JP3996680B2 - 自動変速機のシフトロック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動変速機のシフトロック装置、即ち運転者による所定操作が行われない限り、シフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への操作を禁止するシフトロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される自動変速機には、例えばP,R,N,D,S,L等の複数のレンジが設けられ、運転者によるシフトレバーの揺動操作によりこれらのレンジが選択されるようになっているが、このシフトレバーには、駐車位置としてのPレンジと走行位置を含む他の揺動位置としてのR,N,D,S,L等のレンジとの間や、Dレンジ等からRレンジ等への不用意な操作を防止するために、車体側の部材に設けられた規制部に係合するシフトピンが設けられ、このシフトピンをシフトレバーの上部のシフトボタンの押し操作によって下方に移動させて上記係合を解除しなければ、上記のような所定レンジ間のシフトレバーの操作が行えないようになっている。
【0003】
また、このシフト操作規制機構とは別に、PレンジからDレンジ等の走行レンジへの不用意な操作により車両が不意に発進するといった事態を防止するためのシフトロック装置が備えられる。
【0004】
このシフトロック装置は、通例、シフトレバーのPレンジ位置において上記シフトピンの下方移動を阻止するロック部材と、該ロック部材に一端が連結されたケーブルと、ブレーキペダルを踏み込んでいないときに上記ケーブルの軸方向の移動を規制する第1ケーブルロック手段と、キーシリンダにおけるイグニッションスイッチをON操作していないときに同じく上記ケーブルの軸方向の移動を規制する第2ケーブルロック手段等で構成される。
【0005】
そして、上記第1または第2ケーブルロック手段によりケーブルの軸方向の移動が規制されると、上記ロック部材がシフトピンの下方位置にロックされて該シフトピンの下方移動を阻止することにより、シフトレバーのPレンジ位置から他のレンジ位置への操作が禁止され、また、上記イグニッションスイッチがON操作され、かつブレーキペダルが踏み込まれれば、上記ケーブルに対する規制ないしロック部材のロックが解除されることにより、シフトボタンの押し操作に伴うシフトピンの下方移動に応じてロック部材が該シフトピンの下方位置から退避し、シフトレバーのPレンジ位置から他のレンジ位置への操作が可能となるようになっている。
【0006】
その場合に、上記のような構成のシフトロック装置においては、イグニッションスイッチがON操作されておらず或はブレーキペダルが踏み込まれていない状態、即ちケーブルを介してロック部材がシフトピンの下方位置にロックされている状態で、運転者がシフトレバーを操作しようとしてシフトボタンを押し操作したとき、シフトピンが上記ロック部材に強く押し付けられると共に、その力が該ロック部材を介してケーブルに伝達されることになる。そして、この場合、ケーブルはキーシリンダ側或はブレーキペダル側でケーブルロック手段により軸方向の移動が規制されているから、上記ロック部材からの力により該ケーブルに引張り方向または圧縮方向の荷重が作用することになり、これが該ケーブルの耐久性を低下させる要因となるのである。
【0007】
この問題に対処するものとして、例えば特開平4−302761号公報には、シフトピンの下方移動を阻止するロック部材とは別に、キーシリンダ側に導かれたケーブルが連結された作動部材を備えたシフトロック装置が開示されている。この装置によれば、シフトレバーをPレンジに操作してシフトピンを上方移動させたときに、上記作動部材を介してロック部材がシフトピンの下方位置に移動してシフトレバーがPレンジ位置にロックされることになるが、この状態から上記ケーブルないし作動部材がロックされたままシフトボタンの押し操作によりシフトピンを下方移動させたときに、該ピンがロック部材に押し付けられても、その力は該ロック部材に受け止められて、作動部材ないしケーブル側には伝達されることがなく、したがって上記のようなケーブルの耐久性の低下が防止されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなシフトロック装置においては、イグニッションスイッチのON操作やブレーキペダルの踏み込み操作等によりケーブルに対する規制を解除したときに、シフトピン下方のロック位置にあったロック部材はリターンスプリングの付勢力によって該ロック位置からロック解除位置へ退避するように構成されるが、この場合、シフトレバーがPレンジに操作されてシフトピンが上方移動するときに、上記リターンスプリングの付勢力に抗してロック部材をロック位置に移動させることになる。
【0009】
そして、シフトピンの上方移動は、シフトボタンの押し操作を解除したときに該シフトピン用のリターンスプリングの付勢力によって行われるから、このシフトピンの上方移動ないしロック部材のロック位置への移動を確実に行わせるためには、シフトピン用リターンスプリングの付勢力をロック部材用のリターンスプリングの付勢力に打ち勝つ強さとしなければならないことになる。
【0010】
しかし、このシフトピン用リターンスプリングの付勢力を強くすると、該シフトピンを下方移動させるためのシフトボタンの押し操作の操作力が大きくなり、該ボタンの操作性が悪化することになる。また、この操作力を小さくしようとすると、ロック部材用リターンスプリングの付勢力をさらに小さくしなければならないことになり、この場合、ケーブルに対する規制が解除されてロック部材がロック位置からロック解除位置へ退避するときに、その退避動作が確実に行われなくなるおそれが発生し、作動の確実性やシフトロック装置としての信頼性が低下することになる。
【0011】
そこで、本発明は、シフトピンの下方移動を阻止するロック部材とは別の作動部材にキーシリンダ等に至るケーブルが連結された構成のシフトロック装置において、上記シフトピン用リターンスプリングの付勢力を強くすることによるシフトボタンの操作性の悪化を回避しながら、上記ロック部材のロック解除位置への移動を確実に行わせるようにして、シフトボタンの良好な操作性とシフトロック装置としての高い信頼性とを両立させることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような手段を用いたことを特徴とする。
【0013】
まず、本願の請求項1に記載の発明(以下、第1発明という)は、運転者の揺動操作により、少なくとも駐車位置と走行位置とを含む複数の揺動位置に保持可能に車体側部材に支持されたシフトレバーと、該シフトレバーに該レバーの長手方向に移動自在に設けられたシフトピンと、該シフトピンをシフトレバーの長手方向第1の方向へ付勢する付勢手段とを有し、運転者の第1の所定操作により上記シフトピンが上記付勢手段による付勢力に抗してシフトレバーの長手方向第2の方向へ移動して、該シフトレバーの上記駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を可能とする一方、上記第1の所定操作が行われていないときには、上記車体側部材と協働して上記シフトレバーの駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を禁止するように構成されている自動変速機における、上記シフトピンの第2の方向への移動を規制することによりシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止するシフトロック装置に関するものであって、車体側部材に回動自在に支持され、上記シフトレバーの駐車位置においてシフトピンの上記第1の方向への移動に連動して所定方向に回動する作動部材と、車体側部材に移動自在に支持され、上記作動部材の所定方向への回動に連動して上記シフトピンの第2の方向への移動を規制するロック位置に移動するロック部材と、一端が上記作動部材に連結されたケーブル部材と、該ケーブル部材の軸方向の移動を禁止するケーブルロック手段と、上記第1の所定操作とは異なる運転者の第2の所定操作により上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向の移動禁止を解除するケーブルロック解除手段と、上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向移動規制の非作動時に、上記第1の所定操作によるシフトピンの第2の方向への移動に応じて、上記ロック部材をシフトピンの第2の方向への移動規制を行わないロック解除位置方向へ付勢するロック解除付勢手段とを備え、かつ、該ロック解除付勢手段に、シフトピンの第2の方向への移動時に上記ロック部材に係合するロック部材係合部と、上記作動部材に当接し、シフトピンの第1の方向への移動時にその移動に連動して作動部材を所定方向に回動させる連動操作部とを設けたことを特徴とする。
【0015】
一方、請求項2に記載の発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明と同様に、運転者の揺動操作により、少なくとも駐車位置と走行位置とを含む複数の揺動位置に保持可能に車体側部材に支持されたシフトレバーと、該シフトレバーに該レバーの長手方向に移動自在に設けられたシフトピンと、該シフトピンをシフトレバーの長手方向上方へ付勢する付勢手段とを有し、運転者の第1の所定操作により上記シフトピンが上記付勢手段による付勢力に抗してシフトレバーの長手方向下方へ移動して、該シフトレバーの上記駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を可能とする一方、上記第1の所定操作が行われていないときには、上記車体側部材と協働して上記シフトレバーの駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を禁止するように構成されている自動変速機における、上記シフトピンの下方への移動を規制することによりシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止するシフトロック装置に関するものであって、一端部が車体側部材に回動自在に支持され、かつ該端部から同方向に延びて、駐車位置にあるシフトレバーのシフトピンを上下方向から挟持する一対の上側及び下側突片部を有する板バネ部材と、車体側部材に回動自在に支持され、かつ上記シフトピンの上方移動時に上記板バネ部材と当接する第1当接部が設けられて、上記シフトピンの上方移動により板バネ部材を介して所定方向に回動する作動部材と、車体側部材に回動自在に支持され、かつ上記作動部材の所定方向への回動時に該作動部材と当接する第2当接部が設けられて、該作動部材の所定方向への回動に連動して上記シフトピンの下方移動を規制するロック位置に回動するロック部材と、一端が上記作動部材に連結されたケーブル部材と、該ケーブル部材の軸方向の移動を禁止するケーブルロック手段と、上記第1の所定操作とは異なる運転者の第2の所定操作により上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向の移動禁止を解除するケーブルロック解除手段とを備えると共に、上記板バネ部材に、上記ロック部材に係合し、上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向移動禁止の非作動時に、上記シフトピンの下方移動に応じて、ロック部材をシフトピンの下方への移動規制を行わないロック解除位置方向へ付勢するロック解除付勢用突片部を設けたことを特徴とする。
【0016】
上記の手段を用いることにより、本願の各発明によれば次のような作用が得られる。
【0017】
まず、第1発明によれば、シフトレバーの駐車位置においてシフトピンが付勢手段による付勢力により第1の方向に移動するときに、これに連動して作動部材が所定方向に回動すると共に、この作動部材の所定方向の回動によりロック部材がシフトピンの第2の方向への移動を規制するロック位置に移動することになる。
【0018】
そして、ブレーキペダルの踏み込み操作等の運転者による第2の所定操作が行われておらず、ケーブルロック手段によりケーブル部材の軸方向の移動が規制されている場合には、上記の状態からシフトピンを第2の方向へ移動させても、ロック部材によってその移動が所定位置で阻止されることにより、シフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への操作が禁止されることになるが、このとき、上記ケーブル部材は上記作動部材に連結されて、ロック部材には連結されていないから、シフトピンがロック部材に押し付けられても、その力がケーブル部材には伝達されないことになる。
【0019】
一方、ブレーキペダルの踏み込み操作等の運転者の第2の所定操作により上記ケーブルロック手段によるケーブル部材に対する規制が解除され、この状態でシフトピンが第2の方向へ移動されたときには、このシフトピンの移動に応じてロック解除付勢手段がロック部材をロック解除位置方向へ付勢することになる。
【0020】
したがって、ロック部材用に備えられるリターンスプリングのロック解除位置方向への付勢力を強くしなくても、該ロック部材が確実にロック解除位置に移動することになり、また、これに伴って、上記ロック部材用リターンスプリングの付勢力に抗してロック部材をロック位置に移動させるシフトピン用のリターンスプリングの付勢力も弱くすることができるようになる。
【0021】
そして、特にこの第1発明によれば、シフトピンの第1の方向への移動により作動部材を所定方向に回動させる際に、これを中間部材を介して行わせるように構成する場合に、この中間部材としての連動操作部が、シフトピンの第2の方向への移動に応じてロック部材をロック解除位置方向に付勢するロック解除付勢手段に設けられるので、部品点数の増大が抑制されることになる。
【0022】
一方、第2発明によれば、シフトレバーの駐車位置においてシフトピンが付勢手段の付勢力により上方移動するときに、板バネ部材を介して作動部材が所定方向に回動し、この作動部材の所定方向の回動によりロック部材がシフトピンの下方移動を規制するロック位置に移動することになるが、上記第1発明と同様に、ケーブル部材が作動部材に連結されているので、シフトロック状態において、上記シフトピンが下方移動してロック部材に押し付けられても、その力がケーブル部材に伝達されることはない。
【0023】
そして、ケーブル部材に対する規制が解除され、この状態でシフトピンが運転者の第1の所定操作により下方移動するときには、このシフトピンの下方移動により、上記板バネ部材に設けられたロック解除付勢用突片部がロック部材をロック解除位置方向へ付勢するので、上記第1発明と同様に、ロック部材用のリターンスプリング及びシフトピン用のリターンスプリングの付勢力を共に弱くすることができ、また、このロック解除付勢用突片部がシフトピンの上方移動に連動して作動部材を所定方向に回動させる板バネ部材に設けられているので、上記第1発明と同様に、部品点数の増大が抑制されることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、第1の実施の形態に係る自動変速機におけるシフトロック装置の全体概略構成図であって、このシフトロック装置は、シフト操作部1から導かれたケーブル2と、ブレーキペダル3の非踏み込み時には該ケーブル2の軸方向の移動を規制し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によってその規制を解除するように作動する第1ケーブルロック装置4と、キーシリンダ部5に設けられて、イグニッションスイッチのOFF時にはケーブル2の軸方向の移動を規制し、キー6によりイグニッションスイッチがON操作されたときにその規制を解除するように作動する第2ケーブルロック装置7と、上記シフト操作部1に設けられたシフトロック機構8で構成されており、イグニッションスイッチがON操作され、かつブレーキペダル3が踏み込まれている場合のみ、上記シフト操作部1におけるシフトレバー9のPレンジから他のレンジへの操作が許容されるようになっている。
【0026】
上記シフト操作部1は、図2、図3に示すように、車体に取り付けられるべース部材11を有し、該ベース部材11の下方突出部11aに上記シフトレバー9の下端の支軸部9aが回動自在に支持されている。そして、該シフトレバー9の前後方向の揺動操作により、P(駐車位置)、R(後退位置)、N(中立位置)、D(1〜4速間の自動変速位置)、S(1〜3速間の自動変速位置)、L(1〜2速間の自動変速位置)の各レンジが選択され、該レバー9に連結されたケーブル12を介して、選択されたレンジを検出するインヒビタスイッチや、選択されたレンジに応じた変速制御を行うためのコントロールバルブユニットにおけるマニュアルバルブや、Pレンジで当該変速機の出力軸をロックするパーキング機構等を作動させるようになっている。
【0027】
また、このシフト操作部1には、上記シフトレバー9の各レンジ間の操作を規制するためのガイド機構21が設けられている。このガイド機構21は、図4に拡大して示すように、上記ベース部材11に立設されたガイドプレート22と、シフトレバー9の下部に上下移動可能に備えられたシフトピン23とで構成され、ガイドプレート22に設けられた第1〜第3段付き部22a,22b,22cに上記シフトピン23が当接することにより、N,D,Sの各レンジからLレンジ及びRレンジ側への操作と、Pレンジとそれ以外のレンジとの間の操作とが規制されるようになっている。
【0028】
上記シフトピン23は、図5に示すように、シフトレバー9の下部両側面に設けられた上下方向の長穴9b,9bを貫通して上下に所定範囲内で移動可能に支持されている。そして、シフトレバー9の上部の把手部9cに設けられたシフトボタン24(図1参照)を押し操作すれば、該シフトピン23はシフトレバー9に内装された連動部材25を介して、かつシフトレバー9内における該シフトピン23の下方に内装されたリターンスプリング26の付勢力に抗して下方に押し下げられ、これにより該シフトピン23と上記ガイドプレート22の各段付き部22a〜22cとの当接が回避され、上記のような規制が解除されてシフトレバー9の各レンジ間の操作が許容されるようになっている。
【0029】
さらに、図2、図3に示すように、シフト操作部1にはシフトレバー9を各操作位置で位置決めする位置決め機構31が設けられている。この位置決め機構31は、ベース部材11の中央部における上記ガイドプレート22の前方に立設されて、上面にP,R,N,D,S,Lの各レンジに対応する係合凹部32a…32aが設けられたディテントプレート32と、シフトレバー9における上記シフトピン23の上方位置にブラケット33を介して取り付けられた板バネでなるディテント部材34とで構成されており、このディテント部材34の先端部がシフトレバー9の位置に応じたいずれかの係合凹部32aに係合することにより、該シフトレバー9が選択されたレンジの位置で位置決めされるようになっている。
【0030】
なお、上記ディテント部材34が取り付けられたブラケット33に前述のインヒビタスイッチ等に導かれるケーブル12が連結され、該ケーブル12がシフトレバー9の操作に応じて作動されるようになっている。
【0031】
そして、このシフト操作部1には、以上の構成に加えて前述のシフトロック機構8が設けられており、次にこのシフトロック機構8の構成を説明する。
【0032】
このシフトロック機構8は、図5、図6に示すように、上記ベース部材11に立設されたディテントプレート32にそれぞれピン41,42,43を介して回転自在に支持された作動部材44、ロック部材45及び板バネ部材46で構成されている。
【0033】
このうち、作動部材44は、シフトレバー9のPレンジ位置の側方に配置されて、中央部のボス部44aに上記ピン41が挿通されていることにより、該ボス部44aを中心として回動自在に支持されていると共に、上端部に前述のケーブル2が連結されて、図1に示す第1、第2ケーブルロック装置4,7に導かれている。また、下部には下方に延びるロック部材操作部44bが設けられていると共に、上記ボス部44aのシフトレバー9側の側方には板バネ部材係合部44cが突設されている。
【0034】
なお、上記ディテントプレート32には、作動部材44の図示の傾斜姿勢からX方向、即ちケーブル2を引き戻す方向の回動を所定位置で阻止するストッパ部32bが突設されており、このストッパ部32bに当接したときに、該作動部材44はほぼ直立状態となる。
【0035】
また、上記ロック部材45は、ディテントプレート32の下部における上記ガイドプレート22寄りの位置に配置され、上記ピン42により下部が回動自在に支持されている。そして、このロック部材45の裏面側、即ちディテントプレート32に対向する方の面には段付き部45aが設けられ、上記作動部材44がY方向(反X方向)に回動したときに、該作動部材44の下部のロック部材操作部44bがこの段付き部45aに当接して、該ロック部材45をY′方向に回動させることにより、図6に示すように、該ロック部材45が側方に退避したロック解除位置から起立して、上面部45bがPレンジ位置でのシフトレバー9におけるシフトピン23の直下方に位置するロック位置に移動するようになっている。
【0036】
そして、上記ピン42にはツルマキバネ47が巻き付けられ、その一端が該ロック部材45に設けられた突起部45cに、他端がベース部材11に設けられた突起部11bにそれぞれ係止されていることにより、該ロック部材45はX′方向、即ち側方のロック解除位置方向へ付勢され、上記作動部材44のロック部材操作部44bを介してディテントプレート32のストッパ部32bに受け止められるようになっている。
【0037】
さらに、上記板バネ部材46は、略円形状に屈曲形成された基部46aから上側及び下側の突片部46b,46cがガイドプレート22側に向けて延設されて全体形状が二又状とされていると共に、上記基部46aからは、下側の突片部46cのさらに下方を通って斜め下向きに延びるロック解除付勢用の突片部46dが設けられている。そして、基部46aが上記ピン43によりディテントプレート32における作動部材44の配設位置の反ガイドプレート22側に支持され、該基部46aを中心にして板バネ部材46の全体が回動するようになっている。
【0038】
また、上記上側及び下側の突片部46b,46cは、基部46aから作動部材44のボス部44aを避けるように上下にそれぞれ湾曲された上でガイドプレート22側に延設されていると共に、その先端部は所定幅の間隙46eを設けて対向するように設けられており、この間隙46e内に上記作動部材44における板バネ部材係合部44cが係合保持されるようになっている。
【0039】
そして、上記ロック解除付勢用突片部46dの先端は、上記ロック部材45におけるバネ受け用突起部45cにツルマキバネ47の一端と共に係止され、該ロック部材45をX′方向、即ちロック解除位置方向へ付勢するようになっている。
【0040】
次に、このシフトロック装置の作用を説明する。
【0041】
今、図7に実線で示すように、シフトレバー9がPレンジ以外の例えばDレンジに位置するものとする。このとき、シフトロック機構8においては、板バネ部材46の上側及び下側の突片部46b,46cの先端部間の間隙46eが、ガイドプレート22におけるRレンジ位置とPレンジ位置との間の第3段付き部22cより下方の位置で、やや斜め下方を指向した状態にある。また、このとき、ロック部材45はツルマキバネ47の付勢力によりX′方向に回動して側方に退避したロック解除位置にあり、裏面の段付き部45aが作動部材44の下部のロック部材操作部44bをX方向に押して該作動部材44を起立姿勢に保持しており、この状態で該ロック部材45及び作動部材44がディテントプレート32に設けられたストッパ部32bに位置決めされている。
【0042】
この状態からシフトレバー9の上部のシフトボタン24を押し操作することによりシフトピン23を下方移動させた上で、該シフトレバー9を鎖線で示すようにPレンジ位置に操作すれば、ガイドプレート22の第3段付き部22cを超えたシフトピン23は、その側方に開口する板バネ部材46の上側及び下側の突片部46b,46cの先端部間の間隙46e内に進入することになる。
【0043】
そして、この状態で上記シフトボタン24の押し操作を解除することにより、図5に示すリターンスプリング26の付勢力によって上記シフトピン23を矢印yで示すように上方に移動させると、該シフトピン23が板バネ部材46の上側の突片部46bに当接してこれを押し上げることにより、該板バネ部材46の全体がY″方向に回動し、これに伴って、該板バネ部材46の上記間隙46eに板バネ部材係合部44cが係合保持されている作動部材44がY方向に回動する。
【0044】
また、この作動部材44のY方向の回動により、その下部のロック部材操作部44bがロック部材45の裏面の段付き部45aを押して、該ロック部材45をY′方向に回動させる。これにより、該ロック部材45は、側方のロック解除位置から起立姿勢に回動しながら、上面部45bが上記シフトピン23の直下方に位置するロック位置に移動することになり、図6に示すPレンジの状態への動作が終了する。
【0045】
なお、このとき、ロック部材45はツルマキバネ47の付勢力に抗してY′方向に回動することになるが、このツルマキバネ47の付勢力は後述するように十分弱く設定されており、したがって、上記シフトピン23を上方移動させるリターンスプリング26の付勢力を徒に強くしなくても、ロック部材45は確実にロック位置に回動することになる。
【0046】
また、上記のようにシフトレバー9をPレンジに操作してシフトボタン24の押し操作を解除した後、例えば降車等に際して、運転者が図1に示すブレーキペダル3の踏み込みを解除し、またキー6によりイグニッションスイッチをOFF操作すると、第1、第2ケーブルロック装置4,7がケーブル2をそれぞれロックして、その軸方向の移動を規制することにより、該ケーブル2が連結された作動部材44が、図6に示す傾斜姿勢で固定されることになる。そして、この状態では、シフトレバー9のPレンジから他のレンジへの操作が阻止されることになる。
【0047】
つまり、ブレーキペダル3が踏み込まれておらず、或はイグニッションスイッチがON操作されていないときは、上記のように第1,第2ケーブルロック装置4,7のいずれか一方もしくは両方が作動してケーブル2の軸方向の移動を規制することにより、作動部材44が図6に示す傾斜姿勢に固定され、図7に示すほぼ直立した姿勢へのX方向の回動が阻止されることになる。
【0048】
したがって、この状態でシフトレバー9をPレンジから他のレンジへ操作しようとして、シフトボタン24を押し操作することによりシフトピン23を下方移動させても、図8に示すように、板バネ部材46の下側の突片部46cが下方へ押し下げられるだけで、作動部材44及びロック部材45は作動せず、該シフトピン23が上記板バネ部材46の下側の突片部46cの先端部を介してロック部材45の上面部45bに当接することになる。そのため、該シフトピン23は、ガイドプレート22の第3段付き部22cを超える位置まで下方に移動できないことになり、これにより、シフトレバー9のPレンジから他のレンジへの操作が禁止されることになる。
【0049】
そして、このとき、上記シフトボタン24の押し操作によりシフトピン23がロック部材45の上面部45bに押し付けられることになるが、その押し付け力は、シフトピン23の押し付け方向とほぼ平行な起立姿勢にあるロック部材45を介してベース部材11に全て受け止められて、作動部材44には伝達されないことになる。したがって、この作動部材44に連結されたケーブル2への上記力の伝達も回避されることになり、ケーブルロック装置4,7により軸方向の移動が規制されたケーブル2に引張り荷重が作用することによる該ケーブル2の耐久性の低下が防止されることになる。
【0050】
一方、運転者が乗車して発進すべくキー6によりイグニッションスイッチをON操作した後、シフトレバー9をPレンジから走行用のレンジに操作するためにブレーキペダル3を踏み込めば、第1、第2ケーブルロック装置4,7のケーブル2に対する規制が共に解除されることにより、上記作動部材44が図6に示す傾斜姿勢から図7に示す起立姿勢にX方向へ回動可能となる。
【0051】
そして、この状態で、シフトレバー9の上部のシフトボタン24を押し操作して、シフトピン23をリターンスプリング26の付勢力に抗して下方に移動させれば、板バネ部材46が下側の突片部46cを押し下げられることによりX″方向に回動すると共に、この板バネ部材46の上側及び下側の突片部46b,46cの先端部間の間隙46e内に板バネ部材係合部44cが係合保持されている作動部材44がX方向に回動して起立姿勢となる。また、この作動部材44のX方向の回動に伴い、ロック部材45がツルマキバネ47の付勢力によりロック位置から側方のロック解除位置へX′方向に回動する。
【0052】
これにより、シフトロック機構8は、図7に示す状態に戻り、シフトピン23がガイドプレート22における第3段付き部22cより下方に押し下げられることにより、シフトレバー9のPレンジから他のレンジへの操作が可能となり、RレンジやDレンジ等に操作されることになる。
【0053】
そして、特に、このシフトレバー9のPレンジから他のレンジへの操作時には、シフトピン23の下方移動に伴う板バネ部材46のX″方向への回動により、該板バネ部材46のロック解除付勢用突片部46dがバネ受け用突起部45cを介してロック部材45をX′方向、即ち上記ツルマキバネ47の付勢力と同方向のロック解除位置方向に付勢するのである。したがって、該ツルマキバネ47の付勢力を十分弱くしても、ロック部材45が確実にロック解除位置に回動されることになる。
【0054】
そして、このようにしてツルマキバネ47の付勢力を弱くすることができることにより、この付勢力に打ち勝ってロック部材45をロック位置へY′方向に回動させながらシフトピン23を上方移動させるリターンスプリング26の付勢力も、前述のように弱くすることができ、これにより、ロック部材45の確実な作動を確保しながら、シフトボタン24の良好な操作性が得られることになる。
【0055】
その場合に、シフトピン23の上方移動に伴ってロック部材45がロック位置に向けてY′方向に回動するときには、板バネ部材46も全体がY″方向に回動するので、該シフトピン23は板バネ部材46のロック解除付勢用突片部46dの付勢力に抗して移動する必要はなく、上記のようにツルマキバネ47の弱く設定された付勢力に打ち勝つだけで足りるのである。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るシフトロック機構108について説明する。
【0057】
図9に示すように、このシフトロック機構108も、ベース部材111に立設されたディテントプレート132にそれぞれピン141,142,143を介して支持された作動部材144、ロック部材145及び板バネ部材146を有する。
【0058】
このうち、作動部材144は、シフトレバー109のPレンジ位置の側方に配置されて、中央部のボス部144aに上記ピン141が挿通されていることにより、該ボス部144aを中心として回動自在に支持されている。そして、この作動部材144の上端部に、第1、第2ケーブルロック装置(図1の符号4,7参照)に導かれたケーブル102が連結されていると共に、該作動部材144の下部には下方に延びるロック部材操作部144bが設けられており、また、上記ボス部144aのシフトレバー109側の側方には板バネ部材係合部144cが突設されている。
【0059】
ここで、上記ディテントプレート132には、作動部材144の図示の傾斜姿勢からケーブル102を引き戻す方向(X方向)の回動を所定位置で阻止するストッパ部132bが突設されており、該作動部材144はほぼ直立状態でこのストッパ部132bに当接するようになっている。
【0060】
また、上記ロック部材145は、上記ディテントプレート132の下部におけるガイドプレート122寄りの位置に配置され、上記ピン142により下部が回動自在に支持されている。
【0061】
このロック部材145の裏面側、即ちディテントプレート132に対向する方の面には段付き部145aが設けられ、上記作動部材144がY方向(反X方向)に回動したときに、該作動部材144の下部のロック部材操作部144bがこの段付き部145aに当接して、該ロック部材145をY′方向に回動させることにより、該ロック部材145は、側方に退避したロック解除位置(図10参照)から図9に示す直立姿勢に起立して、上面部145bがPレンジ位置でのシフトレバー109におけるシフトピン123の直下方に位置するロック位置に移動するようになっている。
【0062】
そして、このロック部材145を支持するピン142にはツルマキバネ147が巻き付けられ、その一端が該ロック部材145に設けられた突起部145cに、他端がベース部材111に設けられた突起部111bにそれぞれ係止されていることにより、該ロック部材145はロック位置から側方のロック解除位置方向(X′方向)へ付勢され、上記作動部材144のロック部材操作部144bを介してディテントプレート132のストッパ部132bに受け止められるようになっている。
【0063】
さらに、上記板バネ部材146は、略円形状に屈曲形成された基部146aから上側及び下側の突片部146b,146cがガイドプレート122側に向けて延設されて全体形状が二又状とされていると共に、上記基部146aからは、下側の突片部146cのさらに下方を通って斜め下向きに延びるロック解除付勢用の突片部146dが設けられている。そして、上記基部146aが、ディテントプレート132における作動部材144の回動支点の反ガイドプレート122側に設けられたボス部132cに係合されていると共に上記ピン143により抜け止めされ、該基部146aを中心にして全体が回動可能に支持されている。
【0064】
また、この板バネ部材146の上記上側及び下側の突片部146b,146cは、基部146aから作動部材144のボス部144aを避けるように上下にそれぞれ湾曲された上でガイドプレート122側に延設され、その先端側のほぼ平行に延びる部分の間には所定幅の間隙146eが設けられて、この間隙146e内に上記作動部材144における板バネ部材係合部144cが係合保持されていると共に、図9に示すように、シフトレバー109がPレンジ位置にあるときに上方位置にあるシフトピン123が、上記間隙146e内で上下の突片部146b,146cの先端部間に係合されるようになっている。
【0065】
その場合に、下側の突片部146cは、シフトピン123よりさらにガイドプレート122側へ延長されていると共に、この延長部146c′をガイドプレート122のRレンジ位置とPレンジ位置との間の第3段付き部122cの下方に位置させるために、該段付き部122cの下端面122c′の位置が相対的に高くされ、シフトレバー109のPレンジ位置において上方位置にあるシフトピン123の下端面の位置とほぼ同じ高さとされている。
【0066】
また、このように、上記第3段付き部122cの下端面122c′が相対的に高くなって、該下端面122c′とロック位置にあるロック部材145の上面部145bとの間の間隔aが広くなることに伴い、シフトピン123の上下方向の寸法bが長くされ、該寸法bが上記間隔aより十分長くされている。
【0067】
さらに、この板バネ部材146の上記ロック解除付勢用突片部146dは、先端が上記ロック部材145におけるバネ受け用突起部145cにツルマキバネ147の一端と共に係止され、該ロック部材145をX′方向、即ちロック解除位置方向へ付勢するようになっている。
【0068】
なお、板バネ部材146の基部146aの後方(反ガイドプレート122側、以下同様)には、ベース部材111に立設されたカバー(図示せず)取り付け部111cが位置しており、この取り付け部111cに設けられた前方への突出部111dが上記板バネ部材146の基部146aの近傍に位置している。
【0069】
次に、このシフトロック機構108の作用を説明する。
【0070】
図10に示すように、このシフトロック機構108においても、シフトレバー109がPレンジ以外の例えばDレンジ等に位置するときは、ロック部材145がツルマキバネ147の付勢力によりX′方向に回動して側方に退避したロック解除位置に位置すると共に、該ロック部材145の裏面の段付き部145aが作動部材144の下部のロック部材操作部144bをX方向に押して該作動部材144を起立姿勢とし、この状態で該ロック部材145及び作動部材144がディテントプレート132に設けられたストッパ部132bに位置決めされている。
【0071】
また、作動部材144の板バネ部材係合部144cを上側及び下側の突片部146b,146cの先端部間の間隙146e内に保持する板バネ部材146は、基部146aを中心にしてX″方向に回動して、上記間隙146eが、ガイドプレート122におけるRレンジ位置とPレンジ位置との間の第3段付き部122cより下方の位置で、やや斜め下方を指向した状態にある。
【0072】
そして、この状態からシフトレバー109の上部のシフトボタン(図1の符号24参照)を押し操作することによりシフトピン123を下方移動させた上で、該シフトレバー109をPレンジ位置に操作すれば、ガイドプレート122の第3段付き部122cを超えたシフトピン123は、その側方に開口する板バネ部材146の上側及び下側の突片部146b,146cの先端部間の間隙146e内に進入することになる。
【0073】
さらに、この状態で上記シフトボタンの押し操作を解除することにより、シフトレバー109に内蔵されたリターンスプリング(図5の符号26参照)の付勢力によって上記シフトピン123を上方に移動させると、該シフトピン123が板バネ部材146の上側の突片部146bに当接してこれを押し上げることにより、該板バネ部材146の全体がY″方向に回動し、これに伴って、該板バネ部材146の上記間隙146eに板バネ部材係合部144cが係合保持されている作動部材144がY方向に回動する。
【0074】
また、この作動部材144のY方向の回動により、その下部のロック部材操作部144bがロック部材145の裏面の段付き部145aを押して、該ロック部材145をY′方向に回動させる。これにより、該ロック部材145は、側方のロック解除位置から起立姿勢に回動しながら、上面部145bが上記シフトピン123の直下方に位置するロック位置に移動することになり、図9に示すPレンジの状態への動作が終了する。
【0075】
次に、上記のようにシフトレバー109をPレンジに操作してシフトボタンの押し操作を解除した後、降車等に際して運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作の解除、またはキーによるイグニッションスイッチのOFF操作が行われると、第1、第2ケーブルロック装置のうちの少なくとも一方によりケーブル102がロックされて、その軸方向の移動が規制されることにより、該ケーブル102が連結された作動部材144は、図9に示す傾斜姿勢で固定されることになる。
【0076】
したがって、この状態でシフトレバー109をPレンジから他のレンジへ操作しようとして、シフトボタンを押し操作することによりシフトピン123を下方移動させても、図11に示すように、板バネ部材146の下側の突片部146cが下方へ押し下げられるだけで、作動部材144及びロック部材145は作動せず、該シフトピン123が、上記板バネ部材146の下側の突片部146cを介してロック部材145の上面部145bに当接することになる。
【0077】
そして、この状態では、該シフトピン123の上下方向の寸法bが、ガイドプレート122における第3段付き部122cの下端面122c′とロック部材145の上面部145bとの間の間隔aよりも十分に長いので、該シフトピン123は上記第3段付き部122cを超えることができず、これにより、シフトレバー109のPレンジから他のレンジへの操作が禁止されることになる。
【0078】
また、このとき、シフトボタンの押し操作により上記シフトピン123はロック部材145の上面部145bに押し付けられることになるが、その押し付け力はロック部材145を介してベース部材111に全て受け止められることになり、したがって、この実施の形態においても、作動部材144から該部材144に連結されたケーブル102へ上記押し付け力が伝達されることがなく、該ケーブル102の耐久性の低下が防止されることになる。
【0079】
ここで、板バネ部材146の下方の突片部146cはガイドプレート122側に延長され、その延長部146c′が、該ガイドプレート122の第3突起部122cの下方まで延びているので、図11に示すシフトロック状態において、シフトピン123が該突片部146cを下方に押し下げたときに、これが該突片部146cの先端から下方に脱落することが防止される。
【0080】
また、このとき、板バネ部材146は、上下の突片部146b,146cの間が開くことにより基部146aが拡径するように変形し、該基部146aがディテントプレート132のボス部132cから後方に抜け出ようとする場合があるが、該基部146aの後方には、ベース部材111から立設されたカバー取り付け部111cの突出部111dが位置するから、上記のような基部146aの後方への抜け出しないし板バネ部材146の全体の後方への移動が防止され、これによっても、上記シフトピン123が板バネ部材146の下方の突片部146cの先端部から下方に脱落することが確実に阻止される。
【0081】
一方、運転者が乗車して発進すべくイグニッションスイッチをON操作した後、シフトレバー109をPレンジから走行用のレンジに操作するためにブレーキペダルを踏み込めば、第1、第2ケーブルロック装置のケーブル102に対する規制が共に解除されることにより、上記作動部材144が図9に示す傾斜姿勢から図10に示す起立姿勢にX方向へ回動可能となる。
【0082】
そして、この状態で、シフトレバー109の上部のシフトボタンを押し操作して、シフトピン123をリターンスプリングの付勢力に抗して下方に移動させれば、板バネ部材146が下側の突片部146cを押し下げられることによりX″方向に回動すると共に、この板バネ部材146の上側及び下側の突片部146b,146cの先端部間の間隙146e内に板バネ部材係合部144cが係合保持されている作動部材144がX方向に回動して起立姿勢となる。また、この作動部材144のX方向の回動に伴い、ロック部材145がツルマキバネ147の付勢力によりロック位置から側方のロック解除位置へX′方向に回動する。
【0083】
これにより、シフトロック機構108は、図10に示す状態となり、シフトピン123がガイドプレート122における第3段付き部122cより下方に押し下げられることにより、シフトレバー109のPレンジから他のレンジへの操作が可能となり、RレンジやDレンジ等に操作されることになる。
【0084】
そして、この実施の形態においても、シフトレバー109のPレンジから他のレンジへの操作時には、シフトピン123の下方移動に伴う板バネ部材146のX″方向への回動により、該板バネ部材146のロック解除付勢用突片部146dがバネ受け用突起部145cを介してロック部材145をX′方向、即ち上記ツルマキバネ147の付勢力と同方向のロック解除位置方向に付勢し、したがって、該ツルマキバネ147の付勢力を十分弱くしても、ロック部材145が確実にロック解除位置に回動されることになる。
【0085】
そして、このようにしてツルマキバネ147の付勢力を弱くすることができることにより、この付勢力に打ち勝ってロック部材145をロック位置へY′方向に回動させながらシフトピン123を上方移動させるリターンスプリングの付勢力も弱くすることができ、これにより、ロック部材145の確実な作動を確保しながら、シフトボタンの良好な操作性が得られることになる。
【0086】
また、シフトピン123の上方移動に伴ってロック部材145がロック位置に向けてY′方向に回動するときには、板バネ部材146も全体がY″方向に回動するので、該シフトピン123は板バネ部材146のロック解除付勢用突片部146dの付勢力に抗して移動する必要はなく、上記のようにツルマキバネ147の弱く設定された付勢力に打ち勝つだけで足りるのである。
【0087】
なお、以上の第1、第2実施の形態においては、ベース部材11,111にガイド機構21を構成するガイドプレート22,122及び位置決め機構31を構成するディテントプイレート32,132が一体的に形成されているが、これらのプレート22,32,122,132をベース部材11,111とは別体で構成してもよい。その場合、これらのプレート22,32,122,132は車体側部材としてのベース部材11,111に固定されるから、作動部材44,144やロック部材45,145等はこのような別体のプレートに支持される場合にも、車体側部材に支持されることになる。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る自動変速機のシフトロック装置によれば、シフトレバーに運転者の第1の所定操作によって第2の方向(下方)へ移動して該シフトレバーの駐車位置と他の揺動位置との間の操作を可能とするシフトピンが設けられた構成において、シフトレバーが駐車位置にある状態で上記シフトピンの第1の方向(上方)への移動に連動して所定方向に回動する作動部材と、該作動部材の上記所定方向への回動に連動して上記シフトピンの第2の方向への移動を規制するロック位置に移動するロック部材と、ケーブルロック手段の作動により軸方向の移動が規制されると共に、ブレーキペダルの踏込み操作等の運転者の第2の所定操作によってその規制が解除されるケーブル部材とを備えると共に、このケーブル部材を上記作動部材に連結するように構成したから、上記第2の所定操作が行われていない状態でシフトピンを第2の方向に移動させる第1の所定操作が行われたときに、該シフトピンがロック部材に押し付けられることになって、その押し付け力がケーブル部材には伝達されないことになる。したがって、ケーブル部材が軸方向の移動を規制された状態で引張り方向または圧縮方向の荷重を受けることによる該ケーブル部材の耐久性の低下等が防止される。
【0089】
そして、特に本発明によれば、シフトレバーを駐車位置から他の揺動位置に操作するために、運転者がブレーキペダルの踏み込み操作等の第2の所定操作を行い、これに伴って上記ケーブルロック手段によるケーブル部材に対する規制が解除された状態でシフトピンを第2の方向へ移動させる第1の所定操作が行われたときに、このシフトピンの第2の方向への移動によりロック解除付勢手段がロック部材をロック解除位置方向へ付勢することになる。
【0090】
したがって、ロック部材用に備えられるリターンスプリングのロック解除位置方向への付勢力を強くしなくても、該ロック部材が確実にロック解除位置に移動することになり、また、これに伴って、上記ロック部材用リターンスプリングの付勢力に抗してロック部材をロック位置に移動させるシフトピン用のリターンスプリングの付勢力も弱くすることができ、これにより、シフトレバーにおける上記シフトピンを下方移動させるための良好な操作性を確保しながら、上記ロック部材の作動の確実性ないしシフトロック装置としての高い信頼性が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るシフトロック装置の全体構成を示す該略図である。
【図2】 同装置のシフト操作部の側面図である。
【図3】 同じく平面図である。
【図4】 同シフト操作部におけるガイド機構の概略側面図である。
【図5】 図2のA−A線で切断して見たシフトロック機構の拡大断面図である。
【図6】 図5のB−B線で切断して見た同シフトロック機構のPレンジの状態での拡大断面図である。
【図7】 同じくPレンジ以外の状態での拡大断面図である。
【図8】 同じくPレンジでのシフトロック状態を示す拡大断面図である。
【図9】 本発明の第2の実施の形態に係るシフトロック機構のPレンジの状態での拡大断面図である。
【図10】 同じくPレンジ以外の状態での拡大断面図である。
【図11】 同じくPレンジでのシフトロック状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シフト操作部
2,102 ケーブル部材
4,7 ケーブルロック手段、ケーブルロック解除手段
8,108 シフトロック機構
9,109 シフトレバー
11,111 ベース部材
23,123 シフトピン
44,144 作動部材
44c,144c 第1当接部(板バネ部材係合部)
45,145 ロック部材
45a,145a 第2当接部(段付き部)
46,146 ロック解除付勢手段(板バネ部材)
46b,46c,146b,146c 連動操作部(上側、下側突片部)
46d,146d ロック部材係合部(ロック解除付勢用突片部)

Claims (2)

  1. 運転者の揺動操作により、少なくとも駐車位置と走行位置とを含む複数の揺動位置に保持可能に車体側部材に支持されたシフトレバーと、該シフトレバーに該レバーの長手方向に移動自在に設けられたシフトピンと、該シフトピンをシフトレバーの長手方向第1の方向へ付勢する付勢手段とを有し、運転者の第1の所定操作により上記シフトピンが上記付勢手段による付勢力に抗してシフトレバーの長手方向第2の方向へ移動して、該シフトレバーの上記駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を可能とする一方、上記第1の所定操作が行われていないときには、上記車体側部材と協働して上記シフトレバーの駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を禁止するように構成されている自動変速機における、上記シフトピンの第2の方向への移動を規制することによりシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止するシフトロック装置であって、車体側部材に回動自在に支持され、上記シフトレバーの駐車位置においてシフトピンの上記第1の方向への移動に連動して所定方向に回動する作動部材と、車体側部材に移動自在に支持され、上記作動部材の所定方向への回動に連動して上記シフトピンの第2の方向への移動を規制するロック位置に移動するロック部材と、一端が上記作動部材に連結されたケーブル部材と、該ケーブル部材の軸方向の移動を禁止するケーブルロック手段と、上記第1の所定操作とは異なる運転者の第2の所定操作により上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向の移動禁止を解除するケーブルロック解除手段と、上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向移動規制の非作動時に、上記第1の所定操作によるシフトピンの第2の方向への移動に応じて、上記ロック部材をシフトピンの第2の方向への移動規制を行わないロック解除位置方向へ付勢するロック解除付勢手段とを有し、かつ、該ロック解除付勢手段は、シフトピンの第2の方向への移動時に上記ロック部材に係合するロック部材係合部と、上記作動部材に当接し、シフトピンの第1の方向への移動時にその移動に連動して作動部材を所定方向に回動させる連動操作部とを有することを特徴とする自動変速機のシフトロック装置。
  2. 運転者の揺動操作により、少なくとも駐車位置と走行位置とを含む複数の揺動位置に保持可能に車体側部材に支持されたシフトレバーと、該シフトレバーに該レバーの長手方向に移動自在に設けられたシフトピンと、該シフトピンをシフトレバーの長手方向上方へ付勢する付勢手段とを有し、運転者の第1の所定操作により上記シフトピンが上記付勢手段による付勢力に抗してシフトレバーの長手方向下方へ移動して、該シフトレバーの上記駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を可能とする一方、上記第1の所定操作が行われていないときには、上記車体側部材と協働して上記シフトレバーの駐車位置と他の揺動位置との間の揺動操作を禁止するように構成されている自動変速機における、上記シフトピンの下方への移動を規制することによりシフトレバーの駐車位置から他の揺動位置への揺動を禁止するシフトロック装置であって、一端部が車体側部材に回動自在に支持され、かつ該端部から同方向に延びて、駐車位置にあるシフトレバーのシフトピンを上下方向から挟持する一対の上側及び下側突片部を有する板バネ部材と、車体側部材に回動自在に支持され、かつ上記シフトピンの上方移動時に上記板バネ部材と当接する第1当接部が設けられて、上記シフトピンの上方移動により板バネ部材を介して所定方向に回動する作動部材と、車体側部材に回動自在に支持され、かつ上記作動部材の所定方向への回動時に該作動部材と当接する第2当接部が設けられて、該作動部材の所定方向への回動に連動して上記シフトピンの下方移動を規制するロック位置に回動するロック部材と、一端が上記作動部材に連結されたケーブル部材と、該ケーブル部材の軸方向の移動を禁止するケーブルロック手段と、上記第1の所定操作とは異なる運転者の第2の所定操作により上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向の移動禁止を解除するケーブルロック解除手段とが備えられていると共に、上記板バネ部材に、上記ロック部材に係合し、上記ケーブルロック手段によるケーブル部材の軸方向移動禁止の非作動時に、上記シフトピンの下方移動に応じて、ロック部材をシフトピンの下方への移動規制を行わないロック解除位置方向へ付勢するロック解除付勢用突片部が設けられていことを特徴とする自動変速機のシフトロック装置。
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