JP3775854B2 - ケ−ブル式シフトロック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキペダルの踏込みがないと、特定の非走行レンジ位置(例えばPレンジ位置)から他のレンジ位置への変更を阻止するようにしたケ−ブル式シフトロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機においては、運転者によりセレクトレバーを操作することによりレンジ位置の変更が行われる。そして、例えばPレンジ位置のような非走行レンジ位置から不用意に走行レンジへ変更されるのを阻止するため、所定の運転操作が行われていない限り、例えばイグニッションスイッチがONとなっておりかつブレーキペダルが踏込み操作されていない限り、Pレンジ位置から他のレンジ位置への変更を阻止するシフトロック機構を設けることが一般的である(例えば特開平7−101259号公報参照)。
【0003】
シフトロック機構についてより具体的に説明すると、セレクトレバー下部に構成されているシフトピンは、Pレンジ位置において、シフトピンのレンジセレクト方向への移動を規制するロックプレ−トに形成された凹部内に嵌合されて、ロック機構によって、シフトピンの凹部内からの抜けが阻止されたロック状態とされる。
【0004】
上記ロック機構が、ケ−ブルを介して、キ−チェッカおよびブレーキチェッカに連結される。キ−チェッカは、通常は、ロック解除方向へのケ−ブルの移動を規制しており、イグニッションスイッチをON操作したときにロック解除方向へのケ−ブルの動きを許容する。また、ブレーキチェッカは、ブレーキペダルのOFF状態時においてはロック解除方向へのケ−ブルの動きを規制しており、ブレーキペダルのON操作によりロック解除方向へのケ−ブルの動きを許容する。
【0005】
ブレーキチェッカは、特開平7−101259号公報に示すように、かなり多くの部品を有するものとなる。すなわち、ケーシングの他、ケ−ブルに固定された可動子、ブレーキペダルの動きに往動されるホルダとピン部材、ホルダとピン部材とを付勢する2つのスプリング、および可動子とホルダとの間に介在されるロック用ボ−ルとを有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来のブレーキチェッカにあってはその部品点数が多く、しかもブレーキチェッカは全ての車両に搭載されることが要請されているので、部品点数をいかに少なくするかがコスト低減等の観点から問題となる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、ブレーキチェッカの部品点数が少なくてもすむようにしたケ−ブル式シフトロック機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあってはその第1の構成として次のようにしてある。すなわち、
運転者の揺動操作により複数のレンジ位置を選択するセレクトレバーが特定の非走行レンジ位置から他のレンジ位置へ移動するのを規制するためのロック機構と、該ロック機構に対してケ−ブルを介して連係されると共にブレーキペダルの踏み込み操作によって該ロック機構のロック解除方向の動きを許容する一方、ブレーキペダルの踏込み操作がないときには該ロック機構のロック解除方向の動きを禁止するブレーキチェッカを備えたケ−ブル式シフトロック機構において、
前記ブレーキチェッカが、
前記ケ−ブルの移動に応じて回動される回動部材と、
前記ケ−ブルの移動方向に変位可能とされ、ブレーキペダルの踏込み操作量が無いときに前記回動部材が係合されてロック解除方向への前記ケ−ブルの移動を規制するロック部材と、
を備た構成としてある。上記構成を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項5に記載のとおりである。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明にあってはその第2の構成として次のようにしてある。すなわち、
運転者の揺動操作により複数のレンジ位置を選択するセレクトレバーが特定の非走行レンジ位置から他のレンジ位置へ移動するのを規制するためのロック機構と、該ロック機構に対してケ−ブルを介して連係されると共にブレーキペダルの踏み込み操作によって該ロック機構のロック解除方向の動きを許容する一方、ブレーキペダルの踏込み操作がないときには該ロック機構のロック解除方向の動きを禁止するブレーキチェッカを備えたケ−ブル式シフトロック機構において、
前記ブレーキチェッカが、
ケーシングと、
前記ケ−ブルに固定され、該ケ−ブルの移動方向に摺動自在として前記ケーシングに保持された固定部材と、
前記固定部材に回動自在に取付けられた回動部材と、
前記ケ−ブルの移動方向に摺動自在として前記ケーシングに保持され、ブレーキペダルの踏込み、戻し操作に応じて摺動変位されるロック部材と、
前記回動部材を前記ロック部材側へ向けて回動されるように付勢するスプリングと、
を備え、ブレーキペダルの踏込み操作がない状態に応じた位置にある前記ロック部材に対して前記回動部材が係合されることにより前記ケ−ブルのロック解除方向への動きが規制され、ブレーキペダルの踏込み操作に応じた前記ロック部材の移動によって前記係合が解除されて前記ケ−ブルのロック解除方向の動きが許容される、
ような構成としてある。上記構成を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項7以下に記載のとおりである。
【0010】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明、およびその具体的な構造となる請求項6に記載された発明によれば、ケーシング以外に必要な部品としては、固定部材、回動部材、ロック部材およびスプリングでよく、全体として部品点数を少なくすることができる。
【0011】
請求項2に記載したような構成とすることにより、回動部材およびロック部材の動きをスム−ズなものとして、確実な作動を得る上で好ましいものとなる。
【0012】
請求項3に記載したような構成とすることにより、ケ−ブルの配設の関係上、ブレーキペダルの操作方向とケ−ブルの移動方向とを同じ方向にするという要請を満足させることができる。
【0013】
請求項4に記載したような構成とすることにより、ブレーキスイッチのリタ−ンスプリングを、ロック部材をロック解除方向へ付勢する手段として兼用しているので、部品点数を増やすことなく確実なロック解除を得る上で好ましいものとなる。
【0014】
請求項5に記載したような構成とすることにより、固定部材を利用して、回動部材をケ−ブルに回動自在に取付けることができるので、固定部材、ケ−ブルをサブアッシ−した後に、ケーシングに組み付けることができ、回動部材がケーシングに固定されているものに比して組付性が向上する。
【0015】
請求項6に記載された発明によれば、請求項1に記載された発明のより具体的な構造のものが提供される。
【0016】
請求項7に記載したような構成とすることにより、全体として軽量かつ安価に製造することができる。
【0017】
請求項8に記載したような構成とすることにより、回動部材の確実な回動作動を得る上で好ましいものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1において、Sはセレクト部であって、ケーシング1と、セレクトレバー2とを有する。セレクトレバー2は、図2に示すように、車体前後方向に一直線上に移動されて、Pレンジ(パ−キング)、Rレンジ(後退)、Nレンジ(ニュ−トラル)、Dレンジ(前進走行のすべての変速段、例えば1速〜4速の間での自動変速)、Sレンジ(最高速変速段を除く変速段の間での自動変速、例えば1速〜3速の間での自動変速)、Lレンジ(1速、2速の間での自動変速)の中から任意の1つのレンジ位置を選択的にとり得るようになっている。
【0019】
ケーシング1内には、後述するように、ロックプレ−ト3が配設されて、所定のレンジ位置の間でのレンジ位置の変更は、セレクトレバー2に設けたシフトノブ4を押圧操作して、セレクトレバー2下部に構成されたシフトピン22(図10を用いて後述する)をロックプレ−ト3に形成されたシフトピン22のセレクト方向の移動規制用凹部から同移動許容位置へ移動させた後、セレクトレバー2をセレクト方向へ揺動させて行うようになっている。
【0020】
また、ケーシング1内には、シフトピン22の上記移動許容位置への移動を阻止して、セレクトレバー2の他のレンジ位置への変更を阻止するロック機構13が装備されている。そして、Pレンジ位置においては、シフトノブ4を押圧操作しても、安全機構としてのキ−チェッカ11およびブレーキチェッカ12が作動しない限り、前記ロック機構13がロック状態のままとなって、他のレンジ位置への変更が阻止される。
【0021】
上記キ−チェッカ11は、イグニッションスイッチ連動式とされて、イグニッションキ−11aをキ−シリンダ11bに差し込んでON操作したときに作動される。また、ブレーキチェッカ12は、ブレーキペダル14との連動式とされて、ブレーキペダル14を踏みこみ操作したときに作動される。
【0022】
各チェッカ11、12は、プッシュプル式のケ−ブル15を介して、ロック機構13に対して互いに直列な関係で機械式に連係されている。すなわち、ロック機構13は、後述するように、ケ−ブル15がケーシング1に対して引き操作されたときがPレンジ位置からのレンジ位置変更を阻止するロック位置となり、ケ−ブル15がケーシング1に対して戻り操作されたときに、ロック解除位置とされる。そして、チェッカ11、12は、通常は、ケ−ブル15の上記戻り方向の動きを規制するものであり、イグニッションスイッチがONされたとき、およびブレーキペダル14が踏み込み操作されたときに作動されて、ケ−ブル15の上記戻り方向への動きを許容する。
【0023】
ブレーキチェッカ12について、図3〜図9を参照しつつ説明する。まず、51はケーシングであり、51A、51Bの上下2分割構造とされている(図7参照)。ケーシング51に前記ケ−ブル15が挿通され、この挿通されたケ−ブル15と平行となるように、細幅のガイド溝52および筒状のガイド孔53が形成されている。
【0024】
ガイド溝52には、固定部材54が摺動自在に嵌合され、この固定部材54がケ−ブル15に固定されている。固定部材54には、ピン55によって、回動部材56が回動自在に保持されている。この回動部材56は、ピン55を中心とした回動に応じて、前記ガイド孔53に突出したロック対応位置と、ガイド孔53から退出したロック解除対応位置とをとり得るようになっている。
【0025】
前記回動部材56は、スプリング57(図6参照)によって、上記ロック対応位置へ向けて付勢されている。そして、回動部材56には、ガイドピン59が突出される一方、ケーシング51には、ガイド面(カム面)58が形成されている。ガイドピン59は、ケ−ブル15つまり固定部材54の移動に応じてガイド面58を摺動案内されて、回動部材56が前記ロック対応位置とロック解除対応位置との間でスム−ズに回動できるように案内する。そして、回動部材56は、前記スプリング57によって、ガイドピン59がガイド面58に当接する方向に付勢されている。
【0026】
前記ガイド孔53には、ロック部材61が摺動自在に嵌合されている。このロック部材61は、ガイド溝52つまりケ−ブル15と平行に変位可能であり、回動部材56に対向する側の面に係止溝62が形成されている。ロック部材61の先端部61aは、ケーシング51外へ延在されて、ブレーキペダル14(の後面)に当接されている。上記係止溝62は、ケ−ブル15のロック解除方向の面が、ケ−ブル15の長手方向と略直交する方向に伸びる規制面62aとされ、ロック方向の面が、傾斜面62bとされている。
【0027】
ケーシング51には、ロック部材61の基端部側において、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキスイッチ63が固定されている。このブレーキスイッチ63の作動片63aが、ロック部材61の基端部に連結されて、ロック部材61の摺動に応じてブレーキスイッチ63がON、OFFされる。そして、ブレーキスイッチ63に内蔵されているスプリング63bによって、作動片63aが突出する方向つまりロック部材61がブレーキペダル14に当接される方向に付勢されている。
【0028】
ブレーキペダル14のON、OFFに応じて、ロック部材61が摺動変位される。すなわち、ブレーキペダル14のON、OFF方向の動きと、ロック部材61の摺動変位方向とは同じ方向に設定されている。これにより、ブレーキペダル14のOFF状態では、ロック部材61の先端部61aが、ケーシング51より小さく突出した状態であり、ブレーキスイッチ63の作動片63aはロック部材61によって押圧されてOFF状態となる。また、ブレーキペダル14のON状態では、ロック部材61の先端部61aがケーシング51から大きく突出した状態であり、ブレーキスイッチ63はON状態となる。
【0029】
ロック部材61に形成された前記係止溝62に対して、前記回動部材56(の先端部)が係脱される。すなわち、図3は、係止溝62に回動部材56が係合されたロック位置となり(ブレーキペダル14はOFF状態)、この状態では、ケ−ブル15は、固定部材54、ピン55、回動部材56、ロック部材61を介して、ブレーキペダル14によってロック解除方向の動きが規制される。
【0030】
図4は、回動部材56が係止溝62から離脱されたロック解除位置が示され(ブレーキペダル14のON状態)、このときは、ロック部材61による回動部材56の動きの規制が解除されており、ケ−ブル15のロック解除方向の動きが許容される。
【0031】
ここで、前記各部材51、54、56、61はそれぞれ、合成樹脂によって形成されている。そして、ケ−ブル15と固定部材54との固定は、固定部材54の成形(射出成形)時に、ケ−ブル15を包被するようにして行われ、ケ−ブル15に対する固定力を十分確保するために、固定部材54内に位置される部分のケ−ブル15には、大径部を構成するようにカシメ部材64があらかじめ一体化されている。
【0032】
図7に示すように、ケーシング51の上下分割部分51A、51Bには、それぞれ左右2つの位置決め孔65が開口され、この位置決め孔65に治具66をきつく嵌合させることにより、上下2分割体51Aと51Bとが位置決めされた状態で仮組立されるようになっている。また、上下2分割体51Aと51Bとの一方に係止孔(凹部)67が形成され、他方に当該係止孔67に嵌合される係止爪68が形成されて、所定の組み付け状態では、67と68とが係合されて上下に分離しないようにされる。
【0033】
図8、図9には、ブレーキチェッカ12の車体に対する具体的な取付例が示される。すなわち、ケーシング51の上分割部分51A上面には、嵌合溝71を構成するようにフランジ部72が一体成形され、また下分割部分51Bの側面および底面に渡って、上記嵌合溝71と整合する嵌合溝73を構成するように、フランジ部74が一体成形されている。
【0034】
ブレーキペダル14は、取付ブラケット75を介して車体(のト−ボ−ド)Aに取付けられている。この取付ブラケット75は、ボルト76によって車体に固定され、前後方向に伸びる取付板部75aに対して、ブレーキペダル14の上端部が取付軸77を中心に回動自在として取付けられている。
【0035】
取付ブラケット75の後端部は、左右方向直角に折曲された取付フランジ部75bが形成され、この取付フランジ部75bには、切欠凹部75cが形成されている。そして、前記ケーシング51の嵌合溝71、73を上記切欠凹部75cの周縁部に嵌合された状態で、取付フランジ部75bに対して取付ブラケット72、74が固定される(この固定のためのボルト等の挿通孔が、ケーシング51側においては符号69によって示され、取付フランジ部75b側においては符号78によって示される)。
【0036】
ここで、前記ロック機構13は、従来既知の適宜の構造のものを用いることができるが、好ましくは、後述するように、ロック機構13のロック時においてシフトノブ4を強く押圧操作しても、その操作力がケ−ブル15に作用しない構造のものを用いるのが好ましい。このような構造のロック機構13の一例について、図10以下を参照しつつ説明する。
【0037】
まず、図10は、セレクトレバー2、ロックプレ−ト3およびその関連構造を示すものである。まず、セレクトレバー2の下端部が、車体左右方向に伸びる取付軸21を中心として、ケーシング1に対して車体前後方向に揺動自在に保持され、この前後方向の揺動によってレンジ位置変更が行われる。セレクトレバー2には、ケーシング1内において、側方へ突出するシフトピン22を有する。このシフトピン22は、既知のように、前記シフトノブ4を押圧操作することにより下方へ変位され、シフトノブ4の押圧操作を解除すると、セレクトレバー2内に装備したスプリング(図示略)によって、ガイド面23に当接するまで上方へ移動する。
【0038】
ロックプレ−ト3は、前記取付軸21を中心とする円弧状のガイド面23を有するが、その途中に、取付軸21側へ向けて突出する段部24〜26を有する。前記シフトピン22は、前記高い位置となる基本位置では、ガイド面23の直下方位置にあり、この状態でセレクトレバーを取付軸21を中心にして揺動させたとき、シフトピン22が段部24、25あるいは26に当接したときに、その揺動が規制される。より具体的には、Nレンジ、Dレンジ、Sレンジの間では、シフトノブ4を押圧操作することなく、自由にレンジ位置変更が可能とされる。また、RレンジからNレンジへの変更も、シフトノブ4を押圧操作することなく行われる。
【0039】
これに対して、Pレンジ位置とRレンジ位置との双方の間での変更、NレンジからRレンジへの変更、およびSレンジとLとの双方の間での変更は、それぞれ、シフトノブ4を押圧操作して、シフトピン22が段部24、25あるいは26を乗り越えることができるように下方へ変位させる必要がある。
【0040】
図10では、ロック機構13の図示を略してあるが、このロック機構13の詳細が、図11、図12に示される。この図11、図12において、ロック機構13は、Pレンジ位置に対応して設けられている。すなわち、Pレンジ位置では、シフトピン22が、段部24に対応してロックプレ−ト3に形成されたPレンジ用の凹部27内に嵌合されていて、他のレンジ位置へ変更するには、シフトピン22を凹部27から抜け出させて、段部24を乗り越え可能な状態にする必要がある。そして、ロック機構13は、シフトピン22が、凹部27から抜け出るのを規制するものとなっている。このようなロック機構13は、カム部材28と、ロック部材29と、リタ−ンスプリング30とを有する。
【0041】
前記カム部材28は、車体左右方向に伸びる回動軸31を中心に回動自在として、ケーシング1(の左右側壁部)に保持されている。カム部材28は、略2叉状とされた第1、第2の2つの作動片部32、33を有する。ロック部材29がロック解除対応位置となる図11の状態にあるとき、第1作動片部32が凹部27(の開口端)をふさぐような位置とされる。また、ロック解除対応位置となる図11の状態にあるとき、第2作動片部33は、ほぼ上下方向に伸びる状態でもって、凹部27を挟んでRレンジ位置とは反対側に位置され、しかも凹部27よりも所定分だけ離れた位置とされる。
【0042】
図11に示すロック解除対応位置においては、上記第1作動片部32のうち第2作動片部33に近い側の側端面(受圧面)32aが、段部24とほぼ同一高さ位置でほぼ前後方向に伸びるようにされている。これにより、シフトノブ4を押圧操作することにより低い位置とされたシフトピン22は、ロック解除対応位置における上記側端面32a直下方に位置され、この状態からシフトノブ4の押圧操作を解除すると、シフトピン22は、セレクトレバー2内に設けた前記リタ−ンスプリングの付勢力によって、カム部材28を図11反時計方向に回動させつつ凹部27内に嵌合され、この嵌合状態が図12に示される。
【0043】
前記凹部27に対向するように、ケーシング1の底壁部1aが位置される。この底壁部1aは、少なくとも凹部27付近においては、ほぼ水平方向に述びていて、凹部27の軸線(形成方向)とほぼ直交する方向に伸びるスライド面1bとされている。このスライド面1b上に、前記ロック部材29が前後方向にスライド自在として設けられている。このロック部材29は、スライド面1b上の摺動部となるベ−ス部29aと、ベ−ス部29aから上方へ突出された凸部29bとを有し、凸部29bの上端面29cが、凹部27から抜け出ようとするシフトピン22が当接される規制面(受圧面あるいはロック面)とされている。規制面29cの高さ位置は、段部24よりも若干低い位置とされ、かつスライド面1bと略平行、つまり凹部27の軸線方向と略直交するように伸びている。また、規制面29cの前後方向長さは、凹部27の前後方向開口幅とほぼ同一とされている。
【0044】
ロック部材29は、常時は、前記リタ−ンスプリング30によって、前方つまり図11に示すロック解除位置に向けて付勢されている。リタ−ンスプリング30に抗して、ロック部材29が所定分後方へスライド動されると、規制面29cが凹部27の直下方に位置される。凹部27内に嵌合されたシフトピン22は、シフトノブ4を押圧操作しても、ロック部材29(の規制面29c)に当接されて、凹部27からの抜けが防止される。
【0045】
前述のようなロック部材29は、前記カム部材28が、図11に示すロック解除対応位置から図12に示すロック対応位置へと回動されたとき、カム部材28の第2作動片部33に押圧されて、図11のロック解除位置から図12のロック位置へと押圧、変位される。なお、リタ−ンスプリング30の付勢力は、シフトピン22を高い基本位置へ戻すためのリタ−ンスプリングの付勢力よりも小さいものとして設定されている。
【0046】
図12に示すロック状態において、シフトピン22が凹部27から抜け出ようとする力は、ロック部材29を介してスライド面1bを押圧するのみであり、シフトピン22からは、カム部材28をロック解除対応位置へと回動させる力は作用しないことになる。このことは、カム部材28を図12に示すロック対応位置に保持しておくのに必要な力が小さくて済むということになり、カム部材28は勿論のこと、ケ−ブル15、チェッカ11、12の強度を従来よりも十分小さいものとして製作することが可能になる。そして、カム部材28が、図12のロック対応状態から図11のロック解除対応位置へ向けて回動しない限り、ロック部材29は、図12のロック位置を保持し続けることになる。
【0047】
チェッカ11、12を作動させて、カム部材28のロック解除対応位置へ向けての回動が許容される状態では、シフトノブ4を押圧操作してシフトピン22を下方へ変位させるのに応じて、リタ−ンスプリング30の付勢力によって、カム部材28がロック部材29を介して図12の状態から図11の状態へ向けて徐々に回動されていき、これに応じてロック部材29も徐々にロック解除位置へ向けてスライドされていき、やがて、図11のロック解除位置となる。
【0048】
図12から明らかなように、凹部27内に奥深く嵌合されたシフトピン22は、ロック位置にあるロック部材29の規制面29cに対して所定間隔を有し、この所定間隔分のシフトピン22の変位量に対応したカム部材28の回動量が、ロック部材29のロック位置からロック解除位置へ向けてのスライド量に相当するように設定されている。そして、チェッカ11、12によるカム部材28の回動規制が行われている状態では、上記所定間隔分だけシフトピン22が図12の状態から下方へ変位しても、カム部材28はロック解除方向へ何等回動されることがなく、ロック部材29がロック位置を保持したままとされる。
【0049】
図13は、ロック部材29のケーシング1に対する具体的取付例を示すものである。この図13の例では、ロック部材29には、前後2つのそれぞれ前後方向に伸びる長孔41が形成され、ケーシング1の底壁部1a(スライド面1b)には、長孔41内に摺動自在に貫通される案内ピン42が突設されている。案内ピン42に長孔41を貫通させた状態で、案内ピン42の先端部にスナップリング43が取付けられて、その抜けが防止される。また、底壁部1aには、全体として略L字状のガイド部材44が形成されて、ロック部材29の前後方向一端部(前端部)に形成された細幅部分が、当該ガイド部材44と底壁部1aとの間に摺動自在に挿入される。なお、ロック部材29は、鉄等の金属により形成することもできるが、テフロン等の滑りのよい硬質合成樹脂により形成することもできる(カム部材28も合成樹脂により形成することができる)。
【0050】
以上実施例について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。セレクトレバー2をステアリングハンドル付近に設けたコラム式とした場合でも同様に適用できる。ブレーキチェッカ12のみを有してキ−チェッカ11を有しないものであってもよい。勿論、チェッカ11、12に加えて他のチェッカをさらに設けたものであってもよい。
【0051】
チェッカ11、12の作動不良時に対応すべく、ケーシング1に設けたマニュアル操作されるシフトロック解除ノブを操作して、シフトロック解除を行う(カム部材28のロック解除方向への強制回動を行う)ようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体系統図。
【図2】レンジ位置変更のためのセレクトレバーの動きの一例を示す簡略平面図。
【図3】ブレーキチェッカの構成例を示すもので、上ケーシングを除外した状態でのロック対応位置での平面図。
【図4】ロック解除対応位置を示すもので、図3に対応した平面図。
【図5】ケーシング部分のみを示すもので、図3に対応した平面図。
【図6】ケ−ブルと固定部材と可動部材と回動部材とスプリングとの分解斜視図。
【図7】ブレーキチェッカ用ケーシングの分解斜視図。
【図8】ブレーキチェッカとブレーキペダルとの組み付け例を示す側面図。
【図9】ブレーキチェッカのブレーキペダル取付用ブラケットに対する組み付け例を示す正面図。
【図10】セレクトレバーとロックプレ−トとシフトピンとの関係を示す側面図。
【図11】ロック解除位置にあるときのロックプレ−トとシフトピンとカム部材とロック部材との関係を示す側面図。
【図12】ロック位置にあるときのロックプレ−トとシフトピンとカム部材とロック部材との関係を示す側面図。
【図13】ロック部材の具体例を示す斜視図。
【符号の説明】
S:セレクト部
2:セレクトレバー
3:ロックプレ−ト
4:シフトノブ
12:ブレーキチェッカ
13:ロック機構
14ブレーキペダル
15:ケ−ブル
22:シフトピン
27:凹部(Pレンジ用)
5:1ケーシング
52:ガイド溝
53:ガイド孔
54:固定部材
55:ピン(回動中心)
56:回動部材
57:スプリング
58:ガイド面
59:ガイドピン
61:ロック部材
62:係止溝
63:ブレーキスイッチ
63b:ブレーキスイッチのリタ−ンスプリング
Claims (8)
- 運転者の揺動操作により複数のレンジ位置を選択するセレクトレバーが特定の非走行レンジ位置から他のレンジ位置へ移動するのを規制するためのロック機構と、該ロック機構に対してケ−ブルを介して連係されると共にブレーキペダルの踏み込み操作によって該ロック機構のロック解除方向の動きを許容する一方、ブレーキペダルの踏込み操作がないときには該ロック機構のロック解除方向の動きを禁止するブレーキチェッカを備えたケ−ブル式シフトロック機構において、
前記ブレーキチェッカが、
前記ケ−ブルの移動に応じて回動される回動部材と、
前記ケ−ブルの移動方向に変位可能とされ、ブレーキペダルの踏込み操作量が無いときに前記回動部材が係合されてロック解除方向への前記ケ−ブルの移動を規制するロック部材と、
を備えていることを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 請求項1において、
前記ブレーキチェッカのケーシングに、前記回動部材を回動案内する第1ガイドと、前記ロック部材を前記ケ−ブルの移動方向に摺動案内する第2ガイドとが形成されている、ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 請求項1または請求項2において、
前記ケ−ブルの移動方向とブレーキペダルの動きの方向とが同じ方向となるように設定されている、ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
ブレーキペダルの踏込み操作を検出するブレーキスイッチが、前記ロック部材と直列に配設され、
前記ブレーキスイッチのリタ−ンスプリングによって、前記ロック部材が前記回動部材の回動を許容する方向へ付勢され、
前記ロック部材のロック解除方向の動きが、踏込み操作が無い状態にあるブレーキペダルによって規制されている、
ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記回動部材が、前記ケ−ブルに固定された固定部材に対して回動自在に取付けられ、
前記固定部材が、前記ケーシングによって前記ケ−ブルの移動方向に摺動自在として保持されている、
ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 運転者の揺動操作により複数のレンジ位置を選択するセレクトレバーが特定の非走行レンジ位置から他のレンジ位置へ移動するのを規制するためのロック機構と、該ロック機構に対してケ−ブルを介して連係されると共にブレーキペダルの踏み込み操作によって該ロック機構のロック解除方向の動きを許容する一方、ブレーキペダルの踏込み操作がないときには該ロック機構のロック解除方向の動きを禁止するブレーキチェッカを備えたケ−ブル式シフトロック機構において、
前記ブレーキチェッカが、
ケーシングと、
前記ケ−ブルに固定され、該ケ−ブルの移動方向に摺動自在として前記ケーシングに保持された固定部材と、
前記固定部材に回動自在に取付けられた回動部材と、
前記ケ−ブルの移動方向に摺動自在として前記ケーシングに保持され、ブレーキペダルの踏込み、戻し操作に応じて摺動変位されるロック部材と、
前記回動部材を前記ロック部材側へ向けて回動されるように付勢するスプリングと、
を備え、ブレーキペダルの踏込み操作がない状態に応じた位置にある前記ロック部材に対して前記回動部材が係合されることにより前記ケ−ブルのロック解除方向への動きが規制され、ブレーキペダルの踏込み操作に応じた前記ロック部材の移動によって前記係合が解除されて前記ケ−ブルのロック解除方向の動きが許容される、
ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 請求項6において、
前記ケーシングと固定部材と回動部部材とロック部材とがそれぞれ、合成樹脂によって形成されている、ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。 - 請求項6または請求項7において、
前記ケーシングに、前記ケ−ブルのロック解除方向の動きに応じて前記スプリングに抗して前記回動部材を前記ロック部材との係合から解除される方向に回動案内するガイドが形成されている、ことを特徴とするケ−ブル式シフトロック機構。
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