JP3984309B2 - 自動変速機のシフトロック構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の運転操作を行わない限り、Pレンジ位置から他のレンジ位置への変更を阻止するようにした自動変速機のシフトロック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機においては、セレクトレバーを操作することによりレンジ位置の変更が行われる。そして、Pレンジ位置から不用意に他のレンジ位置、特に走行レンジへ変更されるのを阻止するため、所定の運転操作が行われていない限り、例えばイグニッションスイッチがONとなっておりかつブレーキペダルが踏込み操作されていない限り、Pレンジ位置から他のレンジ位置への変更を阻止するシフトロック機構を設けることが一般的である(例えば特開平7−101259号公報参照)。
【0003】
シフトロック機構についてより具体的に説明すると、シフトピンは、Pレンジ位置において、ロックプレ−トに形成された凹部内に嵌合されて、シフトロック機構によって、シフトピンの凹部内からの抜けが阻止された状態とされる。
【0004】
上記シフトピンの凹部からの抜け防止のために、2又状とされた第1作動片部と第2作動片部とを有するカム部材が設けられる。このカム部材は、Pレンジ位置へシフトされるつまり前記凹部内に嵌合されるシフトピンからの押圧力を第1作動片部が受けて、ロック解除位置からロック位置へと回動される。そして、ロック位置では、カム部材の第2作動片部が、Pレンジ位置にあるシフトピン嵌合用の凹部(の開口端)を塞ぐことになる。そして、前記安全機構は、Pレンジ位置にあるシフトピンが凹部から抜けるようとする力に抗して、カム部材をロック位置に保持するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のシフトロック機構においては、カム部材は、その第2作動片部によって、シフトピンからのロック解除方向への力を直接受ける構造となっており、このため、シフトピンを確実にPレンジ位置に保持しようとする機能を十分満足させるという点において改善する余地がある。また、従来のものでは、カム部材は勿論のこと、カム部材に連係された安全機構についても相当頑丈に製作する必要が有り、この点においても何等かの対策が望まれることになる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、カム部材や安全機構に無理な力が加わるのを防止しつつ、より確実にPレンジ位置に保持できるようにした自動変速機のシフトロック構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明(請求項1に係る発明)にあっては次のような構成としてある。すなわち、
セレクトレバー下部に構成されたシフトピンがPレンジ位置に移動されるときに該シフトピンが当接されて、ロック解除対応位置からロック対応位置へと回動されるカム部材と、
所定のスライド面上にリターンスプリングに関連付けされた状態でスライド可能に設けられ、前記カム部材が前記ロック対応位置に向けて回動されるときには前記シフトピンのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するロック位置へ前記リターンスプリングに抗しつつスライド動し、該シフトピンがPレンジ位置から他のレンジ位置へ移動操作されるときには、その移動操作に伴って前記リターンスプリングの復帰力に基づき該シフトピンに対する規制を解除するロック解除位置へスライド動すると共に、該スライド動に伴って前記カム部材を前記ロック対応位置から前記ロック解除対応位置へ向けて回動させるロック部材と、
前記カム部材と連係され、所定の運転操作が行われたときには該カム部材の前記ロック対応位置からロック解除対応位置への回動を許容し、前記所定の運転操作が行われていないときには該カム部材のロック対応位置からロック解除対応位置への回動を規制する安全機構と、
を備える自動変速機のシフトロック構造であって、
前記スライド面が、前記シフトピンのPレンジ位置での移動方向に対して直交する方向に延ばされ、
前記ロック部材が、前記スライド面に対して略平行とされる規制面を有し、
前記規制面が、前記ロック部材が前記ロック位置に位置するときに前記Pレンジ位置でのシフトピンの移動領域に臨んで、該シフトピンのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するように設定されている、
ような構成としてある。上記構成を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜9に記載のとおりである。
また、前記目的を達成するため、本発明(請求項10に係る発明)にあっては、
セレクトレバーがPレンジ位置に移動されるときに該セレクトレバーが当接されて、ロック解除対応位置からロック対応位置へと回動されるカム部材と、
所定のスライド面上にリターンスプリングに関連付けされた状態でスライド可能に設けられ、前記カム部材が前記ロック対応位置に向けて回動されるときには前記セレクトレバーのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するロック位置へ前記リターンスプリングに抗しつつスライド動し、該セレクトレバーがPレンジ位置から他のレンジ位置へ移動操作されるときには、その移動操作に伴って前記リターンスプリングの復帰力に基づき該セレクトレバーに対する規制を解除するロック解除位置へスライド動すると共に、該スライド動に伴って前記カム部材を前記ロック対応位置から前記ロック解除対応位置へ向けて回動させるロック部材と、
前記カム部材と連係され、所定の運転操作が行われたときには該カム部材の前記ロック対応位置からロック解除対応位置への回動を許容し、前記所定の運転操作が行われていないときには該カム部材のロック対応位置からロック解除対応位置への回動を規制する安全機構と、
を備える自動変速機のシフトロック構造であって、
前記スライド面が、前記セレクトレバーのPレンジ位置での移動方向に対して直交する方向に延ばされ、
前記ロック部材が、前記スライド面に対して略平行とされる規制面を有し、
前記規制面が、前記ロック部材が前記ロック位置に位置するときに前記Pレンジ位置でのセレクトレバーの移動領域に臨んで、該セレクトレバーのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するように設定されている構成としてある。
【0008】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、Pレンジ位置にあるシフトピンからのロック解除方向の力は、ロック部材を介してスライド面に受け止められて、カム部材にはシフトピンからのロック解除方向の力が事実上作用しないようにされる。したがって、Pレンジ位置に保持しておくシフトロック機能が向上されると共に、カム部材やこれに連係される安全機構をことさら頑丈に製作する必要もなくなる。また、シフトロック機能が向上されるということは、シフトピンが無理やりロック解除方向へ押圧操作されるような自動車盗難を防止する上でも好ましいものとなる。
【0009】
請求項2に記載したような構成とすることにより、シフトピンをロック解除方向へ動かそうとする力によって、ロック部材をスライドさせるような分力が作用せず、ロック部材をロック位置へきちんと保持しておく上で好ましいものとなる。
【0010】
請求項3に記載したような構成とすることにより、リタ−ンスプリングを有効に利用して、カム部材とロック部材との連動を行わせることができる。
【0011】
請求項4に記載したような構成とすることにより、カム部材と安全機構との連係を、従来一般的に行われていたケ−ブルを利用して行うことができる。
【0012】
請求項5に記載したような構成とすることにより、安全機構として、従来から採用されていたイグニッションスイッチ連動式とすることができる。
【0013】
請求項6に記載したような構成とすることにより、安全機構として、従来から採用されていたブレーキペダル連動式とすることができる。
【0014】
請求項7に記載したような構成とすることにより、請求項5および請求項6に対応した効果を合わせて得ることができる。
【0015】
請求項8に記載したような構成とすることにより、シフトピンのシフト動が、セレクトレバーに設けられたシフトノブを操作することによって行われる形式の自動変速機に適用することができる。
【0016】
請求項9に記載したような構成とすることにより、シフトピンのシフト動が、セレクトレバーを車体左右方向に揺動させて行ういわゆるゲ−トプレ−ト式とされた自動変速機に適用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1において、Sはセレクト部であって、ケーシング1と、セレクトレバー2とを有する。セレクトレバー2は、図2に示すように、車体前後方向に一直線上に移動されて、Pレンジ(パ−キング)、Rレンジ(後退)、Nレンジ(ニュ−トラル)、Dレンジ(前進走行のすべての変速段、例えば1速〜4速の間での自動変速)、Sレンジ(最高速変速段を除く変速段の間での自動変速、例えば1速〜3速の間での自動変速)、Lレンジ(1速、2速の間での自動変速)の中から任意の1つのレンジ位置を選択的にとり得るようになっている。
【0018】
ケーシング1内には、後述するように、ロックプレ−ト3が配設されて、所定のレンジ位置の間でのレンジ位置の変更は、セレクトレバー2に設けたシフトノブ4を押圧操作しつつ行うようになっている。そして、Pレンジ位置においては、シフトノブ4を押圧操作しても、安全機構11、12が作動しない限り、他のレンジ位置への変更を阻止するロック機構13が、ケーシング1内に装備されている。
【0019】
上記安全機構11は、イグニッションスイッチ連動式とされて、イグニッションキ−11aをキ−シリンダ11bに差し込んでON操作したときに作動される。また、安全機構12は、ブレーキペダル14との連動式とされて、ブレーキペダル14を踏みこみ操作したときに作動される。
【0020】
各安全機構11、12は、ケ−ブル15を介して、ロック機構13に対して互いに直列な関係で機械式に連係されている。すなわち、ロック機構13は、後述するように、ケ−ブル15がケーシング1に対して引き操作されたときがPレンジ位置からのレンジ位置変更を阻止するロック位置となり、ケ−ブル15がケーシング1に対して戻り操作されたときに、ロック解除位置とされる。そして、安全機構11、12は、通常は、ケ−ブル15の上記戻り方向の動きを規制するものであり、イグニッションスイッチがONされたとき、およびブレーキペダル14が踏み込み操作されたときに作動されて、ケ−ブル15の上記戻り方向への動きを許容する。
【0021】
図3は、セレクトレバー2、ロックプレ−ト3およびその関連構造を示すものである。まず、セレクトレバー2の下端部が、車体左右方向に伸びる取付軸21を中心として、ケーシング1に対して車体前後方向に揺動自在に保持され、この前後方向の揺動によってレンジ位置変更が行われる。セレクトレバー2には、ケーシング1内において、側方へ突出するシフトピン22を有する。このシフトピン22は、既知のように、前記シフトノブ4を押圧操作することにより下方へ変位され、シフトノブ4の押圧操作を解除すると、セレクトレバー2内に装備したスプリング(図示略)によって、元の高い位置つまり基本位置に復帰され、このようなシフトピン22の動きがシフト動とされる。
【0022】
ロックプレ−ト3は、前記取付軸21を中心とする円弧状のガイド面23を有するが、その途中に、取付軸21側へ向けて突出する段部24〜26を有する。前記シフトピン22は、前記高い位置となる基本位置では、ガイド面23の直下方位置にあり、この状態でセレクトレバーを取付軸21を中心にして揺動させたとき、シフトピン22が段部24、25あるいは26に当接したときに、その揺動が規制される。より具体的には、Nレンジ、Dレンジ、Sレンジの間では、シフトノブ4を押圧操作することなく、自由にレンジ位置変更が可能とされる。また、RレンジからNレンジへの変更も、シフトノブ4を押圧操作することなく行われる。
【0023】
これに対して、Pレンジ位置とRレンジ位置との双方の間での変更、NレンジからRレンジへの変更、およびSレンジとLとの双方の間での変更は、それぞれ、シフトノブ4を押圧操作して、シフトピン22が段部24、25あるいは26を乗り越えることができるように下方へ変位させる必要がある。
【0024】
図3では、ロック機構13の図示を略してあるが、このロック機構13の詳細が、図4、図5に示される。この図4、図5において、ロック機構13は、Pレンジ位置に対応して設けられている。すなわち、Pレンジ位置では、シフトピン22が、段部24に対応してロックプレ−ト3に形成されたPレンジ用の凹部27内に嵌合されていて、他のレンジ位置へ変更するには、シフトピン22を凹部27から抜け出させて、段部24を乗り越え可能な状態にする必要がある。そして、ロック機構13は、シフトピン22が、凹部27から抜け出るのを規制するものとなっている。このようなロック機構13は、カム部材28と、ロック部材29と、リタ−ンスプリング30とを有する。
【0025】
前記カム部材28は、車体左右方向に伸びる回動軸31を中心に回動自在として、ケーシング1(の左右側壁部)に保持されている。カム部材28は、略2又状とされた第1、第2の2つの作動片部32、33を有する。カム部材28がロック解除対応位置となる図4の状態にあるとき、第1作動片部32が凹部27(の開口端)をふさぐような位置とされる。また、ロック解除対応位置となる図4の状態にあるとき、第2作動片部33は、ほぼ上下方向に伸びる状態でもって、凹部27を挟んでRレンジ位置とは反対側に位置され、しかも凹部27よりも所定分だけ離れた位置とされる。
【0026】
図4に示すロック解除対応位置においては、上記第1作動片部32のうち第2作動片部33に近い側の側端面(受圧面)32aが、段部24とほぼ同一高さ位置でほぼ前後方向に伸びるようにされている。これにより、シフトノブ4を押圧操作することにより低い位置とされたシフトピン22は、ロック解除対応位置における上記側端面32a直下方に位置され、この状態からシフトノブ4の押圧操作を解除すると、シフトピン22は、セレクトレバー2内に設けた前記リタ−ンスプリングの付勢力によって、カム部材28を図4反時計方向に回動させつつ凹部27内に嵌合され、この嵌合状態が図5に示される。
【0027】
前記凹部27に対向するように、ケーシング1の底壁部1aが位置される。この底壁部1aは、少なくとも凹部27付近においては、ほぼ水平方向に述びていて、凹部27の軸線(形成方向)とほぼ直交する方向に伸びるスライド面1bとされている。このスライド面1b上に、前記ロック部材29が前後方向にスライド自在として設けられている。このロック部材29は、スライド面1b上の摺動部となるベ−ス部29aと、ベ−ス部29aから上方へ突出された凸部29bとを有し、凸部29aの上端面29cが、凹部27から抜け出ようとするシフトピン22が当接される規制面(受圧面あるいはロック面)とされている。規制面29cの高さ位置は、段部24よりも若干低い位置とされ、かつスライド面1bと略平行、つまり凹部27のの軸線方向と略直交するように伸びている。また、規制面29cの前後方向長さは、凹部27の前後方向開口幅とほぼ同一とされている。
【0028】
ロック部材29は、常時は、前記リタ−ンスプリング30によって、前方つまり図4に示すロック解除位置に向けて付勢されている。リタ−ンスプリング30に抗して、ロック部材29が所定分後方へスライド動されると、規制面29cが凹部27の直下方に位置される。凹部27内に嵌合されたシフトピン22は、シフトノブ4を押圧操作しても、ロック部材29(の規制面29c)に当接されて、凹部27からの抜けが防止される。
【0029】
前述のようなロック部材29は、前記カム部材28が、図4に示すロック解除対応位置から図5に示すロック対応位置へと回動されたとき、カム部材28の第2作動片部33に押圧されて、図4のロック解除位置から図5のロック位置へと押圧、変位される。なお、リタ−ンスプリング30の付勢力は、シフトピン22を高い基本位置へ戻すためのリタ−ンスプリングの付勢力よりも小さいものとして設定されている。
【0030】
図5に示すロック状態において、シフトピン22が凹部27から抜け出ようとする力は、ロック部材29を介してスライド面1bを押圧するのみであり、シフトピン22からは、カム部材28をロック解除対応位置へと回動させる力は作用しないことになる。このことは、カム部材28を図5に示すロック対応位置に保持しておくのに必要な力が小さくて済むということになり、カム部材28は勿論のこと、ケ−ブル15、安全機構11、12の強度を従来よりも十分小さいものとして製作することが可能になる。そして、カム部材28が、図5のロック対応状態から図4のロック解除対応位置へ向けて回動しない限り、ロック部材29は、図5のロック位置を保持し続けることになる。
【0031】
安全機構11、12を作動させて、カム部材28のロック解除対応位置へ向けての回動が許容される状態では、シフトノブ4を押圧操作してシフトピン22を下方へ変位させるのに応じて、リタ−ンスプリング30の付勢力によって、カム部材28がロック部材29を介して図5の状態から図4の状態へ向けて徐々に回動されていき、これに応じてロック部材29も徐々にロック解除位置へ向けてスライドされていき、やがて、図4のロック解除位置となる。
【0032】
図5から明らかなように、凹部27内に奥深く嵌合されたシフトピン22は、ロック位置にあるロック部材29の規制面29cに対して所定間隔を有し、この所定間隔分のシフトピン22の変位量に対応したカム部材28の回動量が、ロック部材29のロック位置からロック解除位置へ向けてのスライド量に相当するように設定されている。そして、安全機構11、12によるカム部材28の回動規制が行われている状態では、上記所定間隔分だけシフトピン22が図5の状態から下方へ変位しても、カム部材28はロック解除方向へ何等回動されることがなく、ロック部材29がロック位置を保持したままとされる。
【0033】
図6は、ロック部材29のケーシング1に対する具体的取付例を示すものである。この図6の例では、ロック部材29には、前後2つのそれぞれ前後方向に伸びる長孔41が形成され、ケーシング1の底壁部1a(スライド面1b)には、長孔41内に摺動自在に貫通される案内ピン42が突設されている。案内ピン42に長孔41を貫通させた状態で、案内ピン42の先端部にスナップリング43が取付けられて、その抜けが防止される。また、底壁部1aには、全体として略L字状のガイド部材44が形成されて、ロック部材29の前後方向一端部(前端部)に形成された細幅部分が、当該ガイド部材44と底壁部1aとの間に摺動自在に挿入される。なお、ロック部材29は、鉄等の金属により形成することもできるが、テフロン等の滑りのより硬質合成樹脂により形成することもできる(カム部材28も合成樹脂により形成することができる)。
【0034】
図7は、本発明の他の実施例を示すもので、前記実施例と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明は省略する。本実施例では、セレクトレバー2がいわゆるゲ−トプレ−ト式とされている。すなわち、レンジ位置変更が、ジグザグ状に形成されたゲ−トプレ−ト51の溝51a内を、セレクトレバー2が前後方向に変位されるようにされており、シフトピン22(セレクトレバー2をシフトピン22として兼用することもできる)のシフト動は、セレクトレバー2を全体的に車体左右方向に揺動させることによって行うようになっている。
【0035】
本実施例では、カム部材28の回動軸31がほぼ上下方向に伸び(前記実施例では左右方向に伸びる)、また、ロック部材29用のスライド面1bが、ほぼ上下方向かつ前後方向に伸びるように設定されている。なお、シフトピン22を、セレクトレバー2に例えば溶接された別のピン部材を利用して構成することもできる。
【0036】
図8は、本発明のさらに別の実施例を示すものである。本実施例では、底壁部1aに、ロック部材29がロック位置へ向けてスライド動したときに、丁度ロック位置となったときに当該ロック部材29に当接してそれ以上のスライド動を規制するストッパ部1cが形成されている。また、ロック部材29の規制面29cが、前方つまりカム部材28の第2作動片部33に向うにつれて徐々に低くなるような傾斜面として形成されている。これにより、ロック部材29がロック位置にある状態において、シフトピン22を強制的に下方へ変位させたとき、当該シフトピン22の下方への押圧力が、傾斜設定された規制面29cによってロック部材29をストッパ部1cに当接させるための分力として作用し、ロック位置にあるロック部材29が不用意にロック解除方向へスライド動されてしまう事態が確実に防止される。
【0037】
以上実施例について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。セレクトレバー2をステアリングハンドル付近に設けたコラム式とした場合でも同様に適用できる。安全機構11、12は、そのいずれか一方のみ、特にブレーキペダル連動式の安全機構12のみを有するものであってもよく、11、12以外の安全機構を設けたものであってもよい。
【0038】
安全機構11、12の作動不良時に対応すべく、ケーシング1に設けたマニュアル操作されるシフトロック解除ノブを操作して、シフトロック解除を行う(カム部材28のロック解除方向への強制回動を行う)ようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体系統図。
【図2】レンジ位置変更のためのセレクトレバーの動きの一例を示す簡略平面図。
【図3】セレクトレバーとロックプレ−トとシフトピンとの関係を示す側面図。
【図4】ロック解除位置にあるときのロックプレ−トとシフトピンとカム部材とロック部材との関係を示す側面図。
【図5】ロック位置にあるときのロックプレ−トとシフトピンとカム部材とロック部材との関係を示す側面図。
【図6】ロック部材の具体例を示す斜視図。
【図7】レンジ位置変更のためのセレクトレバーの動きの他の例を示す平面図。
【図8】本発明のさらに別の実施例を示すもので、図5に対応した図。
【符号の説明】
S:セレクト部
1:ケーシング
1a:底壁部
1b:スライド面
2:セレクトレバー
3:ロックプレ−ト
4:シフトノブ
11:安全機構(イグニッションスイッチ連動式)
12:安全機構(ブレーキペダル連動式)
13:ロック機構
15:ケ−ブル
22:シフトピン
27:凹部(Pレンジ用)
28:カム部材
29:ロック部材
29c:規制面(シフトピンの当接面)
30:リタ−ンスプリング
32:第1作動片部(シフトピンからの受圧用)
33:第2作動片部(ロック部材押圧用)
Claims (10)
- セレクトレバー下部に構成されたシフトピンがPレンジ位置に移動されるときに該シフトピンが当接されて、ロック解除対応位置からロック対応位置へと回動されるカム部材と、
所定のスライド面上にリターンスプリングに関連付けされた状態でスライド可能に設けられ、前記カム部材が前記ロック対応位置に向けて回動されるときには前記シフトピンのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するロック位置へ前記リターンスプリングに抗しつつスライド動し、該シフトピンがPレンジ位置から他のレンジ位置へ移動操作されるときには、その移動操作に伴って前記リターンスプリングの復帰力に基づき該シフトピンに対する規制を解除するロック解除位置へスライド動すると共に、該スライド動に伴って前記カム部材を前記ロック対応位置から前記ロック解除対応位置へ向けて回動させるロック部材と、
前記カム部材と連係され、所定の運転操作が行われたときには該カム部材の前記ロック対応位置からロック解除対応位置への回動を許容し、前記所定の運転操作が行われていないときには該カム部材のロック対応位置からロック解除対応位置への回動を規制する安全機構と、
を備える自動変速機のシフトロック構造であって、
前記スライド面が、前記シフトピンのPレンジ位置での移動方向に対して直交する方向に延ばされ、
前記ロック部材が、前記スライド面に対して略平行とされる規制面を有し、
前記規制面が、前記ロック部材が前記ロック位置に位置するときに前記Pレンジ位置でのシフトピンの移動領域に臨んで、該シフトピンのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するように設定されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1において、
シフトピンの移動を規制するロックプレ−トに形成されたPレンジ位置用の凹部内に前記シフトピンが嵌合されることにより、Pレンジ位置から他のレンジ位置への動きが規制され、
前記ロック位置にある前記ロック部材の規制面が前記凹部の開口端を塞ぐことにより、該シフトピンの該凹部からの抜けを防止するように設定され、
前記スライド面が、前記凹部の形成方向と略直交する方向に伸びるように形成され、
前記ロック部材のうち前記ロック位置において前記凹部を塞ぐ規制面が、前記凹部の形成方向と略直交する方向に伸びるように形成されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1または請求項2において、
前記ロック部材を、前記ロック解除位置へ向けて付勢するリタ−ンスプリングを備え、
前記カム部材が、前記リタ−ンスプリングに抗して、前記ロック解除対応位置からロック対応位置へと回動され、
前記安全機構が、前記リタ−ンスプリングに抗して、前記カム部材を前記ロック対応位置に保持するように設定されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記安全機構が、ケ−ブルを介して前記カム部材に連係されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記安全機構が、イグニッションスイッチのON操作によって作動されるイグニッションスイッチ連動式とされている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記安全機構が、ブレーキペダルを踏込み操作することにより作動されるブレーキペダル連動式とされている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記安全機構が、イグニッションスイッチのON操作およびブレーキペダルの踏込み操作の両方が行われたときに作動されるように設定されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記シフトピンが、セレクトレバーに設けられたシフトノブを操作することにより、該セレクトレバーの軸線方向においてシフト動されるように設定され、
前記スライド面が、Pレンジ位置にある前記シフトピンのシフト方向と略直交する方向に伸びるように形成されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記シフトピンが、セレクトレバーを全体的に車体左右方向に揺動させることによりシフト動されるように設定され、
前記スライド面が、Pレンジ位置にある前記シフトピンのシフト方向と略直交する方向に伸びるように形成されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。 - セレクトレバーがPレンジ位置に移動されるときに該セレクトレバーが当接されて、ロック解除対応位置からロック対応位置へと回動されるカム部材と、
所定のスライド面上にリターンスプリングに関連付けされた状態でスライド可能に設けられ、前記カム部材が前記ロック対応位置に向けて回動されるときには前記セレクトレバーのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するロック位置へ前記リターンスプリングに抗しつつスライド動し、該セレクトレバーがPレンジ位置から他のレンジ位置へ移動操作されるときには、その移動操作に伴って前記リターンスプリングの復帰力に基づき該セレクトレバーに対する規制を解除するロック解除位置へスライド動すると共に、該スライド動に伴って前記カム部材を前記ロック対応位置から前記ロック解除対応位置へ向けて回動させるロック部材と、
前記カム部材と連係され、所定の運転操作が行われたときには該カム部材の前記ロック対応位置からロック解除対応位置への回動を許容し、前記所定の運転操作が行われていないときには該カム部材のロック対応位置からロック解除対応位置への回動を規制する安全機構と、
を備える自動変速機のシフトロック構造であって、
前記スライド面が、前記セレクトレバーのPレンジ位置での移動方向に対して直交する方向に延ばされ、
前記ロック部材が、前記スライド面に対して略平行とされる規制面を有し、
前記規制面が、前記ロック部材が前記ロック位置に位置するときに前記Pレンジ位置でのセレクトレバーの移動領域に臨んで、該セレクトレバーのPレンジ位置から他のレンジ位置への移動を規制するように設定されている、
ことを特徴とする自動変速機のシフトロック構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08171396A JP3984309B2 (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 自動変速機のシフトロック構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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