JPH0930279A - 車両用自動変速機のシフトロック装置 - Google Patents

車両用自動変速機のシフトロック装置

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JPH0930279A
JPH0930279A JP18438395A JP18438395A JPH0930279A JP H0930279 A JPH0930279 A JP H0930279A JP 18438395 A JP18438395 A JP 18438395A JP 18438395 A JP18438395 A JP 18438395A JP H0930279 A JPH0930279 A JP H0930279A
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JP
Japan
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shift
interlocking member
shift lever
key
cable
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JP18438395A
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Hideaki Wakabayashi
秀明 若林
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用自動変速機のシフトレバー装置におい
て、取付け作業性やメンテナンス性がよく且つ信頼性の
高いシフトロック装置を実現可能に図る。 【解決手段】 シフトレバーが自動変速機を非駆動とす
る位置にあるとき、シフトレバーをロック状態とアンロ
ック状態とに切換え可能なシフトレバーロック機構と、
この機構と連動してロック状態に対応する第1の位置
(図示位置)とアンロック状態に対応する第2の位置と
の間を移動可能なレバー連動部材(76)と、レバー連動部
材と相対移動可能に係合し、レバー連動部材を第1の位
置に規制する第3の位置(実線)と該規制を解除する第
4の位置(二点鎖線)との間を移動する係合部材(82)
と、イグニションキーがエンジン停止位置にあるとき係
合部材を第3の位置に規制するキー連動部材と、ブレー
キペダルが踏込まれず且つレバー連動部材が第1の位置
のときレバー連動部材を拘束する規制手段(112)とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用自動変速
機のシフトロック装置に係り、詳しくは機械式のロック
装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】車両に搭載された自動変速機で
は、シフトレンジを非駆動状態である駐車レンジ(Pレ
ンジ)、後退レンジ(Rレンジ)、前進レンジ(Dレン
ジ)等に切換えるシフトレバーが設けられている。とこ
ろで、このような自動変速機にあっては、エンジンを始
動させる場合において、シフトレンジがPレンジ以外の
レンジにシフトしてしまうと、エンジンの始動と同時に
車輪に駆動力が伝達されてしまう虞がある。
【0003】そこで、イグニションキーシリンダやブレ
ーキペダルと連動する規制手段をシフトレバーに付加
し、これにより、イグニションキーシリンダがエンジン
作動(ON)の位置であり且つブレーキペダルが踏込ま
れた状態でない限り、シフトレバーをPレンジの位置か
ら他のレンジにシフトできないよう機械的に規制するシ
フトロック装置が多用されている。
【0004】そして、シフトレバー回りの省スペース化
を図るべくシフトレバーから離して配設可能なシフトロ
ック装置が実開平1−114325号公報等に開示され
ている。図8には、上記公報に開示されるようなロック
装置の断面図を示してあるが、同図に示すように、この
ロック装置では、ケース422を貫通してシフトレバー
からイグニションキーに延びるコントロールワイヤ41
5のインナワイヤ415aにストッパ423が固着され
ており、このストッパ423と係合するようにして係止
部材424がピン425回りに回動可能に設けられてい
る。
【0005】この係止部材424の下部には、カム溝4
26が形成されており、このカム溝426には、カム溝
426と協働する移動部材427の凸部427aが係合
している。そして、移動部材427には、ブレーキペダ
ルに連結されたワイヤ429の一端が接続されている。
図9には、図8中のB−B線に沿う断面図を示してある
が、この図8に示す状態では、ストッパ423と係止部
材424とが係合している。しかしながら、ブレーキペ
ダルが操作されると、移動部材427が図8中の矢印4
50の方向で変位し、これにより、係止部材424がピ
ン425回りに図9中の矢印454方向に揺動する。こ
のように係止部材424が揺動すると、ストッパ423
との係合が解除されることになり、これにより、インナ
ワイヤ415aが矢印452の方向に変位可能となる。
このとき、イグニションキーがエンジン作動側に操作さ
れていれば、インナワイヤ415aは自由に紙面右方向
に移動することになる。
【0006】つまり、シフトレバーロック機構(図示せ
ず)からシフトレバーの拘束を解除させる場合にはイン
ナワイヤ415aを引っ張るように操作されることにな
るのであるが、この場合には、インナワイヤ415aが
紙面右方向に移動し、これによりシフトレバーが規制解
除される。なお、ブレーキペダルが操作されなくなる
と、移動部材427はスプリング428によって付勢さ
れて図8中に示す位置まで戻され、これにより、係止部
材424とストッパ423とが再び係合可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示されるロック装置にあっては、インナワイヤ415
aは、図8中に示すように、シフトレバーからイグニシ
ョンキーまで1本で構成されている。このように、イン
ナワイヤ415aが1本であると、インナワイヤ415
aの一端にのみ修理の困難な不具合が発生した場合であ
ってもインナワイヤ415a全体を交換する必要があ
り、この場合にあっては、シフトレバー側とイグニショ
ンキー側の双方おいてインナワイヤ415aの脱着作業
をしなければならず作業が煩雑になり好ましいことでは
ない。
【0008】また、上記ロック装置では、ストッパ42
3はインナワイヤ415aによって中空にぶら下がった
状態となっている。従って、ストッパ423はケース4
22内で不安定な状態となっており、ストッパ423と
係止部材424との係止状態が安定せず、不要なときに
係止状態になったり、また必要なときに係止されなかっ
たりする虞もある。このようにストッパ423と係止部
材424との係止状態が不安定となると、ロック装置が
本来の働きをなさないばかりか、車両の走行に支障をき
たす虞もある。
【0009】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、取付け作業性やメン
テナンス性がよく且つ信頼性の高い車両用自動変速機の
シフトロック装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、シフトレバーを揺動させるこ
とにより自動変速機のシフトレンジを切換え可能なシフ
トレバー装置において、前記シフトレバーが前記自動変
速機を非駆動とする位置にあるとき、前記シフトレバー
の揺動を抑制するロック状態と、前記揺動を許容するア
ンロック状態とを切換え可能なシフトレバーロック機構
と、前記シフトレバーロック機構と連動して前記ロック
状態に対応する第1の位置と前記アンロック状態に対応
する第2の位置との間を移動可能な連動部材と、エンジ
ンキーがエンジン停止の位置にあるとき前記連動部材を
前記第1の位置に規制する一方、前記エンジンキーがエ
ンジン作動の位置にあるとき前記規制を解除する第1の
規制手段と、前記ブレーキペダルが踏込まれておらず且
つ前記連動部材が前記第1の位置にあるとき前記連動部
材を係止する一方、前記ブレーキペダルが踏込まれたと
き前記係止を解除する第2の規制手段とを備えることを
特徴としている。従って、シフトレバーが自動変速機を
非駆動とする位置では、エンジンキーがエンジン停止の
位置にあると連動部材が第1の位置に規制され、また、
連動部材が第1の位置にあり且つブレーキペダルが踏込
まれていないときにも連動部材は第1の位置に規制され
る。これにより、エンジンキーがエンジン停止の位置に
あるとき或いはブレーキペダルが踏込まれていないとき
には、シフトレバーは、揺動が抑制され、簡単な構造に
して確実に自動変速機を非駆動とする位置に保持され
る。
【0011】また、請求項2の発明では、前記連動部材
は前記連動部材の移動方向に延びる係合孔を有し、前記
第1の規制手段は、前記エンジンキーの操作に応じて前
記係合孔内を移動する係合部材と、前記エンジンキーが
エンジン停止の位置にあるとき、前記係合部材を前記係
合孔の一端の内壁面と当接させて前記連動部材を前記第
1の位置に規制する係合手段とを備えることを特徴とし
ている。従って、エンジンキーの操作に応じて係合部材
が係合孔内を移動して一端の内壁面と当接し、連動部材
は容易に第1の位置に規制される。
【0012】また、請求項3の発明では、前記第1の規
制手段は、前記エンジンキーがエンジン作動の位置にあ
るとき、前記係合部材を前記係合孔の他端に移動可能に
して前記規制を解除することを特徴としている。従っ
て、エンジンキーの操作に応じて係合部材が係合孔内を
他端側に移動可能になり、第1の規制手段による連動部
材の第1の位置への規制が容易に解除される。
【0013】また、請求項4の発明では、前記第1の規
制手段は、前記エンジンキーがエンジン作動の位置に回
動されたとき、前記係合部材を前記係合孔の他端に移動
させ、前記規制を解除することを特徴としている。従っ
て、エンジンキーの操作に応じて係合部材が係合孔内を
他端側に移動し、第1の規制手段による連動部材の第1
の位置への規制が容易且つ確実に解除される。
【0014】また、請求項5の発明では、一端が前記係
合部材に連結される一方、他端が前記エンジンキーに連
動して移動するキー連動部材に連結された第1のケーブ
ルと、一端が前記連動部材に連結される一方、他端が前
記シフトレバーロック機構に連結された第2のケーブル
とを含んでなることを特徴としている。従って、係合部
材とキー連動部材及び連動部材とシフトレバーロック機
構とはそれぞれ独立に第1のケーブル及び第2のケーブ
ルによって好適に連結され、ケーブル交換等が容易であ
る。
【0015】また、請求項6の発明では、前記第2の規
制手段は、前記ブレーキペダルと連動し、前記ブレーキ
ペダルが踏込まれておらず且つ前記連動部材が前記第1
の位置にあるとき前記連動部材を係止する係止部材から
なることを特徴としている。従って、ブレーキペダルと
連動する係止部材により、連動部材は容易に係止され規
制される。
【0016】また、請求項7の発明では、一端が前記係
止部材に連結される一方、他端が前記ブレーキペダルと
連動して移動するペダル連動部材に連結された第3のケ
ーブルを含んでなることを特徴としている。従って、係
止部材とペダル連動部材とは第1及び第2のケーブルに
対し独立の第3のケーブルによって好適に連結され、ケ
ーブル交換等が容易である。
【0017】また、請求項8の発明では、前記第3のケ
ーブルは、前記ブレーキペダルの踏込み量が設定値に達
すると前記係止部材と前記連動部材との係止を解除する
とともに、前記設定値より大きい前記ブレーキペダルの
踏込みに対して伸長する踏込み調整手段を備えることを
特徴としている。従って、ブレーキペダルの踏込み量に
関係なく係止部材の移動量が一定とされ、係止部材はコ
ンパクトに設置される。
【0018】また、請求項9の発明では、前記連動部材
と前記第1及び第2の規制手段とは1つの収容部材内に
収容されていることを特徴としている。従って、シフト
ロック装置がコンパクトであり且つメンテナンスが容易
である。また、請求項10の発明では、前記連動部材
は、前記収容部材内で摺動することを特徴としている。
従って、連動部材の移動は確実なものとなり、シフトレ
バーの揺動の抑制と許容とが、簡単な構造にしてより確
実になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づき説明する。図1には、シフトロック装置の概略構
成図を示してある。同図に示すように、シフトレバーユ
ニット1には、コントロールケーブル(第2のケーブ
ル)2の一端が接続されており、このコントロールケー
ブル2の他端には、シフトロックユニット4が接続され
ている。そして、さらに、このシフトロックユニット4
には、キーインタロックケーブル(第1のケーブル)6
の一端とシフトロックケーブル(第3のケーブル)7の
一端がそれぞれ接続され、キーインタロックケーブル6
の他端は、ステアリングホイール8のコラム9に取付ら
れたイグニションキーシリンダ(エンジンキー)10に
接続され、一方、シフトロックケーブル7の他端は、車
体のダッシュパネル12上のペダルブラケット14に支
点17回りに回動自在にして取付られたブレーキペダル
16のアーム(ペダル連動部材)18に接続されてい
る。
【0020】図2を参照すると、シフトレバーユニット
1の断面詳細図が示されている。同図に示すように、車
体に固定されたシフトレバーブラケット20には、ディ
テントプレート22が取付けられている。このディテン
トプレート22の下部の支点24には、この支点24回
りに揺動自在にして管状のシフトレバー26が連結され
ている。詳しくは、シフトレバー26は、ディテントプ
レート22に垂直に突設された回動ピン25回りに回動
自在に連結されている。
【0021】シフトレバー26下部のディテントプレー
ト22側の外周面には、シフトレバー26に沿う方向で
長孔28が穿設されている。そして、この長孔28内
を、シフトレバー26の外周面より垂直に突出して設け
られたピン30が移動自在になっている。このピン30
には、シフトレバー26内を貫通して延びるプッシャ3
2の下端が垂直に結合されている。一方、プッシャ32
の上端はシフトレバー26上部のハンドル27に位置し
ており、このプッシャ32の上端には、ハンドル27に
沿ってハンドル27内を摺動自在に設けられ、プッシャ
32をシフトレバー26に沿う方向で変位させるプッシ
ュボタン34が連結されている。
【0022】また、シフトレバー26内のピン30と回
動ピン25との間には、スプリング36が縮設されてお
り、これにより、通常、ピン30はハンドル27側、つ
まり長孔28の上端と当接するように付勢されている。
ところで、同図に示すように、ディテントプレート22
には、シフトレバー26が支点24回りに揺動する際、
ピン30が移動可能なピン移動孔40が穿設されてい
る。そして、このピン移動孔40の上端側には、ピン3
0と係合する溝42,44,46,47,48からなる
一連の溝が形成されており、ピン30をこれらの溝4
2,44,46,47,48のうちのいずれかと係合さ
せることにより、シフトレバー26の揺動を規制し、こ
れにより、所望のシフトレンジが保持されることにな
る。ここに、溝42はパーキングレンジ(Pレンジ)
に、溝44はリバースレンジ(Rレンジ)に、溝46は
ドライブレンジ(Dレンジ)に、溝45,46はそれぞ
れセカンドギヤレンジ(2レンジ)、ロウギヤレンジ
(Lレンジ)に対応している。図2中には、シフトレバ
ー26が操作されてピン30が溝42と係合し、シフト
レンジがPレンジに位置された状態を示している。
【0023】また、同図に示すように、ディテントプレ
ート22には、支点50回りにディテントプレート22
に沿い揺動自在にしてロックカム52が設けられてい
る。このロックカム52のピン移動孔40側の一端に
は、ピン30が溝42と係合するとき、ピン30の移動
方向と略垂直方向に延びる切欠き54が設けられてい
る。この切欠き54は、同図に示すように、ピン30が
溝42側に位置するとき、このピン30と係合するよう
になっている。つまり、ピン30、溝42、ロックカム
52及び切欠き54とからシフトレバーロック機構が構
成されている。
【0024】一方、支点50より上方に位置するロック
カム52の他端には、コントロールケーブル2のワイヤ
60の一端の止め部62が回動自在に連結されている。
このワイヤ60は、コントロールケーブル2の外皮64
内を移動自在になっており、同図に示すように、コント
ロールケーブル2の外皮64の端部は、留め具66によ
ってシフトレバーブラケット20に接続されている。
【0025】図3を参照すると、シフトロックユニット
4の断面詳細図が示されている。同図に示すように、シ
フトロックユニット4のハウジング(収容部材)70内
は、仕切板71によって上部室72と下部室74とに分
割されており、上部室72内には、一端が上述のワイヤ
60の他端に接続され、ハウジング70の内面71aと
仕切板71の上面71a間でワイヤ60の延びる方向、
つまり紙面左右方向に最大距離Yだけ摺動自在な摺動部
材(連動部材)76が嵌装されている。
【0026】この、摺動部材76には、摺動部材76の
摺動方向に延びる長孔(係合孔)77が穿設されてい
る。そして、この長孔77内には、紙面に垂直方向、つ
まり摺動部材76の摺動方向に対して軸線が直角をなす
方向で円筒形状の摺動ピン(係合部材)82が挿入され
ている(第1の規制手段)。この摺動ピン82は、長孔
77の延びる方向で図中実線で示す位置から二点鎖線で
示す位置まで距離Xだけ移動自在となっている。
【0027】摺動部材76には、摺動部材76に穿設さ
れ長孔77に臨んで開口する貫通孔76aを貫通するよ
うにして、ワイヤ60と同一線上で延びるキーインタロ
ックケーブル6のワイヤ80の一端が連結されている。
なお、コントロールケーブル2の外皮64の端部は、一
対からなるロックナット90,90によってハウジング
70に接続され、一方、キーインタロックケーブル6の
外皮86も、一対のロックナット92,92によってハ
ウジング70に接続されている。
【0028】同図に示すように、仕切板71には、下部
室74に向けて所定の高さを有する円筒状の環状突起1
00が形成されており、この環状突起100で囲まれた
仕切板71の中央には、貫通孔102が穿設されてい
る。下部室74に臨む環状突起100の開口端には、複
数の締結具106によってリッド104が取付けられて
おり、これにより、環状突起100の開口部が塞がれて
いる。このリッド104の中央の上記貫通孔102と対
峙する位置にも貫通孔108が穿設されている。
【0029】環状突起100の内部には、環状突起10
0の内面に沿い摺動自在なストッパ部材110が挿入さ
れている。同図に示すように、このストッパ部材(係止
部材)110には円筒状のストッパピン112が形成さ
れており、このストッパピン112は、上記貫通孔10
2を貫通して上部室72に突出している(第2の規制手
段)。
【0030】一方、ストッパピン112の形成された面
とは反対側のストッパ部材110の下面中央には、シフ
トロックケーブル7のワイヤ120の一端が、上記貫通
孔108を貫通し且つ滑車122、124を介して接続
されている。なお、シフトロックケーブル7の外皮12
8の端部は、キーインタロックケーブル6の外皮86と
同様に、一対からなるロックナット129,129によ
ってハウジング70に接続されている。
【0031】また、同図に示すように、リッド104と
ストッパ部材110との間には、ワイヤ120を取り巻
くようにしてコイルスプリング114が縮設されてお
り、これにより、通常は、ストッパ部材110が仕切板
71側に付勢され、ストッパピン112が上部室72側
に最大限突出している。同図に示すように、ストッパピ
ン112が上部室72側に突出した状態では、摺動部材
76がストッパピン112を越えて紙面右方向に摺動で
きないようになっている。つまり、図示の状態にあって
は、ストッパ部材110は摺動部材76のストッパとし
ての働きをしている。一方、ストッパ部材110がコイ
ルスプリング114の付勢力に抗して移動した場合に
は、ストッパピン112が貫通孔102内に収まり、ス
トッパピン112が仕切板71の上面71aから上部室
72側に突出することがなくなるため、摺動部材76は
自由に摺動可能となるのである。
【0032】なお、ワイヤ120には、ストッパ部材1
10がコイルスプリング114を最大限(設定値)押し
縮めてもさらにブレーキペダル16の踏込みがあると
き、その過度の踏込みに応じて伸長する踏込み調節手段
としてのアジャスタ126が設けられている。図4を参
照すると、イグニションキーシリンダ10の断面詳細図
が示されており、また、図5を参照すると、図4中のA
−A線に沿う横断面図が示されている。
【0033】図4に示すように、キーシリンダケース1
50内には、キーシリンダ本体152設けられており、
このキーシリンダ本体152にキー154が挿入され、
このキー154がキーシリンダ本体152の軸回りに所
定角度回転されることで、エンジンの作動(ON)及び
非作動(OFF)が切換えられるようになっている。な
お、図示の状態は、キー154が回転されておらず、エ
ンジンがOFFの状態を示している。
【0034】キーシリンダ本体152の下方には、キー
シリンダケース150の底面150a上をキーシリンダ
本体152の軸方向に摺動自在にしてスライド部材16
0が設けられている。詳しくは、スライド部材160
は、キーシリンダケース150と一体に形成された隔壁
150bと底面150aとの間及び一対の側壁150
c,150d間において、矢印165に示す方向で摺動
自在となっている。
【0035】このスライド部材160には、キーシリン
ダ本体152側に突出して係合部162が形成されてい
る。一方、キーシリンダ本体152には、下方に突出し
て係合突起156が形成されている。この係合突起15
6は、図5中に示すように係合部162よりもやや幅が
狭くなっている。そして、エンジンをOFFとする図示
の状態にあっては、係合突起156と上記係合部162
とが係合している。従って、係合突起156と係合部1
62とが図4中に示すように係合した状態にあっては、
スライド部材160の矢印165方向での摺動が規制さ
れている。なお、これらの係合突起156と係合部16
2との係合面には、図4中紙面手前から奥方向に向けて
所定角度の傾斜が付けられている。この傾斜は、エンジ
ンをONからOFFとする際にスライド部材160を自
動的に図4中に示す位置まで戻す働きをしている。
【0036】しかしながら、キー154が回転され、エ
ンジンがONの状態とされた場合には、係合突起156
は、図5中に示すように、係合部162との係合位置か
ら外れることになり、この場合には、スライド部材16
0は矢印165方向で摺動可能となる。図4中に示すよ
うに、スライド部材160には、キーインタロックケー
ブル6のワイヤ80が、キーシリンダケース150に穿
設された貫通孔151を貫通して連結されている。な
お、キーインタロックケーブル6の外皮86は、キーシ
リンダケース150と当接している。
【0037】以下、このように構成されるシフトロック
装置の作用について説明する。シフトレバー26がPレ
ンジの位置にある場合には、図2中に示すように、ピン
30と切欠き54とが係合している。このとき、イグニ
ションキーシリンダ10のキーシリンダ本体152がキ
ー154によりエンジンONの位置に操作されると、キ
ーシリンダ本体152の係合突起156とスライド部材
160の係合部162との係合が外れるため(図5参
照)、スライド部材160の矢印165方向での摺動が
可能となり、これにより、スライド部材160に連結さ
れたキーインタロックケーブル6のワイヤ80の変位も
可能となる。従って、シフトロックユニット4内の摺動
ピン82の位置が、図3中に二点鎖線で示した位置まで
移動可能となる。
【0038】一方、ブレーキペダル16が踏まれると、
シフトロックケーブル7のワイヤ120がアーム18に
よって引っ張られることになり、この場合、ストッパ部
材110がコイルスプリング114の付勢力に抗して移
動することになる。この結果、ストッパピン112は貫
通孔102内に収まり、仕切板71の上面71aから上
部室72側に突出しなくなる。なお、ストッパ部材11
0によりコイルスプリング114が最大限押し縮められ
てもさらにブレーキペダル16の踏込みがある場合に
は、その踏込みによるワイヤ120の変位はアジャスタ
126によって調整される。
【0039】従って、イグニションキーシリンダ10の
キーシリンダ本体152がエンジンONの位置に操作さ
れ、且つブレーキペダル16が踏まれた場合には、摺動
部材76が自由に距離Yの範囲内で第2の位置まで摺動
可能となり、コントロールケーブル2のワイヤ60は変
位可能となる。そして、この場合には、シフトレバー2
6のプッシュボタン34を押すと、ピン30はロックカ
ム52を支点50回りに回動させ、よって、ピン30が
Pレンジの溝42から解放され、シフトレバー26を白
抜き矢印のように揺動させることが可能となる。つま
り、Pレンジ以外の他のシフトレンジを選択できること
になる。
【0040】しかしながら、イグニションキーシリンダ
10のキーシリンダ本体152の回転位置がエンジンO
FFの場合、或いはブレーキペダル16が踏まれていな
い場合にあっては、シフトレバー26を揺動させること
ができず、Pレンジ以外の他のシフトレンジを選択でき
ないことになる。つまり、イグニションキーシリンダ1
0のキーシリンダ本体152の回転位置がエンジンOF
Fの位置の場合には、キーシリンダ本体152の係合突
起156とスライド部材160の係合部162とが係合
しているため、スライド部材160の矢印165方向で
の摺動が規制される。これにより、スライド部材160
に連結されたキーインタロックケーブル6のワイヤ80
が、シフトロックユニット4内の摺動ピン82の位置
を、図3中に実線で示した位置に規制する。つまり、こ
の場合、摺動ピン82は摺動部材76内の長孔77のワ
イヤ80側の端部に位置し、摺動部材76の内面と当接
している。従って、摺動部材76は、図示の位置(第1
の位置)よりも紙面右方向へは移動できないことにな
り、摺動部材76に接続されたコントロールケーブル2
のワイヤ60も同様に規制される。
【0041】また、摺動部材76が図示の第1の位置に
あってブレーキペダル16が踏まれていない場合には、
シフトロックケーブル7のワイヤ120がアーム18に
よって引っ張られていないことから、ストッパ部材11
0は、コイルスプリング114によって仕切板71側に
付勢され、これにより、ストッパピン112が上部室7
2側に突出する(図3中に示す状態)。従って、摺動部
材76はストッパピン112を越えて紙面右方向には摺
動できないことになり、この場合にも、やはり、摺動部
材76に接続されたコントロールケーブル2のワイヤ6
0は規制される。
【0042】従って、シフトレバー26がPレンジの位
置にあるとき、イグニションキーシリンダ10のキーシ
リンダ本体152の回転位置がエンジンOFFの場合、
或いはブレーキペダル16が踏まれていない場合には、
シフトレバー26のプッシュボタン34を押そうとして
も、ピン30がロックカム52を支点50回りに回動さ
せることができないことになり、よって、ピン30は、
Pレンジの溝42から脱することができず、シフトレバ
ー26は図2中の白抜き矢印のようには揺動できないこ
とになる。これにより、エンジン始動時における意図し
ない車両の発進等が確実に防止されることになる。
【0043】以上、詳細に説明したように、本発明のシ
フトロック装置では、シフトロックユニット4から延び
てロックカム52に連結されるケーブルを、コントロー
ルケーブル2の1本としてシフトロック装置を構成して
いるので、複雑な調整もなく、コントロールケーブル2
のロックカム52への取付けが極めて容易である。ま
た、本発明のシフトロック装置では、コントロールケー
ブル2をキーインタロックケーブル6と一体とすること
なく、摺動部材76を介して完全に独立させているの
で、摺動部材76の摺動を規制、或いは規制解除するこ
とによってシフトレバー26の揺動の抑制と許容とを簡
単な構成にして確実にコントロールでき、さらに、各ワ
イヤの消耗時にあっては、それぞれ独立に交換すること
ができ、メンテナンスが容易である。
【0044】ところで、本発明のシフトロック装置で
は、上記実施例に示したイグニションキーシリンダ10
の他に、例えば、図6,7に断面図を示すようなイグニ
ションキーシリンダ210,310を使用することも可
能である。先ず、図6に示すイグニションキーシリンダ
210について説明すると、キーシリンダケース250
内のキーシリンダ本体252には、キーシリンダ本体2
52と同一回転軸を有するハスバ歯車260が接続され
ており、このハスバ歯車260と協働するようにしてボ
ールネジ状のスライダ270が設けられている。このス
ライダ270の後端部272は断面が矩形に形成されて
おり、この後端部272は、キーシリンダケース250
と一体に形成されたスライダ支持部254を摺動自在に
貫通しており、これにより、スライダ270がハスバ歯
車260に対して直角に且つ軸回転しないように支持さ
れている。そして、スライダ270の先端にワイヤ80
が接続されている。
【0045】このように構成されたイグニションキーシ
リンダ210では、キー154の操作によってキーシリ
ンダ本体252が回転すると、ハスバ歯車260も回転
し、これと協働するスライダ270が矢印280方向で
移動する。これにより、ワイヤ80も変位することにな
る。そして、ワイヤ80が変位すると、図3中に示すよ
うに、シフトロックユニット4内の摺動ピン82が、二
点鎖線で示す位置まで移動することになる。
【0046】また、図7に示すイグニションキーシリン
ダ310について説明すると、キーシリンダケース35
0内のキーシリンダ本体352には、キーシリンダ本体
352と同一回転軸を有するカム360が接続されてい
る。このカム360の外周には、同図に示すように、斜
めに延びるカム溝362が設けられており、このカム溝
362には、キー連動部材370のキー摺動ピン372
が係合している。そして、キー連動部材370の先端に
ワイヤ80が接続されている。
【0047】このように構成されたイグニションキーシ
リンダ310では、キー154の操作によってキーシリ
ンダ本体352が回転すると、カム360も回転し、カ
ム溝362と協働するキー連動部材370が矢印380
方向で移動する。これにより、ワイヤ80も変位し、そ
して、シフトロックユニット4内の摺動ピン82が、図
3中に二点鎖線で示す位置まで連動することになる。
【0048】つまり、本発明のシフトロック装置では、
コントロールケーブル2をキーインタロックケーブル6
から完全に独立させ、これらのケーブル間にキーインタ
ロックケーブル6のワイヤ80の変位を許容する摺動部
材76を設けているので、ワイヤ80がキー154の操
作により強制的に変位させられるようなイグニションキ
ーシリンダを用いることも可能となるのである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の車両用
自動変速機のシフトロック装置によれば、シフトレバー
を揺動させることにより自動変速機のシフトレンジを切
換え可能なシフトレバー装置において、シフトレバーが
自動変速機を非駆動とする位置にあるとき、シフトレバ
ーの揺動を抑制するロック状態と、揺動を許容するアン
ロック状態とを切換え可能なシフトレバーロック機構
と、シフトレバーロック機構と連動してロック状態に対
応する第1の位置とアンロック状態に対応する第2の位
置との間を移動可能な連動部材と、エンジンキーがエン
ジン停止の位置にあるとき連動部材を第1の位置に規制
する一方、エンジンキーがエンジン作動の位置にあると
き規制を解除する第1の規制手段と、ブレーキペダルが
踏込まれておらず且つ連動部材が第1の位置にあるとき
連動部材を係止する一方、ブレーキペダルが踏込まれた
とき係止を解除する第2の規制手段とを備えるので、シ
フトレバーが自動変速機を非駆動とする位置では、エン
ジンキーがエンジン停止の位置にあると連動部材を第1
の位置に規制でき、また、連動部材が第1の位置にあり
且つブレーキペダルが踏込まれていないときにも連動部
材を第1の位置に規制できる。従って、エンジンキーが
エンジン停止の位置にあるとき或いはブレーキペダルが
踏込まれていないときには、シフトレバーの揺動を抑制
でき、簡単な構造にして確実に自動変速機を非駆動とす
る位置に保持できる。
【0050】また、請求項2の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、連動部材は連動部材の移動方向
に延びる係合孔を有し、第1の規制手段は、エンジンキ
ーの操作に応じて係合孔内を移動する係合部材と、エン
ジンキーがエンジン停止の位置にあるとき、係合部材を
係合孔の一端の内壁面と当接させて連動部材を第1の位
置に規制する係合手段とを備えるので、エンジンキーの
操作に応じて係合部材を係合孔内で移動させて一端の内
壁面と当接させ、これにより、連動部材を容易に第1の
位置に規制できる。
【0051】また、請求項3の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、第1の規制手段は、エンジンキ
ーがエンジン作動の位置にあるとき、係合部材を係合孔
の他端に移動可能にして規制を解除するので、エンジン
キーの操作に応じて係合部材を係合孔内で他端側に移動
可能にし、これにより、第1の規制手段による連動部材
の第1の位置への規制を容易に解除できる。
【0052】また、請求項4の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、第1の規制手段は、エンジンキ
ーがエンジン作動の位置に回動されたとき、係合部材を
係合孔の他端に移動させ、規制を解除するので、エンジ
ンキーの操作に応じて係合部材を係合孔内を他端側に移
動させ、第1の規制手段による連動部材の第1の位置へ
の規制を容易且つ確実に解除できる。
【0053】また、請求項5の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、一端が係合部材に連結される一
方、他端がエンジンキーに連動して移動するキー連動部
材に連結された第1のケーブルと、一端が連動部材に連
結される一方、他端がシフトレバーロック機構に連結さ
れた第2のケーブルとを含んでなるので、係合部材とキ
ー連動部材及び連動部材とシフトレバーロック機構とを
それぞれ独立に第1のケーブル及び第2のケーブルによ
って好適に連結してケーブル交換等を容易にできる。
【0054】また、請求項6の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、第2の規制手段は、ブレーキペ
ダルと連動し、ブレーキペダルが踏込まれておらず且つ
連動部材が第1の位置にあるとき連動部材を係止する係
止部材からなるので、ブレーキペダルと連動する係止部
材により、連動部材を容易に規制できる。また、請求項
7の車両用自動変速機のシフトロック装置によれば、一
端が係止部材に連結される一方、他端がブレーキペダル
と連動して移動するペダル連動部材に連結された第3の
ケーブルを含んでなるので、係止部材とペダル連動部材
とを第1及び第2のケーブルに対し独立の第3のケーブ
ルによって好適に連結してケーブル交換等を容易にでき
る。
【0055】また、請求項8の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、第3のケーブルは、ブレーキペ
ダルの踏込み量が設定値に達すると係止部材と連動部材
との係止を解除するとともに、設定値より大きいブレー
キペダルの踏込みに対して伸長する踏込み調整手段を備
えるので、ブレーキペダルの踏込み量に関係なく係止部
材の移動量を一定にでき、係止部材をコンパクトに設置
できる。
【0056】また、請求項9の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、連動部材と第1及び第2の規制
手段とは1つの収容部材内に収容されているので、シフ
トロック装置をコンパクトにでき、メンテナンスを容易
にできる。また、請求項10の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、連動部材は、収容部材内で摺動
するので、連動部材の移動を確実にでき、シフトレバー
の揺動の抑制と許容とを簡単な構造にしてより確実なも
のにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシフトロック装置の概略構成図であ
る。
【図2】図1中のシフトレバーユニットを示す断面詳細
図である。
【図3】図1中のシフトロックユニットを示す断面詳細
図である。
【図4】図1中のイグニッションキーシリンダを示す断
面詳細図である。
【図5】図4中に示すイグニッションキーシリンダの横
断面図である。
【図6】他のイグニッションキーシリンダを示す断面詳
細図である。
【図7】他のイグニッションキーシリンダを示す断面詳
細図である。
【図8】従来のシフトロック装置のシフトロックユニッ
トを示す図である。
【図9】図8中に示すシフトロックユニットの横断面図
である。
【符号の説明】
1 シフトレバーユニット 2 コントロールケーブル(第2のケーブル) 4 シフトロックユニット 6 キーインタロックケーブル(第1のケーブル) 7 シフトロックケーブル(第3のケーブル) 10 イグニションキーシリンダ(エンジンキー) 16 ブレーキペダル 18 アーム(ペダル連動部材) 26 シフトレバー 30 ピン(シフトレバーロック機構) 40 ピン移動孔 42 溝(シフトレバーロック機構) 52 ロックカム(シフトレバーロック機構) 54 切欠き(シフトレバーロック機構) 60 ワイヤ 70 ハウジング(収容部材) 76 摺動部材(連動部材) 77 長孔(係合孔) 80 ワイヤ 82 摺動ピン(係合部材) 110 ストッパ部材(係止部材) 112 ストッパピン 114 コイルスプリング 120 ワイヤ 126 アジャスタ(踏込み調整手段) 156 係合突起 160 スライド部材(キー連動部材)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車両用自動変速機のシフトロック装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用自動変速
機のシフトロック装置に係り、詳しくは機械式のロック
装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】車両に搭載された自動変速機で
は、シフトレンジを非駆動状態である駐車レンジ(Pレ
ンジ)、後退レンジ(Rレンジ)、前進レンジ(Dレン
ジ)等に切換えるシフトレバーが設けられている。とこ
ろで、このような自動変速機にあっては、エンジンを始
動させる場合において、シフトレンジがPレンジ以外の
レンジにシフトしてしまうと、エンジンの始動と同時に
車輪に駆動力が伝達されてしまう虞がある。
【0003】そこで、イグニションキーシリンダやブレ
ーキペダルと連動する規制手段をシフトレバーに付加
し、これにより、イグニションキーシリンダがエンジン
作動(ON)の位置であり且つブレーキペダルが踏込ま
れた状態でない限り、シフトレバーをPレンジの位置か
ら他のレンジにシフトできないよう機械的に規制するシ
フトロック装置が多用されている。
【0004】そして、シフトレバー回りの省スペース化
を図るべくシフトレバーから離して配設可能なシフトロ
ック装置が実開平1−114325号公報等に開示され
ている。図8には、上記公報に開示されるようなロック
装置の断面図を示してあるが、同図に示すように、この
ロック装置では、ケース422を貫通してシフトレバー
からイグニションキーに延びるコントロールワイヤ41
5のインナワイヤ415aにストッパ423が固着され
ており、このストッパ423と係合するようにして係止
部材424がピン425回りに回動可能に設けられてい
る。
【0005】この係止部材424の下部には、カム溝4
26が形成されており、このカム溝426には、カム溝
426と協働する移動部材427の凸部427aが係合
している。そして、移動部材427には、ブレーキペダ
ルに連結されたワイヤ429の一端が接続されている。
図9には、図8中のB−B線に沿う断面図を示してある
が、この図8に示す状態では、ストッパ423と係止部
材424とが係合している。しかしながら、ブレーキペ
ダルが操作されると、移動部材427が図8中の矢印4
50の方向で変位し、これにより、係止部材424がピ
ン425回りに図9中の矢印454方向に揺動する。こ
のように係止部材424が揺動すると、ストッパ423
との係合が解除されることになり、これにより、インナ
ワイヤ415aが矢印452の方向に変位可能となる。
このとき、イグニションキーがエンジン作動側に操作さ
れていれば、インナワイヤ415aは自由に紙面右方向
に移動することになる。
【0006】つまり、シフトレバーロック機構(図示せ
ず)からシフトレバーの拘束を解除させる場合にはイン
ナワイヤ415aを引っ張るように操作されることにな
るのであるが、この場合には、インナワイヤ415aが
紙面右方向に移動し、これによりシフトレバーが規制解
除される。なお、ブレーキペダルが操作されなくなる
と、移動部材427はスプリング428によって付勢さ
れて図8中に示す位置まで戻され、これにより、係止部
材424とストッパ423とが再び係合可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示されるロック装置にあっては、インナワイヤ415
aは、図8中に示すように、シフトレバーからイグニシ
ョンキーまで1本で構成されている。このようにインナ
ワイヤ415aが1本であると、取付け作業時にシフト
レバー側とイグニションキー側の双方においてインナワ
イヤ415aの接続作業を行わなければならず、作業が
煩雑になり好ましいことではない。また、インナワイヤ
415aの一端に修理の困難な不具合が発生した場合で
あってもインナワイヤ415a全体を交換する必要があ
る。
【0008】また、上記ロック装置では、ストッパ42
3はインナワイヤ415aによって中空にぶら下がった
状態となっている。従って、ストッパ423はケース4
22内で不安定な状態となっており、ストッパ423と
係止部材424との係止状態が安定せず、不要なときに
係止状態になったり、また必要なときに係止されなかっ
たりする虞もある。このようにストッパ423と係止部
材424との係止状態が不安定となると、ロック装置が
本来の働きをなさないばかりか、車両の走行に支障をき
たす虞もある。
【0009】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、取付け作業性やメン
テナンス性がよく且つ信頼性の高い車両用自動変速機の
シフトロック装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、シフトレバーを揺動させるこ
とにより自動変速機のシフトレンジを切換え可能なシフ
トレバー装置において、前記シフトレバーが前記自動変
速機を非駆動とする位置にあるとき、前記シフトレバー
の揺動を抑制するロック状態と、前記揺動を許容するア
ンロック状態とを切換え可能なシフトレバーロック機構
と、前記シフトレバーロック機構と連動して前記ロック
状態に対応する第1の位置と前記アンロック状態に対応
する第2の位置との間を移動可能なレバー連動部材と、
前記レバー連動部材と相対移動可能に係合し、前記レバ
ー連動部材を前記第1の位置に規制するときに占める第
3の位置と、前記レバー連動部材への前記規制を解除し
たときに占める第4の位置とを移動しうる係合部材と、
イグニションキーシリンダ近傍に前記係合部材と連動可
能に設けられ、イグニションキーがエンジン停止状態の
位置にあるとき前記係合部材を前記第3の位置に規制す
る一方、前記イグニションキーがエンジン作動状態の位
置にあるとき前記係合部材の前記第3の位置への規制を
解除するキー連動部材と、ブレーキペダルが踏込まれて
おらず且つ前記レバー連動部材が前記第1の位置にある
とき前記レバー連動部材と係合して前記レバー連動部材
を該位置に拘束する係止部を有するとともに、前記ブレ
ーキペダルが踏込まれたとき前記係止部を前記レバー連
動部材から離脱させて前記拘束を解除する規制手段とを
備えることを特徴としている。
【0011】従って、自動変速機が非駆動とされる位置
にあり且つイグニションキーがエンジン停止状態の位置
にあるときには、キー連動部材により係合部材が第3の
位置に規制される。これにより、レバー連動部材が第1
の位置に規制されてシフトレバーの揺動が抑制され、シ
フトレバーは非駆動状態を脱することなくロック状態に
保持される。一方、イグニションキーがエンジン作動状
態の位置にあるときには、キー連動部材による係合部材
の第3の位置への規制が解除される。これにより、レバ
ー連動部材は第1の位置への規制が解除されて第2の位
置への移動が可能となる。しかしながら、係合部材の第
3の位置への規制が解除状態とされても、ブレーキペダ
ルが踏込まれておらず且つレバー連動部材が第1の位置
とされているときには、規制手段の係止部がレバー連動
部材と係合しており、この場合には、レバー連動部材が
第1の位置に規制されたままに保持され、シフトレバー
は非駆動状態を脱することなくロック状態とされる。
【0012】このように、イグニションキーの操作にキ
ー連動部材を介して連動する係合部材とブレーキペダル
の操作に連動する係止部を有する規制手段とは、共にシ
フトレバーロック機構に直接作用することなく、一旦シ
フトレバーロック機構から離間して位置するレバー連動
部材を介してシフトレバーロック機構に作用している。
それ故、シフトレバーロック機構のロック状態とアンロ
ック状態との切換えが、レバー連動部材の移動の規制と
許容とによって簡単且つ容易に遠隔操作される。
【0013】ここに、係合部材及び規制手段の係止部と
レバー連動部材とはそれぞれ互いに分離されていること
から、イグニションキーとレバー連動部材間及びブレー
キペダルとレバー連動部材間での連結作業はレバー連動
部材の位置において集中的に実施可能とされる。さら
に、イグニションキーとレバー連動部材間、ブレーキペ
ダルとレバー連動部材間、及び、レバー連動部材とシフ
トレバーロック機構間での各係合状態の調整作業もレバ
ー連動部材の位置において集中的且つ容易に実施可能で
ある。よって、シフトロック装置の取付け作業性及びメ
ンテナンス性がよい。
【0014】また、請求項2の発明では、前記レバー連
動部材は前記レバー連動部材の移動方向に延びる係合孔
を有し、前記係合部材は、前記係合孔に係合し、前記イ
グニションキーがエンジン停止状態の位置にあるときに
前記係合孔の一端の内壁面と当接することにより前記レ
バー連動部材を前記第1の位置に規制することを特徴と
している。
【0015】従って、レバー連動部材の移動方向に延び
る係合孔に対して移動自在に係合する係合部材は、係合
孔に係合し、イグニションキーがエンジン停止状態の位
置にあるとき、キー連動部材により第3の位置に規制さ
れる。そして、係合部材が係合孔の一端の内壁面と当接
することによりレバー連動部材は確実に第1の位置に規
制される。
【0016】また、請求項3の発明では、前記キー連動
部材は、前記イグニションキーがエンジン停止状態の位
置にあるとき前記イグニションキーに連動するキーシリ
ンダ本体と係合し移動不可能になる一方、前記イグニシ
ョンキーがエンジン作動の位置にあるとき前記キーシリ
ンダ本体から離脱して移動可能になり前記係合部材を前
記第4の位置に移動可能にして前記第3の位置への規制
から解除することを特徴としている。
【0017】従って、イグニションキーがエンジン作動
の位置にあるときには、キー連動部材により、係合部材
が第4の位置に移動可能とされ、これにより係合部材の
第3の位置への規制が容易に解除される。また、請求項
4の発明では、前記キー連動部材は、キーシリンダ本体
を介して前記イグニションキーの回動に連動して移動
し、前記イグニションキーがエンジン作動の位置に操作
されたとき、前記係合部材を前記第4の位置に移動させ
て前記第3の位置への規制から解除することを特徴とし
ている。
【0018】従って、イグニションキーがエンジン作動
の位置とされると、キー連動部材により強制的に係合部
材が第4の位置に移動させられることになり、これによ
り係合部材の第3の位置への規制が容易に解除される。
また、請求項5の発明では、前記係合部材は第1のケー
ブルを介して前記キー連動部材に連結されるとともに、
前記レバー連動部材は第2のケーブルを介して前記シフ
トレバーロック機構と連結されていることを特徴として
いる。
【0019】従って、係合部材とキー連動部材とが第1
のケーブルによって、またレバー連動部材とシフトレバ
ーロック機構とが第1のケーブルに対し独立の第2のケ
ーブルによって好適に連結され、ケーブル交換等が容易
である。また、請求項6の発明では、前記規制手段は、
一端が前記係止部に連結される一方、他端が前記ブレー
キペダルと連動して移動するペダル連動部材に連結され
た第3のケーブルを含んでなることを特徴としている。
【0020】従って、係止部とペダル連動部材とは第1
及び第2のケーブルに対し独立の第3のケーブルによっ
て好適に連結され、ケーブル交換等が容易である。ま
た、請求項7の発明では、前記第3のケーブルには伸縮
可能な調整部材が介装されていることを特徴としてい
る。従って、ブレーキペダルの踏込量が大きくても、係
止部の移動量は調整部材の伸縮により常に一定量以下と
され、係止部の無駄な動きが防止される。
【0021】また、請求項8の発明では、前記レバー連
動部材と前記係合部材と前記係止部とが1つの収容部材
内に収容されていることを特徴としている。従って、レ
バー連動部材と係合部材と係止部とが1つの収容部材内
に集中して設けられることで、シフトロック装置の取付
け調整が収容部材内のみにおいて集中的に実施され、メ
ンテナンス性も極めてよい。
【0022】また、請求項9の発明では、前記レバー連
動部材は、前記収容部材内で摺動することを特徴として
いる。従って、レバー連動部材の移動は直線運動のみで
あって動きが確実であり、シフトレバーの揺動の抑制と
許容とが、簡単な構成にして確実に遠隔実施される。ま
た、請求項10の発明では、シフトレバーを揺動させる
ことにより自動変速機のシフトレンジを切換え可能なシ
フトレバー装置において、前記シフトレバーが前記自動
変速機を非駆動とする位置にあるとき、前記シフトレバ
ーの揺動を抑制するロック状態と、前記揺動を許容する
アンロック状態とを切換え可能なシフトレバーロック機
構と、イグニションキーシリンダに設けられ、イグニシ
ョンキーの操作に連動して移動するキーシリンダ本体
と、一端が前記キーシリンダ本体に連結または係脱可能
に設けられた第1のケーブルと、一端が前記シフトレバ
ーロック機構に連結された第2のケーブルと、前記第1
のケーブルと前記第2のケーブルとを相対移動可能に連
結するとともに、前記イグニションキーがエンジン停止
状態の位置にあるとき前記相対移動が規制され前記第2
のケーブルを介して前記シフトレバーロック機構を前記
ロック状態に拘束する部材と、ブレーキペダルが踏込ま
れておらず且つ前記シフトレバーロック機構が前記ロッ
ク状態にあるとき前記部材と係合して前記第2のケーブ
ルを介して前記シフトレバーロック機構を前記ロック状
態に拘束する規制手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0023】従って、イグニション側ケーブルとシフト
レバーロック機構側ケーブルとの接続点にブレーキペダ
ル操作に連動する規制手段が係合するように設けられて
いるので、各部品の取付け、調整作業が集中的且つ容易
に実施可能である。また、シフトレバーロック機構とキ
ーシリンダ本体とがそれぞれ別のケーブルを介して連結
されているのでケーブル交換等が容易である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づき説明する。図1には、シフトロック装置の概略構
成図を示してある。同図に示すように、シフトレバーユ
ニット1には、コントロールケーブル(第2のケーブ
ル)2の一端が接続されており、このコントロールケー
ブル2の他端には、シフトロックユニット4が接続され
ている。そして、さらに、このシフトロックユニット4
には、キーインタロックケーブル(第1のケーブル)6
の一端とシフトロックケーブル(第3のケーブル)7の
一端がそれぞれ接続され、キーインタロックケーブル6
の他端は、ステアリングホイール8のコラム9に取付ら
れたイグニションキーシリンダ10に接続され、一方、
シフトロックケーブル7の他端は、車体のダッシュパネ
ル12上のペダルブラケット14に支点17回りに回動
自在にして取付られたブレーキペダル16のアーム(ペ
ダル連動部材)18に接続されている。
【0025】図2を参照すると、シフトレバーユニット
1の断面詳細図が示されている。同図に示すように、車
体に固定されたシフトレバーブラケット20には、ディ
テントプレート22が取付けられている。このディテン
トプレート22の下部の支点24には、この支点24回
りに揺動自在にして管状のシフトレバー26が連結され
ている。詳しくは、シフトレバー26は、ディテントプ
レート22に垂直に突設された回動ピン25回りに回動
自在に連結されている。
【0026】シフトレバー26下部のディテントプレー
ト22側の外周面には、シフトレバー26に沿う方向で
長孔28が穿設されている。そして、この長孔28内
を、シフトレバー26の外周面より垂直に突出して設け
られたピン30が移動自在になっている。このピン30
には、シフトレバー26内を貫通して延びるプッシャ3
2の下端が垂直に結合されている。一方、プッシャ32
の上端はシフトレバー26上部のハンドル27に位置し
ており、このプッシャ32の上端には、ハンドル27に
沿ってハンドル27内を摺動自在に設けられ、プッシャ
32をシフトレバー26に沿う方向で変位させるプッシ
ュボタン34が連結されている。
【0027】また、シフトレバー26内のピン30と回
動ピン25との間には、スプリング36が縮設されてお
り、これにより、通常、ピン30はハンドル27側、つ
まり長孔28の上端と当接するように付勢されている。
ところで、同図に示すように、ディテントプレート22
には、シフトレバー26が支点24回りに揺動する際、
ピン30が移動可能なピン移動孔40が穿設されてい
る。そして、このピン移動孔40の上端側には、ピン3
0と係合する溝42,44,46,47,48からなる
一連の溝が形成されており、ピン30をこれらの溝4
2,44,46,47,48のうちのいずれかと係合さ
せることにより、シフトレバー26の揺動を規制し、こ
れにより、所望のシフトレンジが保持されることにな
る。ここに、溝42はパーキングレンジ(Pレンジ)
に、溝44はリバースレンジ(Rレンジ)に、溝46は
ドライブレンジ(Dレンジ)に、溝45,46はそれぞ
れセカンドギヤレンジ(2レンジ)、ロウギヤレンジ
(Lレンジ)に対応している。図2中には、シフトレバ
ー26が操作されてピン30が溝42と係合し、シフト
レンジがPレンジに位置された状態を示している。
【0028】また、同図に示すように、ディテントプレ
ート22には、支点50回りにディテントプレート22
に沿い揺動自在にしてロックカム52が設けられてい
る。このロックカム52のピン移動孔40側の一端に
は、ピン30が溝42と係合するとき、ピン30の移動
方向と略垂直方向に延びる切欠き54が設けられてい
る。この切欠き54は、同図に示すように、ピン30が
溝42側に位置するとき、このピン30と係合するよう
になっている。つまり、ピン30、溝42、ロックカム
52及び切欠き54とからシフトレバーロック機構が構
成されている。
【0029】一方、支点50より上方に位置するロック
カム52の他端には、コントロールケーブル2のワイヤ
60の一端の止め部62が回動自在に連結されている。
このワイヤ60は、コントロールケーブル2の外皮64
内を移動自在になっており、同図に示すように、コント
ロールケーブル2の外皮64の端部は、留め具66によ
ってシフトレバーブラケット20に接続されている。
【0030】図3を参照すると、シフトロックユニット
4の断面詳細図が示されている。同図に示すように、シ
フトロックユニット4のハウジング(収容部材)70内
は、仕切板71によって上部室72と下部室74とに分
割されており、上部室72内には、一端が上述のワイヤ
60の他端に接続され、ハウジング70の内面71aと
仕切板71の上面71a間でワイヤ60の延びる方向、
つまり紙面左右方向に最大距離Xだけ摺動自在な摺動部
材(レバー連動部材)76が嵌装されている。
【0031】この、摺動部材76には、摺動部材76の
摺動方向に延びる長孔(係合孔)77が穿設されてい
る。そして、この長孔77内には、紙面に垂直方向、つ
まり摺動部材76の摺動方向に対して軸線が直角をなす
方向で円筒形状の摺動ピン(係合部材)82が挿入され
ている。この摺動ピン82は、長孔77の延びる方向で
図中実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで距離X
だけ移動自在となっている。
【0032】摺動ピン82には、摺動部材76に穿設さ
れ長孔77に臨んで開口する貫通孔76aを貫通するよ
うにして、ワイヤ60と同一線上で延びるキーインタロ
ックケーブル6のワイヤ80の一端が連結されている。
なお、コントロールケーブル2の外皮64の端部は、一
対からなるロックナット90,90によってハウジング
70に調整可能に接続され、一方、キーインタロックケ
ーブル6の外皮86も、一対のロックナット92,92
によってハウジング70に調整可能に接続されている。
【0033】同図に示すように、仕切板71には、下部
室74に向けて所定の高さを有する円筒状の環状突起1
00が形成されており、この環状突起100で囲まれた
仕切板71の中央には、貫通孔102が穿設されてい
る。下部室74に臨む環状突起100の開口端には、複
数の締結具106によってリッド104が取付けられて
おり、これにより、環状突起100の開口部が塞がれて
いる。このリッド104の中央の上記貫通孔102と対
峙する位置にも貫通孔108が穿設されている。
【0034】環状突起100の内部には、環状突起10
0の内面に沿い摺動自在なストッパ部材110が挿入さ
れている。同図に示すように、このストッパ部材(係止
部)110には円筒状のストッパピン112が形成され
ており、このストッパピン112は、上記貫通孔102
を貫通して上部室72に突出している。一方、ストッパ
ピン112の形成された面とは反対側のストッパ部材1
10の下面中央には、シフトロックケーブル7のワイヤ
120の一端が、上記貫通孔108を貫通し且つ滑車1
22、124を介して接続されている(規制手段)。
【0035】なお、シフトロックケーブル7の外皮12
8の端部は、キーインタロックケーブル6の外皮86と
同様に、一対からなるロックナット129,129によ
ってハウジング70に調整可能に接続されている。ま
た、同図に示すように、リッド104とストッパ部材1
10との間には、ワイヤ120を取り巻くようにしてコ
イルスプリング114が縮設されており、これにより、
通常は、ストッパ部材110が仕切板71側に付勢さ
れ、ストッパピン112が上部室72側に最大限突出し
ている。
【0036】同図に示すように、ストッパピン112が
上部室72側に突出した状態では、摺動部材76がスト
ッパピン112を越えて紙面右方向に摺動できないよう
になっている。つまり、図示の状態にあっては、ストッ
パ部材110は摺動部材76のストッパとしての働きを
している。一方、ストッパ部材110がコイルスプリン
グ114の付勢力に抗して移動した場合には、ストッパ
ピン112が貫通孔102内に収まり、ストッパピン1
12が仕切板71の上面71aから上部室72側に突出
することがなくなるため、摺動部材76は自由に摺動可
能となるのである。
【0037】なお、ワイヤ120には、ストッパ部材1
10がコイルスプリング114を最大限(設定値)押し
縮めてもさらにブレーキペダル16の踏込みがあると
き、その過度の踏込みに応じて伸長する踏込み調節手段
としてのアジャスタ(調整部材)126が設けられてい
る。図4を参照すると、イグニションキーシリンダ10
の断面詳細図が示されており、また、図5を参照する
と、図4中のA−A線に沿う横断面図が示されている。
【0038】図4に示すように、キーシリンダケース1
50内には、キーシリンダ本体152設けられており、
このキーシリンダ本体152にキー154が挿入され、
このキー154がキーシリンダ本体152の軸回りに所
定角度回転されることで、エンジンの作動(ON)及び
非作動(OFF)が切換えられるようになっている。な
お、図示の状態は、キー154が回転されておらず、エ
ンジンがOFFの状態を示している。
【0039】キーシリンダ本体152の下方には、キー
シリンダケース150の底面150a上をキーシリンダ
本体152の軸方向に摺動自在にしてスライド部材(キ
ー連動部材)160が設けられている。詳しくは、スラ
イド部材160は、キーシリンダケース150と一体に
形成された隔壁150bと底面150aとの間及び一対
の側壁150c,150d間において、矢印165に示
す方向で摺動自在となっている。
【0040】このスライド部材160には、キーシリン
ダ本体152側に突出して係合部162が形成されてい
る。一方、キーシリンダ本体152には、下方に突出し
て係合突起156が形成されている。この係合突起15
6は、図5中に示すように係合部162よりもやや幅が
狭くなっている。そして、エンジンをOFFとする図示
の状態にあっては、係合突起156と上記係合部162
とが係合している。従って、係合突起156と係合部1
62とが図4中に示すように係合した状態にあっては、
スライド部材160の矢印165方向での摺動が規制さ
れている。なお、これらの係合突起156と係合部16
2との係合面には、図4中紙面手前から奥方向に向けて
所定角度の傾斜が付けられている。この傾斜は、エンジ
ンをONからOFFとする際にスライド部材160を自
動的に図4中に示す位置まで戻す働きをしている。
【0041】しかしながら、キー154が回転され、エ
ンジンがONの状態とされた場合には、係合突起156
は、図5中に示すように、係合部162との係合位置か
ら外れることになり、この場合には、スライド部材16
0は矢印165方向で摺動可能となる。図4中に示すよ
うに、スライド部材160には、キーインタロックケー
ブル6のワイヤ80が、キーシリンダケース150に穿
設された貫通孔151を貫通して連結されている。な
お、キーインタロックケーブル6の外皮86は、キーシ
リンダケース150と当接している。
【0042】以下、このように構成されるシフトロック
装置の作用について説明する。シフトレバー26がPレ
ンジの位置にある場合には、図2中に示すように、ピン
30と切欠き54とが係合している。このとき、イグニ
ションキーシリンダ10のキーシリンダ本体152がキ
ー154によりエンジンONの位置に操作されると、キ
ーシリンダ本体152の係合突起156とスライド部材
160の係合部162との係合が外れるため(図5参
照)、スライド部材160の矢印165方向での摺動が
可能となり、これにより、スライド部材160に連結さ
れたキーインタロックケーブル6のワイヤ80の変位も
可能となる。従って、シフトロックユニット4内の摺動
ピン82の位置が、図3中に二点鎖線で示した位置(第
4の位置)まで移動可能となる。
【0043】一方、ブレーキペダル16が踏まれると、
シフトロックケーブル7のワイヤ120がアーム18に
よって引っ張られることになり、この場合、ストッパ部
材110がコイルスプリング114の付勢力に抗して移
動することになる。この結果、ストッパピン112は貫
通孔102内に収まり、仕切板71の上面71aから上
部室72側に突出しなくなる。なお、ストッパ部材11
0によりコイルスプリング114が最大限押し縮められ
てもさらにブレーキペダル16の踏込みがある場合に
は、その踏込みによるワイヤ120の変位はアジャスタ
126によって調整される。
【0044】従って、イグニションキーシリンダ10の
キーシリンダ本体152がエンジンONの位置に操作さ
れ、且つブレーキペダル16が踏まれた場合には、摺動
部材76が自由に距離Xの範囲内で第2の位置まで摺動
可能となり、コントロールケーブル2のワイヤ60は変
位可能となる。そして、この場合には、シフトレバー2
6のプッシュボタン34を押すと、ピン30はロックカ
ム52を支点50回りに回動させ、よって、ピン30が
Pレンジの溝42から解放され、シフトレバー26を白
抜き矢印のように揺動させることが可能となる。つま
り、Pレンジ以外の他のシフトレンジを選択できること
になる。
【0045】しかしながら、イグニションキーシリンダ
10のキーシリンダ本体152の回転位置がエンジンO
FFの場合、或いはブレーキペダル16が踏まれていな
い場合にあっては、シフトレバー26を揺動させること
ができず、Pレンジ以外の他のシフトレンジを選択でき
ないことになる。つまり、イグニションキーシリンダ1
0のキーシリンダ本体152の回転位置がエンジンOF
Fの位置の場合には、キーシリンダ本体152の係合突
起156とスライド部材160の係合部162とが係合
しているため、スライド部材160の矢印165方向で
の摺動が規制される。これにより、スライド部材160
に連結されたキーインタロックケーブル6のワイヤ80
が、シフトロックユニット4内の摺動ピン82の位置
を、図3中に実線で示した位置(第3の位置)に規制す
る。つまり、この場合、摺動ピン82は摺動部材76内
の長孔77のワイヤ80側の端部に位置し、摺動部材7
6の内面と当接している。従って、摺動部材76は、図
示の位置(第1の位置)よりも紙面右方向へは移動でき
ないことになり、摺動部材76に接続されたコントロー
ルケーブル2のワイヤ60も同様に規制される。
【0046】また、摺動部材76が図示の第1の位置に
あってブレーキペダル16が踏まれていない場合には、
シフトロックケーブル7のワイヤ120がアーム18に
よって引っ張られていないことから、ストッパ部材11
0は、コイルスプリング114によって仕切板71側に
付勢され、これにより、ストッパピン112が上部室7
2側に突出する(図3中に示す状態)。従って、摺動部
材76はストッパピン112を越えて紙面右方向には摺
動できないことになり、この場合にも、やはり、摺動部
材76に接続されたコントロールケーブル2のワイヤ6
0は規制される。
【0047】従って、シフトレバー26がPレンジの位
置にあるとき、イグニションキーシリンダ10のキーシ
リンダ本体152の回転位置がエンジンOFFの場合、
或いはブレーキペダル16が踏まれていない場合には、
シフトレバー26のプッシュボタン34を押そうとして
も、ピン30がロックカム52を支点50回りに回動さ
せることができないことになり、よって、ピン30は、
Pレンジの溝42から脱することができず、シフトレバ
ー26は図2中の白抜き矢印のようには揺動できないこ
とになる。これにより、エンジン始動時における意図し
ない車両の発進等が確実に防止されることになる。
【0048】以上、詳細に説明したように、本発明のシ
フトロック装置では、シフトロックユニット4から延び
てロックカム52に連結されるケーブルを、コントロー
ルケーブル2の1本としてシフトロック装置を構成して
いるので、複雑な調整もなく、コントロールケーブル2
のロックカム52への取付けが極めて容易であり、摺動
部材76の摺動を規制、或いは規制解除することによ
り、シフトレバー26の揺動の抑制と許容とを簡単な構
成にして確実に遠隔操作できる。
【0049】また、本発明のシフトロック装置では、コ
ントロールケーブル2をキーインタロックケーブル6、
シフトロックケーブル7と一体とすることなく、摺動部
材76を介して完全に独立させているので、キーインタ
ロックケーブル6、シフトロックケーブル7の摺動部材
76への連結と調整とが容易である。さらには、コント
ロールケーブル2、キーインタロックケーブル6及びシ
フトロックケーブル7の各ワイヤの消耗時にあっては、
それぞれのワイヤを独立に交換することができ、メンテ
ナンスが容易である。
【0050】ところで、本発明のシフトロック装置で
は、上記実施例に示したイグニションキーシリンダ10
の他に、例えば、図6,7に断面図を示すようなイグニ
ションキーシリンダ210,310を使用することも可
能である。先ず、図6に示すイグニションキーシリンダ
210について説明すると、キーシリンダケース250
内のキーシリンダ本体252には、キーシリンダ本体2
52と同一回転軸を有するハスバ歯車260が接続され
ており、このハスバ歯車260と協働するようにしてボ
ールネジ状のスライダ270が設けられている。このス
ライダ270の後端部272は断面が矩形に形成されて
おり、この後端部272は、キーシリンダケース250
と一体に形成されたスライダ支持部254を摺動自在に
貫通しており、これにより、スライダ270がハスバ歯
車260に対して直角に且つ軸回転しないように支持さ
れている。そして、スライダ270の先端にワイヤ80
が接続されている。
【0051】このように構成されたイグニションキーシ
リンダ210では、キー154の操作によってキーシリ
ンダ本体252が回転すると、ハスバ歯車260も回転
し、これと協働するスライダ270が矢印280方向で
移動する。これにより、ワイヤ80も変位することにな
る。そして、ワイヤ80が変位すると、図3中に示すよ
うに、シフトロックユニット4内の摺動ピン82が、二
点鎖線で示す位置まで移動することになる。
【0052】また、図7に示すイグニションキーシリン
ダ310について説明すると、キーシリンダケース35
0内のキーシリンダ本体352には、キーシリンダ本体
352と同一回転軸を有するカム360が接続されてい
る。このカム360の外周には、同図に示すように、斜
めに延びるカム溝362が設けられており、このカム溝
362には、キー連動部材370のキー摺動ピン372
が係合している。そして、キー連動部材370の先端に
ワイヤ80が接続されている。
【0053】このように構成されたイグニションキーシ
リンダ310では、キー154の操作によってキーシリ
ンダ本体352が回転すると、カム360も回転し、カ
ム溝362と協働するキー連動部材370が矢印380
方向で移動する。これにより、ワイヤ80も変位し、そ
して、シフトロックユニット4内の摺動ピン82が、図
3中に二点鎖線で示す位置まで連動することになる。
【0054】つまり、本発明のシフトロック装置では、
コントロールケーブル2をキーインタロックケーブル6
から完全に独立させ、これらのケーブル間にキーインタ
ロックケーブル6のワイヤ80の変位を許容する摺動部
材76を設けているので、ワイヤ80がキー154の操
作により強制的に変位させられるようなイグニションキ
ーシリンダを用いることも可能となるのである。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の車両用
自動変速機のシフトロック装置によれば、シフトレバー
を揺動させることにより自動変速機のシフトレンジを切
換え可能なシフトレバー装置において、シフトレバーが
自動変速機を非駆動とする位置にあるとき、シフトレバ
ーの揺動を抑制するロック状態と、揺動を許容するアン
ロック状態とを切換え可能なシフトレバーロック機構
と、シフトレバーロック機構と連動してロック状態に対
応する第1の位置とアンロック状態に対応する第2の位
置との間を移動可能なレバー連動部材と、レバー連動部
材と相対移動可能に係合し、レバー連動部材を第1の位
置に規制するときに占める第3の位置と、レバー連動部
材への規制を解除したときに占める第4の位置とを移動
しうる係合部材と、イグニションキーシリンダ近傍に係
合部材と連動可能に設けられ、イグニションキーがエン
ジン停止状態の位置にあるとき係合部材を第3の位置に
規制する一方、イグニションキーがエンジン作動状態の
位置にあるとき係合部材の第3の位置への規制を解除す
るキー連動部材と、ブレーキペダルが踏込まれておらず
且つレバー連動部材が第1の位置にあるときレバー連動
部材と係合してレバー連動部材を該位置に拘束する係止
部を有するとともに、ブレーキペダルが踏込まれたとき
係止部をレバー連動部材から離脱させて拘束を解除する
規制手段とを備えるようにしたので、イグニションキー
の操作にキー連動部材を介して連動する係合部材とブレ
ーキペダルの操作に連動する係止部を有する規制手段と
を共に直接シフトレバーロック機構に作用させることな
く一旦シフトレバーロック機構から離間して位置するレ
バー連動部材を介して作用させることができる。従っ
て、シフトレバーロック機構のロック状態とアンロック
状態との切換えを、レバー連動部材の移動の規制と許容
とによって簡単且つ容易に遠隔操作できる。
【0056】また、係合部材及び規制手段の係止部とレ
バー連動部材とをそれぞれ互いに分離していることか
ら、イグニションキーとレバー連動部材間及びブレーキ
ペダルとレバー連動部材間での連結作業をレバー連動部
材の位置において集中的に実施でき、さらに、イグニシ
ョンキーとレバー連動部材間、ブレーキペダルとレバー
連動部材間、及び、レバー連動部材とシフトレバーロッ
ク機構間での各係合状態の調整作業をもレバー連動部材
の位置において集中的且つ容易に実施できる。よって、
シフトロック装置の取付け作業性及びメンテナンス性の
向上を図ることができる。
【0057】また、請求項2の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、レバー連動部材はレバー連動部
材の移動方向に延びる係合孔を有し、係合部材は、係合
孔に係合し、イグニションキーがエンジン停止状態の位
置にあるときに係合孔の一端の内壁面と当接することに
よりレバー連動部材を第1の位置に規制するので、係合
部材をキー連動部材により第3の位置に規制しレバー連
動部材の移動方向に延びる係合孔の一端の内壁面に当接
させることで容易にレバー連動部材を確実に第1の位置
に規制することができる。
【0058】また、請求項3の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、キー連動部材は、イグニション
キーがエンジン停止状態の位置にあるときイグニション
キーに連動するキーシリンダ本体と係合し移動不可能に
なる一方、イグニションキーがエンジン作動の位置にあ
るときキーシリンダ本体から離脱して移動可能になり係
合部材を第4の位置に移動可能にして第3の位置への規
制から解除するので、イグニションキーがエンジン作動
の位置にあるときには、キー連動部材により、係合部材
を第4の位置に移動可能にでき、係合部材の第3の位置
への規制を容易に解除できる。
【0059】また、請求項4の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、キー連動部材は、キーシリンダ
本体を介してイグニションキーの回動に連動して移動
し、イグニションキーがエンジン作動の位置に操作され
たとき、係合部材を第4の位置に移動させて第3の位置
への規制から解除するので、イグニションキーがエンジ
ン作動の位置とされ、キー連動部材により強制的に係合
部材が第4の位置に移動させられることによっても、係
合部材の第3の位置への規制を容易に解除できる。
【0060】また、請求項5の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、係合部材は第1のケーブルを介
してキー連動部材に連結されるとともに、レバー連動部
材は第2のケーブルを介してシフトレバーロック機構と
連結されているので、係合部材とキー連動部材とを第1
のケーブルによって、またレバー連動部材とシフトレバ
ーロック機構とを第1のケーブルに対し独立の第2のケ
ーブルによって好適に連結でき、ケーブル交換等を容易
にできる。
【0061】また、請求項6の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、規制手段は、一端が係止部に連
結される一方、他端がブレーキペダルと連動して移動す
るペダル連動部材に連結された第3のケーブルを含んで
なるので、係止部とペダル連動部材とを第1及び第2の
ケーブルに対し独立の第3のケーブルによって好適に連
結でき、ケーブル交換等を容易にできる。また、請求項
7の車両用自動変速機のシフトロック装置によれば、第
3のケーブルには伸縮可能な調整部材が介装されている
ので、ブレーキペダルの踏込量が大きくても、係止部の
移動量を調整部材の伸縮により常に一定量以下にでき、
係止部の無駄な動きを防止できる。
【0062】また、請求項8の車両用自動変速機のシフ
トロック装置によれば、レバー連動部材と係合部材と係
止部とが1つの収容部材内に収容されているので、レバ
ー連動部材と係合部材と係止部とを1つの収容部材内に
集中して設けることで、シフトロック装置の取付け調整
を収容部材内のみにおいて集中的に実施でき、メンテナ
ンス性の向上をより一層図ることができる。また、請求
項9の車両用自動変速機のシフトロック装置によれば、
レバー連動部材は、収容部材内で摺動するので、レバー
連動部材の移動を直線運動のみにでき、シフトレバーの
揺動の抑制と許容とを簡単な構成にして確実に遠隔実施
できる。
【0063】また、請求項10の車両用自動変速機のシ
フトロック装置によれば、シフトレバーを揺動させるこ
とにより自動変速機のシフトレンジを切換え可能なシフ
トレバー装置において、シフトレバーが自動変速機を非
駆動とする位置にあるとき、シフトレバーの揺動を抑制
するロック状態と、揺動を許容するアンロック状態とを
切換え可能なシフトレバーロック機構と、イグニション
キーシリンダに設けられ、イグニションキーの操作に連
動して移動するキーシリンダ本体と、一端がキーシリン
ダ本体に連結または係脱可能に設けられた第1のケーブ
ルと、一端がシフトレバーロック機構に連結された第2
のケーブルと、第1のケーブルと第2のケーブルとを相
対移動可能に連結するとともに、イグニションキーがエ
ンジン停止状態の位置にあるとき相対移動が規制され第
2のケーブルを介してシフトレバーロック機構をロック
状態に拘束する部材と、ブレーキペダルが踏込まれてお
らず且つシフトレバーロック機構がロック状態にあると
き部材と係合して第2のケーブルを介してシフトレバー
ロック機構をロック状態に拘束する規制手段とを備える
ようにしたので、イグニション側ケーブルとシフトレバ
ーロック機構側ケーブルとの接続点にブレーキペダル操
作に連動する規制手段を係合するように設けることで、
各部品の取付け、調整作業を集中的且つ容易に実施でき
る。また、シフトレバーロック機構とキーシリンダ本体
とをそれぞれ別のケーブルを介して連結するため、ケー
ブル交換等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシフトロック装置の概略構成図であ
る。
【図2】図1中のシフトレバーユニットを示す断面詳細
図である。
【図3】図1中のシフトロックユニットを示す断面詳細
図である。
【図4】図1中のイグニッションキーシリンダを示す断
面詳細図である。
【図5】図4中に示すイグニッションキーシリンダの横
断面図である。
【図6】他のイグニッションキーシリンダを示す断面詳
細図である。
【図7】他のイグニッションキーシリンダを示す断面詳
細図である。
【図8】従来のシフトロック装置のシフトロックユニッ
トを示す図である。
【図9】図8中に示すシフトロックユニットの横断面図
である。
【符号の説明】 1 シフトレバーユニット 2 コントロールケーブル(第2のケーブル) 4 シフトロックユニット 6 キーインタロックケーブル(第1のケーブル) 7 シフトロックケーブル(第3のケーブル) 10 イグニションキーシリンダ 16 ブレーキペダル 18 アーム(ペダル連動部材) 26 シフトレバー 30 ピン(シフトレバーロック機構) 40 ピン移動孔 42 溝(シフトレバーロック機構) 52 ロックカム(シフトレバーロック機構) 54 切欠き(シフトレバーロック機構) 60 ワイヤ 70 ハウジング(収容部材) 76 摺動部材(レバー連動部材) 77 長孔(係合孔) 80 ワイヤ 82 摺動ピン(係合部材) 110 ストッパ部材(係止部) 112 ストッパピン 114 コイルスプリング 120 ワイヤ 126 アジャスタ(調整部材) 156 係合突起 160 スライド部材(キー連動部材)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シフトレバーを揺動させることにより自
    動変速機のシフトレンジを切換え可能なシフトレバー装
    置において、 前記シフトレバーが前記自動変速機を非駆動とする位置
    にあるとき、前記シフトレバーの揺動を抑制するロック
    状態と、前記揺動を許容するアンロック状態とを切換え
    可能なシフトレバーロック機構と、 前記シフトレバーロック機構と連動して前記ロック状態
    に対応する第1の位置と前記アンロック状態に対応する
    第2の位置との間を移動可能な連動部材と、 エンジンキーがエンジン停止の位置にあるとき前記連動
    部材を前記第1の位置に規制する一方、前記エンジンキ
    ーがエンジン作動の位置にあるとき前記規制を解除する
    第1の規制手段と、 前記ブレーキペダルが踏込まれておらず且つ前記連動部
    材が前記第1の位置にあるとき前記連動部材を係止する
    一方、前記ブレーキペダルが踏込まれたとき前記係止を
    解除する第2の規制手段とを備えることを特徴とする車
    両用自動変速機のシフトロック装置。
  2. 【請求項2】 前記連動部材は前記連動部材の移動方向
    に延びる係合孔を有し、前記第1の規制手段は、前記エ
    ンジンキーの操作に応じて前記係合孔内を移動する係合
    部材と、前記エンジンキーがエンジン停止の位置にある
    とき、前記係合部材を前記係合孔の一端の内壁面と当接
    させて前記連動部材を前記第1の位置に規制する係合手
    段とを備えることを特徴とする、請求項1記載の車両用
    自動変速機のシフトロック装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の規制手段は、前記エンジンキ
    ーがエンジン作動の位置にあるとき、前記係合部材を前
    記係合孔の他端に移動可能にして前記規制を解除するこ
    とを特徴とする、請求項2記載の車両用自動変速機のシ
    フトロック装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の規制手段は、前記エンジンキ
    ーがエンジン作動の位置に回動されたとき、前記係合部
    材を前記係合孔の他端に移動させ、前記規制を解除する
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用自動変速機の
    シフトロック装置。
  5. 【請求項5】 一端が前記係合部材に連結される一方、
    他端が前記エンジンキーに連動して移動するキー連動部
    材に連結された第1のケーブルと、一端が前記連動部材
    に連結される一方、他端が前記シフトレバーロック機構
    に連結された第2のケーブルとを含んでなることを特徴
    とする、請求項2乃至4のいずれか記載の車両用自動変
    速機のシフトロック装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の規制手段は、前記ブレーキペ
    ダルと連動し、前記ブレーキペダルが踏込まれておらず
    且つ前記連動部材が前記第1の位置にあるとき前記連動
    部材を係止する係止部材からなることを特徴とする、請
    求項1乃至5のいずれか記載の車両用自動変速機のシフ
    トロック装置。
  7. 【請求項7】 一端が前記係止部材に連結される一方、
    他端が前記ブレーキペダルと連動して移動するペダル連
    動部材に連結された第3のケーブルを含んでなることを
    特徴とする、請求項6記載の車両用自動変速機のシフト
    ロック装置。
  8. 【請求項8】 前記第3のケーブルは、前記ブレーキペ
    ダルの踏込み量が設定値に達すると前記係止部材と前記
    連動部材との係止を解除するとともに、前記設定値より
    大きい前記ブレーキペダルの踏込みに対して伸長する踏
    込み調整手段を備えることを特徴とする、請求項7記載
    の車両用自動変速機のシフトロック装置。
  9. 【請求項9】 前記連動部材と前記第1及び第2の規制
    手段とは1つの収容部材内に収容されていることを特徴
    とする、請求項1乃至8のいずれか記載の車両用自動変
    速機のシフトロック装置。
  10. 【請求項10】 前記連動部材は、前記収容部材内で摺
    動することを特徴とする、請求項9記載の車両用自動変
    速機のシフトロック装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019013836A1 (en) * 2017-07-13 2019-01-17 Hobie Cat Company ARC HANDLE
CN109462629A (zh) * 2017-09-06 2019-03-12 阿里巴巴集团控股有限公司 车辆信息处理方法、装置及车库系统
CN109491448A (zh) * 2018-11-01 2019-03-19 王策勋 电气自动化控制台

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