JP2006111248A - 自動変速機用シフトレバー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シフトレバー体のNレンジからRレンジへの誤操作を防止するとともに、コストを低減することのできる自動変速機用シフトレバー装置を提供する。
【解決手段】 自動変速機のシフトレンジを切り替えるシフトレバー体30を、シフト操作及びセレクト操作可能に備える。シフトレバー体30のNレンジからRレンジへのシフト操作を規制しかつボタン操作により規制を解除したときにシフト操作を可能とするディテント機構43が設けられる。Nレンジを含むDレンジ側シフト路13bとRレンジを含むPレンジ側シフト路13aとをセレクト方向にずらし、NレンジとRレンジとの間においてPレンジ側シフト路13aとDレンジ側シフト路13bとをセレクト方向に連絡するNレンジ側セレクト路13dが設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車両に用いられる自動変速機用シフトレバー装置に関する。
従来、自動変速機のシフトレンジを切り替えるシフトレバー体のNレンジからRレンジへのシフト操作を規制しかつボタン操作により前記規制を解除することで前記シフト操作を可能とするディテント機構を設けられたシフトレバー装置がある(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1は、図12に示すように、シフトレバー体530のシフトパターン(ゲート部)513をストレートに形成した、いわゆるストレートシフト式シフトレバー装置である。
また、特許文献2は、前記特許文献1の自動変速機に手動により変速段をシフトアップ又はシフトダウンさせることのできるマニュアル操作機能を備えたもので、図13に示すように、シフトレバー体630のシフトパターン(ゲート部)613を、A/T用シフト路613aに、マニュアル操作にかかるM/T用シフト路613bを加えた、いわゆるシーケンシャルシフト式シフトレバー装置である。
また、図14に示すように、シフトレバー体730のシフトパターン(ゲート部)713を階段状に形成することにより、前記ディテント機構を省略した、いわゆるゲートシフト式シフトレバー装置もある(例えば、特許文献3参照。)。なお、図14では、A/T用シフト路713aに、マニュアル操作にかかるM/T用シフト路713bを加えた、いわゆるシーケンシャルシフト式のシフトパターンが示されている。
特開平6−174061号公報 特開平9−226399号公報 特開2003−127694号公報
前記特許文献1に記載されたストレートシフト式シフトレバー装置、及び、前記特許文献2に記載されたシーケンシャルシフト式シフトレバー装置では、N(ニュートラル)レンジ、R(リバース)レンジに加え、D(ドライブ)レンジ及びP(パーキング)レンジが、1本のシフト路上に配置されている(図13及び図14参照。)。このため、シフトレバー体530,630のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止するために、シフトレバー体530,630のNレンジからRレンジへのシフト操作を規制しかつボタン操作により前記規制を解除したときに前記シフト操作を可能とするディテント機構が設けられている。
しかしながら、例えば、車両の運転者がDレンジからNレンジへの操作にもかかわらず、誤ってボタン操作をしてしまうことがある。このような場合には、ディテント機構が機能せず、NレンジからRレンジへの誤操作を防止することができないという問題があった。なお、一般的なディテント機構では、NレンジからRレンジへのシフト操作の他、PレンジからRレンジ、RレンジからPレンジ、2(セカンド)レンジからL(ロー)レンジ等へのシフト操作も規制する構成となっており、これらのシフト操作時においてもボタン操作を必要としている。
また、特許文献3に記載されたゲートシフト式シフトレバー装置では、NレンジとRレンジとが階段状をなしているものの、ディテント機構をもたないために、NレンジからRレンジへシフトする際に斜め方向(図14においてNレンジから左上方への斜め方向)にシフト操作をした場合、不用意にRレンジに切り替わってしまうおそれがあった。
また、このような誤操作を防止するために、特許文献3のものでは、電磁ソレノイドを利用した電気制御式のリバースインヒビット機構を設定している。しかしながら、リバースインヒビット機構では、車速を検知する必要があるため、自ずと電気制御式に構成せざるえを得ないことから、コストアップを余儀なくされるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、シフトレバー体のNレンジからRレンジへの誤操作を防止するとともに、コストを低減することのできる自動変速機用シフトレバー装置を提供することにある。
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする自動変速機用シフトレバー装置により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバー体をNレンジからRレンジへシフト操作するときには、ディテント機構による規制を解除するボタン操作、及び、シフトレバー体のシフト操作に加え、Dレンジ側シフト路とPレンジ側シフト路とをセレクト方向に連絡するセレクト路を通じてのシフトレバー体のセレクト操作の計3操作が必要となる。
したがって、計3操作のうち、いずれか1つ、あるいは2つの操作では、NレンジからRレンジへ切り替わることができないため、シフトレバー体のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、従来のリバースインヒビット機構と異なり、車速を検知する必要がなく、電気制御式に構成する必要がないことから、コストを低減することができる。
したがって、シフトレバー体のNレンジからRレンジへの誤操作を防止するとともに、コストを低減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項2にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバー体のNレンジからRレンジへのシフト操作にともなうセレクト操作が、NレンジからRレンジを含むPレンジ側シフト路へのセレクト路を通じてのセレクト操作となる。したがって、Nレンジを含むDレンジ側シフト路において、Nレンジが該シフト路とセレクト路との屈曲点となる。このため、DレンジからNレンジへのシフト操作において、Nレンジを不用意に超えるシフト操作を回避することができる。
また、特許請求の範囲の請求項3にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバー体をNレンジからRレンジへのシフト操作するときにおいて、ゲート部のN−R用ストッパ部によってシフトレバー体の直線的なシフト操作が規制される。これにより、ゲート部にN−R用ストッパ部を設けるといった簡単な構成によって、シフトレバー体のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、特許請求の範囲の請求項4にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバー体をRレンジからNレンジへのシフト操作するときにおいて、ゲート部のR−N用ストッパ部によってシフトレバー体の直線的なシフト操作が規制される。これにより、ゲート部にR−N用ストッパ部を設けるといった簡単な構成によって、シフトレバー体のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
本発明の自動変速機用シフトレバー装置によれば、シフトレバー体のNレンジからRレンジへの誤操作を防止するとともに、コストを低減することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1について説明する。本実施例では、車両のインストルメントパネルに組込まれる形式で、手動により変速段をシフトアップあるいはシフトダウンさせることができるマニュアル操作機能を備えた、いわゆるシーケンシャルシフト式の自動変速機用シフトレバー装置(単に、「シフトレバー装置」ともいう。)について説明する。なお、説明の都合上、シフトレバー装置の前後方向は車両の前後方向に準じ、シフトレバー装置の左右方向は車両のインストルメントパネルに面する状態での左右方向に準じるものとする。
図1に示すように、自動変速機用シフトレバー装置は、ベースブラケット10を備えている。ベースブラケット10は、例えば、金属板をほぼ逆U字状に折り曲げて形成されており、相互にほぼ平行をなす左右一対の側板部10aと、その両側板部10aの上端部の間に連設された上板部10bを備えている。また、両側板部10aの下端部には、相反方向へ折り曲げられた固定片10cがそれぞれ形成されている。ベースブラケット10は、図示しない自動変速機を備えた車両のインストルメントパネル内において、車体側部材(図示省略。)に両固定片10cがねじ部材(ボルト、ナット等)により締着されることによって設置される。
図2に示すように、前記ベースブラケット10の上板部10b上には、シフトレバーガイドハウジング12が装着されている。なお、図4においては、シフトレバーガイドハウジング12が省略されている。
図1に示すように、ベースブラケット10の上部すなわち上板部10b及びシフトレバーガイドハウジング12には、シフトレバー体30のレバー軸部32(後述する。)がシフト方向及びセレクト方向に移動可能に挿通される孔形状のゲート部13(ベースブラケット10の上板部10b及びシフトレバーガイドハウジング12に対して共通符号を付す。)が形成されている。ゲート部13は、後述するシフトレバー体30のレバー軸部32を所定のシフトパターンに沿ってガイド可能に形成されている。なお、シフト方向は車両前後方向(図3において左右方向、図5及び図7において上下方向)に相当し、また、セレクト方向は車両左右方向すなわち横方向(図2、図4、図5及び図7において左右方向)に相当している。
前記ゲート部13は、前記シフトレバー体30のシフトパターン(図7参照。)に応じて形成されている。このシフトパターンは、シーケンシャル式のシフトパターンを基本形として構成されている。
すなわち、図7に示すように、ゲート部13は、前後方向に延びる左右2つの自動変速用(A/T用)シフト路13a,13bと、手動変速用(M/T用)シフト路13cと、左右方向に延びる前後2つのセレクト路13d,13eとを備えている。
左側のA/T用シフト路13aには、前方位置のP(パーキング)レンジ、中央位置のR(リバース)レンジと、後方位置のNs(中継)レンジの計3つのシフトレンジ(シフトポジションともいう。)が設定されている。なお、左側のA/T用シフト路13aを、「Pレンジ側シフト路」という。
また、右側のA/T用シフト路13bには、前方位置のN(ニュートラル)レンジ、後方位置のD(ドライブ)レンジの計2つのシフトレンジが設定されている。なお、右側のA/T用シフト路13bを、「Dレンジ側シフト路」という。
また、M/T用シフト路13cには、Dレンジ側シフト路13bの右側に位置しており、前方位置の+(プラス)レンジ、中央位置のM(マニュアル)レンジと、後方位置の−(マイナス)レンジの計3つのシフトレンジが設定されている。
また、前側のセレクト路13dは、Pレンジ側シフト路13aのNsレンジとDレンジ側シフト路13bのNレンジとをセレクト方向(図7において左右方向)に連絡している。前側のセレクト路13dは、「NレンジとRレンジとの間においてDレンジ側シフト路13bとPレンジ側シフト路13aとをセレクト方向に連絡するセレクト路」に相当している。なお、前側のセレクト路13dを、「Nレンジ側セレクト路」という。
また、後側のセレクト路13eは、Dレンジ側シフト路13bのDレンジとM/T用シフト路13cのMレンジとをセレクト方向(図7において左右方向)に連絡している。なお、後側のセレクト路13eを、「Dレンジ側セレクト路」という。
また、前記ゲート部13の口縁部は、シフトレバー体30のレバー軸部32をシフト方向及びセレクト方向にガイドするとともに、そのレバー軸部32のシフト方向及びセレクト方向の傾動を規制する機能を有している。とくに、Dレンジ側シフト路13bの前端部には、DレンジからNレンジへシフト操作されるレバー軸部32が当接可能な第1のストッパ部13fが形成されている。また、Pレンジ側シフト路13aの後端部には、RレンジからNsレンジへシフト操作されるレバー軸部32が当接可能な第2のストッパ部13hが形成されている。なお、第1のストッパ部13fは、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへの直進的なシフト操作を規制するものであり、本明細書でいう「N−R用ストッパ部」に相当する。また、第2のストッパ部13hは、シフトレバー体30のRレンジからNレンジへの直進的なシフト操作を規制するものであり、本明細書でいう「R−N用ストッパ部」に相当する。
図1に示すように、前記ベースブラケット10の両側板部10aの上部には、左右のディテント孔14が左右対称状に形成されている。
また、図2に示すように、前記ベースブラケット10の両側板部10aの相互間には、右側のシート部材16及び左側のシート部材17が固定されている。両シート部材16,17は、前後一対の固定ボルト18・ナット19(図1参照。)により両側板部10aの間に締着されることによって固定されている。
また、図4に示すように、両シート部材16,17の対向面には、ほぼ半球面状のシート半面20がそれぞれ形成されている。両シート部材16,17のシート半面20は、協働によりほぼ球面状のシート面20(同一符号を付す。)を形成している。
図1に示すように、右側のシート部材16の中央部には、ほぼU字状のレバー受入溝22が形成されている。また、右側のシート部材16の右側面(外側面)には、前記ボルト18がそれぞれ挿通される前後一対のボス部16aと、そのボス部16aの間において前記レバー受入溝22を形成するU字状の溝壁16bが突出されている。このボス部16a及び溝壁16bは、前記ベースブラケット10の右側の側板部10aに当接されている(図2、図4、図5参照。)。
図1に示すように、左側のシート部材17の左側面(外側面)の中央部には、支持軸23が突出されている。支持軸23の基端部周りには、外径を大きくする受止部23aが形成されている。また、左側のシート部材17の左側面には、前記ボルト18がそれぞれ挿通される前後一対のボス部17aが突出されている。このボス部17a及び支持軸23は、前記ベースブラケット10の左側の側板部10aに当接されている(図4及び図5参照。)。また、支持軸23、各ボス部16a,17aの軸線は、それぞれ車両左右方向に延びている。
図4に示すように、前記左側のシート部材17の左側(セレクト方向の一方側に相当する。)には、コントロールレバー25が隣接する状態で設けられている。
コントロールレバー25の中央部には軸孔26が形成されている。その軸孔26は、左側のシート部材17の支持軸23に回動可能に嵌合されている。
また、図3に示すように、コントロールレバー25には、左側のシート部材17における前側のボス部17aに嵌合される逃がし孔27が形成されている(図1参照。)。逃がし孔27は、コントロールレバー25の回動を許容するように、支持軸23の軸心を中心とする円弧状に形成されている。
図4に示すように、前記コントロールレバー25は、左側のシート部材17における支持軸23の受止部23aに摺動可能に当接されている。
また、コントロールレバー25の左側面には、支持軸23が挿通されるボス部25aが形成されている。そのボス部25aは、前記ベースブラケット10の左側(図4において左側)の側板部10aに摺動可能に当接されている。
また、コントロールレバー25の下端部には、連結ピン28aを有するケーブル連結部28が形成されている(図1参照。)。連結ピン28aには、図示しない自動変速機のコントロールケーブルのインナケーブルの一方の端末部が回動可能に連結される。なお、コントロールケーブルは、アウタケーブル内にプッシュプル式のインナケーブルが挿通されてなるプッシュプルケーブルであって、本シフトレバー装置と図示しない自動変速機との間に敷設されている。インナケーブルの他方の端末部は、自動変速機の変速レバー(図示しない。)に接続される。
また、図1に示すように、コントロールレバー25の上端部には、縦長状の係合孔29aを有する支持板部29が形成されている。支持板部29は、コントロールレバー25のケーブル連結部28を含む中央部分に対して右側へずれた状態で平行状に形成されている(図4参照。)。
図4において、車両の運転者によって操作されるシフトレバー体30は、レバー本体31と、そのレバー本体31に下端部が固着されたパイプ状のレバー軸部32と、そのレバー軸部32の上端部に設けられた樹脂製のノブ33とを有している(図1参照。)。
図1に示すように、レバー本体31は、レバー軸部32(後述する。)の下端部を受入れる有底状の筒状部31aと、その下端部に形成された球状部31bと、その前側部に突出された膨出部31cとを有している。
図4に示すように、筒状部31aには、レバー軸部32の下端部が挿入されかつスプリングピン34(図1参照。)により抜け止めされた状態に固定されている。このスプリングピン34は、スロッテッドピン、スロッテッドスプリングピン等とも呼ばれているピンで、両部材間に形成されたピン孔に圧入することによって両部材を固定するものである。なお、後述するスプリングピン121,131,139についても同様である。
また、筒状部31aには、縦長状をなす左右一対のピン孔35が形成されている。筒状部31aの両側面には、ピン孔35を取り囲むボス部36が突出されている(図4及び図5参照。)。
図4に示すように、前記左側のボス部36は、前記シフトレバー体30のレバー軸部32が前記ゲート部13(図7参照。)のA/T用シフト路(Pレンジ側シフト路13a及びDレンジ側シフト路13b)をシフト方向に移動する際に、前記コントロールレバー25の係合孔29a内に係合する係合部36(同一符号を付す。)になっている。また、係合部36は、シフトレバー体30のレバー軸部32をゲート部13(図7参照。)のDレンジからDレンジ側セレクト路13eを通じてMレンジへ傾倒させたとき(セレクト操作したとき)には、コントロールレバー25の係合孔29aから抜け外れるようになっている。また、逆に、係合部36は、シフトレバー体30のレバー軸部32をゲート部13(図7参照。)のMレンジからDレンジ側セレクト路13eを通じてDレンジへ傾倒させたとき(セレクト操作したとき)には、コントロールレバー25の係合孔29a内に係合するようになっている(図4及び図5参照。)。
なお、シフトレバー体30のレバー軸部32が、ゲート部13(図7参照。)のA/T用シフト路(Pレンジ側シフト路13a及びDレンジ側シフト路13bが相当する。)をシフト方向に移動するときに加え、Nレンジ側セレクト路13dをセレクト方向に移動するときにおいても、係合部36がコントロールレバー25の係合孔29a内に係合した状態を維持するようになっている。
図4に示すように、前記レバー本体31の球状部31bは、前記左右一対のシート部材16,17による球状のシート面20内に摺動可能に嵌合されている。この球状部31bと一対のシート部材16,17とにより球継手38が構成されている。これにより、シフトレバー体30は、前記ベースブラケット10に対して球継手38を介してどの方向へも回動可能に支持されている。そのシフトレバー体30は、前記ゲート部13により、所定のシフトパターン(図7参照。)に沿ってシフト方向及びセレクト方向に移動可能に規制される。なお、球状部31bの回動中心38cは、前記シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32L上に位置している。
図4に示すように、前記球状部31bの右側には、丸棒状の規制レバー39が突出されている。また、規制レバー39は、前記シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32Lに直交しかつ球状部31bの回動中心38cを通る直線をレバー中心39Lとして形成されている。この規制レバー39は、前記右側のシート部材16のレバー受入溝22内に係合されている。これにより、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32Lを中心とする軸回り方向の不要な回動が規制される。なお、レバー受入溝22と規制レバー39は、「回動規制手段」を構成している。
前記レバー本体31の前側部に突出する膨出部31c内には、プランジャ40(図1参照。)がその軸線方向に移動可能に設けられている(図3及び図5参照。)。プランジャ40は、膨出部31c内に組込まれたプランジャスプリング41(図1参照。)の弾性力によって常に上方に向けて付勢されている。
一方、前記ベースブラケット10の上板部10bの下面には、凹凸を繰り返す波形状をなす節度波形部を有する節度部材42(図1参照。)が固定されている。その節度部材42の節度波形部には、前記プランジャスプリング41の弾性によって付勢されたプランジャ40の上端部が当接されている。
これにより、前記シフトレバー体30の操作にともなって、プランジャ40がプランジャスプリング41の弾性を利用して節度部材42の節度波形部を相対的に乗り越えることにより、シフトレバー体30に節度感が与えられるようなっている。本実施例の場合、シフトレバー体30に、DレンジとMレンジとの間のセレクト操作にともなって節度感を与えるように構成されている。また、シフトレバー体30に、NSレンジからNレンジへ復帰させる弾性力を与えるように構成されている。さらに、シフトレバー体30に、Mレンジから+レンジへのシフト操作、及び、Mレンジから−レンジへのシフト操作時においてMレンジへ復帰させる弾性力を与えるように構成されている。
図4に示すように、前記レバー軸部32は、前記ベースブラケット10内から前記ゲート部13を通じて上方すなわち前記車両の室内側へ延びている(図3参照。)。レバー軸部32は、金属製、例えばアルミ合金製で押出成形によって形成されたパイプ材からなる。
しかして、レバー軸部32は、図6(a)に示すように、シフト方向(図において上下方向)の寸法Aに比べて、セレクト方向(図において左右方向)の寸法Bを短くする断面ほぼ四角形状をなしかつシフト方向に並ぶ前後2つの中空孔32aを有している。
また、レバー軸部32は、前に述べたように、前記ゲート部13内に挿通されている(図4参照。)。そして、断面ほぼ四角形状をなすレバー軸部32の各側面がゲート部13の口縁部にいわゆる線接触状に当接し、横方向すなわちセレクト方向(左右方向)の傾動が規制されかつその横方向の荷重が受け止められることにより、レバー軸部32の横方向の傾動に対する剛性が確保されている。これによって、レバー軸部32のセレクト方向の寸法Bを、シフト方向の寸法Aに比べて、短くすることができる。
前記レバー軸部32は、前記ゲート部13(図7参照。)内での車両前後方向すなわちシフト方向の傾動も規制される。とくに、Dレンジ側シフト路13bにおいては、DレンジからNレンジへシフト操作されたレバー軸部32が、ゲート部13の第1のストッパ部13fに当接することにより、該シフトレバー体30がNレンジを超えて前方(図7において上方)へ傾動することが規制される。すなわち、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへの直進的なシフト操作が規制される。
また、Pレンジ側シフト路13aにおいては、RレンジからNsレンジへシフト操作されたレバー軸部32が、ゲート部13の第2のストッパ部13hに当接することにより、該シフトレバー体30がNsレンジを超えて後方(図7において下方)へ傾動することが規制される。すなわち、シフトレバー体30のRレンジからNレンジへの直進的なシフト操作が規制される。
なお、ゲート部13において、上記の他、シフト操作されたレバー軸部32がゲート部13の口縁部に当接することにより、該シフトレバー体30の過剰な傾動が規制されるようになっている。
図1に示すように、前記レバー軸部32の一方(例えば、前方)の中空孔32a内には、ディテントロッド44が軸方向に移動可能に設けられている(図6参照。)。
一方、レバー軸部32の前側の中空孔32aの左右両側壁には、前記レバー本体31の筒状部31aのピン孔35に整合するピン孔45が形成されている(図4及び図5参照。)。
そして、図4に示すように、レバー軸部32には、左右のピン孔35,45を通じて両端部が突出するグルーブドピン46が組込まれている。グルーブドピン46は、中空孔32a内に組込まれたディテントスプリング48の弾性力によって上方に向けて付勢されている。また、グルーブドピン46には、前記ディテントロッド44の下端部が当接されている。
また、前記シフトレバー体30が前記ゲート部13のA/T用シフト路(Pレンジ側シフト路13a及びDレンジ側シフト路13b)にあるときにおいて、グルーブドピン46の両端部は、前記ベースブラケット10の両側板部10aに形成されたディテント孔14(図1参照。)内にそれぞれ位置されている(図4参照。)。このグルーブドピン46は、ディテントスプリング48の弾性力により、常に前記ディテントロッド44とともに押し上げられている。このため、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部における凹部に係合することにより、前記シフトレバー体30のシフト操作が規制される。詳しくは、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部における凹部に対する係合により、シフトレバー体30のPレンジからRレンジへのシフト操作、NレンジからRレンジへのシフト操作、RレンジからPレンジへのシフト操作が規制されるようになっている。
また、前記シフトレバー体30のDレンジ(図7参照。)において、該シフトレバー体30がDレンジ側セレクト路13eを通じてMレンジへ傾倒されたときは、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部から抜け外れる(図4中、二点鎖線46参照。)。また逆に、シフトレバー体30がMレンジからDレンジ側セレクト路13eを通じてDレンジへ傾倒されたときは、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部内に係合可能に位置する。
図1に示すように、前記ノブ33には、ボタン50がピン53により回動可能に組込まれている。ボタン50は、ピン53とともにノブ33内に組込まれたスプリング54により前方(図3において左方)の突出位置へ付勢されている。
また、図1に示すように、シフトレバー体30のノブ33の前側面には、ボタン50を取り囲む枠部材55がスクリュー56により締着されている。
なお、ディテントロッド44、グルーブドピン46、ボタン50及びディテント孔14等を主要構成部品として、ディテント機構43が構成されている。
前記ボタン50をスプリング54の付勢に抗して押込み操作(図3中、二点鎖線50参照。)すると、前記ディテントロッド44が前記ディテントスプリング48の弾性力に抗してグルーブドピン46とともに押し下げられることによって、前記シフト操作の規制が解除される。したがって、Pレンジにおいてボタン50を押込み操作(ボタン操作という。)することにより、シフトレバー体30のRレンジへのシフト操作が可能になる。また、Nレンジにおいてボタン操作することにより、シフトレバー体30のRレンジへのシフト操作が可能になる。また、Rレンジにおいてボタン操作することにより、シフトレバー体30のPレンジへのシフト操作が可能になる。なお、それらのシフト操作後においては、ボタン50に対する押込み操作が解除される。
上記した構成の自動変速機用シフトレバー装置において、いま、Pレンジ(図7参照。)にあるシフトレバー体30のノブ33に対して、シフト方向すなわちRレンジへのシフト操作力を入力したときは、該シフトレバー体30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。そして、図3に示すように、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32Lが、Pレンジの後側(図3において左側)に位置するRレンジに対応する。なお、シフトレバー体30のPレンジからRレンジへのシフト操作時においては、ノブ33のボタン50の押込み操作により、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合を解除、すなわちディテント機構43による規制を解除する。
次に、シフトレバー体30をRレンジからNレンジへ操作するときは、まず、Rレンジにあるシフトレバー体30のノブ33に対してNsレンジへのシフト操作力を入力することにより、該シフトレバー体30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。これにより、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32Lが、Rレンジの後側(図3において右側)に位置するNsレンジに対応する。このとき、シフトレバー体30のレバー軸部32がゲート部13の第2のストッパ部13hに当接することにより、該ゲート部13のPレンジ側シフト路13aでのシフトレバー体30のNsレンジを超える傾動、すなわちRレンジからNレンジへの直進的なシフト操作が規制される。
続いて、Nsレンジにあるシフトレバー体30は、プランジャ40とスプリング41とにより、NSレンジからNレンジへ弾性的に復帰する。すると、シフトレバー体30のレバー軸部32がゲート部13(図7参照。)のPレンジ側シフト路13aからNレンジ側セレクト路13dを通じてDレンジ側シフト路13bのNレンジに位置する。なお、シフトレバー体30のNsレンジからNレンジへのセレクト操作において、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合が継続されるとともに、コントロールレバー25の係合孔29aに対するシフトレバー体30の係合部36の係合が継続される。
次に、シフトレバー体30をNレンジからDレンジへ操作するときは、まず、Nレンジにあるシフトレバー体30のノブ33に対してDレンジへのシフト操作力を入力することにより、該シフトレバー体30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。これにより、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32Lが、Nレンジの後側(図3において右側)に位置するDレンジに対応する。
次に、シフトレバー体30をDレンジからNレンジへ操作するときは、まず、Dレンジにあるシフトレバー体30のノブ33に対してNレンジへのシフト操作力を入力することにより、該シフトレバー体30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。これにより、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32LがNレンジに対応する。このとき、シフトレバー体30のレバー軸部32がゲート部13の第1のストッパ部13fに当接することにより、該ゲート部13のDレンジ側シフト路13bでのシフトレバー体30のNレンジを超える傾動、すなわちNレンジからRレンジへの直進的なシフト操作が規制される。
次に、シフトレバー体30をNレンジからRレンジへ操作するときは、まず、Nレンジにあるシフトレバー体30のノブ33に対してNsレンジへのセレクト操作力を入力すなわち左方(図4において左方)へ傾倒させると、シフトレバー体30のレバー軸部32がゲート部13(図7参照。)のDレンジ側シフト路13bからNレンジ側セレクト路13dを通じてPレンジ側シフト路13aのNsレンジに位置する。なお、シフトレバー体30のNレンジからNsレンジへのセレクト操作においては、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合が継続されるとともに、コントロールレバー25の係合孔29aに対するシフトレバー体30の係合部36の係合が継続される。
続いて、Nsレンジにあるシフトレバー体30のノブ33に対してRレンジへのシフト操作力を入力することにより、該シフトレバー体30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。これにより、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32LがRレンジに対応する。このNレンジ(Nsレンジ)からRレンジへのシフト操作時においては、ノブ33のボタン50の押込み操作により、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合を解除、すなわちディテント機構43による規制を解除する。
次に、シフトレバー体30をRレンジからPレンジへ操作するときは、Rレンジにあるシフトレバー体30のノブ33に対してPレンジへのシフト操作力を入力することにより、該シフトレバー体30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。これにより、シフトレバー体30のレバー軸部32の軸線32LがPレンジに対応する。このRレンジからPレンジへのシフト操作時においては、ノブ33のボタン50の押込み操作により、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合を解除、すなわちディテント機構43による規制を解除する。
また、上記シフトレバー体30の自動変速操作状態(P−R−N(Ns)−Dの間の操作状態)におけるシフト操作において、シフトレバー体30の係合部36とコントロールレバー25の係合孔29aとが係合している。このため、シフトレバー体30のシフト操作にともない、コントロールレバー25が左側のシート部材17の支持軸23(図3参照。)を中心として追従回動される。このコントロールレバー25の回動力が、コントロールケーブル(図示省略。)を介して車両の自動変速機に伝達されることにより、その自動変速機のシフトレンジが切り替えられる。
また、前記シフトレバー体30のDレンジにおいて、該シフトレバー体30のノブ33に対して、セレクト方向(Mレンジ方向)の操作力を入力し、右方(図4において右方)へ傾倒させると、シフトレバー体30がゲート部13のDレンジ側セレクト路13eを通じてM/T用シフト路13cのMレンジに位置する(図7参照。)。これにより、マニュアル操作状態となる。
また、シフトレバー体30のMレンジへのセレクト操作にともない、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合が解除されるとともに、コントロールレバー25の係合孔29aに対するシフトレバー体30の係合部36の係合が解除される。
この状態において、シフトレバー体30をMレンジから前側(図3において左側)の+レンジに1回ずつシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段ずつシフトアップされる。また逆に、シフトレバー体30をMレンジから後側(図3において右側)の−レンジに1回ずつシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段ずつシフトダウンされる。ちなみに、ベースブラケット10には、シフトレバー体30の+レンジへのシフト操作を検出するシフトアップスイッチ(図示省略。)、及び、シフトレバー体30の−レンジへのシフト操作を検出するシフトダウンスイッチ(図示省略。)が設けられている。そして、図示しない制御手段(電子制御装置いわゆるECU(エンジンコントロールユニット)が相当する。)により、シフトアップスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトアップされ、また、シフトダウンスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトダウンされるようになっている。
また、Mレンジにおかれたシフトレバー体30のノブ33に対して、セレクト方向(Dレンジ方向)の操作力を入力し、左方(図4において左方)へ起立させると、シフトレバー体30がゲート部13のDレンジ側セレクト路13eを通じてDレンジ側シフト路13bのDレンジに位置する(図7参照。)。
また、シフトレバー体30のDレンジへのセレクト操作にともない、ディテント孔14に対してグルーブドピン46が係合するとともに、コントロールレバー25の係合孔29aに対してシフトレバー体30の係合部36が係合する。
上記した自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバー体30をNレンジからRレンジへシフト操作するときには、ディテント機構43による規制を解除するボタン50のボタン操作、及び、シフトレバー体30のシフト操作に加え、Pレンジ側シフト路13aとDレンジ側シフト路13bとをセレクト方向に連絡するNレンジ側セレクト路13dを通じてのシフトレバー体30のセレクト操作の計3操作が必要となる。
したがって、計3操作のうち、いずれか1つ、あるいは2つの操作では、NレンジからRレンジへ切り替わることができないため、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、従来のリバースインヒビット機構と異なり、車速を検知する必要がなく、電気制御式に構成する必要がないことから、コストを低減することができる。
したがって、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへの誤操作を防止するとともに、コストを低減することができる。
また、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへのシフト操作にともなうセレクト操作が、NレンジからRレンジを含むPレンジ側シフト路13aへのNレンジ側セレクト路13dを通じてのセレクト操作となる。したがって、Nレンジを含むDレンジ側シフト路13bにおいて、Nレンジが該シフト路13bとNレンジ側セレクト路13dとの屈曲点となる。このため、DレンジからNレンジへのシフト操作において、Nレンジを不用意に超えるシフト操作を回避することができる。
また、シフトレバー体30をNレンジからRレンジへのシフト操作するときにおいて、ゲート部13の第1のストッパ部13fによってシフトレバー体30の直線的なシフト操作が規制される。これにより、ゲート部13に第1のストッパ部13fを設けるといった簡単な構成によって、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、シフトレバー体30をRレンジからNレンジへのシフト操作するときにおいて、ゲート部13の第2のストッパ部13hによってシフトレバー体30の直線的なシフト操作が規制される。これにより、ゲート部13に第2のストッパ部13hを設けるといった簡単な構成によって、シフトレバー体30のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、ベースブラケット10に球継手38(図4参照。)を介して支持されたシフトレバー体30の所定方向の操作により、自動変速機のシフトレンジが切り替えられる。そして、シフトレバー体30を支持する球継手38は、球状のシート面20を形成するシート部材16,17と、そのシート面20にどの方向へも回動可能に支持される球状部31bとにより構成されるため、カルダン継手に比べて、部品点数が少なく、構造が簡素化される。したがって、ベースブラケット10に球継手38を介してシフトレバー体30を支持したことにより、部品点数が削減され、構造が簡素化されることから、容易に小型化することができる。
また、シフトレバー体30のDレンジからMレンジへのセレクト操作により、マニュアル操作機能を備えた自動変速機の変速段を手動によりシフトアップ又はシフトダウンさせることができる。
また、ベースブラケット10に球継手38を介してシフトレバー体30が支持されていることにより、部品点数の増加を招くことなく、シフトレバー体30のセレクト操作を容易に実現することができる。
また、ベースブラケット10の上部に設けられたゲート部13によりシフトレバー体30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動が規制される。このため、ゲート部13を利用することにより、シフトレバー体30の横方向の傾動に対する剛性を容易に確保することができる。
また、シフトレバー体30に備えるレバー軸部32が、シフト方向の寸法Aに比べてセレクト方向の寸法Bを短くする断面ほぼ四角形状をなすパイプ材により形成されている(図6(a)参照。)。また、前にも述べたように、シフトレバー体30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動に対する剛性がゲート部13により確保されることによって、シフトレバー体30のレバー軸部32のシフト方向の寸法Aに比べてセレクト方向の寸法Bを短くすることができる。このため、従来の一般的な断面円形状のパイプ材により形成されたレバー軸部に比べて、強度をほとんど損なうことなく、セレクト方向の寸法Bの短い斬新な外観を呈するレバー軸部32によって、シフトレバー体30の意匠性を高めることができる。
また、このようなレバー軸部32(図6(a)参照。)は、ゲート部13のシフト方向の寸法Aによって、シフトレバー体30の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減するにも有効である。
また、レバー軸部32が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔32aを利用して、ディテント機構43にかかるディテントロッド44、オーバドライブ用スイッチにかかる電線(図6(a)中、符号、52参照。)等を体裁良く収めることができる。
例えば、従来の断面円形状のパイプ材により形成されたレバー軸部132(図6(b)参照。)の場合、パイプ材の中空孔132a内にディテントロッド144を収める一方、レバー軸部132の外側に沿ってオーバドライブ用スイッチにかかる電線152を配線し、その電線152を保護するための樹脂製のホルダ部材154をレバー軸部132に二重管状に設けているのが一般的である。これに対し、レバー軸部32が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔32a(図6(a)参照。)を利用すれば、前記したホルダ部材154(図6(b)参照。)を用いることなく、レバー軸部32にディテントロッド44、電線52等を体裁良く収めることができる。
なお、オーバドライブ用スイッチ及び電線52については、後述する実施例2において説明する。
また、レバー軸部32がアルミ合金製であるため、意匠性の向上に有効となる。なお、レバー軸部32は、アルミ合金製に限定されるものではなく、ステンレス製、チタン合金製等の金属製とすることができる。
また、球継手38のレバー受入溝22と規制レバー39とによる回動規制手段により、シフトレバー体30の軸回り方向の回動が規制される。これにより、シフトレバー体30の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減し、シフトレバー体30の操作性を向上することができる。
また、球継手38にレバー受入溝22と規制レバー39とによる回動規制手段を設けることにより、その他の部位に回動規制手段を設ける場合に比べて、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、シフトレバー体30のシフト操作に連動可能に設けられかつ自動変速機に連繋されるコントロールレバー25が、球継手38のセレクト方向の一方側(図4において左側)に隣接した状態で設けられている。これにより、自動変速機用シフトレバー装置をセレクト方向(左右方向)に関して容易に小型化することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2について説明する。本実施例及び以降の実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるので、変更部分について説明し、重複する説明は省略する。
本実施例は、図9に示すように、ストレートシフト式のシフトパターンを基本形として構成されたシフトパターンに応じたゲート部113を有する自動変速機用シフトレバー装置を例示するものである。このゲート部113は、左右2つの自動変速用(A/T用)シフト路113a,113bと、左右方向に延びるセレクト路113dとを備えている。
左側のシフト路113aには、前方位置のP(パーキング)レンジ、中央位置のR(リバース)レンジと、後方位置のNs(中継)レンジの計3つのシフトレンジが設定されている。なお、左側のA/T用シフト路113aを、「Pレンジ側シフト路」という。
また、右側のA/T用シフト路113bには、前方位置のN(ニュートラル)レンジ、その後側に位置するD(ドライブ)レンジ、その後側に位置する2(セカンド)レンジ、その後側で後方位置のL(ロー)レンジの計4つのシフトレンジが設定されている。なお、右側のA/T用シフト路113bを、「Dレンジ側シフト路」という。
また、セレクト路113dは、前記実施例1におけるNレンジ側セレクト路13dと同様に、Pレンジ側シフト路113aのNsレンジとDレンジ側シフト路113bのNレンジとをセレクト方向(図9において左右方向)に連絡している。とくに、Dレンジ側シフト路113bの前端部には、前記実施例1における第1のストッパ部13f(図7参照。)と同様に、DレンジからNレンジへシフト操作されるレバー軸部32が当接可能な第1のストッパ部113fが形成されている。また、Pレンジ側シフト路113aの後端部には、前記実施例1における第2のストッパ部13h(図7参照。)と同様に、RレンジからNsレンジへシフト操作されるレバー軸部32が当接可能な第2のストッパ部113hが形成されている。なお、第1のストッパ部113fは、本明細書でいう「N−R用ストッパ部」に相当する。また、第2のストッパ部113hは、本明細書でいう「R−N用ストッパ部」に相当する。
また、図8に示すように、ノブ33には、オーバドライブ用スイッチ51が組込まれている。このオーバドライブ用スイッチ51につながる電線52は、電子制御装置いわゆるECUに接続されるものであって、シフトレバー体30のレバー軸部32が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔32aのうちの1つを利用して体裁良く収めることができる(図6参照。)。なお、オーバドライブ用スイッチ51のボタン51aを操作(押圧)することにより、オーバドライブ用スイッチ51がオン・オフされることにより、前記電子制御装置を介して自動変速機が制御されることにより、走行条件に適した変速段を選択することができる。
上記した実施例2のシフトレバー装置によっても、前記実施例1のシフトレバー装置とほぼ同様の作用・効果を奏することができる。
[実施例3]
本発明の実施例3について説明する。本実施例は、シフトパターンの変更例を示すものである。本実施例のシフトパターンは、図10に示すように、Dレンジ側シフト路313bのNレンジの前側に設定したNsdレンジと、Pレンジ側シフト路313aのRレンジの後側でかつNsdレンジにセレクト路313dを通じて連絡するNspレンジとが設定されている。この場合、シフトレバー体30は、NレンジからNsdレンジにシフト操作した後、セレクト路313dを通じてNspレンジにシフト操作し、続いてRレンジにシフト操作することになる。このため、シフト操作の間にセレクト操作が必要であるため、NレンジからRレンジへの誤操作を防止することができる。
また、本実施例の場合、ゲート部313において、Dレンジ側シフト路313bの前端部には、NレンジからNsdレンジへシフト操作されるシフトレバー体30(レバー軸部32)が当接可能な第1のストッパ部313fが形成されている。また、Pレンジ側シフト路313aの後端部には、RレンジからNspレンジへセレクト操作されるシフトレバー体30(レバー軸部32)が当接可能な第2のストッパ部313hが形成されている。なお、第1のストッパ部313fは、本明細書でいう「N−R用ストッパ部」に相当する。また、第2のストッパ部313hは、本明細書でいう「R−N用ストッパ部」に相当する。
また、本実施例のシフトパターンは、前記実施例1、2及び実施例5(後述する。)に適用することができる。
[実施例4]
本発明の実施例4について説明する。本実施例は、シフトパターンの変更例を示すものである。本実施例のシフトパターンは、図11に示すように、Dレンジ側シフト路413bのNレンジの左側に後側のセレクト路413d1を通じて連絡するNsdレンジと、そのNsdレンジの前側でかつPレンジ側シフト路413aのRレンジの右側に前側のセレクト路413d2を通じて連絡するNspレンジとが設定されている。この場合、シフトレバー体30は、Nレンジから後側のセレクト路413d1を通じてNsdレンジにセレクト操作した後、Nspレンジにシフト操作し、続いてRレンジに前側のセレクト路413d2を通じてセレクト操作することになる。このため、セレクト操作の間にシフト操作が必要であるため、NレンジからRレンジへの誤操作を防止することができる。
また、本実施例の場合、ゲート部413において、DレンジからNレンジへシフト操作されたシフトレバー体30(レバー軸部32)が当接可能な第1のストッパ部413fが形成されている。また、PレンジからRレンジへシフト操作されたシフトレバー体30(レバー軸部32)が当接可能な第2のストッパ部413hが形成されている。また、NsdレンジからNspレンジへシフト操作されたシフトレバー体30(レバー軸部32)が当接可能な第3のストッパ部413iが形成されている。また、NspレンジからNsdレンジへシフト操作されたシフトレバー体30(レバー軸部32)が当接可能な第4のストッパ部413kが形成されている。なお、第1のストッパ部413f及び第3のストッパ部413iは、本明細書でいう「N−R用ストッパ部」に相当する。また、第2のストッパ部413h及び第4のストッパ部413kは、本明細書でいう「R−N用ストッパ部」に相当する。
また、本実施例のシフトパターンは、前記実施例1、2及び実施例5(後述する。)に適用することができる。
[実施例5]
本発明の実施例5について説明する。本実施例は、シフトレバー装置の変更例を示すものである。
図15に分解斜視図で示すように、本実施例のシフトレバー装置は、主要構成部品としてのシフトレバー体60と、そのシフトレバー体60をシフト操作及びセレクト操作可能に支持するベースブラケット62とを備えている。ベースブラケット62は、シフトレバー体60の軸線(「レバー軸線」ともいう。)60Lに交差する一直線方向(本実施例では左右方向)に分割されたブラケット本体63とカバープレート64とにより構成されている。ブラケット本体63は、ベースブラケット62の主体をなしている。また、カバープレート64は、ベースブラケット62の補助的部材をなしており、ブラケット本体63にその左方から組付可能に構成されている。
ところで、本実施例のシフトレバー装置は、前記したシフトレバー体60とブラケット本体63及びカバープレート64の他、コントロールレバー66、球受シート67、ケーブルエンドブラケット68を備えている。そして、ブラケット本体63に対して、シフトレバー体60のレバー軸線60Lに交差する一直線方向の一方向すなわち左方からコントロールレバー66、シフトレバー体60、球受シート67、カバープレート64、ケーブルエンドブラケット68が順次組付可能に構成されている。なお、説明の都合上、ブラケット本体63、コントロールレバー66、シフトレバー体60、球受シート67、カバープレート64、ケーブルエンドブラケット68の順に説明する。
ブラケット本体63を説明する。図21はブラケット本体63を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。
ブラケット本体63は、例えば樹脂製で、基板部70と、その基板部70の上半部の外周縁部から左方へ突出する周壁部71とを有している。基板部70の右側面には、適数個(例えば、前後2個。)の取付片72が一体形成されている(図21(b)参照。)。取付片72は、図示しないが、車両のインストルメントパネル内における車体側部材に対して取付用ボルトにより締着可能に形成されている。また、周壁部71の前後両端部の外側面には、断面T字状でかつ左右方向に延びる前後一対の嵌合凸条74が前後対称状に形成されている。各嵌合凸条74は、後述するケーブルエンドブラケット68(図27参照。)の各嵌合溝180に対して、スライドにより嵌合可能に形成されている。
図21(a)に示すように、前記基板部70の上面部には、ゲート枠部76が形成されている。ゲート枠部76には、その左方から補助枠77が組付けられる。ゲート枠部76及び補助枠77の前後両端部には、左右方向に一連状をなすボルト挿通孔78(ゲート枠部76及び補助枠77に共通符号を付す。)が形成されている。各ボルト挿通孔78は、後述する連結ボルト164(図26参照。)のボルト軸部166を挿通可能に形成されている。なお、図21(b)に示すように、基板部70の右側面には、連結ボルト164の頭部167を回り止め状態に嵌合可能な回り止め溝79が形成されている。なお、連結ボルト164は、ブラケット本体63(補助枠77を含む。)とカバープレート64(後述する。)とを締結する。
前記ゲート枠部76と前記補助枠77との組合せによって、両者76,77間に孔形状のゲート部81が形成されている。図38に示すように、ゲート部81は、所定のシフトパターンに応じて形成されており、後述するシフトレバー体60のレバー軸部110(詳しくは、そのレバー軸部110に設けたガイド部128)をシフトパターンに沿ってシフト方向及びセレクト方向にガイドする。このシフトパターンは、前記実施例1のゲート部81(図7参照。)と同様に、シーケンシャル式のシフトパターンを基本形として構成されている。なお、シフト方向は前後方向(図38において上下方向)であり、また、セレクト方向は車両幅方向すなわち左右方向(図38において左右方向)である。
前記ゲート部81は、図38に示すように、前後方向に延びる左右2つの自動変速用(A/T用)シフト路81a,81bと、手動変速用(M/T用)シフト路81cと、左右方向に延びる前後2つのセレクト路81d,81eとを備えている。
左側のA/T用シフト路81aには、前方位置のPレンジ、中央位置のRレンジと、後方位置のNsレンジの計3つのシフトレンジが設定されている。なお、左側のA/T用シフト路81aを、「Pレンジ側シフト路」という。
また、右側のA/T用シフト路81bには、前方位置のNレンジ、後方位置のDレンジの計2つのシフトレンジが設定されている。なお、右側のA/T用シフト路81bを、「Dレンジ側シフト路」という。
また、M/T用シフト路81cには、Dレンジ側シフト路81bの右側に位置しており、前方位置の+レンジ、中央位置のMレンジと、後方位置の−レンジの計3つのシフトレンジが設定されている。
また、前側のセレクト路81dは、前記Nsレンジと前記Nレンジとをセレクト方向に連絡している。前側のセレクト路81dは、「NレンジとRレンジとの間においてDレンジ側シフト路81bとPレンジ側シフト路81aとをセレクト方向に連絡するセレクト路」に相当している。なお、前側のセレクト路81dを、「Nレンジ側セレクト路」という。
また、後側のセレクト路81eは、Dレンジ側シフト路81bのDレンジとM/T用シフト路81cのMレンジとをセレクト方向(図38において左右方向)に連絡している。なお、後側のセレクト路81eを、「Dレンジ側セレクト路」という。
また、前記ゲート部81の口縁部は、シフトレバー体60のレバー軸部110のガイド部128をシフト方向及びセレクト方向にガイドするとともに、そのレバー軸部110のシフト方向及びセレクト方向の傾動を規制する機能を有している。とくに、Dレンジ側シフト路81bの前端部には、DレンジからNレンジへシフト操作されるレバー軸部110のガイド部128が当接可能な第1のストッパ部81fが形成されている。なお、第1のストッパ部81fは、本明細書でいう「N−R用ストッパ部」に相当する。
また、Pレンジ側シフト路81aの後端部には、RレンジからNsレンジへシフト操作されるレバー軸部110のガイド部128が当接可能な第2のストッパ部81hが形成されている。なお、第2のストッパ部81hは、本明細書でいう「R−N用ストッパ部」に相当する。
なお、ゲート部81において、上記の他、シフト操作されたレバー軸部110のガイド部128がゲート部81の口縁部に当接することにより、該レバー軸部110のガイド部128の過剰な傾動が規制されるようになっている。
また、本実施例の場合、ゲート部81は、前にも述べたように、前記ブラケット本体63のゲート枠部76と補助枠77との組合せによって形成されている。そのゲート枠部76と補助枠77とは、前後方向に延びる分割線83において接合される。分割線83は、Pレンジ側シフト路81aの前縁部から前方(図38において上方)へ延びているとともに、M/T用シフト路81cの後縁部から後方(図38において下方)へ延びており、ゲート枠部76のゲート部81側の開口形状と、補助枠77のゲート部81側の開口形状が単純化されている(図21(a)参照。)。
なお、A/T用シフト路81a,81bにおけるシフトレバー体60のシフト操作を、「A/T用シフト操作」という。また、M/T用シフト路81cにおけるシフトレバー体60のシフト操作を、「M/T用シフト操作」という。
図21(a)に示すように、前記基板部70の左側面の中央部には、球受シート部87が形成されている。球受シート部87は、左右方向に伸びる直線(「シフト軸線」という。)SA上にほぼ円筒状に形成されている。図20に示すように、球受シート部87は、基板部70の左側面上に形成されかつ左方に開口するほぼカップ状の球受部88と、その球受部88の外周部から左方へ向けて延出された前後一対の連結部89とを有している。球受部88内には、所定の内径のほぼ半球面状のシート面90が形成されている。シート面90の軸心部には、その軸心部から下方へ延びる長円形状の長孔91が形成されている(図19参照。)。また、図21(a)に示すように、両連結部89は、断面円弧状をなす帯片状でかつ前後対称状に形成されている。さらに、両連結部89の先端部の中央部には、径方向外方へフランジ状に突出する前後の円弧板状の係合凸部93が点対称状に形成されている。なお、球受シート部87及び球受シート部87は、本明細書でいう「シート部材」に相当する。
また、前記ブラケット本体63の前側上端部には、板バネ材からなるディテントスプリング191の一端部すなわち上端部がネジ192により固定されている(図18参照。)。ディテントスプリング192の自由端部すなわち下端部には、後述するコントロールレバー66のA/T用節度波形部108に弾性的にかつ摺動可能に係合する係合部191aが形成されている。なお、ディテントスプリング191の係合部191aは、後述するシフトレバー体60のA/T用シフト操作時のコントロールレバー66とともに回動するコントロールレバー66のA/T用節度波形部108を相対的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に段階的な節度感を与える。
次に、コントロールレバー66を説明する。図22はコントロールレバー66を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。
コントロールレバー66は、例えば樹脂製で、中空円筒状に形成されたレバー筒部95と、そのレバー筒部95の前側へ突出するケーブル連結部96(図22(b)参照。)とを有している。レバー筒部95の中空孔は、前記ブラケット本体63の球受シート部87に嵌合可能な軸孔97として形成されている(図20参照。)。図22(a)に示すように、レバー筒部95の左端部には、段差面98を介して口径を大きくする大径孔部99が形成されている。軸孔97には、ブラケット本体63の球受シート部87に嵌合するに際して、該球受シート部87の係合凸部93の軸方向の通過を案内する前後一対の取付用案内溝100が形成されている。両取付用案内溝100は、ブラケット本体63の球受シート部87に対するコントロールレバー66の組付完了位置において、両連結部89の係合凸部93に対して所定角度ずらした位置(例えば、レバー筒部95の左方から見て左回り方向へ所定角度ずらした位置)に形成されている。このため、両連結部89の両係合凸部93に両取付用案内溝100を合致させた状態で、ブラケット本体63の球受シート部87にレバー筒部95の軸孔97を嵌合した後に、コントロールレバー66を左回り方向の組付完了位置へ回動することにより、両係合凸部93に対する両取付用案内溝100の位相がずれる。これにより、球受シート部87上にレバー筒部95を回動可能にかつ抜け止め状態で支持可能になっている。
図22(a)に示すように、前記レバー筒部95には、左方に開口する上下一対の凹溝部102,103が形成されている。下側の凹溝部103の中央部には連動溝104が形成されている。図29(a),(b)に示すように、下側の凹溝部103は、後述するシフトレバー体60の係合軸部135に対応している。そして、シフトレバー体60のMレンジからDレンジへのセレクト操作時には、係合軸部135が連動溝104内に係合する(図29(a)参照。)。これにより、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、コントロールレバー66がシフトレバー体60と一体的に回動される。このとき、連動溝104の底面に係合軸部135が当接又は近接することにより、コントロールレバー66が前記ブラケット本体63の基板部70に近接又は当接する状態に保持される。また、シフトレバー体60のDレンジからMレンジへのセレクト操作時には、係合軸部135が凹溝部103に移動する、すなわち連動溝104に対する係合が解除される(図29(b)参照。)。これにより、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、係合軸部135が凹溝部103内を空振りする(図29(b)中、二点鎖線135参照。)。
また、前記上側の凹溝部102は、後述するシフトレバー体60の逃がし溝である(図19参照。)。
図22(b)に示すように、前記ケーブル連結部96の先端部の一側面、例えば右側面には、連結ピン106が突出されている、連結ピン106には、図示しない自動変速機のコントロールケーブルのインナケーブルの一方の端末部が回動可能に連結される。なお、コントロールケーブルは、アウタケーブル内にプッシュプル式のインナケーブルが挿通されてなるプッシュプルケーブルであって、本シフトレバー装置と図示しない自動変速機との間に敷設されている。インナケーブルの他方の端末部は、自動変速機の変速レバー(図示しない。)に接続される。また、アウタケーブルの一方の端末部は後述するケーブルエンドブラケット68(図27参照。)に接続され、その他方の端末部は自動変速機のハウジングのケーブルエンド取付部に接続される。
図22(a)に示すように、前記ケーブル連結部96の左側面には、前記シフト軸線SAを中心とするほぼ扇形板状の節度波形板部107が形成されている。節度波形板部107の外周部には、周方向に凹凸を繰り返す波形状のA/T用節度波形部108が形成されている。節度波形部108には、前記ブラケット本体63に設けられたディテントスプリング191が弾性的にかつ摺動可能に当接される(図18参照。)。シフトレバー体60のA/T用シフト操作時のコントロールレバー66の回動にともなって、A/T用節度波形部108上をディテントスプリング191が相対的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に段階的な節度感が与えられる。
次に、シフトレバー体60を説明する。図23はシフトレバー体60を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。なお、図23(a),(b)において後述するノブ116(図16及び図17参照。)は省略されている。
シフトレバー体60は、その主体をなすレバー軸部110と、レバー軸部110の中央下部に設けられた球状部112と、レバー軸部110の中央上部に設けたカバー部材114と、レバー軸部110の下端部に設けられた係合部材115と、レバー軸部110内に配置されたディテントロッド118と、レバー軸部110の上端部に設けられたノブ116及びボタン117(図16及び図17参照。)等を備えている。
図23(a),(b)に示すように、前記レバー軸部110は、例えば金属製で、断面円形状の中空パイプ材により形成されている。
また、前記球状部112は、例えば樹脂製で、ほぼ球状に形成されている。図20に示すように、球状部112に縦方向に貫設されたレバー軸用挿入孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110が圧入もしくは密に挿入されている。球状部112とレバー軸部110とは、前記シフト軸線SA上に位置する左右の各スプリングピン121によって一体化されている。また、球状部112とレバー軸部110とは、スプリングピン121に代えて、インサート成形によって一体化することができる。なお、シフト軸線SAは、レバー軸部110のレバー軸線60L(図23(a)参照。)に直交しかつ球状部112の中心112cを通る直線に相当する(図20参照。)。
図20に示すように、前記球状部112の一側部すなわち右側部は、前記ブラケット本体63の球受シート部87のシート面90内に摺動可能に嵌合される。また、球状部112の他側部すなわち左側部は、後述する球受シート67の球受シート部147のシート面150内に摺動可能に嵌合される。これにより、シフトレバー体60は、前記ベースブラケット62に対してどの方向にも回動可能、詳しくはシフト方向及びセレクト方向へ回動可能に支持されている。このとき、球状部112は、その中心112cを回動中心として回動する。なお、球状部112及びブラケット本体63の球受シート部87並びに後述する球受シート67により、球継手123が構成されている。
図23(a),(b)に示すように、前記球状部112の両側面には、前記シフト軸線SA上に位置する円筒状の左右の両係合突起125が突出されている。右側の係合突起125は、前記ブラケット本体63の球受シート部87におけるシート面90の長孔91(図21(a)参照。)内に係合され、また、その左側の係合突起125は後述する球受シート67(図24(a),(b)参照。)におけるシート面150の長孔151内に係合される。これにより、シフトレバー体60のセレクト操作にともなう球状部112の係合突起125の傾動を案内しながらも、レバー軸線60L(図19参照。)を中心とするシフトレバー体60の軸回り方向の不要な回動を規制することができる。
図23(a),(b)に示すように、前記カバー部材114は、例えば樹脂製で、前記球状部112の回動中心112c(図19参照。)を中心とする円弧形板状のカバー板部127と、カバー板部127の下側に一体形成あるいは嵌合されたほぼ四角形ブロック状のガイド部128と、カバー板部127の上側に一体形成されたほぼ円筒状の筒状部134とを有している。カバー板部127及びガイド部128並びに筒状部134を縦方向に貫通するレバー軸用挿入孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110が圧入もしくは密に挿入されている。ガイド部128とレバー軸部110とは、前記レバー軸線60Lに直交するスプリングピン131によって一体化されている。また、ガイド部128とレバー軸部110とは、インサート成形によって一体化することができる。
図19に示すように、前記カバー板部127は、前記ゲート枠部76及び前記補助枠77上を覆うように配置される。カバー板部127は、前記シフトレバー体60のシフト操作及びセレクト操作にともなって、ゲート枠部76及び補助枠77上に沿って移動する。
また、前記ガイド部128は、前記ゲート部81内に配置されており、該ゲート部81に沿ってシフト方向及びセレクト方向にガイドされる。
また、前記レバー軸部110におけるガイド部128の下側に隣設する軸部133は、前記コントロールレバー66(図22(a)参照。)の上側の凹溝部102内に配置される。軸部133は、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時において上側の凹溝部102の底面に近接または当接する状態で、コントロールレバー66を追従回動させることなく、該凹溝部102内を空振りする。
また、前記筒状部134は、後述するインジケータパネル193(図17参照。)のゲート部196内に配置されており、該ゲート部196内をシフト方向及びセレクト方向に移動可能になっている。
図23(a),(b)に示すように、前記係合部材115は、例えば樹脂製で、ほぼ筒状の係合軸部135と、その係合軸部135の後側に突出するプランジャホルダ部136とを有している。係合軸部135の縦方向に貫通する中空孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110の下部が圧入もしくは密に挿入されている。係合部材115とレバー軸部110とは、前記レバー軸線60Lに直交するスプリングピン139によって一体化されている。また、係合部材115とレバー軸部110とは、インサート成形によって一体化することができる。
また、プランジャホルダ部136は、前記球状部112の回動中心112cに交差しかつ後下方へ延びる直線136L上において下方を開口する有底円筒状に形成されている。プランジャホルダ部136内には、その軸方向に移動可能なM/T用プランジャ141、及び、そのプランジャを常に下方へ付勢するプランジャスプリング(図示しない。)が組込まれている。M/T用プランジャ141の下端部すなわち先端部は、プランジャスプリングの付勢力をもって、後述するケーブルエンドブラケット68(図27参照。)のガイド溝部185、セレクト用節度波形部188、M/T用波形部184に対して摺動可能に当接される。これにより、前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、M/T用プランジャ141がガイド溝部185に沿って摺動する。また、シフトレバー体60のセレクト操作時には、M/T用プランジャ141がセレクト用節度波形部188を乗り越えることによりシフトレバー体60に節度感が与えられる。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、M/T用プランジャ141がM/T用波形部184を摺動することにより、シフトレバー体60にプランジャスプリングの付勢力をもってMレンジへ戻す力が付与される。
前記係合軸部135は、前にも述べたように、前記コントロールレバー66の下側の凹溝部103又は連動溝104内に選択的に係合される(図29(a),(b)参照。)。すなわち、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時においては、係合軸部135が前記連動溝104内に係合する(図29(a)参照。)。これにより、シフトレバー体60と一体的にコントロールレバー66が回動されるとともに、コントロールレバー66の左方への位置ずれが抑制される。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時においては、連動溝104から下側の凹溝部103に移動した状態(すなわち、連動溝104に対する係合を解除した状態)で、該凹溝部103内を空振りする(図29(b)参照。)。
図17に示すように、前記ノブ116は、例えば樹脂製で、レバー軸部110の上端部にねじ止め等によって装着されている。このノブ116は、後述するカバー部材114から上方へ突出するレバー軸部110の露出部分を隠蔽するように形成されている。
また、前記ボタン117は、例えば樹脂製で、ノブ116の一側面(例えば、右側面)に押込み操作可能に組込まれている。ボタン117は、ノブ116内に組込まれているボタン用スプリング(図示しない。)により反押込方向すなわち突出方向(図17において右方)へ付勢されている。
図23(a),(b)に示すように、前記ディテントロッド118は、例えば樹脂製で、前記レバー軸部110内に軸方向に移動可能にかつスプリング(図示しない。)により下方へ付勢された状態で組込まれている。ディテントロッド118の下端部は、前記レバー軸部110の下端面より突出されており、後述するケーブルエンドブラケット68(図27参照。)のA/T用ディテント部186に係合可能なディテント係合部142が形成されている。ディテント係合部142は、前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時において、A/T用ディテント部186上に位置する(図18参照。)。これにより、ディテント係合部142がA/T用ディテント部186の複数の段部(符号省略。)のうちのいずれかの段部に係合することにより、シフトレバー体60の所定のシフト操作が規制される。なお、図23(b)に示すように、ディテント係合部142の右側面には、シフトレバー体60のP位置検出用検知ピン143が突出されている。P位置検出用検知ピン143は、シフトレバー体60のPレンジにあるときにおいて、ベースブラケット62に配設されたP位置検出用センサ(図示しない。)によって検知されるようになっている。
前記ディテントロッド118(図23(a)参照。)の上端部は、前記ボタン117(図17参照。)に対してカム機構(図示しない。)を介して連繋されている。これにより、ボタン117の押込み操作により、ディテントロッド118が前記ディテントスプリングの付勢に抗して上動されるようになっている。そして、ボタン117を押込み操作したときには、ディテントロッド118がスプリング(図示しない。)の弾性に抗して上動されることにより、後述するケーブルエンドブラケット68(図27参照。)のA/T用ディテント部186に対する係合が解除される。これにより、シフトレバー体60の所定のシフト操作の規制が解除されて、シフトレバー体60のシフト操作が可能になる。
前記シフトレバー体60がDレンジ(図38参照。)からMレンジへセレクト操作されたときは、ディテント係合部142が後述するケーブルエンドブラケット68(図27参照。)のA/T用ディテント部186上から側方へ外れた位置となる。これにより、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、ディテント係合部142が空振りする(図19参照。)。また、逆に、シフトレバー体60がMレンジ(図38参照。)からDレンジへセレクト操作されたときは、前に述べたように、ディテント係合部142がA/T用ディテント部186上に位置する(図18参照。)。
なお、ディテントロッド118、ディテントロッド用スプリング(図示しない。)、ボタン117、ボタン用スプリング(図示しない。)、及び、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186等によって、本明細書でいう「ディテント機構」が構成されている。
次に、球受シート67を説明する。図24は球受シート67を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。球受シート67は、例えば樹脂製で、ほぼ円板状の基板部146と、その基板部146の右側面に同一軸線上に形成された球受シート部147とを有している。球受シート部147は、右方に開口するほぼカップ状の球受部148と、その球受部148の外周部から右方へ向けて延出された前後一対の連結部149とを有している。図24(b)に示すように、球受部148内には、所定の内径のほぼ半球面状のシート面150が形成されている。なお、球受シート67のシート面150と前記ブラケット本体63のシート面90(図21(a)参照。)とは、相互の協働によってほぼ球面状のシート面(符号省略。)を形成する。
前記両連結部149は、前記ブラケット本体63の連結部89内に嵌合される。
また、図24(b)に示すように、前記シート面150の軸心部には、その軸心部から上方へ延びる長円形状の長孔151が形成されている。また、両連結部149は、断面円弧状をなす帯片状でかつ前後対称状に形成されている。さらに、基板部146の外周部には、径方向外方へフランジ状に突出する上下の円弧板状の回り止め凸部156が点対称状に形成されている。両回り止め凸部156は、前記ブラケット本体63(図21(a)参照。)の両連結部89の先端部における周方向の相互間に嵌合されることにより、該ブラケット本体63に対して回り止めされる。
次に、カバープレート64を説明する。図25はカバープレート64を左方から見た斜視図である。カバープレート64は、例えば鉄板製で、ほぼ円形板状に形成されている。カバープレート64には、周方向に延びる円弧状をなす前後一対の係合孔158が、前記シフト軸線SAを中心として点対称状に形成されている。両係合孔158は、径方向の開口幅を大きくする挿通溝部159と、その挿通溝部159の一端側(左方から見て右回り方向の端部)の内周部に連続しかつ径方向の開口幅を小さくする嵌合溝部160とを有している。挿通溝部159は、前記ブラケット本体63(図21(a)参照。)の球受シート部87における係合凸部93を含む両連結部89に対して、その左方から相対的に挿通可能に形成されている。また、嵌合溝部160は、前記両連結部89の先端部に周方向に嵌合可能に形成されている。
このため、両係合孔158の挿通溝部159に対して両連結部89の係合凸部93を相対的に挿通した状態で、カバープレート64をその左から見て左回り方向へ回動すると、両連結部89の先端部に対して両係合孔158の嵌合溝部160が周方向に嵌合する。これにより、両連結部89の係合凸部93に両係合孔158の嵌合溝部160の外側口縁部が面することにより、ブラケット本体63の球受シート部87にカバープレート64が抜け止めされる。このとき、カバープレート64は、その組付けに先立って、前記ブラケット本体63(図21(a)参照。)の球受シート部87に組付けられた前記補助枠77(図21(a)参照。)、前記コントロールレバー66(図22(a)参照。)のレバー筒部95、前記球受シート67(図24(a)参照。)の基板部146に対して面接触する。なお、補助枠77、コントロールレバー66、球受シート67等の組付けについては後で説明する。
これにより、ブラケット本体63とカバープレート64との間に、コントロールレバー66、シフトレバー体60の球状部112、球受シート67が挟持されるようになっている。なお、カバープレート64の係合孔158と、ブラケット本体63の球受シート部87の係合凸部93とにより、本明細書でいう「係合手段」が構成されている。
図25に示すように、前記カバープレート64には、前後のねじ挿通孔162が形成されている。両ねじ挿通孔162は、後述する連結ボルト164(図26参照。)のねじ軸部168を挿通可能に形成されている。
また、図15に示すように、前記ブラケット本体63(補助枠77を含む。)とカバープレート64とは、前後2本の連結ボルト164と2個のナット165とによる締着によって締結される。
図26は連結ボルト164を右方から見た斜視図である。連結ボルト164は、ボルト軸部166と、ボルト軸部166の一端部すなわち右端部に形成された六角形状の頭部167と、ボルト軸部166の他端部すなわち左端部に形成されたねじ軸部168とを有している。また、ねじ軸部168の先端面すなわち左端面に、左側の係止軸部171が形成されている。また、頭部167の右端面には円柱状の座部170が形成され、さらに座部170の右端面に右側の係止軸部172が形成されている。なお、ボルト軸部166、頭部167、ねじ軸部168、座部170及び両係止軸部171,172は、同一軸線上に形成されている。
前記ボルト軸部166は、前記ブラケット本体63(補助枠77を含む。)のボルト挿通孔78(図21(a)参照。)内に挿通可能に形成されている。また、頭部167は、前記回り止め溝79に回り止め状態で嵌合可能にかつボルト挿通孔78を通過不能に形成されている。また、ねじ軸部168は、ボルト軸部166より小径をなしており、前記カバープレート64のねじ挿通孔162(図25参照。)内に挿通可能に形成されている。ねじ軸部168には、前記ナット165が螺合可能に形成されている。そして、連結ボルト164のボルト軸部166をブラケット本体63(補助枠77を含む。)のボルト挿通孔78に挿通し、ねじ軸部168をカバープレート64のねじ挿通孔162に挿通した状態で、ねじ軸部168に前記ナット165を締結する(図30参照。)。これにより、頭部167とナット165との間に、ブラケット本体63及びカバープレート64が締着される。また、両係止軸部172,171は、同一軸径で形成されかつねじ軸部168よりも小径をなしている。頭部167は、ブラケット本体63の回り止め溝79に嵌合することにより回り止めされる。
次に、ケーブルエンドブラケット68を説明する。図27はケーブルエンドブラケット68を右方から見た斜視図である。ケーブルエンドブラケット68は、例えば樹脂製で、基板部175と、その基板部175の上縁部を除いた外周縁部から右方へ突出する周壁部176とを有している。基板部175の左側面には、適数個(例えば、前後2個。)の取付片177が一体形成されている。取付片177は、前記ブラケット本体63の取付片72(図21(b)参照。)と同様に、図示しない車両のインストルメントパネル内における車体側部材に対して取付用ボルトにより締着可能に形成されている。
前記周壁部176の前後両端縁部には、断面T字溝状で左右方向に延びる前後一対の嵌合溝180が前後対称状に形成されている。両嵌合溝180内には、前記ブラケット本体63の両嵌合凸条74が右から左へスライドさせるようにして嵌合可能になっている(図18及び図31参照。)。両嵌合凸条74と両嵌合溝180との嵌合によって、ケーブルエンドブラケット68をブラケット本体63に一体化することができる。これにより、前記カバープレート64の下半部を含む前記ブラケット本体63の左側開口面が、ケーブルエンドブラケット68によって覆われるとともに、周壁部176の右側開口面がブラケット本体63の下半部によって覆われる(図19参照。)。また、図27に示すように、周壁部176の下端部には、右方に開口する取付溝182を有するケーブルエンド取付部181が形成されている。ケーブルエンド取付部181には、図示しないコントロールケーブルのアウタケーブルの端末部が取付可能になっている。
図27に示すように、前記ケーブルエンドブラケット68の中央部内には、ほぼ水平状の台壁部183が形成されている。台壁部183の上面には、その左から右方へ並ぶM/T用波形部184、ガイド溝部185、A/T用ディテント部186が形成されている。M/T用波形部184は、前記シフトレバー体60のM/T用シフト操作時において摺動するシフトレバー体60のM/T用プランジャ141(図23(a)参照。)に、プランジャスプリング(図示しない。)の付勢力を利用してシフトレバー体60をMレンジへ戻す力を発生する断面V字溝状でほぼV字型をなす波形をもって形成されている。また、ガイド溝部185は、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時において、前記M/T用プランジャ141を案内するV字溝状に形成されている。また、ガイド溝部185には、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時における前記ディテントロッド118のディテント係合部142(図23(a)参照。)を、空振り可能に受け入れるための逃げ溝部187が形成されている。また、M/T用波形部184とガイド溝部185(詳しくは、逃げ溝部187)との間には、シフトレバー体60のセレクト操作時において、M/T用プランジャ141がプランジャスプリング(図示しない。)の弾性復元力を利用して、乗り越えることにより、シフトレバー体60に節度感を与える波形を有するセレクト用節度波形部188が形成されている。
前記A/T用ディテント部186は、前記ディテントロッド118のディテント係合部142(図23(a)参照。)が係合することにより、A/T用シフト操作時におけるシフトレバー体60のシフト操作を規制する段部を有する凹凸形状をもって形成されている。A/T用ディテント部186は、ディテント係合部142の係合により、シフトレバー体60のPレンジからRレンジへのシフト操作、NレンジからRレンジへのシフト操作、RレンジからPレンジへのシフト操作を規制する。また、前記ボタン117(図17参照。)の押込み操作により、ディテントロッド118がスプリング(図示しない。)の弾性に抗して上動されたときには、A/T用ディテント部186に対するディテント係合部142の係合が解除される。すなわち、前記シフト操作の規制が解除されることによって、シフトレバー体60のシフト操作が可能になる。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、前に述べたように、ディテント係合部142が逃げ溝部187内を空振りする。
なお、前記シフトレバー装置は、図示しない車両のインストルメントパネルに形成されたインジケータパネル取付孔内に配置されるインジケータパネル193を備えている(図15参照。)。図19に示すように、インジケータパネル193は、例えば樹脂製で、前記ブラケット本体63のゲート枠部76及び補助枠77の上面を覆うように形成されたパネル部194と、その周囲を取り囲むように形成された縁取部195とを有している。図17に示すように、パネル部194には、前記ゲート部81に対応するゲート部196が形成されている。ゲート部196には、前記シフトレバー体60のカバー部材114の筒状部134がシフト方向及びセレクト方向に移動可能に嵌合される。また、パネル部194には、前記シフトレバー体60のシフト操作位置に対応するP,R,N,D,M,+,−を表記するインジケータ表示部197が設けられている。
また、ゲート部196は、一般的なシーケンシャル式のシフトパターンに準じる形状に形成されている(図17参照。)。しかし、ゲート部196は、前記ブラケット本体63のゲート部81に沿ってシフト操作及びセレクト操作される前記シフトレバー60のカバー部材114の筒状部134の移動を許容するように形成されている。
図28はインジケータパネル193を下方から見た斜視図である。前記縁取部195には、下方へ突出する左右2本で前後2組の取付脚片198が形成されている。各組の取付脚片198の先端部すなわち下端部には、同一軸線上に位置しかつ左右方向に貫通する取付孔199が形成されている。図30に示すように、各組の取付孔199は、各取付脚片198の弾性変形いわゆる開脚方向の撓み変形(図30中、二点鎖線198参照。)を利用して、前記連結ボルト164の両係止軸部171,172に嵌合可能に形成されている。インジケータパネル193は、両取付脚片198の各取付孔199を連結ボルト164の両係止軸部171,172に嵌合することによって、ブラケット本体63に装着されるようになっている。このとき、左側の取付脚片198が連結ボルト164のねじ軸部168の端面に当接し、右側の取付脚片198が連結ボルト164の座部170の端面に当接する。
次に、上記シフトレバー装置の構成部品の組付手順の一例について説明する。
(1)図32に示すように、ブラケット本体63の球受シート部87に対して、その左方(図32において紙面表方)から、コントロールレバー66の軸孔97(図22(a)参照。)を嵌合する(図33参照。)。このとき、球受シート部87の両連結部89の係合凸部93に、レバー筒部95の両取付用案内溝100(図22(a),(b)参照。)を嵌合させる。この状態(図33中、二点鎖線66参照。)で、コントロールレバー66をその左から見て左回り方向(図33中、矢印Y1参照。)へ回動し、連結部89の両係合凸部93に対する両取付用案内溝100の位相をずらす。これとともに、両連結部89の周方向の相互間の開口部分に、レバー筒部95の上下の両凹溝部102,103がほぼ対応する。
(2)次に、ブラケット本体63の球受シート部87の球受部88内に、その左方(図33において紙面表方)から、シフトレバー体60の球状部112を嵌合する(図34参照。)。このとき、シフトレバー体60のガイド部128を、ブラケット本体63のゲート枠部76のゲート部81内に位置する。また、シフトレバー体60の軸部133を、コントロールレバー66の上側の凹溝部102内に位置させるとともに、カバー部材114のカバー板部127をブラケット本体63のゲート枠部76上に配置する。また、シフトレバー体60のレバー軸部110を、球受シート部87の両連結部89の周方向の相互間の開口部内に位置させる。また、シフトレバー体60の係合部材115の係合軸部135を、コントロールレバー66の下側の凹溝部103内に位置させる。また、シフトレバー体60の球状部112の右側の係合突起125を、球受シート部87のシート面90の長孔91内に係入させる(図19参照。)。
(3)次に、シフトレバー体60の球状部112に、その左方(図34において紙面表方)から、球受シート67の球受シート部147の球受部148(図24(a),(b)参照。)を嵌合する(図35参照。)。このとき、球受シート部147の両連結部149の周方向の相互間の開口部内に、シフトレバー体60のレバー軸部110を相対的に位置させる。また、球受シート67の両連結部149がレバー筒部95の大径孔部99(図22(a)参照。)内に相対的に回動可能に嵌合されることにより、コントロールレバー66が抜け止めされる。また、球受シート67の両回り止め凸部156を、ブラケット本体63の両連結部89の先端部における周方向の相互間に嵌合する。これにより、球受シート67がブラケット本体63に対して回り止めされる。また、シフトレバー体60の球状部112の左側の係合突起125に、球受シート67の長孔151を嵌合させる(図19参照。)。
そして、ブラケット本体63のゲート枠部76(図34参照。)に、その左方(図34において紙面表方)から、補助枠77を宛がう(図35参照。)。
(4)次に、前記ブラケット本体63の球受シート部87に、その左方(図35において紙面表方)から、カバープレート64を重ねる(図36参照。)。このとき、球受シート部87の両連結部89の係合凸部93に、カバープレート64の両係合孔158の挿通溝部159を嵌合する。この状態で、コントロールレバー66を左から見て左回り方向へ回動し、球受シート部87の連結部89の両係合凸部93に対する両挿通溝部159の位相をずらすとともに、カバープレート64の両係合孔158の嵌合溝部160を球受シート部87の両連結部89の先端部に嵌合させる。これにより、球受シート部87の連結部89の両係合凸部93にカバープレート64の両係合孔158の嵌合溝部160が係合するため、球受シート部87にカバープレート64が抜け止めされた状態に装着される。また、カバープレート64が球受シート67を抜け止めすることにより、シフトレバー体60の球状部112がブラケット本体63の球受シート部87のシート面90と球受シート67の球受シート部147のシート面150との間に摺動可能に挟持される(図19及び図20参照。)。これとともに、ブラケット本体63(補助枠77を含む。)の両ボルト挿通孔78に、カバープレート64の両ねじ挿通孔162が整合する(図30参照。)。
(5)次に、ブラケット本体63の右方から両連結ボルト164のボルト軸部166をブラケット本体63(補助枠77を含む。)の両ボルト挿通孔78に挿通し、ねじ軸部168をカバープレート64のねじ挿通孔162にそれぞれ挿通する。そして、両ねじ軸部168にナット165をそれぞれ締結することにより、ナット165と頭部167との間においてブラケット本体63とカバープレート64が締着される(図30及び図36参照。)。
(5)次に、ブラケット本体63の両嵌合凸条74に、その左方(図36において紙面表方)から、ケーブルエンドブラケット68の両嵌合溝180を相対的にスライドさせるようにして嵌合する(図37参照。)。これによって、ブラケット本体63にケーブルエンドブラケット68が一体化される。これとともに、シフトレバー体60のM/T用プランジャ141がケーブルエンドブラケット68のガイド溝部185に対応し、ディテントロッド118のディテント係合部142がケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186に対応する。そして、ディテントスプリング191を、ブラケット本体63に対してコントロールレバー66の節度波形部108に対応するように、ネジ192で固定する。
上記のようにして、シフトレバー装置の構成部品の組付けが完了する。なお、その組付完了後においては、ベースブラケット62にインジケータパネル193が装着される(図17及び図19参照。)。すなわち、インジケータパネル193のゲート部196内に、シフトレバー体60のレバー軸部110を相対的に挿通してカバー部材114の筒状部134を対応させる。そして、インジケータパネル193の各取付脚片198の撓み変形(図30中、二点鎖線198参照。)を利用して、各取付脚片198の取付孔199を連結ボルト164の各係止軸部171,172に係合させる。これにより、インジケータパネル193の組付けが完了する。
その後、シフトレバー体60のレバー軸部110にノブ116、ボタン117等が組付けられることにより、シフトレバー装置が完成する(図16及び図17参照。)。
上記したシフトレバー装置において、ブラケット本体63のゲート部81(図38参照。)のPレンジにあるシフトレバー体60のノブ116(図16参照。)に対して、シフト方向(図38において下方)への操作力を入力したときは、シフトレバー体60が球継手123(図20参照。)を介して回動する。これにより、シフトレバー体60が、Pレンジ側シフト路81aを通じて、Pレンジの後側(図38において下側)のRレンジ、そのRレンジの後側のNsレンジにシフト操作される。続いて、シフトレバー体60を、Nレンジ側セレクト路81dを通じてNsレンジからNレンジへのセレクト操作したときには、シフトレバー体60が球継手123を介して回動すなわちノブ116が右方へ移動する。さらに、シフトレバー体60を、Dレンジ側シフト路81bを通じてNレンジからDレンジへのシフト操作したときには、シフトレバー体60が球継手123を介して回動すなわちノブ116が後方へ移動する。
なお、A/T用シフト操作時においては、必要に応じてノブ116のボタン117(図16参照。)を押込み操作することにより、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186に対するディテントロッド118のディテント係合部142の係合(図18参照。)によるシフト操作の規制を解除する。
前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時は、係合部材115の係合軸部135がコントロールレバー66の連動溝104に係合している(図29(a)参照。)。このため、シフトレバー体60のA/T用シフト操作に回動にともない、コントロールレバー66が一体的に回動する。したがって、コントロールレバー66の回動力が、コントロールケーブル(図示しない。)のインナケーブルを介して車両の自動変速機の変速レバーに伝達されることにより、該自動変速機のシフトレンジが切り替えられる。
また、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、コントロールレバー66の節度波形部108に対して、ブラケット本体63のディテントスプリング191が弾性的に乗り越える(図18参照。)。これにより、シフトレバー体60に段階的な節度感が与えられる。
また、シフトレバー体60をDレンジ(図38参照。)からDレンジ側セレクト路81eを通じてMレンジへセレクト操作したときには、シフトレバー体60が球継手123を介して回動すなわちノブ116が右方へ移動する(図19参照。)。すると、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186に対するディテントロッド118のディテント係合部142の係合が解除され、該ディテント係合部142がベースブラケット62の逃げ溝部187に位置する。これとともに、シフトレバー体60の係合部材115の係合軸部135が、コントロールレバー66の連動溝104から下側の凹溝部103に移動し、連動溝104に対する係合軸部135の係合が解除される(図29(b)参照。)。また、コントロールレバー66の上側の凹溝部102の底面に、シフトレバー体60のガイド部128が当接又は近接することにより、コントロールレバー66の左方への軸移動が規制される。また、ケーブルエンドブラケット68のセレクト用節度波形部188(図27参照。)をM/T用プランジャ141(図23(a)参照。)が弾性的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に節度感が与えられる。
また、シフトレバー体60をMレンジから+レンジにシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段ずつシフトアップされる。また逆に、シフトレバー体60をMレンジから−レンジにシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段ずつシフトダウンされる。ちなみに、ブラケット本体63には、+レンジへのシフトレバー体60のシフト操作を検出するシフトアップスイッチ(図示しない。)が設けられており、そのシフトアップスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトアップされる。さらに、ブラケット本体63には、−レンジへのシフトレバー体60のシフト操作を検出するシフトダウンスイッチ(図示しない。)が設けられており、そのシフトダウンスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトダウンされる。
また、シフトレバー体60のM/Tシフト操作すなわちMレンジから+レンジへのシフト操作、及び、Mレンジから−レンジへのシフト操作においては、シフトレバー体60のM/T用プランジャ141(図23(a)参照。)がケーブルエンドブラケット68のM/T用波形部184(図27参照。)に弾性的に乗り上げ、当該プランジャスプリング(図示しない。)の弾性復元力により、シフトレバー体60にMレンジへ復帰させる力が付与される。このため、M/T用シフト操作時のシフトレバー体60のノブ116に対する操作力を開放すれば、シフトレバー体60がプランジャスプリングの弾性復元力によってMレンジへ復帰される。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、シフトレバー体60のガイド部128がコントロールレバー66の上側の凹溝部102の底面に沿って当接又は近接状態で移動することにより、コントロールレバー66の左方への軸移動が規制される。また、ディテントロッド118のディテント係合部142の係合が解除されるので、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、ディテント係合部142がベースブラケット62の逃げ溝部187内を空振りする。
また、シフトレバー体60をMレンジからDレンジへセレクト操作したときには、シフトレバー体60が球継手123(図19参照。)を介して回動すなわちノブ116が左方へ移動する(図19中、二点鎖線116参照。)。すると、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186にディテントロッド118のディテント係合部142が係合する(図18参照。)。これとともに、シフトレバー体60の係合部材115の係合軸部135が、コントロールレバー66の連動溝104に係合する(図29(a)参照。)。また、シフトレバー体60のDレンジへのセレクト操作にともない、ケーブルエンドブラケット68のセレクト用節度波形部188(図27参照。)をM/T用プランジャ141(図23(a)参照。)が弾性的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に節度感が与えられる。
上記した自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバー体60をNレンジからRレンジへシフト操作するときには、ディテント機構による規制を解除するボタン117のボタン操作、及び、シフトレバー体60のシフト操作に加え、Pレンジ側シフト路81aとDレンジ側シフト路81bとをセレクト方向に連絡するNレンジ側セレクト路81dを通じてのシフトレバー体60のセレクト操作の計3操作が必要となる。
したがって、計3操作のうち、いずれか1つ、あるいは2つの操作では、NレンジからRレンジへ切り替わることができないため、シフトレバー体60のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、従来のリバースインヒビット機構と異なり、車速を検知する必要がなく、電気制御式に構成する必要がないことから、コストを低減することができる。
したがって、シフトレバー体60のNレンジからRレンジへの誤操作を防止するとともに、コストを低減することができる。
また、シフトレバー体60のNレンジからRレンジへのシフト操作にともなうセレクト操作が、NレンジからRレンジを含むPレンジ側シフト路81aへのNレンジ側セレクト路81dを通じてのセレクト操作となる。したがって、Nレンジを含むDレンジ側シフト路81bにおいて、Nレンジが該シフト路81bとNレンジ側セレクト路81dとの屈曲点となる。このため、DレンジからNレンジへのシフト操作において、Nレンジを不用意に超えるシフト操作を回避することができる。
また、シフトレバー体60をNレンジからRレンジへのシフト操作するときにおいて、ゲート部81の第1のストッパ部81fによってシフトレバー体60の直線的なシフト操作が規制される。これにより、ゲート部81に第1のストッパ部81fを設けるといった簡単な構成によって、シフトレバー体60のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、シフトレバー体60をRレンジからNレンジへのシフト操作するときにおいて、ゲート部81の第2のストッパ部81hによってシフトレバー体60の直線的なシフト操作が規制される。これにより、ゲート部81に第2のストッパ部81hを設けるといった簡単な構成によって、シフトレバー体60のNレンジからRレンジへの不用意な誤操作を防止することができる。
また、ベースブラケット62に球継手123(図19参照。)を介して支持されたシフトレバー体60の所定方向の操作により、自動変速機のシフトレンジが切り替えられる。そして、シフトレバー体60を支持する球継手123は、球状のシート面90,150を形成するブラケット本体63の球受シート部87及び球受シート67と、そのシート面90,150にどの方向へも回動可能に支持される球状部112とにより構成されるため、カルダン継手に比べて、部品点数が少なく、構造が簡素化される。したがって、ベースブラケット62に球継手123を介してシフトレバー体60を支持したことにより、部品点数が削減され、構造が簡素化されることから、容易に小型化することができる。
また、シフトレバー体60のDレンジからMレンジへのセレクト操作により、マニュアル操作機能を備えた自動変速機の変速段を手動によりシフトアップ又はシフトダウンさせることができる。
また、ベースブラケット62に球継手123を介してシフトレバー体60が支持されていることにより、部品点数の増加を招くことなく、シフトレバー体60のセレクト操作を容易に実現することができる。
また、ベースブラケット62の上部に設けられたゲート部81によりシフトレバー体60(詳しくは、レバー軸部110)の横方向の傾動が規制される。このため、ゲート部81を利用することにより、シフトレバー体60の横方向の傾動に対する剛性を容易に確保することができる。
また、球継手123において、ブラケット本体63の球受シート部87の長孔91及び球受シート67の長孔151と、それらの長孔91,151に係合された球状部112の両係合突起125とによる回動規制手段により、シフトレバー体60の軸回り方向の回動が規制される。これにより、シフトレバー体60の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減し、シフトレバー体60の操作性を向上することができる。
また、球継手123にブラケット本体63の球受シート部87の長孔91及び球受シート67の長孔151と、それらの長孔91,151に係合された球状部112の両係合突起125とによる回動規制手段を設けることにより、その他の部位に回動規制手段を設ける場合に比べて、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、シフトレバー体60のシフト操作に連動可能に設けられかつ自動変速機に連繋されるコントロールレバー25が、球継手123のセレクト方向の一方側(図19において右側)に隣接した状態で設けられている。これにより、自動変速機用シフトレバー装置をセレクト方向(左右方向)に関して容易に小型化することができる。
また、シフトレバー体60が、そのシフトレバー体60の軸線60Lに交差する一直線方向すなわち左右方向に分割したブラケット本体63及びカバープレート64の組合せによって構成されたベースブラケット62によって、シフト方向及びセレクト方向に操作可能に支持される(図19及び図20参照。)。したがって、ブラケット本体63に対してシフトレバー体60及びカバープレート64を一方向すなわち左方から組付けることができる。このため、シフトレバー装置の構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することができる。
また、ベースブラケット62にシフトレバー体60が球継手123を介してシフト操作及びセレクト操作可能に支持される(図19及び図20参照。)。球継手123は、ベースブラケット62に設けた球受シート部87及び球受シート67と、それら両球受シート(67,87)によって揺動可能に支持されるシフトレバー体60の球状部112とにより構成されている。この球継手123によると、カルダン継手に比べて、部品点数が少なくて済むため、シフトレバー装置の構造の簡素化及び小型化を実現することができる。また、球継手123は、前記実施例3のシーケンシャルシフト式の他、ストレートシフト式のシフトパターンを基本形として構成されたシフトパターン(図9参照。)のストレートシフト式、あるいは、階段状に形成したシフトパターンのゲートシフト式、あるいはゲートシフト式を基本形としたシフトパターン(図14参照。)のシーケンシャルシフト式等のように、ベースブラケット62にシフトレバー体60がシフト操作及びセレクト操作可能に支持されるシフト形式のシフトレバー装置に共通使用することができる。
また、シフトレバー体60のセレクト操作により該シフトレバー体60に連動及びその連動を解除可能でかつ変速機に連繋されたコントロールレバー66が、ベースブラケット62のブラケット本体63の球受シート部87及び球受シート67に対して嵌合によって回動可能に支持されている(図19及び図20参照。)。このため、ベースブラケット62にコントロールレバー66を回動可能に支持するための専用の部品を省略し、シフトレバー装置をコンパクト化することができる。
また、ブラケット本体63に球受シート67が一体化されている(図21(a)参照。)。これにより、部品点数を削減することができる。
また、ブラケット本体63とカバープレート64との相互間に設けた係合手段の係合凸部93と係合孔158とを対向方向に嵌合した状態で相対的に回動させて係合する。これにより、球保持部(球状部112の保持に係る部分が相当する。)における寸法のばらつきはブラケット本体63の寸法と鉄板製のカバープレート64の板厚で決まるので、シフトレバー体60の操作荷重が安定する。更に、ブラケット本体63とカバープレート64とを容易に組付けることができる(図36参照。)。これにより、ねじ止め手段による組付けに比べて、組付け工数を削減し、組付けに要する作業時間を短縮することができる。
また、ブラケット本体63に組付けたケーブルエンドブラケット68によって、変速機のコントロールケーブルにおけるアウタケーブルのケーブルエンドを支持することができる。また、ブラケット本体63に対して異種のケーブルエンドブラケット68を同一の取付構造をもって組付可能とすることにより、シフトレバー装置のブラケット本体63を含む部品の共通化を図ることができる。
また、ブラケット本体63の球受シート部87の長孔91及び球受シート67の長孔151と、それらの長孔91,151に係合されたシフトレバー体60の球状部112の両係合突起125とにより、シフトレバー体60のレバー軸線60Lの軸回り方向の回動を規制する「回動規制手段」が設けられている(図19及び図20参照。)。これにより、シフトレバー体60の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減し、シフトレバー体60の操作性を向上することができる。
また、球継手123を構成するブラケット本体63の球受シート部87及び球受シート67とシフトレバー体60の球状部112との間に、両長孔91,151と両係合突起125とによる回動規制手段を設けることにより、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、シフトレバー体60のA/T用シフト操作に連動可能に設けられかつ自動変速機に連繋されるコントロールレバー66が、球継手123の一側すなわち右側に隣接した状態で設けられている(図19及び図20参照。)。これにより、シフトレバー装置を左右方向に関してコンパクト化することができる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明の自動変速機用シフトレバー装置は、インストルメントパネルに限らず、フロアコンソール等に配置されるシフトレバー装置としても適用することができる。また、前記実施例1では、ベースブラケットを金属板で形成したが、ベースブラケットを樹脂成形品で形成することもできる。また、前記実施例では、ベースブラケットに球継手を介してシフトレバー体をシフト操作及びセレクト操作可能に支持したシフトレバー装置に本発明を適用したが、これに代え、ベースブラケットにカルダン継手を介してシフトレバー体をシフト操作及びセレクト操作可能に支持したシフトレバー装置に本発明を適用することができる。また、シフトレバー体のセレクト操作は、傾動操作に代えて、スライド操作によって行なうように構成することも考えられる。
また、前記実施例では、N−R用ストッパ部を、ゲート部に設けたが、そのストッパ部相当の機能を果たす別部材を設けることができる。また、前記実施例では、R−N用ストッパ部を、ゲート部に設けたが、そのストッパ部相当の機能を果たす別部材を設けることができる。また、前記実施例では、シフトレバー体のレバー軸部をゲート部により所定のシフトパターンに応じてガイドする構成としたが、ベースブラケット側に、シフトレバー体を所定のシフトパターンに応じてガイドする部材を設けることができる。また、前記実施例では、Nレンジの左側にNsレンジを設定したが、Nレンジの右側にNsレンジを設定することができる。また、前記実施例では、Dレンジの右側にMレンジを設定したが、Dレンジの左側にMレンジを設定することができる。また、ゲート部の各シフト路におけるシフトレバー体のシフトストローク、及び、各セレクト路におけるシフトレバー体のセレクトストロークは、適宜変更することができるものであり、前記実施例に限定されるものではない。また、ベースブラケットは、左右方向に分割したベース分割体(ブラケット本体63及びカバープレート64が相当する。)の組合せによって構成するものに限らず、前後方向に分割したベース分割体の組合せによって構成することが考えられる。また、前記実施例では、ブラケット本体に球受シート部を一体形成したが、ブラケット本体と球受シート部とを別体で形成することができる。
本発明の実施例1にかかる自動変速機用シフトレバー装置を示す分解斜視図である。 自動変速機用シフトレバー装置を示す正面図である。 図2のIII−III線矢視断面図である。 図3のIV−IV線矢視断面図である。 図4のV−V線矢視断面図である。 シフトレバー体のレバー軸部を示すもので、(a)は実施例1にかかるレバー軸部の横断面図、(b)は従来例にかかるレバー軸部の横断面図である。 シフトパターンを示す平面図である。 本発明の実施例2にかかる自動変速機用シフトレバー装置を示す分解斜視図である。 シフトパターンを示す平面図である。 本発明の実施例3にかかるシフトパターンを示す平面図である。 本発明の実施例4にかかるシフトパターンを示す平面図である。 従来例のシフトパターンを示す平面図である。 従来例のシフトパターンを示す平面図である。 従来例のシフトパターンを示す平面図である。 本発明の実施例5にかかるシフトレバー装置の分解斜視図である。 シフトレバー装置を示す斜視図である。 シフトレバー装置を示す正面図である。 図17のXVIII−XVIII線矢視断面図である。 図18のXIX−XIX線矢視断面図である。 図19のXX−XX線矢視断面図である。 ブラケット本体を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。 コントロールレバーを示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。 シフトレバー体を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。 球受シートを示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。 カバープレートを左方から見た斜視図である。 連結ボルトを右方から見た斜視図である。 ケーブルエンドブラケットを右方から見た斜視図である。 インジケータパネルを下方から見た斜視図である。 コントロールレバーとホルダ部材との関係を示すもので、(a)はA/Tシフト時における係合状態の平断面図、(b)はM/Tシフト時における係合状態の平断面図である。 ブラケット本体と補助枠材との連結ボルトによる締結状態を示す断面図である。 ブラケット本体とケーブルエンドブラケットとの嵌合部分を示す断面図である。 コントロールレバーの組付前のブラケット本体を示す左側面図である。 コントロールレバーの組付工程を示す左側面図である。 シフトレバー体の組付工程を示す左側面図である。 球受シートの組付工程を示す左側面図である。 カバープレートの組付工程を示す左側面図である。 ケーブルエンドブラケットの組付工程を示す左側面図である。 シフトパターンを示す図である。
符号の説明
13 ゲート部
13a Pレンジ側シフト路
13b Dレンジ側シフト路
13d Nレンジ側セレクト路
13f 第1のストッパ部(N−R用ストッパ部)
13h 第2のストッパ部(R−N用ストッパ部)
30 シフトレバー体
43 ディテント機構
50 ボタン
60 シフトレバー体
81 ゲート部
81a Pレンジ側シフト路
81b Dレンジ側シフト路
81d Nレンジ側セレクト路
81f 第1のストッパ部(N−R用ストッパ部)
81h 第2のストッパ部(R−N用ストッパ部)
113 ゲート部
113a Pレンジ側シフト路
113b Dレンジ側シフト路
113d セレクト路
113f 第1のストッパ部(N−R用ストッパ部)
113h 第2のストッパ部(R−N用ストッパ部)
117 ボタン
313 ゲート部
313a Pレンジ側シフト路
313b Dレンジ側シフト路
313d セレクト路
313f 第1のストッパ部(N−R用ストッパ部)
313h 第2のストッパ部(R−N用ストッパ部)
413 ゲート部
413a Pレンジ側シフト路
413b Dレンジ側シフト路
413d1 後側のセレクト路
413d2 前側のセレクト路
413f 第1のストッパ部(N−R用ストッパ部)
413h 第2のストッパ部(R−N用ストッパ部)
413i 第3のストッパ部(N−R用ストッパ部)
413k 第4のストッパ部(R−N用ストッパ部)

Claims (4)

  1. 自動変速機のシフトレンジを切り替えるシフトレバー体を、シフト操作及びセレクト操作可能に備え、
    前記シフトレバー体のNレンジからRレンジへのシフト操作を規制しかつボタン操作により前記規制を解除したときに前記シフト操作を可能とするディテント機構が設けられ、
    前記Nレンジを含むDレンジ側シフト路と前記Rレンジを含むPレンジ側シフト路とをセレクト方向にずらし、前記Nレンジと前記Rレンジとの間において前記Dレンジ側シフト路と前記Pレンジ側シフト路とをセレクト方向に連絡するセレクト路が設定されている
    ことを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記セレクト路は、前記Nレンジと前記Pレンジ側シフト路とをセレクト方向に連絡していることを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  3. 請求項1又は2に記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記シフトレバー体を所定のシフトパターンに沿ってガイドするゲート部に、前記シフトレバー体のNレンジからRレンジへの直進的なシフト操作を規制するN−R用ストッパ部を設けたことを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記シフトレバー体を所定のシフトパターンに沿ってガイドするゲート部に、前記シフトレバー体のRレンジからNレンジへの直進的なシフト操作を規制するR−N用ストッパ部を設けたことを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。

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JP2013519601A (ja) * 2010-02-12 2013-05-30 ソフ マグネティクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド 永磁式マグネットリフト

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