JP2006240425A - シフトレバー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することのできるシフトレバー装置を提供する。
【解決手段】 シフトレバー体60と、シフトレバー体60を所定方向に操作可能に支持するベースブラケット62とを備える。ベースブラケット62を、シフトレバー体60の軸線60Lに交差する一直線方向に分割したブラケット本体63及びカバープレート64の組合せによって構成する。ベースブラケット62にシフトレバー体60をシフト操作及びセレクト操作可能に支持する球継手123を備える。球継手123が、ベースブラケット62に設けた一対の球受シート67,87と、シフトレバー体60に設けられかつ両球受シート67,87によって揺動可能に支持される球状部112とにより構成される。
【選択図】 図6
【解決手段】 シフトレバー体60と、シフトレバー体60を所定方向に操作可能に支持するベースブラケット62とを備える。ベースブラケット62を、シフトレバー体60の軸線60Lに交差する一直線方向に分割したブラケット本体63及びカバープレート64の組合せによって構成する。ベースブラケット62にシフトレバー体60をシフト操作及びセレクト操作可能に支持する球継手123を備える。球継手123が、ベースブラケット62に設けた一対の球受シート67,87と、シフトレバー体60に設けられかつ両球受シート67,87によって揺動可能に支持される球状部112とにより構成される。
【選択図】 図6
Description
本発明は、主として自動車等の車両に用いられるシフトレバー装置に関する。
従来のシフトレバー装置の一例としては、例えば特許文献1等に記載されたものがある。この特許文献1に記載されたシフトレバー装置は、図30に示すように、断面U字形の容器状に形成されたベース体902を備えている。ベース体902内には、継手部品906がその上方から差し込まれかつ車両幅方向(図30において左右方向)に延びるシフト軸904を介して回動可能に支持されている。継手部品906には、シフトレバー体903がその上方から差し込まれかつ車両前後方向(図30において紙面表裏方向)に延びるセレクト軸905を介して回動可能に支持されている。なお、シフト軸904及びセレクト軸905並びに継手部品906により、カルダン継手908が構成されている。
前記特許文献1のシフトレバー装置901では、ベース体902に対するシフトレバー体903及び継手部品906の組付方向が上から下方、シフト軸904の組付方向が車両幅方向、セレクト軸905の組付方向が車両前後方向というように、組付方向が異なっている。このため、ベース体902、シフトレバー体903、継手部品906、シフト軸904、セレクト軸905等の構成部品の組付けは煩雑となり、組付工数の増加を招くという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することのできるシフトレバー装置を提供することにある。
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とするシフトレバー装置により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかるシフトレバー装置によると、シフトレバー体が、そのシフトレバー体の軸線に交差する一直線方向に分割したベース分割体の組合せによって構成されたベース体によって所定方向に操作可能に支持される。したがって、一方のベース分割体に対してシフトレバー体及び他方のベース分割体を一方向から組付けることができる。このため、シフトレバー装置の構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかるシフトレバー装置によると、シフトレバー体が、そのシフトレバー体の軸線に交差する一直線方向に分割したベース分割体の組合せによって構成されたベース体によって所定方向に操作可能に支持される。したがって、一方のベース分割体に対してシフトレバー体及び他方のベース分割体を一方向から組付けることができる。このため、シフトレバー装置の構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項2にかかるシフトレバー装置によると、ベース体にシフトレバー体が球継手を介してシフト操作及びセレクト操作可能に支持される。球継手は、ベース体に設けた一対の球受シートと、両球受シートによって揺動可能に支持されるシフトレバー体の球状部とにより構成されている。この球継手によると、カルダン継手に比べて、部品点数が少なくて済むため、シフトレバー装置の構造の簡素化及び小型化を実現することができる。また、球継手は、シーケンシャルシフト式、ゲートシフト式等のように、ベース体にシフトレバー体がシフト操作及びセレクト操作可能に支持されるシフト形式のシフトレバー装置に共通使用することができる。
また、特許請求の範囲の請求項3にかかるシフトレバー装置によると、シフトレバー体のセレクト操作により該シフトレバー体に連動及びその連動を解除可能でかつ変速機に連繋されたコントロールレバーが、いずれかの球受シートに対して嵌合によって回動可能に支持されている。このため、ベース体にコントロールレバーを回動可能に支持するための専用の部品を省略し、シフトレバー装置をコンパクト化することができる。
また、特許請求の範囲の請求項4にかかるシフトレバー装置によると、ベース体にシフトレバー体がピン継手を介してシフト操作可能に支持されることにより、ストレートシフト式のシフトレバー装置を構成することができる。
また、ピン継手は、軸付球状部に対して一方の軸受シート、及び、その軸受シートに対応する球状部の軸部の変更を要するだけで、それ以外の多くの部品は球継手のものを兼用することができる。このため、シフト形式の異なるシフトレバー装置に容易に対応することができる。
また、ピン継手は、軸付球状部に対して一方の軸受シート、及び、その軸受シートに対応する球状部の軸部の変更を要するだけで、それ以外の多くの部品は球継手のものを兼用することができる。このため、シフト形式の異なるシフトレバー装置に容易に対応することができる。
また、特許請求の範囲の請求項5にかかるシフトレバー装置によると、ベース体の少なくとも一方のベース分割体にシート部材が一体化されることにより、部品点数を削減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項6にかかるシフトレバー装置によると、ベース分割体の相互間に設けた係合手段の係合凸部と係合孔とを対向方向に嵌合した状態で相対的に回動させて係合することにより、ベース分割体相互を容易に組付けることができる。これにより、球保持部(球状部の保持に係る部分が相当する。)における寸法のばらつきはブラケット本体の寸法とカバープレートの板厚で決まるので、シフトレバー体の操作荷重が安定する。更に、ねじ止め手段による組付けに比べて、組付け工数を削減し、組付けに要する作業時間を短縮することができる。
また、特許請求の範囲の請求項7にかかるシフトレバー装置によると、ベース体のいずれかのベース分割体に組付けたケーブルエンドブラケットによって、変速機のコントロールケーブルにおけるアウタケーブルのケーブルエンドを支持することができる。また、ベース分割体に対して異種のケーブルエンドブラケットを同一の取付構造をもって組付可能とすることにより、シフトレバー装置のベース分割体を含む部品の共通化を図ることができる。
本発明のシフトレバー装置によれば、一方のベース分割体に対してシフトレバー体及び他方のベース分割体を一方向から組付けることができるため、構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1について説明する。本実施例では、車両のインストルメントパネル内に組込まれる形式で、手動により変速段をシフトアップあるいはシフトダウンさせることができるマニュアル操作機能を備えたシーケンシャルシフト式の自動変速機用のシフトレバー装置について説明する。なお、説明の都合上、シフトレバー装置の前後方向は車両の前後方向に準じ、シフトレバー装置の左右方向は車両のインストルメントパネルに面する状態での左右方向に準じるものとする。
本発明の実施例1について説明する。本実施例では、車両のインストルメントパネル内に組込まれる形式で、手動により変速段をシフトアップあるいはシフトダウンさせることができるマニュアル操作機能を備えたシーケンシャルシフト式の自動変速機用のシフトレバー装置について説明する。なお、説明の都合上、シフトレバー装置の前後方向は車両の前後方向に準じ、シフトレバー装置の左右方向は車両のインストルメントパネルに面する状態での左右方向に準じるものとする。
図1に分解斜視図で示すように、シフトレバー装置は、主要構成部品としてのシフトレバー体60と、そのシフトレバー体60をシフト操作及びセレクト操作可能に支持するベースブラケット62とを備えている。ベースブラケット62は、シフトレバー体60の軸線(「レバー軸線」ともいう。)60Lに交差する一直線方向(本実施例では左右方向)に分割されたブラケット本体63とカバープレート64とにより構成されている。ブラケット本体63は、ベースブラケット62の主体をなしている。また、カバープレート64は、ベースブラケット62の補助的部材をなしており、ブラケット本体63にその左方から組付可能に構成されている。なお、ベースブラケット62は、本明細書でいう「ベース体」に相当する。また、ブラケット本体63及びカバープレート64は、本明細書でいう「ベース分割体」にそれぞれ相当する。
シフトレバー装置は、前記したシフトレバー体60とブラケット本体63及びカバープレート64の他、コントロールレバー66、球受シート67、ケーブルエンドブラケット68を備えている。そして、ブラケット本体63に対して、シフトレバー体60のレバー軸線60Lに交差する一直線方向の一方向すなわち左方からコントロールレバー66、シフトレバー体60、球受シート67、カバープレート64、ケーブルエンドブラケット68が順次組付可能に構成されている。なお、説明の都合上、ブラケット本体63、コントロールレバー66、シフトレバー体60、球受シート67、カバープレート64、ケーブルエンドブラケット68の順に説明する。
ブラケット本体63を説明する。図7はブラケット本体63を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。
ブラケット本体63は、例えば樹脂製で、基板部70と、その基板部70の上半部の外周縁部から左方へ突出する周壁部71とを有している。基板部70の右側面には、適数個(例えば、前後2個。)の取付片72が一体形成されている(図7(b)参照。)。取付片72は、図示しないが、車両のインストルメントパネル内における車体側部材に対して取付用ボルトにより締着可能に形成されている。また、周壁部71の前後両端部の外側面には、断面T字状でかつ左右方向に延びる前後一対の嵌合凸条74が前後対称状に形成されている。各嵌合凸条74は、後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)の各嵌合溝180に対してスライドにより嵌合可能に形成されている。
ブラケット本体63は、例えば樹脂製で、基板部70と、その基板部70の上半部の外周縁部から左方へ突出する周壁部71とを有している。基板部70の右側面には、適数個(例えば、前後2個。)の取付片72が一体形成されている(図7(b)参照。)。取付片72は、図示しないが、車両のインストルメントパネル内における車体側部材に対して取付用ボルトにより締着可能に形成されている。また、周壁部71の前後両端部の外側面には、断面T字状でかつ左右方向に延びる前後一対の嵌合凸条74が前後対称状に形成されている。各嵌合凸条74は、後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)の各嵌合溝180に対してスライドにより嵌合可能に形成されている。
図7(a)に示すように、前記基板部70の上面部には、ゲート枠部76が形成されている。ゲート枠部76には、その左方から補助枠77が組付けられる。ゲート枠部76及び補助枠77の前後両端部には、左右方向に一連状をなすボルト挿通孔78(ゲート枠部76及び補助枠77に共通符号を付す。)が形成されている。各ボルト挿通孔78は、後述する連結ボルト164(図12参照。)のボルト軸部166を挿通可能に形成されている。なお、図7(b)に示すように、基板部70の右側面には、連結ボルト164の頭部167(図12参照。)を回り止め状態に嵌合可能な回り止め溝79が形成されている。なお、連結ボルト164は、ブラケット本体63(補助枠77を含む。)とカバープレート64(後述する。)とを締結する。
前記ゲート枠部76と前記補助枠77との組合せによって、両者76,77間に孔形状のゲート部81が形成されている。図24に示すように、ゲート部81は、所定のシフトパターンに応じて形成されており、後述するシフトレバー体60のレバー軸部110(詳しくは、そのレバー軸部110に設けたガイド部128)をシフトパターンに沿ってシフト方向及びセレクト方向にガイドする。なお、シフト方向は前後方向(図24において上下方向)であり、また、セレクト方向は車両幅方向すなわち左右方向(図24において左右方向)である。
前記ゲート部81は、いわゆるシーケンシャルシフト式のシフトパターンで構成されており、ストレートシフト式の自動変速用(「A/T用」という。)シフト路82と、そのA/T用シフト路82に平行する手動変速用(「M/T用」という。)シフト路84と、その両シフト路82,84を連絡するセレクト路85とを備えている。A/T用シフト路82には、前から後へ順に、P(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジの計4つのシフトレンジが設定されている。また、M/T用シフト路84には、前から後へ順に、+(プラス)レンジ、M(マニュアル)レンジと、−(マイナス)レンジの計3つのシフトレンジが設定されている。また、セレクト路85は、A/T用シフト路82のDレンジとM/T用シフト路84のMレンジの間を連絡している。なお、A/T用シフト路82におけるシフトレバー体60のシフト操作を、「A/T用シフト操作」という。また、M/T用シフト路84におけるシフトレバー体60のシフト操作を、「M/T用シフト操作」という。
図7(a)に示すように、前記基板部70の左側面の中央部には、球受シート部87が形成されている。球受シート部87は、左右方向に伸びる直線(「シフト軸線」という。)SA上にほぼ円筒状に形成されている。図6に示すように、球受シート部87は、基板部70の左側面上に形成されかつ左方に開口するほぼカップ状の球受部88と、その球受部88の外周部から左方へ向けて延出された前後一対の連結部89とを有している。球受部88内には、所定の内径のほぼ半球面状のシート面90が形成されている。シート面90の軸心部には、その軸心部から下方へ延びる長円形状の長孔91が形成されている(図5参照。)。また、図7(a)に示すように、両連結部89は、断面円弧状をなす帯片状でかつ前後対称状に形成されている。さらに、両連結部89の先端部の中央部には、径方向外方へフランジ状に突出する前後の円弧板状の係合凸部93が点対称状に形成されている。なお、球受シート部87は、本明細書でいう「球受シート」に相当する。
また、前記ブラケット本体63の前側上端部には、板バネ材からなるディテントスプリング191の一端部すなわち上端部がネジ192により固定されている(図4参照。)。ディテントスプリング192の自由端部すなわち下端部には、後述するコントロールレバー66のA/T用節度波形部108に弾性的にかつ摺動可能に係合する係合部191aが形成されている。なお、ディテントスプリング191の係合部191aは、後述するシフトレバー体60のA/T用シフト操作時のコントロールレバー66とともに回動するコントロールレバー66のA/T用節度波形部108を相対的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に段階的な節度感を与える。
次に、コントロールレバー66を説明する。図8はコントロールレバー66を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。
コントロールレバー66は、例えば樹脂製で、中空円筒状に形成されたレバー筒部95と、そのレバー筒部95の後方へ突出するケーブル連結部96(図8(b)参照。)とを有している。レバー筒部95の中空孔は、前記ブラケット本体63の球受シート部87に嵌合可能な軸孔97として形成されている(図6参照。)。図8(a)に示すように、レバー筒部95の左端部には、段差面98を介して口径を大きくする大径孔部99が形成されている。軸孔97には、ブラケット本体63の球受シート部87に嵌合するに際して、該球受シート部87の係合凸部93の軸方向の通過を案内する前後一対の取付用案内溝100が形成されている。両取付用案内溝100は、ブラケット本体63の球受シート部87に対するコントロールレバー66の組付完了位置において、両連結部89の係合凸部93に対して所定角度ずらした位置(例えば、レバー筒部95の左方から見て左回り方向へ所定角度ずらした位置)に形成されている。このため、両連結部89の両係合凸部93に両取付用案内溝100を合致させた状態で、ブラケット本体63の球受シート部87にレバー筒部95の軸孔97を嵌合した後に、コントロールレバー66を左回り方向の組付完了位置へ回動することにより、両係合凸部93に対する両取付用案内溝100の位相がずれる。これにより、球受シート部87上にレバー筒部95を回動可能にかつ抜け止め状態で支持可能になっている。
コントロールレバー66は、例えば樹脂製で、中空円筒状に形成されたレバー筒部95と、そのレバー筒部95の後方へ突出するケーブル連結部96(図8(b)参照。)とを有している。レバー筒部95の中空孔は、前記ブラケット本体63の球受シート部87に嵌合可能な軸孔97として形成されている(図6参照。)。図8(a)に示すように、レバー筒部95の左端部には、段差面98を介して口径を大きくする大径孔部99が形成されている。軸孔97には、ブラケット本体63の球受シート部87に嵌合するに際して、該球受シート部87の係合凸部93の軸方向の通過を案内する前後一対の取付用案内溝100が形成されている。両取付用案内溝100は、ブラケット本体63の球受シート部87に対するコントロールレバー66の組付完了位置において、両連結部89の係合凸部93に対して所定角度ずらした位置(例えば、レバー筒部95の左方から見て左回り方向へ所定角度ずらした位置)に形成されている。このため、両連結部89の両係合凸部93に両取付用案内溝100を合致させた状態で、ブラケット本体63の球受シート部87にレバー筒部95の軸孔97を嵌合した後に、コントロールレバー66を左回り方向の組付完了位置へ回動することにより、両係合凸部93に対する両取付用案内溝100の位相がずれる。これにより、球受シート部87上にレバー筒部95を回動可能にかつ抜け止め状態で支持可能になっている。
図8(a)に示すように、前記レバー筒部95には、左方に開口する上下一対の凹溝部102,103が形成されている。下側の凹溝部103の中央部には連動溝104が形成されている。図15(a),(b)に示すように、下側の凹溝部103は、後述するシフトレバー体60の係合軸部135に対応している。そして、シフトレバー体60のMレンジからDレンジへのセレクト操作時には、係合軸部135が連動溝104内に係合する(図15(a)参照。)。これにより、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、コントロールレバー66がシフトレバー体60と一体的に回動される。このとき、連動溝104の底面に係合軸部135が当接又は近接することにより、コントロールレバー66が前記ブラケット本体63の基板部70に近接又は当接する状態に保持される。また、シフトレバー体60のDレンジからMレンジへのセレクト操作時には、係合軸部135が凹溝部103に移動する、すなわち連動溝104に対する係合が解除される(図15(b)参照。)。これにより、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、係合軸部135が凹溝部103内を空振りする(図15(b)中、二点鎖線135参照。)。
また、前記上側の凹溝部102は、後述するシフトレバー体60の逃がし溝である(図5参照。)。
また、前記上側の凹溝部102は、後述するシフトレバー体60の逃がし溝である(図5参照。)。
図8(b)に示すように、前記ケーブル連結部96の先端部の一側面、例えば右側面には、連結ピン106が突出されている、連結ピン106には、図示しない自動変速機のコントロールケーブルのインナケーブルの一方の端末部が回動可能に連結される。なお、コントロールケーブルは、アウタケーブル内にプッシュプル式のインナケーブルが挿通されてなるプッシュプルケーブルであって、本シフトレバー装置と図示しない自動変速機との間に敷設されている。インナケーブルの他方の端末部は、自動変速機の変速レバー(図示しない。)に接続される。また、アウタケーブルの一方の端末部は後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)に接続され、その他方の端末部は自動変速機のハウジングのケーブルエンド取付部に接続される。
図8(a)に示すように、前記ケーブル連結部96の左側面には、前記シフト軸線SAを中心とするほぼ扇形板状の節度波形板部107が形成されている。節度波形板部107の外周部には、周方向に凹凸を繰り返す波形状のA/T用節度波形部108が形成されている。節度波形部108には、前記ブラケット本体63に設けられたディテントスプリング191が弾性的にかつ摺動可能に当接される(図4参照。)。シフトレバー体60のA/T用シフト操作時のコントロールレバー66の回動にともなって、A/T用節度波形部108上をディテントスプリング191が相対的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に段階的な節度感が与えられる。
次に、シフトレバー体60を説明する。図9はシフトレバー体60を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。なお、図9(a),(b)において後述するノブ116(図2及び図3参照。)は省略されている。
シフトレバー体60は、その主体をなすレバー軸部110と、レバー軸部110の中央下部に設けられた球状部112と、レバー軸部110の中央上部に設けたカバー部材114と、レバー軸部110の下端部に設けられた係合部材115と、レバー軸部110内に配置されたディテントロッド118と、レバー軸部110の上端部に設けられたノブ116及びボタン117(図2及び図3参照。)等を備えている。
シフトレバー体60は、その主体をなすレバー軸部110と、レバー軸部110の中央下部に設けられた球状部112と、レバー軸部110の中央上部に設けたカバー部材114と、レバー軸部110の下端部に設けられた係合部材115と、レバー軸部110内に配置されたディテントロッド118と、レバー軸部110の上端部に設けられたノブ116及びボタン117(図2及び図3参照。)等を備えている。
図9(a),(b)に示すように、前記レバー軸部110は、例えば金属製で、断面円形状の中空パイプ材により形成されている。
また、前記球状部112は、例えば樹脂製で、ほぼ球状に形成されている。図6に示すように、球状部112に縦方向に貫設されたレバー軸用挿入孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110が圧入もしくは密に挿入されている。球状部112とレバー軸部110とは、前記シフト軸線SA上に位置する左右の各スプリングピン121によって一体化されている。また、球状部112とレバー軸部110とは、スプリングピン121に代えて、インサート成形によって一体化することができる。なお、シフト軸線SAは、レバー軸部110のレバー軸線60L(図9(a)参照。)に直交しかつ球状部112の中心112cを通る直線に相当する(図6参照。)。また、本明細書でいう「スプリングピン」は、スロテッドピン、スロテッドスプリングピン等とも呼ばれているピンで、両部材間に形成されたピン孔に圧入することによって両部材を固定するものである。
また、前記球状部112は、例えば樹脂製で、ほぼ球状に形成されている。図6に示すように、球状部112に縦方向に貫設されたレバー軸用挿入孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110が圧入もしくは密に挿入されている。球状部112とレバー軸部110とは、前記シフト軸線SA上に位置する左右の各スプリングピン121によって一体化されている。また、球状部112とレバー軸部110とは、スプリングピン121に代えて、インサート成形によって一体化することができる。なお、シフト軸線SAは、レバー軸部110のレバー軸線60L(図9(a)参照。)に直交しかつ球状部112の中心112cを通る直線に相当する(図6参照。)。また、本明細書でいう「スプリングピン」は、スロテッドピン、スロテッドスプリングピン等とも呼ばれているピンで、両部材間に形成されたピン孔に圧入することによって両部材を固定するものである。
図6に示すように、前記球状部112の一側部すなわち右側部は、前記ブラケット本体63の球受シート部87のシート面90内に摺動可能に嵌合される。また、球状部112の他側部すなわち左側部は、後述する球受シート67の球受シート部147のシート面150内に摺動可能に嵌合される。これにより、シフトレバー体60は、前記ベースブラケット62に対してどの方向にも回動可能、詳しくはシフト方向及びセレクト方向へ回動可能に支持されている。このとき、球状部112は、その中心112cを回動中心として回動する。なお、球状部112及びブラケット本体63の球受シート部87並びに後述する球受シート67により、球継手123が構成されている。
図9(a),(b)に示すように、前記球状部112の両側面には、前記シフト軸線SA上に位置する円筒状の左右の両係合突起125が突出されている。右側の係合突起125は、前記ブラケット本体63の球受シート部87におけるシート面90の長孔91(図7(a)参照。)内に係合され、また、その左側の係合突起125は後述する球受シート67(図10(a),(b)参照。)におけるシート面150の長孔151内に係合される。これにより、シフトレバー体60のセレクト操作にともなう球状部112の係合突起125の傾動を案内しながらも、レバー軸線60L(図5参照。)を中心とするシフトレバー体60の軸回り方向の不要な回動を規制することができる。
図9(a),(b)に示すように、前記カバー部材114は、例えば樹脂製で、前記球状部112の回動中心112c(図5参照。)を中心とする円弧形板状のカバー板部127と、カバー板部127の下側に一体形成あるいは嵌合されたほぼ四角形ブロック状のガイド部128と、カバー板部127の上側に一体形成されたほぼ円筒状の筒状部134とを有している。カバー板部127及びガイド部128並びに筒状部134を縦方向に貫通するレバー軸用挿入孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110が圧入もしくは密に挿入されている。ガイド部128とレバー軸部110とは、前記レバー軸線60Lに直交するスプリングピン131によって一体化されている。また、ガイド部128とレバー軸部110とは、インサート成形によって一体化することができる。
図5に示すように、前記カバー板部127は、前記ゲート枠部76及び前記補助枠77上を覆うように配置される。カバー板部127は、前記シフトレバー体60のシフト操作及びセレクト操作にともなって、ゲート枠部76及び補助枠77上に沿って移動する。
また、前記ガイド部128は、前記ゲート部81内に配置されており、該ゲート部81に沿ってシフト方向及びセレクト方向にガイドされる。
また、前記レバー軸部110におけるガイド部128の下側に隣設する軸部133は、前記コントロールレバー66(図8(a)参照。)の上側の凹溝部102内に配置される。軸部133は、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時において上側の凹溝部102の底面に近接または当接する状態で、コントロールレバー66を追従回動させることなく、該凹溝部102内を空振りする。
また、前記筒状部134は、後述するインジケータパネル193(図3参照。)のゲート部196内に配置されており、該ゲート部196内をシフト方向及びセレクト方向に移動可能になっている。
また、前記ガイド部128は、前記ゲート部81内に配置されており、該ゲート部81に沿ってシフト方向及びセレクト方向にガイドされる。
また、前記レバー軸部110におけるガイド部128の下側に隣設する軸部133は、前記コントロールレバー66(図8(a)参照。)の上側の凹溝部102内に配置される。軸部133は、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時において上側の凹溝部102の底面に近接または当接する状態で、コントロールレバー66を追従回動させることなく、該凹溝部102内を空振りする。
また、前記筒状部134は、後述するインジケータパネル193(図3参照。)のゲート部196内に配置されており、該ゲート部196内をシフト方向及びセレクト方向に移動可能になっている。
図9(a),(b)に示すように、前記係合部材115は、例えば樹脂製で、ほぼ筒状の係合軸部135と、その係合軸部135の後側に突出するプランジャホルダ部136とを有している。係合軸部135の縦方向に貫通する中空孔(符号省略。)内には、前記レバー軸部110の下部が圧入もしくは密に挿入されている。係合部材115とレバー軸部110とは、前記レバー軸線60Lに直交するスプリングピン139によって一体化されている。また、係合部材115とレバー軸部110とは、インサート成形によって一体化することができる。
また、プランジャホルダ部136は、前記球状部112の回動中心112cに交差しかつ後下方へ延びる直線136L上において下方を開口する有底円筒状に形成されている。プランジャホルダ部136内には、その軸方向に移動可能なM/T用プランジャ141、及び、そのプランジャを常に下方へ付勢するプランジャスプリング(図示しない。)が組込まれている。M/T用プランジャ141の下端部すなわち先端部は、プランジャスプリングの付勢力をもって、後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)のガイド溝部185、セレクト用節度波形部188、M/T用波形部184に対して摺動可能に当接される。これにより、前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、M/T用プランジャ141がガイド溝部185に沿って摺動する。また、シフトレバー体60のセレクト操作時には、M/T用プランジャ141がセレクト用節度波形部188を乗り越えることによりシフトレバー体60に節度感が与えられる。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、M/T用プランジャ141がM/T用波形部184を摺動することにより、シフトレバー体60にプランジャスプリングの付勢力をもってMレンジへ戻す力が付与される。
また、プランジャホルダ部136は、前記球状部112の回動中心112cに交差しかつ後下方へ延びる直線136L上において下方を開口する有底円筒状に形成されている。プランジャホルダ部136内には、その軸方向に移動可能なM/T用プランジャ141、及び、そのプランジャを常に下方へ付勢するプランジャスプリング(図示しない。)が組込まれている。M/T用プランジャ141の下端部すなわち先端部は、プランジャスプリングの付勢力をもって、後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)のガイド溝部185、セレクト用節度波形部188、M/T用波形部184に対して摺動可能に当接される。これにより、前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、M/T用プランジャ141がガイド溝部185に沿って摺動する。また、シフトレバー体60のセレクト操作時には、M/T用プランジャ141がセレクト用節度波形部188を乗り越えることによりシフトレバー体60に節度感が与えられる。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、M/T用プランジャ141がM/T用波形部184を摺動することにより、シフトレバー体60にプランジャスプリングの付勢力をもってMレンジへ戻す力が付与される。
前記係合軸部135は、前にも述べたように、前記コントロールレバー66の下側の凹溝部103又は連動溝104内に選択的に係合される(図15(a),(b)参照。)。すなわち、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時においては、係合軸部135が前記連動溝104内に係合する(図15(a)参照。)。これにより、シフトレバー体60と一体的にコントロールレバー66が回動されるとともに、コントロールレバー66の左方への位置ずれが抑制される。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時においては、連動溝104から下側の凹溝部103に移動した状態(すなわち、連動溝104に対する係合を解除した状態)で、該凹溝部103内を空振りする(図15(b)参照。)。
図3に示すように、前記ノブ116は、例えば樹脂製で、レバー軸部110の上端部にねじ止め等によって装着されている。このノブ116は、後述するカバー部材114から上方へ突出するレバー軸部110の露出部分を隠蔽するように形成されている。
また、前記ボタン117は、例えば樹脂製で、ノブ116の一側面(例えば、右側面)に押込み操作可能に組込まれている。ボタン117は、ノブ116内に組込まれているボタン用スプリング(図示しない。)により反押込方向すなわち突出方向(図3において右方)へ付勢されている。
また、前記ボタン117は、例えば樹脂製で、ノブ116の一側面(例えば、右側面)に押込み操作可能に組込まれている。ボタン117は、ノブ116内に組込まれているボタン用スプリング(図示しない。)により反押込方向すなわち突出方向(図3において右方)へ付勢されている。
図9(a),(b)に示すように、前記ディテントロッド118は、例えば樹脂製で、前記レバー軸部110内に軸方向に移動可能にかつスプリング(図示しない。)により下方へ付勢された状態で組込まれている。ディテントロッド118の下端部は、前記レバー軸部110の下端面より突出されており、後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)のA/T用ディテント部186に係合可能なディテント係合部142が形成されている。ディテント係合部142は、前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時において、A/T用ディテント部186上に位置する(図4参照。)。これにより、ディテント係合部142がA/T用ディテント部186の複数の段部(符号省略。)のうちのいずれかの段部に係合することにより、シフトレバー体60の所定のシフト操作が規制される。なお、図9(b)に示すように、ディテント係合部142の右側面には、シフトレバー体60のP位置検出用検知ピン143が突出されている。P位置検出用検知ピン143は、シフトレバー体60のPレンジにあるときにおいて、ベースブラケット62に配設されたP位置検出用センサ(図示しない。)によって検知されるようになっている。
前記ディテントロッド118(図9(a)参照。)の上端部は、前記ボタン117(図3参照。)に対してカム機構(図示しない。)を介して連繋されている。これにより、ボタン117の押込み操作により、ディテントロッド118が前記ディテントスプリングの付勢に抗して上動されるようになっている。そして、ボタン117を押込み操作したときには、ディテントロッド118がスプリング(図示しない。)の弾性に抗して上動されることにより、後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)のA/T用ディテント部186に対する係合が解除される。これにより、シフトレバー体60の所定のシフト操作の規制が解除されて、シフトレバー体60のシフト操作が可能になる。
前記シフトレバー体60がDレンジ(図24参照。)からMレンジへセレクト操作されたときは、ディテント係合部142が後述するケーブルエンドブラケット68(図13参照。)のA/T用ディテント部186上から側方へ外れた位置となる。これにより、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、ディテント係合部142が空振りする。また、逆に、シフトレバー体60がMレンジ(図24参照。)からDレンジへセレクト操作されたときは、前に述べたように、ディテント係合部142がA/T用ディテント部186上に位置する(図4参照。)。
なお、ディテントロッド118、ディテントロッド用スプリング(図示しない。)、ボタン117、ボタン用スプリング(図示しない。)、及び、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186等によって、本明細書でいう「ディテント機構」が構成されている。
なお、ディテントロッド118、ディテントロッド用スプリング(図示しない。)、ボタン117、ボタン用スプリング(図示しない。)、及び、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186等によって、本明細書でいう「ディテント機構」が構成されている。
次に、球受シート67を説明する。図10は球受シート67を示すもので、(a)は左方から見た斜視図、(b)は右方から見た斜視図である。球受シート67は、例えば樹脂製で、ほぼ円板状の基板部146と、その基板部146の右側面に同一軸線上に形成された球受シート部147とを有している。球受シート部147は、右方に開口するほぼカップ状の球受部148と、その球受部148の外周部から右方へ向けて延出された前後一対の連結部149とを有している。図10(b)に示すように、球受部148内には、所定の内径のほぼ半球面状のシート面150が形成されている。なお、球受シート67のシート面150と前記ブラケット本体63のシート面90(図7(a)参照。)とは、相互の協働によってほぼ球面状のシート面(符号省略。)を形成する。
前記両連結部149は、前記ブラケット本体63の連結部89内に嵌合される。
また、図10(b)に示すように、前記シート面150の軸心部には、その軸心部から上方へ延びる長円形状の長孔151が形成されている。また、両連結部149は、断面円弧状をなす帯片状でかつ前後対称状に形成されている。さらに、基板部146の外周部には、径方向外方へフランジ状に突出する上下の円弧板状の回り止め凸部156が点対称状に形成されている。両回り止め凸部156は、前記ブラケット本体63(図7(a)参照。)の両連結部89の先端部における周方向の相互間に嵌合されることにより、該ブラケット本体63に対して回り止めされる。
また、図10(b)に示すように、前記シート面150の軸心部には、その軸心部から上方へ延びる長円形状の長孔151が形成されている。また、両連結部149は、断面円弧状をなす帯片状でかつ前後対称状に形成されている。さらに、基板部146の外周部には、径方向外方へフランジ状に突出する上下の円弧板状の回り止め凸部156が点対称状に形成されている。両回り止め凸部156は、前記ブラケット本体63(図7(a)参照。)の両連結部89の先端部における周方向の相互間に嵌合されることにより、該ブラケット本体63に対して回り止めされる。
次に、カバープレート64を説明する。図11はカバープレート64を左方から見た斜視図である。カバープレート64は、例えば鉄板製で、ほぼ円形板状に形成されている。カバープレート64には、周方向に延びる円弧状をなす前後一対の係合孔158が、前記シフト軸線SAを中心として点対称状に形成されている。両係合孔158は、径方向の開口幅を大きくする挿通溝部159と、その挿通溝部159の一端側(左方から見て右回り方向の端部)の内周部に連続しかつ径方向の開口幅を小さくする嵌合溝部160とを有している。挿通溝部159は、前記ブラケット本体63(図7(a)参照。)の球受シート部87における係合凸部93を含む両連結部89に対して、その左方から相対的に挿通可能に形成されている。また、嵌合溝部160は、前記両連結部89の先端部に周方向に嵌合可能に形成されている。このため、両係合孔158の挿通溝部159に対して両連結部89の係合凸部93を相対的に挿通した状態で、カバープレート64をその左から見て左回り方向へ回動すると、両連結部89の先端部に対して両係合孔158の嵌合溝部160が周方向に嵌合する。これにより、両連結部89の係合凸部93に両係合孔158の嵌合溝部160の外側口縁部が面することにより、ブラケット本体63の球受シート部87にカバープレート64が抜け止めされる。このとき、カバープレート64は、その組付けに先立って、前記ブラケット本体63(図7(a)参照。)の球受シート部87に組付けられた前記補助枠77(図7(a)参照。)、前記コントロールレバー66(図8(a)参照。)のレバー筒部95、前記球受シート67(図10(a)参照。)の基板部146に対して面接触する。なお、補助枠77、コントロールレバー66、球受シート67等の組付けについては後で説明する。
これにより、ブラケット本体63とカバープレート64との間に、コントロールレバー66、シフトレバー体60の球状部112、球受シート67が挟持されるようになっている。なお、カバープレート64の係合孔158と、ブラケット本体63の球受シート部87の係合凸部93とにより、本明細書でいう「係合手段」が構成されている。
これにより、ブラケット本体63とカバープレート64との間に、コントロールレバー66、シフトレバー体60の球状部112、球受シート67が挟持されるようになっている。なお、カバープレート64の係合孔158と、ブラケット本体63の球受シート部87の係合凸部93とにより、本明細書でいう「係合手段」が構成されている。
図11に示すように、前記カバープレート64には、前後のねじ挿通孔162が形成されている。両ねじ挿通孔162は、後述する連結ボルト164(図12参照。)のねじ軸部168を挿通可能に形成されている。
また、図1に示すように、前記ブラケット本体63(補助枠77を含む。)とカバープレート64とは、前後2本の連結ボルト164と2個のナット165とによる締着によって締結される。
また、図1に示すように、前記ブラケット本体63(補助枠77を含む。)とカバープレート64とは、前後2本の連結ボルト164と2個のナット165とによる締着によって締結される。
図12は連結ボルト164を右方から見た斜視図である。連結ボルト164は、ボルト軸部166と、ボルト軸部166の一端部すなわち右端部に形成された六角形状の頭部167と、ボルト軸部166の他端部すなわち左端部に形成されたねじ軸部168とを有している。また、ねじ軸部168の先端面すなわち左端面に、左側の係止軸部171が形成されている。また、頭部167の右端面には円柱状の座部170が形成され、さらに座部170の右端面に右側の係止軸部172が形成されている。なお、ボルト軸部166、頭部167、ねじ軸部168、座部170及び両係止軸部171,172は、同一軸線上に形成されている。
前記ボルト軸部166は、前記ブラケット本体63(補助枠77を含む。)のボルト挿通孔78(図7(a)参照。)内に挿通可能に形成されている。また、頭部167は、前記回り止め溝79に回り止め状態で嵌合可能にかつボルト挿通孔78を通過不能に形成されている。また、ねじ軸部168は、ボルト軸部166より小径をなしており、前記カバープレート64のねじ挿通孔162(図11参照。)内に挿通可能に形成されている。ねじ軸部168には、前記ナット165が螺合可能に形成されている。そして、連結ボルト164のボルト軸部166をブラケット本体63(補助枠77を含む。)のボルト挿通孔78に挿通し、ねじ軸部168をカバープレート64のねじ挿通孔162に挿通した状態で、ねじ軸部168に前記ナット165を締結する(図16参照。)。これにより、頭部167とナット165との間に、ブラケット本体63及びカバープレート64が締着される。また、両係止軸部172,171は、同一軸径で形成されかつねじ軸部168よりも小径をなしている。頭部167は、ブラケット本体63の回り止め溝79に嵌合することにより回り止めされる。
次に、ケーブルエンドブラケット68を説明する。図13はケーブルエンドブラケット68を右方から見た斜視図である。ケーブルエンドブラケット68は、例えば樹脂製で、基板部175と、その基板部175の上縁部を除いた外周縁部から右方へ突出する周壁部176とを有している。基板部175の左側面には、適数個(例えば、前後2個。)の取付片177が一体形成されている。取付片177は、前記ブラケット本体63の取付片72(図7(b)参照。)と同様に、図示しない車両のインストルメントパネル内における車体側部材に対して取付用ボルトにより締着可能に形成されている。
前記周壁部176の前後両端縁部には、断面T字溝状で左右方向に延びる前後一対の嵌合溝180が前後対称状に形成されている。両嵌合溝180内には、前記ブラケット本体63の両嵌合凸条74が右から左へスライドさせるようにして嵌合可能になっている(図4及び図17参照。)。両嵌合凸条74と両嵌合溝180との嵌合によって、ケーブルエンドブラケット68をブラケット本体63に一体化することができる。これにより、前記カバープレート64の下半部を含む前記ブラケット本体63の左側開口面が、ケーブルエンドブラケット68によって覆われるとともに、周壁部176の右側開口面がブラケット本体63の下半部によって覆われる(図5参照。)。また、図13に示すように、周壁部176の下端部には、右方に開口する取付溝182を有するケーブルエンド取付部181が形成されている。ケーブルエンド取付部181には、図示しないコントロールケーブルのアウタケーブルの端末部が取付可能になっている。
図13に示すように、前記ケーブルエンドブラケット68の中央部内には、ほぼ水平状の台壁部183が形成されている。台壁部183の上面には、その左から右方へ並ぶM/T用波形部184、ガイド溝部185、A/T用ディテント部186が形成されている。M/T用波形部184は、前記シフトレバー体60のM/T用シフト操作時において摺動するシフトレバー体60のM/T用プランジャ141(図9(a)参照。)に、プランジャスプリング(図示しない。)の付勢力を利用してシフトレバー体60をMレンジへ戻す力を発生する断面V字溝状でほぼV字型をなす波形をもって形成されている。また、ガイド溝部185は、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時において、前記M/T用プランジャ141を案内するV字溝状に形成されている。また、ガイド溝部185には、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時における前記ディテントロッド118のディテント係合部142(図9(a)参照。)を、空振り可能に受け入れるための逃げ溝部187が形成されている。また、M/T用波形部184とガイド溝部185(詳しくは、逃げ溝部187)との間には、シフトレバー体60のセレクト操作時において、M/T用プランジャ141がプランジャスプリング(図示しない。)の弾性復元力を利用して、乗り越えることにより、シフトレバー体60に節度感を与える波形を有するセレクト用節度波形部188が形成されている。
前記A/T用ディテント部186は、前記ディテントロッド118のディテント係合部142(図9(a)参照。)が係合することにより、A/T用シフト操作時におけるシフトレバー体60のシフト操作を規制する段部を有する凹凸形状をもって形成されている。A/T用ディテント部186は、ディテント係合部142の係合により、シフトレバー体60のPレンジからRレンジへのシフト操作、NレンジからRレンジへのシフト操作、RレンジからPレンジへのシフト操作を規制する。また、前記ボタン117(図3参照。)の押込み操作により、ディテントロッド118がスプリング(図示しない。)の弾性に抗して上動されたときには、A/T用ディテント部186に対するディテント係合部142の係合が解除される。すなわち、前記シフト操作の規制が解除されることによって、シフトレバー体60のシフト操作が可能になる。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、前に述べたように、ディテント係合部142が逃げ溝部187内を空振りする。
なお、前記シフトレバー装置は、図示しない車両のインストルメントパネルに形成されたインジケータパネル取付孔内に配置されるインジケータパネル193を備えている(図1参照。)。図5に示すように、インジケータパネル193は、例えば樹脂製で、前記ブラケット本体63のゲート枠部76及び補助枠77の上面を覆うように形成されたパネル部194と、その周囲を取り囲むように形成された縁取部195とを有している。図3に示すように、パネル部194には、前記ゲート部81に対応するゲート部196が形成されている。ゲート部196には、前記シフトレバー体60のカバー部材114の筒状部134がシフト方向及びセレクト方向に移動可能に嵌合される。また、パネル部194には、前記シフトレバー体60のシフト操作位置に対応するP,R,N,D,M,+,−を表記するインジケータ表示部197が設けられている。
図14はインジケータパネル193を下方から見た斜視図である。前記縁取部195には、下方へ突出する左右2本で前後2組の取付脚片198が形成されている。各組の取付脚片198の先端部すなわち下端部には、同一軸線上に位置しかつ左右方向に貫通する取付孔199が形成されている。図16に示すように、各組の取付孔199は、各取付脚片198の弾性変形いわゆる開脚方向の撓み変形(図16中、二点鎖線198参照。)を利用して、前記連結ボルト164の両係止軸部171,172に嵌合可能に形成されている。インジケータパネル193は、両取付脚片198の各取付孔199を連結ボルト164の両係止軸部171,172に嵌合することによって、ブラケット本体63に装着されるようになっている。このとき、左側の取付脚片198が連結ボルト164のねじ軸部168の端面に当接し、右側の取付脚片198が連結ボルト164の座部170の端面に当接する。
次に、上記シフトレバー装置の構成部品の組付手順の一例について説明する。
(1)図18に示すように、ブラケット本体63の球受シート部87に対して、その左方(図18において紙面表方)から、コントロールレバー66の軸孔97(図8(a)参照。)を嵌合する(図19参照。)。このとき、球受シート部87の両連結部89の係合凸部93に、レバー筒部95の両取付用案内溝100(図8(a),(b)参照。)を嵌合させる。この状態(図19中、二点鎖線66参照。)で、コントロールレバー66をその左から見て左回り方向(図19中、矢印Y1参照。)へ回動し、連結部89の両係合凸部93に対する両取付用案内溝100の位相をずらす。これとともに、両連結部89の周方向の相互間の開口部分に、レバー筒部95の上下の両凹溝部102,103がほぼ対応する。
(1)図18に示すように、ブラケット本体63の球受シート部87に対して、その左方(図18において紙面表方)から、コントロールレバー66の軸孔97(図8(a)参照。)を嵌合する(図19参照。)。このとき、球受シート部87の両連結部89の係合凸部93に、レバー筒部95の両取付用案内溝100(図8(a),(b)参照。)を嵌合させる。この状態(図19中、二点鎖線66参照。)で、コントロールレバー66をその左から見て左回り方向(図19中、矢印Y1参照。)へ回動し、連結部89の両係合凸部93に対する両取付用案内溝100の位相をずらす。これとともに、両連結部89の周方向の相互間の開口部分に、レバー筒部95の上下の両凹溝部102,103がほぼ対応する。
(2)次に、ブラケット本体63の球受シート部87の球受部88内に、その左方(図19において紙面表方)から、シフトレバー体60の球状部112を嵌合する(図20参照。)。このとき、シフトレバー体60のガイド部128を、ブラケット本体63のゲート枠部76のゲート部81内に位置する。また、シフトレバー体60の軸部133を、コントロールレバー66の上側の凹溝部102内に位置させるとともに、カバー部材114のカバー板部127をブラケット本体63のゲート枠部76上に配置する。また、シフトレバー体60のレバー軸部110を、球受シート部87の両連結部89の周方向の相互間の開口部内に位置させる。また、シフトレバー体60の係合部材115の係合軸部135を、コントロールレバー66の下側の凹溝部103内に位置させる。また、シフトレバー体60の球状部112の右側の係合突起125を、球受シート部87のシート面90の長孔91内に係入させる(図5参照。)。
(3)次に、シフトレバー体60の球状部112に、その左方(図20において紙面表方)から、球受シート67の球受シート部147の球受部148(図10(a),(b)参照。)を嵌合する(図21参照。)。このとき、球受シート部147の両連結部149の周方向の相互間の開口部内に、シフトレバー体60のレバー軸部110を相対的に位置させる。また、球受シート67の両連結部149がレバー筒部95の大径孔部99(図8(a)参照。)内に相対的に回動可能に嵌合されることにより、コントロールレバー66が抜け止めされる。また、球受シート67の両回り止め凸部156を、ブラケット本体63の両連結部89の先端部における周方向の相互間に嵌合する。これにより、球受シート67がブラケット本体63に対して回り止めされる。また、シフトレバー体60の球状部112の左側の係合突起125に、球受シート67の長孔151を嵌合させる(図5参照。)。
そして、ブラケット本体63のゲート枠部76(図20参照。)に、その左方(図20において紙面表方)から、補助枠77を宛がう(図21参照。)。
そして、ブラケット本体63のゲート枠部76(図20参照。)に、その左方(図20において紙面表方)から、補助枠77を宛がう(図21参照。)。
(4)次に、前記ブラケット本体63の球受シート部87に、その左方(図21において紙面表方)から、カバープレート64を重ねる(図22参照。)。このとき、球受シート部87の両連結部89の係合凸部93に、カバープレート64の両係合孔158の挿通溝部159を嵌合する。この状態で、コントロールレバー66を左から見て左回り方向へ回動し、球受シート部87の連結部89の両係合凸部93に対する両挿通溝部159の位相をずらすとともに、カバープレート64の両係合孔158の嵌合溝部160を球受シート部87の両連結部89の先端部に嵌合させる。これにより、球受シート部87の連結部89の両係合凸部93にカバープレート64の両係合孔158の嵌合溝部160が係合するため、球受シート部87にカバープレート64が抜け止めされた状態に装着される。また、カバープレート64が球受シート67を抜け止めすることにより、シフトレバー体60の球状部112がブラケット本体63の球受シート部87のシート面90と球受シート67の球受シート部147のシート面150との間に摺動可能に挟持される(図5及び図6参照。)。これとともに、ブラケット本体63(補助枠77を含む。)の両ボルト挿通孔78に、カバープレート64の両ねじ挿通孔162が整合する(図16参照。)。
(5)次に、ブラケット本体63の右方から両連結ボルト164のボルト軸部166をブラケット本体63(補助枠77を含む。)の両ボルト挿通孔78に挿通し、ねじ軸部168をカバープレート64のねじ挿通孔162にそれぞれ挿通する。そして、両ねじ軸部168にナット165をそれぞれ締結することにより、ナット165と頭部167との間においてブラケット本体63とカバープレート64が締着される(図16及び図22参照。)。
(5)次に、ブラケット本体63の両嵌合凸条74に、その左方(図22において紙面表方)から、ケーブルエンドブラケット68の両嵌合溝180を相対的にスライドさせるようにして嵌合する(図23参照。)。これによって、ブラケット本体63にケーブルエンドブラケット68が一体化される。これとともに、シフトレバー体60のM/T用プランジャ141がケーブルエンドブラケット68のガイド溝部185に対応し、ディテントロッド118のディテント係合部142がケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186に対応する。そして、ディテントスプリング191を、ブラケット本体63に対してコントロールレバー66の節度波形部108に対応するようにように、ネジ192で固定する。
上記のようにして、シフトレバー装置の構成部品の組付けが完了する。なお、その組付完了後においては、ベースブラケット62にインジケータパネル193が装着される(図3及び図5参照。)。すなわち、インジケータパネル193のゲート部196内に、シフトレバー体60のレバー軸部110を相対的に挿通してカバー部材114の筒状部134を対応させる。そして、インジケータパネル193の各取付脚片198の撓み変形(図16中、二点鎖線198参照。)を利用して、各取付脚片198の取付孔199を連結ボルト164の各係止軸部171,172に係合させる。これにより、インジケータパネル193の組付けが完了する。
その後、シフトレバー体60のレバー軸部110にノブ116、ボタン117等が組付けられることにより、シフトレバー装置が完成する(図2及び図3参照。)。
その後、シフトレバー体60のレバー軸部110にノブ116、ボタン117等が組付けられることにより、シフトレバー装置が完成する(図2及び図3参照。)。
上記したシフトレバー装置において、ブラケット本体63のゲート部81(図24参照。)のPレンジにあるシフトレバー体60のノブ116(図2参照。)に対して、シフト方向(図24において下方)への操作力を入力したときは、シフトレバー体60が球継手123(図6参照。)を介して回動する。これにより、シフトレバー体60が、Pレンジの後側(図24において下側)のRレンジ、そのRレンジの後側のNレンジ、そのNレンジの後側のDレンジに選択的にシフト操作される。なお、A/T用シフト操作時においては、必要に応じてノブ116のボタン117(図2参照。)を押込み操作することにより、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186に対するディテントロッド118のディテント係合部142の係合(図4参照。)によるシフト操作の規制を解除する。
前記シフトレバー体60のA/T用シフト操作時は、係合部材115の係合軸部135がコントロールレバー66の連動溝104に係合している(図15(a)参照。)。このため、シフトレバー体60のA/T用シフト操作に回動にともない、コントロールレバー66が一体的に回動する。したがって、コントロールレバー66の回動力が、コントロールケーブル(図示しない。)のインナケーブルを介して車両の自動変速機の変速レバーに伝達されることにより、該自動変速機のシフトレンジが切り替えられる。
また、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、コントロールレバー66の節度波形部108に対して、ブラケット本体63のディテントスプリング191が弾性的に乗り越える(図4参照。)。これにより、シフトレバー体60に段階的な節度感が与えられる。
また、シフトレバー体60のA/T用シフト操作時には、コントロールレバー66の節度波形部108に対して、ブラケット本体63のディテントスプリング191が弾性的に乗り越える(図4参照。)。これにより、シフトレバー体60に段階的な節度感が与えられる。
また、シフトレバー体60をDレンジ(図24参照。)からセレクト路85を通じてMレンジへセレクト操作したときには、シフトレバー体60が球継手123を介して回動すなわちノブ116が右方へ移動する(図5参照。)。すると、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186に対するディテントロッド118のディテント係合部142の係合が解除され、該ディテント係合部142がベースブラケット62の逃げ溝部187に位置する。これとともに、シフトレバー体60の係合部材115の係合軸部135が、コントロールレバー66の連動溝104から下側の凹溝部103に移動し、連動溝104に対する係合軸部135の係合が解除される(図15(b)参照。)。また、コントロールレバー66の上側の凹溝部102の底面に、シフトレバー体60のガイド部128が当接又は近接することにより、コントロールレバー66の左方への軸移動が規制される。また、ケーブルエンドブラケット68のセレクト用節度波形部188(図13参照。)をM/T用プランジャ141(図9(a)参照。)が弾性的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に節度感が与えられる。
また、シフトレバー体60をMレンジから+レンジにシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段ずつシフトアップされる。また逆に、シフトレバー体60をMレンジから−レンジにシフト操作すると、その操作の度に前記自動変速機が1段ずつシフトダウンされる。ちなみに、ブラケット本体63には、+レンジへのシフトレバー体60のシフト操作を検出するシフトアップスイッチ(図示しない。)が設けられており、そのシフトアップスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトアップされる。さらに、ブラケット本体63には、−レンジへのシフトレバー体60のシフト操作を検出するシフトダウンスイッチ(図示しない。)が設けられており、そのシフトダウンスイッチの検出信号に基づいて前記自動変速機がシフトダウンされる。
また、シフトレバー体60のM/Tシフト操作すなわちMレンジから+レンジへのシフト操作、及び、Mレンジから−レンジへのシフト操作においては、シフトレバー体60のM/T用プランジャ141(図9(a)参照。)がケーブルエンドブラケット68のM/T用波形部184(図13参照。)に弾性的に乗り上げ、当該プランジャスプリング(図示しない。)の弾性復元力により、シフトレバー体60にMレンジへ復帰させる力が付与される。このため、M/T用シフト操作時のシフトレバー体60のノブ116に対する操作力を開放すれば、シフトレバー体60がプランジャスプリングの弾性復元力によってMレンジへ復帰される。また、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、シフトレバー体60のガイド部128がコントロールレバー66の上側の凹溝部102の底面に沿って当接又は近接状態で移動することにより、コントロールレバー66の左方への軸移動が規制される。また、ディテントロッド118のディテント係合部142の係合が解除されるので、シフトレバー体60のM/T用シフト操作時には、ディテント係合部142がベースブラケット62の逃げ溝部187内を空振りする。
また、シフトレバー体60をMレンジからDレンジへセレクト操作したときには、シフトレバー体60が球継手123(図5参照。)を介して回動すなわちノブ116が左方へ移動する(図5中、二点鎖線116参照。)。すると、ケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部186にディテントロッド118のディテント係合部142が係合する(図4参照。)。これとともに、シフトレバー体60の係合部材115の係合軸部135が、コントロールレバー66の連動溝104に係合する(図15(a)参照。)。また、シフトレバー体60のDレンジへのセレクト操作にともない、ケーブルエンドブラケット68のセレクト用節度波形部188(図13参照。)をM/T用プランジャ141(図9(a)参照。)が弾性的に乗り越えることにより、シフトレバー体60に節度感が与えられる。
上記したシフトレバー装置によると、シフトレバー体60が、そのシフトレバー体60の軸線60Lに交差する一直線方向すなわち左右方向に分割したブラケット本体63及びカバープレート64の組合せによって構成されたベースブラケット62によって、シフト方向及びセレクト方向に操作可能に支持される(図5及び図6参照。)。したがって、ブラケット本体63に対してシフトレバー体60及びカバープレート64を一方向すなわち左方から組付けることができる。このため、シフトレバー装置の構成部品の組付性を向上するとともに組付工数を削減することができる。
また、ベースブラケット62にシフトレバー体60が球継手123を介してシフト操作及びセレクト操作可能に支持される(図5及び図6参照。)。球継手123は、ベースブラケット62に設けた球受シート部87及び球受シート67と、それら両球受シート(67,87)によって揺動可能に支持されるシフトレバー体60の球状部112とにより構成されている。この球継手123によると、カルダン継手に比べて、部品点数が少なくて済むため、シフトレバー装置の構造の簡素化及び小型化を実現することができる。また、球継手123は、前記実施例1のシーケンシャルシフト式の他、ゲートシフト式等のように、ベースブラケット62にシフトレバー体60がシフト操作及びセレクト操作可能に支持されるシフト形式のシフトレバー装置に共通使用することができる。
なお、図25に、ゲートシフト式のシフトレバー装置におけるゲート部(符号、81Aを付す。)のシフトパターンが例示されている。このシフトパターンは、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジに加え、3(サード)レンジ、2(セカンド)レンジ、L(ロー)レンジを階段状に備えている。このようなゲートシフト式のシフトレバー装置に対しても、前記実施例1のシフトレバー装置を共通使用することができる。
また、図26に、ゲートシフト式にシーケンシャルシフト式を組合わせたシフトレバー装置におけるゲート部(符号、81Bを付す。)のシフトパターンが示されている。このシフトパターンは、前記ゲートシフト式シフトパターンにシーケンシャルシフト式のシフトパターンを組合わせたシフトパターンで構成されており、ゲートシフト式のA/T用シフト路82Bと、前記実施例1におけるM/T用シフト路84と、そのA/T用シフト路82BのDレンジとM/T用シフト路84のMレンジとを連絡するセレクト路85とを備えている。このようなゲートシフト式にシーケンシャルシフト式を組合わせたシフトレバー装置に対しても、本実施例のシフトレバー装置を共通使用することができる。
また、シフトレバー体60のセレクト操作により該シフトレバー体60に連動及びその連動を解除可能でかつ変速機に連繋されたコントロールレバー66が、ベースブラケット62のブラケット本体63の球受シート部87及び球受シート67に対して嵌合によって回動可能に支持されている(図5及び図6参照。)。このため、ベースブラケット62にコントロールレバー66を回動可能に支持するための専用の部品を省略し、シフトレバー装置をコンパクト化することができる。
また、ブラケット本体63に球受シート67が一体化されている(図7(a)参照。)。これにより、部品点数を削減することができる。
また、ブラケット本体63とカバープレート64との相互間に設けた係合手段の係合凸部93と係合孔158とを対向方向に嵌合した状態で相対的に回動させて係合することにより、ブラケット本体63とカバープレート64とを容易に組付けることができる(図22参照。)。これにより、球保持部(球状部112の保持に係る部分が相当する。)における寸法のばらつきはブラケット本体63の寸法と鉄板製のカバープレート64の板厚で決まるので、シフトレバー体60の操作荷重が安定する。更に、ねじ止め手段による組付けに比べて、組付け工数を削減し、組付けに要する作業時間を短縮することができる。
また、ブラケット本体63に組付けたケーブルエンドブラケット68によって、変速機のコントロールケーブルにおけるアウタケーブルのケーブルエンドを支持することができる。また、ブラケット本体63に対して異種のケーブルエンドブラケット68を同一の取付構造をもって組付可能とすることにより、シフトレバー装置のブラケット本体63を含む部品の共通化を図ることができる。
また、ブラケット本体63の球受シート部87の長孔91及び球受シート67の長孔151と、それらの長孔91,151に係合されたシフトレバー体60の球状部112の両係合突起125とにより、シフトレバー体60のレバー軸線60Lの軸回り方向の回動を規制する「回動規制手段」が設けられている(図5及び図6参照。)。これにより、シフトレバー体60の軸回り方向の回動による「振れ」を防止あるいは低減し、シフトレバー体60の操作性を向上することができる。
また、球継手123を構成するブラケット本体63の球受シート部87及び球受シート67とシフトレバー体60の球状部112との間に、両長孔91,151と両係合突起125とによる回動規制手段を設けることにより、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、球継手123を構成するブラケット本体63の球受シート部87及び球受シート67とシフトレバー体60の球状部112との間に、両長孔91,151と両係合突起125とによる回動規制手段を設けることにより、回動規制手段をコンパクトに構成することができる。
また、シフトレバー体60のA/T用シフト操作に連動可能に設けられかつ自動変速機に連繋されるコントロールレバー66が、球継手123の一側すなわち右側に隣接した状態で設けられている(図5及び図6参照。)。これにより、シフトレバー装置を左右方向に関してコンパクト化することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2について説明する。なお、本実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるので、重複する説明は省略し、変更部分について説明する。
本実施例は、ストレートシフト式のシフトレバー装置に適用したものである。図29に、ストレートシフト式のシフトレバー装置におけるゲート部(符号、81Cを付す。)のシフトパターンが示されている。このシフトパターンは、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、Lレンジを直列状に備えている。このゲート部81Cに対応して、インジケータパネル193のゲート部(符号、196Cを付す。)も変更が加えられている。
本発明の実施例2について説明する。なお、本実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるので、重複する説明は省略し、変更部分について説明する。
本実施例は、ストレートシフト式のシフトレバー装置に適用したものである。図29に、ストレートシフト式のシフトレバー装置におけるゲート部(符号、81Cを付す。)のシフトパターンが示されている。このシフトパターンは、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、Lレンジを直列状に備えている。このゲート部81Cに対応して、インジケータパネル193のゲート部(符号、196Cを付す。)も変更が加えられている。
本実施例の場合、前記実施例1(図1参照。)におけるコントロールレバー66、係合部材115の係合軸部135、プランジャホルダ部136及びM/T用プランジャ141(図9(a)参照。)等が省略されている。その代わりに、図27に示すように、シフトレバー体60の係合部材115に、コントロールレバー部201が設けられている。図28に示すように、コントロールレバー部201には、前記実施例1におけるコントロールレバー66と同様に、連結ピン106を有するケーブル連結部96、及び、A/T用節度波形部108を有する節度波形板部107等が形成されている(図28参照。)。なお、本実施例の節度波形板部107は、ケーブル連結部96の右側面に形成されている。また、A/T用節度波形部108シフトレバー体60のシフト路におけるシフト操作にともなって、該シフトレバー体60に、P,R、N,D,2,Lの計6段階にわたって節度感を与えるように設定されている。また、連結ピン106は、ケーブル連結部96の左側面に突出されている。
図27に示すように、前記実施例1(図1参照。)におけるシフトレバー体60の球状部112が、その左側部に前記シフト軸線上に位置する円柱状の軸部204を有する軸付球状部203(図28参照。)に変更されている。また、実施例1(図1参照。)における球受シート67の球受部148が、前記軸部204をシフト軸線回りに回動可能に支持する軸受部207に代えた軸受シート206に変更されている。そして、ブラケット本体63の球受シート67と軸受シート206と軸付球状部203とにより、ベースブラケット62にシフトレバー体60をシフト操作可能に支持するピン継手208が構成されている。
前記ディテントロッド118のディテント係合部142が係合するケーブルエンドブラケット68のA/T用ディテント部(符号、186Aを付す。)は、シフトレバー体60のPレンジからRレンジへのシフト操作、NレンジからRレンジへのシフト操作、RレンジからPレンジへのシフト操作に加え、2レンジからLレンジへのシフト操作が規制されるようになっている。また、前記ボタン117を押込み操作したときには、前記実施例1と同様に、ディテントロッド118がスプリング(図示しない。)の弾性に抗して上動されて、前記シフト操作の規制が解除されることにより、シフトレバー体60のシフト操作が可能になる。
上記したシフトレバー装置によっても、前記実施例1のシフトレバー装置とほぼ同様の作用・効果を奏することができる。
また、ベースブラケット62にシフトレバー体60がピン継手208を介してシフト操作可能に支持されることにより、ストレートシフト式のシフトレバー装置を容易に構成することができる。
また、ピン継手208は、軸付球状部203に対して一方の軸受シート206、及び、その軸受シート206に対応する軸部204の変更を要するだけで、それ以外の多くの部品は前記実施例1における球継手123のものを兼用することができる。このため、シフト形式の異なるシフトレバー装置に容易に対応することができる。
また、ベースブラケット62にシフトレバー体60がピン継手208を介してシフト操作可能に支持されることにより、ストレートシフト式のシフトレバー装置を容易に構成することができる。
また、ピン継手208は、軸付球状部203に対して一方の軸受シート206、及び、その軸受シート206に対応する軸部204の変更を要するだけで、それ以外の多くの部品は前記実施例1における球継手123のものを兼用することができる。このため、シフト形式の異なるシフトレバー装置に容易に対応することができる。
本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明の自動変速機用のシフトレバー装置は、インストルメントパネルに限らず、フロアコンソールに配置される自動変速機用のシフトレバー装置としても適用することができる。また、ベース体は、左右方向に分割したベース分割体の組合せによって構成するものに限らず、前後方向に分割したベース分割体の組合せによって構成することが考えられる。また、前記実施例では、ブラケット本体63に球受シート部87を一体形成したが、ブラケット本体63と球受シート部87とを別体で形成することができる。また、前記実施例2における軸付球状部203は、シフト軸に代えることができる。
60 シフトレバー体
62 ベースブラケット(ベース体)
63 ブラケット本体(ベース分割体)
64 カバープレート(ベース分割体)
66 コントロールレバー
67 球受シート
68 ケーブルエンドブラケット
87 球受シート部(球受シート)
93 係合凸部(係合手段の一部)
112 球状部
123 球継手
158 係合孔(係合手段の一部)
204 軸部
203 軸付球状部
206 軸受シート
208 ピン継手
62 ベースブラケット(ベース体)
63 ブラケット本体(ベース分割体)
64 カバープレート(ベース分割体)
66 コントロールレバー
67 球受シート
68 ケーブルエンドブラケット
87 球受シート部(球受シート)
93 係合凸部(係合手段の一部)
112 球状部
123 球継手
158 係合孔(係合手段の一部)
204 軸部
203 軸付球状部
206 軸受シート
208 ピン継手
Claims (7)
- シフトレバー体と、
前記シフトレバー体を所定方向に操作可能に支持するベース体と
を備え、
前記ベース体を、前記シフトレバー体の軸線に交差する一直線方向に分割したベース分割体の組合せによって構成した
ことを特徴とするシフトレバー装置。 - 請求項1に記載のシフトレバー装置であって、
前記ベース体に前記シフトレバー体をシフト操作及びセレクト操作可能に支持する球継手を備え、
前記球継手が、前記ベース体に設けた一対の球受シートと、前記シフトレバー体に設けられかつ前記両球受シートによって揺動可能に支持される球状部とにより構成されている
ことを特徴とするシフトレバー装置。 - 請求項2に記載のシフトレバー装置であって、
前記シフトレバー体のセレクト操作により該シフトレバー体に連動及びその連動を解除可能でかつ変速機に連繋されたコントロールレバーが、前記いずれかの球受シートに対して嵌合によって回動可能に支持されていることを特徴とするシフトレバー装置。 - 請求項2に記載のシフトレバー装置であって、
前記シフトレバー体の球状部を、前記いずれか一方の球受シートに対応する軸部を有する軸付球状部に変更し、
前記一方の球受シートを、前記軸部を回動可能に支持する軸受シートに変更し、
前記残りの球受シートと前記軸受シートと前記軸付球状部とにより、前記ベース体に前記シフトレバー体をシフト操作可能に支持するピン継手を構成した
ことを特徴とするシフトレバー装置。 - 請求項2〜4のいずれか1つに記載のシフトレバー装置であって、
前記ベース体の少なくとも一方のベース分割体に、そのベース分割体に設けられるシート部材を一体化したことを特徴とするシフトレバー装置。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載のシフトレバー装置であって、
前記ベース分割体の相互間に、対向方向に関して嵌合可能でかつ嵌合状態での相対回動によって抜け止め可能な係合凸部と係合孔とからなる係合手段が設けられていることを特徴とするシフトレバー装置。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載のシフトレバー装置であって、
前記ベース体のいずれかのベース分割体に、変速機のコントロールケーブルにおけるアウタケーブルのケーブルエンドを支持するケーブルエンドブラケットを組付可能に構成したことを特徴とするシフトレバー装置。
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