブ17がオフ位置に保持されている場合には、フォグスイッチノブ15のストッパ35と固定部材16の係止孔94とが係合することにより、フォグスイッチノブ15の第1オフ位置から第2オフ位置への回転操作が規制される。ライトスイッチノブ17がオフ位置からオート位置へ回転操作されることにより、フォグスイッチノブ15のストッパ35と固定部材16の係止孔94との係合が解除される。これにより、フォグスイッチ節度ピース43が節度ピース案内部材88の案内面88aを下り、フォグスイッチノブ15は第1オフ位置から第2オフ位置へ自動的に変位する。そして、図13に示されるように、ライトスイッチノブ17がオート位置に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置にある場合には、連動用レバー119はフォグスイッチノブ15の連動穴33の一方の内端面に係合し、これ以降、フォグスイッチノブ15のリヤ位置方向への回転操作に連動してライトスイッチノブ17はヘッド位置方向へ回転する。
ここで、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置に保持されている場合に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置からフロント位置方向へ回転操作されたとき、当該操作に連動してライトスイッチノブ17も同方向へ回転する。そして、フォグスイッチノブ15の第2オフ位置からフロント位置への回転途中において、フォグスイッチ節度ピース43が第2のフォグスイッチ節度山63bの頂部に達する図18(c)に示されるタイミングで、カム部材39の切欠溝40と固定部材16側のカム突部84とが一致する。このため、図19(c)に示されるように、第4のライトスイッチ節度山71dは、コイルばね116の弾性力によりフォグスイッチノブ15側へ変位するとともに、第4のライトスイッチ節度山71dの先端面は、節度ピース案内部材88の先端面とほぼ面一になる。そして、フォグスイッチノブ15が図19(d)に示されるフロント位置に達するまでの間に、ライトスイッチ節度ピース117は節度ピース案内部材88の先端面を転動して第5のライトスイッチ節度山71eに係合する。そして、フォグスイッチノブ15がさらに回転操作されると、これに伴ってカム突部84は切欠溝40の一方の斜面40aを登るとともに、第4のライトスイッチ節度山71dは徐々に節度ピース案内部材88の先端面から徐々に突出してライトスイッチ節度ピース117をコイルばね116の弾性力に抗して押し上げる。そして、フォグスイッチノブ15が図19(d)に示されるフロント位置に達したとき、最大限に突出した第4のライトスイッチ節度山71dと第5のライトスイッチ節度山71eとの間に形成された第4のライトスイッチ凹部72dに、ライトスイッチ節度ピース117は係合する。これにより、ライトスイッチノブ17はヘッド位置に保持される。即ち、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置に保持されている場合に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置からフロント位置へ回転操作されたとき、当該操作に連動してライトスイッチノブ17はオート位置又はテール位置からヘッド位置へ自動的に変位する。
そして、ライトスイッチノブ17がヘッド位置にある場合には、図15に示されるように、ライトスイッチノブ17の連動用レバー119はレバー挿通孔104(図15では図示略)及び連動穴33の中間位置に保持されている。このため、フロント位置に保持されているフォグスイッチノブ15は、単独でリヤ位置への回転操作が可能となる。このとき、ライトスイッチノブ17は回転することなくヘッド位置に保持される。
<*消灯操作方向>
一方、図16に示されるように、ライトスイッチノブ17がヘッド位置に、フォグスイッチノブ15がリヤ位置にある場合には、連動用レバー119は連動穴33の一方(消灯操作方向)の内端面に係合している。このため、ライトスイッチノブ17をヘッド位置からオフ位置側へ回転操作したときには、当該ライトスイッチノブ17の回転に連動してフォグスイッチノブ15は第1オフ位置方向(消灯操作方向)へ回転する。即ち、ライトスイッチノブ17がヘッド位置、テール位置、オート位置、オフ位置の順に戻し操作された場合、当該操作に連動してフォグスイッチノブ15は、リヤ位置、フロント位置、第2オフ位置、第1オフ位置の順に回転する。
また、前述したように、ライトスイッチノブ17がテール位置にある場合には、フォグスイッチノブ15はフロント位置にある。この段階で、フォグスイッチノブ15がフロント位置からリヤ位置へ回転操作されたときには、図15に二点鎖線で示されるように、連動用レバー119が連動穴33の一方(消灯操作方向)の内端面に押圧されることにより、フォグスイッチノブ15に連動してライトスイッチノブ17はヘッド位置に切り換えられる。
また、ライトスイッチノブ17がオート位置、テール位置及びヘッド位置のいずれかの位置に保持されている場合に、フォグスイッチノブ15を第2オフ位置から第1オフ位置へ回転操作したときには、フォグスイッチノブ15の回転は許容される。しかし、当該フォグスイッチノブ15が第1オフ位置に保持されることはなく、第2オフ位置へ自動的に復帰する。即ち、ライトスイッチノブ17はオート位置、テール位置及びヘッド位置のいずれかの位置に保持されている場合には、フォグスイッチノブ15のストッパ35と固定部材16の係止孔94との係合が解除された状態に保たれている。
このため、図18(b)に示されるように、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置から第1オフ位置へ回転操作された場合、フォグスイッチ節度ピース43は第1のフォグスイッチ凹部64aの傾斜面を一旦は登る。しかし、回転操作力が解除されたときには、フォグスイッチ節度ピース43は第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65を下り、第1のフォグスイッチ凹部64aに係合する。即ち、フォグスイッチノブ15は第2オフ位置に自動的に復帰して当該位置に保持される。
なお、ライトスイッチノブ17がオート位置、テール位置及びヘッド位置のいずれかの位置に保持されている場合において、フォグスイッチノブ15のリヤ位置からフロント位置への切り換え操作、及びフロント位置から第2オフ位置への切り換え操作はそれぞれ許容される。
なお、本実施の形態において、カム突部84、コイルばね76及びカム部材39は、本発明のカム機構α1、退避機構α2及び解除機構α3を構成する(図19(a)〜(e)参照)。また、連動用レバー119及び連動穴33は本発明の連動機構βを構成する(図3参照)。そして、解除機構α3を構成するカム突部84、コイルばね76及びカム部材39、並びに連動機構βを構成する連動用レバー119及び連動穴33は、本発明の移動機構γを構成する(図3参照)。さらに、ライトスイッチ節度ピース117及びコイルばね116は本発明の係止手段δを構成し、当該係止手段δ、固定部材16、及びライトスイッチ節度山71は本発明の保持機構εを構成する(図19(a)〜(e)参照)。
<*実施の形態の作用>
次に、前述のように構成したスイッチ装置の作用を説明する。
<*走行系ランプ:点灯操作>
まず、ライトスイッチノブ17がオフ位置に、フォグスイッチノブ15が第1オフ位置に保持されている場合について説明する。この場合、ライトスイッチ節度ピース117が第1のライトスイッチ凹部72aに係合することにより、ライトスイッチノブ17は次回の回転操作が行われるまでオフ位置に保持される(図19(a)参照)。またこのとき、図7(a)に示されるように、ライトスイッチノブ17の連動用レバー119は、レバー挿通孔104及び連動穴33(図7(a)では図示略)の点灯操作方向(矢印Raと反対方向)と反対側の内端面に係合している。このため、ライトスイッチノブ17の点灯操作方向(矢印Ra方向)の回転操作は許容されている。一方、図7(b)に示されるように、ライトスイッチノブ17のストッパ解除用レバー118がフォグリリースカム95の第1のカム面98に当接するとともに、フォグスイッチノブ15のストッパ35は固定部材16の係止孔94に係合状態で保持されている。このため、フォグスイッチノブ15はその回転操作が規制されたロック状態に保持されている。また、レバー軸13のカム114により、ステアリングコラム内の走行系ランプスイッチがオフ位置に対応した接点状態に切り換え保持されている。このため、前記走行系ランプスイッチは、オフ位置に保持されている旨示すオフ操作信号を、図示しないランプ制御装置へ出力する。当該信号を受けて、前記ランプ制御装置は、走行系ランプ点灯モードを消灯モードとして、ヘッドランプ及びテールランプ等の走行系ランプを消灯する。
この状態でライトスイッチノブ17がオフ位置から点灯操作方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されると、ライトスイッチノブ17は図8(a)に示されるオート位置に切り換わる。このとき、ライトスイッチ節度ピース117が第2のライトスイッチ凹部72bに係合することにより、ライトスイッチノブ17は次回の回転操作が行われるまでオート位置に保持される(図19(b)参照)。また、ライトスイッチノブ17の回転操作に連動してレバー軸13も回転し、そのカム114により前記走行系ランプスイッチがオート位置に対応した接点状態に切り換えられる。そして、前記走行系ランプスイッチは、オート位置に保持されている旨示すオート操作信号を、前記ランプ制御装置へ出力する。当該信号を受けて、前記ランプ制御装置は、走行系ランプ点灯モードを自動点灯モードとする。そして、前記ランプ制御装置は、車両周囲の明るさ(照度)に応じて、走行系ライト(ヘッドランプ及びテールランプ)を自動で点灯制御する。
次に、ライトスイッチノブ17がオート位置から点灯操作方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されると、ライトスイッチノブ17は図9に示されるテール位置に切り換わる。このとき、ライトスイッチ節度ピース117が第3のライトスイッチ凹部72cに係合することにより、ライトスイッチノブ17は次回の回転操作が行われるまでテール位置に保持される(図19(b)参照)。また、ライトスイッチノブ17の回転操作に連動してレバー軸13も回転し、そのカム114により前記走行系ランプスイッチがテール位置に対応した接点状態に切り換えられる。そして、前記走行系ランプスイッチは、テール位置に保持されている旨示すテール操作信号を、前記ランプ制御装置へ出力する。当該信号を受けて、前記ランプ制御装置は、走行系ランプ点灯モードをテール点灯モードとして、テールランプを点灯する。
次に、ライトスイッチノブ17がテール位置から点灯操作方向へ所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作されると、ライトスイッチノブ17は図11に示されるヘッド位置に切り換わる。このとき、ライトスイッチ節度ピース117が第4のライトスイッチ凹部72dに係合することにより、ライトスイッチノブ17は次回の回転操作が行われるまでヘッド位置に保持される(図19(d)参照)。また、ライトスイッチノブ17の回転操作に連動してレバー軸13も回転し、そのカム114により前記走行系ランプスイッチがヘッド位置に対応した接点状態に切り換えられる。そして、前記走行系ランプスイッチは、ヘッド位置に保持されている旨示すヘッド操作信号を、前記ランプ制御装置へ出力する。当該信号を受けて、前記ランプ制御装置は、走行系ランプ点灯モードをヘッド点灯モードとして、ヘッドランプ及びテールランプの両方を点灯する。
<*フォグ系ランプ:点灯操作>
ところで、ライトスイッチノブ17がオフ位置からオート位置へ回転操作された際、当該ライトスイッチノブ17の回転に伴って、フォグリリースカム95の第1のカム面98に当接するストッパ解除用レバー118は、第3のカム面100を摺接状態で登って第2のカム面99に当接した状態となる。これにより、フォグリリースカム95は第1のカム面98と第2のカム面99との高低差の分だけフォグスイッチノブ15側へ移動するとともに、当該フォグリリースカム95により、ストッパ35はストッパ収容部34の奥方へ押圧される。その結果、ストッパ35は固定部材16の係止孔94から離脱してフォグスイッチノブ15の回転規制状態が解除される。このため、フォグスイッチノブ15の回動操作が可能となる。
フォグスイッチノブ15の回転規制状態が解除されると、図18(b)に示されるようにフォグスイッチ節度ピース43が第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65を転がり始め、第1のフォグスイッチ凹部64aに係合する。即ち、図13に示されるようにフォグスイッチノブ15が自動的に点灯操作方向(矢印Ra方向)へ所定量(本実施の形態では30°)だけ回転して第2オフ位置まで移動する。このとき、連動穴33の点灯操作方向と反対側の内端面は、連動用レバー119に係合した状態に保たれる。そして、フォグ系ランプスイッチ14は、第2オフ位置に応じた接点状態となるとともに、オフ操作信号を前記ランプ制御装置へ出力する。当該信号を受けて、ランプ制御装置は、フォグ系ランプ点灯モードを消灯モードとして、フロントフォグライト及びリアフォグライトの両方を消灯状態に保つ。
次に、ライトスイッチノブ17がオート位置に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置にある状態において、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置から点灯操作方向へ所定量(本実施の形態では30°)だけ回転操作されると、当該操作に連動してライトスイッチノブ17も同一方向へ回転する(図13及び図14参照)。即ち、連動穴33の点灯操作方向と反対側の内端面により連動用レバー119が押圧されることにより、ライトスイッチノブ17はフォグスイッチノブ15と同一方向へ回転する。
ここで、フォグスイッチノブ15がフロント位置へ至る途中において、図19(c)に示されるようにフォグスイッチ節度ピース43が第2のフォグスイッチ節度山63bの頂部に達するタイミングで、カム部材39の切欠溝40と、可動節度山本体81のカム突部84とが一致する。すると、可動節度山本体81がコイルばね76の弾性力によりフォグスイッチノブ15側へ変位するとともに、カム突部84は切欠溝40内に落ち込む。その結果、第4のライトスイッチ節度山71dの先端面は、節度ピース案内部材88の先端面とほぼ面一となる。そして、図19(c)に示されるように、当該面一になっている間にライトスイッチ節度ピース117が節度ピース案内部材88の案内面88aを転がって第5のライトスイッチ節度山71eに係合する。
そして、図19(d)に示されるように、ライトスイッチノブ17が点灯操作方向へさらに回転操作されるのに伴って、カム突部84は切欠溝40の内面に案内されながら徐々にカム部材39の先端面側へ変位する。即ち、可動節度山本体81は、コイルばね76の弾性力に抗して徐々にライトスイッチノブ17側へ変位するとともに、第4のライトスイッチ節度山71dは節度ピース案内部材88の先端面から徐々に突出してライトスイッチ節度ピース117をコイルばね116の弾性力に抗して押し上げる。そして、図19(d)に示されるように、フォグスイッチノブ15がフロント位置に達したとき、第4のライトスイッチ節度山71dと第5のライトスイッチ節度山71eとの間に形成された第4のライトスイッチ凹部72dに、ライトスイッチ節度ピース117は係合する。これにより、ライトスイッチノブ17はヘッド位置に保持される。また、図18(d)に示されるように、フォグスイッチ節度ピース43が第2のフォグスイッチ凹部64bに係合することにより、フォグスイッチノブ15は次回の回転操作が行われるまでフロント位置に保持される。
そして、前記走行系ランプスイッチはヘッド操作信号を、フォグ系ランプスイッチ14はフロント操作信号を前記ランプ制御装置へ出力する。これらヘッド操作信号及びフロント操作信号を受けて、前記ランプ制御装置は、走行系ランプ点灯モードをヘッド点灯モードとするとともに、フォグ系ランプ点灯モードをフロント点灯モードとし、ヘッドランプ、テールランプ及びフロントフォグランプをそれぞれ点灯する。
次に、ライトスイッチノブ17がテール位置に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置にある状態において、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置から点灯操作方向へ所定量(本実施の形態では30°)だけ回転操作された場合も、前述と同様のタイミングで第4のフォグスイッチ節度山63dがフォグスイッチノブ15側に退避する。これに伴って、ライトスイッチ節度ピース117は節度ピース案内部材88の案内面88aを転がって第4のライトスイッチ凹部72dに係合する。これにより、ライトスイッチノブ17はヘッド位置に保持されるとともに、フォグスイッチノブ15はフロント位置に保持される。そして、前記ランプ制御装置はヘッドランプ、テールランプ及びフロントフォグランプをそれぞれ点灯する。
このように、フォグスイッチノブ15を第2オフ位置からフロント位置へ回転操作した場合には、ライトスイッチノブ17は必ずヘッド位置にある。そしてこの場合、図15に示されるように、ライトスイッチノブ17の連動用レバー119は、連動穴33の中間位置に保持されていることから、フォグスイッチノブ15は点灯操作方向へ単独で所定量(本実施の形態では、30°)だけ回転操作可能となる。そして、フォグスイッチノブ15をフロント位置からリヤ位置へ回転操作すると、フォグスイッチ節度ピース43が第3のフォグスイッチ凹部64cに係合することにより、フォグスイッチノブ15は次回の回転操作が行われるまでリヤ位置に保持される(図18(e)参照)。
そして、前記走行系ランプスイッチはヘッド操作信号の出力状態を保つとともに、フォグ系ランプスイッチ14はリヤ操作信号を前記ランプ制御装置へ出力する。これらヘッド操作信号及びリヤ操作信号を受けて、前記ランプ制御装置は、走行系ランプ点灯モードをヘッド点灯モードに維持した上で、フォグ系ランプ点灯モードをリヤ点灯モードとし、ヘッドランプ、テールランプ、フロントフォグランプ及びリヤフォグランプをそれぞれ点灯する。
以上のように、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合であれ、フォグスイッチノブ15の点灯操作方向への回転操作により、ライトスイッチノブ17のオート位置又はテール位置での保持状態が機械的に解除されるとともに、フォグスイッチノブ15はフロント位置又はリヤ位置に保持される。このため、ライトスイッチノブ17がオート位置にある場合であれ、フォグ系ランプを運転者の操作により任意に点灯させることができる。換言すれば、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合であれ、運転者のフォグ系ランプの点灯意思を、スイッチ装置11側で認識可能となる。従って、フォグ系ランプを点灯させるために、例えばライトスイッチノブ17をオート位置又はテール位置からヘッド位置へ切り替えた上で、フォグスイッチノブ15を第2オフ位置からフロント位置又はリヤ位置へ切り換えるといった煩雑な操作は不要となる。即ち、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合であれ、フォグスイッチノブ15を点灯操作方向へ回転操作するだけでよいので、フォグ系ランプの点灯操作が簡単になる。
また、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合であれ、フォグスイッチノブ15が点灯操作方向へ回転操作されたときには、フォグ系ランプスイッチ14から当該フォグスイッチノブ15の回転操作位置に応じた操作信号が出力される。このため、フォグ系ランプスイッチのスイッチ制御、即ち、フォグ系ランプスイッチ14が、どのような接続状態にあるのかという判断がスイッチ装置11内において完結する。従って、フォグ系ランプスイッチ14の接点の接続状態を判断するフォグ系ランプスイッチ14制御用のシステム制御部を設ける必要はない。
<*走行系ランプ:戻し操作>
次に、ライトスイッチノブ17をオフ位置側に戻し操作する場合、ライトスイッチノブ17がフォグスイッチノブ15と同一段となった以降は、連動用レバー119により連動穴33の点灯操作方向と反対側の内端面が押圧されることにより、フォグスイッチノブ15はライトスイッチノブ17に連動して同一方向へ回転する。
例えば、図17に示されるように、ライトスイッチノブ17がヘッド位置に、またフォグスイッチノブ15がリヤ位置にある場合に、ライトスイッチノブ17がヘッド位置(HEAD)→テール位置(TNS)→オート位置(AUTO)→オフ位置(OFF)へ操作位置が戻されたとき、フォグスイッチノブ15は次のように動作する。即ち、フォグスイッチノブ15はライトスイッチノブ17に連れ回りして、リヤ位置(Fr+Rr)→フロント位置(Fr)→第2オフ置(第2OFF)→第1オフ位置(第1OFF)の順に操作位置が切り換えられる。
また、ライトスイッチノブ17がヘッド位置→テール位置→オート位置→オフ位置へ操作位置が戻される場合に、フォグスイッチノブ15が例えばフロント位置に保持されているときには、ライトスイッチノブ17がテール位置まで戻し操作された以降、フォグスイッチノブ15はライトスイッチノブ17と連動して同一方向へ回転する。
また、ライトスイッチノブ17がヘッド位置→テール位置→オート位置→オフ位置へ操作位置が戻される場合に、フォグスイッチノブ15が例えば第2オフ位置に保持されているときには、ライトスイッチノブ17がオート位置まで戻し操作された以降、フォグスイッチノブ15はライトスイッチノブ17と連動して同一方向へ回転する。
<*フォグ系ランプ:戻し操作>
ここで、ライトスイッチノブ17がヘッド位置、テール位置及びオート位置のいずれかの操作位置にある場合に、フォグスイッチノブ15のみを単独で第2オフ位置から第1オフ位置へ向けて回転操作したときには、フォグスイッチ節度ピース43は第1のフォグスイッチ節度山63aの傾斜面65を登って一旦はその頂部に達する。しかし、このとき、ストッパ解除用レバー118は第2のカム面99に当接していることから、フォグスイッチノブ15は回転許容状態に保たれている。従って、一旦は傾斜面65の頂部に達したフォグスイッチ節度ピース43は、当該傾斜面65を再び転がり落ちて第1のフォグスイッチ凹部64aに係合する。これに伴い、フォグスイッチノブ15は第1オフ位置から第2オフ位置へ自動的に復帰する。
従って、第2オフ位置にあるフォグスイッチノブ15は、ライトスイッチノブ17がオフ位置へ戻し操作された場合にのみ、当該ライトスイッチノブ17と同一方向へ連れ回り、第1オフ位置に保持される。即ち、ライトスイッチノブ17がオフ位置への戻し操作に伴い、ストッパ解除用レバー118は第2のカム面99から第3のカム面100を経由して第1のカム面98に至る。これにより、フォグリリースカム95はコイルばね103の弾性力により、ライトスイッチノブ17側へ移動するとともに、これに伴ってストッパ35は、コイルばね38の弾性力によりライトスイッチノブ17側へ移動する。その結果、ストッパ35が固定部材16の係止孔94に係止されることによりフォグスイッチノブ15は回転規制状態にロックされる。従って、フォグスイッチ節度ピース43は傾斜面65の頂部に保持される。
そして、ライトスイッチノブ17がオフ位置に、またフォグスイッチノブ15が第1オフ位置にある場合には、ヘッドライト及びテールライト、並びにフロントフォグライト及びリアフォグライトの全てが消灯する。
<実施の形態の効果>
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)スイッチ装置11には、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置(オフ位置)からフロント位置(オン位置)へ操作されたとき、当該操作に連動してライトスイッチノブ17をヘッド位置へ移動させる移動機構γ(図3参照)を設けるようにした。
このため、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合に、フォグランプを使用するためにフォグスイッチノブ15が第2オフ位置からフロント位置へ向けて回転操作されたとき、当該操作に連動する移動機構γの作動によりライトスイッチノブ17のオート位置での保持状態が機械的に解除される。そして、当該ライトスイッチノブ17はヘッド位置へ移動する。このため、ライトスイッチノブ17がオート位置にある場合であれ、運転者のフォグランプの点灯意思をスイッチ装置11側で認識可能となるとともに、当該フォグランプを運転者の操作により任意に点灯させることができるようになる。
また、ライトスイッチノブ17がオート位置にある場合であれ、フォグスイッチノブ15の操作位置に応じた操作位置信号を外部に出力可能となることから、フォグスイッチノブ15の操作位置の判定をスイッチ装置11内で完結させることができる。このため、ライトスイッチノブ17がオート位置にある場合であれ、フォグランプの点灯状態を例えば外部(車両側)の制御手段(フォグ系ランプスイッチ14制御用のシステム制御部)により制御する必要はない。従って、当該制御手段が不要となることから部品点数の低減及び製品コストの削減が図られる。
(2)図3及び図19(a)〜(e)に示されるように、ライトスイッチノブ17とフォグスイッチノブ15との間には、当該ライトスイッチノブ17をオフ位置、オート位置、テール位置及びヘッド位置に保持する保持機構εを備えた。そして、移動機構γには、ライトスイッチノブ17とフォグスイッチノブ15とを連動させる連動機構βを備えた。また、移動機構γには、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置に保持されている場合に、フォグスイッチノブ15がオフ位置からオン位置へ向けて回転操作されたとき、当該回転操作に連動して保持機構εによるライトスイッチノブ17のテール位置における保持可能状態を解除する解除機構α3と、を備えた。
このため、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置に保持されている場合に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置(オフ位置)からフロント位置(オン位置)へ向けて回転操作されたとき、当該回転操作に連動して保持機構εによるライトスイッチノブ17のテール位置における保持可能状態が解除される。その結果、ライトスイッチノブ17は、テール位置に保持されることなく次次段又は次段のヘッド位置への移動が許容される。従って、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合に、フォグスイッチノブ15がオフ位置からオン位置へ操作されたとき、当該操作に連動してライトスイッチノブ17をヘッド位置へ移動させることが可能となる。
(3)図19(a)〜(e)に示されるように、保持機構εには、ライトスイッチノブ17とフォグスイッチノブ15との間に設けられるとともに、当該フォグスイッチノブ15を前記ベースに対して相対回転可能に取り付ける固定部材16を備えた。また、保持機構εには、固定部材16のライトスイッチノブ17側の側面におけるレバー軸13(正確には、挿通孔113)の周囲に設けられた複数個のライトスイッチ節度山71を備えた。さらに保持機構εには、ライトスイッチノブ17の固定部材16側の側面におけるレバー軸13(正確には、挿通孔113)の周囲に設けられるとともに、ライトスイッチ節度山71間に形成されるライトスイッチ凹部72に係止することによりライトスイッチノブ17の操作位置を保持する係止手段δを備えた。
そして、解除機構α3は、フォグスイッチノブ15の第2オフ位置(オフ位置)からフロント位置(オン位置)へ向けた回転操作に連動して、第4のライトスイッチ節度山71dをフォグスイッチノブ15側へ退避させる退避機構α2として構成するようにした。ここで、第4のライトスイッチ節度山71dは、ライトスイッチノブ17をテール位置及びヘッド位置に保持する2つの凹部(第3及び第4のライトスイッチ節度山71d)を構成する3つの節度山(第3,第4,第5のライトスイッチ節度山71c,71d,71e)のうち、当該2つの凹部の構成要素として共用される節度山である。
この構成によれば、スイッチ装置11の構成の複雑化を抑えつつ、フォグスイッチノブ15の第2オフ位置からフロント位置への回転操作に連動するライトスイッチノブ17のオート位置又はテール位置からヘッド位置への移動を許容することができる。
(4)図19(a)〜(e)に示されるように、退避機構α2は、カム機構α1として構成するようにした。このカム機構α1には、可動節度山としての第4のライトスイッチ節度山71dの前記フォグスイッチノブ15側に設けられたカム突部84と、第4のライトスイッチ節度山71dをフォグスイッチノブ15側へ常時付勢する節度山付勢手段としてのコイルばね76とを備えた。また、カム機構α1には、フォグスイッチノブ15の固定部材16側の側面に設けられるとともに、第4のライトスイッチ節度山71dがライトスイッチ節度ピース117を係止する通常位置に保持された状態でカム突部84を摺動案内するカム部材39を備えた。さらに、カム部材39には、カム突部84を収容可能とした収容部としての切欠溝40を、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置(オフ位置)からフロント位置(オン位置)に達するまでの間にカム突部84と一致するように設けるようにした。そして、フォグスイッチノブ15の回転操作に伴ってカム部材39の切欠溝40がカム突部84と一致する位置まで変位したとき、コイルばね76の弾性力により当該カム突部84が切欠溝40内に収容されるようにした。これにより、第4のライトスイッチ節度山71dはライトスイッチ節度ピース117を係止する通常位置から当該ライトスイッチ節度ピース117を係止不能となる退避位置へ変位するようにした。
このように、カム機構α1を利用することにより、第4のライトスイッチ節度山71dを通常位置と退避位置との間において簡単に往復移動させることができる。このため、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置(オフ位置)からフロント位置(オン位置)へ回転操作されたとき、当該操作に連動してライトスイッチノブ17を、オート位置又はテール位置からヘッド位置へ簡単に移動させることができる。
(5)係止手段δには、第1〜第5のライトスイッチ節度山71a〜71e間に形成される第1〜第4のライトスイッチ凹部72a〜72dに係止されるライトスイッチ節度ピース117と、当該ライトスイッチ節度ピース117を第1〜第4のライトスイッチ凹部72a〜72d側へ常時付勢する節度ピース付勢手段としてのコイルばね116を備えた。そして、第3のライトスイッチ節度山71cと第5のライトスイッチ節度山71eとの間には、ライトスイッチノブ17のオート位置又はテール位置からヘッド位置へ向けた回転操作方向に向かうにつれて下方へ傾斜する案内面88aを有する節度ピース案内部材88を設けるようにした。ここで、第3及び第5のライトスイッチ節度山71c,71eは、ライトスイッチノブ17をテール位置及びヘッド位置に保持する2つの凹部を構成する3つの節度山のうち、当該2つの凹部の構成要素として共用される節度山(第4のライトスイッチ節度山71d)の両隣の2つの節度山である。
このため、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合、フォグスイッチノブ15がオフ位置からオン位置へ向けて操作されたとき、ライトスイッチ節度ピース117が節度ピース案内部材88の案内面88aに案内されてライトスイッチノブ17のヘッド位置に対応する位置へ円滑に案内される。このため、フォグスイッチノブのオフ位置からオン位置へ向けた操作に連動して、ライトスイッチはオート位置又はテール位置からヘッド位置へ円滑に移動可能となる。
(6)第4のライトスイッチ節度山71dは互いに対向する2つの節度山片87として構成するようにした。そして、第4のライトスイッチ節度山71dの通常位置と退避位置との間の移動に伴って、2つの節度山片87は節度ピース案内部材88を介在した状態で、案内面88aから突出する前記通常位置に対応する位置と、案内面88aから突出しない前記退避位置に対応する位置との間を変位するようにした。
このため、第4のライトスイッチ節度山71dの通常位置と退避位置との間の移動が、節度ピース案内部材88により阻害されることはない。
(7)スイッチ装置11は、本実施の形態に示されるように、車両のステアリングコラムに装着されるコンビネーションレバースイッチの操作レバー、具体的にはレバー本体12の先端部に好適に設けることが可能である。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本実施の形態では、スイッチ装置11をコンビネーションレバースイッチの操作レバー、具体的にはレバー本体12の先端部に設けるようにしたが、当該レバー本体12と分離して設けるようにしてもよい。例えば、スイッチ装置11を、インストメントパネル等に設けるようにしてもよい。この場合、図20に示すように、例えばインストメントパネル201にレバー本体12に相当する筒部材202を設けるとともに、当該筒部材202に対してスイッチ装置11をレバー軸13を介して支持する。
・本実施の形態では、フォグ系ランプとして、フロントフォグランプ及びリヤフォグランプの両方を設けるようにしたが、いずれか一方のみ設けるようにしてもよい。
・節度ピース案内部材88を省略するようにしてもよい。このようにしても、ライトスイッチノブ17がオート位置又はテール位置にある場合に、フォグスイッチノブ15が第2オフ位置からフロント位置へ回転操作されたときに、当該操作に連動してライトスイッチ節度ピース117を第4のライトスイッチ凹部72dへ変位させることは可能である。