JP2005297756A - 自動変速機用シフトレバー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易に小型化することのできる自動変速機用シフトレバー装置を提供する。
【解決手段】 自動変速機を備えた車両の車体側部材に固定されるベースブラケット10と、所定方向の操作により前記自動変速機のシフトポジションを切り替えるシフトレバー30とを備える。ベースブラケット10にシフトレバー30の横方向の傾動を規制することによりその横方向の荷重を受け止めるゲート部13を設ける。ベースブラケット10にシフトレバー30が球継手38を介して支持される。シフトレバー30が、シフト方向の寸法に比べてセレクト方向の寸法を短くする断面ほぼ四角形状をなしかつシフト方向に並ぶ2つの中空孔を有するパイプ材からなるレバー軸部32を備える。球継手38に、シフトレバー30の軸回り方向の回動を規制する回動規制手段(レバー受入溝22と規制レバー39)が設けられる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動車等の車両に用いられる自動変速機用シフトレバー装置に関する。
自動変速機用シフトレバー装置として、自動変速機の機能にマニュアル操作機能を加え、運転者が手動により変速段をシフトアップ又はシフトダウンさせることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載された自動変速機用シフトレバー装置は、ベースブラケットに、シフト軸及びセレクト軸を備えるカルダン継手を介してシフトレバーが支持されている。これにより、シフトレバーがシフト軸回りにシフト操作可能でかつセレクト軸回りにセレクト操作可能になっている。
特開平3−89065号公報
前記特許文献1に記載された自動変速機用シフトレバー装置では、シフトレバーをシフト軸及びセレクト軸を備えるカルダン継手を介して支持するものであるため、自ずと部品点数が多くなり、構造が複雑化することから小型化が難しいという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、容易に小型化することのできる自動変速機用シフトレバー装置を提供することにある。
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする自動変速機用シフトレバー装置により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、ベースブラケットに球継手を介して支持されたシフトレバーの所定方向の操作により、自動変速機のシフトポジションが切り替えられる。
そして、シフトレバーを支持する球継手は、球状のシート面を形成するシート部と、そのシート面にどの方向へも回動可能に支持される球状部とにより構成されるため、カルダン継手に比べて、部品点数が少なく、構造が簡素化される。
したがって、ベースブラケットに球継手を介してシフトレバーを支持したことにより、部品点数が削減され、構造が簡素化されることから、容易に小型化することができる。
また、ベースブラケットに設けた傾動規制手段により、シフトレバーの横方向の傾動に対する剛性を確保することができる。
また、特許請求の範囲の請求項2にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバーのマニュアルポジションへのセレクト操作により、マニュアル操作機能を備えた自動変速機の変速段を手動によりシフトアップ又はシフトダウンさせることができる。
また、ベースブラケットに球継手を介してシフトレバーが支持されていることにより、部品点数の増加を招くことなく、シフトレバーのセレクト操作を容易に実現することができる。
また、特許請求の範囲の請求項3にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、ベースブラケットに設けられたゲート部によりシフトレバーの横方向の傾動が規制される。このため、ゲート部を利用することにより、シフトレバーの横方向の傾動に対する剛性を容易に確保することができる。
また、特許請求の範囲の請求項4にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバーに備えるレバー軸部が、シフト方向の寸法に比べてセレクト方向の寸法を短くする断面ほぼ四角形状をなすパイプ材により形成されている。また、シフトレバーの横方向の傾動に対する剛性が傾動規制手段により確保されることによって、シフトレバーのレバー軸部のシフト方向の寸法に比べてセレクト方向の寸法を短くすることができる。このため、従来の一般的な断面円形状のパイプ材により形成されたレバー軸部に比べて、強度をほとんど損なうことなく、セレクト方向の寸法の短い斬新な外観を呈するレバー軸部によって、シフトレバーの意匠性を高めることができる。
また、前記レバー軸部が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔を利用して、ディテント機構にかかるディテントロッド、オーバドライブ用スイッチにかかる電線等を体裁良く収めることができる。例えば、従来の断面円形状のパイプ材により形成されたレバー軸部の場合、パイプ材の中空孔内に前記ディテントロッドを収める一方、レバー軸部の外側に沿って前記電線を配線し、その電線を保護するための樹脂製のホルダ部材をレバー軸部に二重管状に設けているのが一般的である。これに対し、レバー軸部が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔を利用すれば、前記したホルダ部材を用いることなく、レバー軸部に前記したディテントロッド、電線等を体裁良く収めることができる。
また、特許請求の範囲の請求項5にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、球継手に設けた回動規制手段により、シフトレバーの軸回り方向の回動が規制される。これにより、シフトレバーの軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減し、シフトレバーの操作性を向上することができる。
また、球継手に回動規制手段を設けることにより、その他の部位に回動規制手段を設ける場合に比べて、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、特許請求の範囲の請求項6にかかる自動変速機用シフトレバー装置によると、シフトレバーのシフト操作に連動可能に設けられかつ自動変速機に連繋されるコントロールレバーが、球継手のセレクト方向の一方側に隣接した状態で設けられている。これにより、自動変速機用シフトレバー装置をセレクト方向に容易に小型化することができる。
本発明の自動変速機用シフトレバー装置によれば、ベースブラケットに球継手を介してシフトレバーを支持したことにより、部品点数が削減され、構造が簡素化されることから、容易に小型化することができる。
また、ベースブラケットに設けた傾動規制手段により、シフトレバーの横方向の傾動に対する剛性を確保することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
本発明の実施例1について説明する。本実施例では、車両のインストルメントパネルに組込まれる形式で、手動により変速段をシフトアップあるいはシフトダウンさせることができるマニュアル操作機能を備えた自動変速機用シフトレバー装置について説明する。
図1に示すように、自動変速機用シフトレバー装置は、ベースブラケット10を備えている。ベースブラケット10は、金属板をほぼ逆U字状に折り曲げて形成されており、相互にほぼ平行をなす左右一対の側板部10aと、その両側板部10aの上端部の間に連設された上板部10bを備えている。また、両側板部10aの下端部には、相反方向へ折り曲げられた固定片10cがそれぞれ形成されている。ベースブラケット10は、図示しない自動変速機を備えた車両のインストルメントパネル内において、車体側部材(図示省略)に両固定片10cがねじにより締着されることにより固定されるようになっている。なお、説明の都合上、自動変速機用シフトレバー装置の前後は車両の前後に準じ、また、自動変速機用シフトレバー装置の左右は、車両のインストルメントパネルに面する左右に準じるものとする。
図2に示すように、前記ベースブラケット10の上板部10b上には、シフトレバーガイドハウジング12が装着されている。なお、図4では、シフトレバーガイドハウジング12が省略されている。
図1に示すように、ベースブラケット10の上部すなわち上板部10b及びシフトレバーガイドハウジング12には、シフトレバー30(後述する)がシフト方向及びセレクト方向に移動可能に挿通される孔形状のゲート部13(上板部10b及びシフトレバーガイドハウジング12に共通符号を付す。)が形成されている。ゲート部13は、シフトレバー30のレバー軸部32(後述する)の横方向の傾動を規制し、そのシフトレバー30の横方向(左右方向)の荷重を受け止めるもので、本明細書でいう「傾動規制手段」に相当する。なお、シフト方向は車両前後方向に相当し、また、セレクト方向は車両左右方向すなわち横方向に相当する。
前記ゲート部13は、前記自動変速機のシフトパターンに順じて形成されている。すなわち、図7に示すように、ゲート部13は、自動変速用(A/T用)シフト路13aと、手動変速用(M/T用)シフト路13bと、両シフト路13a,13bをセレクト方向に連絡するセレクト路13cとを備えている。A/T用シフト路13aでは、「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」の各シフトポジジョンがシフト方向に並んでいる。また、M/T用シフト路13bでは、「+(プラス)」、「M(マニュアル)」、「−(マイナス)」の各シフトポジジョンがシフト方向に並んでいる。
図1に示すように、前記ベースブラケット10の両側板部10aの上部には、左右のディテント孔14が左右対称状に形成されている。
図2に示すように、前記ベースブラケット10の両側板部10aの相互間には、右側(図2において右側)のシート部材16及び左側(図2において左側)のシート部材17が固定されている。両シート部材16,17は、前後一対の固定ボルト18・ナット19(図1参照)により両側板部10aに締着されることにより固定されている。
図4に示すように、両シート部材16,17には、ほぼ半球面状のシート半面20がそれぞれ形成されている。両シート部材16,17のシート半面20は、協働によりほぼ球面状のシート面20(同一符号を付す。)を形成している。
図1に示すように、右側(図1において右側)のシート部材16の中央部には、ほぼU字状のレバー受入溝22が形成されている。また、右側のシート部材16の右側面(外側面)には、前記ボルト18がそれぞれ挿通される前後一対のボス部16aと、そのボス部16aの間において前記レバー受入溝22を形成する溝壁16bが突出されている。このボス部16a及び溝壁16bは、前記ベースブラケット10の右側(図4及び図5において右側)の側板部10aに当接している。
図1に示すように、左側(図1において左側)のシート部材17の左側面(外側面)の中央部には、支持軸23が突出されている。支持軸23の基端部周りには、外径を大きくする受止部23aが形成されている。また、左側のシート部材17の左側面には、前記ボルト18がそれぞれ挿通される前後一対のボス部17aが突出されている(図1参照)。このボス部17a及び支持軸23は、前記ベースブラケット10の左側(図4及び図5において左側)の側板部10aに当接されている。
また、支持軸23、各ボス部16a,17aの軸線は、それぞれ車両左右方向に延びている。
図4に示すように、前記左側のシート部材17の左側(セレクト方向の一方側に相当する。)には、コントロールレバー25が隣接する状態で設けられている。
コントロールレバー25の中央部には軸孔26が形成されている。その軸孔26は、左側のシート部材17の支持軸23に回動可能に嵌合されている。
また、図3に示すように、コントロールレバー25には、左側のシート部材17における前側のボス部17aに嵌合される逃がし孔27が形成されている(図1参照)。逃がし孔27は、コントロールレバー25の回動を許容するように、支持軸23の軸心を中心とする円弧状に形成されている。
図4に示すように、前記コントロールレバー25は、左側のシート部材17における支持軸23の受止部23aに摺動可能に当接されている。
また、コントロールレバー25の左側面(図4において左側面)には、支持軸23が挿通されるボス部25aが形成されている。そのボス部25aは、前記ベースブラケット10の左側(図4において左側)の側板部10aに摺動可能に当接されている。
また、コントロールレバー25の下端部には、コントロールケーブル(図示省略)の一端部が回動可能に接続される連結ピン28aを有するケーブル連結部28(図1参照)が形成されている。なお、コントロールケーブルの他端部は、前記自動変速機の変速レバーに連結されている。
また、図1に示すように、コントロールレバー25の上端部には、縦長状の係合孔29aを有する支持板部29が形成されている。支持板部29は、コントロールレバー25のケーブル連結部28を含む中央部分に対して右側(図4において右側)へずれた状態で平行状に形成されている。
図4において、車両の運転者によって操作されるシフトレバー30は、レバー本体31と、そのレバー本体31に下端部が固着されたパイプ状のレバー軸部32と、そのレバー軸部32の上端部に設けられた樹脂製のノブ33とを有している。
図1に示すように、レバー本体31は、レバー軸部32(後述する)の下端部を受入れる有底状の筒状部31aと、その下端部に形成された球状部31bと、その前側部に突出された膨出部31cとを有している。
図4に示すように、筒状部31aには、レバー軸部32の下端部が挿入されかつスロッテッドスプリングピン34により抜け止めされた状態に固定されている。筒状部31aには、縦長状をなす左右一対のピン孔35が形成されている。筒状部31aの両側面には、ピン孔35を取り囲む係合部36が突出されている(図4及び図5参照)。
前記左側(図4において左側)の係合部36は、シフトレバー30が前記ゲート部13のA/T用シフト路13a(図7参照)をシフト方向に移動する際に、前記コントロールレバー25の係合孔29a内に係合する係合部36(同一符号を付す。)になっている。また、係合部36は、シフトレバー30の「D」ポジション(図7参照)において、セレクト路13cを通じて、「M」ポジションへ傾倒させたときに、コントロールレバー25の係合孔29aから抜け外れる。また、逆に、係合部36は、シフトレバー30を「M」ポジションからセレクト路13cを通じて、「D」ポジションへ傾倒させたときに、コントロールレバー25の係合孔29a内に係合する(図4参照)。
また、シフトレバー30がゲート部13のA/T用シフト路13a(図7参照)をシフト方向に移動するときは、係合部36がコントロールレバー25の係合孔29a内に係合した状態となる(図4参照)。
図4に示すように、前記球状部31bは、前記左右一対のシート部材16,17による球状のシート面20内に摺動可能に嵌合されている。この球状部31bと一対のシート部材16,17とにより球継手38が構成されている。これにより、シフトレバー30は、前記ベースブラケット10に対して球継手38を介してどの方向へも回動可能に支持されている。そのシフトレバー30の回動方向(操作方向)は、前記ゲート部13により、所定のシフト方向及びセレクト方向に移動可能に規制される。なお、球状部31bの回動中心38cは、前記シフトレバー30のレバー軸部32の軸線32L上に位置している。
図4に示すように、前記球状部31bの右側(図4において右側)には、丸棒状の規制レバー39が突出されている。また、規制レバー39は、前記シフトレバー30のレバー軸部32の軸線32Lに直交しかつ球状部31bの回動中心38cを通る直線をレバー中心39Lとして形成されている。この規制レバー39は、前記右側のシート部材16のレバー受入溝22内に係合されている。これにより、シフトレバー30のレバー軸部32の軸線32Lを中心とする軸回り方向の不要な回動が規制される。なお、レバー受入溝22と規制レバー39は、本明細書でいう「回動規制手段」を構成している。
図3に示すように、前記膨出部31c内には、プランジャ40(図1参照)がその軸線方向に移動可能に設けられている。プランジャ40は、膨出部31c内に組込まれたプランジャスプリング41(図1参照)の弾性力によって上方に向けて付勢されている。
一方、前記ベースブラケット10の上板部10bの下面には、凹凸を繰り返す波形状をなしかつプランジャ40の上端部がプランジャスプリング41の弾性によって当接される節度波形部を有する節度部材42(図1参照)が固定されている。
これにより、前記シフトレバー30の操作にともなって、プランジャ40がプランジャスプリング41の弾性を利用して節度波形部を相対的に乗り越えることにより、シフトレバー30に節度感が与えられるようなっている。
図3及び図4に示すように、前記レバー軸部32は、ベースブラケット10内から前記ゲート部13を通じて上方すなわち前記車両の室内側へ延びている。レバー軸部32は、金属製、例えばアルミ合金製で押出成形によって形成されたパイプ材からなる。
しかして、レバー軸部32は、図6(a)に示すように、シフト方向(図において上下方向)の寸法Aに比べてセレクト方向(図において左右方向)の寸法Bを短くする断面ほぼ四角形状をなしかつシフト方向に並ぶ前後2つの中空孔32aを有している。
また、このレバー軸部32は、前記ゲート部13内に横方向(左右方向)の傾動が規制され、その横方向の荷重が受け止められる状態で挿通されている。このゲート部13によりシフトレバー30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動に対する剛性が確保されており、これによってシフトレバー30のレバー軸部32のシフト方向の寸法Aに比べてセレクト方向の寸法Bを短くすることができる。なお、ゲート部13は、本明細書でいう「傾動規制手段」に相当する。
図3に示すように、前記レバー軸部32の一方(例えば、前方)の中空孔32a内には、ディテントロッド44(図1参照)が軸方向に移動可能に設けられている。
一方、レバー軸部32の前側の中空孔32aの左右両側壁には、前記レバー本体31の筒状部31aのピン孔35に整合するピン孔45が形成されている(図4及び図5参照)。
そして、図4に示すように、レバー軸部32には、左右のピン孔35,45を通じて両端部が突出するグルーブドピン46が組込まれている。グルーブドピン46は、中空孔32a内に組込まれたディテントスプリング48の弾性力によって上方に向けて付勢されている。また、グルーブドピン46には、前記ディテントロッド44の下端部が当接している。
また、前記シフトレバー30が前記ゲート部13のA/T用シフト路13a(図7参照)にあるときにおいて、グルーブドピン46の両端部は、前記ベースブラケット10の両側板部10aに形成されたディテント孔14内にそれぞれ位置されている(図4参照)。このグルーブドピン46は、ディテントスプリング48の弾性力により、常には前記ディテントロッド44とともに押し上げられている。このため、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部における一つの凹部に係合することにより、前記シフトレバー30のシフト操作が規制される。
また、シフトレバー30が「D」ポジション(図7参照)において、セレクト路13cを通じて、「M」ポジションへ傾倒されたときは、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部から抜け外れる(図4中、二点鎖線46参照)。また逆に、シフトレバー30がM/T用シフト路13bからセレクト路13cを通じてA/T用シフト路13aへ傾倒されたときは、グルーブドピン46の両端部が前記ディテント孔14の上縁部内に係合可能に位置される。
図1に示すように、前記ノブ33には、ボタン50がピン53により回動可能に組込まれている。ボタン50は、ピン53とともにノブ33内に組込まれたスプリング54により前方(図3において左方)へ付勢されている。このボタン50をスプリング54の付勢に抗して押込み操作(図3中、二点鎖線50参照)すると、前記ディテントロッド44が前記ディテントスプリング48の弾性力に抗してグルーブドピン46とともに押し下げられることによって、前記シフト操作の規制が解除される。
また、図1に示すように、シフトレバー30のレバー軸部32の前側面には、ボタン50を取り囲む枠部材55がスクリュー56により締着されている。
なお、ディテントロッド44、グルーブドピン46、ボタン50及びディテント孔14等を主要構成部品として、本明細書でいう「ディテント機構」が構成されている。
上記した構成の自動変速機用シフトレバー装置において、いま、ゲート部13のA/T用シフト路13a(図7参照)における「P」ポジションにあるシフトレバー30のノブ33に対して、シフト方向(図7において下方)への操作力を入力したときは、シフトレバー30が球継手38の回動中心38cを中心として回動する。なお、A/T用シフト路13aでのシフト操作時においては、ノブ33のボタン50の押込み操作により、ディテント機構による規制を解除する。
そして、図3に示すように、シフトレバー30のレバー軸部32の軸線32Lが、「P」ポジションの後側(図3において左側)に位置する状態が「R」ポジションに対応する。また、その軸線32Lが、「R」ポジションの後側(図3において右側)に位置する状態が「N」ポジションに対応する。また、その軸線32Lが、「N」ポジションの後側(図3において右側)に位置する状態が「D」ポジションに対応する。
また、シフトレバー30のノブ33にシフト方向(図7において上下方向)の操作力を入力すると、シフトレバー30がシフト方向に回動するにともない、コントロールレバー25が左側のシート部材17の支持軸23を中心として回動される(図3参照)。このコントロールレバー25の回動力が、コントロールケーブル(図示省略)を介して車両の自動変速機に伝達されることにより、その自動変速機のシフトポジションが切り替えられる。
また、前記した「D」ポジションにおかれたシフトレバー30のノブ33に対して、セレクト方向の操作力を入力すなわち右方(図4において右方)へ傾倒させると、シフトレバー30がゲート部13(図7参照)のセレクト路13cを通じてM/T用シフト路13bの「M」ポジションに位置する。
また、シフトレバー30の「M」ポジションへのセレクト操作にともない、ディテント孔14に対するグルーブドピン46の係合が解除されるとともに、コントロールレバー25の係合孔29aに対するシフトレバー30の係合部36の係合が解除される。
この状態において、シフトレバー30を「M」ポジションから前側(図3において左側)の「+」ポジションにシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段回ずつシフトアップされる。また逆に、シフトレバー30を「M」ポジションから後側(図3において右側)の「−」ポジションにシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段回ずつシフトダウンされる。ちなみに、ベースブラケット10には、シフトレバー30の「+」ポジション側へのシフト操作を検出するシフトアップスイッチ(図示省略)、及び、シフトレバー30の「−」ポジション側へのシフト操作を検出するシフトダウンスイッチ(図示省略)が設けられている。そして、シフトアップスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトアップされ、また、シフトダウンスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトダウンされるようになっている。
また、「M」ポジションにおかれたシフトレバー30のノブ33に対して、セレクト方向の操作力を入力すなわち左方(図4において左方)へ起立させると、シフトレバー30がゲート部13(図7参照)のセレクト路13cを通じてA/T用シフト路13aの「D」ポジションに位置する。
また、シフトレバー30の「D」ポジションへのセレクト操作にともない、ディテント孔14に対してグルーブドピン46が係合されるとともに、コントロールレバー25の係合孔29aにシフトレバー30の係合部36が係合される。
上記した自動変速機用シフトレバー装置によると、ベースブラケット10に球継手38(図4参照)を介して支持されたシフトレバー30の所定方向の操作により、自動変速機のシフトポジションが切り替えられる。そして、シフトレバー30を支持する球継手38は、球状のシート面20を形成するシート部材16,17と、そのシート面20にどの方向へも回動可能に支持される球状部31bとにより構成されるため、カルダン継手に比べて、部品点数が少なく、構造が簡素化される。したがって、ベースブラケット10に球継手38を介してシフトレバー30を支持したことにより、部品点数が削減され、構造が簡素化されることから、容易に小型化することができる。
また、ベースブラケット10に設けたゲート部13(傾動規制手段)により、シフトレバー30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動に対する剛性を確保することができる。
また、シフトレバー30の「M(マニュアル)」ポジションへのセレクト操作により、マニュアル操作機能を備えた自動変速機の変速段を手動によりシフトアップ又はシフトダウンさせることができる。
また、ベースブラケット10に球継手38を介してシフトレバー30が支持されていることにより、部品点数の増加を招くことなく、シフトレバー30のセレクト操作を容易に実現することができる。
また、ベースブラケット10の上部に設けられたゲート部13によりシフトレバー30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動が規制される。このため、ゲート部13を利用することにより、シフトレバー30の横方向の傾動に対する剛性を容易に確保することができる。
また、シフトレバー30に備えるレバー軸部32(図6(a)参照)が、シフト方向の寸法Aに比べてセレクト方向の寸法Bを短くする断面ほぼ四角形状をなすパイプ材により形成されている。また、前にも述べたように、シフトレバー30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動に対する剛性がゲート部13(傾動規制手段)により確保されることによって、シフトレバー30のレバー軸部32のシフト方向の寸法Aに比べてセレクト方向の寸法Bを短くすることができる。このため、従来の一般的な断面円形状のパイプ材により形成されたレバー軸部に比べて、強度をほとんど損なうことなく、セレクト方向の寸法Bの短い斬新な外観を呈するレバー軸部32によって、シフトレバー30の意匠性を高めることができる。
また、このようなレバー軸部32(図6(a)参照)は、ゲート部13のシフト方向の幅によって、シフトレバー30の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減するにも有効である。
また、レバー軸部32が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔32aを利用して、ディテント機構にかかるディテントロッド44、オーバドライブ用スイッチにかかる電線(図6(a)中、符号、52参照)等を体裁良く収めることができる。
例えば、従来の断面円形状のパイプ材により形成されたレバー軸部132(図6(b)参照)の場合、パイプ材の中空孔132a内にディテントロッド144を収める一方、レバー軸部32の外側に沿ってオーバドライブ用スイッチにかかる電線152を配線し、その電線152を保護するための樹脂製のホルダ部材154をレバー軸部32に二重管状に設けているのが一般的である。これに対し、レバー軸部32が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔32a(図6(a)参照)を利用すれば、前記したホルダ部材154(図6(b)参照)を用いることなく、レバー軸部32にディテントロッド44、電線52等を体裁良く収めることができる。
なお、オーバドライブ用スイッチ及び電線52については、後述する実施例2において説明する。
また、レバー軸部32がアルミ合金製であるため、意匠性の向上に有効となる。なお、レバー軸部32は、アルミ合金製に限定されるものではなく、ステンレス製、チタン合金製等の金属製とすることができる。
また、球継手38のレバー受入溝22と規制レバー39とによる回動規制手段により、シフトレバー30の軸回り方向の回動が規制される。これにより、シフトレバー30の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減し、シフトレバー30の操作性を向上することができる。
また、球継手38にレバー受入溝22と規制レバー39とによる回動規制手段を設けることにより、その他の部位に回動規制手段を設ける場合に比べて、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、シフトレバー30のシフト操作に連動可能に設けられかつ自動変速機に連繋されるコントロールレバー25が、球継手38のセレクト方向の一方側(図4において左側)に隣接した状態で設けられている。これにより、自動変速機用シフトレバー装置をセレクト方向(左右方向)に関して容易に小型化することができる。
本発明の実施例2を説明する。なお、本実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるので、変更部分について説明し、重複する説明は省略する。
本実施例は、図9に示すように、ストレート式のシフトパターンのゲート部13Aを有する自動変速機用シフトレバー装置を例示するものである。このゲート部13Aでは、「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」、「2(セカンド)」、「1(ロー)」の各シフトポジジョンがシフト方向に並んでいる。このゲート部13Aは、前記実施例1におけるゲート部13と同様に、シフトレバー30(詳しくは、レバー軸部32)の横方向の傾動を規制し、そのシフトレバー30の横方向(左右方向)の荷重を受け止めるもので、本明細書でいう「傾動規制手段」に相当する。
また、本実施例の場合、前記実施例1(図1参照)におけるコントロールレバー25を廃止し、レバー本体31にコントロールレバー部25Aが一体形成されている。コントロールレバー部25Aには、逃がし孔27及びケーブル連結部28等が設けられている。
また、ノブ33には、オーバドライブ用スイッチ51が組込まれている。このオーバドライブ用スイッチ51につながる電線52は、電子制御装置いわゆるECUに接続されるものであって、シフトレバー30のレバー軸部32が有するシフト方向に並ぶ2つの中空孔32aのうちの1つを利用して体裁良く収めることができる。なお、オーバドライブ用スイッチ51のボタン51aを操作(押圧)することにより、オーバドライブ用スイッチ51がオン・オフされることにより、前記電子制御装置を介して自動変速機が制御されることにより、走行条件に適した変速段を選択することができる。
上記した実施例2のシフトレバー装置によっても、前記実施例1のシフトレバー装置とほぼ同様の作用・効果を奏することができる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明の自動変速機用シフトレバー装置は、前記実施例1で説明したマニュアル操作機能を備えたストレート式の自動変速機用シフトレバー装置、及び、前記実施例2で説明したストレート式の自動変速機用シフトレバー装置に限らず、図10に示すように、階段式のシフトパターンのゲート部13Bを有するゲート式の自動変速機用シフトレバー装置にも適用することができる。また、本発明の自動変速機用シフトレバー装置は、インストルメントパネルに限らず、フロアコンソール等に配置される自動変速機用シフトレバー装置としても適用することができる。また、上記実施例では、ベースブラケット10の上部に傾動規制手段(ゲート部13,13A,13B)を設けたが、ベースブラケット10の下部に傾動規制手段を設けることもできる。また、上記実施例では、ベースブラケット10を金属板で形成したが、ベースブラケット10を樹脂成形品で形成することもできる。
本発明の実施例1にかかる自動変速機用シフトレバー装置を示す分解斜視図である。 自動変速機用シフトレバー装置を示す正面図である。 図2のIII−III線矢視断面図である。 図3のIV−IV線矢視断面図である。 図4のV−V線矢視断面図である。 (a)は実施例1にかかるシフトレバーの横断面図、(b)は従来例にかかるシフトレバーの横断面図である。 シフトパターンを示す平面図である。 本発明の実施例2にかかる自動変速機用シフトレバー装置を示す分解斜視図である。 シフトパターンを示す平面図である。 シフトパターンの別例を示す平面図である。
符号の説明
10 ベースブラケット
13,13A,13B ゲート部(傾動規制手段)
22 レバー受入溝(回動規制手段の一部)
25 コントロールレバー
30 シフトレバー
32 レバー軸部
32a 中空孔
38 球継手
39 規制レバー(回動規制手段の一部)

Claims (6)

  1. 自動変速機を備えた車両の車体側部材に固定されるベースブラケットと、
    所定方向に操作可能に設けられ、その操作により前記自動変速機のシフトポジションを切り替えるシフトレバーと
    を備えた自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記ベースブラケットに前記シフトレバーの横方向の傾動を規制する傾動規制手段が設けられ、
    前記ベースブラケットに前記シフトレバーが球継手を介して支持されている
    ことを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記自動変速機が手動により変速段をシフトアップ又はシフトダウンさせることのできるマニュアル操作機能を備え、
    前記シフトレバーが前記マニュアル操作可能なマニュアルポジションへセレクト操作可能に設けられている
    ことを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  3. 請求項1又は2に記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記傾動規制手段が、前記ベースブラケットに設けられたゲート部により構成されていることを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記シフトレバーが、シフト方向の寸法に比べてセレクト方向の寸法を短くする断面ほぼ四角形状をなしかつシフト方向に並ぶ2つの中空孔を有するパイプ材からなるレバー軸部を備えていることを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記球継手に、前記シフトレバーの軸回り方向の回動を規制する回動規制手段が設けられていることを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動変速機用シフトレバー装置であって、
    前記シフトレバーのシフト操作に連動可能に設けられかつ前記自動変速機に連繋されるコントロールレバーが、前記球継手のセレクト方向の一方側に隣接した状態で設けられていることを特徴とする自動変速機用シフトレバー装置。

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