JP3799730B2 - 自動変速機付き車両のキーインターロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動変速機付き車両のキーインターロック装置、即ち、降車時に、自動変速機のシフトレバーが駐車位置にシフトされない限り、始動キーを抜き取ることができないようにするキーインターロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動変速機付き車両では、降車時に、自動変速機のシフトレバーが駐車位置にシフトされない限り、始動キーを抜き取ることができないようにするキーインターロック装置を備えたものがある。
【0003】
このようなキーインターロック装置を備えたものとしては、例えば特開昭60−135352公報、実開平1−93161公報、特開昭64−106754公報に開示されたものが知られている。
【0004】
これらの公報のうち、特開昭60−135352公報に記載されたキーインターロック装置は、図10、図11に示すように、ステアリングシャフトaを内嵌するステアリングコラムbに形成されるケース部cと、このケース部c内に収納されたキーシリンダdと、始動キーeの回動操作に伴いキーシリンダd内の回転体を介して回動されるカムfと、ステアリングコラムbに摺動可能に支持され、上記カムfにリターンスプリングgを介して付勢係合されるロックピンhと、ステアリングコラムbに上記ロックピンhと直交する方向に摺動可能に支持され、上記ロックピンhと係合可能なピン穴iが形成された摺動板jと、シフトレバーが駐車位置にあるときには、摺動板jをそのピン穴iの位置がロックピンhの位置に一致する係合位置に移動させ、駐車位置以外にあるときには、摺動板jをそのピン穴iの位置がロックピンhの位置から外れる非係合位置に摺動させるケーブル部材kとを備えた構成となっている。
【0005】
そして、シフトレバーが駐車位置にあるときには、始動キーeが回動操作可能となっているので、エンジンを始動するような場合には、始動キーeをその抜き取り可能な位置にて差し込んで回動操作を行う。このとき、上記カムfはその突部がロックピンhから後退するように回転してロックピンhがリターンスプリングgの付勢力により摺動板jのピン穴iの外方に押し戻され、摺動板jが摺動可能な状態となる。この状態でシフトレバーが駐車位置以外に揺動操作されたときには、図12、図13に示すようにケーブル部材kにより摺動板jが移動して、該摺動板jのピン穴iがロックピンhとの係合位置からずれることになる。これにより、シフトレバーが駐車位置以外に揺動操作された状態では、上記始動キーeをその抜き取り可能な位置に回動させようとしても、上記カムfによりにリターンスプリングgに抗して押し出されるロックピンhが摺動板jに当たることになり、該キーeの回転が阻止されるようになっている。その結果、降車時、シフトレバーが駐車位置にシフトされない限り、始動キーeを抜き取ることができないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のキーインターロック装置にあっては、上記カムfにおける突部の前進によりロックピンhをリターンスプリングgの付勢力に抗して押し出して摺動板jのピン穴iに係合させ、また、該カムfにおける突部の後退により、ロックピンhをリターンスプリングgの付勢力により摺動板jのピン穴iの外方に押し戻すようにした構造であるため、上記カムfにおける突部の後退時、ロックピンhが摺動板jのピン穴iから確実に抜け出すようにするためには、リターンスプリングgの付勢力を大きくする必要がある。その場合、リターンスプリングgの製造時の付勢力のバラツキや使用による付勢力の低下などについても考慮しなければならないことからより大きな付勢力を有するリターンスプリングgを用いることになる。このようにリターンスプリングgの付勢力を強くすると、上記始動キーeを回転させて、カムfによりロックピンhをリターンスプリングgの力に抗して押し出して摺動板jのピン穴iに係合させるときに強い操作力が必要となり、該キーeの操作性が悪くなる問題がある。
【0007】
その上、リターンスプリングgを用いる場合、該スプリングgに異物が噛み込んだりすると、該スプリングgによるロックピンhの押し戻し機能が阻害され、キーインターロック本来の機能が得られなくなる問題を有していた。
【0008】
そこで、本発明は、従来のキーインターロック装置における上記不具合に対処するもので、キーの操作を軽くできるようにすると共に、キーの回動を規制する部材の規制位置への移動を確実に行わせるようにして、キーの良好な操作性とキーインターロック装置としての高い信頼性とを両立させることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような手段を用いたことを特徴とする。
【0010】
まず、本願の請求項1に記載の発明(以下、「第1発明」という)は、運転者のキー操作により始動キーが複数の回動位置に回動されるキー操作部と、上記始動キーの回動操作に伴って回動される回動部材と、自動変速機におけるシフトレバーの駐車位置と駐車位置以外の位置への揺動に連動して作動し、上記シフトレバーが駐車位置にシフトされているときには、上記回動部材の回動を許容し、シフトレバーが駐車位置以外にシフトされているときには、上記始動キーの抜き取り可能な位置への回動を阻止する規制手段とを備えた自動変速機付き車両のキーインターロック装置であって、上記回動部材は、上記キー操作部をステアリングコラムに支持するケース部材に内包され、かつ上記始動キーの回動操作に伴って一体的に回動する第1、第2のカム部を有すると共に、上記規制手段は、一端部が第1カム部に、他端部が第2カム部にそれぞれ対接するように両カム部間に跨がる状態で上記ケース部材に揺動可能に支持された揺動部材と、上記シフトレバーの揺動に伴って軸方向に移動するケーブル部材に設けられて該シフトレバーの揺動に応じて移動する揺動規制部材とを有し、かつ、上記揺動部材は、上記始動キーが上記回動部材と共にその抜き取り可能な位置に回動されたとき、第1カム部により一端部が押し出された第1の姿勢となり、始動キーが上記回動部材と共にその抜き取り不能な位置に回動されたとき、第2カム部により他端部が押し出された第2の姿勢となるように構成されていると共に、上記揺動規制部材は、上記シフトレバーが駐車位置にシフトされているとき、揺動部材の第2の姿勢から第1の姿勢への揺動を許容する規制解除位置に移動することにより、上記始動キーが上記回動部材と共にその抜き取りが可能な位置へ回動することを許容し、上記シフトレバーが駐車位置以外にシフトされているとき、上記揺動部材の第2の姿勢から第1の姿勢への揺動を規制する位置に移動することにより、上記始動キーが上記回動部材と共にその抜き取りが可能な位置へ回動することを規制することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明(以下、「第2発明」という)は、上記第1発明において、揺動部材が第1の姿勢にあるとき、揺動規制部材が該規制部材の移動経路上で揺動部材に当接することにより、ケーブル部材の移動を規制してシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止し、上記揺動部材が第2の姿勢にあるとき、上記揺動規制部材の上記移動経路上での揺動部材との当接が解除されることにより、ケーブル部材の移動規制を解除してシフトレバーの駐車位置から駐車位置以外の位置への揺動を許容するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明(以下、「第3発明」という)は、上記第2発明において、揺動規制部材の移動経路が揺動部材の長手方向に対して斜交するように設けられていると共に、該揺動規制部材と揺動部材の当接面が上記移動経路に直交する方向で互いに平行となるように形成されていることを特徴とする。
【0013】
上記の手段を用いることにより、本願の各発明によれば次のような作用が得られる。
【0014】
まず、第1〜第3の発明のいずれにおいても、シフトレバーが駐車位置にシフトされている状態で、例えばエンジン始動のため始動キーを回動操作すると、該始動キーの回動に伴って回動する回動部材としての第1、第2のカム部が同方向に回動され、これらのカム部の回動により揺動部材がその一端部が第1カム部により押し出された第1の姿勢から第2カム部によりその他端部が押し出された第2の姿勢に揺動されることになる。そして、この第2の姿勢の状態でシフトレバーが駐車位置以外に揺動操作されると、ケーブル部材により揺動規制部材が揺動部材の揺動を規制する位置に移動し、上記第1及び第2カム部の上記始動キーの抜き取り可能な位置への回動が不能となる。これにより、シフトレバーが駐車位置以外にシフトされた状態では、上記始動キーをその抜き取り可能な位置に回動操作することが不能となって該キーの抜き取りが阻止される。
【0015】
また、シフトレバーが駐車位置以外の位置から駐車位置に揺動操作されると、ケーブル部材により揺動規制部材が該揺動部材の揺動規制を解除する位置に移動し、上記第1及び第2カム部の回動が可能となる。したがって、キー操作部の回動も可能となるので、始動キーを抜き取り可能な位置へ戻すように回動操作すれば、第1、第2のカム部により揺動部材を上記第2の姿勢から第1の姿勢に揺動させて該キーを抜き取り可能な位置に戻すことができる。
【0016】
このように、始動キーを例えばエンジンの始動可能な位置へ回動する場合だけでなく、始動キーを抜き取り可能な位置へ戻す場合にも、第1、第2カム部により揺動部材を直接揺動させることができるので、従来のようにリターンスプリングに抗して始動キーを回動操作する必要がなく、軽い操作力で、かつ揺動部材の揺動を確実に行うことができる。
【0017】
そして、第2発明によれば、揺動部材が第1の姿勢にあるとき、揺動規制部材がその移動経路上で揺動部材に当接することにより、ケーブル部材の移動を規制したシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止し、上記揺動部材が第2の姿勢にあるとき、上記揺動規制部材の上記移動経路上での揺動部材との当接を解除して、シフトレバーの駐車位置から駐車位置以外の位置への揺動を許容するように構成したから、上記始動キーをその抜き取り可能な位置に操作すれば、シフトレバーの駐車位置から駐車位置以外の位置への揺動が禁止されることになる。これにより、車両が坂道等に停止している場合にシフトレバーの駐車位置から走行位置への不用意な操作により動いたりするといったことがなくなる。
【0018】
また、第3発明によれば、揺動規制部材の移動経路が揺動部材の長手方向に対し斜交する構成とする場合に、揺動規制部材と揺動部材の当接面が上記移動経路に直交する方向で互いに平行となるように形成したことにより、揺動部材が第1の姿勢にあるときに、両部材が互いに平行な面で当接し合うことになる。これにより、一方の部材の角部が他方の部材の当接面に当接してその当接箇所が局部的に傷付くことが回避される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る自動変速機付き車両におけるキーインタロック装置の全体概略構成図である。このキーインタロック装置は、ステアリングハンドル1を回動自在に支持するステアリングコラム2の比較的上部における下面に配置され、運転者により始動キー3が、時計回りに順に、Lock,Acc,On,Startの各回動位置に回動操作されるキー操作部4と、車両前後方向に揺動自在のシフトレバー5を備え、運転者による該レバー5の揺動操作によって、車両前方側から順に、P,R,N,D,S,Lの各レンジが選択されるシフト操作部6と、これらのシフト操作部6とキー操作部4との間に軸方向に移動可能に配設されたケーブル7とを有し、シフトレバー5のPレンジとPレンジ以外の位置への揺動に連動して作動することにより、シフトレバー5がPレンジにシフトされているときには、始動キー3の回動を許容し、シフトレバー5がPレンジ以外にシフトされているときには、始動キー3の抜き取り可能なLock位置への回動を阻止するようになっている。
【0021】
また、このキーインタロック装置は、キーインタロック機能と共に、シフトロック機能をも備えたもので、上記キー操作部4で始動キー3がLock位置にあるときは、該キー操作部4において上記ケーブル7の軸方向の移動が規制され、上記シフト操作部6におけるシフトレバー5のPレンジから他のレンジへの操作が禁止される一方、始動キー3がその他の回動位置にあるときには、上記ケーブル7の移動規制が解除されて、シフトレバー5をPレンジから他のレンジへ操作することができるようになっている。
【0022】
つまり、キーインタロック装置の構成部材の一部を兼用してシフトロック機構が構成されている。このシフトロック機構としては、上記のキー操作部4において上記ケーブル7の移動を規制する手段と、ブレーキペダル8の非踏み込み時には上記ケーブル7の軸方向の移動を規制し、ブレーキペダル8の踏み込み操作によってその規制を解除するように作動するブレーキペダル連動のケーブルロック手段9が併設されており、これにより、上記キー操作部4において始動キー3がLock位置以外の他の回動位置にあり、かつブレーキペダル8が踏み込まれている場合にのみ、上記シフト操作部6におけるシフトレバー5のPレンジから他のレンジへの操作が許容されるようになっている。
【0023】
また、上記シフト操作部6におけるシフトレバー5は、その上部の把手部5aに設けられたシフトボタン5bを押し操作すると、その下部に備えられたシフトピン5cが矢印A方向に下動する一方、上記シフトボタン1bの押し操作を解除したときにはシフトピン5cが矢印B方向に上動するようになっており、特にシフトレバー5がPレンジにあるときに、上記シフトボタン5bの押し操作によって上記シフトピン5cが下動すると、図示しない連動機構により上記ケーブル7が矢印C方向に移動する一方、上記シフトボタン5bの押し操作の解除によって上記シフトピン5cが上動すると、上記ケーブル7が矢印D方向に移動するようになっている。そして、このシフトレバー5は、上記シフトボタン5bを押し操作して、シフトピン5cを下動させなければ、上記シフトピン5cが図示しない規制部材に当接して、Pレンジから他のDレンジ等に揺動操作できないようになっている。
【0024】
次に、本発明の特徴部である始動キー3の回動を規制するキー操作部4の構成について説明する。図2、図3に示すように、このキー操作部4は、上記ステアリングコラム2の比較的上部における下面にボルト10などの固定手段で支持されたケース部材11を有する。このケース部材11は、運転席から向って右側端部が後方斜め上方を向き、ここに始動キー3の回動操作に伴って作動する回転体12aを有するキーシリンダ12が備えられて、運転者による該キー3の差し込み口側の端部とされ、また、上記キー操作部4に導かれるケーブル7の端部はステアリングコラム2に沿って下方から上方に延設され、上記ケース部材11の下面側に至っている。なお、図3は上記ケース部材11の底面図であり、図面上、上側が運転席側、下側がエンジンルーム側である。
【0025】
そして、このケース部材11の内部には、キーシリンダ12における回転体12aの内方側端部に一端が係合して該回転体12aと共に回動する回動軸13が回転自在に支持されていると共に、該回動軸13の外周には、所定間隔をおいて一対の第1、第2のカム部14,15が一体的に設けられている。また、ケース部材11の底面には、第1、第2のカム部14,15と対向する位置にH形の開口部11aが形成され、該開口部11aから第1、第2のカム部14,15が下面側に露出されている。そして、ケース部材11の開口部11aの中央部分には、軸受け部11b,11bが下方に突設され、これら軸受け部11b,11bに、一端部が第1カム部14に、他端部が第2カム部15にそれぞれ対接するように両カム部間に跨がる状態で揺動部材16が枢軸16′を介して揺動可能に支持されている。そして、この揺動部材16は、始動キー3がLock位置に回動されたときは、図5、図6に示すように、上記第1カム部14により該揺動部材16の一端部16aが押し出された第1の姿勢となるように揺動される一方、始動キー3が上記Lock位置からAcc位置ないしStart位置方向に回動操作されたときには、図8、図9に示すように、上記第2カム部15により他端部16bが押し出された第2の姿勢となるように揺動される。揺動部材16の上記一体部16aには、当接面16cをもつ係合突出部16dが突設されている。
【0026】
また、ケース部材11の下面中央部には、該ケース部材11に対しては所定の傾斜角度で、一方ステアリングコラム2に対してはその長手方向と平行に延びる上記ケーブル7端部の収容部17が設けられている。この収容部17は、図3〜図6に示すように、上記ケース部材11の下面に一体的に設けられ、下面が開口する中空の取付部材18と、該取付部材18に下方から組み付けられ、上面が開口する同じく中空の収容部材19とを有し、これらの取付部材18と収容部材19とで形成された内部空間内に上記ケーブル7の端部が収容されている。上記取付部材18は、上面部18aと、該上面部18aの両側縁から下方に延びる壁部18b,18bとを有し、該上面部18aの長手方向中間部が上記開口部11aを挟んで両側に分割されて配置されていると共に、運転席側の端部には貫通孔18cが設けられている。また、エンジンルーム側の壁部18b,18bは幅方向に拡張されて、その中央部には運転席側の壁部18b,18bの幅と略同じ幅の切欠き18dが設けられ、該端面の外面には該切欠き18dを取り巻いて係合凹部18eが形成されている。
【0027】
一方、収容部材19は、扁平な下面19aと、該下面19aの縁部から上方に延びる壁部19b,19bとを有し、運転席側の端部からは上記取付部材18の貫通孔18cと係合する爪部19cが設けられている。また、エンジンルーム側の端部に近い部位における両側部には、上下方向に延び、かつ上記取付部材18の端面の切欠き18dと嵌合し合う凹部19dが形成され、収容部材18のエンジンルーム側端部には上記ケーブル7の端部が嵌合より取り付けられている。
【0028】
そして、この収容部材19は、その上記開口部11a上方から運転席側の部分が取付部材18の外側を跨ぎ、上記開口部11aよりもエンジンルーム側の部分が取付部材18における拡張部分の内側に入り込むように組み付けられている。その場合、収容部材19のエンジンルーム側凹部19dが取付部材18の係合凹部18eに嵌入された状態で、該収容部材19が運転席側に移動されて上記爪部19cが取付部材18の貫通孔18cに係合され、その後、運転席方向に付勢力を作用する板バネ部を有するクリップ20が、取付部材18における拡張側端部の内面と、収容部材19の上記凹部19dとの間に介装されて、収容部材19が取付部材18に対して運転席方向に付勢されて固定されている。
【0029】
一方、上記ケーブル7は、図3、図4示すようにインナケーブル7aと、該インナケーブル7aを移動自在に保持するアウタケーブル7bとを備え、アウタケーブル7bの当該端部に取付部材7cが設けられて、この取付部材7cを介して上記ケーブル7の当該端部が全体として収容部材19のエンジンルーム側端部に嵌合より取り付けられている。また、インナケーブル7aの先端部には略直方体形状のブロック体21が連結され、該ブロック体21は、収容部17内において、取付部材18の上面と、収容部材19の下面との間に挟持された状態で、該収容部17の長手方向に移動する。
【0030】
そして、前述のように、シフトレバー5がPレンジにあるときに、上記シフトボタン5bが押し操作され、これにより上記シフトピン5cが下動してインナケーブル7aが矢印C方向に移動すると、図7に示すように収容部17の略中間部に位置する一方で、上記シフトボタン5bの押し操作が解除され、これにより上記シフトピン5cが上動してインナケーブル7aが矢印D方向に移動すると、図4に示すように収容部17の運転席側端部に位置するようになっている。
【0031】
その場合、揺動部材16が第1の姿勢にあるときには、上記ブロック体21がその移動経路上で揺動部材16の一端部16aの係合突出部16dにおける当接面16cに当接することにより、インナケーブル7aの移動が規制されてシフトレバー5のPレンジから他のレンジへの揺動を禁止し、また、上記揺動部材16が第2の姿勢にあるとき、上記ブロック体21の上記移動経路上での揺動部材16の一端部16aとの当接が解除されて、インナケーブル7aの移動規制が解除されてシフトレバー5のPレンジから他のレンジへの揺動を許容するようになっている。その場合、上記ブロック体21の移動経路が揺動部材16の長手方向に対し斜交するように設けられていても、上記両部材16,21が互いに平行な面で当接し合うように、ブロック体21の当接面21aと揺動部材16の当接面16cが上記移動経路に直交する方向で互いに平行となるように形成されている。
【0032】
次に、このシフトロック付きキーインタロック装置の作用を説明する。
【0033】
今、車両が停止しており、これからエンジンを始動させるものとする。このとき、シフトレバー5はPレンジ位置にあり、またキーシリンダ12は始動キー3がLock位置に回動されて引き抜かれた状態にある。したがって、インナケーブル7aはD方向に移動しており、キー操作部6のケース部材11内に導かれた該インナケーブル7aの端部に連結されたブロック体21は、収容部17において、図4に示すように運転席側端部に移動している。また、第1、第2カム部14,15の回動により、揺動部材16は、図5に示すように第1の姿勢となり、その一端部16aが上記ブロック体21の移動経路上に進出している。
【0034】
したがって、仮に、この状態のままでシフトレバー5をPレンジからDレンジ等の他のレンジに揺動させようとして、シフトボタン5bを押し操作しても、上記ブロック体21がその移動経路上に進出した揺動部材16の一端部16aにおける係合突出部16dに当接してインナケーブル7aの移動が規制され、シフト操作部6における前述の連動機構のシフトピン5cとの連動が阻止される。このため、シフトレバー5における上記シフトピン5cを下動させることができず、これにより、該シフトレバー5をPレンジから他のレンジへシフト操作することができない。その結果、エンジンを始動する前にシフトレバー5をDレンジ等の走行レンジに操作することが禁止されて、車両が坂道等に停止している場合に不用意に動いたりするといったことがなくなる。
【0035】
次に、始動キー5をStart位置まで回動操作すると、イグニッションスイッチがONとされてエンジンが始動されると共に、そのキー操作に伴い第1、第2カム部14,15が回動して、これらのカム部14,15の回動により揺動部材16は、その一端部16aが第1カム部14により押し出される第1の姿勢から第2カム部15によりその他端部16bが押し出される第2の姿勢、つまり一端部16aがブロック体21の移動経路から退避する位置に揺動される。しかし、このままではまだブロック体21の移動規制は解除されておらず、ブレーキペダル8を踏み込んで初めてインナケーブル7aがC方向に移動可能となる。その結果、シフトレバー1はブレーキペダル8を踏み込んだ状態で走行レンジ等にシフトされることになり、不意な発進がより効果的に回避されることになる。
【0036】
そして、シフトレバー5がPレンジから他のレンジに操作されると、インナケーブル7aはC方向に移動した状態で停止し、ケース部材11内のブロック体21は図7、図8に示すように収容部17の中間部に位置して停止する。このとき、ブロック体21は、揺動部材16の一端部16aの押し出し空間部上を横切って停止し、その結果、揺動部材16の一端部16aと上記ブロック体21との当接により、揺動部材16の第2の姿勢から第1の姿勢への揺動が阻止されることになる。これにより、シフトレバー5が駐車位置以外にシフトされた状態では、上記始動キー3をその抜き取り可能なLock位置に回動操作することができなくなって該キー3の抜き取りが阻止されることになる。
【0037】
一方、シフトレバー5がPレンジ以外の位置からPレンジに揺動操作されると、図4に示すようにインナケーブル7aの移動によりブロック体16が該揺動部材16の揺動規制を解除する位置に移動する。これにより、第1及び第2カム部14,15の回動が可能となり、始動キー3をその抜き取り可能な位置へ回動させることが可能となる。
【0038】
また、上記のシフトロック時におけるブロック体21と揺動部材16との当接時には、ブロック体21の当接面21aと揺動部材16の当接面16cがブロック体21の移動経路に直交する方向で互いに平行となるように形成されているので、このような当接面16c,21aを設けないときのように、角部の一点に当接力が集中的に作用して、他方の部材を傷付けるといった不具合が回避される。
【0039】
また、図に示す実施の形態では、上記回動軸13と一対の第1、第2のカム部14,15とを一体成形により形成しており、これにより、部品点数の省略化を図っている。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る自動変速機付き車両のキーインターロック装置によれば、始動キーの回動操作に伴って一体的に回動する回動部材として、第1、第2のカム部を有していると共に、一端部が第1カム部に、他端部が第2カム部にそれぞれ対接するように両カム部間に跨がる状態で揺動可能に支持され、上記始動キーがその抜き取り可能な位置にあるとき、第1カム部により一端部が押し出された第1の姿勢となり、始動キーがその抜き取り不能な位置にあるとき、第2カム部により他端部が押し出された第2の姿勢とに揺動される揺動部材と、上記シフトレバーの揺動に伴って軸方向に移動するケーブル部材に設けられ、上記シフトレバーが駐車位置にシフトされているとき、揺動部材の揺動を許容する規制解除位置に移動され、上記シフトレバーが駐車位置以外にシフトされているとき、上記揺動部材の第2の姿勢から第1の姿勢への揺動を規制する位置に移動される揺動規制部材とを備えた規制手段が設けられているから、降車時に、自動変速機のシフトレバーが駐車位置にシフトされない限り、始動キーを抜き取ることができないようにするキーインターロック機能を有し、しかも、始動キーを抜き取り可能な位置から例えばエンジンの始動可能な位置へ回動する場合だけでなく、始動キーを抜き取り可能な位置へ戻す場合にも、上記第1、第2カム部により揺動部材を直接揺動させることができるので、従来のようにリターンスプリングに抗して始動キーを回動操作する必要がなく、軽い操作力で、かつ揺動部材の揺動を確実に行うことができる。
【0041】
その上、第1、第2のカム部と揺動部材との間に異物が噛み込むようようなことがあっても、始動キーによって第1、第2のカム部をその噛み合いに抗して回動させることにより、第1、第2のカム部と揺動部材とが有する剛性で、比較的剛性の低い異物については、該異物を変形させたり或は破壊して除去するといったことが可能であり、これにより、リターンスプリングを用いる場合のように押し戻し機能が簡単に阻害されて、始動キーの抜き取り可能な位置への回動を阻止できなくなるといった事態の発生を少なくして信頼性を高めることが可能となる。
【0042】
そして、揺動部材が第1の姿勢にあるとき、揺動規制部材がその移動経路上で揺動部材に当接することにより、ケーブル部材の移動を規制してシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止し、上記揺動部材が第2の姿勢にあるとき、上記揺動規制部材の上記移動経路上での揺動部材との当接を解除して、シフトレバーの駐車位置から駐車位置以外の位置への揺動を許容するように構成したから、上記始動キーをその抜き取り可能な位置に操作すれば、シフトレバーの駐車位置から駐車位置以外の位置への揺動が禁止されることになる。これにより、車両が坂道等に停止している場合にシフトレバーの駐車位置から走行位置への不用意な操作により動いたりするといったことがなくなる。
【0043】
さらに、揺動規制部材の移動経路が揺動部材の長手方向に対し斜交する構成とする場合に、揺動規制部材と揺動部材の当接面が上記移動経路に直交する方向で互いに平行となるように形成したことにより、揺動部材が第1の姿勢にあるときに、両部材が互いに平行な面で当接し合うことになる。これにより、一方の部材の角部が他方の部材の当接面に当接してその当接箇所が局部的に傷付くことが回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るキーインターロツク装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】 同装置のキー操作部の平面図である。
【図3】 同キー操作部の底面図である。
【図4】 同キー操作部の要部拡大底面図である。
【図5】 図4のアーア線断面図である。
【図6】 図5のイーイ線断面図である。
【図7】 キー操作部における揺動部材の第2の姿勢を示す要部の側面図である。
【図8】 図7のウーウ線断面図である。
【図9】 同図8のエーエ線断面図である。
【図10】 従来例の説明図である。
【図11】 同図10のオーオ線断面図である。
【図12】 同従来例の動作説明図である。
【図13】 同図12のカーカ線断面図である。
【符号の説明】
2 ステアリングコラム
3 始動キー
4 キー操作部
5 シフトレバー
7 ケーブル
11 ケース部材
14 第1カム部
15 第2カム部
16 揺動部材
21 ブロック体
Claims (3)
- 運転者のキー操作により始動キーが複数の回動位置に回動されるキー操作部と、上記始動キーの回動操作に伴って回動される回動部材と、自動変速機におけるシフトレバーの駐車位置と駐車位置以外の位置への揺動に連動して作動し、上記シフトレバーが駐車位置にシフトされているときには、上記回動部材の回動を許容し、シフトレバーが駐車位置以外にシフトされているときには、上記始動キーの抜き取り可能な位置への回動を阻止する規制手段とを備えた自動変速機付き車両のキーインターロック装置であって、上記回動部材は、上記キー操作部をステアリングコラムに支持するケース部材に内包され、かつ上記始動キーの回動操作に伴って一体的に回動する第1、第2のカム部を有すると共に、上記規制手段は、一端部が第1カム部に、他端部が第2カム部にそれぞれ対接するように両カム部間に跨がる状態で上記ケース部材に揺動可能に支持された揺動部材と、上記シフトレバーの揺動に伴って軸方向に移動するケーブル部材に設けられて該シフトレバーの揺動に応じて移動する揺動規制部材とを有し、かつ、上記揺動部材は、上記始動キーが上記回動部材と共にその抜き取り可能な位置に回動されたとき、第1カム部により一端部が押し出された第1の姿勢となり、始動キーが上記回動部材と共にその抜き取り不能な位置に回動されたとき、第2カム部により他端部が押し出された第2の姿勢となるように構成されていると共に、上記揺動規制部材は、上記シフトレバーが駐車位置にシフトされているとき、揺動部材の第2の姿勢から第1の姿勢への揺動を許容する規制解除位置に移動することにより、上記始動キーが上記回動部材と共にその抜き取りが可能な位置へ回動することを許容し、上記シフトレバーが駐車位置以外にシフトされているとき、上記揺動部材の第2の姿勢から第1の姿勢への揺動を規制する位置に移動することにより、上記始動キーが上記回動部材と共にその抜き取りが可能な位置へ回動することを規制することを特徴とする自動変速機付き車両のキーインターロック装置。
- 揺動部材が第1の姿勢にあるとき、揺動規制部材が該規制部材の移動経路上で揺動部材に当接することにより、ケーブル部材の移動を規制してシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止し、上記揺動部材が第2の姿勢にあるとき、上記揺動規制部材の上記移動経路上での揺動部材との当接が解除されることにより、ケーブル部材の移動規制を解除してシフトレバーの駐車位置から駐車位置以外の位置への揺動を許容するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機付き車両のキーインターロック装置。
- 揺動規制部材の移動経路が揺動部材の長手方向に対して斜交するように設けられていると共に、該揺動規制部材と揺動部材の当接面が上記移動経路に直交する方向で互いに平行となるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機付き車両のキーインターロック装置。
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